JP3691818B2 - 収納用ケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、収納用ケースに関し、特に、たとえば文房具などの小物を収納するために用いられるクリアケースなどのような収納用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の収納用ケースの一例を示す平面図であり、図6はその断面図解図である。収納用ケース1は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂で形成された袋状部2を含む。袋状部2は、たとえば2枚の袋用シート部材の3つの辺部分を溶着することにより形成される。袋状部2の開口部には、ファスナ部3が形成される。ファスナ部3は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂で形成される。ファスナ部3は、2枚のファスナ用シート部材4を含み、その一方の端部に嵌合開閉部5が形成される。また、ファスナ用シート部材4の他方の端部が、袋状部3の開口部側に溶着される。さらに、ファスナ部3には、スライドさせることによって嵌合開閉部5を開閉するためのスライダ6が取り付けられる。この収納用ケース1では、袋状部2内に文房具などを入れ、スライダ6をスライドさせることによって、ファスナ部3の嵌合開閉部5を開閉することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−225862号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような収納用ケースにおいては、内部に収納された物品について表示することが困難である。このような表示をしようとすれば、たとえば収納物品名を記載した見出し紙を袋状部の外面に貼着するか、または見出し紙を挿入するポケットを別途形成する必要がある。しかしながら、見出し紙を袋状部の外面に貼着すると、見出し紙が汚れたり、剥離する可能性が高くなる。また、別途見出し紙を挿入するためのポケットを形成するためには、ポケット部材を作製して、袋状部に溶着するなどの工程が必要となり、収納用ケースの製造コストが上昇する。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、見出し紙を挿入するポケット部を有し、かつ安価に製造することができる収納用ケースを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一方に開口部を有する袋状部と、袋状部の開口部に形成されるファスナ部とを含む収納用ケースにおいて、ファスナ部は、ファスナ用シート部材と、ファスナ用シート部材の一端側に形成される嵌合開閉部とで構成され、袋状部とファスナ用シート部材とが重ねられた状態でファスナ用シート部材と袋状部とが接合され、接合部に囲まれた部分において袋状部とファスナ用シート部材との間に隙間が形成されたことを特徴とする、収納用ケースである。
このような収納用ケースにおいて、袋状部またはファスナ用シート部材のうちのいずれかに隙間に連通する貫通孔が形成される。
また、袋状部およびファスナ部は合成樹脂で形成することができ、この場合、接合部は袋状部とファスナ用シート部材とが溶着によって接合される。
【0007】
ファスナ部を構成するファスナ用シート部材と袋状部との間に隙間が形成されることにより、この隙間を見出し紙を挿入するためのポケット部として使用することができる。このような隙間を形成するために、別途ポケット用の部材を取り付ける必要がなく、ファスナ部を構成するファスナ用シート部材を大きめに形成して、その端部を袋状部に接合すればよい。
この隙間に見出し紙を挿入するために、ファスナ用シート部材または袋状部の一方に、隙間に連通する貫通孔が形成される。
これらの袋状部およびファスナ部は、ポリプロピレンなどの合成樹脂で形成することができ、溶着によって接合される。
【0008】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の収納用ケースの一例を示す平面図であり、図2はその断面図解図である。収納用ケース10は、袋状部12を含む。袋状部12は、図3に示すように、2枚の袋用シート部材14a,14bを含む。袋用シート部材14a,14bは、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂で形成され、その3つの辺部における溶着部15a,15b,15cで溶着することにより、一方に開口部を有する袋状部12が形成される。
【0010】
袋状部12の開口部には、ファスナ部16が形成される。ファスナ部16は、透明な2枚のファスナ用シート部材18a,18bを含む。ファスナ用シート部材18a,18bの長手方向の一端側には、矩形の貫通孔20が形成される。これらのファスナ用シート部材18a,18bの幅方向の一端には、嵌合開閉部22a,22bが形成される。これらの嵌合開閉部22a,22bを互いに嵌め合わせるされることによって、袋状部12の開口部を閉じることができる。
【0011】
さらに、嵌合開閉部22a,22bには、スライダ24が取り付けられる。スライダ24は、嵌合開閉部22a,22bを挟むようにして取り付けられる。ここで、スライダ24は、一方側に動かすと嵌合開閉部22a,22bを互いに押し付けて嵌め合わせるように作用し、他方側に動かすと嵌合開閉部22a,22bを引き離すように作用する。したがって、スライダ24をスライドさせることにより、嵌合開閉部22a,22b部分を開閉させることができる。
【0012】
