JP3691620B2 - 触覚センサプローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動する接触要素を被測定物の生体組織に接触させて、被測定物の硬さを測定する医療用の触覚センサプローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、体内の生体組織の硬さを測定する医療用触覚センサに関する種々の技術が開示されている。例えば、特開平2−290529号公報等では、超音波振動するプローブを生体組織等の対象物、即ち被測定物に接触させ、当該プローブの共振周波数の変化を検知することによって、生体組織等の対象物の硬さを測定する測定器たる硬さセンサに関する技術が開示されている。
【0003】
このような測定器は、例えば患者の皮膚の弾性度を測定したり、或いは内視鏡下で使用することによって、体内の粘膜下に局部的に存在する腫瘍の位置を正しく測定するために用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来技術では、センサの被測定物に対する押圧力によって、共振周波数の変化量が異なるため、定量的なデータを得るためには常に一定の押圧力で保持する必要があるものの、生体内部は心臓の鼓動や胃腸の蠕動等により、測定部位は常に動いているので、その中でプローブ先端を一定の力で押圧するための構造は実現することが難しかった。
【0005】
また、接触要素を被測定物に対して接触させる方向が異なると、接触方向により接触面積が変化すること、接触荷重が変化することなどが起因して、同じ対象であっても共振周波数変化量が異なってしまう。従って、定量的なデータを得る為には、常に一定の方向から被測定物に接触させる必要があり、なかでも、常に垂直に接触させることが必要とされていた。
【0006】
さらに、被測定物が、例えば食道や大腸のような管状臓器内面にある場合は、斜め方向からのアプローチとなる。外科手術で用いられる場合でも、被測定物の存在位置によっては、垂直に接触させられない場合がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構造で常に一定の押圧力を与えたときの被測定物の硬さ情報を検出可能とし、定量的なデータを取れ、且つ簡単な構造で接触方向を一定にする接触センサプローブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の触覚センサプローブは、振動を発生する振動子と、前記振動子を共振周波数で振動させるための発振回路と、前記振動子に連設された被測定物の生体組織に接触される接触要素と、前記振動子を共振周波数で振動させた状態で、前記振動要素を前記被測定物に接触させた時の前記共振周波数の変化を検出し、前記被測定物の硬さの情報を得る共振周波数変化検出手段と、前記接触要素を保持するプローブ本体とを備えた触覚センサプローブにおいて、前記接触要素は、弾性部材を介して前記本体に保持され、前記弾性部材が外力によって所定量変位したときのみ、共振周波数の変化情報信号を出力するスイッチ手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
即ち、本発明の触覚センサプローブでは、発振回路により振動子が共振周波数で振動され、接触要素が前記振動子に連設され被測定物の生体組織に接触され、共振周波数変化検出手段により前記振動子を共振周波数で振動させた状態で前記振動要素を前記被測定物に接触させた時の前記共振周波数の変化が検出され、前記被測定物の硬さの情報が得られ、プローブ本体により前記接触要素が保持され、前記接触要素が弾性部材を介して前記本体に保持され、スイッチ手段により前記弾性部材が外力によって所定量変位したときのみ共振周波数の変化情報信号が出力される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施の形態を説明する。
図1(a)は、第1の実施の形態に係る医療用の触覚センサプローブ全体の概略構成を示す図である。同図に示されるように、この医療用触覚センサプローブには、円筒状で且つ先端部が球面で形成され、更に当該先端部より詳細は後述する接触子9が突出したプローブ本体1が設けられている。
【0011】
