JP3692060B2 - 垂直共振器型半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の一主面と垂直方向に光を出射する垂直共振器型半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板面に対して垂直方向に光を出射する垂直共振器型半導体レーザは、へき開なしに作成できること、二次元アレイ化が可能なこと、出射ビームを容易に円形化できることなど、基板端面から光を出射する端面発光型半導体レーザにはない特徴があり注目をされている。
【0003】
垂直共振器型半導体レーザの最も一般的な構造としては、半導体基板上に形成された発光層となる活性領域と、この活性層の上下に半導体分布ブラッグ反射型ミラー(以下、分布ブラッグ反射型ミラーをDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーと記載する。)を設け、この半導体DBRミラーの外側に形成した電極から、半導体DBRミラーを介して、電流を注入する構造がある。
【0004】
図6は、従来の垂直共振器型半導体レーザの断面構造図である。
【0005】
図6に示すように、この垂直共振器型半導体レーザは、n型GaAs基板408上に、組成の異なるAlGaAs層を交互に積層して形成されたn型DBRミラー407が形成されている。n型DBRミラー407上には、n型InGaAlPクラッド層406、InGaAlP系MQW活性層405、p型InGaAlPクラッド層404が順次形成されている。
【0006】
p型InGaAlPクラッド層404上には、組成の異なるAlGaAs層を交互に積層して形成されたp型DBRミラー403が形成されている。このp型DBRミラー403及びn型DBRミラー407は、組成すなわち屈折率の異なるAlGaAsを交互に積層してなる多層膜であり、それぞれの層の厚さは、その光学的膜厚が共振波長の4分の1となるように形成されている。そしてこれらのDBRミラーを反射鏡として光が共振することによってレーザ発振し、n型GaAs基板408の表面に対して垂直方向にレーザ光が出射される。また、DBRミラーの高屈折率層にはAl0.5Ga0.5As、低屈折率層にはAl0.95Ga0.05Asなどを用いればよい。
【0007】
p型DBRミラー403上には、p型GaAsコンタクト層402が形成されている。これらの半導体層は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法で順次結晶成長されている。
【0008】
p型DBRミラー403は、一部を除き選択的にプロトンが照射されることにより、電流狭窄のための高抵抗領域410が形成されている。そしてp型コンタクト層402上に、レーザ光を取り出すための出射窓を開口して形成されたp側電極401及びn型GaAs基板408裏面に形成されたn側電極409から電流を流し、活性層405に電流狭窄するようになっている。
【0009】
このような垂直共振器型半導体レーザは、端面発光半導体レーザと比べると、低電流で光出力が飽和して十分な光出力が得られないのみならず、周辺温度の上昇とともに急激に光出力が低下することがよく知られている。
【0010】
このような高温時に高出力動作が難しい理由として、比較的熱伝導度の小さい材料で構成されるDBRミラーの厚さが厚いために、活性層付近で通電により発生した熱が逃げにくいという問題が上げられる。
【0011】
活性層で通電により発生した熱を逃す方法として、p側電極401上に金属のメッキを形成して放熱させる方法や、基板表面側をヒートシンクにマウントする方法が知られている。
【0012】
しかしながら上述した方法によっても、十分な放熱性が得られず、依然として温度上昇と共に急激に光出力が低下する問題がある。
【0013】
このような問題は、活性層405でのキャリアのオーバーフローが顕著で、十分な温度特性の得られにくい、赤色波長帯や1.3ミクロン〜1.55ミクロンの長波長帯の垂直共振器型半導体レーザにおいて特に深刻である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の垂直共振器型半導体レーザでは、活性層付近で通電により発生した熱が逃げにくく、注入電流の増大とともに活性層の温度が上昇するため、高出力動作が困難であるという問題があった。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、活性層で発生した熱を効果的に逃し、高出力動作に優れた垂直共振器型半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、第 1 導電型基板と、
前記第 1 導電型基板上に形成された第 1 導電型半導体分布ブラッグ反射ミラーと、
前記第 1 導電型半導体分布ブラッグ反射ミラー上に形成された第 1 導電型クラッド層と、
前記第 1 導電型クラッド層上に形成された半導体活性層と、
前記半導体活性層上に形成された第2導電型クラッド層と、
前記第2導電型クラッド層上に形成され、中央が突出した第1領域とこの第1領域の周囲に一体に形成され前記第1領域より薄い第2領域からなる第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第1ミラーと、
