JP3691921B2 - プロピレン系ブロック共重合体の連続製造法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の連続製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体性状に優れたプロピレン系ブロック共重合体の連続製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ポリプロピレンの耐衝撃性を改良する方法としては、(1)少量のα−オレフィンを共重合する方法、(2)ゴム質成分を機械的にブレンドする方法、(3)プロピレンを主成分とする重合を行い(第1段階重合工程)、ついで、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重合させる(第2段階重合工程)、いわゆるブロック共重合を行う方法などが知られている。
【0003】
しかしながら、(1)の方法は、耐衝撃性の改良効果の割に剛性の低下が大きく、結果的に剛性と耐衝撃性のバランスが悪くなるという問題点があるようである。また、(2)の方法においては、剛性と耐衝撃性のバランスは改良されるものの、ブレンドに用いられるゴム質成分が一般に高価であるため、コスト的に不利にならざるを得ない。
【0004】
こうした背景をふまえ、結晶性ポリプロピレンの耐衝撃性を改良する方法としてもっともよく用いられているのは、(3)の方法である。ブロック共重合は、プロピレンを主成分とするブロックからなる樹脂質成分の存在下に、プロピレンとエチレン等の共重合体ブロックからなるゴム質成分を生成させることからなっていて、両成分の配合を引き続く重合によって行うことから、ケミカルブレンドとも呼ばれて賞用されている。
【0005】
ところで、近年、ブロック共重合体の性能に対する要求水準が高まり、従来にも増してゴム質成分の含量の高いブロック共重合体への需要が高まりつつある。こうしたゴム質成分の含量の高い重合体を連続プロセスで製造できれば、大きなコストメリットを得ることができる。
【0006】
しかしながら、ゴム質成分の含量の高い重合体を製造すると、重合体表面にゴム質成分の一部がブリードし、重合体粒子の流動性が悪化するのが普通である。こうした粒子流動性の悪化が生じると、重合体を反応器から抜き出す際の抜き出し不良や、反応器内の塊状化、シーティング等が起きやすくなり、運転トラブルの原因となることが多い。
【0007】
そこで、プロピレン系ブロック共重合体の粒子流動性を改良する手法として、ゴム質成分の重合の段階で、ある種の助剤を供給する方法がよく用いられている。
【0008】
例えば、特開昭55−115417号においては、第3級アミン、ケトン、エーテル、エステル、酸アミド、リン酸アミドを供給する技術が、特開昭57−147508号においては、ハロゲン含有アルミニウム化合物を供給する技術が、特開昭61−69821号においては、アルコールを供給する技術が、特開昭62−116618号においては、グリコールエーテルを供給する技術が、特開平1−152116号においては、硫化水素を供給する技術が、それぞれ提案されている。
【0009】
しかしながら、本発明者らの知見によると、マグネシウム化合物担持型の高活性触媒を使用した場合には、単なる助剤の供給だけで粒子流動性を改良しようとすると、ゴム質成分の重合活性を著しく低下させる必要があった。ゴム質成分の重合活性が著しく下がると、ゴム質成分の含量の高いブロック共重合体の製造が困難になるばかりでなく、第1段階重合工程と第2段階重合工程との活性のバランスがくずれ、その結果、ゴム質成分を所定量含有する共重合体を製造する際に、生産レートを下げざるを得なくなるという不都合が生じる。
このように、ブロック共重合体の粉体性状改良に関する従来技術は、コスト、物性等の面でさまざまな問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い生産性を維持して、かつ低コストで、ゴム質成分の含有量の高い、粉体性状に優れたプロピレン系ブロック共重合体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、第1段階重合工程から第2段階重合工程に移送する重合体の平均粒径を大きくすることにより、プロピレン系重合体の粒子流動性が改良されることを見い出した。本発明は、この知見に基づくものである。すなわち、本発明は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物を含む固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子供与性化合物からなる立体規則性触媒の存在下、プロピレンを主成分とするα−オレフィンの重合を、液体プロピレンを主成分とする媒体及び水素の存在下に、単独の重合槽で行う第1段階重合工程と、第1段階重合工程で得られた重合体をプロピレン・α−オレフィン共重合槽に送り、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合を、第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に、実質的に気相中で行う第2段階重合工程とからなるプロピレン系ブロック共重合体の連続製造法であって、第1段階重合工程に送られる立体規則性触媒がプロピレンで処理されており、第1段階重合工程から第2段階重合工程に送られる重合体の平均粒径が、600〜3000μmであり、粒径300μm以下の重合体が25重量%以下であり第1段階重合工程における平均触媒効率(平均CE)が20000〜200000g/gであり、かつ、第2段階重合工程におけるプロピレン・α−オレフィン共重合体の重合を、活性水素化合物の存在下で行い、該活性水素化合物の供給量を、供給される有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対して、1.0モル比より大とすることを特徴とする、プロピレン系ブロック共重合体の連続製造法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によるブロック共重合体の製造法は、基本的には、プロピレンを主成分とするα−オレフィン重合体を生成させる工程(第1段階重合工程)と、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンの共重合体を生成させる工程(第2段階重合工程)とからなるものであって、第1段階重合工程から第2段階重合工程に供給される重合体の平均粒径に関する要件の充足を要件とするものである。
【0013】
この要件は、主として、第2段階重合工程において、比較的に粒径が大きい重合体を用いてゴム質成分の重合を行うことに関する要件である。
なお、本発明において「第1段階重合工程と第2段階重合工程からなる」とは、他の工程の付加を排除するものではなく、合目的な他の工程を結合させることができる。
【0014】
1)第1段階重合工程
第1段階重合工程における重合工程では、プロピレンを主成分とする重合が行われる。すなわち、プロピレン単独重合、またはプロピレンと少量のα−オレフィン(エチレンを包含する)との共重合が行われる。共重合を行う場合のα−オレフィンとしては、炭素数2〜18のもの、特に2〜8のもの、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを挙げることができる。これらのうち、エチレン、および1−ブテンが好ましい。一般に、このα−オレフィンの共重合量を増やすと、ブロック共重合体の透明性や耐白化性などの改良効果が増大するが、多すぎると成形体の剛性や耐熱性が損なわれるため、通常は、第1段階重合工程における重合量にしめるα−オレフィンの重合量は、5重量%以下、好ましくは、3重量%以下とするのが普通である。
【0015】
この第1段階重合工程の重合は、重合槽に立体規則性触媒、あるいはこれを構成する各種成分、例えば、固体触媒成分、共触媒、必要に応じて電子供与性化合物、あるいはこれらの接触物、およびモノマー、すなわちプロピレン、場合によりさらに、プロピレン以外のα−オレフィン、および水素を連続的に供給することによって行われる。
【0016】
(1)立体規則性触媒
本発明での立体規則性触媒は、固体触媒成分と有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子供与性化合物からなるものである。ここで、「からなる」とは、上記主成分以外に合目的な各種成分が含まれてなるものをも包含するものである。
【0017】
本発明での立体規則性触媒は、従来のこの種の立体規則性触媒と本質的に異なるものではない。固体触媒成分と有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子供与性化合物からなる立体規則性触媒は公知(例えば、特開昭56−811号、特開昭58−83006号、特開平4−218507号、特開平6−25338号、特開昭57−63311号、特開昭61−213208号、特開昭62−187706号、特開平5−331233号、特開平5−331234号、特開昭63−289004号、特開平1−319508号、特開昭52−98706号、特開平1−54007号、および、特開平3−72503号参照)であるので、本発明では、このような立体規則性触媒の中から適宜選択して、あるいは適当な処理に付した後に使用することができる。
