JP3693034B2 - 同軸回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コイルを有するステータと、前記ステータの半径方向外方に配置されたアウターロータと、前記ステータの半径方向内方に配置されたインナーロータと、前記ステータを固定支持するとともに前記アウターロータと前記インナーロータとを互いに同軸の所定回転軸線上に回転自在に支持するハウジングと、を具える同軸回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
かかる同軸回転電機としては従来、例えば特開2000−14103号公報にて開示された、多層モータとして構成されたものが知られており、この従来の同軸回転電機では、各々コイルを巻かれた複数のステータピースがステータボルトにより互いに一体化されてステータが構成され、そのステータをハウジングに固定するねじ部材に、ステータボルトが兼用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の同軸回転電機では、アウタロータの支持剛性を確保するためにその両端部をベアリングを介してハウジングで支持していることから、アウタロータの一端部を支持するベアリングの半径方向内側にて、ステータの一端部をハウジングに固定している。
【0004】
しかしながら、ステータの固定をステータボルトで行う上記従来の回転電機では、ステータに加わるトルク反力の腕の長さとなる、上記回転軸線とステータボルトとの間の半径方向距離が短くなるため、ステータへの大きなトルク反力を受けようとするとステータボルトを多数本設ける必要があり、このようにステータボルトを多数本設けると、ステータのコイルへの配線の組み込みスペースを確保するのが困難になるという問題があった。
【0005】
また上記のようにステータボルトを多数本設けると、上記従来の同軸回転電機のようにステータを液冷する場合には、冷却液を通す通路の確保が困難になるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を有利に解決した回転電機を提供することを目的とするものであり、この発明の同軸回転電機は、コイルを有するステータと、前記ステータの半径方向外方に配置されたアウターロータと、前記ステータの半径方向内方に配置されたインナーロータと、前記ステータを固定支持するとともに前記アウターロータと前記インナーロータとを互いに同軸の所定回転軸線上に回転自在に支持するハウジングと、を具える同軸回転電機において、前記ステータと一体的に結合したブラケットが設けられ、前記ブラケットに、前記ハウジングのステータ支持孔を貫通する雄ねじ部材が設けられ、その雄ねじ部材に締着されてその雄ねじ部材を前記ハウジングに固定するリング状の雌ねじ部材が、前記雄ねじ部材および前記回転軸線と同軸に設けられ、前記ハウジングに設けられて前記アウターロータの一端部を回転自在に支持するベアリングと前記ステータ支持孔との間の前記ハウジングの部分に通路が設けられるとともに、前記ハウジングのステータ支持孔の内周面と前記雄ねじ部材の外周面とがスプライン嵌合して、前記ステータと前記ハウジングとの円周方向相対位置を決定し、前記雌ねじ部材が締め上げられて、前記ステータと前記ハウジングとの軸線方向相対位置を決定していることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
かかる同軸回転電機にあっては、ハウジングへのステータの固定をステータボルトで行わず、ハウジングがアウターロータとインナーロータとを互いに同軸の所定回転軸線上に回転自在に支持するとともに、ステータと一体的に結合したブラケットが設けられ、上記回転軸線と同軸に、そのブラケットに設けられてハウジングのステータ支持孔を貫通する雄ねじ部材と、その雄ねじ部材に締着されてその雄ねじ部材をハウジングに固定するリング状の雌ねじ部材とが設けられていることから、その雄ねじ部材がリング状の雌ねじ部材によって強固に固定され、ステータ支持孔の周囲の比較的狭い範囲でステータへの大きなトルク反力を受けることができるので、ハウジングに設けられてアウターロータの一端部を回転自在に支持するベアリングとステータ支持孔との間のハウジングの部分の多くが空きスペースとなり、その広い空きスペースに通路が設けられている。
