JP2007019260A - 熱電変換システム - Google Patents

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和也 村上
Keiichi Sasaki
恵一 佐々木
Takahiko Shindou
尊彦 新藤
Takehisa Hino
武久 日野
Yujiro Nakatani
祐二郎 中谷
Reki Takaku
歴 高久
Yoshiyasu Ito
義康 伊藤
Shinichi Kondo
真一 近藤
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Abstract

【課題】変圧器の排熱を利用して効率よく発電することができる熱電変換システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る熱電変換システム10は、熱電変換モジュール11と、この熱電変換モジュール11を冷却する冷却源である放熱フィン21と、前記熱電変換モジュール11を加熱する熱源となる変圧器30とを有し、前記熱電変換モジュール11は、低温端面を前記冷却源である放熱フィン21に密着させ、高温端面を前記変圧器30のタンク32のタンク壁面31に密着させたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電効果を有する熱電変換モジュールを用いて、変圧器の排熱の熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電変換システムに関するものである。
民生および産業の分野から発生する未利用熱エネルギーを利用して発電を行う熱電変換システムは、太陽光を利用して発電を行う太陽光発電システムとは異なり、太陽光の利用ができない夜間においても、熱源さえあれば発電を行うことができる。このため、主として省エネルギーの観点から、その普及が期待されている。
熱電変換モジュールは、一般に、P型素子(P型半導体)およびN型素子(N型半導体)が、電極を介してセラミックス基板(絶縁板)に挟まれた構造をもつ。P型素子およびN型素子を、金属部材からなる電極を介して交互に接合することにより、P型素子とN型素子とのPN素子対(PN半導体対)を形成する。熱電変換モジュール全体は、多数のPN素子対が接続されており、PN素子対の始点および終点にはリード線が接続される。
熱電変換モジュールが有する二枚のセラミックス基板のうち一枚(以下、低温端面という)を冷却水などで冷やし、反対側のもう一枚(以下、高温端面という)に熱を加えると、低温側電極と高温側電極の間に起電力が発生して電流が流れる。すなわち、熱電変換モジュールの両側に温度差を与えるように熱電変換システムを構築することにより、熱電変換モジュールから電力を取り出すことができる。
従来、この種の熱電変換システムに、特許第3564274号公報(特許文献1)および特開平10−190073号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
特許第3564274号公報(特許文献1)に記載された排熱発電装置は、熱電変換モジュールを用いて、自動車のエンジンなどから排出される排ガスの排熱を回収して電力に変換する車載用の装置である。この排熱発電装置の熱電変換システムは、自動車の排熱を熱電変換モジュールの高温端面の熱源とし、自動車の走行風によって熱電変換モジュールの低温端面を空冷するようになっている。熱電変換モジュールの高温端面と低温端面との間に生じた温度勾配に応じて、熱起電力が発生して発電される。このように構成された熱電変換システムにおいては、自動車が走行中であれば、高温端面には常に排ガスの排熱が供給され、かつ、低温端面側は走行風によって常に冷却されるので、効率よく発電させることが可能である。
特開平10−190073号公報(特許文献2)に記載された炉壁用熱電変換装置は、焼却炉や溶融炉などの高温炉の炉壁に熱電変換モジュールを取り付けて発電を行うことができる装置である。この炉壁用熱電変換装置の熱電変換モジュールは、複数層の耐火物により構成された高温炉の炉壁の外装部分に埋め込まれている。この熱電変換モジュールは、高温端面を外層よりも内側の層の耐火物に密着させることで炉内の熱を効率よく受け取り、低温端面を冷却ジャケットに密着させて外気によって冷却する。熱電変換モジュールの高温端面と低温端面との間に生じた温度勾配に応じて、熱起電力が発生して発電される。このように構成された熱電変換システムにおいては、焼却炉や溶融炉などの高温炉の炉壁温度が500℃〜1000℃の高温で、外気温度が100℃程度であれば、熱電変換モジュールが十分な温度差を得ることができるので、特別な低温端面側の冷却装置がなくても効率よく発電させることが可能である。
