JP3693090B2 - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射型内燃機関に係り、詳しくは、筒内噴射型内燃機関における排気昇温技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
筒内噴射型内燃機関は、吸気行程のみならず圧縮行程において燃料を直接燃焼室内に噴射して層状燃焼させることにより、空燃比を理論空燃比(値14.7)よりも超希薄側としてリーン側の目標値(例えば、値24)以上の超リーン空燃比運転を可能としている。そして、低負荷域では積極的に超リーン空燃比運転を実施することで、エンジンの燃費特性の改善を図っている。
【0003】
ところが、このような超リーン空燃比運転では、排気温度がなかなか上昇せず、例えば内燃機関の始動直後にこのような超リーン空燃比運転を行うと、触媒が早期に活性化せず、排ガス特性が悪化するという問題がある。
そこで、排気温度を昇温させる手法として、筒内噴射型内燃機関では、燃焼室内に直接燃料を噴射できるという利点を生かし、例えば、燃料噴射を主燃焼の主噴射(圧縮行程噴射)と膨張行程における副噴射との2回の噴射に分割(分割噴射)し、当該副噴射により供給される燃料を燃焼室内或いは排気弁直後の排気通路内で謂再燃焼させることで排気を昇温させる技術が特開平10−122015号公報にて公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように筒内噴射型内燃機関において分割噴射を行う場合、極力未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)を排気通路内で再燃焼させて未燃燃料成分の低減を図りながら排気昇温させることが好ましい。この場合、燃焼室内に流入する空気量を増やして機関負荷保持のための主噴射を極力希薄状態とすることで余剰酸素を増やし、一方で副噴射による燃料噴射量を極力多くして未燃燃料成分を増やすようにし、該未燃燃料成分と余剰酸素とを効率よく反応させる必要がある。
【0005】
ところが、機関負荷が増大すると機関負荷保持のための燃料量、即ち主噴射量を増量して燃焼させざるを得ず、副噴射による未燃燃料成分と反応する余剰酸素が不足して消炎し易くなり、再燃焼せずに排気マニホールドから排出される未燃燃料成分の量が多くなるという問題がある。また、機関回転速度が低くなると、1サイクル中の着火から排気までの時間が長くなり、高温の燃焼ガスが冷却されて消炎し易くなり、副噴射による燃料が良好に燃焼せず、やはり排気マニホールドから排出される未燃燃料成分の量が多くなるという問題がある。
【0006】
つまり、機関負荷が高く且つ機関回転速度が低い場合には、分割噴射を行うと燃焼せずに排気マニホールドから排出される未燃燃料成分の量が多くなってしまい、排気昇温効果が小さく、触媒を十分に活性化することが困難となるのである。
従って、例えば、筒内噴射型内燃機関にA/T(オートマチック・トランスミッション)を連結してなる車両では、低温状態での始動時(コールドスタート時)にレンジ位置をP(パーキング)レンジまたはN(ニュートラル)レンジからD(ドライブ)レンジへ切り換えると、内燃機関にA/Tの負荷が加わりアイドル回転速度が若干低下するのであるが、このような低回転・高負荷の場合において、上述の分割噴射を実行すると、排気マニホールドから排出される未燃燃料成分の低減及び排気昇温を十分に達成できない虞がある。
【0007】
そこで、特に上述した消炎による問題を解消するために、副噴射の回数を少なくとも2回とし、1回の副噴射により噴射される燃料量を少なくすることで確実に燃焼させることが考えられる。
しかしながら、この場合においても、例えば、1回目の副噴射のタイミングが早いと、主噴射の燃焼火炎が残存しているので、1回目の副噴射が液滴の状態で燃焼される(液滴燃焼)となりスモークが増大してしまう。また、1回目の副噴射により誘発される燃焼反応は、主に筒内で進行し、早期に消炎するので、2回目の副噴射により燃焼の支援を受けたとしても反応が弱く、排気温度上昇も鈍くなるという問題がある。
【0008】
また、例えば、2回目の副噴射のタイミングを排気弁の開弁直前に設定すると、2回目の副噴射が排気弁開弁直後の排気のブローダウンにより排気マニホールド側へ流れてしまい、1回目の副噴射の反応を支援できず、十分な排気昇温が得られなくなったり、逆に2回目の副噴射のタイミングを遅くし過ぎると(例えば、排気行程初期)、1回目の副噴射による燃焼反応を支援するための反応時間が得られず、この場合にも十分な排気昇温が得られないという問題が生じる。
【0009】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、膨張行程で燃料噴射することにより排気昇温を行う場合に、その噴射タイミングを最適に設定することで、機関回転速度や機関負荷に拘わらず未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)を効率よく燃焼に寄与させて十分な触媒昇温を実現可能な筒内噴射型内燃機関を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、筒内噴射型内燃機関において、排気昇温が要求され且つ低回転且つ高負荷となる機関運転時には、主噴射制御手段によって吸気行程及び圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射が行われ、さらに、未燃燃料成分を排気通路内で再燃焼するために、副噴射制御手段によって該主噴射とは別に膨張行程中期において第1副噴射が行われ且つ排気弁開弁後に第2副噴射が行われる。