ファスナ部16は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂で形成される。なお、このファスナ部16においては、ファスナ用シート部材18a,18bの幅が大きめに形成され、ファスナ用シート部材18a,18bが袋状部12の開口部側において、袋用シート部材14a,14bの外側に配置される。そして、ファスナ用シート部材18a,18bは、嵌合開閉部22a,22bが形成されていない端部における溶着部25aにおいて、袋用シート部材14a,14bに溶着される。また、袋用シート部材14a,14bの開口部側端部において、ファスナ用シート部材18a,18bと袋用シート部材14a,14bとが溶着される。さらに、ファスナ用シート部材18a,18bの長手方向の端部は、袋用シート部材14a,14bを溶着するのと同時に、溶着部15a,15cで袋用シート部材14a,14bに溶着される。したがって、袋用シート部材14a,14bとファスナ用シート部材18a,18bとの間に、4つの溶着部15a,15c,25a,25bで囲まれた隙間26が形成される。この隙間26が、見出し紙を保持するためのポケット部となる。
【0013】
隙間26には、ファスナ用シート部材18a,18bに形成された貫通孔20から、見出し紙30が挿入される。見出し紙30には、たとえば収納用ケース10に収納された物品名などを記入することができる。このように、袋用シート部材14a,14bとファスナ用シート部材18a,18bとの間に形成された隙間26に見出し紙30が挿入されるため、見出し紙30が汚れたり、剥離することを防止することができる。
【0014】
この収納用ケース10では、見出し紙30を挿入するための隙間26が形成されるが、ファスナ部16のファスナ用シート部材18a,18bを大きめに形成して、袋用シート部材14a,14bに溶着するだけで隙間26を形成することができる。そのため、見出し紙を挿入するために、別途ポケット用の部材を作製したり、それを溶着する必要はなく、袋状部12とファスナ部16とを溶着する工程で、同時に隙間26を形成することができる。したがって、容易に隙間26を有する収納用ケース10を製造することができる。
【0015】
なお、図4に示すように、ファスナ部16のファスナ用シート部材18a,18bを袋用シート部材14a,14bの内側に配置し、袋用シート部材14a,14bとファスナ用シート部材18a,18bとを溶着することによって、隙間26を形成してもよい。この場合、貫通孔20は、袋用シート部材14a,14bに形成される。また、袋用シート部材14a,14bの隙間26に対応する部分は、透明に形成される。
【0016】
なお、貫通孔20は、袋状部12の内側に形成されてもよい。つまり、図2のような収納用ケース10において、袋用シート部材14a,14bに貫通孔20を形成し、袋状部12の内側から見出し紙30を隙間26に挿入するようにしてもよい。同様に、図4に示すような収納用ケース10において、ファスナ部16のファスナ用シート部材18a,18bに貫通孔20を形成し、袋状部12の内側から見出し紙30を隙間26に挿入するようにしてもよい。
【0017】
さらに、図2の収納用ケース10では、両方のファスナ用シート部材18a,18bに貫通孔20が形成されているが、ファスナ用シート部材18a,18bのいずれか一方に貫通孔20を形成してもよく、この場合、袋状部12の一方側面の隙間26に見出し紙30を挿入することができる。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、見出し紙を挿入することができる隙間を有する収納用ケースを得ることができる。しかも、袋状部にファスナ部を溶着する際に、隙間を形成することができるため、隙間を形成するための特別な工程が不要であり、安価に収納用ケースを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の収納用ケースの一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す収納用ケースの断面図解図である。
【図3】図1に示す収納用ケースの分解斜視図である。
【図4】この発明の収納用ケースの他の例を示す断面図解図である。
【図5】従来の収納用ケースの一例を示す平面図である。
【図6】図5に示す従来の収納用ケースの断面図解図である。
【符号の説明】
10 収納用ケース
12 袋状部
14a,14b 袋用シート部材
16 ファスナ部
18a,18b ファスナ用シート部材
20 貫通孔
22a,22b 嵌合開閉部
24 スライダ
26 隙間
30 見出し紙

Claims (3)

  1. 一方に開口部を有する袋状部と、前記袋状部の開口部に形成されるファスナ部とを含む収納用ケースにおいて、
    前記ファスナ部は、ファスナ用シート部材と、前記ファスナ用シート部材の一端側に形成される嵌合開閉部とで構成され、
    前記袋状部と前記ファスナ用シート部材とが重ねられた状態で前記ファスナ用シート部材と前記袋状部とが接合され、接合部で囲まれた部分において前記袋状部と前記ファスナ用シート部材との間に隙間が形成されたことを特徴とする、収納用ケース。
  2. 前記袋状部または前記ファスナ用シート部材のうちのいずれか前記隙間に連通する貫通孔が形成された、請求項1に記載の収納用ケース。
  3. 前記袋状部および前記ファスナ部は合成樹脂で形成され、前記接合部は前記袋状部と前記ファスナ用シート部材とが溶着によって接合されたものである、請求項1または請求項2に記載の収納用ケース。
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