JP3692281B2 - 高周波トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアの放熱性が良いので巻線の焼損事故が少ない高周波トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波トランスは、一般に、発生周波数が約1kHzから約60GHzまでのように広範囲であり、種々の構造のものが存在する。このため、高周波トランスで用いる巻線には、耐熱性のフッ素樹脂で絶縁被覆した線材、通常のエナメル線材または幅広の帯状導体、エナメル線を数十本から数百本束ねたリッツ線、または数kW以上の大電力用としては水冷式の金属パイプなどが知られ、用途に応じて適宜に選択することを要する。
【0003】
例えば、高周波誘導加熱装置用として、コアの中足と一致させて数回巻き付けた板状導体によって二次巻線を形成し、この板状導体をそのまま一次巻線のボビンとする高周波トランスが存在する。この高周波トランスでは、一次巻線を板状導体の外周面に巻き付け、その一次巻線と平行に冷却パイプをロウ付けで固定する。この高周波トランスは、二次巻線の板状導体に高電流が流れて発熱しやすく、この発熱を冷却パイプに水を流すだけで抑えることが難しく、出力パワーを抑制することで汎用性が低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、プラズマ用RF電源に用いる高周波トランスは、出力が1kW前後にすぎなくてもやはり発熱しやすく、巻線の温度が200℃前後になり、一時的に300℃近辺まで達する。この高周波トランスでは、一般に、巻線にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で絶縁被覆した線材を用いている。このPFTEは、−90〜260℃の広範な温度範囲にわたって連続使用が可能であるけれども、高温の環境が続くと結晶性を失い、機械強度が徐々に低下してくる。
【0005】
この高周波トランスにおいて、被覆材のPFTEが長期間の高温環境での使用によって熱損傷されると、巻線である金属線同士が直接接触して焼損事故が発生する。このため、冷却ファンを用いて高周波トランスを空冷することが行われている。しかしながら、ファンからの送風は、コアに直接吹き付けても冷却効果が小さく、被覆材のPFTEが200℃前後の高温環境において熱損傷されることを阻止できない。送風による冷却効果を高めるには、トランスの小型化に反して巻線を板状導体にし、その板状導体の面積を大きくすることを要するため、コストアップにつながってしまう。
【0006】
本発明は、高周波トランスに関する従来の問題点を改善するために提案されたものであり、放熱性が良好で巻線が焼損することが少なく、耐久性の優れた高周波トランスを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、ノイズが少ない小型の高周波トランスを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る乾式の高周波トランスは、内鉄型または外鉄型のフェライトコアと、各コアに巻き付ける一次側および二次側導体である巻線と、外面側に多数本のフィンを分散立設したヒートシンク材とを備える。この高周波トランスでは、両導体を巻き付けたコアの少なくとも一方の側面にヒートシンク材の下面を密に貼り付け、冷却ファンからの送風をヒートシンク材のフィン間を通過させて両導体を空冷する。好ましくは、磁心であるフェライトを水平に設置し、一次側および二次側導体である巻線を巻き付けたコアの三方の側面にヒートシンク材の下面を密に接着する。
【0008】
本発明において、ヒートシンク材とは、一般にアルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属からなり、送風による冷却効果を高めるように外周側に多数本のフィンを立設した冷却用部品を意味する。ヒートシンク材は、アルミニウム板や銅板を冷間鍛造によって一体的に成形しても、薄い金属シートを所望の形状まで折り曲げたり溶接によって形成してもよい。各フィンは、一般に下壁部に対してほぼ垂直方向に立設させ、冷風との接触面積を高めるために、送風方向に対して平行に並列させると好ましい。
【0009】