特許第3564274号公報 特開平10−190073号公報
一般に、工場やビルの変電所などで使用されている変圧器は、電力用油入変圧器やガス絶縁変圧器などの比較的大型の変圧器である。変圧器は、鉄心と二つ又は三つ以上の巻線とを有し、かつそれらが相互に位置を変えない装置で、一つ又は二つ以上の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、他の一つ又は二つ以上の回路に同一周波数の交流電力を供給するもので、大型の変圧器では10000KVA級の容量のものがある。
変圧器は、交流電圧を変換するための鉄心や巻線などが入っているタンクと、タンク内の巻線及び鉄心で発生した損失熱を冷却するためのラジエータで構成されており、ラジエータはラジエータ用ファンによって空冷されている。
一般に、変圧器の変換効率を99.5%とした場合、残りの0.5%は排熱として外部に放出されている。その時の変圧器のタンク壁面の温度は、25℃〜150℃になっている。この変圧器の排熱を利用して発電を行う熱電変換システムはまだ開発されていない。
特許第3564274号公報(特許文献1)に記載されている排ガスの排熱を利用した車載用の排熱発電装置および特開平10−190073号公報(特許文献2)に記載されている焼却炉や溶融炉などの高温炉の炉壁温度を利用した炉壁用発電装置においては、熱電変換モジュールの高温端面が受け取る排熱の温度が500℃〜1000℃の高温であるのに対し、変圧器のタンク壁面から放熱される排熱温度は、25℃〜150℃と比較的低温であり、熱電変換モジュールの高温端面と低温端面との間に温度勾配を大きくとれない。変圧器の排熱を利用して熱電変換モジュールの高温端面と低温端面との間に温度勾配を生じさせることは、低温端面を特別な冷却装置などを使って冷却しなければ困難であり、変圧器の排熱を利用しても効率よく発電することができないという問題があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、変圧器の排熱を利用して効率よく発電することができる熱電変換システムを提供することを目的とする。
本発明に係る熱電変換システムは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、熱電変換モジュールと、この熱電変換モジュールを冷却する冷却源と、前記熱電変換モジュールを加熱する熱源となる変圧器とを有し、前記熱電変換モジュールは、低温端面を前記冷却源に密着させ、高温端面を前記変圧器のタンクに密着させたものである。
本発明に係る熱電変換システムは、変圧器の排熱を利用して効率よく発電することができる。
本発明に係る熱電変換システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る熱電変換システムの第1実施形態を示す簡略的な全体構成図である。
この熱電変換システム10は、熱電変換部20と、変圧器30と、空冷部40とを備える。
熱電変換部20は、図2に示したように、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換可能な熱電変換モジュール11と、放熱フィン21とを備える。放熱フィン21は、熱電変換モジュール11を挟んでタンク壁面31に固定ボルト25などの固定手段で固定される。
変圧器30は、図1および図3に示したように、タンク壁面31をもつタンク32と、変圧器30を冷却するラジエータ33と、ラジエータ用ファン34とを備える。
空冷部40は、図1に示したように、熱電変換部20とラジエータ33の下流側とを接続するダクト40aと、排気口40bと、吸気口40cと、排気ファン40dで構成される。ダクト40aは、排気口40b側(下流側)に排気ファン40dが設けられ、この排気ファン40dでダクト40a内を強制的に送風するようになっている。
