JP3692093B2 - 容器検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、搬送路上を搬送される複数種の容器の中から所定の種類の容器を抽出して検査する容器検査装置に関し、特にこの発明は、製びん機で製造されたびんなどを抜き取り検査するのに好適な容器検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の製びん機は、複数のセクションに分かれており、各セクションでは、個々の金型を用いて同じびんを製造するようになっている。なお、製びん機で一度に製造されるびんの本数は「1ラウンド」という単位で表される。一般に各びんのびん底には、びんを製造した各金型に固有の型番が付されており、従って、びん底を見れば、その型番からどのセクションの金型で製造されたかが分かるようになっている。製造されたびんの中には、金型に起因した欠陥が発生することがあり、その場合は、同じセクションで製造されたびんは、同じ欠陥を有することがある。
【0003】
製びん機の各セクションで次々に製造されるびんは、所定の搬送路を経て最終の包装工程まで搬送される。搬送途中の検査工程では、全てのびんを対象として複数の項目について欠陥の有無が検査される。また、一定の時間置きに、1ラウンド分のびん、すなわち、全ての型番のびんを1個づつ抽出してびんの質量、高さ、胴径などについて規格に合致しているかどうかの検査も行われる。
【0004】
この種の抜き取り検査では、搬送路上を搬送されるびんの中から全ての型番のびんを少なくとも1本づつ抽出する必要がある。従来は手作業でびんの抽出を行っていたため、作業効率が悪く、人件費が嵩むうえ、抽出作業時にびんを倒したり損傷したりするなどのおそれもあった。
【0005】
この抜き取り検査を自動化するために、びんの搬送路沿いに、びん底の型番を読み取るための光学式の読取装置と、目的とするびんを抽出して前記搬送路から検査機に連通する第2の搬送路へ導出させるための導出機構部とを設置し、一定の時間置きに、前記読取装置によって搬送路上を次々に搬送されてくるびんの型番を読み取り、前記導出機構部により1ラウンド分のびんを次々に抽出して第2の搬送路へ導出させ、検査機による検査を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、検査には測定ミスや測定誤差などを伴うため、たとえ抜き取り検査において、びんの質量、高さ、胴径などが規格に合致しないとの判定がなされても、不良であることを確定する前に、再検査を実施するのが一般的である。この場合、同じ型番のびんが再度抽出されて第2の搬送路へ導出され、前記検査機へ送られる。このびんは、待機中のびんの最後尾に位置し、再検査の順番を待つことになる。
仮に1本のびんの検査に時間が2分かかるものとし、いま、10本のびんが検査に待機していると仮定すると、再検査までに20分の待時間があり、品質状態を迅速に確定できない。また、規格外と判定されるびんの検査から、再検査までに長い時間がかかると、びんの品質に差が生じる可能性があり、本来の品質状態を把握できない。
【0007】
この問題を解決する方法として、検査の都度、びんを1本づつ抽出するようにし、再検査が必要となったとき、そのびんを優先して抽出するという方法もあるが、この方法では、検査機が一本のびんの検査を終了した後、次のびんが抽出されて検査機に供給されるまでの間、検査機は遊ぶ状態になるため、検査の効率が悪く、1ラウンド分のびんを検査するのに多くの時間がかかるという問題がある。
【0008】
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、再検査のために必要以上に長い待ち時間を必要とせず、検査の結果を迅速に確定でき、しかも、検査機による検査を効率良く行える容器検査装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による容器検査装置は、複数種の容器を搬送する第1の搬送路と、検査の開始指令があったとき、第1の搬送路上を搬送される複数種の容器の中から全種類または特定の種類の容器をそれぞれ1個づつ抽出して第2の搬送路へ導き、再検査の容器の抽出要求があったとき、第1の搬送路上を搬送される複数種の容器の中から再検査が必要な種類の容器を優先して抽出して第2の搬送路へ導くサンプリング装置と、第2の搬送路が待機部を介して連通するように設置される検査機と、検査機による容器の検査結果を受けてサンプリング装置の動作を制御する制御装置とを備えたものである。前記制御装置は、検査すべき容器のうちの一定数の容器が前記待機部で検査に待機するように前記サンプリング装置の動作を適時要求するとともに、前記検査機による検査によって同種の容器の再検査が求められたとき、再検査が必要な種類の容器を優先して抽出することをサンプリング装置へ要求する。