【0008】
従って、この発明の同軸回転電機によれば、ステータのコイルへの配線をその通路に組み込み得て、配線の組み込みスペースを容易に確保することができ、ひいては配線の組み込み作業を容易且つ確実ならしめることができる。またその通路を冷却液の通路にも使い得て、ステータを液冷する場合に冷却液を通す通路も容易に確保することができる。
【0009】
さらに、この発明の同軸回転電機によれば、前記ハウジングのステータ支持孔の内周面と前記雄ねじ部材の外周面とスプライン嵌合して、前記ステータと前記ハウジングとの円周方向相対位置を決定し、前記雌ねじ部材が締め上げられて、前記ステータと前記ハウジングとの軸線方向相対位置を決定していることから、主としてハウジングのステータ支持孔の内周面と雄ねじ部材の外周面とのスプライン嵌合でステータへの大きなトルク反力を受けることができるので、リング状の雌ねじ部材をより小さなものとし得て、ハウジングに設けられてアウターロータの一端部を回転自在に支持するベアリングとステータ支持孔との間のハウジングの部分のより多くが空きスペースとなり、これにより、通路をより広く確保することができる。
【0010】
なお、この発明においては、前記雄ねじ部材が中空であり、その雄ねじ部材の内部に、前記アウターロータに駆動結合された伝動軸と前記インナーロータに駆動結合された伝動軸との少なくとも一方が貫通していても良く、このようにすれば、アウターロータとインナーロータとの少なくとも一方とステータ外の回転部材との間の伝動を容易に行うことができるので、それらのロータの回転検出センサの配置スペースの確保や、それらのロータと変速機等との駆動結合を容易に行うことができる。
【0011】
さらに、この発明においては、前記雄ねじ部材の内部に、前記アウターロータに駆動結合された伝動軸と前記インナーロータに駆動結合された伝動軸との少なくとも一方を回転自在に支持するベアリングが設けられていても良く、このようにすれば、アウターロータとインナーロータとの少なくとも一方の支持のためのベアリングの配置スペースを容易に確保することができ、ハウジングを軸線方向にコンパクトに構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、この発明の同軸回転電機の一実施形態としての複合電流多層モータを示し、このモータは、一個の円環状のステータ1と、その半径方向内方および外方にそれぞれ互いに同軸の所定回転軸線C上にて回転自在に配置したインナーロータ2およびアウターロータ3とよりなる三重構造とし、これらをハウジング4内に収納して構成する。図2は、上記実施形態の多層モータをコイル通電用コネクタを省略して示す正面図、図3は、上記実施形態の多層モータのステータを支持するブラケットおよびそこに突設した中心中空軸部を示す正面図、図4は、上記実施形態の多層モータのステータを上記回転軸線Cと直交する断面で示す断面図である。
【0013】
ここにおけるインナーロータ2およびアウターロータ3はそれぞれ、電磁鋼板などをプレス成形して造った板材のロータ軸線方向への積層になる積層コア24,25を具え、これら積層コア24,25に、ロータ軸線方向に貫通する永久磁石を円周方向等間隔に配置して設けた構成となす。
【0014】
そしてハウジング4内へのインナーロータ2およびアウターロータ3の収納に当たっては、アウターロータ3は、積層コア25の外周にトルク伝達シェル5を駆動結合して具え、該トルク伝達シェル5の両端をそれぞれベアリング7,8によりハウジング4に回転自在に支持し、トルク伝達シェル5をベアリング7の側でアウターロータシャフト9に結合する。
【0015】
インナーロータ2は積層コア24の中心に、内部に上記アウターロータシャフト9を回転自在に貫通した中空のインナーロータシャフト10を貫通して具え、これらインナーロータ2の積層コア24およびインナーロータシャフト10間を駆動結合する。そしてインナーロータシャフト10の中間部をベアリング12により、固定のステータブラケット13内に回転自在に支持し、一端部(図1では左端部)をベアリング14によりトルク伝達シェル5の対応端壁に回転自在に支持する。