本発明で用いられる固体触媒成分(a)として次のものを挙げることができる。
【0018】
a.固体触媒成分
本発明で使用する固体触媒成分は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物を含むものである。
固体触媒成分中のマグネシウムは、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、ヘキソキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムのような、アルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;メトキシマグネシウム、エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、n−ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、メチルフェノキシマグネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマグネシウムのカルボン酸塩などから得ることができる。なお、これらのマグネシウム化合物は、単独で用いても良いし、混合物を用いても良い。
【0019】
固体触媒成分中のチタンは、通常Ti(OR)g 4-g (Rは炭化水素基、Xはハロゲン、gは、0≦g≦4なる数を示す)で示される4価のチタン化合物、具体的には、TiCl4 、TiBr4 、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH3 )Cl3 、Ti(OC25 )Cl3 、Ti(O−n−C49 )Cl3 、Ti(O−i−C49 )Cl3 、Ti(OCH3 )Br3 、Ti(OC25 )Br3 、Ti(O−n−C49 )Br3 、Ti(O−i−C49 )Br3 などのトリハロゲン化アルコキシチタン、Ti(OCH32 Cl2 、Ti(OC252 Cl2 、Ti(O−n−C492 Cl2 、Ti(O−i−C492 Cl2 、Ti(OCH32 Br2 、Ti(OC252 Br2 、Ti(O−n−C492 Br2 、Ti(O−i−C492 Br2 などのジハロゲン化アルコキシチタン、Ti(OCH33 Cl、Ti(OC253 Cl、Ti(O−n−C493 Cl、Ti(O−i−C493 Cl、Ti(OCH33 Br、Ti(OC253 Br、Ti(O−n−C493 Br、Ti(O−i−C493 Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン、Ti(OCH34 、Ti(OC254 、Ti(O−n−C494 、Ti(O−i−C494 などのテトラアルコキシチタン;あるいはこれらの混合物、あるいは、これらとアルミニウム化合物、ケイ素化合物、硫黄化合物、他の金属化合物、ハロゲン化水素、ハロゲン等との混合物によって、ハロゲンは、上記の一般式Ti(OR)g 4-g (Rは炭化水素基、Xはハロゲン、gは、0≦g≦4なる数を示す)で示される4価のチタン化合物や、ハロゲン化水素、ハロゲン等によって導入することが普通である。
【0020】
固体触媒成分中の電子供与性化合物は、この種の固体触媒成分の製造に用いられる通常公知の化合物を使用することができる。一般的には、含酸素化合物、および(または)含窒素化合物が好ましい。含酸素化合物としては、一般に、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコキシシラン類を挙げることができる。含窒素化合物としては、アミン類、アミド類、ニトロソ化合物類を挙げることができる。
【0021】
b.有機アルミニウム化合物
立体規則性触媒の共触媒である有機アルミニウム化合物は、合目的な任意のものを用いることができる。具体的には、(イ)トリアルキルアルミニウム、例えば、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜12のもの、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシルアルミニウム、(ロ)ハロゲン含有有機アルミニウム化合物、具体的には上記のトリアルキルアルミニウムのアルキル基の1個または2個がハロゲン、例えば塩素、臭素等で置換されたもの、例えば、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキアルミニウムクロライド、(ハ)ヒドリド含有有機アルミニウム化合物、具体的には上記のトリアルキルアルミニウムのアルキル基の1個または2個が水素で置換されたもの、例えば、ジエチルアルミニウムヒドリド、(ニ)アルコキシサイド含有有機アルミニウム化合物、具体的には上記のトリアルキルアルミニウムのアルキル基の1個または2個がアルコキシ基(アリールオキシ基を包含する)、特に炭素数1〜8程度のもので置換されたもの、例えばジメチルアルミニウムメトキサイド、ジエチルアルミニウムメトキサイド、ジエチルアルミニウムフェノキサイド、(ホ)アルミノキサン(アルモキサンとも言う)、具体的にはアルキル基が炭素数1〜12であるアルキルアルミノキサン、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンなどを挙げることができる。また、これらは各群内および(または)各群間で複数用いることもできる。
【0022】
有機アルミニウム化合物の使用量について特に制限はないが、通常は、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムと、固体触媒成分中のチタンとのモル比が、0.1〜10000、好ましくは、10〜5000、さらに好ましくは、50〜2000となるように使用する。
【0023】
c.電子供与性化合物
必要に応じて用いられる電子供与性化合物も、この種の立体規則性触媒において用いられているものを用いることができる。本発明においては、含酸素化合物、および(または)含窒素化合物を好ましいものとして挙げることができる。
含窒素化合物としては、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ピリジン、ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのようなアミン類およびその誘導体、また、3級アミン、ピリジン類、キノリン類のN−オキシドのようなニトロソ化合物を挙げることができる。
含酸素化合物としては、一般に、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコキシシラン類を挙げることができる。
【0024】
(イ)エーテル類としては、エーテル酸素と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ましくは4〜12程度のものであって、エーテル酸素をその内部に有するものの、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなどを、(ロ)ケトン類としては、ケトンカルボニル基と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ましくは4〜12程度のもの、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどを、(ハ)エステル類としては、カルボン酸部分がアリールないしアラルキルカルボン酸(アリール基ないしアリール部分はフェニルまたは低級(C1 〜C4 程度)アルキルおよび(または)低級(C1 〜C4 程度)アルコキシ置換フェニルが好ましく、アラルキル基のアルキル部分は、C1 〜C6 程度が好ましく、カルボキシル基は1〜3個程度が好ましい)、または脂肪族カルボン酸(カルボキシル基(1〜3個程度)以外の部分が炭素数1〜20程度、好ましくは2〜12程度のエーテル酸素を含んでいても良い脂肪族炭化水素残基であるもの)であり、アルコール部分が炭素数1〜8程度、好ましくは1〜4程度のもの(上記のカルボン酸の対応ヒドロキシ置換誘導体の分子内エステルを包含する)、例えば、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブなどを、(ニ)アルコキシシラン類としては、アルコキシ基(アリールオキシ基を包含するものとし、炭素数1〜18程度、なかでも1〜4程度が好ましい)を少なくとも1個持ち、ケイ素原子の残りの原子価がアルキル基、アリール基またはアラルキル基(これらの一般的説明は、前記のそれと同じである)であるもの、テトラメトキシシラン、エチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、1−メチルシクロトリメトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、t−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルメチルジメトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルトリエトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルジエトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルメチルジエトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。
