JP3693132B2 - 水抜き穴構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水抜き穴構造に関するものであり、特に車両用部品の水抜き穴構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用部品の水抜き穴構造として、実開昭64−34854号公報に開示されているように、車両用部品の空間内部に侵入した雨水が電気系部品内部に侵入するのを防止するため、外気と連通する水抜き穴あるいは呼吸穴といった開口穴を有する構造が車両用部品に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来の水抜き穴構造では、整備時に車両用部品を高圧洗浄した場合、水抜き穴および呼吸穴の二つの開口穴に同時に高圧水がかかると車両用部品の空間内部から電気系部品内部に水が侵入する恐れがある。このとき、電気系部品の誤作動が発生することがあるという問題がある。
【0004】
また、電気系部品内部への水の侵入を防止するため、外気に触れる箇所と電気系部品との間にシール部品を設けることも考えられる。しかしこの場合、少なくともシール部品を構成する部品の増加分だけは部品点数の増加を招き、組付け作業が煩雑になる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で外部からの水の侵入を防止する水抜き構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の他の目的は、部品点数を増加することなしに、簡単な構成で外部からの水の侵入を防止する車両用部品の呼吸穴構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の水抜き穴構造によると、第1外側穴は重力方向の下方に配置され、第2外側穴は第1外側穴より上方に配置されるので、高圧水が同時に二つの外側穴にかかりずらくなる。したがって、高圧水の二つの外側穴への当たり方の違いにより、一方の外側穴から侵入した高圧水は他方の外側穴から排出される。また、二つの外側穴は、外側穴から内側穴へ向かうよりも通気されやすいので、一方の外側穴から侵入した高圧水は内側穴へ達するよりも他方の外側穴へ抜けやすくなる。また、通常の状態においては、内側の空間に侵入した水は、第2外側穴が呼吸穴となって内側穴から連通通路を通って第1外側穴より外部へ排出される。
また、内側穴と2つの外側穴とは共通の迷路構造を有しているので、一方の外側穴より侵入した高圧水は連通通路を通って他方の外側穴より外部へ排出され、内側穴へは侵入し難くなる。
さらに、一方の外側穴の負圧状態を利用して外部からの水の侵入を防止するので、構成が簡単である。したがって、部品の組付けおよびメンテナンスが簡便である。
【0007】
本発明の請求項2記載の水抜き穴構造によると、スロットルボディ及びスロットル開度検出器が高圧水の噴射を受けた場合、一方の外側穴から侵入した水は他方の外側穴から外部へ排出される。したがって、内側穴からスロットル開度検出器の内部に水が侵入してスロットル開度検出器の誤動作が発生するのを防止する。
【0008】
本発明の請求項3に記載の水抜き穴構造によると、スロットルボディの内壁面の一部が切取られているだけであるので、部品点数を増加することなしに簡単な構成で外部からの水の侵入を防止する。したがって、部品の組付けおよびメンテナンスが簡便である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の水抜き穴構造をスロットル装置に適用した一実施例を図1、図2及び図3に示す。
図3に示すスロットル装置は、図示しないエンジンの吸気通路の一部を形成するスロットルボディ20にベアリング17を介してスロットルシャフト7を回転可能に支持する。スロットルシャフト7は、ゴムおよび金属製シール部9により、スロットルボディ20の吸気通路8を外気から遮断している。このスロットルシャフト7の一端に設けられるスロットル開度検出器駆動用レバー7aにワッシャ14を介してスロットル開度検出器6のロータ11が嵌め込まれる。
【0010】
ロータ11は、スロットルシャフト7の開度に応じて回動する。そして、スロットル開度検出器6は、このロータ11に連動してポテンシオメータの電気抵抗値を可変にすることで、スロットル開度を電気信号に変換する。スロットル開度検出器6のハウジング12にはガイド部13が一体に形成されている。スロットル開度検出器6のハウジング12はスロットルボディ20の取付け筒部20aに取付けられる。組付け時、ネジ孔10にボルトが挿通され締付けられることにより、スロットルボディ20にハウジング12が固定される。
【0011】