【0016】
ステータ1は、図4に示す如く、電磁鋼板をプレス成形して造ったI字状のステータ鋼板をステータ軸線方向に積層してなる多数のステータピース16を具える。個々のステータピース16には、アウターロータ側ヨークおよびインナーロータ側ヨーク間におけるティースの箇所において図1および図4に示す如く電磁コイル17を巻線し、これらコイル巻線済のステータピースを図4に示すように同一円周方向等間隔に、つまり円形に配列してステータコアとなし、このステータコアをステータ軸線方向両側のブラケット13,18間にステータボルトとしてのボルト19で挟持すると共に全体的に樹脂20でモールドすることにより一体化してステータ1を構成する。なお、樹脂20内には隣り合うステータピース16間において冷却液通路41を軸線方向に形成し、上記したボルト19はその冷却液通路41の半径方向内方および外方にそれぞれ位置させる。ここで、各ボルト19はそれに螺合したナット19aによって締め上げられる。このボルト・ナットによる締め上げ構造をリベットピンによる締め上げ構造としても良いことはいうまでもない。
【0017】
かかるステータ1は、アウターロータシャフト9と結合したトルク伝達シェル5の端部が存在する端部側をハウジング4に直接支持することができないため、以下の構造により片持ち梁型式に支持する。つまりこの実施形態では図1に明示するように、ステータ1と一体的に結合したブラケット13の、ステータ1から遠い側に雄ねじ部材としての中心中空軸部21を突設し、この中心中空軸部21をハウジング4の対応端壁(図1では右端壁)のステータ支持孔4aに貫通してリング状の雌ねじ部材としてのナット22で、二個のベアリング45とその間のシムリング46とを介して締め上げることにより、ステータ1を軸線方向に位置決めしてハウジング4に片持ち梁型式に支持する。この時、ブラケット13とハウジング4との間における円周方向相対位置は、ステータ支持孔4aの内周面に形成したスプラインと中心中空軸部21の外周面に形成したスプラインとの嵌合(スプライン結合)により決定する。
【0018】
ブラケット13の中心中空軸部21の内部にはアウターロータシャフト9とインナーロータシャフト10とを同軸に貫通する。そして、中心中空軸部21の先端から突出したインナーロータシャフト10の先端部とそこからさらに突出したアウターロータシャフト9の先端部とに上記ラビニョオ型遊星歯車列の二つのサンギヤS1,S2をそれぞれスプライン結合するとともに、そのアウターロータシャフト9の先端部を、当該変速機の図示しないエンジン側入力軸の中心孔で回転自在に支持する。さらに、上記ラビニョオ型遊星歯車列の図示しないキャリヤに駆動結合するとともにアイドルギヤAGと噛合したドライブギヤDGを、何れもテーパーローラーベアリングであって互いに逆向きとされた上記二個のベアリング44,45で回転自在に支持し、それら二個のベアリング45には、シムリング46の厚さの選択とナット22での締め上げにより適度のプリロードを付与する。
【0019】
これによりこのハイブリッド変速機は、図示しないエンジンとこのモータとから入力される駆動回転をラビニョオ型遊星歯車列で適宜組み合わせて変速し、ドライブギヤDGおよびアイドルギヤAGと図示しないデファレンシャルギヤとを介して車両の駆動輪に出力することができる。
【0020】
なお、このモータの駆動に当たっては、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転位置、つまりこれらに上記のごとく設けられる永久磁石の位置に応じた両ロータ2,3用の駆動電流を複合して得られる複合電流をステータ1の電磁コイル17に供給し、これにより両ロータ2,3用の回転磁界をステータに個別に発生させることで、回転磁界に同期してロータ2,3を個別に回転駆動させることができる。
【0021】
