JP3693347B2 - 計算機式断層写真システムにおける高データ速度通信用の位相分割器を用いた伝送線路 - Google Patents
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Description
関連出願
本出願は、本発明と同日に出願され、本発明と同じ被譲渡人に譲渡され、ここで引用される特許出願第08/407,149号(出願人控え番号RD−24,212)、発明の名称「計算機式断層写真システムにおける高データ速度通信用の電力コンバイナを用いた伝送線路」と関連する。
発明の背景
本発明の分野は、全般的には計算機式断層写真法(CT)に関連するが、特に、CTシステムにおける高データ通信用の正確な広帯域位相分割器(フェイズ・スプリッタ)を用いた伝送線路に関連する。
CTシステムは、異なる回転角度における多数のX線像又はビューを求めるために回転フレーム又はガントリを用いていることが典型的である。各組の像は、この分野では「スライス」と呼ばれる。一般的に、患者又は無生物が、軸方向に可動なテーブルに乗せられて、回転フレームの中心開口に位置決めされ、こうして多数の軸方向位置でもそれぞれのスライスを求めることができるようにしている。こうして得られた各々のスライスは、この後、所定のアルゴリズムに従ってコンピュータで処理されて、診断又は検査用の強化像を作成する。
回転フレームは、X線源と、検出器配列と、各々のビューに対する像データを発生するのに必要な電子回路とを含んでいる。生の像データを強化形式に処理するために、1組の不動の電子回路が用いられている。このため、CTシステムの回転フレームと不動フレームとの間で像データを連絡できるようにすることが必要である。
患者の不快さを減少させるために、及び/又はシステムの利用度を最大にするために、所望のビューをできるだけ早く求めることが望ましいので、不動フレームと回転フレームとの間の通信のデータ速度は重要な因子である。現在のCTシステムでは、1つのビューは典型的には、各々の個別の検出器チャンネル出力に16ビット表示を用いて、約800個の検出器チャンネルで構成されており(即ち、ビュー当たり12.8キロビット)、典型的には毎秒1000回繰り返されるので、像データだけに対しても、正味のデータ速度条件は約13メガビット/秒(Mbit/sec)になる。4倍、8倍又は16倍も多くの検出器チャンネルを用いることにより、多数の像スライスを同時に構成することのできる将来のCTシステムでは、像データだけに対しても、このデータ速度の条件は150Mbit/secを超える程増加する。
従来のCTシステムは、回転フレームを不動フレームに電気的に結合するために、ブラシ及びスリップ・リングを用いていた。しかしながら、一般的に、通信のためにブラシ及びスリップ・リングを利用しているCTシステムは、達成し得るデータ速度に重大な制約がある。これは、信号が円形のスリップ・リングに沿って伝搬するのに実質的な時間を必要とするためである。所望のデータ速度では、リングに沿った電気的な通路長はビット周期のかなりの端数になり、このため、リングに沿って反対向きに伝搬する電磁波は、ビット周期内の実質的に異なる時刻に受信点に到達し、誤った受信の原因に成り得る。
A.K.コリンズに付与され、本発明の被譲渡人に譲渡された、ここで引用する米国特許第5,208,581号は、通信のためにブラシ及びスリップ・リングを用いた他の形式のガントリを開示している。この米国特許の設計では、不動フレームと回転フレームとの間で比較的高速の通信が行えるが、接触しているブラシ及びリングを用いることにより、本質的に、ある欠点がある事実はそのままである。例えば、ブラシとリングとの間の機械的な接触により、疲労が生じ、信頼性のある通信を維持するためには、このようなブラシ及びリングを定期的に取り換えることを必要とする。更に、この米国特許のスリップ・リングの設計では、多重スライス型CTシステムに必要な一層高いデータ速度が得られない。
他のCTシステムは、不動フレームと回転フレームとの間の通信のために光学式データ・リンクを用いている。光学式データ・リンクの設計では、スリップ・リング及びブラシの典型的な欠点は回避されるが、このような光学的な設計で必要となる光学系は、厳密な仕様の下に製造されなければならないし、回転フレームの比較的長い円周に沿って信頼性のある光学的な結合を達成するために、実質的な空間的な整合を動作中に必要とする。これはコスト高に通じ、そのため、CTシステムに対して、安いコストで、CTシステムの不動フレームと回転フレームとの間の信頼性のある高データ速度の通信ができるようにする改良された通信リンクを提供することが望ましい。
更に、セルラー電話、細動除去器、外科のこによって、及び任意の所与のCTシステムで発生される電気雑音によっても、病院の環境内に典型的に発生されるような電磁放射線の妨害に対して頑健な、不動フレームと回転フレームとの間の通信リンクを提供することが望ましい。更に、連邦通信委員会及び/又は外国政府によって課せられる規制のような政府の規制に合致するために、このような通信リンクから放射される電磁エネルギのレベルを低下させることも望ましい。米国特許出願第08/307,120号に記載されているように、伝送線路及びカップラ又はプローブが、このような高いデータ速度の通信リンクを実現する手段になる。更に米国特許出願第08/307,130号に記載されているように、カップラが伝送線路に容易に接近できるようにする通路を形成しながら、伝送線路からの電磁放射線を実質的に減少させるためにU字型構造が効果的に用いられている。このようなU字型構造は伝送線路を実効的にシールドするが、カップラから脱出し又はカップラに沿って漏洩する電磁放射線を減少させることが望ましい。カップラの動作の妨げになり得るような、外部で発生された電磁エネルギに対するカップラの感度を低下させることも望ましい。
発明の要約
全般的に言うと、本発明は、不動フレームと、全体的に環状の回転フレームとを有している計算機式断層写真(CT)システムにおいて、所定の帯域幅を有する変調搬送波を受け取るように結合された入力ポートを有している位相分割器を備えた装置を提供することにより、上に述べた必要を満たす。位相分割器は第1及び第2の出力ポートを有しており、第1及び第2の出力ポートは、変調搬送波の帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を維持しながら、相互の間に約180°のような実質的に一様な位相角の差を有する第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ供給する。伝送線路が回転フレームに取り付けられていると共に、実質的に環状の回転フレームに沿って位置決めされている。伝送線路は、1つ又は更に多くの個別セグメントを含んでおり、この個別セグメントは、位相分割器から第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るように位相分割器の出力ポートにそれぞれ結合されている第1及び第2の導体を有している。カップラが不動フレームに取り付けられていると共に、任意の個別セグメントから印加されている第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために、その間に無線結合を確立するのに十分なほど伝送線路の近くに位置決めされている。
【図面の簡単な説明】
本発明の新規と考えられる特徴は、請求の範囲に具体的に記載してあるが、本発明自体の構成、作用並びにその他の目的及び利点は、以下図面について説明するところを参照すれば最もよく理解されよう。図面全体にわたり、同様な部分には同じ参照番号を用いている。
第1図は、本発明を用いたCTシステムの斜視図である。
第2図は、本発明に従って、それぞれの位相分割器によって駆動される個別セグメントを有している伝送線路に電磁気的に結合されたカップラを用いている装置の例示概略図である。
第3図は、第2図の装置に対するそれぞれの実施例で伝送線路及び/又はカップラに利用することのできるマイクロストリップの断面図である。
第4図は、本発明による位相分割器の簡略モデル回路図である。
第5図は、第4図の一実施例の位相分割器に従って、実質的に円筒形の巻線を形成するように巻装された同軸線路の側面図を含む全体的な概略図である。
第6A図は、第4図の位相分割器に対する他の実施例の2つのプリント配線段の斜視図であって、一方の段は水平に配置されており、他方の段は垂直に配置されていることが示されている図である。
第6B図は、第6A図に示す垂直段の通り抜けコネクタを示す概略図である。
第6C図は、第6A図の2つの配線段の間の電気接続の一例を示す断面図である。
第7図は本発明による位相分割器の例示的な出力信号特性を示すグラフである。
発明の詳しい説明
第1図に示すように、人間の解剖学的な部分の少なくとも関心のある領域の像を発生するために使用されているCTシステムが、患者テーブル10を有しており、このテーブルは、所定の円周、例えば外周16を有している全体的に環状の回転フレーム又はガントリ15の開口11内に位置決めすることができる。不動フレーム12を用いて回転フレーム15を支持することが便利である。高度にコリメートされたX線を発生することが好ましい作像エネルギ源13が、開口11の一方の側で回転フレームに装着されており、検出器配列14が開口の他方の側に装着されている。回転フレームは、X線源13及び検出器配列14と共に、患者の走査の間に、開口の周りを回転して、少なくとも180°の回転範囲にわたる多くの相異なる角度からのX線減衰測定値を求める。検出器配列14は、その長さに沿って約800個の検出器チャンネルをそれぞれ有している多数の列で構成することができる。検出器配列14の各々のチャンネルの個別の出力が、データ収集システムDAS(図面に示していない)に接続されている。各々のチャンネルの出力は、サンプリングされたときに、DASによって、例えばX線強度を表す16ビットのディジタル値に変換される。
回転フレームは更に、回転フレーム15と一緒に回転する他の搭載された電子回路(図面に示していない)を含んでいる。搭載された電子回路は、回転フレーム15から離して配置された不動の電子回路装置30に対して実質的にスレーブである。不動の電子回路装置30は、回転フレーム15に搭載された電子回路に対する指令を発すると共に、その結果得られた像データを、不動フレーム12からの適当な電気リード線を介して受け取って、受け取った像データの処理を行うコンピュータを基本としたシステムである。