このプローブ本体1には、図3に詳細に示されるように、生体内、即ち患者Pの体内に挿入される挿入部2と、該挿入部2の基端部に連結され不図示の測定者が把持する手元側の把持部とが設けられている。このプローブ本体1の把持部は、医療用触覚センサの電源19に接続されている。また、プローブ本体1の挿入部2の先端部には、先端ユニット2Uが設けられている。この先端ユニット2Uには、該円筒状のケーシング4が設けられており、このケーシング4の該軸芯部には、円筒状の振動子5が配設されている(図1(a)参照)。
【0012】
この振動子5としては、例えば圧電セラミック等が用いられる。但し、これに限定されることはなく、例えば水晶振動子や磁歪振動子、トリフッ素化ビニルデン(PVDF)などを採用しても良いことは勿論である。
【0013】
この振動子5は図1(b)に示されるように径方向に分極されている。
即ち、図1(b)に示されるように、この振動子5の内周面には、陽極としての円筒状の第1電極6が配設され、内周面には、陰極としての円筒状の第2電極7が配設されている。この振動子5の内外周面の電極6,7間に時間変動する電圧を印加することにより、振動子5は径方向と軸方向に同時に変形する機械的振動、所謂呼吸運動を行うようになっている。
【0014】
更に、図1(a)に示されるように、この振動子5の中心部には、振動伝達部材8が接着されている。この振動伝達部材8の先端側は、軸方向前方に延設されている。また、振動伝達部材8の先端部には、患者P体内の生体組織である、被測定物Hに接触される接触子(接触要素)9が固定されている。また、プローブ本体1には、ケーシング4の先端部に接触子9を軸芯方向に移動自在に保持する保持穴部4aが形成されている。そして、接触子9は、プローブ本体1の保持穴部4aの先端開口部から外部側に突出した状態で保持されている。
【0015】
上記ケーシング4の先端部には、保持穴部4aの内周面にリング上の取り付け溝4bが形成されている。この取り付け溝4bには、リング上の弾性部材10が嵌着されている。接触子9は、この弾性部材10を介して、ケーシング4の先端部に、軸芯方向に移動自在に弾性支持されている。このように、プローブ本体1と、接触子9との間に弾性部材10が介在する為に、機械的な振動が接触子9からプローブ本体1のケーシング4側に伝達されることはない。
【0016】
また、振動子5の前端部には、振動検出手段としての検出素子11が振動子5と同軸的に密着して配置されている。この検出素子11は、振動子5の前方の振動の節部近傍に配置されている。尚、この検出素子11の材料としては、例えば振動子5と同様に圧電セラミック、水晶発信子等が用いられる。更に、検出素子11には、陽極としても第3電極12が取り付けられている。この検出素子11は、振動子5に共調して振動することで、振動子5の振動の振幅周波数をモニタする為のセンサとして作用させることが可能となっている。
【0017】
上記ケーシング4とスライド自在に嵌合している第2のケーシング21は、その先端面に疎巻きのコイルバネ22を配置し、接触子9に押圧力がかかるとコイルバネ22が縮む構成になっている。第2ケーシング21の内面の所定位置には第1乃至第3の接触電極23乃至25が配置されている。図1(a)に示されるように、接触子9が生体からある押圧力で押されると、ケーシング同士の距離が接近して、ある位置で振動子側の第1から第3電極と、第2ケーシング側の第1から第3接触電極が、それぞれ接触した状態になる。
【0018】
上記検出素子11の第3電極12は、第3接触電極25を介してアンプ回路13に接続されている。更に、このアンプ回路13には、フィルタ回路14が接続されている。このフィルタ回路14は、例えばゲイン(信号増幅率)が周波数に対して変化する周波数帯域を持つバンドパスフィルタの特性を有する。尚、フイルタ回路14としては、バンドパスフィルタ以外にも、例えばローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ミッチフィルタ、積分回路、微分回路、ピーキング増幅器など、ゲインが周波数に対して変化する周波数帯域を有する種々の回路を採用できることは勿論である。更に、上記フィルタ回路14には、振動子5の第1電極6が第1接触電極23を介して接続されている。尚、振動子5の第2電極7は、第2接触電極24を介して接地される。
【0019】
本実施の形態に係る医療用触覚センサでは、検出素子11の出力信号はアンプ回路13を介してフィルタ回路14に入力される。更に、フィルタ回路14の出力は、再びプローブ本体1内に戻り、振動子5に入力され、振動子5の駆動信号になる。即ち、振動子5、検出素子11、アンプ回路13、フィルタ回路14、にて帰還ループによる自励発振の閉回路15が形成されている。