そしてこのモータにあっては、ハウジング4の一端部(図1では左端部)に設けられた回転センサ47がアウターロータシャフト9ひいてはアウターロータ3の回転位置を検出する一方、ブラケット13の内部に設けられた回転センサ48がインナーロータシャフト10ひいてはインナーロータ2の回転位置を検出し、それらの検出結果は、上記複合電流によるこのモータの回転制御のために用いることができる。
【0022】
かかる実施形態のモータにあっては、ハウジング4へのステータ1の固定をボルト19で行わず、ハウジング4がアウターロータ3とインナーロータ2とを互いに同軸の所定回転軸線C上に回転自在に支持するとともに、その回転軸線Cと同軸に、ステータ1と一体的に結合するとともにハウジング4のステータ支持孔4aを貫通する中心中空軸部21と、その中心中空軸部21に締着されてその中心中空軸部21をハウジング4に固定するナット22とが設けられている。
【0023】
このことから上記中心中空軸部21ひいてはステータ1はリング状のナット22によってハウジング4に強固に固定され、ハウジング4はステータ支持孔4aの周囲の比較的狭い範囲でステータ1への大きなトルク反力を支持することができるので、ハウジング4に設けられてアウターロータ3の一端部を回転自在に支持するベアリング8とその内側のステータ支持孔4aとの間のハウジング4の部分の多くが空きスペースとなり、その広い空きスペースに図2に示す如く、コイル17への通電のためのボルト止めの電極40(図1参照)を通す通路4bと、ステータ1内のステータピース間の樹脂20に形成した冷却液ジャケット41に冷却液を通すと共にそこから冷却液を戻す通路4cとが設けられている。なお、図中符号40aは、ブラケット13に設けられて電極40をボルト止めされ、その電極40とコイル17とを電気的に接続する内部電極、13aは、ブラケット13に設けられて通路4cと冷却液ジャケット41とを連通させる接続通路、49は、ハウジング4へのブラケット13の固定をより強固にする補助ボルトをそれぞれ示す。
【0024】
従ってこの実施形態のモータによれば、ステータ1のコイル17への配線のための電極40を通す通路4bのスペースを容易に確保し得て、その通路を充分広くすることができ、これにより電極40の組み込み作業を容易且つ確実ならしめることができる。そして、ステータ1を液冷する冷却液を通す通路4cのスペースも容易に確保し得て、その通路4cも充分広くすることができる。
【0025】
また、この実施形態のモータによれば、中心中空軸部21の内部にアウターロータシャフト9およびインナーロータシャフト10が同軸に貫通していて、それらアウターロータシャフト9およびインナーロータシャフト10が、ラビニョオ型遊星歯車列の二個のサンギヤS1,S2にそれぞれ駆動結合されることから、アウターロータ3およびインナーロータ2とステータ1外の回転部材である二個のサンギヤS1,S2との間の伝動を容易に行い得るので、ハイブリッド変速機への当該モータの適用を容易に行うことができる。
【0026】
さらにこの実施形態のモータによれば、中空の雄ねじ部材としての中心中空軸部21の内部に、インナーロータ2に駆動結合されたインナーロータシャフト10を回転自在に支持するベアリング12が設けられていることから、インナーロータ2の支持のためのベアリング12の配置スペースを容易に確保し得て、ハウジング4を軸線方向にコンパクトに構成することができる。
【0027】
図5および図6は、この発明の同軸回転電機の他の一実施形態としての複合電流多層モータを示す。このモータも、一個の円環状のステータ1と、その半径方向内方および外方にそれぞれ互いに同軸の所定回転軸線C上にて回転自在に配置したインナーロータ2およびアウターロータ3とよりなる三重構造とし、これらをハウジング4内に収納して構成する。
【0028】
この収納に当たっては、アウターロータ3は、後述する積層コア25の外周にトルク伝達シェル5を図6のキー6により駆動結合して具え、該トルク伝達シェル5の両端をそれぞれ図5に示す如くベアリング7,8によりハウジング4に回転自在に支持し、トルク伝達シェル5をベアリング8の側で中空のアウターロータシャフト9に結合する。
【0029】