【0010】
この容器検査装置において、検査の実施に際して、サンプリング装置は、第1の搬送路上を搬送されてくる複数種の容器の中から全種類または特定の種類の容器を抽出して第2の搬送路へ導出させる。第2の搬送路に導入された容器は検査機へ送られて所定の検査が行われる。サンプリング装置は、制御装置からの要求を適時受けて常に一定数の容器が待機部で検査に待機するように前記のサンプリング動作を実行する。また、サンプリング装置は、検査機による検査によって同種の容器の再検査が求められたとき、制御装置からの要求を受けて再検査が必要な種類の容器を優先して抽出する。
【0011】
この発明によると、検査に待機させる容器の個数を適当な一定の値(例えば3個)に設定することにより、再検査のために必要以上に長い待ち時間を必要とせずに再検査が可能となり、検査の結果を迅速に確定できる。しかも、常に一定数の容器を検査に待機させるので、検査機は連続して検査を行うことが可能であり、検査の効率が向上する。なお、検査に待機させる容器の個数は、容器1個当たりの検査時間に応じて決められる。
【0012】
上記したこの発明の構成において、「第1の搬送路」および「第2の搬送路」はベルトコンベヤなど、種々のコンベヤで構成できる。また、「検査機」は、待機中の容器を順次取り込んで自動的に所定の検査が実行できるものであればどのような検査機であってもよい。
さらに、「制御装置」は、プログラムされたコンピュータによって実現できる他、専用のハードウェア回路によっても実現できる。
【0013】
好ましい実施態様では、第1の搬送路上を搬送される複数種の容器は、複数の金型のうちのいずれかの金型によって製造されたびんであり、各びんには、製造された金型の番号が付されている。
ここで、「金型の番号」とは、必ずしも型番そのものである必要はなく、金型を特定し得るものであれば、符号のようなものであってもよい。
【0014】
この発明による容器検査装置によって抜き取り検査を行う場合は、一定時間置きに、全ての種類の容器をそれぞれ1個づつ抽出して第2の搬送路へ導くようにサンプリング装置を動作させるが、抽出する容器の種類は必ずしも全ての種類である必要はなく、特定の種類であってもよい。
【0015】
好ましい実施態様においては、前記サンプリング装置は、第1の搬送路上を搬送される容器の種類を判別する判別部と、抽出すべき容器を第1の搬送路から第2の搬送路へ導出させる導出機構部と、抽出すべき容器の種類を記憶する記憶手段を有する制御部とを含んでいる。そして、前記制御部は、前記判別部で判別された容器の種類が記憶手段に記憶されている容器の種類と一致するとき、前記制御装置からの容器の抽出要求を受けて前記導出機構部を動作させ、該当する容器を第1の搬送路から第2の搬送路へ導出させる。
【0016】
上記した実施態様の構成において、例えば、「複数種の容器」が複数の金型のうちのいずれかの金型によって製造されたびんである場合、各びんのびん底に金型の番号が付されているので、前記の「判別部」として、金型の番号を下方より読み取ることが可能な光学式の読取装置を用いるとよい。また、前記の「導出機構部」は、種々の態様のものが考えられるが、例えば、第1の搬送路上を移行する容器の速度に追随してその容器を第1の搬送路から第2の搬送路へ徐々に押し出すような構成のものが望ましい。なお、前記の「制御部」は、プログラムされたコンピュータによって実現でき、また、専用のハードウェア回路によっても実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例であるびん検査装置の構成を示す。なお、図中、10はびんを示す。
このびん検査装置は、一定時間置き(例えば2時間置き)に、製びん機で次々に製造されたびんの中から1ラウンド分のびんを適時、順々に抽出して所定の検査を行うためのものである。
前記製びん機は、複数のセクションに分かれて同じびんを一斉に製造するものであり、各びんのびん底には、成形した金型の番号が付されている。なお、この実施例では、20本のびんが1ラウンド分のびんとして製びん機で一度に製造される。
【0018】
製びん機で製造されたびんは、徐冷工程へ運ばれて徐冷された後、検査工程へ運ばれて所定の検査が行われる。検査工程で良品と判定されたびんは包装工程へ運ばれて出荷のための包装がなされる。一方、不良品と判定されたびんは除かれる。
【0019】