本発明は、正確な広帯域の位相分割器(フェイズ・スプリッタ)によって差動的に駆動される伝送線路を用いることにより、回転フレームと不動フレームとの間で高いデータ速度の通信を行う装置を対象とする。伝送線路がプローブ又はカップラに非接触型で結合されている。この非接触型の結合により、スリップ・リング及びブラシを用いることが回避され、回転フレーム15が連続的に回転できるようにすることが有利である。前に述べたように、多重スライス型CTシステムは高データ速度の通信を必要とする。本発明は、ブラシ及びスリップ・リングを用いずに、又はコストの高の光学装置を用いずに、このような高データ速度の通信(例えば、150Mbit/secを超える)をできるようにするので有利である。更に、本発明は、回転フレームの円周が比較的長い(約13フィートある)にもかかわらず、信頼性があってコスト効果のある高データ速度の通信ができるようにする。
以下の説明では、回転フレーム15と不動フレーム12との間のすべての通信が直列化されている、即ち、送信では並列データから直列データに変換され、受信のときにはその逆に変換され、このために周知の多重化方式を用いていると仮定する。このようにするのは、単一のビット・ストリームのみを送信すればよいようにするためであるが、本発明に従って多重並列通路も用いることができることは、当業者には明らかであろう。いずれの場合も、多重レベル又は多重位相符号化方式を用いて、利用可能な最大データ速度を更に高めることができる。
第2図に示すように、伝送線路40が回転フレーム15(第1図)に取り付けられていると共に、実質的に回転フレームの周囲に、例えば回転フレームの円周に沿って位置決めされている。同様に、伝送線路を回転フレームの環に、即ち回転フレームにある同心円によって区切られた面に、例えば開口11を画定している同心円と、円周16を有している一層大きな同心円とによって区切られた面に好便に固定することができる。更に、本発明は、円形以外の幾何学的な配置でも同じように本発明の利点が得られるので、円形の幾何学的な配置に制限されないことを承知されたい。伝送線路40は、個別のセグメント50及び60のような1つ又は更に多くのセグメントを含んでおり、これらのセグメントの各々は、それぞれの第1の端52及び62と、それぞれの第2の端54及び64とを有している。第2図では、各々の個別のセグメントが2本1組の線によって表されている。これは、第3図に最もよく示されているように、個別のセグメントの各々は、互いに実質的に180°位相がずれたそれぞれの信号を伝える第1及び第2の信号導体を含んでいるからである。即ち、伝送線路の各セグメントは、位相分割器72及び74のようなそれぞれの位相分割器によって差動的に駆動される。第2図には2つの位相分割器が示されているが、1つの位相分割器からの出力信号を容易に分割すると共に増幅して、伝送線路の個別セグメント50及び60を有効に駆動することができることが理解されよう。即ち、それぞれ1つの個別セグメントを駆動するために別個の位相分割器を用いる必要はない。例えば、セグメント50及び60のうちの一方の第1の端を1つの位相分割器の同相出力信号を受け取るように並列に接続し、セグメント50及び60の他方の第1の端をこの1つの位相分割器の位相はずれの出力信号を受け取るように並列に接続することができる。この例では、セグメント50及び60を駆動するのに1つの位相分割器しか必要としない。各々の個別セグメント50及び60は、それぞれの第1の端52及び62に印加された変調信号をそれぞれの第2の端54及び64に到達するときに所定の遅延時間を有するように選択されたそれぞれの電気長を有していることが好ましい。セグメント50及び60のそれぞれの電気長が互いに実質的に同様であれば、上に述べたセグメントの配置により、変調信号は相対的に実質的に同様な遅延時間でそれぞれの第2の端に到達する。
第2図に示すように、変調搬送波が位相分割器72及び74のそれぞれの入力ポートに印加される。変調搬送波は典型的には、100MHzから1GHzを超えるまでというような比較的広い帯域幅を有している。変調搬送波は、パルス幅変調、周波数シフト・キーイング等のような容易に利用可能な多数の変調方式のうちのいずれかを用いて、回転フレーム15に搭載された電子回路によって発生されることが便利である。第2図に示すように、位相分割器72及び74のそれぞれの出力ポートは、変調搬送波の帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を保ちながら、互いの間に180°というような実質的に一様な位相角差を有する第1及び第2の変調搬送波成分M1及びM2のようなそれぞれの出力信号を供給する。前に示唆したように、各々のセグメントは、相互に実質的に180°位相がずれた第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ受け取る。それぞれの位相分割器の出力ポートは、随意選択により、伝送線路のそれぞれのセグメントのインピーダンス特性に合うように選択された所定の抵抗値を有している整合抵抗76及び78に接続することができる。同様に、それぞれの第2の端54及び64は、伝送線路の個別セグメント50及び60におけるエネルギの反射を最小限に抑えるように選択された所定の抵抗値を有している終端抵抗80及び82にそれぞれ接続されている。個別セグメントの間の遅延時間に差があっても、特定の用途によってはそのような遅延時間の差が許容されることもあるので、この他の配置を用いることもできる。例えば、位相分割器74及び整合抵抗78は第1の端62の代わりに、第2の端64に接続し、終端抵抗82は第2の端64の代わりに、第1の端62に接続することができる。この場合、個別セグメントの間に所定の遅延時間が存在するが、ある用途では、このような遅延時間を許容することができる。
個別セグメント50及び60は、任意の2つの相次ぐセグメントのそれぞれの第1の端が互いに実質的に隣接し、任意の2つの相次ぐセグメントのそれぞれの第2の端が互いに実質的に隣接するように配置されていることが好ましい。任意の2つの相次ぐセグメントの間の隙間の寸法は、搬送波の波長に対して小さくすべきである。例えば、750MHzの搬送波に対しては約1/8インチである。この配置にすると、回転フレームを取り巻いているどの個別セグメントの間にも遅延時間の不連続が回避されるので便利である。更にこれにより、すべての回転角度で、伝送線路とカップラとの間の有効な結合動作ができる。第2図に示すように、2つの個別セグメント50及び60の各々は、回転フレームの円周に沿って約180°の角度を見込むように設計することができる。一般的に、Nを所定の偶数として、回転フレームの円周に沿って約360°/Nの角度をそれぞれ見込むN個の個別セグメントは、変調された差信号(即ち、互いに実質的に180°位相がずれた第1及び第2の変調搬送波成分の正味の結果)がいずれの場合も、N個の個別セグメントのどの間の任意の隙間も含めて、回転フレームの円周に沿ったどこでも受信のために利用することができるので、本発明の代替実施例において同等に有効であることが理解されよう。前に示唆したように、個別セグメントの間の所定の遅延時間を許容し得るような用途もある。この場合、個別セグメントの数Nを偶数に制限する必要はない。これは、このような所定の遅延時間が許容されるような用途では、所定の奇数個の個別セグメントも効果的に利用することができるからである。個別セグメントについて上に述べた構成は、各々のセグメントが実質的に同じような誘電率を有している材料で作成されていると仮定している。しかしながら、所定の相異なる誘電率を有しているセグメント材料を便利に用いることができることも明らかであろう。この場合、それぞれの個別セグメントが見込む角度は互いに同じである必要はない。
本発明の装置は更に、カップラ100を有しており、カップラ100は、不動フレーム12(第1図)に取り付けられていると共に、個別セグメントに印加されている第1及び第2の変調搬送波成分を受信するために、その間に無線結合を確立するのに十分なほど、差動的に駆動される伝送線路の近くに位置決めされている。本明細書で用いる「無線結合」という用語は、無線周波数の電磁放射線によるエネルギの非接触型の伝達を言う。
カップラ100は、カップラ軸線102に沿って所定の長さ寸法を有していることが理解されよう。この軸線は、例えば、個別セグメント50及び60に対して実質的に平行にすることができる。カップラの長さ寸法は、周波数依存性を有する方向性結合効果が実質的に回避されるのに十分に短いと共に、個別セグメントの間の任意の隙間をカップラが通過するときにいつでも、カップラ100に実質的な信号の減少が起こるのを回避するのに十分に長く選択することが便利である。矢印104及び106で示すように、それぞれのセグメント50及び60に印加された変調搬送波成分は、反対向きに伝搬し、このため、任意の隙間の近くでの盲点を回避するために、カップラ100は、同軸線路又はその他の適当にシールドされた電気導体対のような出力ポート手段112に直列接続されている第1の端110と、何ら終端インピーダンス、即ち終端抵抗が実質的にない第2の端108とを有していることが好ましい。このようにして、カップラ100によって受信された各々の変調搬送波成分は、受信された変調搬送波成分の伝搬方向とは無関係に、即ち個別セグメント50及び60を進行するそれぞれの電磁波の伝搬方向と無関係に、同軸線路対112へ通過する。例えば、第2の端108に到達した波は、容易に第1の端に向かって伝搬し、そこから同軸線路対112へ伝搬し、これに対して第1の端110に到達した波は、抵抗終端のない第2の端108から第1の端に向かって反射され、そこから同軸線路対112へ伝搬する。いずれの場合も、カップラ100は、回転フレームの全周に沿って、伝送線路を伝搬するそれぞれ180°位相がずれた変調搬送波成分を非接触型で抽出できるようにしていることが有利である。電力コンバイナ(組み合わせ器)114が、カップラ100から供給されている第1及び第2の変調搬送波成分を単一の変調搬送に再び組みわ合せる。電力コンバイナについて更に詳しいことは、本発明と同じ被譲渡人に譲渡され、ここで引用する発明者D.D.ハリソンの米国特許出願第08/407,149号(出願人控え番号RD−24,212)、発明の名称「計算機式断層写真システムにおける高データ速度通信用の電力コンバイナを用いた伝送路線」を参照されたい。当業者にはわかるように、カップラの長さ寸法は、変調信号に用いられている搬送波周波数の特定の値に応じて変化し得る。これに制限するつもりはないが、例として言うと、カップラの長さ寸法は、λを伝送線路材料における搬送波の波長として、λ/4からλ/8までの範囲内に選択することができる。カップラに対する他の構成も、当業者には容易に明らかであろう。