前記第2領域上に形成され、表面が前記第1領域の表面と同一面である高抵抗領域と、
底面が前記第1領域及び前記高抵抗領域の各表面に接する如く形成された第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第2ミラーと、
前記第1導電型基板に接続された第1電極層と、
前記第 2 導電型半導体分布ブラッグ反射型第 2 ミラーの側面及び前記高抵抗領域表面に接続された第 2 電極層とを具備することを特徴とする垂直共振器型半導体発光素子を提供する。
【0017】
このとき、前記第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第1ミラーの前記第1領域は第1の直径を有する円柱状であって、前記第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第2ミラーは、前記第1領域と同心であってかつ前記第1領域より径大の第2の直径を有する円柱状であることが好ましい。
【0021】
また、前記半導体活性層は、In1−x(Ga1−yAly)xP系材料が用いられ、発光波長が620nm以上690nm以下であることが好ましい。
【0022】
この垂直共振器型半導体発光素子は、発光領域の周辺部において、分布ブラッグ半導体多層膜の厚さが薄くなっており、この部分に金属電極が形成されているので、熱伝導の良い金属電極と発熱部との距離を従来のものよりも短くでき、活性層付近で発生した熱を逃げやすくできる。したがって、高い電流注入時にも活性層の温度上昇を抑制することができ、高出力動作が可能となる。
【0023】
また、電極上に、厚い金属メッキを施すことで、より効率よく熱を逃がすことが可能となる。
【0024】
また、電極を下にしてヒートシンク上にマウントし、基板側から光を取り出す構成とすれば、通電により発生した熱を、より効率よく逃がすことが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる垂直共振器型半導体発光素子の概略構成を示す断面図である。本実施形態では、発振波長が665nmの赤色面発光レーザについて説明する。
【0026】
図1に示すように、この垂直共振器型半導体発光素子は、n型GaAs基板109と、このn型GaAs基板109の表面上に形成されたAlGaAs系のn型DBRミラー108と、このn型DBRミラー108上に形成されたn型InGaAlPクラッド層107と、このn型InGaAlPクラッド層107上に形成されたInGaAlP系MQW活性層106と、この活性層106上に形成されたp型InGaAlPクラッド層105と、このp型InGaAlPクラッド層105上に形成されたAlGaAs系のp型DBRミラー104と、このp型DBRミラー104上に形成されたp型GaAsコンタクト層103とを具備している。
【0027】
n型DBRミラー108及びp型DBRミラー104は、、組成の異なるAlGaAs層を交互に積層して形成されている。このn型DBRミラー108及びp型DBRミラー104は、組成すなわち屈折率の異なるAlGaAsを交互に積層してなる多層膜であり、それぞれの層の厚さは、その光学的膜厚が共振波長である665nmの4分の1となるように形成されている。そしてこれらのDBRミラーを反射鏡として光が共振することによってレーザ発振し、n型GaAs基板109の表面に対して垂直方向にレーザ光が出射される。また、DBRミラーの高屈折率層にはAl0.5Ga0.5As、低屈折率層にはAl0.95Ga0.05Asなどを用いればよい。
【0028】
p型DBRミラー104の周辺部は、プロトンを選択的にイオン注入して形成した電流狭窄部である高抵抗領域111が設けられている。そしてp型DBRミラー104の周辺部には、高抵抗領域111に達するまで凹部がエッチングにより形成されている。この凹部上には、p側電極101が形成されている。そしてn型GaAs基板109の裏面上には、n側電極110が形成されている。
【0029】
活性層106には、InGaAlP系多重量子井戸構造を用いており、室温での発光ピーク波長が約655nmとなるように調整されている。
【0030】
次に、この垂直発振器型半導体発光素子の製造方法について説明する。
【0031】
先ず、n型GaAs基板109上に、MOCVD法により、AlGaAs系n型DBRミラー108を結晶成長する。光学膜厚が共振波長(665nm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.98Ga0.02As層と高屈折率のAl0.5Ga0.5As層を交互に積層した。ここではAl0.98Ga0.02As層から結晶成長を開始して、50.5周期(1周期はAl0.98Ga0.02As層/Al0.5Ga0.5As層)繰り返して最終層をAl0.98Ga0.02As層とした。
【0032】
次に、n型DBRミラー108上に、MOCVD法により、n型InGaAlPクラッド層107、発光ピーク波長が655nmとなるように調整されたInGaAlP系MQW活性層106、p型InGaAlPクラッド層105を順次結晶成長する。
【0033】