本発明の高周波トランスは、一般に、発生周波数が300kHzから60MHzである。例えば、発生周波数約20MHz以上のような比較的高い周波数を対象とする際には、内鉄型または外鉄型のフェライトコアと、各コアに巻き付ける一次側および二次側導体である巻線と、両導体と間接または直接的に接触するペルチェ素子と、外面側に多数本のフィンを分散立設したヒートシンク材とを備える。この高周波トランスでは、両導体を巻き付けたコアの少なくとも一方の側面にペルチェ素子を介してヒートシンク材の下面を密に貼り付け、冷却ファンからの送風をヒートシンク材のフィン間を通過させて両導体を空冷する。
【0010】
ペルチェ素子とは、直流電流を流すことによって両面に温度差を作り出すセラミックス材であり、それ自体に冷却能力はない。ペルチェ素子は、一方の面が冷却され、他方の面が加熱されることにより、一般に小型の冷蔵庫やCPUの冷却に使われている。ペルチェ素子は、電気のみで冷却できるうえに、冷却面がマイナス数十度にも達する。
【0011】
本発明の高周波トランスは、外鉄型のフェライトコアと、該コアに巻き付ける一次側および二次側導体である巻線とを備え、コアの外面側に多数本のフィンを直接立設してもよい。この場合に、冷却ファンからの送風は、コア外面側のフィン間を通過させて両導体を空冷する。各フィンは、コアを刻設して該コアと一体に形成しても、コアと別個のフィン用材をコア表面に溶接、ネジ止め、嵌め込み、接着などで取り付けてもよい。
【0012】
本発明の高周波トランスは、内鉄型のフェライトコアを用いてもよく、一次側および二次側導体を巻き付けたコアの外周にヒートシンク材を嵌合して貼り付け、冷却ファンからの送風をヒートシンク材のフィン間を通過させて両導体を空冷する。この構成の高周波トランスでは、両導体を巻き付けたコアの外周にペルチェ素子を介してヒートシンク材を嵌合して貼り付け、冷却ファンからの送風をヒートシンク材のフィン間を通過させて両導体を効果的に冷却することも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る乾式の高周波トランス1は、図1に例示するように、フェライトコア2と、各コアに巻き付ける一次側および二次側導体である巻線5,5’(図4)と、外面側に多数本のフィンを分散立設したヒートシンク材7とを備える。フェライトコアは、内鉄型または外鉄型のいずれでもよく、外鉄型として図1または図3のような並列形状、図7のようなメガネコアなど、内鉄型として図10のような環状コアのいずれでもよい。本発明の高周波トランスについて、図7のようにコア自体の外面側に多数本のフィンを直接立設することも可能である。
【0014】
フェライトコア2には、一次側および二次側導体である各巻線5,5’として、通常、耐熱性のフッ素樹脂で絶縁被覆した線材を巻き付ける。フッ素樹脂としてはPTFE、PFEP、PFTEE、PVF、PVdFなどであればよい。この巻線は、例えば、通常のエナメル線材またはエナメル線を数十本から数百本束ねたリッツ線なども使用可能である。本発明において、図3,図4,図7、図9,図10で巻線を示しているが、これらはいずれも概略で一部のみを示し、正確な比率で図示したものではない。
【0015】
ヒートシンク材7は、図1のように全体を一体的に成形しても、複数のパーツを組み合わせて構成してもよい。このヒートシンク材は、フェライトコアの複数の側面に密接させる場合、複数のパーツから構成する場合があり、各パーツはアリ溝や接着剤などで組み立てても、ボルト・ナットで全体を締着して組み立てもよい。
【0016】
ヒートシンク材7は、フェライトコアの少なくとも一方の側面にヒートシンク材の下面を密に貼り付け、例えば、図1のようにフェライトコア2の三方の側面を取り囲んでも、図9のようにフェライトコアの一側面だけに密に接触させてもよい。このヒートシンク材は、フェライトコアの四側面を取り囲んでもよく、例えば、図10ではコアの外周面を取り囲んでいる。
【0017】
フィン8の形状は、一般に、図1に示すように細長い矩形状の正面形状を有し、長手方向に連続して平行に延びている。これらのフィンは、図5に示すように断続的に形成することも可能である。図5に示すフィン17は、それぞれが水平断面において中央部が多少膨らんだ翼状である。また、これらのフィンは、多数本の垂直棒状体が等間隔に並んだ平行列からなり、各列をそれぞれずらしながら配置してもよい。
【0018】