また、請求項2の発明では、第1副噴射が上死点後クランク角70°〜110°において行われ、第2副噴射が排気弁開弁後クランク各40°以内に実行される。
【0011】
従って、例えば、主噴射量を増量せざるを得ず、副噴射による未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)と反応する余剰酸素が不足して消炎し易くなり、或いは、1サイクル中の着火から排気までの時間が長くなって高温の燃焼ガスが冷却されてやはり消炎し易くなる場合であっても、燃料が膨張行程において極めて適正なタイミングで分割して燃焼室内に供給されることになり、膨張行程後の消炎が好適に防止されて副噴射による未燃燃料成分が良好に反応し、十分な排気昇温が得られる。
【0012】
また、請求項3の発明では、第1副噴射の噴射量と第2副噴射の噴射量の燃料噴射割合7:3から3:7の範囲である
のような噴射割合にすることで排気昇温効率をより一層高めることが可能とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る筒内噴射型内燃機関の概略構成図が示されており、以下同図に基づいて本発明に係る筒内噴射型内燃機関の構成を説明する。
【0014】
機関本体(以下、単にエンジンという)1は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)を切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射モード)または圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射モード)を実施可能な筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンとされている。そして、この筒内噴射型のエンジン1は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能とされており、特に圧縮行程噴射モードでは、超リーン空燃比での運転が可能とされている。
【0015】
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃焼室8内に燃料を直接噴射可能とされている。
燃料噴射弁6には、燃料パイプを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(共に図示せず)が接続されている。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の燃圧で噴射可能とされている。この際、燃料噴射量は高圧燃料ポンプの燃料吐出圧と燃料噴射弁6の開弁時間、即ち燃料噴射時間とから決定される。
【0016】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。そして、吸気マニホールド10の他端にはスロットル弁11が接続されており、該スロットル弁11にはスロットル開度θthを検出するスロットルセンサ11aが設けられている。
【0017】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
なお、図中符号13は、クランク角を検出するクランク角センサであり、該クランク角センサ13はエンジン回転速度Neを検出可能とされている。
【0018】
なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に公知のものであり、その構成の詳細についてはここでは説明を省略する。
排気マニホールド12としては、排出された未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)を効率よく排気通路内で燃焼させるべく、図6(正面図)、図7(側面図)に示すような反応型排気マニホールドが採用されている。該反応型排気マニホールド12は、同図に示すように、通常の排気マニホールドに比べて排気合流部12aの容積が大きく、該排気合流部12aにおいて暫時滞留する未燃燃料成分が余剰酸素と混合し十分に反応(燃焼)するように設計されている。これにより、分割噴射の副噴射によって排出された未燃燃料成分が十分に反応(燃焼)し、良好に排気昇温される。
【0019】
また、同図に示すように、排気マニホールド12には排気管(排気通路)14が接続されており、この排気管14にはエンジン1に近接した小型の近接三元触媒20及び排気浄化触媒装置30を介してマフラー(図示せず)が接続されている。また、排気管14には排気温度を検出する高温センサ16が設けられている。
【0020】
排気浄化触媒装置30は、吸蔵型NOx触媒30aと三元触媒30bとの2つの触媒を備えて構成されており、三元触媒30bの方が吸蔵型NOx触媒30aよりも下流側に配設されている。
吸蔵型NOx触媒30aは、酸化雰囲気においてNOxを一旦吸蔵させ、主としてCOの存在する還元雰囲気中においてNOxをN2(窒素)等に還元させる機能を持つものである。詳しくは、吸蔵型NOx触媒30aは、貴金属として白金(Pt),ロジウム(Rh)等を有した触媒として構成されており、吸蔵材としてはバリウム(Ba)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属が採用されている。
【0021】
また、吸蔵型NOx触媒30aと三元触媒30bとの間にはNOx濃度を検出するNOxセンサ32が設けられている。
さらに、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)40が設置されており、このECU40により、エンジン1を含めた本発明に係る筒内噴射型内燃機関の総合的な制御が行われる。ECU40の入力側には、上述した高温センサ16やNOxセンサ32等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。