次に、p型InGaAlPクラッド層105上に、MOCVD法により、AlGaAs系p型DBRミラー104を結晶成長する。光学膜厚が共振波長(665nm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.98Ga0.02As層と高屈折率のAl0.5Ga0.5As層を交互に積層した。ここではAl0.98Ga0.02As層から結晶成長を開始して、30周期(1周期はAl0.98Ga0.02As層/Al0.5Ga0.5As層)繰り返して最終層をAl0.5Ga0.5As層とした。
【0034】
次に、p型DBRミラー104上に、MOCVD法により、p型GaAsコンタクト層103を結晶成長する。このときp型GaAsコンタクト層103の厚さは、吸収によるロスを十分小さくするために約5nmとした。
【0035】
次に、発光領域となる直径15μmの円形領域を除いた領域に選択的にプロトンをイオン注入して高抵抗領域111を形成する。このときイオン注入の加速電圧は350kVとし、ドーズ量は3×1015cm−2とした。
【0036】
次に、発光領域と同心で、内径が20μmで外径が40μmの領域を、高抵抗領域111に達するように深さ2μm選択的にエッチングする。
【0037】
次に、真空蒸着とリフトオフプロセスにより、先の工程で形成された同心円状の凹部を含む領域上にp側電極101を形成する。このとき発光領域となる直径15μmの円形領域の上部に直径10μmの開口部を有するようにp側電極101を形成する。この電極開口部からレーザ光を取り出すためである。
【0038】
次に、このようにして形成されたp側電極101上に、厚さ約10μmの金メッキを施し、メッキ電極102を形成する。
【0039】
次に、厚さが約100μm程度となるように、n型GaAs基板109の裏面を研磨し、この裏面にn側電極110を形成する。
【0040】
図2は、このようにして形成した垂直共振器型半導体発光素子のp側電極101上から見た上面図である。
【0041】
この垂直共振器型半導体発光素子のチップサイズは、400μm×400μmとし、レーザ光が出射するp側電極101の開口部は直径が10μmの円形形状であり、金メッキ電極102は300μm×300μmのサイズで、発光領域として形成した中心の直径20μmの領域を除く領域に形成されている。
【0042】
図2に示す垂直共振器型半導体発光素子では、さらに、放熱性を向上するために、素子の外部と電気接続を複数の金ワイア113(ここでは8本)により行うようにした。
【0043】
このようにして作製した垂直共振器型半導体発光素子は、発光領域の周辺部において、電流狭窄部である高抵抗領域111に達するように凹部が形成され、この部分にp側電極101が形成されている。したがって凹部を形成しない従来の図6に示す構造と比較して、発光領域であるpn接合部とp側電極101との距離が短いために、電流注入により発生した熱は、同心円状に形成された凹部から側面付近の金属電極101に向かって横方向に効率よく流れる。したがって、素子の熱抵抗が従来よりも大幅に低減し、通電による発熱が抑制され、高電流注入時にも活性層の温度はさほど上昇せず、高出力動作が可能となる。
【0044】
なお、素子の放熱性は、エッチングにより形成した同心円状の凹部の深さに依存する。
【0045】
図3に、図1及び図2に示した垂直共振器型半導体発光素子における最高連続レーザ発振温度の凹部(溝)の深さ依存性を示す。
【0046】
図3に示すように、溝の深さが深くなるほど最高連続レーザ発振温度が高くなっている様子がわかる。しかしながら溝の深さが1.5μm程度以上あれば放熱性改善の効果が十分に得られることがわかる。なお、この1.5μmの深さはp型DBRミラー104の厚さ約3μmの約2分の1に相当する。
【0047】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係わるの垂直共振器型半導体発光素子の概略構成を示す断面図である。この実施形態も第1の実施形態と同様に、発振波長が665nmの赤色面発光レーザである。
【0048】
この実施形態では、第1の実施形態で説明した垂直共振器型半導体発光素子のp側電極210を下にして、ヒートシンクであるサブマウント213上に、はんだ材212によってマウントした構造となっている。
【0049】
このときp側電極210は、発光領域に該当する領域を開口せずに、n側電極201を開口した。
【0050】
次に、この垂直共振器型半導体発光素子の製造方法について説明する。
【0051】
先ず、GaAs基板(図示せず)上に、p型GaAsコンタクト層209、AlGaAs系p型DBRミラー208、p型InGaAlPクラッド層207、発光ピーク波長が655nmとなるように調整されたInGaAlP系MQW活性層206、n型InGaAlPクラッド層205、AlGaAs系n型DBRミラー204、n型InGaAlP接着層203をMOCVD法により順次結晶成長する。
【0052】
このとき、AlGaAs系p型DBRミラー208は、光学膜厚が共振波長(665nm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.98Ga0.02As層と高屈折率のAl0.5Ga0.5As層を交互に積層した。ここではAl0.98Ga0.02As層から結晶成長を開始して、50.5周期(1周期はAl0.98Ga0.02As層/Al0.5Ga0.5As層)繰り返して最終層をAl0.98Ga0.02As層とした。