【0020】
このように形成される自励発振回路15によって、プローブ本体1内の振動子5、検出素子11、振動伝達部材8、接触子9からなる機械的振動系16全体を一体的に機械的な共振状態で振動可能となっている。このとき、振動子5の後端部及び、接触子9の先端部が振動の腹部となり、検出素子11の位置が振動の節部となる定在波振動が発生するように接地されている。
【0021】
また、フイルタ回路14には、硬さ情報検出手段としての、電圧測定部17、周波数測定部18がそれぞれ接続されている。そして、動作中の自励発振回路15の電圧及び周波数は、フィルタ回路14からの出力信号に基づいて、電圧測定部17及び周波数測定部18によってそれぞれモニタすることが出来るようになつている。尚、電圧測定部17、周波数測定部18は、自励発振回路15に接続されていれば、どの位置に配置しても構わない。
【0022】
また、図3において、符号31は、本実施の形態の医療用触覚センサと組み合わせて使用される内視鏡を示すものである。この内視鏡31には、生体内たる患者Pの体内に挿入される挿入部32と、この挿入部32の基端部に連結され、不図示の測定者が把持する、手元側の把持部33とが設けられている。更に、把持部33の後端部には、カメラヘッド34が取り付けられている。このカメラヘッド34は、カメラコントロールユニット(CCU ;Camera Contorol Unit)35に接続されており、このCCU35には、モニタ36が接続されている。
【0023】
次に上記構成の第1の実施の形態に係る医療用の触覚センサの作用について説明する。ここでは、図3に示されるように、第1の実施の形態に係る医療用の触覚センサプローブ本体1を、内視鏡31による観察下で、患者Pの体内の触診を行う作業を一例として説明することにする。
【0024】
同図に示されるように、患者Pの腹壁部Yには、2本のトラカール37、38が穿刺される。そして、一方のトラカール37を通して、内視鏡31の挿入部32が患者Pの腹腔Z内に挿入され、他方のトラカール38を通して、医療用触覚センサプローブ本体1の挿入部2が患者Pの腹腔Z内に挿入される。
【0025】
また、内視鏡31で得た腹腔Z内の映像は、カメラヘッド34によって撮像され、画像信号に変換される。そして、カメラヘッド34から出力された画像信号は、CCU35で信号処理された後、モニタ36上に送られ、このモニタ36の画面上に内視鏡像が映し出される。そして、不図示の術者は、モニタ36上の内視鏡像を見ながら、触覚センサのプローブ本体1を操作する。即ち、内視鏡像を見ながら、生体組織にプローブ本体1の先端接触子を接触させ、あるいは場合よっては生体組織表面をなぞる。
【0026】
プローブ本体1は、生体に接触する前の状態では、図2に示されるように、コイルバネ22は無負荷なので、伸びた状態にあり、第1のケーシング4と第2ケーシング21の間隔は広い。その結果、第1電極6、第2電極7、第3電極12と、第1接触電極23、第2接触電極24、第3接触電極25とは接しておらず、この状態では振動子は駆動されていない。
【0027】
続いて、触覚センサプローブを生体に接触させると、押圧力に応じてコイルバネ22が縮み、ある位置で電極同士が接触し、以下の動作が生じる。
即ち、図1(a)の自励発振回路15によって、プローブ本体1内の振動子を、検出素子11、振動伝達部材8、接触子9、からなる機械的振動系16全体で、一体的に機械的な共振状態で振動させる。このとき、動作中の自励発振回路15の電圧及び周波数は、フィルタ回路14からの出力信号に基づいて、電圧測定手段17及び周波数測定手段18によりそれぞれモニタされる。
【0028】
上記電圧測定部17及び周波数測定部18によってモニタされる、自励発振回路15の電圧及び周波数は、被測定物Hの硬さに応じて変化する。従って、電圧測定部17、周波数測定部18で、モニタされる自励発振回路15の電圧変化及び共振周波数の変化を読み取ることで、被測定物Hの硬さを測定することが出来る。そして、この結果に基づいて腹腔Z内の臓器等の生体組織である、被測定物Hの内部の病変部、例えば腫瘍等の位置を触覚によって探り出す。
【0029】
尚、触覚センサの測定情報は、周波数、電圧をそのまま読みとっても良いし、モニタ36の画面上に表示される内視鏡像の上に重ねて、触覚センサの測定情報をグラフ表示しても良いことは勿論である。