インナーロータ2は、後述する積層コア24の中心にインナーロータシャフト10を貫通して具え、これらインナーロータ2の積層コア24およびインナーロータシャフト10間をキー11により駆動結合する。そしてインナーロータシャフト10の一端をベアリング12により、固定のステータブラケット13内に回転自在に支持し、また他端をベアリング14によりトルク伝達シェル5の対応端壁に回転自在に支持する。
【0030】
ステータ1は、図6に示す如き、電磁鋼板をプレス成形して造ったI字状のステータ鋼板15をステータ軸線方向に積層してなる多数のステータピース16を具える。個々のステータピース16には、アウターロータ側ヨーク15aおよびインナーロータ側ヨーク15b間におけるティース15cの箇所において電磁コイル17を巻線し、これらコイル巻線済のステータピース16を同一円周方向等間隔に、つまり円形に配列してステータコアとなし、このステータコアをステータ軸線方向両側のブラケット13,18(図5参照)間にステータボルトとしてのボルト19で挟持すると共に全体的に樹脂20でモールドすることにより一体化してステータ1を構成する。なお、上記したボルト19は図6に示すごとく、隣り合うステータピース16間において位置させる。
【0031】
かかるステータ1は、アウターロータシャフト9が存在する端部側をハウジング4に直接支持することができないため、以下の構造により片持ち梁型式に支持する。つまり図5に明示するように、ステータ1と一体的に結合したブラケット13の、ステータ1から遠い側に、雄ねじ部材としての中心中空軸部21を突設し、この中心中空軸部21をハウジング4の対応端壁(図5では左端壁)のステータ支持孔4aに貫通してリング状の雌ねじ部材としてのナット22で締め上げることにより、ステータ1を軸線方向に位置決めしてハウジング4に片持ち梁型式に支持する。この時、ブラケット13とハウジング4との間における円周方向相対位置は、これらに挿置した位置決めピン23により決定する。
【0032】
なお、ここにおけるインナーロータ2およびアウターロータ3はそれぞれ、電磁鋼板などをプレス成形して造った板材のロータ軸線方向への積層になる積層コア24,25を具え、これら積層コア24,25に、ロータ軸線方向に貫通する永久磁石26,27を円周方向等間隔に配置して設けた構成となす。
【0033】
また、ピン23(図5参照)により上記のごとくハウジング4に対し円周方向に位置決めされるステータ1のブラケット13(従ってブラケット18)に対し各ステータピース16を円周方向に位置決めするため、ブラケット13,18および各ステータピース16にそれぞれ、ステータ軸線方向へ延在して相互に整列する2組の整列孔31〜35、つまりブラケット13の孔31およびステータピース16の貫通孔34よりなる第1組の整列孔と、ブラケット13の孔32およびステータピース16の貫通孔35並びにブラケット18の孔33よりなる第2組の整列孔とを設ける。
【0034】
ここで整列孔31〜35は、ブラケット13,18に対し各ステータピース16が所定の円周方向位置となった時に整列するよう配置し、この整列時に向かい合う孔の開口端内に位置決めピン36〜38を挿置してブラケット13,18に対する各ステータピース16の位置決めを個々に行う。
【0035】
このモータの駆動に当たっても、インナーロータ2およびアウターロータ3の回転位置、つまりこれらに上記のごとく設けられる永久磁石の位置に応じた両ロータ2,3用の駆動電流を複合して得られる複合電流をステータ1の電磁コイル17に供給し、これにより両ロータ2,3用の回転磁界をステータに個別に発生させることで、回転磁界に同期してロータ2,3を個別に回転駆動させることができる。
【0036】
そしてこのモータにあっては、中空の雄ねじ部材としての中心中空軸部21の内部に、インナーロータ2に駆動結合されたインナーロータシャフト10が貫通していて、そのインナーロータシャフト10が、ハウジング4の一端部(図5では左端部)の外面に固定された回転検出センサとしてのロータリーエンコーダ42の回転軸に駆動結合され、このロータリーエンコーダ42がインナーロータ2の回転位置を検出する。なお、図中符号43は、ステータ1とハウジング4との間に嵌挿されてステータ1をハウジング4に支持するステータホルダを示す。
【0037】
