JP4134395B2 - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射型内燃機関に係り、詳しくは、排気昇温を行う技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
筒内噴射型内燃機関は、吸気行程のみならず圧縮行程において燃料を直接筒内に噴射可能に構成されており、これにより、空燃比を理論空燃比(値14.7)よりも超希薄側、つまりリーン側の目標値(例えば、値24)以上の超リーン空燃比に制御し、エンジンの燃費特性等を改善することが可能とされている。
【0003】
そして、この種の筒内噴射型内燃機関においても、例えば冷態始動直後等には触媒を早期活性化させ、排ガス特性を向上させたいという要求がある。
そこで、筒内に燃料を供給するタイミングを制御できるという筒内噴射型内燃機関の特性を生かし、例えば、燃料噴射を主燃焼の主噴射(吸気行程噴射または圧縮行程噴射)と膨張行程における副噴射との2回の噴射に分割(2段噴射)し、当該副噴射により供給される燃料を筒内または排気通路内で燃焼させ、排気昇温させる技術が特開平10−122015号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の2段噴射は、主燃焼後の余剰酸素と副噴射による未燃燃料成分とを反応させているため、排気昇温効果は非常に高いが、例えば筒内噴射型内燃機関にA/T(オートマチック・トランスミッション)を連結してなる車両において、レンジ位置がP(パーキング)レンジ或いはN(ニュートラル)レンジからD(ドライブ)レンジへ切り換えられ、内燃機関にA/Tの負荷が加わり機関負荷が増大するような場合には、主噴射量が増大し、そこで消費される酸素が増えることになり、故に、副噴射で使用可能な酸素が不足し、排出される未燃燃料成分が増大するという問題を含んでいる。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排ガス特性の悪化を抑えながら排気昇温を迅速に行い、触媒の早期昇温を実現可能な筒内噴射型内燃機関を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、筒内噴射型内燃機関において、排気昇温が必要とされたとき、先ず機関負荷が第1所定値以下の場合には、全体空燃比がリーン空燃比とされて噴射弁により吸気行程または圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射が行われるとともに膨張行程において副噴射が行われていわゆる2段噴射が実施され、その後例えばA/Tのレンジ位置がPレンジ或いはNレンジからDレンジへ切り換えられる等して機関負荷が第1所定値を越え該第1所定値より大きい第2所定値以下となった場合には、全体空燃比がリッチ空燃比とされて噴射弁により吸気行程または圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射が行われるとともに膨張行程において副噴射が行われ且つ排気通路内に空気(2次エア)が供給され、機関負荷が第2所定値を越えるような場合には、全体空燃比がリッチ空燃比となるよう噴射弁により吸気行程において主噴射のみが行われるとともに排気通路内に空気(2次エア)が供給されるよう構成されている。
【0007】
従って、全体空燃比をリーン空燃比とした2段噴射による排気昇温中に機関負荷が増大した場合において、機関負荷が第1所定値から第2所定値の範囲となったときに全体空燃比をリッチ空燃比として主燃焼の主噴射を吸気行程または圧縮行程で行うとともに副噴射を膨張行程で行い且つ排気通路内に2次エアを導入するようにすると、ある程度の昇温過程を経て触媒の温度が上昇しているため、全体空燃比をリッチ空燃比としても、余剰酸素に2次エア中の多量の酸素を加えることで触媒上での反応が促進され、触媒の昇温が促進され、さらに、機関負荷が第2所定値を越えたときには全体空燃比をリッチ空燃比としながら吸気行程で主噴射のみを実施し且つ排気通路内に2次エアを導入するようにすると、いわゆる不完全燃焼物質、即ち一酸化炭素(CO)が多く生成されて排気通路に排出されることになるが、このとき当該COはある程度反応が進んで燃焼し易い状態であるために2次エア中の酸素と容易に完全燃焼に至り、排気昇温が継続され、排ガス特性の悪化もなく触媒の昇温が良好に促進される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係る筒内噴射型内燃機関の概略構成図が示されており、以下同図に基づいて本発明に係る筒内噴射型内燃機関の構成を説明する。
【0009】