検査工程には、定期的に1ラウンド分のびんを抜き取って検査する抜き取り検査工程と、全てのびんを逐次検査する全数検査工程とが含まれている。徐冷後のびんの一部または全部は、第1の搬送路1によって抜き取り検査領域まで搬送され、その搬送されてくるびんの中から1ラウンド分のびんが抽出されて検査される。
なお、抜き取り検査の終了後は、つぎの抜き取り検査の時期がくるまで、第1の搬送路1へびんを導入せずに他の搬送路を経由して全てのびんを全数検査工程へ移送するようにしてもよく、また、抜き取り検査領域を単に通過させるだけにして第1の搬送路1を経て全数検査工程へ移送するようにしてもよい。
【0020】
この実施例の抜き取り検査工程では、検査機3としてレーザ光を利用した寸法検査機を用いている。この検査機3ではびんの質量、高さ、胴径などが測定され、各測定項目の測定値が規格に合致しているかどうかを制御装置5により判定する。その結果、少なくとも1個の測定項目について規格外の判定がなされたとき、同じ型番のびんを再度抽出して再検査を行う。この実施例では、再検査のための抽出個数は3個設定しているが、これに限られることはない。3回の再検査を行った結果、そのいずれもが規格に合致しているとの判定がなされたとき、その型番のびんは良品であるとの判定を行うが、再度、規格に合致していないとの判定がなされたときは、その型番のびんは不良品であるとの判定を行うことになる。
【0021】
図示例のびん検査装置は、徐冷工程を経た多数個のびんを抜き取り検査工程へ搬送するための第1の搬送路1と、第1の搬送路1上を搬送されてくるびんの中から1ラウンド分のびんや再検査の対象とするびんを抽出して第2の搬送路2へ導出するためのサンプリング装置4と、第2の搬送路2に連通させて設置される検査機3と、検査機3によるびんの測定結果を受けてサンプリング装置4の動作を制御する制御装置5とを備えている。
【0022】
第1の搬送路1は、上流側が徐冷工程の徐冷炉に、また、下流側が全数検査工程のびん検査機に、それぞれ通じており、前記徐冷工程からはいずれかの型番を有するびんが送られてくる。第1の搬送路1を構成するコンベヤには、びん底を水平に支持してびんを搬送する形式の第1のコンベヤ11(以下、この形式のコンベヤを「水平コンベヤ」という。)と、びんの外周面を把持してびんを搬送する第2のコンベヤ12とが含まれている。第2のコンベヤ12により把持されたびんは、宙吊り状態であってびん底の下方は開放されているので、下方よりびんの型番を視認することができる。
【0023】
第2の搬送路2は、前記した水平コンベヤで構成されており、受け渡し機構6を介して第1の搬送路1に連通している。前記受け渡し機構6は、第1、第2の各搬送路1,2と並列に設けられた複数本の水平コンベヤ61,62と、これら水平コンベヤ61,62を斜めに横切るようにして設置されたガイド板63とから成る。第1の搬送路1上から水平コンベヤ61上へ導出されたびんは、ガイド板63に沿って進行して第2の搬送路2へ導かれる。
【0024】
第2の搬送路2は経路が半周し、その終端が待機部7を介して検査機3に連通している。前記待機部7は、常に一定数(この実施例では3本)のびんを検査に待機させる部分であり、この実施例では、びんを支持する床面を水平コンベヤ71で構成し、その両側にガイド板72,72を配置するとともに、待機部7への導入位置には光電センサより成るびん検知センサ73を設置して成る。
【0025】
この実施例によれば、3本のびんが待機している状態のとき、検査が終了すると、先頭のびんが検査機3に取り込まれ、2番目に位置していたびんが先頭位置で待機状態となる。なお、待機部7は、常に一定数のびんを検査に待機させることが可能な構成であれば、この実施例のような構成に限られない。
【0026】
前記検査機3は、検査対象のびんを支持する検査テーブル31と、検査テーブル31上のびんについて質量、高さ、胴径などを測定する測定部(図示せず。)とを含んでいる。この検査機3と前記制御装置5とは双方向の通信が可能である。制御装置5は、検査機3で得られた複数の測定項目についての測定データを取り込んで規格に合致するかどうかを判定し、再検査の要否を判断したり良否判定を行ったりする。
【0027】
前記制御装置5は、制御本体50と、キーボードやマウスなどより成る入力装置51と、入出力データや各種メッセージを表示するためのディスプレイ装置52を含んでいる。前記制御本体50は、制御演算の主体となるCPU、プログラムやデータなどが記憶されるメモリなどを内蔵する。CPUはプログラムに従って入力装置5やディスプレイ装置52の入出力を一連に制御するとともに、メモリに対するデータの読み書きを行いながら抜き取り検査に関わる各種の演算や処理を実行する。