図1および図2に示されるように、取付け筒部20aの内壁面20bの一部の円弧が径方向に重力方向下端から上方に向かって凹状に切取られ、重力方向下方の第1通路1とそれより上方の第2通路2とが形成されている。そして、第1通路1と第2通路2との間に外気と連通する第1外側穴3が設けられている。また、第2通路2の重力方向上端に外気と連通し、第1外側穴3より開口径の大きい第2外側穴4が設けられている。第1通路1の重力方向下端にスロットルボディ20とハウジング12との間に形成される内側空間16と連通する内側穴5が設けられている。第1外側穴3と第2外側穴4とは、第2通路2で内壁面20bの径方向に連通している。しかし、第1外側穴3と内側穴5とは、第1通路1で内壁面20bの径方向と軸方向で直角に曲がって連通するいわゆる迷路構造になっている。また、内壁面20bとガイド部外面13aとの間には、内側穴5の開口径とほぼ同じか、または小さい隙間15が形成されている。
【0012】
次に本実施例の水抜き穴構造の効果について説明する。
エンジンの整備時における高圧洗浄の場合、スロットルボディ20の下方に設けられた図示しないインテークマニホールドに高圧の洗浄水が反射し、第1外側穴3方向へ高圧水が向かってくる。この高圧水は第1外側穴3から侵入し、ガイド部外面13aに衝突する。このとき、スロットル開度検出器6のハウジング12の外周面12aに沿って流れる高圧水により、第2外側穴4近傍はジェットによる負圧状態となっている。また、第1外側穴3と内側穴5とは、第1通路1で内壁面20bの径方向と軸方向で直角に曲がる迷路構造になっており、第2外側穴4の開口径は第1外側穴3より大となっている。したがって、ガイド部外面13aに衝突した水は、第1通路1を通って内側穴1へ向かうよりも第2通路2を通って第2外側穴3へ向かいやすい状態となり、第2外側穴3から排出される。
【0013】
通常の使用状態において、内側空間16に侵入した雨水などの水は、内側穴5から第1通路1を経て、第1外側穴3より外部へ排出される。この時、第2外側穴4は、第1外側穴3から遅滞なく排水するための空気導入口、すなわち呼吸穴となる。
本実施例では、内壁面20bとガイド部外面13aとの間に隙間15が形成されている。従来技術においては、エンジンの整備時における高圧洗浄の場合、このような隙間が形成されているとスロットル開度検出器内部に水が侵入する可能性が大きいし、水が侵入するとスロットル開度検出器の誤作動が発生する場合がある。しかし、本実施例では、第2外側穴4近傍のジェットによる負圧状態と、第1外側穴3と内側穴5との迷路構造とにより、第1外側穴3より侵入した高圧水は、内側穴5へ侵入せずに第2外側穴4から排出される。
【0014】
また、本実施例では、本発明の水抜き穴構造をスロットル装置に適用したが、モータや検出器などの電気系部品を有する多くの装置に適用可能なのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水抜き構造をスロットル装置に適用した一実施例の取付け筒部の端面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】本実施例の一部切欠断面図である。
【符号の説明】
1 第1通路
2 第2通路
3 第1外側穴
4 第2外側穴
5 内側穴
6 スロットル開度検出器
7 スロットルシャフト
7a スロットル開度検出器駆動用レバー
12 ハウジング
12a ハウジング外周面
13 ガイド部
13a ガイド部外面
20 スロットルボディ
20a 取付け筒部
20b 内壁面
Claims (3)
- 所定の空間を区画形成する容器と、該容器に形成されその内側の空間と外気とを連通する通路とを備え、
前記通路は、重力方向の下端において前記容器に形成される空間と連通する内側穴と、重力方向の下方に位置して外気と連通する第1外側穴と、重力方向に関して前記第1外側穴より上方に配置され外気と連通する第2外側穴とを有し、
一方の外側穴から他方の外側穴に通気されるのが、前記第1外側穴あるいは前記第2外側穴から前記内側穴に通気されるよりも優先される構造を有し、
前記内側穴、前記第1外側穴および前記第2外側穴は共通の迷路構造を有し、
前記一方の外側穴から前記他方の外側穴に通気されるのが、前記第1外側穴あるいは前記第2外側穴から前記内側穴に通気されるよりも優先される構造は外部の負圧要因によることを特徴とする水抜き穴構造。 - 前記迷路構造は、内燃機関の吸気通路の一部を形成するスロットルボディと、前記吸気通路を開閉するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出器との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の水抜き穴構造。
- 前記迷路構造は、前記スロットルボディの内壁面の一部の円弧が凹状に切取られて形成されることを特徴とする請求項2に記載の水抜き穴構造。
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JPH1061508A JPH1061508A (ja) | 1998-03-03 |
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-
1996
- 1996-08-22 JP JP22097696A patent/JP3693132B2/ja not_active Expired - Fee Related
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