変圧器30のタンク32は、素材に鉄が用いられたボックス状のタンク壁面31で囲まれている。このタンク壁面31の厚さは大型の変圧器で10〜30mmである。タンク32の内部には、交流電圧を変成するための鉄心36および巻線37からなるトランス35が複数台設置されている。変圧器30を冷却するラジエータ33の下部には、ラジエータ33を空冷するためのラジエータ用ファン34が取り付けられる。ラジエータ33の上部には、排気口40bが設けられ、排気口40bはダクト40aの下流側と連結される。ダクト40aの下流側には排気ファン40dが設けられる。一般にラジエータ1台にラジエータ用ファンが1台備えられる。
熱電変換部20に用いられる熱電変換モジュール11は、図4に示したように、P型半導体12とN型半導体13を交互に接合する電極14を覆うようにセラミックス基板15で挟んだ構造をもつ。P型半導体12およびN型半導体13は、金属部材である電極14を介して交互に接合することにより、PN半導体対を形成する。PN半導体対の始点と終点にはリード線16が接続される。熱電変換モジュール11の大きさは、たとえば60mm×60mmを基本サイズとし、タンク壁面31への取り付け面積にあわせて複数個を連結する。
熱電変換モジュール11を構成するセラミックス基板15は、熱電変換モジュール11と熱電変換モジュール11の熱源となるタンク壁面31との密着面と、熱電変換モジュール11と熱電変換モジュール11の冷却源となる放熱フィン21のベース板23との密着面を備える。したがって、セラミックス基板15の材料には、密着面での熱抵抗を減らすことのできる素材、たとえばアルミナなどの、熱伝導率が高く絶縁性の高いものを用いる。さらに、密着面での熱抵抗を極力なくすように、密着面にグリースなどを塗布する。
ダクト40aは、熱電変換モジュール11と放熱フィン21をそれぞれ収容し、放熱フィン21の周囲および先端に密着するように備え付けられる。ダクト40aは、排気口40bとの連結端とは反対の端に吸気口40cを備える。
熱電変換モジュール11と放熱フィン21のベース板23との互いに向き合う面は、形状はどちらも同じであるが、面積はベース板23の方が熱電変換モジュール11よりも若干大きく形成される事が望ましい。
放熱フィン21は、図5に示したように、金属平板であるフィン22をベース板23の上に一列あるいは複数列に列状に立てて並べた構造をもつ。フィン22は一定の間隔をもって、フィン22の最も広い面(放熱面)の法線方向(以下、林立方向という)に並べる。林立方向は、フィン22を通る風の方向(図5(a)および(d)の紙面垂直方向)と直交するため、L/Tが10/10未満だと通気抵抗が大きくなり、かつ放熱フィン21全体の重量増加をまねいてしまう。また、L/Tが10/3以上だと、放熱効果が小さくなってしまう。したがってこの比L/Tは10/10〜10/3であることが望ましい。図5(d)には、フィン22の設置間隔(ピッチ)Lとフィン22の厚みTの比L/Tが、フィン22の林立方向において、3/2である例を示した。
また、放熱フィン21をタンク壁面31に固定ボルト25で固定する際に必要であるボルト穴24は、放熱フィン21のベース板23の四隅(隅角部)ではなく、辺の中央部分4箇所に空けられる。
放熱フィン21の素材は、アルミニウムを用いるが、アルミニウム以外に、銅や銀など熱伝導性に優れた材料が用いられる場合もある。
固定ボルト25は、熱電変換モジュール11よりも低い熱伝導率を有する素材で構成される。図6は、金属およびFRP樹脂の熱伝導率を示したものである。金属ではなく樹脂(たとえばFRP:Fiber Reinforced Plasticsなどの、熱伝導率が熱電変換モジュール11よりも低い素材のもの)を用い、特に熱伝導率が1W/mK以下のものを用いる。
空冷部40のダクト40aは、放熱フィン21と同等以上の熱伝導率を有する素材で構成される。たとえば放熱フィン21の素材がアルミの場合、ダクト40aの素材にはアルミや銅などを用いる(図6参照)。ダクト40aの素材として、金属や樹脂など様々な素材を用いることが可能だが、タンク壁面31の熱で変形しない素材を選ぶ。
放熱フィン21が、固定ボルト25を用いて熱電変換モジュール11をタンク壁面31に押し付ける面圧は、1MPa以上で放熱フィン21が変形しない程度が望ましい。
次に、熱電変換システム10の作用を説明する。
図1に示された熱電変換システム10を用いて変圧器30の排熱を利用して効率よく電力を得るために、熱電変換モジュール11を変圧器30のタンク壁面31と放熱フィン21で挟み、互いに密着させる。
タンク壁面31は熱電変換モジュール11の熱源となる。