【0053】
また、AlGaAs系n型DBRミラー204は、光学膜厚が共振波長(665nm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.98Ga0.02As層と高屈折率のAl0.5Ga0.5As層を交互に積層した。ここではAl0.98Ga0.02As層から結晶成長を開始して、30周期(1周期はAl0.98Ga0.02As層/Al0.5Ga0.5As層)繰り返して最終層をAl0.5Ga0.5As層とした。
【0054】
次に、この結晶成長したp型GaAs基板とn型GaP基板202とを、n型InGaAlP接着層203がn型GaP基板と接着するようにして接着したあと、p型GaAs基板をエッチング除去する。このとき、基板接着は500℃で10分間の熱処理を施した。また、n型GaAs基板のエッチングは硫酸系エッチャントを用いたウエットエッチングを用いて行った。
【0055】
次に、発光領域となる直径10μmの円形領域を除いた領域に選択的にプロトンをイオン注入して高抵抗領域211を形成する。このとき、イオン注入の加速電圧は400kVとし、ドーズ量は5×1015cm−2とした。
【0056】
次に、発光領域と同心で、内径が15μmで外径が35μmの領域を、高抵抗領域211に達するように深さ2.5μm選択的にエッチングする。
【0057】
次に、真空蒸着により、先の工程で形成された同心円状の凹部を含む領域上にp側電極210を形成する。
【0058】
厚さが約100μm程度となるようにn型GaP基板202を研磨する。次に、発光領域を開口するように中央部に直径30μmの開口を設けたn側電極201を形成する。さらに、作成したウエハを個々のチップに分割した後に、エッチング溝が半田材212により完全に埋まるように、サブマウント213上にマウントすることにより、図4に示す垂直共振器型発光素子を形成する。
【0059】
この垂直共振器型発光素子においても、第1の実施形態と同様に、電流注入により発生した熱は、同心円上の溝から側面付近の金属電極210に向かって横方向に効率よく流れる。さらに、この電極210はヒートシンク接続したサブマウント213にボンディングされているので、よりいっそう放熱性の優れた素子を得ることができる。
【0060】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係わるの垂直共振器型半導体発光素子の概略構成を示す断面図である。本実施形態では、発振波長が1.3μmの面発光レーザを説明する。
【0061】
この実施形態は、活性層306に室温での発光ピーク波長が1.28μmGaInNAs系量子井戸構造を用いた。この垂直共振器型半導体発光素子の製造方法について以下に説明する。
【0062】
先ず、n型GaAs基板309上に、MOCVD法により、AlGaAs系n型DBRミラー308を結晶成長する。光学膜厚が共振波長(1.3μm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.8Ga0.2As層と高屈折率のAl0.2Ga0.8As層を交互に積層した。ここではAl0.8Ga0.2As層から結晶成長を開始して、30.5周期(1周期はAl0.8Ga0.2As層/Al0.2Ga0.8As層)繰り返して最終層をAl0.8Ga0.2As層とした。
【0063】
次に、n型DBRミラー308上に、MOCVD法により、n型AlGaAsクラッド層307、発光波長のピークが1.28μmとなるように調整されたGaInNAs/GaAs系MQW活性層306、p型AlGaAsクラッド層305を順次結晶成長する。
【0064】
続いて、p型AlGaAsクラッド層305上に、第1のAlGaAs系p型n型DBRミラー304を形成する。第1のp型DBRミラー304は、光学膜厚が共振波長(1.3μm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.8Ga0.2As層と高屈折率のAl0.2Ga0.8As層を交互に積層した。ここではAl0.8Ga0.2As層から結晶成長を開始して、10周期(1周期はAl0.8Ga0.2As層/Al0.2Ga0.8As層)繰り返して最終層をAl0.2Ga0.8As層とした。
【0065】
次に、成長装置から基板を取り出し、発光領域となる直径10μmの円形領域を除いた領域に選択的にプロトンをイオン注入して高抵抗領域311を形成する。このときイオン注入の加速電圧は200kVとし、ドーズ量は1×1015cm−2とした。
【0066】
次に、発光領域と同心で、内径が15μmで外径が35μmの高抵抗領域311上の領域にSiO2膜(図示せず)を設ける。
【0067】