ヒートシンク材7は、図1に示すようにコア2,2と嵌合密接させ、両者の隙間にシリコン樹脂製のシーラント15を充填させてコア2,2に固定する。シーラント15には、熱伝導性を上げるために炭素や金属粉末を混入してもよい。ヒートシンク材7とコア2,2とは、熱導電性の両面テープ(図示しない)によって固着してもよく、該両面テープはグラファイトや金属箔を基材とする。図示しないけれども、取付金具によってヒートシンク材7をコア2,2に密着固定し、両者の接触間に炭素や金属粉末を混入したシリコングリスを塗布してもよい。
【0019】
図9に示すペルチェ素子44は、直方体形のフェライトコアの上に密に載置し、例えば、シリコン樹脂のシーラントを塗布してフェライトコアと密に接着する。ペルチェ素子44には直流電流を流し、図9のようにフェライトコアの一側面に介在させるだけならば、その側面よりも多少大きめであると好ましい。このペルチェ素子は、一般に図9のように平坦であり、二側面以上に介在させるにはそれぞれ別個に取り付け、環状に介在させるならば適当に分割して配置すればよい。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図1および図2に本発明に係る高周波トランス1を例示する。
【0021】
高周波トランス1は、図3に示すように並列配置の円筒形のフェライトコア2,2からなり、各コアに挿入する金属筒3によって金属プレート4,4と連結し、全体として角環状平面を構成する。金属筒3および金属プレート4は、通常、銅または真鍮製である。
【0022】
一次側および二次側導体である巻線5,5’は、図3および図4に示すように、フェライトコア2に挿入した金属筒3,3に交互に通してほぼ水平に巻き付け、交互または同心配列にする。これらの巻線5,5’は、耐熱性のPTFEで絶縁被覆した線材であり、各巻線の巻数は発生周波数300kHzで数十回程度である。
【0023】
ヒートシンク材7(図1)は、冷間鍛造によって外面側に多数本のフィン8を一体的に立設したアルミニウム材であり、フィン8を形成することで空気との接触表面積が非常に大きい。ヒートシンク材7は、図1のように正面から見ると、ほぼ四角形平面を有する。ヒートシンク材7は、フェライトコア2,2の三方の側面を被うような構造であり、図2に示すように各フィン8は長手方向に平行に延び、フェライトコア2,2とほぼ同じ長さである。
【0024】
フィン8は、いずれも細長い矩形状の正面形状を有し、水平面に設けた垂直フィン10と、両側面に設けた水平フィン12,12とからなる。垂直フィン10は、水平フィン12よりも長く、コア2の直径よりも僅かに短い程度の長さであるが、各フィン間はフィン幅の2倍程度の間隔を有する。一方、水平フィン12は、垂直フィン10の半分以下の長さであるけれども、各フィンはフィン幅程度の狭い間隔で並んでいる。
【0025】
このヒートシンク材のフィンは、図2では長手方向に連続して延びているが、図5に示すように断続的に形成することも可能である。図5に示すフィン17は、水平断面において中央部が多少膨らんだ翼状であり、翼状断面によって各フィンに当たる風がスムースに流れるようになる。
【0026】
ヒートシンク材7は、図1のように正面から見ると、その下面中央において、コア2,2と嵌合する矩形凹部9を長手方向に有する。凹部9の高さはコア2のそれとほぼ等しく、凹部内壁に円弧状の浅溝13,13を形成する。また、凹部9の内寸幅はコア2,2の横幅とほぼ等しく、該凹部の両内側壁に円弧状の浅溝14をそれぞれ形成する。浅溝13,13,14,14の形成により、ヒートシンク材7をコア2,2と密接嵌合することができる。
【0027】
ヒートシンク材7は、コア2,2に対して長手方向から平行に挿入し、両者の間にシリコン樹脂のシーラント15を塗布してコア2,2と強固に接着する。シーラント15には、熱伝導性を上げるために炭素や金属粉末を少量混入している。次に、図4に示すように、巻線5を金属筒3,3の一方の端面から、且つ巻線5’を金属筒3,3の他方の端面から、両金属筒を交互に通してほぼ水平に巻き付ける。金属筒3,3内には、あらかじめ絶縁シート(図示しない)を巻き付けておいてもよい。
【0028】
高周波トランス1は、例えば、図6のようにプラズマ用RF電源装置16(本発明に関連しない部品は全て省略)の内部において、前方に位置する冷却ファン18に対して直交するように配列し、且つ底板20の上に水平に固着する。このため、冷却ファン18からの送風は、図6の矢印方向に送られ、ヒートシンク材7におけるフィン間の溝21の中に沿って長手方向に流通し、さらに装置側壁のメッシュ22を通過して装置外へ出る。