たとえば電力用油入変圧器などは、変圧器30のタンク32内に絶縁油が満たされている。タンク32内に収容されたトランス35が作動し、鉄心36及び巻線37で損失熱が発生すると、トランス35周辺の絶縁油が熱を帯びる。この絶縁油はラジエータ33に導かれる。ラジエータ33内の金属配管を通る間にラジエータ用ファン34から送られた空気に冷却された絶縁油は、再びタンク32内へと循環してトランス35を冷却しトランス35の熱暴走を防ぐ。この循環サイクルを繰り返すと、タンク32のタンク壁面31にトランス35で発生した熱が伝わり、タンク壁面31の壁面温度は25℃〜150℃になる。この変圧器30からの排熱が熱電変換モジュール11の熱源として利用される。
放熱フィン21は次のステップで熱電変換モジュール11を冷却する。
ラジエータ用ファン34は、ラジエータ33をラジエータ33の下部から空冷する。ラジエータ用ファン34から強制的に送られる空気は、ラジエータ33を通り排気口40bから排気される。排気口40bはダクト40aと連結されているため、排気口40bからの排気に吸引されて吸気口40cからダクト40aに外気が流入する。排気ファン40dもこの外気流入を助ける。この吸引された空気が放熱フィン21を空冷する。この空冷される放熱フィン21によって、熱電変換モジュール11の低温端面が冷却される。
熱電変換システム10の熱電変換モジュール11は、タンク壁面31との密着面が高温端面、放熱フィン21との密着面が低温端面として動作する。熱電変換モジュール11の高温端面はタンク壁面31から熱を受けとり、かつ低温端面は放熱フィン21に冷却されるため、高温端面と低温端面との間に温度勾配がつく。この温度勾配により、熱電変換モジュール11は、変圧器30の排熱の熱エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を得る事が可能となる。
この熱電変換システム10によれば、変圧器30に付属している既存の設備を利用して、熱電変換モジュール11の高温端面と低温端面との間に温度勾配を生じさせ、変圧器30の排熱から効率よく、安価な運転コストで電力を得ることができる。
この熱電変換システム10では、熱電変換の結果、タンク壁面31の熱が回収されるので、熱電変換モジュール11が密着しているタンク壁面31を介してタンク32を冷却することができる。
この熱電変換システム10では、固定ボルト25が、熱伝導率が1W/mK以下と、熱電変換モジュール11よりも熱伝導率が低い素材で構成されており、変圧器30のタンク壁面31からの熱が、固定ボルト25を経由して直接放熱フィン21に伝達されることを避けることができる。したがって、変圧器30のタンク壁面31の排熱を熱電変換モジュール11に効率よく伝えることができる。
この熱電変換システム10によれば、フィン22の設置間隔Lと厚みTの比L/Tが10/10〜10/3に設定されているので、風の通気抵抗を増加することなく放熱効果を向上させることができる。ラジエータ用ファン34の排気を利用してダクト40aに風を送り込む場合、風速が2.0m/s以上であれば、熱電変換モジュール11の高温端面と低温端面との間に効率よく温度勾配を与えることが可能である。
この熱電変換システム10によれば、熱電変換モジュール11を冷却源である放熱フィン21と熱源である変圧器30のタンク壁面31とで挟んで固定するための固定ボルト25は、放熱フィン21のベース板23の辺の4箇所以上で固定するため、放熱フィン21の角を固定するよりも高い面圧力で固定することが可能である。
図7は、図1に示された熱電変換システム10の発電量を、熱電変換システム10に用いられる熱電変換モジュール11の受ける面圧の関数で示したグラフである。
図7において、面圧が1MPa以下の領域では、熱電変換モジュール11と放熱フィン21を熱源部である変圧器30のタンク壁面31に固定する際の発電量は、面圧に比例する。この領域では面圧が高くなり密着力が高くなると、タンク壁面31から熱電変換モジュール11へ熱が伝わりやすくなるため発電量が増える。面圧が1MPaを超えると発電量が飽和する。さらに面圧が高くなるにつれ、放熱フィン21が変形し熱電変換モジュール11と放熱フィン21との密着面間に隙間ができ、この隙間で熱抵抗が増すため発電量が低下していく。
したがって、熱電変換モジュール11と放熱フィン21をタンク壁面31に固定するときの面圧は、1MPa以上で放熱フィン21が変形しない程度が望ましい。