【0025】
これらの化合物のうち、好ましく用いられるのは、ピペリジン類、または、アルコキシシラン類であり、特に好ましくはアルコキシシラン類である。
これらの化合物の使用量に制限はないが、通常は、共触媒として使用する有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対するモル比で、0〜10、好ましくは、0〜2となるように使用する。また、複数の電子供与性化合物を上記の各群内および(または)各群間で選んで用いることができる。
【0026】
d.立体規則性触媒の調製固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて用いられる電子供与性化合物の各触媒成分は、重合槽中であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下で互いに接触し、この接触によって、本発明の立体規則性触媒が形成される。
【0027】
各触媒成分は、重合槽に独立に供給しても良いし、任意の各成分を接触させたうえで供給しても良い。この場合、接触方法は任意である。すなわち各成分を同時に接触させても良いし、任意の各成分を逐次接触させても良い。これらの各成分を重合槽に供給する方法については、特に制限はない。プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒に溶解もしくは懸濁させて供給しても良いし、実質的にこれらの不活性炭化水素溶媒を使用することなく、直接供給することもできる。
【0028】
(2)重合
本発明において、第1段階重合工程における重合は、プロピレンを主成分とする重合が行われる。重合方法としては、液体プロピレンを主媒体とするバルク重合方法が、第1段階重合工程において、短時間で高い触媒効率が得られるため、コスト上有利であり、また重合体と未反応プロピレンの分離が容易であるので、好ましい。
【0029】
本発明において、重合温度に特に制限はないが、通常、40〜120℃、好ましくは、50〜90℃で行われる。圧力にも特に制限はないが、通常1〜100atm、好ましくは、5〜40atmの圧力で行われる。
また、重合は分子量調節のために、水素の存在下で行われる。水素を使用する際の重合槽への水素の供給量に特に制限はなく、所望のメルトフローレート(以下、MFRと称する)を得るために必要な水素を供給することができる。
【0030】
第1段階重合工程で得られるプロピレン系重合体のMFRは、任意に設定できるが、通常は成形性を考慮して、MFR=0.1〜3000g/10min、好ましくは、1〜300g/10minとなるように重合条件を設定する。
第1段階重合工程の重合体生成量が、最終的に得られる重合体中にしめる割合に特に制限はない。しかし、剛性と耐衝撃性のバランスを考慮すると、30〜95重量%、なかんずく50〜93重量%となるようにするのが好ましい。すなわち、第2段階重合工程におけるプロセス性能を考慮して、このような比率になるように、第1段階重合工程における運転条件を設定する。
【0031】
第1段階重合工程における平均滞留時間は、0.1〜8時間、好ましくは、0.5〜5時間、さらに好ましくは、0.7〜3.0時間程度になるように設定する。ここで、平均滞留時間は、第1段階重合工程における重合体滞留量を、単位時間あたりに第1段階重合工程から第2段階重合工程に抜き出す重合体量で割ったものである。
【0032】
本発明においては、第1段階重合工程から抜き出され、第2段階重合工程に送られる重合体の平均粒径が600〜3000μmであることが必要である。また、平均粒径が上記範囲内であっても、極端に小さい粒子が多すぎると、本発明の目的が達成されにくいため、300μm以下のものが25重量%以下である。
【0033】
平均粒径を上記範囲にするには、平均CE値を調整する方法が挙げられる。ここで、CEとは触媒効率を表し、単位固体触媒重量あたりの生成重合体量を意味する。即ち、重合に用いる固体触媒成分の平均粒径が既知であり、かつ、該固体触媒成分と生成重合体の間にレプリカ則が成り立つ場合には、下記式を用いて、本発明の要件を満たすのに必要な平均CE値を計算することができる。
【0034】
【数1】
Figure 0003691921
【0035】
ここで、DP は第2段階重合工程に送られる重合体の平均粒径、DCAT は固体触媒成分の平均粒径、ρCAT は固体触媒成分の密度、ρPPは第2段階重合工程に送られる重合体の密度を表す。
また、レプリカ則にしたがう場合には、固体触媒成分の粒径を直接求めずに、以下の式で必要なCEを設定することも可能である。
【0036】
【数2】
Figure 0003691921
【0037】
ここで、DP (1) は、CE(1) における重合体の平均粒径を表し、DP (2)は、CE(2) における重合体の平均粒径を表す。この式を用いれば、いったんCEと平均粒径の関係を求めておけば、任意の粒径に対する必要CEを求めることができる。
本発明では、これらの式にもとづいて、必要なCEが得られるように、温度,圧力,平均滞留時間などの重合条件を調節する。なお、本発明においては、重合体の平均粒径として、標準ふるいによる重量平均粒径を使用した。
【0038】
尚、平均CEが低い場合には、触媒コストが上がるばかりでなく、最終的に得られる重合体に含まれる触媒残渣が多くなるため、重合体の熱安定性や耐候性が低下する欠点がある。これを防止するためには、添加剤のフィード量を増やしたり、脱灰処理をしたりする方法が可能であるが、いずれもコストアップ要因であって、好ましいとは言えない。したがって、上述の平均CEとしては、20000g/g〜200000g/gの範囲で行なわれる。さらに好ましくは、30000g/g〜150000g/gの範囲である。そして、このようなCEで必要な粒径が得られるような粒径を有する固体触媒成分を選ぶのが好ましい。
【0039】
(3)固体触媒成分の特性および好ましい態様
本発明で用いられる固体触媒成分は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物を含む固体触媒成分である。このような固体触媒成分を用いることによって、高活性を得ることができる。シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、もしくは他の金属酸化物や、複合酸化物などを主成分とする担体に、マグネシウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物を担持させて得られた触媒も本発明の定義にしたがう触媒である。
【0040】
本発明においては、重合体の平均粒径を600μm以上となるようにする手法として、前記の通りCEを制御する方法を挙げたが、CEはプロセスの能力の制限も受けるため、固体触媒成分の粒径をプロセスに合わせて任意に制御する方法が好ましい。
この任意の粒径制御を可能にする一つの手法が、マグネシウムアルコキサイド(a1)、チタンアルコキサイド(a2)、ケイ素アルコキサイド(a3)、および、必要に応じてアルコール化合物(a4)を反応させて得られる反応生成物(a* )に、ハロゲン含有チタン化合物(b* )を接触させ、加熱することによって得られる固体を含む固体触媒成分(A* )、またはこれを予備重合工程に付したものを使用する方法である。ここで、「アルコール化合物」は、フェノール化合物およびシラノール化合物を包含するものである。この製法においては、固体触媒成分の粒径は、原料仕込み比や攪拌動力などによって任意に制御することが可能である。
【0041】
こうした固体触媒成分の製法は、例えば、特開昭52−98706号、特開昭59−6204号、特開昭59−182806号、特開昭61−181807号、特開平1−54007号、特開平3−72503号、特開平4−89814号、特開平4−89815号各公報に示されているが、特に好ましいものは、次のようにして得られるものである。
【0042】
すなわち、マグネシウムアルコキサイド化合物(a1)として用いられるものは、一般式Mg(OR1n(OR22-n (式中、R1 、R2 は、アルキル基(炭素数1〜18程度、なかんずく1〜12程度が好ましい)、アリール基(フェニル基および低級アルキル(C1 〜C4 )置換フェニル基が好ましい)、またはアラルキル基(アリール部分はアリール基として示したものが、アルキル部分は炭素数1〜8程度のものが好ましい)を示し、R1 とR2 は同一でも異なってもよい。nは、0≦n≦2を示す。)で表されるもの、例えば、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウム、ジ−n−ブトキシマグネシウム、ジフェノキシマグネシウム、ジベンジルオキシマグネシウム、エトキシフェノキシマグネシウムなどのジアルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、アルキルオキシアリールオキシマグネシウムを挙げることができる。また、これらの化合物は複数用いることもできる。
【0043】