【0030】
上記電極同士が接触する位置は、コイルバネ22が一定量押し込まれた時のみであるから、一定の押圧力に対応する。この押圧値より、低い力でも高い力でも電極は接触する位置にないので、振動子は駆動されない。
【0031】
従って、この実施の形態によれば、以下の効果を得る。
即ち、術者がプローブを押しつける力には、当然変動があり、また、生体も変動しているが、本実施の形態の構成では、変動があっても一定の押圧力がかかっている時のみ振動子が駆動して、硬さデータを取ることが出来る。その結果、術者は、特に押圧力を一定にすることを意識しないで、手術に集中できる。また、得られた硬さデータは、一定押圧力の時のデータであり、定量的な評価が可能になる。更に、コイルバネ22を異なるバネ定数のコイルバネに取り替えることで、電極が接触する時の押圧力を任意に設定できる。
【0032】
尚、第1の実施の形態では、所定の押圧力で組織に押し当てた際に、電極が接触するようになっているが、さらに押圧力が大きくなった場合、即ち所定の押圧力以上で押し当てた場合には、接点が離れるので、硬さを測定しなくなる。すなわち、この実施の形態は、所定の押圧力以下でも、以上でも測定は行わず、所定の押圧力の範囲でのみ測定できるものである。
【0033】
次に図4及び図5を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図4は第2の実施の形態に係る触覚センサプローブの外観構成を示す図であり、図5は当該触覚センサプローブの断面構成を示す図である。
【0034】
図4に示されるように、触覚センサプローブ41は、柔軟な樹脂材料よりなるプローブであり、内視鏡42の処置具用チャンネル43に挿通して用いられる。触覚センサプローブ41先端部は、音叉の様に2股形状している。
【0035】
即ち、図5に示されるように、上記触覚センサプローブ41の先端部の一方の枝の表面には、触覚センサ44が配置されている。この触覚センサ44としては、第1実施形態と同様の原理のものを採用できるが、膜状の圧電素子45をプローブ側面に設けた窪み46に張り付け振動させる構造になっている。
【0036】
圧電素子45からは3本の信号線が出ており、先に第1実施形態で説明したアンプ13、接地に繋がる線は、プローブ内を後方に延設してある。フィルタ回路14に接続される信号線は、プローブ先端の電極47に接続され、他方の枝の電極48からは、信号線がフイルタ回路14まで延設されている。
【0037】
このような構成において、上記センサ44に押圧力がかかると、当該センサを設置した板が弾性変形して電極同士が接触する。すると、センサが駆動されるので生体の硬さ情報が取れることになる。
【0038】
この第2の実施の形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる他、触覚センサをプローブ側面に配置しているので、生体に対してセンサを垂直に当てることができ、安定したデータを得ることが出来る。
【0039】
次に図6乃至図9を参照して、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図6は第3の実施の形態に係る触覚センサプローブの外観構成を示す図であり、図7は、当該触覚センサプローブの使用の様子を示す図であり、図8は当該触覚センサプローブの断面構成を示す図である。
【0040】
図6に示されるように、触覚センサプローブ51は、内視鏡52の処置具用挿通チャンネルに挿通して患部まで導びかれる。触覚センサプローブ51は、挿入部53と先端チップ部54からなり、当該先端チップ54内には、先に第2実施形態で説明したものと同様の触覚センサ55を搭載している。更に、この触覚センサ55には、受圧部材56を張り付けてある。
【0041】
上記挿入部53は、柔軟なチューブ57とその外周にテフロンなどのやや硬質のチューブ58からなる(図8参照)。先端チップ直後の挿入部は、硬質チューブの代わりに非常に柔軟なコイルシース59を被嵌してある。このコイルシース59には、外側に反り返った形状の爪部材60を4本等間隔で取り付けている。この爪60は、バネ鋼材などの弾性率の高い材料よりなる。また、爪60の先端位置は、センサ受圧部56より僅かに突出した位置とする。
【0042】