たとえば、アルミ製の放熱フィン21でベース板23の厚さがたとえば10mmのプレートを使用した場合、面圧が1MPa〜1.5MPaであれば変圧器30のタンク壁面31と熱電変換モジュール11間および熱電変換モジュール11と放熱フィン21間の密着性が最もよく、各々の接合部での熱抵抗を最小限に抑えることができる。
また、この熱電変換システム10は、放熱フィン21に風を送るための空冷部40のダクト40aが、放熱フィン21と同等以上の熱伝導率を有する素材で構成される。このため、放熱フィン21を覆っているダクト40aにも熱電変換モジュール11の熱が伝わる。したがって、ダクト40aからも熱電変換モジュール11の熱を放出することができ、熱電変換部20の冷却性能が向上する。
なお、上述のごとき熱電変換システム10は、一般に工場やビルの主変電所などで使用されている電力用油入変圧器やガス絶縁変圧器などの比較的大型の変圧器でラジエータ(放熱器)が備え付けられているものを対象とした熱電変換システムであるが、この熱電変換システム10は変圧器30が家庭や車載用などの比較的小型の変圧器でも適用することが可能であることに注意すべきである。その場合、熱電変換部20および空冷部40の大きさは異なるが、原理はまったく同じである。
次に、図8に図1に示した熱電変換システム10に用いられるダクト40aの第1変形例を示す。
図8においては、放熱フィン21に風を送るためのダクト40aは、放熱フィン21のベース板23の対面から吸気する。また、ベース板23の面方向でフィン22を通る風の方向と平行方向の放熱フィン21の両端面から排気する構造になっている。
放熱フィン21は、熱電変換モジュール11から伝わる熱を放熱する。複数個の熱電変換モジュール11を、フィン22を通る風の方向と平行方向に直列に並べた場合、風は、風上のフィン22の放熱を蓄積しながら風下に向かって流れていくため、風下になるにつれてフィン22に当たる風の温度が上昇する。すると風下では風上に比べ、放熱フィン21が熱電モジュール11を冷却しづらくなり、風上に比べて熱電変換モジュール11の高温端面と低温端面との温度差が小さくなる。したがって風下では変換効率が低くなり発電しにくくなってしまう。
図8に示す実施形態の構成によれば、図1に示す例のような、ダクト40aの一方向から吸気して一方向に排気する構成のものと比べて、放熱フィン21に風が均一に当たりやすいので、熱電変換モジュール11全体で高温端面と低温端面との間に効率よく温度勾配を与えることが可能である。
次に、図9に図5に示した熱電変換システム10に用いられる放熱フィン21の第1変形例を示す。
図9に示すように、放熱フィン21は、形状がコルゲートタイプのフィン22で構成される。
コルゲートタイプのフィン22を有する放熱フィン21の場合、フィン22の設置間隔Lと厚みTの比L/Tが10/10未満では通気抵抗が大きくなり、かつ放熱フィン21全体の重量増加をまねく。L/Tが10/1を超えると、放熱効果を向上させる効果が小さくなってしまう。したがってこの比L/Tは、10/10〜10/1とすることが望ましい。図5(d)には、コルゲートタイプのフィン22の設置間隔Lとフィン22の厚みTの比L/Tが、フィン22の林立方向において、5/1に設置された例を示した。
図9に示す実施形態の構成によれば、コルゲートタイプのフィン22を有する放熱フィン21では放熱フィン21の周囲を囲むようにフィン22が形成されているため、放熱フィン21全体を覆うようなダクト40aを設ける必要がない。また、通常の放熱フィン21に比べて冷却性能が高く、フィン22の高さを低くすることができる。したがって、熱電変換システム10をコンパクト化および軽量化することができる。
次に、図10に図5に示した熱電変換システム10に用いられる放熱フィン21の第2変形例を示す。
図10に示すように、放熱フィン21のベース板23の大きさは、フィン22の林立面の縦の長さが160mm〜200mmで横の長さが240mm〜300mmとする。ただし、縦の長さ方向はフィン22を通過する風の方向とする。この放熱フィン21を用いることにより、一つの放熱フィン21で複数の熱電変換モジュール11の低温端面に密着させることができる。たとえばベース板23の縦の長さが160mm〜200mmであれば、一般に使用されている縦の長さが60mmで横の長さが60mmの熱電変換モジュール11を2個並べて固定ボルト25で固定する。また、ベース板23の横の長さが240mm〜300mmであれば、一般に使用されている縦の長さが60mmで横の長さが60mmの熱電変換モジュール11を3個並べて固定ボルト25で固定する。