次に、再び成長装置に基板を導入し、p型AIGaAsクラッド層305及び高抵抗領域311上に、CBE(Chemical Beam Epitaxy)法により、AlGaAs系p型DBRミラー303を結晶成長し、続いてp型GaAsコンタクト層302を結晶成長する。p型DBRミラー303は、光学膜厚が発光波長(1.3μm)の1/4波長となるように低屈折率のAl0.8Ga0.2As層と高屈折率のAl0.2Ga0.8As層を交互に積層した。ここではAl0.8Ga0.2As層から結晶成長を開始して、12周期(1周期はAl0.8Ga0.2As層/Al0.2Ga0.8As層)繰り返して最終層をAl0.2Ga0.8As層とした。
【0068】
このときマスクとして働くSiO2膜の上には、結晶は成長しないため、発光部の上部に位置するp型DBRミラー303は円柱状の形状となり、基板表面にはリング状の溝(凹部)が形成されることになる。この溝は、高抵抗領域311に達する深さとなる。
【0069】
次に、マスクとして用いたSiO2膜を除去してから、円形の電流狭窄部である高抵抗領域311と同心で、内径が10μmで外径が200μmのリング領域にp側電極301を形成する。このとき、リング状の溝の内壁はp側電極301で完全に覆われている。
【0070】
次に、基板を約100μmの厚さまで研磨してから、n側電極310を形成して素子が完成する。
【0071】
このようにして作製した垂直発振器型半導体発光素子は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、発光領域の周辺部において、電流狭窄部のpn接合部とp側電極との距離が短いために、電流注入により発生した熱は、リングの溝から側面付近の金属電極に向かって横方向に効率よく流れる。
【0072】
したがって、素子の熱抵抗が従来よりも大幅に低減し、通電による発熱が抑制され、高電流注入時にも活性層の温度はさほど上昇せず高出力動作が可能となる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、熱抵抗が小さく、高出力動作に優れた垂直共振器型半導体発光素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係わる垂直共振器型半導体発光素子の概略構成を示す断面図。
【図2】 第1の実施形態に係わる垂直共振器型半導体発光素子の上面図。
【図3】 最高連続発振温度のエッチング溝深さ依存性を示す図。
【図4】 第2の実施形態に係わる垂直共振器型半導体発光素子の概略構成図。
【図5】 第3の実施形態に係わる垂直共振器型半導体発光素子の概略構成図。
【図6】 従来の垂直共振器型半導体発光素子の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
101、210、301、401…p側電極
102…メッキ電極
103、209、302、402…p型GaAsコンタクト層
104、208、403…AlGaAs系p型DBRミラー
105、207、404…p型AlGaAsクラッド層
106、206、405…InGaAlP系量子井戸構造活性層
107、205、406…n型InGaAlPクラッド層
108、204、308、403…AlGaAsn型DBRミラー
109、309、408…n型GaAs基板
113…金ワイヤ
110、201、310、409…n側電極
111、211、311、410…高抵抗領域
202…n型GaP基板
203…n型InGaAlP接着層
212…半田材
213…サブマウント
303…AlGaAs系p型DBRミラー
304…AlGaAs系p型DBRミラー
305…p型AlGaAsクラッド層
306…GaInNAs/GaAs系量子井戸構造活性層
307…n型AlGaAsクラッド層
Claims (2)
- 第 1 導電型基板と、
前記第 1 導電型基板上に形成された第 1 導電型半導体分布ブラッグ反射ミラーと、
前記第 1 導電型半導体分布ブラッグ反射ミラー上に形成された第 1 導電型クラッド層と、
前記第 1 導電型クラッド層上に形成された半導体活性層と、
前記半導体活性層上に形成された第2導電型クラッド層と、
前記第2導電型クラッド層上に形成され、中央が突出した第1領域とこの第1領域の周囲に一体に形成され前記第1領域より薄い第2領域からなる第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第1ミラーと、
前記第2領域上に形成され、表面が前記第1領域の表面と同一面である高抵抗領域と、
底面が前記第1領域及び前記高抵抗領域の各表面に接する如く形成された第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第2ミラーと、
前記第1導電型基板に接続された第1電極層と、
前記第 2 導電型半導体分布ブラッグ反射型第 2 ミラーの側面及び前記高抵抗領域表面に接続された第 2 電極層とを具備することを特徴とする垂直共振器型半導体発光素子。 - 前記第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第1ミラーの前記第1領域は第1の直径を有する円柱状であって、前記第2導電型半導体分布ブラッグ反射型第2ミラーは、前記第1領域と同心であってかつ前記第1領域より径大の第2の直径を有する円柱状であることを特徴とする請求項1記載の垂直共振器型半導体発光素子。
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