チタンアルコキサイド化合物(a2)としては、一般式Ti(OR34-m m (式中、R3 はアルキル基、アリール基またはアラルキル基(これらの基の一般的説明は、上記のマグネシウムアルコキサイドでのR1 およびR2 のそれと同じである)を示す。また、Xはハロゲン、例えば塩素を示す。mは、0≦m<4を示す。)で表されるもの、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンのようなアルコキシチタン、トリエトキシチタンクロライド、トリイソプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライドのようなハロゲン含有アルコキシチタンを挙げることができる。また、これらの化合物は複数用いることもできる。
【0044】
ケイ素のアルコキサイド化合物(a3)としては、一般式Qp SiXk (OR44-p-k(式中、QおよびR4 は、互いに同じか、もしくは異なっても良いアルキル基、アリール基またはアラルキル基(これらの基の一般的説明は、前記のR1 〜R3 のそれと同じである)を示す。また、Xは、ハロゲン、例えば塩素を示す。pおよびkは、0≦p、0≦k、0<p+k<4なる数を示す。)で表されるもの、例えば、(イ)メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシランなどのアルキル基/アリール基含有アルコキシシランないしアリールオキシシラン、(ロ)メチルジメトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルジ−n−ブトキシクロロシラン、メチルジフェノキシクロロシラン、フェニルジメトキシクロロシラン、フェニルジエトキシクロロシラン、フェニルジ−n−ブトキシクロロシラン、フェニルジフェノキシクロロシランなどのアルキル基/アリール基およびハロゲン含有アルコキシシランないしアリールオキシシランを挙げることができる。また、(ハ)テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランのようなSi(OR44 型アルコキシシランないしアリールオキシシラン、(ニ)トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリプロポキシクロロシラン、トリ−n−ブトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシランのようなSiXk (OR44-k型ハロゲン含有アルコキシシランないしハロゲン含有アリールオキシシランなども好適に使用することができる。なお、これらの化合物は各群内および群間で複数用いることもできる。
【0045】
この好ましい方法で、必要に応じて使用するアルコール化合物(a4)は、フェノール化合物およびシラノール化合物を包含することは前記したところである。そのような化合物としては、一般式R5 OH(式中、R5 は、アルキル基、アリール基、アラルキル基(これらの一般的説明は、前記のR1 〜R4 のそれと同じであり、さらに、エーテル酸素および(または)水酸基を有していてもよい)、または一般式R6 3 SiOH(式中、R6 は、アルキル基、アリール基、アラルキル基(これらの一般的説明は、前記のR1 〜R4 のそれと同じであり、さらに、これらの基は、エーテル酸素および(または)水酸基を有していてもよい)で表されるもの、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノールなどのシラノール類、フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノールなどのフェノール類を挙げることができる。また、これらの化合物は、各群内および(または)各群内で複数用いることもできる。
【0046】
なお、これら(a1)〜(a4)の化合物のいずれかがアリールオキシ基を含むものが好ましい。
マグネシウム化合物(a1)、チタン化合物(a2)、ケイ素化合物(a3)、さらに必要に応じてアルコール化合物(a4)の接触生成物(a* )を得る時の接触順序には、特に制限はない。必要に応じて、これらの成分を分割して添加することもできる。また、接触時に、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒を存在させることもできる。接触温度にも特に制限はないが、通常は10〜250℃、好ましくは100〜180℃である。接触時間も特に制限はないが、通常0.5〜4時間程度である。
【0047】
(a1)〜(a4)の使用量をモル比で表すと、通常次の通りである。
(a1):(a2):(a3):(a4):=1:0.05〜4:0.05〜5:0〜2:0〜5
(a1)〜(a4)の反応生成物(a* )は、均一系であっても、不均一系であっても良い。すなわち、反応生成物(a* )は(a1)から(a4)の各成分の組成比によって、液状物を得ることも可能であるが、本発明においては、(a1)〜(a4)の化合物のいずれかがアリールオキシ基を含む場合に、(a* )が固体状生成物を含むスラリー状となりやすく、このような場合、特に良好な結果が得られる。
【0048】
本発明においては、好ましい実施態様は、この接触生成物(a* )を、ハロゲン含有チタン化合物(b* )と接触させる前に、あるいは接触させた後に、電子供与性化合物(c* )を接触させることからなる。これらのうち、(a* )とハロゲン含有チタン化合物(b* )との接触前に、(a* )と(c* )を接触させる場合には、次のような方法が用いられる。
【0049】
すなわち、上記のようにして得られる反応生成物(a* )を、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下において、電子供与性化合物(c* )と接触させることからなる。接触方法については特に制限はないが、通常は、(a* )に(c*)を添加する方法で接触が行われる。接触温度についても特に制限はないが、通常は、−50℃〜200℃、好ましくは、−40℃〜50℃の範囲で行われる。
【0050】
また、(c* )の使用量についても特に制限はないが、通常の使用量を(a*)中のマグネシウムに対するモル比で表すと次のようになる。
Mg:(c* )=1:0.01〜2
(c* )として用いられる化合物としては、一般に含酸素化合物を挙げることができる。
含酸素化合物としては、一般に、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコハシシラン類を挙げることができる。
【0051】
(イ)エーテル類としては、エーテル酸素と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ましくは4〜12程度のものであって、エーテル酸素をその内部に有するものの、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサンなどを、(ロ)ケトン類としては、ケトンカルボニル基と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ましくは4〜12程度のもの、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどを、(ハ)エステル類としては、カルボン酸部分がアリールないしアラルキルカルボン酸(アリール基ないしアリール部分はフェニルまたは低級(C1 〜C4 程度)アルキルおよび(または)低級(C1 〜C4 程度)アルコキシ置換フェニルが好ましく、アラルキル基のアルキル部分は、C1 〜C6 程度が好ましく、カルボキシル基は1〜3個程度が好ましい)、または脂肪族カルボン酸(カルボキシル基(1〜3個程度)以外の部分が炭素数1〜20程度のエーテル酸素を含んでいても良い脂肪族炭化水素残基であるもの)であり、アルコール部分が炭素数1〜20程度、好ましくは2〜12程度のもの(上記のカルボン酸の対応ヒドロキシ置換誘導体の分子内エステルを包含する)、例えば、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブなどを、(ニ)アルコキシシラン類としては、アルコキシ基(アリールオキシ基を包含するものとし、炭素数1〜12程度、なかんずく1〜4程度が好ましい)を少なくとも1個持ち、ケイ素原子の残りの原子価がアルキル基、アリール基またはアラルキル基(これらの一般的説明は、前記のR1 〜R4 のそれと同じである)であるもの、例えば、テトラメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルトリメトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、t−ブチルイソプロジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルメチルジメトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルトリエトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルメチルジエトキシシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。
【0052】
これらのうち、好ましく用いられるのは、エステル類およびアルコキシシランであり、さらに好ましいのはエステル類である。エステル類の中でも、アリールカルボン酸エステル類がより好ましく用いられ、特に好ましいのはフタル酸エステル類であり、最も好ましいのはフタル酸ジエチルである。