機関本体(以下、単にエンジンという)1は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)を切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程噴射モード)または圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射モード)を実施可能な筒内噴射型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンとされている。そして、この筒内噴射型のエンジン1は、容易にして理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比での運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運転(リーン空燃比運転)が実現可能とされており、特に圧縮行程噴射モードでは、超リーン空燃比での運転が可能とされている。
【0010】
同図に示すように、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃焼室8内に燃料を直接噴射可能とされている。
燃料噴射弁6には、燃料パイプを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(共に図示せず)が接続されている。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の燃圧で噴射可能とされている。この際、燃料噴射量は高圧燃料ポンプの燃料吐出圧と燃料噴射弁6の開弁時間、即ち燃料噴射時間とから決定される。
【0011】
シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。そして、吸気マニホールド10の他端には電磁式のスロットル弁11が接続されており、該スロットル弁11にはスロットル開度θthを検出するスロットルセンサ11aが設けられている。
【0012】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポートと連通するようにして排気マニホールド12の一端がそれぞれ接続されている。
図中符号7はエンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサであり、該水温センサ7によりエンジン1が低温状態にあるか否かを判別可能とされている。また、符号13は、クランク角を検出するクランク角センサであり、該クランク角センサ13はエンジン回転速度Neを検出可能とされている。
【0013】
なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に公知のものであり、その構成の詳細についてはここでは説明を省略する。
また、図1に示すように、排気マニホールド12には排気管(排気通路)14が接続されており、この排気管14には排気浄化触媒装置30を介してマフラー(図示せず)が接続されている。そして、排気管14には排気中の酸素濃度を検出するO2センサ16が設けられている。
【0014】
排気浄化触媒装置30は、吸蔵型NOx触媒30aと三元触媒30bとの2つの触媒を備えて構成されており、三元触媒30bの方が吸蔵型NOx触媒30aよりも下流側に配設されている。
吸蔵型NOx触媒30aは、酸化雰囲気においてNOxを一旦吸蔵させ、主としてCOの存在する還元雰囲気中においてNOxをN2(窒素)等に還元させる機能を持つものである。詳しくは、吸蔵型NOx触媒30aは、貴金属として白金(Pt),ロジウム(Rh)等を有した触媒として構成されており、吸蔵材としてはバリウム(Ba)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属が採用されている。
【0015】
また、吸蔵型NOx触媒30aと三元触媒30bとの間には、排気温度Texを検出する高温センサ32が設けられている。
また、大気開放口26からはフィルタ27を介して2次エア管路20が延びており、その先端は排気マニホールド12内の上記排気合流部12aに臨んで開口している。該2次エア管路20にはエアポンプ22、ソレノイドバルブ24が介装されており、該エアポンプ22が作動するとともにソレノイドバルブ24が開弁することで、大気中の空気が排気マニホールド12内に2次エアとして適宜供給可能とされている。なお、図中符号28は排気マニホールド12内の排気が2次エア管路20を逆流するのを防止するチェックバルブである。
【0016】
また、エンジン1の出力軸には、エンジン回転速度Neやスロットル開度θthに応じて変速段を自動切換可能なA/T(オートマチック・トランスミッション)36が介装されており、さらに、当該A/T36のレンジ位置、即ちP(パーキング)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ等の切換操作を行うセレクトレバー38が設けられている。そして、セレクトレバー38にはレンジ位置を検出するセレクトセンサ38aが接続されている。なお、当該A/T36は公知のものであるため、その詳細については説明を省略する。