【0028】
この制御装置5はサンプリング装置4の制御部40と双方向の通信が可能となっており、前記待機部7に常に3本のびんが検査に待機するようにサンプリング装置4の動作を適時要求する。また、前記検査機3による検査によって同種のびんの再検査を求めるときは、再検査が必要な型番のびんを優先して抽出するようサンプリング装置4へ要求する。
【0029】
前記サンプリング装置4は、第1の搬送路1を搬送されるびんから検査または再検査すべきびんを抽出して第2の搬送路2へ導出させるためのものであり、制御部40と、第1の搬送路1上を搬送されるびんの型番を光学的に読み取る読取装置41と、抽出すべきびんを第1の搬送路1から第2の搬送路2へ導出させる導出機構部42と備えている。
【0030】
前記読取装置41は、第1の搬送路1を構成する第2のコンベヤ12の下方位置に上向きに配置されたシャッタカメラ43と、シャッタカメラ43で撮像されたびん底の画像を取り込んで画像処理してびんの型番を判別する画像処理装置44とを含んでいる。前記制御部40には、前記導出機構部42と、抽出すべきびんの搬送位置を監視するのに用いられるロータリエンコーダ45とが接続され、前記画像処理装置44との間は双方向の通信が可能である。
【0031】
シャッタカメラ43は、その上をびんが通過する度に、各びんのびん底を撮像してびん底の画像を画像処理装置44へ送る。画像処理装置44はびん底の画像より型番を判別し、その型番を制御部40へ送信する。
前記ロータリエンコーダ45は第1の搬送路1を構成する第1のコンベヤ11の回転駆動系に連繋されており、シャッタカメラ43のシャッタが切られた後の所定の時間タイミングからロータリエンコーダ45の出力パルスを計数することによりそのびんの現在位置を知り得るようになっている。
【0032】
制御部40は、制御主体であるCPUと、抽出すべき全てのびんの型番を記憶するメモリとを有している。CPUは前記制御装置5よりびんの抽出要求があったとき、画像処理装置44より送信されてくる型番を前記メモリに記憶されている型番のいずれかと一致するかどうかを判定し、もし一致していれば、導出機構部42に対してびんの抽出要求信号を出力する。
【0033】
前記導出機構部42は、抽出すべきびんの移行に追随してそのびんを第1の搬送路1から受け渡し機構6へ徐々に押し出すように構成されたものであり、第1の搬送路1に沿って複数の棒状のプッシャ46を第1の搬送路1に対して出没可能に配置し、びんが通過する位置のプッシャ46を突出させてびんを徐々に押し出すようになっている。
【0034】
図2および図3は、前記制御装置5による制御の流れを示している。同図中、「ST」は「STEP」(ステップ)の略であり、制御の流れにおける各手順を示す。
まずST1では、制御装置5は検査対象とする全てのびんの型番、すなわち、1ラウンド分の型番(この実施例では20個の型番)を取得し、全ての型番および型番数Iをメモリに記憶させた後(ST2)、つぎのST3で一定時間置き(この実施例では2時間置き)の検査の開始指令に待機する。
【0035】
検査の開始指令があると、ST3からST4へ進み、制御装置5はサンプリング装置4の制御部40へ型番のリストを送信した後、タイマを始動させる(ST5)。このタイマは検査時間を計測するためのものである。
【0036】
つぎに制御装置5は、サンプリング装置4の制御部40に対してびんの抽出を要求する抽出要求信号を送信する(ST6)。サンプリング装置4がこの信号を受けてびんの抽出を行い、抽出したびんの型番が制御部40より送られてくると、ST7の判定が「YES」となり、制御装置5は、受信した型番をメモリに記憶し(ST8)、びんの抽出本数を計数するためのカウンタの計数値iに1加算する(ST9)。当初はサンプリング装置4に4個のびんを連続して抽出させるので、4個の型番がメモリに記憶されることになる(ST8〜10)。抽出された4個のびんのうち、1番目に抽出されたびんは待機部7まで搬送された後、検査機3に直ちに取り込まれて検査される。後続の3個のびんは待機部7で検査に待機する。
【0037】
つぎのST11では、タイマが始動開始から設定時間(この実施例では1時間40分)を計測したかどうかを判定しており、その判定が「NO」であれば、つぎのST12では、びんの検査完了に待機する。なお、設定時間が経過してタイマがタイムアップすると、ST11の判定が「YES」となり、検査が打ち切られる。