第3図は、伝送線路の差動的に駆動されるセグメント及びカップラの両方に有効に用いることのできる実質的に平面状の伝送線路の断面を示す。例として、第3図はマイクロストリップ200を示しており、マイクロストリップ200では、実質的に平行な第1及び第2の導体202及び203、並びに大地平面206が、適当な誘導体材料204によって互いに隔てられている。このような実質的に平面状の伝送線路は、周知のプリント配線技術を用いて容易に製造することができ、これにより、光学式データ・リンクに比べてコストを大幅に節約することができることが理解されよう。同様に、第1及び第2の導体が2つの大地平面の間でそれぞれの誘導体材料内で「サンドウィッチ」になっているストリップライン伝送線路も、伝送線路のセグメント及びカップラの両方として、この代わりに用いることができる。更に、カップラは、マイクロストリップ又はストリップライン伝送線路で構成されている必要がない。短い2本1組のワイヤのような適当な導体を、駆動される伝送線路と実質的に平行に整合させたものでも、有効に作用する。
第4図は、伝送線路40(第2図)を差動的に駆動するのに用いられる位相分割器72又は74のいずれかのような正確な広帯域位相分割器の簡略モデル回路図を示す。第4図に示すように、位相分割器は分割回路網300を有している。分割回路網300は、随意選択により、位相分割器の入力ポートに対して並列に結合されている第1及び第2の整合抵抗302及び304を含んでいてもよい。整合抵抗302及び304は、位相分割器の任意の特定の構成に応じて、このような整合抵抗302及び304を容易になくすことができる点で、分割回路網300に随意選択で用いられる。図面では遅延線3071として図式的に示されている第1の伝送線路306が、第1の抵抗302と位相分割器の第1の出力ポートとの間に結合されており、位相分割器の入力ポートで受け取られた変調搬送波に対して実質的に同相の位相角を有する出力信号を供給する。当業者にはわかるように、伝送線路306は、伝送線路306の電気長に応じた所定の遅延時間を、その内部を伝搬する任意の信号に導入し、このため、伝送線路306を遅延線として表してある。第1の伝送線路306から供給される出力信号は、変調搬送波入力を遅延させたものであり、位相分割器から供給される第1の変調搬送波成分を構成している。
その出力信号に何ら移相(フェイズ・シフト)を加えずに、単に所定の遅延時間を導入すると上に述べた第1の伝送線路306とは対照的に、第2の伝送線路308は、第2の抵抗304と所定の電気的な大地との間に所定のレベルのインダクタンスを生ずるように設計されている。このため、第2の伝送線路は図式的に、誘導子308と直列の遅延線3072として図式的に示されており、この誘導子は、第2の抵抗304と所定の電気的な大地との間に伝送線路308によって生ずるインダクタンスを表している。第2の伝送線路308は反対手段312を含んでおり、反転手段312は、第2の出力ポートに結合されており、変調搬送波に対して実質的に180°位相がずれた位相角を有する出力信号を供給する。第2の伝送線路によって生ずるインダクタンスによって、反転手段312は、その出力信号を電気的に短絡させずに、第2の伝送線路からの出力信号に所望の180°の位相変化を実効的に与えることができる。第2の伝送線路308から供給される出力信号は、位相変更器から供給される第2の変調搬送波成分を構成している。補償コイル314が、位相分割器の第1の出力ポートと所定の電気的な大地との間に結合されている。補償コイル314は、第1及び第2の出力ポートが同じように終端されていると仮定すると、第1及び第2の伝送線路306及び308の各々が、その内部をそれぞれ伝搬する第1及び第2の変調搬送波成分に実質的に同一のインピーダンスを有するように、第2の伝送線路308によって生ずるインダクタンスのレベルを実効的に釣り合わせる。
分割回路網300、並びに伝送線路306及び308のように、位相分割器を構成している種々の電気部品のそれぞれの電気長は、分割点Sから位相分割器の第1及び第2の出力ポートの各々までそれぞれ伝搬する信号が、位相分割器の第1及び第2の出力ポートに到達するときに、互いに実質的に同一の遅延時間を有するように選択されていることが好ましいことが理解されよう。このため、分割回路網300が分割点Sから伝搬する信号に対して実質的に同一の遅延時間を導入すると仮定すると、第1及び第2の伝送線路306及び308によってそれぞれ導入される任意の遅延時間は、互いに実質的に同一の値を有するはずである。整合抵抗302及び304について言うと、位相分割器と、この位相分割器に接続されている任意の回路、例えば位相分割器の入力ポートに供給されている変調搬送波を発生する回路(図面に示していない)との間で任意の所望のインピーダンス整合が得られるように、伝送線路306及び308のインピーダンスの値が適宜に選択されていれば、整合抵抗302及び304を容易に省略することができることが理解されよう。例えば、入力ポートが50オームの入力インピーダンスを有しており、且つ伝送線路306及び308の各々が50オームの線路インピーダンスを有している場合、整合抵抗302及び304の各々は、位相分割器の入力ポートと第1及び第2の伝送線路の各々との間で実質的なインピーダンス整合を達成するために、50オームの値を必要とする。上に述べた例では、整合抵抗302及び304を除去して、伝送線路306及び308の各々を100オームの線路インピーダンスを有するように選択することによっても、実質的なインピーダンス整合を達成することができる。更に、用途によっては、所定のレベルのインピーダンス不整合を容易に許容することがあるので、ある用途では、上に述べたような実質的に正確なインピーダンス整合が必要でないことがある。このため、位相分割器の任意の所望のインピーダンス整合は、整合抵抗302及び304を用いないことを含めて、多くの異なる方法で達成し得ることが理解されよう。
第5図は、第1及び第2の伝送線路306及び308の一実施例を示す。この実施例では、伝送線路306及び308の各々は、それぞれの同軸線路を含んでおり、これらの同軸線路は、第1の変調搬送波成分と第2の変調搬送波成分との間に所望の位相差を維持するために実質的に同様な電気長を有している。第5図に最もよく示されているように、各々の同軸線路は、実質的に円筒形の巻線を形成するように巻装された可撓性を有する同軸線路で構成されていることが好ましい。この構成にすると、回路の対称性が得られ、コンパクトになり、第1の伝送線路と第2の伝送線路との間の電磁的な相互作用が比較的小さくなるので便利である。この実施例では、反転手段312は、第2の伝送線路となる同軸線路の外側シールド及び中心導体によって構成されていることが便利である。即ち、第2の伝送線路に対する同軸線路の中心導体は電気的に接地されており、外側シールドは位相のずれた出力信号を供給する。逆に、第1の伝送線路の外側シールドは電気的に接地されており、中心導体は同相の出力信号を供給する。
第6A図は、第1及び第2の伝送線路306及び308(第4図)の他の実施例を示す。この実施例では、伝送線路306及び308は第1のプリント配線段400を含んでおり、第1のプリント配線段400は、各々の伝送線路に対して、第1の基板406の互いに向かい合った面に配設されているストリップ402及び404のようなそれぞれ一対の実質的に対応している導電ストリップを含んでいる。第6A図に示すように、伝送線路306及び308は更に、第2のプリント配線段410を含んでおり、第2のプリント配線段410は、各々の伝送線路に対して、第1のプリント配線段にあるそれぞれ1つの導電ストリップにそれぞれ結合されている、即ち、電気的に接続されているコイル412及び414のようなそれぞれ一対の実質的に対応しているコイルを含んでいる。導電ストリップ402及び404は、第6A図では細い線で示されているが、導電ストリップがコイル412及び414の幅寸法と同様な幅寸法を有していることを承知されたい。細い線で表示したのは、図面を簡単にする便宜のためである。更に、第6図において、対応する各々のストリップ402及び404、並びに対応する各々のコイル412及び414に付した添字の数字は、このようなストリップ及びコイルを用いて構成されている特定の伝送線路(即ち、第1及び第2の伝送線路)を便利に同定する。例えば、コイル4121及び4141は、第1の伝送線路に対する一対の対応しているコイルを表しており、コイル4122及び4142は、第2の伝送線路に対する一対の対応しているコイルを表している。同様に、ストリップ4021及び4041は、第1の伝送線路に対する一対の対応しているストリップを表しており、ストリップ4022及び4042は、第2の伝送線路に対する一対の対応しているストリップを表している。
プリント配線段400とプリント配線段410との間の電気的な接続は、第1の伝送線路に対して第6C図に最もよく示されているように、導電ストリップ及びコイルの適当な端で行うことができる。例えば、ストリップ4021は、導電ジョイント422又は可撓性ワイヤ等のようなそれぞれの接続導体を介して、コイル4121に接続されている。同様に、ストリップ4041は、適当な導電ジョイント424によってストリップ4041に電気的に接続されている導電ピン420のようなそれぞれの接続導体を介して、コイル4141に接続されている。第6C図に示すように、コイル4141の接続端は、基板406の厚さを考慮に入れて、コイル4121の接続端を越えて伸びている。第2の伝送線路に対するストリップ及びコイルの適当な端で、同様な電気接続をすることができることが理解されよう。導電ストリップ402及び404と同様に、コイル412及び414は第2の基板416の互いに向かい合った面に設けられている。第2の基板に設けられた互いに向かい合った面の各々は、第1の基板に設けられた互いに向かい合った面に対して実質的に垂直に配置されていることが好ましい。このようにすると、第1及び第2のプリント配線段を伝搬する信号の間の電磁干渉を減少させることができる。更に、コイル412及び414をそれぞれ構成している同心ループ又はターンの任意の2つの隣接したループの間の隙間の間隔は、その間の電磁的な漏話を減少させるために、ループの幅に対して十分に広くすることが好ましい。例えば、この隙間の間隔は、ループ幅の約3倍に容易に選択することができる。第6A図はコイル412及び414を、角のある同心ループ、即ち、全体的に矩形のループとして示しているが、コイルのループには、この他の幾何学的な形状を用いても同じように有効に作用する。例えば、コイルのループは、全体的に矩形にする代わりに、全体的に円形等に形成することができる。