【0029】
装置16内において、冷却ファン18からの送風は、ヒートシンク材7におけるフィン間の溝21の中に沿って流れ、ヒートシンク材7を介してコア2,2を経て金属筒3,3に巻き付けた巻線5,5’を全長に亘ってほぼ均一に空冷する。この強制空冷により、例えば、発生周波数300kHzから60MHzまでの高周波トランスにおいて、巻線5,5’を発熱を80〜約120℃まで低下させる。この結果、巻線5,5’の被覆材であるPFTEは長期間使用しても熱損傷されず、コア2,2に巻いた巻線5,5’の焼損事故を未然に防止する。また、ヒートシンク材7をコア2,2上に被せても、輻射波の発生が増加することはなく、ノイズが少なくなって周波数の安定度が高くなる。
【0030】
図7および図8は本発明の変形例を示し、高周波トランス23のフェライトコア24は通常メガネコアと称する。コア24は、長手方向に水平に並んだ1対の貫通孔26,26を有し、その全体形状はほぼ矩形の横断面で細長い。一次側および二次側導体である巻線28は、図7に示すように、フェライトコア24の貫通孔26,26に交互に通してほぼ水平に巻き付け、交互または同心配列にする。これらの巻線28は、耐熱性のPTFEで絶縁被覆した線材であり、各導体の巻数は発生周波数300kHzで数十回程度である。
【0031】
フェライトコア24は、図7のように正面から見ると、その三方の側面側に多数本のフィン30を直接立設し、各フィンは細長い矩形側面を有する。図8に示すように、各フィン30は、コア24の全長に亘って長手方向に平行に延びる。多数本のフィン30は、垂直フィン32と水平フィン34,34とからなり、フィン32および34は、いずれもフィン幅の2倍程度の長さであり且つフィン幅程度の間隔で並んでいる。
【0032】
高周波トランス23において、冷却ファン(図示しない)からの送風は、コア24におけるフィン30,30間の溝の中に沿って流れ、コア24を介して巻線28を全長に亘ってほぼ均一に空冷する。この強制空冷により、巻線28の発熱を80〜120℃まで低下させる、この結果、各巻線28の被覆材であるPFTEは長期間使用しても熱損傷されず、巻線28の焼損事故を未然に防止する。また、コア24では、輻射波の発生が増加することはなく、ノイズが少なくなって周波数の安定度が高くなる。
【0033】
図9は本発明の別の変形例を示し、高周波トランス40のフェライトコア41はメガネコアであり、長手方向に水平に並んだ1対の貫通孔42,42を有する。貫通孔42,42には、一次側および二次側導体である巻線43を通して、交互または同心配列で巻き付け、巻線43の巻数は通常十数回である。
【0034】
公知のペルチェ素子44は、直方体形のコア41の上に密に載置し、シリコン樹脂のシーラントを塗布してコア41と強固に接着する。ペルチェ素子44の平面形状は、コア41のそれより若干大きいと冷却効果が高くなるので好ましい。ペルチェ素子44には、コード45から直流電流を供給する。ペルチェ素子44とコア41との熱伝導が不十分である場合には、純銅製のバッファプレート(図示しない)を介在させてもよい。
【0035】
ヒートシンク材46は、ペルチェ素子44の上に接着する。ヒートシンク材46の平面形状は、ペルチェ素子44のそれと同一であり、コア41のそれより若干大きい。ヒートシンク材46は、通常、ペルチェ素子44が高温になりやすいので、冷却効果を高めるためにフィン48の数が多く且つフィン間の溝50が深いことが望ましい。
【0036】
高周波トランス40に関して、コア41はペルチェ素子44によって強く冷却され、該ペルチェ素子に生じた発熱をヒートシンク材46によって排除する。冷却ファン(図示しない)からの送風は、ヒートシンク材46におけるフィン間の溝50の中に沿って流れ、ヒートシンク材46およびペルチェ素子44を介してコア41に巻き付けた両導体をほぼ均一に冷却する。この強制冷却により、例えば、発生周波数27MHz以上の高周波トランスにおいて発熱を100℃前後に低下させ、各巻線43の被覆材であるPFTEの熱損傷を回避し、該巻線の焼損事故を未然に防止する。
【0037】
図10に示す高周波トランス52では、環状のフェライトコア54を使用し、該コアは適宜の厚みを有する。コア54には、一次側および二次側導体である巻線56,58を巻き付け、該コアの外周に半割状のヒートシンク材60,60を嵌合して貼り付ける。ヒートシンク材60,60の外周側には、多数本のフィン62を放射状に分散させて立設している。