1本のびんの検査が完了すると、ST12の判定が「YES」となり、制御装置5は、びんの検査完了本数を計数するためのカウンタの計数値jに1加算し(ST13)、検査機3より各測定項目について測定データを受信して各測定データを記憶するとともに、各測定データが規格に合致するかどうかの判定を行った後、待機中の先頭のびんを検査機3に取り込む(ST14,15)。
【0038】
もし、測定データの全てが規格に合致していると判定されれば、再検査の必要がないので、つぎのST16の判定は「NO」となってST17へ進むが、測定データのいずれかが規格に合致していないと判定されれば、再検査が必要となり、前記のST16の判定は「YES」となってST24へ進む。この実施例では、同じ型番のびんを3本抽出して再検査を行うので、再検査対象の本数を設定するためのカウンタの計数値Mに「3」を加算した後、再検査のびんの抽出を要求する信号を送信する(ST25)。
【0039】
一方、ST16からST17へ進んだ場合は、つぎに、1ラウンド分のびんの抽出が完了したかどうかをカウンタの計数値iが型番数Iに達したかどうかにより判定し、さらに加えて、再検査を必要とするびんが全て抽出されたかどうかを、再検査対象の抽出数を計数するためのカウンタの計数値mが前記カウンタの計数値Mに達したかどうかにより判定する。判定の結果、i=Iかつm=Mでなければ、ST17の判定が「NO」であり、制御装置5は、サンプリング装置4の制御部40に対し、びんの抽出を要求する信号を送信する(ST18)。
【0040】
サンプリング装置4がST18またはST25の信号を受けてびんの抽出を行い、抽出したびんの型番が制御部40より送られてくると、ST19の判定が「YES」となり、つぎに、制御装置5は、受信した型番が再検査を必要とするびんの型番であるかどうかを判定する(ST20)。ST20の判定が「NO」であれば、カウンタの計数値iが1加算され(ST21)、一方、ST20の判定が「YES」であれば、カウンタの計数値mが1加算され(ST22)、いずれの場合も受信した型番をメモリに記憶した後(ST23)、ST11,12に戻って、次のびんの検査が完了するのに待機する。
【0041】
同様の手順が繰り返し実行された結果、前記のST17において、カウンタの計数値iが型番数Iに一致しかつカウンタの計数値mがカウンタの計数値Mに一致すると判定された場合、すなわち、1ラウンド分のびんが全て抽出されかつ再検査対象のびんが全て抽出された場合、ST17からST26へ進み、つぎに、カウンタの計数値jがI+Mに一致するかどうか、すなわち、1ラウンド分のびんが全て検査されかつ再検査対象のびんが全て検査されたかどうかが判定される。ST26の判定が「NO」であれば、ST11へ戻って現在検査中のびんについて検査の完了を待つ。
【0042】
かくして、全てのびんの検査が完了し、待機中のびんの本数がゼロになったときは、ST26の判定が「YES」となり、カウンタの各計数値i,j,m,Mをゼロにクリアして検査を終了する。
【0043】
図4は、前記サンプリング装置4の制御部40による制御の流れを示す。
同図のST1では、制御部40は制御装置5から型番リストが送られてくるのに待機している。制御部40が型番リストを受信すると、ST1からST2へ進み、型番リストに含まれる20個の型番がメモリに記憶される。
【0044】
つぎのST3では、制御部40は制御装置5からびんの抽出要求信号が送られてくるのに待機している。制御部40がびんの抽出要求信号を受信すると、つぎのST4では、制御部40はその抽出要求の対象が再検査のびんであるかどうかを判定する。もし、再検査のびんでなければ、ST4の判定は「NO」であってST5へ進み、読取装置41がびんの型番を読み取ったかどうかが判定される。
【0045】
もし、型番の読取が行われれば、制御部40は読取装置41の画像処理装置44より型番を受信するので、その受信した型番とメモリに記憶されている型番リストの各型番とを照合し、型番の一致があるかどうかを判定する(ST7)。
もし一致があれば、ST7の判定が「YES」となってST8へ進み、導出機構部42は、一致判定のあった型番のびんを第1の搬送路1から第2の搬送路2へ導出させる。
【0046】
導出されたびんが第2の搬送路2上を搬送されて待機部7に到達すると、びん検知センサ73がびんを検知するので、ST9の判定が「YES」となり、制御部40はそのびんの型番を制御装置5へ送信し(ST10)、型番リストから抽出済の型番を消去するなどの抽出済処理を実行する(ST11)。
【0047】
制御部40がびんの抽出要求信号を受信したとき、その抽出要求の対象が再検査のびんであると判定されると、ST4の判定が「YES」となってST12へ進み、制御部40は再検査の対象であるびんの型番をメモリに記憶させた後、タイマを始動させる(ST13)。この実施例では、再検査の対象であるびんが1分以内に抽出できなかったときは未検査の型番のびんを抽出するように構成されており、その時間を管理するために前記タイマに制限時間(1分)を設定している。