【0022】
一方、ECU40の出力側には、点火コイルを介して上述した点火プラグ4や燃料噴射弁6等が接続されており、これら点火コイル、燃料噴射弁6等には、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量や点火時期等の最適値がそれぞれ出力される。これにより、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ4によって適正なタイミングで点火が実施される。
【0023】
実際には、ECU40では、スロットルセンサ11aからのスロットル開度情報θthとクランク角センサ13からのエンジン回転速度情報Neとに基づいてエンジン負荷に対応する目標平均有効圧Peを求めるようにされており、さらに、当該目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴射モードを設定するようにされている。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときには、燃料噴射モードは圧縮行程噴射モードとされ、燃料は圧縮行程で噴射され、一方、目標平均有効圧Peが大きくなり或いはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行程噴射モードとされ、燃料は吸気行程で噴射される。
【0024】
そして、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/F)が設定され、上記適正量の燃料噴射量は該目標A/Fに基づいて決定される。
上記高温センサ16により検出された排気温度情報からは触媒温度Tcatが推定される。詳しくは、高温センサ16を触媒に直接設置できないことに起因して発生する誤差を補正するために、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じて予め実験等により温度差マップ(図示せず)が設定されており、故に触媒温度Tcatは、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとが決まると一義に推定されるようにされている。
【0025】
以下、このように構成された本発明に係る筒内噴射型内燃機関の作用について説明する。
筒内噴射型内燃機関では、上述したように、燃料噴射を主燃焼の主噴射(圧縮行程噴射)と膨張行程における副噴射との2回の噴射に分割し、当該副噴射により供給される燃料を燃焼室内或いは排気通路内で反応させて排気昇温させることが可能とされている。
【0026】
ところが、このような分割噴射では、やはり上述したように、機関負荷が高く且つ機関回転速度が低い場合には、副噴射によって燃料が供給されても燃焼ガスが消炎し易いために燃焼し難く、副噴射による未燃燃料成分が排気昇温に寄与せず触媒活性化が図れないという問題がある。
そこで、本発明ではこのような問題を解決するように図っており、以下、本発明に係る分割噴射について説明する。
【0027】
図2を参照すると、本発明に係る分割噴射の燃料噴射信号出力タイミングが筒内圧、点火信号出力タイミングとともにタイムチャートで示されているが、同図に示すように、本実施形態では、分割噴射のうち、主噴射を圧縮行程で行い(主噴射制御手段)、膨張行程における副噴射を1st膨張行程噴射(第1副噴射)と2nd膨張行程噴射(第2副噴射)の2回に分けて行うようにしている(副噴射制御手段)。詳しくは、本発明では、1回目の副噴射である1st膨張行程噴射を膨張行程中期に行い、さらに、2回目の副噴射である2nd膨張行程噴射を排気弁の開弁後に行うようにしている。
【0028】
ここでは、これら1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射について説明する。実際には1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の各燃料噴射時期と各燃料噴射量(燃料噴射割合)との適正化によって上記問題を解決するようにしており、以下、これら1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の本発明に係る燃料噴射時期と燃料噴射割合について詳しく説明する。
【0029】
図3を参照すると、エンジン回転速度、エンジン負荷を低回転・高負荷で一定とし、且つ空気過剰率(空燃比)を一定とし、さらに1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中期(例えば、ATDC70°〜110°の任意値)とした場合の2nd膨張行程噴射の噴射時期と排気マニホールド12から排出される未燃燃料成分排出量(以下、HC排出量という)、排気温度Tex及びスモーク量との実験に基づく関係が示されており(実線)、併せて、1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程前期とした場合の実験に基づく関係(破線)及び膨張行程噴射を1回のみとした場合の(一点鎖線)の膨張行程噴射の噴射時期と上記HC排出量、排気温度Tex及びスモーク量との実験に基づく関係が示されており、以下同図に基づき1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の最適な燃料噴射時期について説明する。
【0030】