このようにして、(a* )成分と(c* )成分を接触させた後、該接触生成物を、ハロゲン含有チタン化合物(b* )と接触させ、次いで昇温して処理することによって、本発明で使用するのに好ましい固体触媒成分(A* )成分が得られる。
【0053】
ここで用いるハロゲン含有チタン化合物(b* )としては、TiCl4 、TiBr4 、TiI4 のようなチタン四ハロゲン化物、Ti(O−n−C49 )Cl3 、Ti(OC65 )Cl3 のようなハロゲン含有アルコキシチタン、ハロゲン含有アリールオキシチタンなどを挙げることができる。この場合のアルコキシ基およびアリールオキシ基のアルキルおよびアリール部分の一般的説明は、前記R1 〜R4 のそれと同じである。
該接触工程において、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒の使用は任意であるが、通常はトルエンのようなある程度高沸点の溶媒を用いる方が、製造工程上便利である。
【0054】
接触は、通常20℃以下の温度で行われる。好ましい接触温度は、−80〜10℃、さらに好ましい接触温度は、−50〜0℃である、接触温度をこのように低くすると、接触生成物が均一の液状となりやすく、この均一液状物を加熱昇温して固体を析出させることにより、特に粒子性状が良好な固体触媒成分を得ることができる。
一方、接触生成物(a* )とハロゲン含有チタン化合物(b* )との接触後で、かつ固体析出前に、電子供与性化合物(c* )を接触させる場合には、次のようにして行うことができる。
【0055】
(a* )成分と(b* )成分の接触は、先に述べた方法で行うことができる。すなわち、接触は、通常20℃以下の温度で、好ましくは−80〜10℃、さらに好ましくは−50〜0℃の範囲で行われる。接触温度をこのように低くすると、接触生成物が均一の液状となりやすいことは、すでに述べた通りである。また、該接触工程において、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒の使用は任意であるが、通常はトルエンのようなある程度高沸点の溶媒を用いる方が、製造工程上便利なことも同様である。(b* )として用いることのできる化合物も、同様である。
【0056】
ついで、このようにして得られた接触生成物と(c* )を、固体析出前に接触させる。温度が上がると固体が析出しやすくなるので、該接触は通常低温で、具体的には、20℃以下の温度で、好ましくは−80〜10℃、さらに好ましくは−50〜0℃の範囲で行われる。
【0057】
こうした手法で述べたように、(c* )の接触を固体析出前に行うことにより、高い立体規則性の発見が可能になる。
(c* )の接触方法にかかわらず、(b* )の使用量に特に制限はないが、通常は(a* )中のマグネシウムに対するモル比は、下記の範囲である。
Mg:(b* )=1:0.5〜20
このようにして、(a* )、(b* )、(c* )成分の接触を行うことによって、固体触媒成分を得ることが可能になるが、良好な粉体性状を得るためのひとつの手段として、昇温速度を制御する方法を挙げることができる。
【0058】
すなわち、昇温速度は、通常50℃までは、平均2.0℃/min以下、なかんずく、1.0℃/min以下とすることが好ましい。昇温はかならずしも一様に行われる必要はなく、途中で一定温度となる工程をおいても冷却工程をおいてもよい。平均昇温速度をこのように小さくすることにより、かさ密度や粒径分布、微粉量の点ですぐれた粒子性状を有する触媒を得ることが可能になる。
【0059】
昇温後の処理温度に特に制約はないが、通常は、110℃を越える温度で処理することによって(A* )成分を得るのが良い。処理温度を、あまり高温にしすぎるとかえって活性低下などの好ましい結果を生じるため、好ましい温度範囲は、110℃を越えて、170℃以下である。
【0060】
上記の処理1回に要する時間に制限はないが、通常は、0.5〜12時間の範囲で行われる。また、(b* )による処理は、複数回行ってもよい。なお、2回目以降の処理においては、昇温速度は任意に設定して良い。
上述の処理を施した後、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒で洗浄して、(A* )成分のスラリーを得る。
【0061】
オレフィン重合触媒として高い性能を有する(A* )成分を得るために好ましい組み合わせの一例を挙げると、次のようになる。
(a1):Mg(OR)2 (R:アルキル基またはアリール基)
(a2):Ti(OR)4 (R:アルキル基)
(a3):RSi(OR)3 (R:アリール基および/またはアルキル基)+Si(OR)4 (アルキル基)
(c* ):フタル酸ジエステル
(b* ):TiCl4
【0062】
かつ、(a1)〜(a3)のいずれかがアリールオキシ基を有する。
該(A* )成分は、固体触媒成分として、そのまま反応器に供給してオレフィン重合体を得ることも可能である。しかし、良好な粉体性状を得るためには、あらかじめ、(A* )成分と、有機アルミニウム化合物(B* )およびオレフィン(C* )とを接触させることにより、すなわち予備重合処理を行うことにより、新たに固体触媒成分を形成させた方が好ましい。
【0063】
ここで用いる(B* )成分としては、本発明でのブロック共重合体を生成させるための重合触媒を構成する有機アルミニウム化合物として前記したものから、適当なものを選べばよい。具体的には、例えばトリアルキルアルミニウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物、例えば、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキアルミニウムクロライド、ヒドリド含有有機アルミニウム化合物、例えば、ジエチルアルミニウムヒドリド、アルコキサイド含有有機アルミニウム化合物、例えば、ジメチルアルミニウムメトキサイド、ジエチルアルミニウムメトキサイド、ジエチルアルミニウムフェノキサイド、アルミノキサン、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンなどを挙げることができる。また、これらは複数用いてもよい。なお、(B* )成分は、(B* )成分中のアルミニウムと、(A* )成分中のチタンとのモル比が、0.1〜100となるように使用するのが普通である。
【0064】
また、(C* )成分として用いるオレフィンとしては、チーグラー触媒で重合可能な炭素−炭素二重結合を有するものを用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、スチレン、ジビニルベンゼンのようなα−オレフィン、2−ブテン、2−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンのような内部オレフィンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。(C* )の量は、(A* )の量に対して0.1〜1000倍であり、好ましくは0.5〜300倍、より好ましくは0.5〜50倍、特に好ましくは1〜3倍である。このオレフィンの少なくとも一部は、(A* )+(B* )と接触して事実上重合し、(A* )の0.1〜1000倍の量の予備重合ポリマーとなる。
【0065】
上記接触は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンのような不活性炭化水素溶媒中で好適に行うことができるが、実質的に溶媒の不存在下に行うこともできる。除熱と触媒供給の観点からは、不活性炭化水素溶媒中で行うのが好ましい。
(A* )、(B* )、(C* )各成分の接触方法は任意である。すなわち、同時に接触させてもよいし、各成分を順次接触させてもよい。さらに、複数回の接触を行っても良い。接触温度は、−20℃〜130℃、好ましくは、0℃〜70℃の範囲で行われる。また接触は、回分式、連続式のいずれでもよい。さらに、該接触を、電子供与性化合物の存在下に行うこともできる。ここで用いられる電子供与性化合物は、先に、第1段階重合工程における重合槽に供給する電子供与体について説明した化合物の中から、適宜選択することができる。
【0066】
2)重合体の移送
本発明において、第2段階重合工程に移送される重合体は、前述した通り、平均粒径が、600〜3000μmであり、かつ粒径300μm以下の重合体が25重量%以下であることが必要である。また、本発明においては、第2段階重合工程におけるゴム質成分の重合は、気相で行われるので、第1段階重合工程から第2段階重合工程へと移送される重合体の粒子群は、実質的に液媒体を含まない状態にしておくことが望ましい。液媒体を含む状態の粒子群が第2段階重合工程の気相重合槽に供給されると、気相重合槽内の温度分布が大きくなったり、重合体の流動状態の不均一性が増大するといった好ましくない事態が生じやすい。こうした事態を避けるためにも、第1段階重合工程の重合方法として、液媒体と重合体の分離が容易なプロピレンバルク重合を採用する。
【0067】
第1段階重合工程が液体プロピレンを媒体とする重合であるので、脱ガスシステムで液体プロピレンを気化させることによって、上述の問題を避けることができる。脱ガスシステムに特に制限はないが、二重管式熱交換器と流動フラッシュ槽から構成されるシステムが好適に使用される。
【0068】
3)第2段階重合工程