【0017】
また、符号39は運転者が加速操作するためのアクセルペダルであり、該アクセルペダル39にはアクセル開度を検出するアクセルセンサ39aが接続されている。
さらに、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)40が設置されており、このECU40により、エンジン1を含めた本発明に係る筒内噴射型内燃機関の総合的な制御が行われる。ECU40の入力側には、上述した水温センサ7、スロットルセンサ11a、クランク角センサ13、O2センサ16、高温センサ32、セレクトセンサ38a、アクセルセンサ39a等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力する。
【0018】
一方、ECU40の出力側には、点火コイルを介して上述した点火プラグ4や燃料噴射弁6、電磁式のスロットル弁11、エアポンプ22、ソレノイドバルブ24、A/T36の駆動ユニット等が接続されており、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された情報が出力される。例えば点火コイル、燃料噴射弁6等には、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃料噴射量や点火時期等の最適値がそれぞれ出力される。これにより、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラグ4によって適正なタイミングで点火が実施される。また、A/T36の駆動ユニットにはセレクトセンサ38aからの情報に応じた信号が出力され、スロットル弁11にはアクセルセンサ39aからの情報に応じた信号が出力される。
【0019】
ところで、ECU40では、スロットルセンサ11aからのスロットル開度情報θthとクランク角センサ13からのエンジン回転速度情報Neとに基づいてエンジン負荷に対応する目標筒内圧、即ち目標平均有効圧Peを求めるようにされており、さらに、当該目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じてマップ(図示せず)より燃料噴射モードを設定するようにされている。例えば、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときには、燃料噴射モードは圧縮行程噴射モードとされ、燃料は圧縮行程で噴射され、一方、目標平均有効圧Peが大きくなり或いはエンジン回転速度Neが大きくなると燃料噴射モードは吸気行程噴射モードとされ、燃料は吸気行程で噴射される。
【0020】
そして、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/F)が設定され、上記適正量の燃料噴射量は該目標A/Fに基づいて決定される。
また、O2センサ16からの検出情報は空燃比制御に使用される。なお、当該空燃比制御は一般的に知られたものであるためここでは説明を省略する。
【0021】
以下、このように構成された本発明に係る筒内噴射型内燃機関の作用、即ち本発明に係る排気昇温制御(昇温手段)を始動時に適用した場合について説明する。
図2を参照すると、ECU40の実行する本発明に係る排気昇温制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下当該フローチャートに沿って説明する。
【0022】
先ず、ステップS10では、エンジン1が始動されたか否かを検出する。ここでは、例えば、エンジン回転速度Neが所定値を越えたか否かで判別する。判別結果が偽(No)の場合には何もせず当該ルーチンを抜け、一方判別結果が真(Yes)でエンジン1が始動されたと判定された場合には、ステップS12に進む。
【0023】
ステップS12では、エンジン1の冷却水温Twが所定値T1より小さいか否かを判別する。つまり、エンジン1が低温状態にあるか否かを判別する。判別結果が偽(No)の場合には何もせず当該ルーチンを抜け、一方判別結果が真(Yes)で冷却水温Twが所定値T1よりも小さい場合、即ちエンジン1が低温状態にあり冷態始動時と判定された場合には、次にステップS14に進む。
【0024】
ステップS14では、上記目標平均有効圧Peが所定値P1より大きいか否かを判別する。通常エンジン1の始動時点では、アイドリング状態であり、目標平均有効圧Peは極めて小さく所定値P1(第1所定値)より小さいため、ここでは判別結果は偽(No)と判定され、次にステップS16に進む。
ステップS16では、全体空燃比をリーン空燃比としながら2段噴射を実施する。つまり、上述したように、燃料噴射を分割し、主燃焼の主噴射を吸気行程または圧縮行程で行い、副噴射を膨張行程(特に膨脹行程中期またはそれ以降)で行うようにする。これにより、副噴射によって噴射された燃料が未燃燃料成分(未燃HC等)として主燃焼後の余剰酸素と反応することになり、排気昇温が促進される。