同図によれば、膨張行程噴射を1回のみとした場合(一点鎖線)には、噴射時期が膨張行程中期(例えば、ATDC70°〜110°の任意値)の狭い範囲以外では排気マニホールド12から排出されるHC排出量が極めて多くなり、故に排気温度Texも低くなっているのであるが、膨張行程噴射を2回とし、1st膨張行程噴射の噴射時期を上記膨張行程中期にするとともに2nd膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中の排気弁開弁後に設定すると、1st膨張行程噴射の液滴燃焼が抑制されてスモークが抑えられるとともに、2nd膨張行程噴射が排気弁開弁直後のブローダウンの影響を大きく受けることなく確実に1st膨張行程噴射の燃焼反応を促進させることができるために十分な排気昇温が得られることがわかる。特に2nd膨張行程噴射を排気弁の開弁後所定の噴射時期(例えば、排気弁開弁後+40°までの範囲)とすると、1st膨張行程噴射の反応を支援する反応時間が十分にとれるために確実な燃焼が行え、HC排出量が極めて少なくなることがわかる。
【0031】
また、1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程前期とした場合と比べても、1st膨張行程噴射の噴射時期を上記膨張行程中期とした場合には、全体的にHC排出量が少なく、排気温度Texが高く、発生するスモーク量が良好に減少することがわかる。
このことより、低回転・高負荷の場合にあっては、1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中期(例えば、ATDC70°〜110°)とするとともに、2nd膨張行程噴射の噴射時期を膨脹行程中の排気弁開弁後、特に排気弁の開弁後所定の噴射時期(例えば、排気弁開弁後+40°以内)に設定するのがよいといえ、このようにすれば、低回転・高負荷であっても、排気マニホールド12から排出されるHC排出量を極力少なくし且つ排気温度Texを高めることが可能となる。
【0032】
また、図4を参照すると、エンジン回転速度、エンジン負荷を低回転・高負荷で一定とし、且つ空気過剰率(空燃比)を一定とし、さらに1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中期(例えば、ATDC70°〜110°の任意値)とする一方、2nd膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程後期(例えば、排気弁開弁後+40°以内の任意値)とした場合の2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合と排気マニホールド12から排出されるHC排出量、排気温度Texとの実験に基づく関係が示されており、以下、同図に基づき1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の最適な燃料噴射割合について説明する。
【0033】
同図によれば、2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合{(2nd噴射量)/(1st噴射量+2nd噴射量)}が約70%を越えると、HC排出量が大きく増加し、これに伴って排気温度Texが減少するものの、2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合が50%より若干少ない範囲(例えば、30〜40%近傍)にあると、HC排出量が最も少なく、排気温度Texが最も多くなっていることがわかる。
【0034】
このことより、低回転・高負荷において膨張行程噴射を2回に分割する場合には、2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合を約30%〜約70%の範囲に設定するのがよく、つまり1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合を3:7〜7:3の範囲とするのがよいといえ、このようにすれば、膨張行程噴射を分割した場合において、排気マニホールド12から排出されるHC排出量を極力少なくし且つ排気温度Texを高めることが可能となる。
【0035】
故に、図5を参照すると、エンジン1のコールドスタート時(例えば、冷却水温25°でのスタート時)においてA/Tのレンジ位置がNレンジ(またはPレンジ)からDレンジへ切り換えられ、エンジン1が低回転・高負荷となったときに、1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中期とするとともに2nd膨張行程噴射の噴射時期を排気弁の開弁後とし、且つ、1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合を例えば7:3とした場合の測定結果、即ちエンジン回転速度Ne、エンジン負荷、排気マニホールド12から排出されるHC排出量、排気温度Texの各実測値の時間変化が実線で示されており、同図には併せて膨張行程噴射を膨張行程中期の1回のみとした場合の結果が一点鎖線で示されているが、このように1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の燃料噴射時期及び燃料噴射割合をそれぞれ上記適正値に設定するようにすれば、エンジン1が低回転・高負荷となった場合であっても排気マニホールド12から排出されるHC排出量を少なく抑えて排気温度Texを高く維持することが可能となるのである。これにより、低回転・高負荷の状況下において吸蔵型NOx触媒30aを速やかに活性化させることが可能となる。
【0036】