第2段階重合工程における気相重合においては、第一段階重合工程で生成したプロピレン系重合体の存在下に、第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行わせる。ここで、「第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に」とは、第2段階重合工程での共重合反応の少なくとも一部が第1段階重合工程で使用された立体規則性触媒活性によって生起ないし継続することを意味するものである。したがって、この第2段階重合工程の共重合反応は、第1段階重合工程で生成された重合体に同伴されて第2段階重合工程に存在することになった立体規則性触媒の活性によって、その実質的に全ての共重合反応がもたらされるもの、および第1段階重合工程由来の触媒活性と第2段階重合工程で新たに追加された触媒ないし触媒成分による活性とによって共重合反応がもたらされるものがある。
【0069】
しかし、本発明の特徴は、前記要件の充足にあるから、第2段階重合工程は、実質的に第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用のみによって実施することが好ましい。
ただし、固体触媒成分以外の成分、例えば有機アルミニウム化合物成分および(または)電子供与性化合物および(または)活性制御剤を第2段階重合に補充あるいは新規に添加することは、むしろ好ましいことである。
【0070】
この第2段階重合工程における気相重合は、前記要件を満たす第1段階重合工程由来の重合体/粒子を使用する点を除けば、合目的な任意の方法によって実施することができる。
第2段階重合工程で使用されるα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数2〜12のもの、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどを挙げることができる。このうち好ましく用いられるのは、エチレン、1−ブテンであり、最も好ましいものはエチレンである。
【0071】
気相中のプロピレン濃度は、一般に、90モル%未満であればよいが、好ましくは、30〜85モル%である。気相中のプロピレン濃度をこのような範囲に制御することによって、最終的に得られるブロック共重合体の衝撃強度が改良されやすい。第2段階重合工程では、粒子流動性の更なる向上や、物性向上、特には耐衝撃性の向上等の理由から、活性水素化合物を存在させる。供給される活性水素化合物としては、水、アルコール、フェノール、カルボン酸、スルホン酸、第3級アミンを除くアミンなどを挙げることができる。
【0072】
具体的には、アルコールとしては、炭素数1〜12程度の脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ドデカノール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを、官能基を有するアルコール、例えば、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ジエチレングリコールなどを挙げることができる。
フェノールとしては、フェノール、クレゾール、キシレノール、t−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェノールなどを挙げることができる。
【0073】
カルボン酸としては、炭素数1〜12程度のもの、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、安息香酸、サリチル酸などを挙げることができる。
スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。
【0074】
第3級アミンを除くアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミンなどを挙げることができる。
【0075】
なお、これらの活性水素化合物は、単独で用いてもよいし、混合物を用いてもよい。
これらの活性水素化合物のうち、好ましいものは、比較的沸点が低く、かつ臭いがあまり強くないものである。とりわけ、比較的低炭素数のアルコールが好ましく、なかでも、エタノール又はイソプロピルアルコールが最も好ましい。
【0076】
活性水素化合物の供給量は、第2段階重合工程に供給される有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対して、1.0モル比を越える量である。1.0モル比よりも少ない供給量の場合、耐衝撃性および/または粒子流動性の改良効果が、1.0モル比よりも多い場合に比べて、やや小さい傾向がある。
【0077】
粒子流動性を改良する観点からは、該モル比は高い方が良いが、高すぎると、ゴム質成分の重合活性の低下が顕著となり、生産性の点から好ましくない。したがって、活性水素化合物の好ましい供給量は、第2段階重合工程に供給される有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対して、1.0モル比を越え、3.0モル比未満、さらに好ましくは、1.1モル以上、2.5モル比以下である。
【0078】
活性水素化合物の供給方法は任意である。n−ヘキサン、トルエンなどの溶媒に溶解させて供給してもよいし、溶媒を使用することなく直接供給してもよい。また、供給位置は、第2段階重合工程におけるプロピレン・α−オレフィン共重合を活性水素化合物の存在下で行うという目的が達成されるものであれば、任意の位置で供給することが可能である。
【0079】
具体的には、第2段階重合工程における気相重合槽の分散板下部より供給する方法、気相重合槽の循環ガスラインに供給する方法、気相重合槽内の重合粒子からなるベッド層に供給する方法、該ベッド層の上部から供給する方法、第1段階重合工程と第2段階重合工程の間の脱ガス槽に供給する方法、該脱ガス槽と第2段階重合工程における気相重合槽との間の移送配管内に供給する方法などを上げることができる。供給位置は、1ケ所でもよいし、必要に応じて、2ケ所以上の供給位置を設定してもよい。これらのうち、活性水素化合物の効果的な分散を考慮すると、気相重合槽分散板の下部から供給する方法が好ましい。
【0080】
第2段階重合工程における重合体生成量は、第1段階重合工程における重合体生成量に応じて、設定することができる。通常は、剛性と耐衝撃性のバランスを考慮して、5〜70重量%、好ましくは、7〜50重量%となるような範囲から選ばれる。
重合温度、重合時間、重合圧力にも特に制限はないが、上述の重合比率を考慮して、重合温度=0〜100℃、好ましくは、25〜90℃、重合時間=0.1〜6時間、好ましくは、0.5〜3時間、重合圧力=0.1〜100atm、好ましくは、1〜40atmの範囲から選択される。なお、ここで重合時間は、第2段階重合工程における重合体の平均滞留時間で定義される。
【0081】
第2段階重合工程で得られる共重合体の分子量は、任意に設定できるが、通常は、物性と成形性とのバランスから、重量平均分子量Mwとして、20万〜300万、好ましくは、40万〜200万になるようにする。なお、分子量の制御には、通常水素が用いられる。第2段階重合工程で得られた共重合体の分子量と、共重合体が全重合体中にしめる比率によって、最終的に得られるブロック共重合体のMFRが決まる。このMFRの範囲に特に制限はないが、成形性を考慮すると、通常は0.01〜3000g/10min、好ましくは0.1〜1000g/10minとなるようにするのが好ましい。
【0082】
第2段階重合工程の気相重合に用いられる重合槽の形式は、特に限定されない。すなわち、公知の流動床、攪拌流動床、攪拌槽などが使用可能である。
なお、これら第1段階および第2段階の重合の後、引き続き第3段階以降の重合を行うこともできる。該重合段階では、気相中のプロピレン濃度が90モル%未満となるような重合、すなわち、プロピレンとエチレンの共重合や、エチレン単独重合、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合などを行うことができる。
【0083】
【実施例】
以下の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
(物性の測定)
本発明において、立体規則性の尺度としてのキシレン不溶成分量(IIoXYL)は、次の方法により測定した。ポリプロピレン粉末試料約1gをナス型フラスコ中に精秤し、これに200mLのキシレンを加え、加熱沸騰させ完全に溶解した。その後、これを25℃の水浴中で急冷し、析出した固体部分をろ過し、ろ液のうち50mLを白金皿中で蒸発乾固、さらに減圧乾燥して重量を秤量した。IIoXYLは、ポリプロピレン粉末試料中のキシレン不溶成分量として算出した。
【0084】
EPR含量は、本発明の第2段階重合工程で得られたゴム質成分の含有量をさし、三菱化学製「CFC−T−102L」昇温溶出分別装置を用いた昇温溶出分別法により、表1に示した条件で測定した。なお、EPRは、40℃以下の溶出成分とした。
【0085】
【表1】
Figure 0003691921
【0086】
かさ密度(ρB )は、JIS−K−6721にしたがって測定した。
重合体の粒度分布は、三田村理研社の標準ふるいを用いて測定し、Rosin−Rammlerプロットの傾きをn項として、粒度分布の尺度とした。なお、106μ未満の画分は、微粉として重量%で表した。