この実施例では、反転手段312(第4図)は通り抜け(フィードスルー)コネクタ320で構成されているが、その概念図を第6B図に示してある。通り抜けコネクタは、第2の伝送線路に対する一対の実質的に対応しているストリップのそれぞれ1つを横切る信号の流れを反対にするように設計されている。例えば、第6B図の概念図に示すように、通り抜けコネクタ320は、基板406の互いに向かい合った面に配設されている導電ストリップ4022と導電ストリップ4042との間で、第2の伝送線路308における信号の流れを反対にすることができるようにする。即ち、ストリップ4022が伝える信号は、基板406を通過して、通り抜けコネクタ320によって空間的に反転される前にストリップ4042が配置されていた面とは反対側に位置している面に沿って続き、これに対して、ストリップ4042が伝える信号は、基板406を通過して、通り抜けコネクタ320によって空間的に反転される前にストリップ4042が配置されていた面とは反対側に位置している面に沿って続く。当業者にはわかるように、通り抜けコネクタ320は、それぞれの導電ストリップを伝搬する任意の信号を電気的に短絡することを回避するように設計されている。プリント配線段を用いることにより、本発明に従った位相分割器は、周知のプリント配線技術を用いて容易に製造することができ、これにより、他の回路製造技術の場合に比べて、コストを大幅に節約することができることが理解されよう。第6A図にははっきりと示していないが、整合抵抗302及び304(第4図)、並びに補償コイル314(第4図)は、周知のプリント配線技術を用いて、第6図の実施例に容易に取り入れることができることが理解されよう。種々のプリント配線技術の初期のものではあるが、包括的な取り扱いについては、例えばプロシーディングズ・オブ・ジ・IRE誌、ウェイブズ・アンド・エレクトロンズ・セクションズ、1948年1月号、121頁〜159頁所載のC.ブルネッティ及びR.カーティスの論文「プリント配線技術」を参照されたい。前に示唆したように、伝送線路306及び308のそれぞれの電気長は好ましくは、第1の変調搬送波成分と第2の変調搬送波成分との間に所望の位相差を維持するために、互いに実質的に同一に選択されていることが理解されよう。
図7は、本発明による位相分割器の一例の出力特性を示すグラフである。この例では、位相分割器が関心のある帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を有しながら、実質的に一様な180°の位相差を形成する点で有利であることがわかる。第7図に示すグラフは、10〜1000MHzにわたって掃引する平坦な振幅を有する入力信号を想定している。第7図に示すように、「単一出力信号」と記した信号は、位相分割器の出力ポートのいずれか1つから供給される一例の出力信号を表しており、これに対して、「出力信号の和」と記した信号は、位相分割器から供給された実質的に180°位相のずれた出力信号の和を表している。第7図に示すように、信号の和では少なくとも30dBの相殺が達成され、位相分割器からの出力信号は実際に、実質的に等しい振幅であると共に、関心のある帯域幅にわたって実質的に180°位相がずれていることを示している。
本発明の種々の特定の構造を説明したが、これは例示に過ぎないことを承知されたい。当業者には、本発明の要旨を逸脱せずに、種々の変更及び適応が容易に考えられよう。例えば、シールドされた伝送線路のセグメントは回転フレーム又はガントリ15(第1図)と一緒に回転し、カップラは不動フレーム12(第1図)に取り付けられていると説明したが、この代わりに、シールドされた伝送線路セグメントを不動にし、カップラを回転フレームに装着することも等しく可能であり、即ち、カップラ及び伝送線路セグメントの不動及び回転の機械的な装着を容易に入れ替えても、同じ有効な結果が得られる。従って、本発明は、請求の範囲のみによって限定されることを承知されたい。
本出願は、本発明と同日に出願され、本発明と同じ被譲渡人に譲渡され、ここで引用される特許出願第08/407,149号(出願人控え番号RD−24,212)、発明の名称「計算機式断層写真システムにおける高データ速度通信用の電力コンバイナを用いた伝送線路」と関連する。
発明の背景
本発明の分野は、全般的には計算機式断層写真法(CT)に関連するが、特に、CTシステムにおける高データ通信用の正確な広帯域位相分割器(フェイズ・スプリッタ)を用いた伝送線路に関連する。
CTシステムは、異なる回転角度における多数のX線像又はビューを求めるために回転フレーム又はガントリを用いていることが典型的である。各組の像は、この分野では「スライス」と呼ばれる。一般的に、患者又は無生物が、軸方向に可動なテーブルに乗せられて、回転フレームの中心開口に位置決めされ、こうして多数の軸方向位置でもそれぞれのスライスを求めることができるようにしている。こうして得られた各々のスライスは、この後、所定のアルゴリズムに従ってコンピュータで処理されて、診断又は検査用の強化像を作成する。
回転フレームは、X線源と、検出器配列と、各々のビューに対する像データを発生するのに必要な電子回路とを含んでいる。生の像データを強化形式に処理するために、1組の不動の電子回路が用いられている。このため、CTシステムの回転フレームと不動フレームとの間で像データを連絡できるようにすることが必要である。
患者の不快さを減少させるために、及び/又はシステムの利用度を最大にするために、所望のビューをできるだけ早く求めることが望ましいので、不動フレームと回転フレームとの間の通信のデータ速度は重要な因子である。現在のCTシステムでは、1つのビューは典型的には、各々の個別の検出器チャンネル出力に16ビット表示を用いて、約800個の検出器チャンネルで構成されており(即ち、ビュー当たり12.8キロビット)、典型的には毎秒1000回繰り返されるので、像データだけに対しても、正味のデータ速度条件は約13メガビット/秒(Mbit/sec)になる。4倍、8倍又は16倍も多くの検出器チャンネルを用いることにより、多数の像スライスを同時に構成することのできる将来のCTシステムでは、像データだけに対しても、このデータ速度の条件は150Mbit/secを超える程増加する。
従来のCTシステムは、回転フレームを不動フレームに電気的に結合するために、ブラシ及びスリップ・リングを用いていた。しかしながら、一般的に、通信のためにブラシ及びスリップ・リングを利用しているCTシステムは、達成し得るデータ速度に重大な制約がある。これは、信号が円形のスリップ・リングに沿って伝搬するのに実質的な時間を必要とするためである。所望のデータ速度では、リングに沿った電気的な通路長はビット周期のかなりの端数になり、このため、リングに沿って反対向きに伝搬する電磁波は、ビット周期内の実質的に異なる時刻に受信点に到達し、誤った受信の原因に成り得る。
A.K.コリンズに付与され、本発明の被譲渡人に譲渡された、ここで引用する米国特許第5,208,581号は、通信のためにブラシ及びスリップ・リングを用いた他の形式のガントリを開示している。この米国特許の設計では、不動フレームと回転フレームとの間で比較的高速の通信が行えるが、接触しているブラシ及びリングを用いることにより、本質的に、ある欠点がある事実はそのままである。例えば、ブラシとリングとの間の機械的な接触により、疲労が生じ、信頼性のある通信を維持するためには、このようなブラシ及びリングを定期的に取り換えることを必要とする。更に、この米国特許のスリップ・リングの設計では、多重スライス型CTシステムに必要な一層高いデータ速度が得られない。
他のCTシステムは、不動フレームと回転フレームとの間の通信のために光学式データ・リンクを用いている。光学式データ・リンクの設計では、スリップ・リング及びブラシの典型的な欠点は回避されるが、このような光学的な設計で必要となる光学系は、厳密な仕様の下に製造されなければならないし、回転フレームの比較的長い円周に沿って信頼性のある光学的な結合を達成するために、実質的な空間的な整合を動作中に必要とする。これはコスト高に通じ、そのため、CTシステムに対して、安いコストで、CTシステムの不動フレームと回転フレームとの間の信頼性のある高データ速度の通信ができるようにする改良された通信リンクを提供することが望ましい。
更に、セルラー電話、細動除去器、外科のこによって、及び任意の所与のCTシステムで発生される電気雑音によっても、病院の環境内に典型的に発生されるような電磁放射線の妨害に対して頑健な、不動フレームと回転フレームとの間の通信リンクを提供することが望ましい。更に、連邦通信委員会及び/又は外国政府によって課せられる規制のような政府の規制に合致するために、このような通信リンクから放射される電磁エネルギのレベルを低下させることも望ましい。米国特許出願第08/307,120号に記載されているように、伝送線路及びカップラ又はプローブが、このような高いデータ速度の通信リンクを実現する手段になる。更に米国特許出願第08/307,130号に記載されているように、カップラが伝送線路に容易に接近できるようにする通路を形成しながら、伝送線路からの電磁放射線を実質的に減少させるためにU字型構造が効果的に用いられている。このようなU字型構造は伝送線路を実効的にシールドするが、カップラから脱出し又はカップラに沿って漏洩する電磁放射線を減少させることが望ましい。カップラの動作の妨げになり得るような、外部で発生された電磁エネルギに対するカップラの感度を低下させることも望ましい。
発明の要約