このような構成において、図6に示すように、大腸などの生体管路に内視鏡52を挿入し、患部に対してチャンネルから触覚センサプローブ51を導く。このとき、生体管路は狭いので、プローブを垂直に当てるようには内視鏡52を操作できない。従って、プローブは患者に対して斜め方向から接近する。すると、いずれかの爪60の先端が、まず生体に接触する。
【0043】
いま、この接触点をA点とすると、図7(a)に示されるように、斜め方向に押し込むと、コイルシース59が柔軟であるために、A点を回転軸として矢印方向に回転する。しかして、図7(b)に示されるように、受圧部が患部に対して垂直に当たった状態になる。この状態では、4本の爪先端が生体に接触しているので、安定した姿勢となる。更に、プローブを押し込むと爪が変形し、受圧部56が生体に接触して、硬さを計測することができる。
【0044】
この第3の態様によれば、プローブ先端の押し当て方向が斜めであっても、必ずセンサを特定部位に対して垂直に当てることが出来るので、安定してデータを得ることが出来る。更に、生体においては、大腸、食道、気管支などの管路臓器に対して有効である。尚、本実施の形態の爪部材60は、図9に示されるようなフード部材61であっても同様の機能を果たすことは勿論である。
【0045】
次に図10乃至図12を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
図10は第4の実施の形態に係る触覚センサプローブの断面図であり、図11は当該触覚センサプローブの先端部を患部に押し当てた様子を示す図であり、図12は自動発振回路15の構成を示す図である。
【0046】
図12に示されるように、基本的に第3実施形態と類似の構成の触覚センサ装置において、触覚センサ55を構成する検出素子11からアンプ回路13に信号線が接続される途中にタイマ回路62を設けた。
【0047】
図10に示されるように、触覚センサプローブ63の構成は、触覚センサ55を搭載したへッド部品65は挿入部64先端付近に設けた1対のスライダ66とコイルバネ67によって、挿入部に連結されている。触覚センサ55に設けた電極68とスライダ66に設けた電極68とは、図11に示されるように、生体にセンサ55を押し付けて、コイルバネ67が一定量収縮した時に接触する。スライダ66の電極は自励発振回路15に接続されている。
【0048】
ここで、図12に示される自励発振回路15は、先に第1実施形態で説明したものと略同様であるが、センサ55を構成する検出素子11から出力される信号がタイマ回路62を経由してアンプ回路13に入力されるようになっている。このタイマ回路62は、電極68が接触した瞬間から一定時間電気的に接続状態を保つように機能する。
【0049】
このような構成において、ある一定押圧力でプローブ63を生体に押し付けた時に電極が接触してセンサが駆動する。しかしながら、それ以上の押圧力をかけても電極は接触したままである。そこで、タイマ回路62では電極が接触した瞬間から一定時間だけ、電気的に回路を閉じた状態にしている。
【0050】
この第4の実施の形態によれば、電極が接触した瞬間、即ち一定押圧力がかかったときのみ、生体の接触情報をとれる。
以上詳述したように、本発明の実施の形態によれば、常に一定の押し付け力を与えたときの、被測定物の硬さ情報を検出できるので、定量的なデータとして各種診断補助に有用である。更に、狭所であっても常にセンサを、被測定物に対して垂直に当てることが出来るので、定量的なデータとして各種診断補助に有用である。
【0051】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
ここで、本発明の上記実施態様には、以下の発明が含まれる。
(1)被測定物の生体組織に接触される接触要素と、振動を発生させる振動子と、この振動子を共振周波数で振動させるための発振回路と、前記振動子を共振周波数で振動させた状態で、前記接触要素を前記被測定物に接触させた時の前記共振周波数の変化を検出し、前記測定物の硬さの情報を得る検出部と、前記接触要素を保持するプローブ本体を備えた触覚センサプローブにおいて、
前記接触要素は弾性部材によって本体に保持され、弾性部材が外力によって一定量変位した時のみ、共振周波数の変化情報信号と、出力するスイッチ手段を設けたことを特徴とする触覚センサプローブ。
(2)上記振動子は、圧電素子であることを特徴とする上記(1)に記載の触覚センサプローブ。
(3)上記スイッチ手段は、弾性部材が一定の外力に対応して、一定量変位した位置でのみ振動子側の出力信号電気接点と、検出部側の電気接点が接触するように配置されてなることを特徴とする上記(1)に記載の触覚センサプローブ。