かかる実施形態のモータにあっては、ハウジング4へのステータ1の固定をボルト19で行わず、ハウジング4がアウターロータ3とインナーロータ2とを互いに同軸の所定回転軸線C上に回転自在に支持するとともに、その回転軸線Cと同軸に、ステータ1と一体的に結合するとともにハウジング4のステータ支持孔4aを貫通する中心中空軸部21と、その中心中空軸部21に締着されてその中心中空軸部21をハウジング4に固定するナット22とが設けられている。
【0038】
このことから上記中心中空軸部21ひいてはステータ1はリング状のナット22によってハウジング4に強固に固定され、ハウジング4はステータ支持孔4aの周囲の比較的狭い範囲でステータ1への大きなトルク反力を支持することができるので、ハウジング4に設けられてアウターロータ3の一端部を回転自在に支持するベアリング7とステータ支持孔4aとの間のハウジング4の部分の多くが空きスペースとなり、その広い空きスペースに、コイル17への配線のための電極40を通す通路4bと、ステータ1内のステータピース16間の樹脂20に形成した冷却液ジャケット41(図6では図示せず)に冷却液を通すと共にそこから冷却液を戻す通路4cとが設けられている。
【0039】
従ってこの実施形態のモータによれば、ステータ1のコイル17への配線のための電極40を通す通路4bおよびステータ1を液冷する冷却液を通す通路4cのスペースを容易に確保し得て、それらの通路を充分広くすることができる。
【0040】
また、この実施形態のモータによれば、中心中空軸部21の内部にインナーロータシャフト10が貫通していて、そのインナーロータシャフト10が、ハウジング4の外面に固定されたロータリーエンコーダ42の回転軸に駆動結合されることから、インナーロータ2とステータ1外の回転部材であるロータリーエンコーダ42の回転軸との間の伝動を容易に行い得るので、ロータリーエンコーダ42の配置スペースを容易に確保することができる。
【0041】
さらにこの実施形態のモータによれば、中空の雄ねじ部材としての中心中空軸部21の内部に、インナーロータ2に駆動結合されたインナーロータシャフト10を回転自在に支持するベアリング12が設けられていることから、インナーロータ2の支持のためのベアリング12の配置スペースを容易に確保し得て、ハウジング4を軸線方向にコンパクトに構成することができる。
【0042】
図7はこの発明の他の実施形態を示し、この実施形態においては、ステータホルダ43とハウジング4との間に、μ(摩擦係数)の高い材質の高μシート44を介挿し、さらに、そのステータホルダ43の内周面にスプライン43aを形成すると共に中心中空軸部21の外周面にもスプライン21aを形成して、それらステータホルダ43と中心中空軸部21ひいてはステータ1とをスプライン結合する。他の点は先の実施形態と同様である。
【0043】
この実施形態によれば、高μシート44がステータホルダ43とハウジング4との間の滑りを防止し、ステータホルダ43と中心中空軸部21とのスプライン結合がステータホルダ43とステータ1とを強固に結合するので、ステータ1へのより高い反力トルクをハウジング4で支持することができる。
【0044】
図8はこの発明のさらに他の実施形態を示し、この実施形態においては、ハウジング4のステータ支持孔4aの内周面にスプライン4dを形成すると共に中心中空軸部21の外周面にもスプライン21aを形成して、それらハウジング4と中心中空軸部21ひいてはステータ1とをスプライン結合する。他の点は最初の実施形態と同様である。
【0045】
この実施形態によれば、ハウジング4と中心中空軸部21とのスプライン結合がハウジング4とステータ1とを直接強固に結合するので、ステータ1へのより高い反力トルクをハウジング4で支持することができる。
【0046】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発明の回転電機は、インナーロータ側とアウターロータ側との少なくとも一方を発電機として機能させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、この発明の同軸回転電機の一実施形態としての複合電流多層モータを示す縦断側面図である。