なお、ここではA/Tのレンジ位置がNレンジ(またはPレンジ)からDレンジへ切り換えられた場合を例に説明したが、本発明をエアコン作動時に適用することもできる。つまり、エアコン作動時においても、エンジン1にエアコンのコンプレッサの負荷が加わりエンジン1が低回転・高負荷となるため、上記同様の効果が得られるのである。
【0037】
また、本実施形態では、排気浄化触媒装置30として吸蔵型NOx触媒30aと三元触媒30bとを有し、さらに排気浄化触媒装置30の上流に近接三元触媒20を備えた構成としているが、本発明は、特にこの構成に限定されるものではなく、酸化雰囲気で排ガス中のNOxを浄化する選択型還元型NOx触媒のみの構成や、三元触媒のみの構成等、あらゆる構成に適用できるものである。
【0038】
また、上記実施形態では、主としてエンジン1が低温状態にある場合の触媒の早期活性化について説明したが、超リーン空燃比運転が継続して触媒温度が降下した際に触媒を昇温する場合にも適用できる。また、上記吸蔵型NOx触媒30aにはNOx以外に燃料中のS(サルファ)成分(浄化能力低下物質)、即ちSOxも吸蔵され、公知の如く、該SOxを除去(SOxパージ)する際には吸蔵型NOx触媒30aを所定の高温(例えば、650℃)にする必要があるのであるが、本発明を当該SOxパージ時の触媒昇温に適用することもできる。
【0039】
また、上記実施形態では、未燃燃料を効率良く燃焼させるようにするために、排気マニホールド12を反応型排気マニホールドとしたが、排気マニホールド12を通常の排気マニホールドとしてもよく、これによっても本発明の効果は得られる。
また、上記実施形態では、主噴射を圧縮行程噴射としているが、これをリーン空燃比運転での吸気行程噴射としても同様の効果は得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1、2の筒内噴射型内燃機関によれば、燃料を膨張行程において極めて適正なタイミングで分割して燃焼室内に供給するようにしているので、内燃機関が低回転・高負荷の場合であっても、膨張行程後の消炎を好適に防止して副噴射による未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)を良好に排気昇温に寄与させることができる。
また、請求項3の筒内噴射型内燃機関によれば、第1副噴射の噴射量と第2副噴射の噴射量の燃料噴射割合を7:3から3:7の範囲としているので、排気昇温効率をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内噴射型内燃機関を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る2段噴射の燃料噴射信号出力タイミングを示す図である。
【図3】2nd膨張行程噴射の噴射時期と排気マニホールドから排出されるHC排出量、排気温度Tex及びスモーク量との実験に基づく関係を示す図である。
【図4】2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合と排気マニホールドから排出されるHC排出量、排気温度Texとの実験に基づく関係を示す図である。
【図5】低回転・高負荷において、1st膨張行程噴射の噴射時期を膨張行程中期とするとともに2nd膨張行程噴射の噴射時期を排気弁開弁後とし、且つ、1st膨張行程噴射と2nd膨張行程噴射の燃料噴射割合を例えば7:3とした場合の測定結果を示すタイムチャートである。
【図6】反応型排気マニホールドを示す正面図である。
【図7】反応型排気マニホールドを示す側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型内燃機関)
4 点火プラグ
6 燃料噴射弁
11 スロットル弁
11a スロットルセンサ
12 排気マニホールド
13 クランク角センサ
16 高温センサ
30a 吸蔵型NOx触媒
40 電子コントロールユニット(ECU)

Claims (3)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する噴射弁と、
    吸気行程及び圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射を実行すべく前記噴射弁の作動を制御する主噴射制御手段と、
    排気昇温が要求され且つ低回転且つ高負荷となる機関運転時に未燃燃料成分を排気通路内で再燃焼するために、前記主噴射とは別に膨張行程中期において第1副噴射を行うとともに膨張行程中の排気弁開弁後に第2副噴射を実行すべく前記噴射弁の作動を制御する副噴射制御手段と、
    を備えたことを特徴とする筒内噴射型内燃機関。
  2. 前記副噴射制御手段は、前記第1副噴射を上死点後クランク角70°〜110°において行うとともに、前記第2副噴射を排気弁開弁後クランク各40°以内に実行すべく前記噴射弁の作動を制御することを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関。
  3. 前記副噴射制御手段は、第1副噴射による燃料量と第2副噴射による燃料量との比率が3:7〜7:3の範囲となるように前記噴射弁を制御することを特徴とする、請求項1または2記載の筒内噴射型内燃機関。
JP25420398A 1998-09-08 1998-09-08 筒内噴射型内燃機関 Expired - Lifetime JP3693090B2 (ja)

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CN109923321A (zh) * 2016-11-14 2019-06-21 日本精工株式会社 圆柱滚子轴承用树脂制保持架以及圆柱滚子轴承

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