なお、フィン22の設置間隔Lと厚みTの比L/Tは、図5に示した第1実施形態の放熱フィン21と同じ、3/2に設置されている。フィンの設置間隔Lと厚みTの比L/Tは、10/10〜10/3とすることが好ましく、L/Tが10/3を超えると、放熱効果を向上させる効果が小さいため好ましくない。また、L/Tが10/10未満では通気抵抗が大きくなったり、放熱フィン全体の重量が増加したりして好ましくない。また、放熱フィン21のベース板23の辺の部分4箇所には、タンク壁面31に固定する際の固定ボルト25の穴が開けられている。この固定ボルト25の穴は、放熱フィン21のベース板23の角の部分に開けて固定ボルト25で固定するよりも、高い面圧力で固定することができる。
図10に示す実施形態の構成によれば、6個以上の熱電変換モジュール11を用いて熱電変換システム10を構築したときに、ラジエータ用ファン34の排気を利用してダクト40aに風を送り込む風速が2.0m/s以上であれば、熱電変換モジュール11の高温端面と低温端面との間に効率よく温度勾配を与えることが可能である。また、冷却源である放熱フィン21のサイズを大きくして、熱源であるタンク壁面31に取り付ける熱電変換モジュール11の数を多くすることで、たとえば6個毎であれば取り付けおよび取り外しの作業が容易になり、メンテナンスに必要とする時間を短縮することができる。
次に、図11に図1に示した熱電変換システム10に用いられる熱電変換モジュール11の第1変形例を示す。
図11に示すように、熱電変換モジュール11の厚さを均一にする。たとえば、基準となる熱電変換モジュール11の厚さDが5mmの場合は、他のすべての熱電変換モジュール11の厚さDが5mm±0.005mmの範囲内になるようにする。
厚さDと誤差Eの比D/Eが1000/1以上の場合、複数ある熱電変換モジュール11の厚さのばらつきが大きく次のような問題が起きる。
厚さDが厚い熱電変換モジュール11は、熱電変換モジュール11と冷却源である放熱フィン21との密着および熱電変換モジュール11と熱源であるタンク壁面31との密着がよくなり熱抵抗が減少する。一方、厚さDが薄いモジュールの部分は、熱電変換モジュール11と冷却源である放熱フィン21との密着および熱電変換モジュール11と熱源であるタンク壁面31との密着が悪くなって熱抵抗が増加する。したがって、密着のよい、厚い熱電モジュール11に熱流が偏ってしまい、熱電変換システム10の発電効率が悪くなる。
したがって、厚さDと誤差Eの比D/Eは、1000/1未満にすることが好ましい。
図11に示す実施形態の構成によれば、熱源である変圧器30のタンク壁面31の表面が平らで、かつ冷却源である放熱フィン21のベース板23の表面が平らな場合、複数の熱電変換モジュール11をひとつの放熱フィン21で固定するにあたり、熱電変換モジュール11の厚さを均一にすることで複数個の熱電変換モジュール11に熱流を均等に伝えることが可能になる。したがって、熱電変換システム10の発電効率を向上させることができる。
次に、図12に図1に示した熱電変換システム10に用いられる熱電変換モジュール11の第2変形例を示す。
図12に示すように、熱電変換モジュール11は、面積を極力大きくした熱電変換モジュール11を使用する。縦の長さと横の長さが放熱フィン21のベース板23のサイズと同じで、ひとつの放熱フィン21にひとつの熱電変換モジュール11を取り付ける。一般に、縦の長さが60mmで横の長さも60mmの熱電変換モジュールなどが市販されているが、タンク壁面31など熱源の面積が広い場所に熱電変換モジュール11を取り付ける場合は、熱電変換モジュール11の第1変形例に示したような厚さの不均一性による問題が発生する。そこで、面積を極力大きくした熱電変換モジュール11を使用することで、一つの放熱フィンに一つの熱電変換モジュール11が取り付け可能になる。
図12に示す実施形態の構成によれば、熱電変換モジュール11の1個あたりの面積を広くすることで、一つの放熱フィン21に一つの熱電変換モジュール11が取り付けられる。したがって、熱電変換モジュール11の第1変形例に示したような、厚さの不均一性に起因する問題を回避することができ、面積が小さい複数個のモジュールを使用する時よりも熱電変換システム10の発電効率を向上することができる。