全般的に言うと、本発明は、不動フレームと、全体的に環状の回転フレームとを有している計算機式断層写真(CT)システムにおいて、所定の帯域幅を有する変調搬送波を受け取るように結合された入力ポートを有している位相分割器を備えた装置を提供することにより、上に述べた必要を満たす。位相分割器は第1及び第2の出力ポートを有しており、第1及び第2の出力ポートは、変調搬送波の帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を維持しながら、相互の間に約180°のような実質的に一様な位相角の差を有する第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ供給する。伝送線路が回転フレームに取り付けられていると共に、実質的に環状の回転フレームに沿って位置決めされている。伝送線路は、1つ又は更に多くの個別セグメントを含んでおり、この個別セグメントは、位相分割器から第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るように位相分割器の出力ポートにそれぞれ結合されている第1及び第2の導体を有している。カップラが不動フレームに取り付けられていると共に、任意の個別セグメントから印加されている第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために、その間に無線結合を確立するのに十分なほど伝送線路の近くに位置決めされている。
【図面の簡単な説明】
本発明の新規と考えられる特徴は、請求の範囲に具体的に記載してあるが、本発明自体の構成、作用並びにその他の目的及び利点は、以下図面について説明するところを参照すれば最もよく理解されよう。図面全体にわたり、同様な部分には同じ参照番号を用いている。
第1図は、本発明を用いたCTシステムの斜視図である。
第2図は、本発明に従って、それぞれの位相分割器によって駆動される個別セグメントを有している伝送線路に電磁気的に結合されたカップラを用いている装置の例示概略図である。
第3図は、第2図の装置に対するそれぞれの実施例で伝送線路及び/又はカップラに利用することのできるマイクロストリップの断面図である。
第4図は、本発明による位相分割器の簡略モデル回路図である。
第5図は、第4図の一実施例の位相分割器に従って、実質的に円筒形の巻線を形成するように巻装された同軸線路の側面図を含む全体的な概略図である。
第6A図は、第4図の位相分割器に対する他の実施例の2つのプリント配線段の斜視図であって、一方の段は水平に配置されており、他方の段は垂直に配置されていることが示されている図である。
第6B図は、第6A図に示す垂直段の通り抜けコネクタを示す概略図である。
第6C図は、第6A図の2つの配線段の間の電気接続の一例を示す断面図である。
第7図は本発明による位相分割器の例示的な出力信号特性を示すグラフである。
発明の詳しい説明
第1図に示すように、人間の解剖学的な部分の少なくとも関心のある領域の像を発生するために使用されているCTシステムが、患者テーブル10を有しており、このテーブルは、所定の円周、例えば外周16を有している全体的に環状の回転フレーム又はガントリ15の開口11内に位置決めすることができる。不動フレーム12を用いて回転フレーム15を支持することが便利である。高度にコリメートされたX線を発生することが好ましい作像エネルギ源13が、開口11の一方の側で回転フレームに装着されており、検出器配列14が開口の他方の側に装着されている。回転フレームは、X線源13及び検出器配列14と共に、患者の走査の間に、開口の周りを回転して、少なくとも180°の回転範囲にわたる多くの相異なる角度からのX線減衰測定値を求める。検出器配列14は、その長さに沿って約800個の検出器チャンネルをそれぞれ有している多数の列で構成することができる。検出器配列14の各々のチャンネルの個別の出力が、データ収集システムDAS(図面に示していない)に接続されている。各々のチャンネルの出力は、サンプリングされたときに、DASによって、例えばX線強度を表す16ビットのディジタル値に変換される。
回転フレームは更に、回転フレーム15と一緒に回転する他の搭載された電子回路(図面に示していない)を含んでいる。搭載された電子回路は、回転フレーム15から離して配置された不動の電子回路装置30に対して実質的にスレーブである。不動の電子回路装置30は、回転フレーム15に搭載された電子回路に対する指令を発すると共に、その結果得られた像データを、不動フレーム12からの適当な電気リード線を介して受け取って、受け取った像データの処理を行うコンピュータを基本としたシステムである。
本発明は、正確な広帯域の位相分割器(フェイズ・スプリッタ)によって差動的に駆動される伝送線路を用いることにより、回転フレームと不動フレームとの間で高いデータ速度の通信を行う装置を対象とする。伝送線路がプローブ又はカップラに非接触型で結合されている。この非接触型の結合により、スリップ・リング及びブラシを用いることが回避され、回転フレーム15が連続的に回転できるようにすることが有利である。前に述べたように、多重スライス型CTシステムは高データ速度の通信を必要とする。本発明は、ブラシ及びスリップ・リングを用いずに、又はコストの高の光学装置を用いずに、このような高データ速度の通信(例えば、150Mbit/secを超える)をできるようにするので有利である。更に、本発明は、回転フレームの円周が比較的長い(約13フィートある)にもかかわらず、信頼性があってコスト効果のある高データ速度の通信ができるようにする。
以下の説明では、回転フレーム15と不動フレーム12との間のすべての通信が直列化されている、即ち、送信では並列データから直列データに変換され、受信のときにはその逆に変換され、このために周知の多重化方式を用いていると仮定する。このようにするのは、単一のビット・ストリームのみを送信すればよいようにするためであるが、本発明に従って多重並列通路も用いることができることは、当業者には明らかであろう。いずれの場合も、多重レベル又は多重位相符号化方式を用いて、利用可能な最大データ速度を更に高めることができる。
第2図に示すように、伝送線路40が回転フレーム15(第1図)に取り付けられていると共に、実質的に回転フレームの周囲に、例えば回転フレームの円周に沿って位置決めされている。同様に、伝送線路を回転フレームの環に、即ち回転フレームにある同心円によって区切られた面に、例えば開口11を画定している同心円と、円周16を有している一層大きな同心円とによって区切られた面に好便に固定することができる。更に、本発明は、円形以外の幾何学的な配置でも同じように本発明の利点が得られるので、円形の幾何学的な配置に制限されないことを承知されたい。伝送線路40は、個別のセグメント50及び60のような1つ又は更に多くのセグメントを含んでおり、これらのセグメントの各々は、それぞれの第1の端52及び62と、それぞれの第2の端54及び64とを有している。第2図では、各々の個別のセグメントが2本1組の線によって表されている。これは、第3図に最もよく示されているように、個別のセグメントの各々は、互いに実質的に180°位相がずれたそれぞれの信号を伝える第1及び第2の信号導体を含んでいるからである。即ち、伝送線路の各セグメントは、位相分割器72及び74のようなそれぞれの位相分割器によって差動的に駆動される。第2図には2つの位相分割器が示されているが、1つの位相分割器からの出力信号を容易に分割すると共に増幅して、伝送線路の個別セグメント50及び60を有効に駆動することができることが理解されよう。即ち、それぞれ1つの個別セグメントを駆動するために別個の位相分割器を用いる必要はない。例えば、セグメント50及び60のうちの一方の第1の端を1つの位相分割器の同相出力信号を受け取るように並列に接続し、セグメント50及び60の他方の第1の端をこの1つの位相分割器の位相はずれの出力信号を受け取るように並列に接続することができる。この例では、セグメント50及び60を駆動するのに1つの位相分割器しか必要としない。各々の個別セグメント50及び60は、それぞれの第1の端52及び62に印加された変調信号をそれぞれの第2の端54及び64に到達するときに所定の遅延時間を有するように選択されたそれぞれの電気長を有していることが好ましい。セグメント50及び60のそれぞれの電気長が互いに実質的に同様であれば、上に述べたセグメントの配置により、変調信号は相対的に実質的に同様な遅延時間でそれぞれの第2の端に到達する。
第2図に示すように、変調搬送波が位相分割器72及び74のそれぞれの入力ポートに印加される。変調搬送波は典型的には、100MHzから1GHzを超えるまでというような比較的広い帯域幅を有している。変調搬送波は、パルス幅変調、周波数シフト・キーイング等のような容易に利用可能な多数の変調方式のうちのいずれかを用いて、回転フレーム15に搭載された電子回路によって発生されることが便利である。第2図に示すように、位相分割器72及び74のそれぞれの出力ポートは、変調搬送波の帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を保ちながら、互いの間に180°というような実質的に一様な位相角差を有する第1及び第2の変調搬送波成分M1及びM2のようなそれぞれの出力信号を供給する。前に示唆したように、各々のセグメントは、相互に実質的に180°位相がずれた第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ受け取る。それぞれの位相分割器の出力ポートは、随意選択により、伝送線路のそれぞれのセグメントのインピーダンス特性に合うように選択された所定の抵抗値を有している整合抵抗76及び78に接続することができる。同様に、それぞれの第2の端54及び64は、伝送線路の個別セグメント50及び60におけるエネルギの反射を最小限に抑えるように選択された所定の抵抗値を有している終端抵抗80及び82にそれぞれ接続されている。個別セグメントの間の遅延時間に差があっても、特定の用途によってはそのような遅延時間の差が許容されることもあるので、この他の配置を用いることもできる。例えば、位相分割器74及び整合抵抗78は第1の端62の代わりに、第2の端64に接続し、終端抵抗82は第2の端64の代わりに、第1の端62に接続することができる。この場合、個別セグメントの間に所定の遅延時間が存在するが、ある用途では、このような遅延時間を許容することができる。