【0038】
コア54の外周面には、シリコン樹脂のシーラントを塗布し、ヒートシンク材60,60を嵌合して強固に接着する。高周波トランス52は、図10のように立脚した状態で取り付け、冷却ファン(図示しない)からの送風をヒートシンク材60,60の各フィン62間を通過させて、巻線56,58を空冷する。この結果、巻線56,58の被覆材であるPFTEは長期間使用しても熱損傷されず、コア54に巻いた巻線56,58の焼損事故を未然に防止する。
【0039】
図示しないけれども、高周波トランス52において、両巻線を巻き付けた環状コアの外周に、ペルチェ素子を介してヒートシンク材を嵌合して貼り付けてもよい。この場合、乾式の高周波トランスの発生周波数が約20MHz以上であっても、一次側および二次側導体の発熱を100℃前後に低下させ、トランスの熱損事故を未然に防止できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る高周波トランスは、フェライトコア自体またはコアに取り付けたヒートシンク材の外面側に多数本のフィンを分散立設することにより、冷却ファンからの送風をコア自体またはヒートシンク材におけるフィン間の溝の中に沿って流通させる。この結果、コアに直接または間接的に巻き付けた両導体を全長に亘ってほぼ均一に空冷し、両導体である巻線の発熱温度を80〜120℃に低下させる。この強制空冷により、各巻線の被覆材であるフッ素樹脂は長期間使用しても熱損傷されなくなり、コアに巻いた巻線の焼損事故を未然に防止する。
【0041】
本発明の高周波トランスにおいて、ヒートシンク材とフェライトコアとの間にペルチェ素子を介在させると、該コアに巻き付けた両導体をいっそう効果的に冷却できる。この場合、高周波トランスの発生周波数が約20MHz以上であっても、一次側および二次側導体の発熱を100℃前後に抑制し、被覆材の熱損傷を回避して巻線の焼損事故を防ぐことにより、高周波トランスの熱損事故を未然に防止する。
【0042】
本発明の高周波トランスでは、コアに多数のフィンを形成したりまたはヒートシンク材をフェライトコア上に被せても、輻射波の発生が増加することはない。本発明の高周波トランスを用いると、ノイズが少なくなって周波数の安定度が高くなり、プラズマ用RF電源としていっそう好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒートシンク材を貼り付けた高周波トランスについて巻線を省略して示す概略正面図である。
【図2】 図1の高周波トランスの側面図である。
【図3】 本発明を適用する高周波トランスを例示する概略正面図である。
【図4】 図3の高周波トランスの側面図である。
【図5】 ヒートシンク材の変形例を示す水平断面図である。
【図6】 高周波トランスを設置したプラズマ用RF電源装置の要部を示す水平断面図である。
【図7】 高周波トランスの変形例を示す概略正面図である。
【図8】 図7の高周波トランスの側面図である。
【図9】 高周波トランスの別の変形例を示す概略正面図である。
【図10】 高周波トランスのさらに別の変形例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 高周波トランス
2,2 フェライトコア
3,3 金属筒
4,4 金属プレート
5,5’ 巻線
7 ヒートシンク材
8 フィン
Claims (2)
- 乾式の高周波トランスにおいて、それぞれ金属筒を挿入した並列配置の円筒形フェライトコアと、各コアの両金属筒に交互に通してほぼ水平に巻き付ける一次側および二次側導体である巻線と、外面側に多数本のフィンを分散立設し且つ矩形凹部を長手方向に有するヒートシンク材とを備え、該ヒートシンク材の矩形凹部内壁に円弧状の2個の浅溝を形成するとともに、該凹部の両内側壁に円弧状の浅溝をそれぞれ形成することにより、ヒートシンク材を並列配置の円筒形コアに対して長手方向から平行に挿入して密接嵌合するとともに、シーラントを塗布してヒートシンク材とコアとを強固に接着し、冷却ファンからの送風をヒートシンク材のフィン間を通過させて両導体を冷却する高周波トランス。
- 内鉄型または外鉄型のフェライトコアを水平に設置し、一次側および二次側導体である巻線を巻き付けたコアの三方の側面にヒートシンク材の下面を密に接着する請求項1記載の高周波トランス。
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