【0025】
一方、ステップS14の判別結果が真(Yes)で目標平均有効圧Peが所定値P1より大きいと判定された場合には、次にステップS18に進む。
ステップS18では、今度は、目標平均有効圧Peが所定値P2(第2所定値、但し、P2>P1)よりも大きいか否かを判別する。判別結果が偽(No)、即ち目標平均有効圧Peが所定値P1より大きいものの所定値P2以下(P2≧Pe>P1)であるような場合には、次にステップS20に進む。
【0026】
ステップS20では、全体空燃比をリッチ空燃比(例えば、値12)としながら2段噴射と2次エアの導入とを実施する。つまり、目標平均有効圧Peがある程度大きくなったら、主燃焼の主噴射を吸気行程または圧縮行程で行い且つ副噴射を膨張行程で行いながら、ECU40からソレノイドバルブ24に駆動信号を供給してこれを開弁し、エアポンプ22を作動させて大気中の空気を2次エアとして排気マニホールド12に供給する。
【0027】
つまり、ある程度の昇温過程を経て触媒の温度が上昇すると、全体空燃比をリッチ空燃比としても、余剰酸素に2次エア中の多量の酸素を加えることで触媒上での反応が促進し、吸蔵型NOx触媒30aや三元触媒30bの昇温が可能となる。
一方、ステップS18の判別結果が真(Yes)、即ち、エンジン始動後にA/T36のセレクトレバー38をPレンジ或いはNレンジからDレンジへ切り換えたり、運転者がアクセルペダル39を操作する等してエンジン負荷が増大し、目標平均有効圧Peが所定値P2より大きくなったような場合には(Pe>P2)、次にステップS22に進む。
【0028】
ステップS22では、全体空燃比をリッチ空燃比(例えば、値12)としながら吸気行程噴射と2次エアの導入とを実施する。つまり、エンジン1の始動直後にエンジン負荷が増大したような場合には、2段噴射を中止して吸気行程噴射を行うようにする。
上述したように、2段噴射をそのまま継続した場合には、目標平均有効圧Peが大きくなるとエンジントルクを確保すべく主噴射の燃料噴射量を増量しなければならず、主燃焼に使用される酸素量が増加して余剰酸素が極めて少なくなり、故に副噴射による燃料が燃焼し難くなり未燃燃料成分(未燃HC等)の排出量が増大してしまう。
【0029】
しかしながら、リッチ空燃比としながら吸気行程噴射と2次エアの導入とを実施するようにすると、リッチ空燃比、即ち燃料過剰状態の下で主噴射による燃料が不完全燃焼してCOが多量に生成されることになり、当該COはある程度活性化し燃焼し易い状態にあるために、2次エアによる多量の酸素供給によって容易に完全燃焼に至ることになり、排ガス特性の悪化を抑えて排気昇温が可能となるのである。
【0030】
これにより、エンジン1の始動直後、2段噴射を行っているときにエンジン負荷が増大したような場合であっても、燃料が有効に燃焼に寄与して排気昇温が良好に継続されることになり、やはり吸蔵型NOx触媒30aや三元触媒30bの早期活性化が実現可能とされる。
なお、この際、COをより多く発生させるために点火時期をリタードさせて燃焼を緩慢にするのがよく、また、EGR(排気再循環)装置を備えている場合にあっては、リッチ空燃比を維持するために当該EGRガスの導入を中止するのがよい。
【0031】
そして、ステップS24では、触媒温度Tcatが活性温度Tcat1に達したか否かを判別する。
ここでは、上記高温センサ32からの排気温度Texに基づいて三元触媒30bの温度を推定し、当該三元触媒30bの温度を代表として触媒温度Tcatと擬制する。詳しくは、温度誤差を補正するために、目標平均有効圧Peとエンジン回転速度情報Neとに応じて予め温度差マップ(図示せず)が設定されており、触媒温度Tcatは、当該温度差マップから読み出される。
【0032】
ステップS24の判別結果が偽(No)で、触媒温度Tcatが未だ活性温度Tcat1に達していないと判定された場合には、ステップS14に戻り排気昇温が継続実施される。一方、ステップS24の判別結果が真(Yes)で、触媒温度Tcatが活性温度Tcat1に達したと判定された場合には、当該ルーチンを抜け、排気昇温制御を終了することになる。
【0033】
以上説明したように、本発明の筒内噴射型内燃機関では、エンジン1の始動直後には、先ず2段噴射を行うことで排気昇温を行い、その後目標平均有効圧Pe、即ちエンジン負荷が増大するような場合には、空燃比をリッチ空燃比とするとともに2段噴射から吸気行程噴射に切換え且つ2次エアの導入を実施するようにしている。
【0034】