個別セグメント50及び60は、任意の2つの相次ぐセグメントのそれぞれの第1の端が互いに実質的に隣接し、任意の2つの相次ぐセグメントのそれぞれの第2の端が互いに実質的に隣接するように配置されていることが好ましい。任意の2つの相次ぐセグメントの間の隙間の寸法は、搬送波の波長に対して小さくすべきである。例えば、750MHzの搬送波に対しては約1/8インチである。この配置にすると、回転フレームを取り巻いているどの個別セグメントの間にも遅延時間の不連続が回避されるので便利である。更にこれにより、すべての回転角度で、伝送線路とカップラとの間の有効な結合動作ができる。第2図に示すように、2つの個別セグメント50及び60の各々は、回転フレームの円周に沿って約180°の角度を見込むように設計することができる。一般的に、Nを所定の偶数として、回転フレームの円周に沿って約360°/Nの角度をそれぞれ見込むN個の個別セグメントは、変調された差信号(即ち、互いに実質的に180°位相がずれた第1及び第2の変調搬送波成分の正味の結果)がいずれの場合も、N個の個別セグメントのどの間の任意の隙間も含めて、回転フレームの円周に沿ったどこでも受信のために利用することができるので、本発明の代替実施例において同等に有効であることが理解されよう。前に示唆したように、個別セグメントの間の所定の遅延時間を許容し得るような用途もある。この場合、個別セグメントの数Nを偶数に制限する必要はない。これは、このような所定の遅延時間が許容されるような用途では、所定の奇数個の個別セグメントも効果的に利用することができるからである。個別セグメントについて上に述べた構成は、各々のセグメントが実質的に同じような誘電率を有している材料で作成されていると仮定している。しかしながら、所定の相異なる誘電率を有しているセグメント材料を便利に用いることができることも明らかであろう。この場合、それぞれの個別セグメントが見込む角度は互いに同じである必要はない。
本発明の装置は更に、カップラ100を有しており、カップラ100は、不動フレーム12(第1図)に取り付けられていると共に、個別セグメントに印加されている第1及び第2の変調搬送波成分を受信するために、その間に無線結合を確立するのに十分なほど、差動的に駆動される伝送線路の近くに位置決めされている。本明細書で用いる「無線結合」という用語は、無線周波数の電磁放射線によるエネルギの非接触型の伝達を言う。
カップラ100は、カップラ軸線102に沿って所定の長さ寸法を有していることが理解されよう。この軸線は、例えば、個別セグメント50及び60に対して実質的に平行にすることができる。カップラの長さ寸法は、周波数依存性を有する方向性結合効果が実質的に回避されるのに十分に短いと共に、個別セグメントの間の任意の隙間をカップラが通過するときにいつでも、カップラ100に実質的な信号の減少が起こるのを回避するのに十分に長く選択することが便利である。矢印104及び106で示すように、それぞれのセグメント50及び60に印加された変調搬送波成分は、反対向きに伝搬し、このため、任意の隙間の近くでの盲点を回避するために、カップラ100は、同軸線路又はその他の適当にシールドされた電気導体対のような出力ポート手段112に直列接続されている第1の端110と、何ら終端インピーダンス、即ち終端抵抗が実質的にない第2の端108とを有していることが好ましい。このようにして、カップラ100によって受信された各々の変調搬送波成分は、受信された変調搬送波成分の伝搬方向とは無関係に、即ち個別セグメント50及び60を進行するそれぞれの電磁波の伝搬方向と無関係に、同軸線路対112へ通過する。例えば、第2の端108に到達した波は、容易に第1の端に向かって伝搬し、そこから同軸線路対112へ伝搬し、これに対して第1の端110に到達した波は、抵抗終端のない第2の端108から第1の端に向かって反射され、そこから同軸線路対112へ伝搬する。いずれの場合も、カップラ100は、回転フレームの全周に沿って、伝送線路を伝搬するそれぞれ180°位相がずれた変調搬送波成分を非接触型で抽出できるようにしていることが有利である。電力コンバイナ(組み合わせ器)114が、カップラ100から供給されている第1及び第2の変調搬送波成分を単一の変調搬送に再び組みわ合せる。電力コンバイナについて更に詳しいことは、本発明と同じ被譲渡人に譲渡され、ここで引用する発明者D.D.ハリソンの米国特許出願第08/407,149号(出願人控え番号RD−24,212)、発明の名称「計算機式断層写真システムにおける高データ速度通信用の電力コンバイナを用いた伝送路線」を参照されたい。当業者にはわかるように、カップラの長さ寸法は、変調信号に用いられている搬送波周波数の特定の値に応じて変化し得る。これに制限するつもりはないが、例として言うと、カップラの長さ寸法は、λを伝送線路材料における搬送波の波長として、λ/4からλ/8までの範囲内に選択することができる。カップラに対する他の構成も、当業者には容易に明らかであろう。
第3図は、伝送線路の差動的に駆動されるセグメント及びカップラの両方に有効に用いることのできる実質的に平面状の伝送線路の断面を示す。例として、第3図はマイクロストリップ200を示しており、マイクロストリップ200では、実質的に平行な第1及び第2の導体202及び203、並びに大地平面206が、適当な誘導体材料204によって互いに隔てられている。このような実質的に平面状の伝送線路は、周知のプリント配線技術を用いて容易に製造することができ、これにより、光学式データ・リンクに比べてコストを大幅に節約することができることが理解されよう。同様に、第1及び第2の導体が2つの大地平面の間でそれぞれの誘導体材料内で「サンドウィッチ」になっているストリップライン伝送線路も、伝送線路のセグメント及びカップラの両方として、この代わりに用いることができる。更に、カップラは、マイクロストリップ又はストリップライン伝送線路で構成されている必要がない。短い2本1組のワイヤのような適当な導体を、駆動される伝送線路と実質的に平行に整合させたものでも、有効に作用する。
第4図は、伝送線路40(第2図)を差動的に駆動するのに用いられる位相分割器72又は74のいずれかのような正確な広帯域位相分割器の簡略モデル回路図を示す。第4図に示すように、位相分割器は分割回路網300を有している。分割回路網300は、随意選択により、位相分割器の入力ポートに対して並列に結合されている第1及び第2の整合抵抗302及び304を含んでいてもよい。整合抵抗302及び304は、位相分割器の任意の特定の構成に応じて、このような整合抵抗302及び304を容易になくすことができる点で、分割回路網300に随意選択で用いられる。図面では遅延線3071として図式的に示されている第1の伝送線路306が、第1の抵抗302と位相分割器の第1の出力ポートとの間に結合されており、位相分割器の入力ポートで受け取られた変調搬送波に対して実質的に同相の位相角を有する出力信号を供給する。当業者にはわかるように、伝送線路306は、伝送線路306の電気長に応じた所定の遅延時間を、その内部を伝搬する任意の信号に導入し、このため、伝送線路306を遅延線として表してある。第1の伝送線路306から供給される出力信号は、変調搬送波入力を遅延させたものであり、位相分割器から供給される第1の変調搬送波成分を構成している。
その出力信号に何ら移相(フェイズ・シフト)を加えずに、単に所定の遅延時間を導入すると上に述べた第1の伝送線路306とは対照的に、第2の伝送線路308は、第2の抵抗304と所定の電気的な大地との間に所定のレベルのインダクタンスを生ずるように設計されている。このため、第2の伝送線路は図式的に、誘導子308と直列の遅延線3072として図式的に示されており、この誘導子は、第2の抵抗304と所定の電気的な大地との間に伝送線路308によって生ずるインダクタンスを表している。第2の伝送線路308は反対手段312を含んでおり、反転手段312は、第2の出力ポートに結合されており、変調搬送波に対して実質的に180°位相がずれた位相角を有する出力信号を供給する。第2の伝送線路によって生ずるインダクタンスによって、反転手段312は、その出力信号を電気的に短絡させずに、第2の伝送線路からの出力信号に所望の180°の位相変化を実効的に与えることができる。第2の伝送線路308から供給される出力信号は、位相変更器から供給される第2の変調搬送波成分を構成している。補償コイル314が、位相分割器の第1の出力ポートと所定の電気的な大地との間に結合されている。補償コイル314は、第1及び第2の出力ポートが同じように終端されていると仮定すると、第1及び第2の伝送線路306及び308の各々が、その内部をそれぞれ伝搬する第1及び第2の変調搬送波成分に実質的に同一のインピーダンスを有するように、第2の伝送線路308によって生ずるインダクタンスのレベルを実効的に釣り合わせる。
分割回路網300、並びに伝送線路306及び308のように、位相分割器を構成している種々の電気部品のそれぞれの電気長は、分割点Sから位相分割器の第1及び第2の出力ポートの各々までそれぞれ伝搬する信号が、位相分割器の第1及び第2の出力ポートに到達するときに、互いに実質的に同一の遅延時間を有するように選択されていることが好ましいことが理解されよう。このため、分割回路網300が分割点Sから伝搬する信号に対して実質的に同一の遅延時間を導入すると仮定すると、第1及び第2の伝送線路306及び308によってそれぞれ導入される任意の遅延時間は、互いに実質的に同一の値を有するはずである。整合抵抗302及び304について言うと、位相分割器と、この位相分割器に接続されている任意の回路、例えば位相分割器の入力ポートに供給されている変調搬送波を発生する回路(図面に示していない)との間で任意の所望のインピーダンス整合が得られるように、伝送線路306及び308のインピーダンスの値が適宜に選択されていれば、整合抵抗302及び304を容易に省略することができることが理解されよう。例えば、入力ポートが50オームの入力インピーダンスを有しており、且つ伝送線路306及び308の各々が50オームの線路インピーダンスを有している場合、整合抵抗302及び304の各々は、位相分割器の入力ポートと第1及び第2の伝送線路の各々との間で実質的なインピーダンス整合を達成するために、50オームの値を必要とする。上に述べた例では、整合抵抗302及び304を除去して、伝送線路306及び308の各々を100オームの線路インピーダンスを有するように選択することによっても、実質的なインピーダンス整合を達成することができる。更に、用途によっては、所定のレベルのインピーダンス不整合を容易に許容することがあるので、ある用途では、上に述べたような実質的に正確なインピーダンス整合が必要でないことがある。このため、位相分割器の任意の所望のインピーダンス整合は、整合抵抗302及び304を用いないことを含めて、多くの異なる方法で達成し得ることが理解されよう。