MFRは、JIS−K−6758に準拠して測定した。
ポリプロピレン重合体中のTi含量は、該ポリプロピレンの厚さ100μのプレス・シートを作成し、蛍光X線分析にて定量した。
【0087】
ゴム質成分のうち重合体表面にブリードした低分子量成分(以下、CHSと称する)の量は、以下の手法で測定した。プロピレン系ブロック系共重合体5gを300mlビーカーに精秤し、ノルマルヘキサン300mlを加え、5分間攪拌した。尚、温度は25度に保持した。ノルマルヘキサンを濾別した後、再度、ノルマルヘキサン300mlを加え、同温度で5分間攪拌した。ノルマルヘキサンを濾別した後、残った重合体を100℃で1時間乾燥した。CHSは、もとの重合体重量に対する重量減少量として、重量百分率で求めた。
なお、以下の実施例において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはn−ブチル基を、Phはフェニル基を表す。
【0088】
(実施例1)
(1)固体触媒成分(A)の製造
バキューム・スターラ、温度計を備えた3L−丸底四つ口フラスコに、Mg(OEt)2 :2.0molを仕込み、ついでTi(OBu)4 を、仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、Ti(OBu)4 /Mg=0.6(モル比)になるように仕込み、200rpmで攪拌しながら昇温した。
【0089】
150℃で2.0時間反応させた後、120℃に降温して、Si(OPh)4のトルエン溶液を、仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、Si(OPh)4 /Mg=0.5(モル比)になるように添加した。添加終了後、同温度1.0時間反応させた。反応終了後、室温に降温した後、Si(OEt)4を、仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、Si(OEt)4 /Mg=0.2(モル比)になるように添加し、接触生成物(a* )のスラリーを得た。
【0090】
ここで得られたスラリーの全量を、冷却・加熱用ジャケットを備えた誘導攪拌式10L−オートクレーブに移送した後、[Mg]=0.486mol/L・トルエンになるように、トルエンで希釈した。
このスラリーを、300rpmで攪拌しながら、−10℃に冷却し、フタル酸ジエチルを、仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、フタル酸ジエチル/Mg=0.1(モル比)になるように添加した。引き続き、TiCl4を、仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、TiCl4 /Mg=4.0(モル比)になるように、1.0時間かけて滴下し、均一溶液を得た。この時、液の粘度が上昇してゲル状になるという現象は、起こらなかった。
【0091】
得られた均一溶液を0.5℃/minで15℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。ついで、再び0.5℃/minで50℃まで昇温し、50℃で1時間保持した。さらに、1.0℃/minで117℃まで昇温し、同温度で1時間処理を行った。
処理終了後、加熱・攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/50となるように洗浄し、固体スラリーを得た。
【0092】
次に、得られた固体スラリーのトルエン量を、TiCl4 濃度=2.0mol/L・トルエンとなるように調整し、室温でTiCl4 を、はじめに仕込んだMg(OEt)2 中のマグネシウムに対して、TiCl4 /Mg=5.0(モル比)となるように添加した。このスラリーを、300rpmで攪拌しながら昇温し、117℃で、1時間反応を行った。
【0093】
反応終了後、加熱・攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/150となるように洗浄し、(A* )のトルエン・スラリーを得た。
ここで得られた固体スラリーの全量を、内径660mm、直胴部770mmの三方後退翼を有する反応槽に移送し、n−ヘキサンで希釈して、(A* )の濃度として3g/Lとなるようにした。このスラリーを300rpmで攪拌しながら、25℃で、トリエチルアルミニウムを、トリエチルアルミニウム/(A* )=3.44mmol/gとなるように添加し、さらに、t−ブチルエチルジメトキシシシランを、t−ブチルエチルジメトキシシラン/(A* )=1.44mmol/gとなるように添加した。添加終了後、引き続き攪拌しながら、25℃で30分間保持した。
【0094】
次いで、プロピレンガスを液相に、72分かけて定速フィードした。プロピレンガスのフィードを停止した後、沈降洗浄法にて、n−ヘキサンで洗浄を行い、残液率=1/12として、固体触媒成分(A)のスラリーを得た。得られた固体触媒成分(A)は、(A* )成分1gあたり、2.7gのプロピレン重合体を含有していた。
【0095】
(2)平均粒径の測定
誘導攪拌式2L−オートクレーブに、室温、窒素気流下で、トリエチルアルミニウム2.0mmolと、t−ブチルエチルジメトキシシラン0.2mmolを仕込んだ。ついで、液体プロピレン750gを仕込んだ後、水素を、70℃における気相の水素濃度で、3.0mol%になるように加えた。
攪拌しながら70℃に昇温し、70℃になった時点で、実施例1(1)で得られた固体触媒成分を、(A* )成分として12mg添加して重合を開始した。
【0096】
70℃で1時間重合を行った後、余剰のプロピレンをパージして重合を停止した。得られたプロピレン重合体は、396gであった。重合活性K=1100g/g・Hr・atm、CE=33000g/g、平均粒径=505μm、IIoXYL=98.7%、ρB=0.47g/cc、n=9.2であった。また、微粉はなかった。この重合結果から、平均粒径600μm以上の重合体を得るためには、CE≧54000(g/g)にすればよいことが判る。なお、重合活性Kは、1時間あたり、モノマー圧力1atmあたり、(A* )1gあたりの重合体収量(g)で定義した。
【0097】
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
図1に示されるプロセスのように、内容積1.7m3 の攪拌装置付き液相重合槽1および1.9m3 の攪拌式気相重合槽8、及び、二重管式熱交換器5とフラッシュ槽6からなる脱ガスシステムを組み込んだプロセスにより、プロピレン−エチレンブロック共重合体の連続製造を実施した。
【0098】
プロピレン重合槽1には、液化プロピレンを146kg/Hrでフィードし、水素を、気相の水素組成が5.3mol%となるようにフィードした。また、トリエチルアルミニウムを9.7g/Hrで、t−ブチルエチルジメトキシシランを6.0g/Hrでフィードした。さらに、実施例1(1)で得られた固体触媒成分を、(A* )成分として0.36g/Hrでフィードした。
【0099】
重合温度は75℃、圧力は全圧35.5kgf/cm2 、プロピレン分圧は31.2kgf/cm2 であり、重合槽内の液量が1m3 となるように調節した。
この重合槽で重合したスラリーは、スラリー濃度約20重量%であり、第1段階重合工程における平均滞留時間は2.8時間であった。
このスラリーを、スラリーポンプ2を用いて、二重管式熱交換器5を経て、流動フラッシュ槽6にフィードした。流動フラッシュ槽6においては、下部より加熱したプロピレンガスをフィードしながら、槽内温度を70℃に維持下。該スラリーに含まれるポリプロピレン粒子として、約31kg/Hrとなるように調節した。
【0100】
第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいにて平均粒径の測定を行ったところ、705μであった。なお、II0XYLは、98.6%であった。触媒フィード量と生産レートから計算された平均CEは86100g/gであり、このCEから計算される平均粒径と実測値は良い一致を示した。
【0101】
流動フラッシュ槽6で得られた固体状ポリプロピレン粒子は、気相重合槽8に送られ、該気相重合槽にてプロピレンとエチレンの共重合が行われた。
混合効果を高めるため、補助的に撹拌翼を設けた気相重合槽8では、ガス・ブロアー7によって、エチレン、プロピレン、水素、窒素の混合ガスを循環させた。エチレンとプロピレンは、エチレンとプロピレンの分圧の和が9.3kgf/cm2 で、かつ、プロピレンのモル分率が55mol%で一定になるようにフィードした。また、水素は、水素濃度が1.2mol%となるようにフィードした。さらに、活性水素化合物としてイソプロピルアルコールをフィードし、イソプロピルアルコールのフィード量は、気相重合槽に供給される重合体粒子に随伴して供給されるトリエチルアルミニウム中のアルミニウムに対して、1.05モル比となるようにした。なお、重合温度は60℃で、気相重合槽における平均滞留時間は1.9時間になるように調節した。
気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=17.9g/10min、かさ密度=0.41g/cc、EPR含量=24.9重量%、CHS=1.1重量%であった。
【0102】
比較例1
(1)固体触媒成分(A)の製造