本発明に係る熱電変換システムの第1実施形態を示す全体構成図。 図1のII―II線に沿う平面において切断した平断面図。 図1に示された熱電変換システムに用いられる変圧器を示す概観図。 図1に示された熱電変換システムに用いられる熱電変換モジュールを一部破断して内部構造を示す斜視図。 (a),(b)および(c)は図1に示された熱電変換システムに用いられる放熱フィンをそれぞれ示す正面図、平面図および側面図、ならびに(d)は図5(a)のA部を拡大して示す図。 図1における放熱フィンついて、材料と熱伝導率の関係を示した図。 図1に示された熱電変換システムの発電量を、熱電変換システムに用いられる熱電変換モジュールの受ける面圧の関数で示したグラフ。 図1におけるダクト40aの第1変形例を示す斜視図。 (a),(b)および(c)は図1における放熱フィンの第1変形例をそれぞれ示す正面図、平面図および側面図、ならびに(d)は図9(a)のB部を拡大して示す図。 (a),(b)および(c)は図1における放熱フィンの第2変形例をそれぞれ示す正面図、平面図および側面図、ならびに(d)は図10(a)のC部を拡大して示す図。 図1における熱電変換モジュールの第1変形例を示す概観図。 図1における熱電変換モジュールの第2変形例を示す分解斜視図。
符号の説明
10 熱電変換システム
11 熱電変換モジュール
12 P型半導体
13 N型半導体
14 電極
15 セラミックス基板
16 リード線
20 熱電変換部
21 放熱フィン
22 フィン
23 ベース板
24 ボルト穴
25 固定ボルト
30 変圧器
31 タンク壁面
32 タンク
33 ラジエータ
34 ラジエータ用ファン
35 トランス
36 鉄心
37 巻線
40 空冷部
40a ダクト
40b 排気口
40c 吸気口
40d 排気ファン

Claims (12)

  1. 熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換可能な熱電変換モジュールと、
    この熱電変換モジュールを冷却する冷却源と、
    前記熱電変換モジュールを加熱する熱源となる変圧器とを有し、
    前記熱電変換モジュールは、低温端面を前記冷却源に密着させ、高温端面を前記変圧器のタンクに密着させたことを特徴とする熱電変換システム。
  2. 前記冷却源は、ダクト内で空冷される放熱フィンであり、変圧器のラジエータ用ファンの排気を利用して外気をダクト内に吸引可能に構成した請求項1記載の熱電変換システム。
  3. 前記熱電変換モジュールと前記放熱フィンを変圧器のタンク壁面に固定手段で固定し、この固定手段は熱伝導率が1W/mK以下である請求項1記載の熱電変換システム。
  4. 前記放熱フィンは、この放熱フィンを構成するフィンの最も広い面の法線方向における、このフィンの設置間隔と厚みの比を10/10〜10/3に構成した請求項1記載の熱電変換システム。
  5. 前記固定手段を前記放熱フィンの角を除く辺の部分に4ヶ所以上設置した請求項1記載の熱電変換システム。
  6. 前記熱電変換モジュールと前記放熱フィンを、熱源である変圧器のタンク壁面に固定するときの面圧は、1MPa以上である請求項1記載の熱電変換システム。
  7. 前記ダクトの素材を、熱伝導率が前記放熱フィンと同等以上になるように選んだ請求項1記載の熱電変換システム。
  8. 前記ダクトは、前記放熱フィンのベース板対面から吸気し、前記放熱フィンの側面から排気する請求項1記載の熱電変換システム。
  9. 前記放熱フィンは、フィンの形状がコルゲートタイプである請求項1記載の熱電変換システム。
  10. 前記放熱フィンは、ベース板のフィンが林立する面の縦の長さが160mm〜200mmで横の長さが240mm〜300mmとし、1個の前記放熱フィンで複数の前記熱電変換モジュールの低温端面に密着可能とした請求項1記載の熱電変換システム。
  11. 前記熱電変換モジュールは、前記高温端面と前記低温端面の距離である前記熱電変換モジュールの厚さが複数の前記熱電変換モジュールで均一であり、厚さと製作誤差の比が1000/1未満である請求項1記載の熱電変換システム。
  12. 前記熱電変換モジュールは、前記低温端面の形状および面積が前記放熱フィンのベース板の形状および面積とそれぞれ同じで、1個の前記放熱フィンに1個の前記熱電変換モジュールを取り付け可能とした請求項1記載の熱電変換システム。
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