【0048】
つぎのST14では、読取装置41によるびんの型番の読み取りに待機しており、制御部40が読取装置41の画像処理装置44より型番を受信したとき、ST14の判定が「YES」となり、制御部40はその受信した型番とメモリに記憶されている再検査の対象であるびんの型番とを照合し、型番の一致があるかどうかを判定する(ST15,16)。
【0049】
もし一致があれば、ST16の判定が「YES」となってST8へ進み、導出機構部42は、一致判定のあった型番のびん(再検査のびん)を第1の搬送路1から第2の搬送路2へ導出させ、そのびんが待機部7に到達すると、ST9の判定が「YES」となるので、制御部40はそのびんの型番を制御装置5へ送信し(ST10)、メモリから型番を消去するなどの抽出済処理を実行する(ST11)。
【0050】
もし、再検査の対象であるびんが1分以内に抽出できなければ、タイマがタイムアップするので、ST17の判定が「YES」となってST18へ進む。そして、ST18において、読取装置41によるびんの型番が読み取られると、制御部40はその読み取られた型番とメモリに記憶されている型番リストの各型番とを照合し、型番の一致があるかどうかを判定する(ST19)。
もし一致があれば、ST20の判定が「YES」となってST8へ進み、導出機構部42は、一致判定のあった型番のびんを第1の搬送路1から第2の搬送路2へ導出させ、以下、同様の手順が実行される(ST9〜11)。
なお、図示していないが、20本のびんの抽出処理の完了後は、未検査の型番のびんは存在しないから、前記した1分の制限時間を設けずに、再検査の対象であるびんの抽出を実行することになる。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、再検査のために必要以上に長い待ち時間を必要とせずに再検査が可能であり、検査の結果を迅速に確定できる。しかも、常に一定数の容器を検査に待機させるので、検査機は連続して検査を行うことが可能であり、検査の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるびん検査装置の構成を示す説明図である。
【図2】制御装置による制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図4】サンプリング装置の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 第1の搬送路
2 第2の搬送路
3 検査機
4 サンプリング装置
5 制御装置

Claims (3)

  1. 複数種の容器を搬送する第1の搬送路と、検査の開始指令があったとき、第1の搬送路上を搬送される複数種の容器の中から全種類または特定の種類の容器をそれぞれ1個づつ抽出して第2の搬送路へ導き、再検査の容器の抽出要求があったとき、第1の搬送路上を搬送される複数種の容器の中から再検査が必要な種類の容器を優先して抽出して第2の搬送路へ導くサンプリング装置と、第2の搬送路が待機部を介して連通するように設置される検査機と、検査機による容器の検査結果を受けてサンプリング装置の動作を制御する制御装置とを備えており、前記制御装置は、検査すべき容器のうちの一定数の容器が前記待機部で検査に待機するように前記サンプリング装置の動作を適時要求するとともに、前記検査機による検査によって同種の容器の再検査が求められたとき、再検査が必要な種類の容器を優先して抽出することをサンプリング装置へ要求する容器検査装置。
  2. 第1の搬送路上を搬送される複数種の容器は、複数の金型のうちのいずれかの金型によって製造されたびんであり、各びんには、製造された金型の番号が付されている請求項1に記載された容器検査装置。
  3. 前記サンプリング装置は、第1の搬送路上を搬送される容器の種類を判別する判別部と、抽出すべき容器を第1の搬送路から第2の搬送路へ導出させる導出機構部と、抽出すべき容器の種類を記憶する記憶手段を有する制御部とを含んでおり、前記制御部は、前記判別部で判別された容器の種類が記憶手段に記憶されている容器の種類と一致するとき、前記制御装置からの容器の抽出要求を受けて前記導出機構部を動作させ、該当する容器を第1の搬送路から第2の搬送路へ導出させる請求項1または2に記載された容器検査装置。
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