【図2】 上記実施形態の多層モータをコイル通電用コネクタを省略して示す正面図である。
【図3】 上記実施形態の多層モータのステータを支持するブラケットおよびそこに突設した中心中空軸部を示す正面図である。
【図4】 上記実施形態の多層モータのステータを回転軸線Cと直交する断面で示す断面図である。
【図5】 この発明の同軸回転電機の他の一実施形態としての複合電流多層モータを示す縦断側面図である。
【図6】 同複合電流多層モータをステータを軸線方向に見て示す縦断正面図である。
【図7】 この発明のさらに他の一実施形態としての多層モータを示す、図1と同様な縦断側面図である。
【図8】 この発明のさらに他の一実施形態としての多層モータを示す、図1と同様な縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 インナーロータ
3 アウターロータ
4 ハウジング
4a ステータ支持孔
4b 通路
4c 通路
4d スプライン
5 トルク伝達シェル
6 キー
7 ベアリング
8 ベアリング
9 アウターロータシャフト
10 インナーロータシャフト
11 キー
12 ベアリング
13 ブラケット
13a 接続通路
14 ベアリング
15 ステータ鋼板
16 ステータピース
17 電磁コイル
18 ブラケット
19 ボルト
20 モールド樹脂
21 中心中空軸部
21a スプライン
22 ナット
23 位置決めピン
24 積層コア
25 積層コア
26 永久磁石
27 永久磁石
31 整列孔
32 整列孔
33 整列孔
34 整列孔
35 整列孔
35a 整列孔
35b 整列孔
36 位置決めピン
37 位置決めピン
38 位置決めピン
40 電極
40a 内部電極
41 冷却液ジャケット
42 ロータリーエンコーダ
43 ステータホルダ
43a スプライン
44 高μシート
45 ベアリング
46 シムリング
47 回転センサ
48 回転センサ
49 補助ボルト
C 回転軸線
AG アイドルギヤ
DG ドライブギヤ
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ

Claims (3)

  1. コイルを有するステータと、
    前記ステータの半径方向外方に配置されたアウターロータと、
    前記ステータの半径方向内方に配置されたインナーロータと、
    前記ステータを固定支持するとともに前記アウターロータと前記インナーロータとを互いに同軸の所定回転軸線上に回転自在に支持するハウジングと、
    を具える同軸回転電機において、
    前記ステータと一体的に結合したブラケットが設けられ、
    前記ブラケットに、前記ハウジングのステータ支持孔を貫通する雄ねじ部材が設けられ、
    その雄ねじ部材に締着されてその雄ねじ部材を前記ハウジングに固定するリング状の雌ねじ部材が、前記雄ねじ部材および前記回転軸線と同軸に設けられ、
    前記ハウジングに設けられて前記アウターロータの一端部を回転自在に支持するベアリングと前記ステータ支持孔との間の前記ハウジングの部分に通路が設けられるとともに、
    前記ハウジングのステータ支持孔の内周面と前記雄ねじ部材の外周面とがスプライン嵌合して、前記ステータと前記ハウジングとの円周方向相対位置を決定し、
    前記雌ねじ部材が締め上げられて、前記ステータと前記ハウジングとの軸線方向相対位置を決定していることを特徴とする、同軸回転電機。
  2. 前記雄ねじ部材は中空であり、その雄ねじ部材の内部には、前記アウターロータに駆動結合された伝動軸と前記インナーロータに駆動結合された伝動軸との少なくとも一方が貫通していることを特徴とする、請求項1記載の同軸回転電機。
  3. 前記雄ねじ部材の内部には、前記アウターロータに駆動結合された伝動軸と前記インナーロータに駆動結合された伝動軸との少なくとも一方を回転自在に支持するベアリングが設けられていることを特徴とする、請求項記載の同軸回転電機。
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