従って、エンジン1の始動直後において、2段噴射によって良好に排気昇温でき、さらに、その後A/T36のセレクトレバー38がPレンジまたはNレンジからDレンジへ切り換えられたり或いは運転者がアクセルペダル39を操作する等してエンジン負荷が増大し、2段噴射のままでは副噴射による燃料を余剰酸素が少なく十分に燃焼させることが難しくなった場合であっても、ある程度活性化した状態のCOを生起させて排気マニホールド12或いは排気管14内で当該燃焼し易いCOを容易に完全燃焼に至らしめ、排ガス特性の悪化を抑えながら排気昇温を継続することができる。故に、エンジン1の始動直後において、エンジン負荷の変動に拘わらず燃料を有効に燃焼に寄与させて常に良好に排気昇温を実施することができ、吸蔵型NOx触媒30aや三元触媒30bを確実に早期活性化することができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、目標平均有効圧Peが所定値P2より大きくなったときに吸気行程噴射と2次エアの導入とを行うようにしたが、本発明の趣旨より、A/T36(無段変速機を搭載した車両にあっては当該無段変速機)のレンジ位置がPレンジ或いはNレンジからDレンジ(またはPレンジ或いはNレンジ以外のレンジ)へ切り換わったときに吸気行程噴射と2次エアの導入とを行うように構成してもよい。
【0036】
また、Dレンジであってもアイドリング時にはNレンジの場合と同様のエンジン負荷を保持するような制御(DレンジN制御)を実施可能なA/Tを搭載した車両においては、A/T内のブレーキ類(摩擦係合要素)のスリップ率を制御することでエンジン負荷を略一定に保持するようにしており、このようなDレンジN制御の可能なA/Tを備えた車両では、当該スリップ率の変化に応じて2段噴射と吸気行程噴射との切換えを行うようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、目標平均有効圧Peが所定値P1より大きく且つ所定値P2以下(P2≧Pe>P1)では、全体空燃比をリッチ空燃比としながら2段噴射と2次エアの導入とを実施するようにしたが、当該リッチ空燃比での2段噴射を実施せず、目標平均有効圧Peが所定値P2となるまでリーン空燃比での2段噴射を継続し、所定値P2を超えたところで当該リーン空燃比での2段噴射から吸気行程噴射と2次エアの導入へ切り換えるようにしてもよく、この場合であっても上記同様の効果が得られる。
【0038】
また、本実施形態では、本発明を冷態始動時に適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、本発明は、低速走行等でリーン空燃比運転が継続し、触媒温度が低下して不活性状態になり得るときや、吸蔵型NOx触媒の浄化効率が燃料中に含まれる硫黄成分(S成分)により悪化した際に該硫黄成分を触媒上から脱離するとき等、触媒温度を上昇させる必要があるときには適用できるものである。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の筒内噴射型内燃機関によれば、排気昇温が必要なときにおいて、排ガス特性の悪化を抑えながら触媒の早期昇温を好適に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内噴射型内燃機関を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る排気昇温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型内燃機関)
4 点火プラグ
6燃料噴射弁
7 水温センサ
11 スロットル弁
11a スロットルセンサ
12 排気マニホールド
13 クランク角センサ
20 2次エア管路
22 エアポンプ
30a 吸蔵型NOx触媒
30b 三元触媒
32 高温センサ
38 A/T
39 アクセルペダル
40 電子コントロールユニット(ECU)

Claims (1)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する噴射弁と、
    排気昇温が要求された場合、機関負荷が第1所定値以下のときには、全体空燃比をリーン空燃比としながら前記噴射弁により吸気行程または圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射を行うとともに膨張行程において副噴射を行い、
    その後機関負荷が前記第1所定値を越え前記第1所定値より大きい第2所定値以下となったときには、全体空燃比をリッチ空燃比としながら前記噴射弁により吸気行程または圧縮行程のいずれか一方で主燃焼のための主噴射を行うとともに膨張行程において副噴射を行い且つ排気通路内に空気を供給し、
    機関負荷が前記第2所定値を越えると、全体空燃比がリッチ空燃比となるよう前記噴射弁により吸気行程で主噴射のみを行い且つ排気通路内に空気を供給する昇温手段と、
    を備えたことを特徴とする筒内噴射型内燃機関
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