第5図は、第1及び第2の伝送線路306及び308の一実施例を示す。この実施例では、伝送線路306及び308の各々は、それぞれの同軸線路を含んでおり、これらの同軸線路は、第1の変調搬送波成分と第2の変調搬送波成分との間に所望の位相差を維持するために実質的に同様な電気長を有している。第5図に最もよく示されているように、各々の同軸線路は、実質的に円筒形の巻線を形成するように巻装された可撓性を有する同軸線路で構成されていることが好ましい。この構成にすると、回路の対称性が得られ、コンパクトになり、第1の伝送線路と第2の伝送線路との間の電磁的な相互作用が比較的小さくなるので便利である。この実施例では、反転手段312は、第2の伝送線路となる同軸線路の外側シールド及び中心導体によって構成されていることが便利である。即ち、第2の伝送線路に対する同軸線路の中心導体は電気的に接地されており、外側シールドは位相のずれた出力信号を供給する。逆に、第1の伝送線路の外側シールドは電気的に接地されており、中心導体は同相の出力信号を供給する。
第6A図は、第1及び第2の伝送線路306及び308(第4図)の他の実施例を示す。この実施例では、伝送線路306及び308は第1のプリント配線段400を含んでおり、第1のプリント配線段400は、各々の伝送線路に対して、第1の基板406の互いに向かい合った面に配設されているストリップ402及び404のようなそれぞれ一対の実質的に対応している導電ストリップを含んでいる。第6A図に示すように、伝送線路306及び308は更に、第2のプリント配線段410を含んでおり、第2のプリント配線段410は、各々の伝送線路に対して、第1のプリント配線段にあるそれぞれ1つの導電ストリップにそれぞれ結合されている、即ち、電気的に接続されているコイル412及び414のようなそれぞれ一対の実質的に対応しているコイルを含んでいる。導電ストリップ402及び404は、第6A図では細い線で示されているが、導電ストリップがコイル412及び414の幅寸法と同様な幅寸法を有していることを承知されたい。細い線で表示したのは、図面を簡単にする便宜のためである。更に、第6図において、対応する各々のストリップ402及び404、並びに対応する各々のコイル412及び414に付した添字の数字は、このようなストリップ及びコイルを用いて構成されている特定の伝送線路(即ち、第1及び第2の伝送線路)を便利に同定する。例えば、コイル4121及び4141は、第1の伝送線路に対する一対の対応しているコイルを表しており、コイル4122及び4142は、第2の伝送線路に対する一対の対応しているコイルを表している。同様に、ストリップ4021及び4041は、第1の伝送線路に対する一対の対応しているストリップを表しており、ストリップ4022及び4042は、第2の伝送線路に対する一対の対応しているストリップを表している。
プリント配線段400とプリント配線段410との間の電気的な接続は、第1の伝送線路に対して第6C図に最もよく示されているように、導電ストリップ及びコイルの適当な端で行うことができる。例えば、ストリップ4021は、導電ジョイント422又は可撓性ワイヤ等のようなそれぞれの接続導体を介して、コイル4121に接続されている。同様に、ストリップ4041は、適当な導電ジョイント424によってストリップ4041に電気的に接続されている導電ピン420のようなそれぞれの接続導体を介して、コイル4141に接続されている。第6C図に示すように、コイル4141の接続端は、基板406の厚さを考慮に入れて、コイル4121の接続端を越えて伸びている。第2の伝送線路に対するストリップ及びコイルの適当な端で、同様な電気接続をすることができることが理解されよう。導電ストリップ402及び404と同様に、コイル412及び414は第2の基板416の互いに向かい合った面に設けられている。第2の基板に設けられた互いに向かい合った面の各々は、第1の基板に設けられた互いに向かい合った面に対して実質的に垂直に配置されていることが好ましい。このようにすると、第1及び第2のプリント配線段を伝搬する信号の間の電磁干渉を減少させることができる。更に、コイル412及び414をそれぞれ構成している同心ループ又はターンの任意の2つの隣接したループの間の隙間の間隔は、その間の電磁的な漏話を減少させるために、ループの幅に対して十分に広くすることが好ましい。例えば、この隙間の間隔は、ループ幅の約3倍に容易に選択することができる。第6A図はコイル412及び414を、角のある同心ループ、即ち、全体的に矩形のループとして示しているが、コイルのループには、この他の幾何学的な形状を用いても同じように有効に作用する。例えば、コイルのループは、全体的に矩形にする代わりに、全体的に円形等に形成することができる。
この実施例では、反転手段312(第4図)は通り抜け(フィードスルー)コネクタ320で構成されているが、その概念図を第6B図に示してある。通り抜けコネクタは、第2の伝送線路に対する一対の実質的に対応しているストリップのそれぞれ1つを横切る信号の流れを反対にするように設計されている。例えば、第6B図の概念図に示すように、通り抜けコネクタ320は、基板406の互いに向かい合った面に配設されている導電ストリップ4022と導電ストリップ4042との間で、第2の伝送線路308における信号の流れを反対にすることができるようにする。即ち、ストリップ4022が伝える信号は、基板406を通過して、通り抜けコネクタ320によって空間的に反転される前にストリップ4042が配置されていた面とは反対側に位置している面に沿って続き、これに対して、ストリップ4042が伝える信号は、基板406を通過して、通り抜けコネクタ320によって空間的に反転される前にストリップ4042が配置されていた面とは反対側に位置している面に沿って続く。当業者にはわかるように、通り抜けコネクタ320は、それぞれの導電ストリップを伝搬する任意の信号を電気的に短絡することを回避するように設計されている。プリント配線段を用いることにより、本発明に従った位相分割器は、周知のプリント配線技術を用いて容易に製造することができ、これにより、他の回路製造技術の場合に比べて、コストを大幅に節約することができることが理解されよう。第6A図にははっきりと示していないが、整合抵抗302及び304(第4図)、並びに補償コイル314(第4図)は、周知のプリント配線技術を用いて、第6図の実施例に容易に取り入れることができることが理解されよう。種々のプリント配線技術の初期のものではあるが、包括的な取り扱いについては、例えばプロシーディングズ・オブ・ジ・IRE誌、ウェイブズ・アンド・エレクトロンズ・セクションズ、1948年1月号、121頁〜159頁所載のC.ブルネッティ及びR.カーティスの論文「プリント配線技術」を参照されたい。前に示唆したように、伝送線路306及び308のそれぞれの電気長は好ましくは、第1の変調搬送波成分と第2の変調搬送波成分との間に所望の位相差を維持するために、互いに実質的に同一に選択されていることが理解されよう。
図7は、本発明による位相分割器の一例の出力特性を示すグラフである。この例では、位相分割器が関心のある帯域幅にわたって実質的に一様な振幅を有しながら、実質的に一様な180°の位相差を形成する点で有利であることがわかる。第7図に示すグラフは、10〜1000MHzにわたって掃引する平坦な振幅を有する入力信号を想定している。第7図に示すように、「単一出力信号」と記した信号は、位相分割器の出力ポートのいずれか1つから供給される一例の出力信号を表しており、これに対して、「出力信号の和」と記した信号は、位相分割器から供給された実質的に180°位相のずれた出力信号の和を表している。第7図に示すように、信号の和では少なくとも30dBの相殺が達成され、位相分割器からの出力信号は実際に、実質的に等しい振幅であると共に、関心のある帯域幅にわたって実質的に180°位相がずれていることを示している。
本発明の種々の特定の構造を説明したが、これは例示に過ぎないことを承知されたい。当業者には、本発明の要旨を逸脱せずに、種々の変更及び適応が容易に考えられよう。例えば、シールドされた伝送線路のセグメントは回転フレーム又はガントリ15(第1図)と一緒に回転し、カップラは不動フレーム12(第1図)に取り付けられていると説明したが、この代わりに、シールドされた伝送線路セグメントを不動にし、カップラを回転フレームに装着することも等しく可能であり、即ち、カップラ及び伝送線路セグメントの不動及び回転の機械的な装着を容易に入れ替えても、同じ有効な結果が得られる。従って、本発明は、請求の範囲のみによって限定されることを承知されたい。
Claims (28)
- 不動フレームと、
全体的に環状の回転フレームと、
所定の帯域幅を有する変調搬送波を受け取るように結合されている入力ポートを有している位相分割器であって、前記帯域幅にわたってほぼ一様な振幅を維持しながら、互いの間に同様な位相角の差を有する第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ供給する第1及び第2の出力ポートを有している位相分割器と、
前記回転フレームに取り付けられていると共に前記環状の回転フレームの周りに位置決めされている伝送線路であって、前記位相分割器からの第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために前記位相分割器の第1及び第2の出力ポートにそれぞれ結合されている第1及び第2の導体を有している少なくとも1つの個別セグメントを含んでいる伝送線路と、
前記不動フレームに取り付けられていると共に、前記少なくとも1つの個別セグメントに印加された第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために、その間で無線結合を確定するほど前記伝送線路の近くに位置決めされているカップラとを備えた計算機式断層写真システム。 - 前記位相分割器は、