実施例1(1)と同様にして、接触生成物(a* )のスラリーを得た。ついで、[Mg]を、0.505mol/L・トルエンになるようにした以外は、実施例1(1)と同様にして固体触媒成分(A)を製造した。
【0103】
(2)平均粒径の測定
固体触媒成分(A* )として、比較例1(1)で得られたものを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして重合を行った。得られたプロピレン重合体は、435gであった。重合活性K=1210g/g・Hr・atm、CE=36300g/g、平均粒径=370μ、II0XYL=98.8%、ρB =0.48g/cc、n=9.6であった。また、微粉はなかった。
【0104】
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
固体触媒成分として、比較例1(1)で得られたものを用いた以外は、実施例1(3)と同様にしてプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいにて平均粒径の測定を行ったところ、500μであった。なお、II0XYLは、98.7%であった。触媒フィード量と生産レートから計算された平均CEは85100g/gであり、このCEから計算される平均粒径と実測値は良い一致を示した。
気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=21.0g/10min、かさ密度=0.36g/cc、EPR含量=20.2重量%、CHS=1.9重量%であった。
【0105】
実施例2
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
気相重合槽8に供給するイソプロピルアルコールの量を、気相重合槽に供給される重合体粒子に随伴して供給されるトリエチルアルミニウム中のアルミニウムに対して、1.3モル比となるようにした以外は、実施例1(3)と同様にして、プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。
【0106】
第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいして平均粒径の測定を行ったところ、700μであった。なお、II0XYLは、98.7%であった。
気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=21.5g/10min、かさ密度=0.47g/cc、EPR含量=18.7重量%、CHS=0.6重量%であった。
【0107】
参考例
気相重合槽8に、イソプロピルアルコールを供給しなかった以外は、実施例1(3)と同様にして、プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいにて平均粒径の測定を行ったところ、700μmであった。なお、II0XYLは、98.7%であった。
【0108】
気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=15.1g/10min、かさ密度=0.39g/cc、EPR含量=30.2重量%、CHS=1.5重量%であった。
【0109】
比較例2
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
固体触媒成分として、比較例1(1)で得られたものを用い、第1段階重合工程における平均滞留時間を1.5時間にした以外は、実施例1(3)と同様にしてプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。
第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいにて平均粒径の測定を行ったところ、440μであった。なお、II0XYLは、98.8%であった。
気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=22.6g/10min、かさ密度=0.37g/cc、EPR含量=18.0重量%、CHS=1.8重量%であった。
【0110】
実施例3
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造固体触媒成分として、実施例1(1)で得られたものを用い、第1段階重合工程における平均滞留時間を1.7時間にした以外は、実施例1(3)と同様にしてプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。第1段階重合工程から、第2段階重合工程に移送されるポリプロピレンの平均粒径を求めるために、流動フラッシュ槽6から、重合体の一部をサンプリングし、標準ふるいにて平均粒径の測定を行ったところ、650μmであった。なお、II0XYLは、98.8%であった。気相重合槽8から抜き出された重合体粒子を分析したところ、MFR=19.2g/10min、かさ密度=0.40g/cc、EPR含量=22.8重量%、CHS=1.0重量%であった。
【0111】
【表2】
Figure 0003691921
【0112】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、粉体性状に優れたプロピレン系ブロック共重合体を低コストで、かつ安定的に連続製造できる。したがって、本発明は工業的価値が大きい。本発明は、マグネシウム化合物担持型の触媒を用いたうえで、第1段階重合工程から第2段階重合工程に移送される重合体の平均粒径が、600〜3000μmであり、粒径300μm以下の重合体が25重量%以下とすることによって、良好な粒子流動性を有するプロピレン系ブロック共重合体を得ることに成功した。この特定の要件の充足によって良好な粒子流動性を有するプロピレン系ブロック共重合体が得られるということは、思いがけなかったものと解される。しかし、本発明者らは、本発明完成の過程において得られた知見から、粒子流動性が向上する理由について、現時点において、次のような推定を行っている。
【0113】
従来の技術の項でも述べたように、一般に連続プロセスで得られたプロピレン系ブロック共重合体の粒子流動性の悪化理由は、発明者らの知見によれば、重合体表面にゴム質成分の一部がブリードし、重合体粒子が粘着性を帯びることによって生じる。したがって、良好な粒子流動性を得るためには、重合体粒子を大粒径にして、比表面積を下げればよいと考える。すなわち、大粒径・低比表面積粒子の場合、表面の寄与が小さいばかりでなく、粒子内部に保持されるゴム量が増える。このため、粒子表面にブリードするゴム量が減少し、結果として粒子の粘着性が下がるものと考えることができる。
【0114】
発明者らの知見によると、エチレンをコモノマーとするいわゆるEPRをゴム質成分とした場合、共重合体粒子表面にブリードするのは、比較的低分子量のEPR成分である。こうした低分子量EPR成分は、室温のノルマルヘキサンに容易に溶解することから、共重合体粒子をノルマルヘキサンにて室温で洗浄し、重合体表面にブリードしたEPRを除去することも可能である。こうした手法によってブリードしたEPRを除去すると、粒子流動性が格段に改善されることから、ブリード量の減少が粒子流動性の向上に寄与することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート。
【図2】本発明の実施例を示すフローダイヤグラム。
【符号の説明】
1 プロピレン重合槽
2 スラリーポンプ
3 熱交換器
4 サイクロン
5 二重管式熱交換器
6 流動フラッシュ槽
7 ガスブロアー
8 気相重合槽
9 循環ガスクーラー
10 ガスブロアー

Claims (1)

  1. マグネシウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物を含む固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子供与性化合物からなる立体規則性触媒の存在下、プロピレンを主成分とするα−オレフィンの重合を、液体プロピレンを主成分とする媒体及び水素の存在下に、単独の重合槽で行う第1段階重合工程と、第1段階重合工程で得られた重合体をプロピレン・α−オレフィン共重合槽に送り、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合を、第1段階重合工程での立体規則性触媒の作用下に、実質的に気相中で行う第2段階重合工程とからなるプロピレン系ブロック共重合体の連続製造法であって、第1段階重合工程に送られる立体規則性触媒がプロピレンで処理されており、第1段階重合工程から第2段階重合工程に送られる重合体の平均粒径が、600〜3000μmであり、粒径300μm以下の重合体が25重量%以下であり第1段階重合工程における平均触媒効率(平均CE)が20000〜200000g/gであり、かつ、第2段階重合工程におけるプロピレン・α−オレフィン共重合体の重合を、活性水素化合物の存在下で行い、該活性水素化合物の供給量を、供給される有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対して、1.0モル比より大とすることを特徴とする、プロピレン系ブロック共重合体の連続製造法。
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