(4)上記スイッチ手段は、弾性部材が一定の外力以上で一定変位した位置で接触する振動子側電気接点と、検出部側電気接点と、電気接点が接触したときに一定時間だけデータを取り込むデータ制限回路からなことを特徴とする上記(1)に記載の触覚センサプローブ。
(5)上記弾性部材はバネであことを特徴とする上記(1)に記載の触覚センサプローブ。
(6)被測定物の生体組織に接触される接触要素と、振動を発生させる振動子と、この振動子を共振周波数で振動させるための発振回路と、前記振動子を共振周波数で振動させた状態で、前記接触要素を、前記被測定物に接触させたときの前記共振周波数の変化を検出し、前記測定物の硬さの情報を得る検出部と、前記接触要素を保持するプローブ本体を備えた、触覚センサプローブにおいて、
プローブ先端に支持部材を設け、該支持部材はその端部全てが、被測定物に接触した状態の時に、前記接触要素が被測定物に対して、垂直に接触した状態を取り、このプローブの先端近傍は、他の部分より柔軟な構造としてあることを特徴とする触覚センサプローブ。
(7)上記振動子は、圧電素子であることを特徴とする上記(6)に記載の触覚センサプローブ。
(8)上記支持部材は、円筒形状のフード、もしくは複数の爪より構成されることを特徴とする上記(6)に記載の触覚センサプローブ。
(9)上記プローブ先端近傍部は、柔軟なコイルシースよりなることを特徴とする上記(6)に記載の触覚センサプローブ。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構造で常に一定の押圧力を与えたときの被測定物の硬さ情報を検出可能とし、定量的なデータを取れ、且つ簡単な構造で接触方向を一定にする接触センサプローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第1の実施の形態に係る医療用の触覚センサ全体の概略構成を示す図、(b)は振動子の一部断面図である。
【図2】図1の触覚センサプローブを患部に押し当てる前の様子を示す図である。
【図3】医療用触覚センサと内視鏡とを組み合わせて使用する臨床の様子を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る触覚センサプローブの外観構成を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る触覚センサプローブの断面構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態に係る触覚センサプローブの外観構成を示す図である。
【図7】図6の触覚センサプローブの使用の様子を示す図である。
【図8】図6の触覚センサプローブの断面構成を示す図である。
【図9】爪部材60の他の例を示す図である。
【図10】第4の実施の形態に係る触覚センサプローブの断面図である。
【図11】図11の触覚センサプローブの先端部を患部に押し当てた様子を示す図である。
【図12】自励発振回路15の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 プローブ本体
2,21 挿入部
4 ケージング
5 振動子
6,7,12,19 電極
8 振動伝達部材
9 接触子
10 弾性部材
11 検出素子
13 プリアンプ
14 フィルタ回路
15 自励発振回路
16 機械的振動系
17 電圧測定部
18 周波数測定部
22 コイルバネ
23,24,25 接触電極
Claims (1)
- 振動を発生する振動子と、前記振動子を共振周波数で振動させるための発振回路と、前記振動子に連設された被測定物の生体組織に接触される接触要素と、前記振動子を共振周波数で振動させた状態で、前記振動要素を前記被測定物に接触させた時の前記共振周波数の変化を検出し、前記被測定物の硬さの情報を得る共振周波数変化検出手段と、前記接触要素を保持するプローブ本体とを備えた触覚センサプローブにおいて、
前記接触要素は、弾性部材を介して前記本体に保持され、前記弾性部材が外力によって所定量変位したときのみ、共振周波数の変化情報信号を出力するスイッチ手段を設けたことを特徴とする触覚センサプローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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