該位相分割器の入力ポートに並列に結合された第1及び第2の抵抗を含んでいる分割回路網と、
前記変調搬送波に対してほぼ同相の位相角を有するそれぞれの出力信号を供給するように、前記第1の抵抗と前記位相分割器の第1の出力ポートとの間に結合されている第1の伝送線路であって、該第1の伝送線路により供給される前記出力信号は、前記位相変更器により供給される第1の変調搬送波成分を構成している、第1の伝送線路と、
前記第2の抵抗と所定の電気的アースとの間に所定のレベルのインダクタンスを形成するように構成されている第2の伝送線路であって、該第2の伝送線路は、変調搬送波に対してほぼ180°位相がずれた位相角を有するそれぞれの出力信号を供給するために前記第2の出力ポートに結合されている反転手段を含んでおり、該第2の伝送線路から供給される前記出力信号は、前記位相分割器から供給される第2の変調搬送波成分を構成している、第2の伝送線路とを含んでいる請求項1に記載の計算機式断層写真システム。 - 前記位相分割器の第1の出力ポートと前記所定の電気的アースの間に結合されている補償コイルを更に含んでいる請求項2に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記第1及び第2の伝送線路の各々は、互いに同様な電気長を有しているそれぞれの同軸線路を含んでいる請求項2に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記同軸線路の各々は、ほぼ円筒形の巻線を形成するように巻装された可撓性を有する同軸線路を含んでいる請求項4に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記反転手段は、前記第2の伝送線路に対する同軸線路の外側シールドと、中心導体とを含んでおり、該中心導体は、前記所定の電気的アースに接続されており、前記外側シールドは、前記第2の変調搬送波成分を供給するように前記位相分割器の第2の出力ポートに接続されている請求項4に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記第1及び第2の伝送線路は、該伝送線路の各々に対応している一対の導電ストリップを含んでいる第1のプリント配線段を含んでおり、前記それぞれの導電ストリップの対は、第1の基板の互いに向かい合った面の上に設けられている請求項2に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記第1及び第2の伝送線路は更に、該伝送線路の各々に対応している一対のコイルを含んでいる第2のプリント配線段を含んでおり、該それぞれのコイルの対の各々は、前記第1の段のそれぞれ1つの前記導電ストリップに結合されていると共に、第2の基板の互いに向かい合った面の上に設けられている請求項7に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記第2の基板上の前記互いに向かい合った面の各々は、前記第1の基板上の互いに向かい合った面に対してほぼ垂直に位置決めされている請求項8に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記反転手段は、前記第2の伝送線路に対応している一対のストリップのそれぞれ1つの間で信号の流れを反対にするように構成されている通り抜けコネクタを含んでいる請求項7に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記第1及び第2の伝送線路の各々は、互いに同様な電気長を有している請求項10に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記回転フレームに取り付けられた伝送線路は更に、他の個別セグメントを含んでおり、該他の個別セグメントの各々は、それぞれの第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るように結合されているそれぞれの第1及び第2の導体を有しており、前記少なくとも1つのセグメント及び前記他のセグメントは、任意の2つの相次ぐセグメントの所定の端が、その内部を伝搬する変調搬送波成分の遅延時間の不連続を回避するように、互いに隣接するように配置されている請求項2に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記個別セグメントの各々は、それぞれのほぼ平面状の伝送線路を含んでおり、前記個別セグメントのそれぞれの第1及び第2の導体の各々は、互いにほぼ平行である請求項14に記載の計算機式断層写真システム。
- 前記カップラは、第1及び第2の導体を有しているほぼ平面状の伝送線路を含んでおり、前記第1及び第2の導体は、互いにほぼ平行に整合していると共に、それぞれの前記個別セグメントの第1及び第2の導体に対してほぼ平行にそれぞれ位置決めされている請求項12に記載の計算機式断層写真システム。
- 不動フレームと、全体的に環状の回転フレームとを有している計算機式断層写真システムに設けられた装置であって、
所定の帯域幅を有する変調搬送波を受け取るように結合されている入力ポートを有している位相分割器であって、前記帯域幅にわたってほぼ一様な振幅を維持しながら、互いの間に同様な位相角の差を有する第1及び第2の変調搬送波成分をそれぞれ供給する第1及び第2の出力ポートを有している位相分割器と、
前記回転フレームに取り付けられていると共に前記環状の回転フレームの周りに位置決めされている伝送線路であって、前記位相分割器からの第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために前記位相分割器の第1及び第2の出力ポートにそれぞれ結合されている第1及び第2の導体を有している少なくとも1つの個別セグメントを含んでいる伝送線路と、
前記不動フレームに取り付けられていると共に、前記少なくとも1つの個別セグメントに印加された第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るために、その間に無線結合を確定するほど前記伝送線路の近くに位置決めされているカップラとを備えた計算機式断層写真システムに設けられた装置。 - 前記位相分割器は、
該位相分割器の入力ポートに並列に結合された第1及び第2の抵抗を含んでいる分割回路網と、
前記変調搬送波に対してほぼ同相の位相角を有するそれぞれの出力信号を供給するように、前記第1の抵抗と前記位相分割器の第1の出力ポートとの間に結合されている第1の伝送線路であって、該第1の伝送線路により供給される前記出力信号は、前記位相変更器により供給される第1の変調搬送波成分を構成している、第1の伝送線路と、
前記第2の抵抗と所定の電気的アースとの間に所定のレベルのインダクタンスを形成するように構成されている第2の伝送線路であって、該第2の伝送線路は、変調搬送波に対してほぼ180°位相がずれた位相角を有するそれぞれの出力信号を供給するために前記第2の出力ポートに結合されている反転手段を含んでおり、該第2の伝送線路から供給される前記出力信号は、前記位相分割器から供給される第2の変調搬送波成分を構成している、第2の伝送線路とを含んでいる請求項15に記載の装置。 - 前記位相分割器の第1の出力ポートと前記所定の電気的アースとの間に結合されている補償コイルを更に含んでいる請求項16に記載の装置。
- 前記第1及び第2の伝送線路の各々は、互いに同様な電気長を有しているそれぞれの同軸線路を含んでいる請求項16に記載の装置。
- 前記同軸線路の各々は、ほぼ円筒形の巻線を形成するように巻装された可撓性を有する同軸線路を含んでいる請求項18に記載の装置。
- 前記反転手段は、前記第2の伝送線路に対する同軸線路の外側シールドと、中心導体とを含んでおり、該中心導体は、前記所定の電気的アースに接続されており、前記外側シールドは、前記第2の変調搬送波成分を供給するように前記位相分割器の第2の入力ポートに接続されている請求項19に記載の装置。
- 前記第1及び第2の伝送線路は、該伝送線路の各々に対応している一対の導電ストリップを含んでいる第1のプリント配線段を含んでおり、前記それぞれの導電ストリップの対は、第1の基板の互いに向かい合った面の上に設けられている請求項16に記載の装置。
- 前記第1及び第2の伝送線路は更に、該伝送線路の各々に対応している一対のコイルを含んでいる第2のプリント配線段を含んでおり、該それぞれのコイルの対の各々は、前記第1の段のそれぞれ1つの対応している導電ストリップに結合されていると共に、第2の基板の互いに向かい合った面の上に設けられている請求項21に記載の装置。
- 前記第2の基板上の前記互いに向かい合った面の各々は、前記第1の基板上の互いに向かい合った面に対してほぼ垂直に位置決めされている請求項22に記載の装置。
- 前記反転手段は、前記第2の伝送線路に対する前記他の一対のストリップのそれぞれ1つの間で信号の流れを反対にするように構成されている通り抜けコネクタを含んでいる請求項23に記載の装置。
- 前記第1及び第2の伝送線路の各々は、互いに同様な電気長を有している請求項24に記載の装置。
- 前記回転フレームに取り付けられた伝送線路は更に、他の個別セグメントを含んでおり、該他の個別セグメントの各々は、それぞれの第1及び第2の変調搬送波成分を受け取るように結合されているそれぞれの第1及び第2の導体を有しており、前記少なくとも1つのセグメント及び前記他のセグメントは、任意の2つの相次ぐセグメントの所定の端が、その内部を伝搬する変調搬送波成分に遅延時間の不連続を回避するように、互いに隣接するように配置されている請求項16に記載の装置。
- 前記個別セグメントの各々は、それぞれのほぼ平面状の伝送線路を含んでおり、該個別セグメントのそれぞれの第1及び第2の導体の各々は、互いにほぼ平行である請求項26に記載の装置。
- 前記カップラは、第1及び第2の導体を有しているほぼ平面状の伝送線路を含んでおり、前記第1及び第2の導体は、互いにほぼ平行に整合していると共に、それぞれの前記個別セグメントの第1及び第2の導体に対してほぼ平行にそれぞれ位置決めされている請求項27に記載の装置。
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