JP3691553B2 - 木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造 - Google Patents
木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の目的】
この発明は、我が国固有の木造軸組構造における木柱の接ぎ手、即ち軸線方向への軸組材の接続構造に係わるものであって、特にその接続構造を実現する上で必要となる接ぎ手金具に関し、基礎構造部と木柱との一体化、および2階建て、3階建てといった多層階木造軸組構造における柱相互の引っ張り耐力を増強する上で有用な木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造の新規な構造を提供しようとするものである。
【0002】
【従来技術】
阪神・淡路大震災は、被災者に物理的にも精神的にも修復しがたい程の極めて凄惨な後遺症を残す一方、科学技術分野にも様々な問題を投げ掛け、それを解き明かして将来に備えるという大きな課題を残す結果となった。
飛躍的に科学技術が進展してきたのと裏腹に、この震災によって多くの木造住宅は倒壊し、中で住まいをしていた人々を押し潰し、脱出不能としてしまい、多数の犠牲者を生み出す事態に至ったという痛ましい事実から、従前までの伝統的な木造軸組構造に係わる各部構造が、建築技術上あるいは建築法規上、果たして十分であったのどうかというこれまで予想もしていなかった問題として浮上し、ここにきてその見直しが急がれている実態は、そうした科学技術分野における大きな課題の一つといえる。
【0003】
最近の建築基準法の改正は、3階建て木造軸組建造物が普通に建築可能となる等、それまでの木造軸組構造に対する構造上の規制を大巾に緩和するものであって、伝統的な我が国の木造軸組構造にとっては、今後様々な可能性を生み出す画期的な変革として、大きな期待を持って受け入れられ始めていたが、震災を切っ掛けとして提起されたこの木造軸組各部構造についての再点検、再検討の必要性は、建築業界、特に木造建築を手掛けている業者やそれを指導、監督する官庁にとって、今後大きな負担となることが予想される。
本願出願人は、このような突発的な事態を契機とするまでもなく、既に特願平3−86265号発明に代表される、横架材とその上方適当間隔の作業空間を確保して並置するようにした補助横架材とを一体化し、それを、仕口部を兼用する補強部材で上下に繋いで一本化した木柱側面に強固に接続するという全く新たな木造軸組構造を完成し、従前までの木造軸組構造では対応しきれなかった部材の規格化や切り出し加工の簡略化、ひいては仕口部の構造強度の増強化までが可能となる技術開発に成功している。
【0004】
この発明は、上記した本願出願人本人において既に開発済みの技術的思想を元に、今回の震災で提起された幾つかの課題との対応を検討してきた結果、課題の一つである柱部材の浮き上がり現象の防止(柱の引っ張り耐力の付与、増強)に有効な技術開発に着手したものである。
即ち、これまでにも、横架材で分断された柱は、水平力が加わることによって必ず浮き上がり現象を惹起してしまうということが知られており、その対策として要所要所に通し柱を採用する構造が義務付けられてきた。
しかし、法改正により3階建木造建築物が可能となったことから、通し柱に替え、金具を採用して上下の柱を繋ぎ一本化する技術を採用することができるようになり、本願出願人は、上述のとおり、逸早く独自の構造によって一本化した柱による木造軸組構造の実用化に踏み出し、実績を積み重ねてきたが、丁度時を同じくして登場してきたクレテック(商品名)金具、即ち柱の側面で横架材を顎掛け状に受けるようにした仕口金具が、既に開発済みの本願出願人の仕口に、その作業性の良さや強度上の信頼性等の面からも十分採用の可能性があるとの判断を得たことにも影響され、それら仕口金具の採用も考慮した更なる試作、実験を繰り返してきた。
【0005】
その結果、このクレテック(商品名)金具を採用した仕口構造を実現する場合も含め、既に本願出願人において開発済みの仕口構造において、雇い実のような金具を介在して柱を上下に通した木造軸組構造を実現する場合、上下柱の接ぎ手部の引っ張り強度に係わる技術は、先の震災で提起された家屋の倒壊防止に特に重要であることが判明した。
即ち、震災時のように、瞬間的に強力な上下動や横揺れ衝撃等、通常想定し得ない程の外力を受けた継ぎ木柱は、所謂一本物の通し柱と違い、その接ぎ手部を構成している接ぎ手金具・木柱間の固定に使用するボルトとそのためのボルト挿通孔との間の僅かなクリアランスに災いされ、加わる外力が、そのクリアランスのある箇所に集中して木柱には剪断破壊を惹起してしまうと共に、ボルトには計算値以上の力が加わり、簡単に曲げ変形破壊を起こしてしまうというこれまでに知られていなかったか、知られていたとしても特にその対策を講ずる必要性までは取り上げられていなかった技術的事項がそれである。
【0006】
このクリアランスを解消する技術手段としては、最も簡便には、ボルトに代えて楔状金具を採用する案も想定し得るが、楔状金具により木柱と接ぎ手金具とを一体化する構造を採用した場合、ボルト孔に相当する孔への食い込み具合の加減、調整が難しいという問題に加え、木造固有の普段の僅かな揺れの繰り返しによって、楔状金具が次第に緩み出してしまう危険性を無視できないという点で耐久性上の信頼性を欠く虞があり、そこで、この発明では、それらの問題を生ずることのない新規な接ぎ手構造の開発、研究を継続し、幾多の試行錯誤の結果、遂に極めて有効且つ信頼性の高い木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造の実現化を見るに至ったものであり、以下に、その詳細を、図面に示す具体的な実施例を参考としながら、順次説示していこうとするものである。
【0007】
【発明の構成】
図面に示されている代表的な実施例からも明確に理解されるように、この発明の木造軸組構は、基本的に次のような構成から成るものである。
即ち、下端には金具本体軸心に合致する雌ネジ部が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を位相させた関係としてなる一対の通孔が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具を、木柱柱脚木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に挿入すると共に、この挿入状とされた木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱柱脚辺りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚に固定した後、木柱埋め込み用接ぎ手金具下端に形成した雌ネジ部を利用して金具本体に木柱柱脚木口外方側への引っ張り力を付与することにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具が、木柱およびそれらの間に介在する固定ボルトに対して遊びのない埋め込み構造を実現してなる木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造である.
【0008】
木柱埋め込み用接ぎ手金具は、その加工性や耐久性、経済性、それに現場での取扱い性の点から、パイプ材よりは鋼棒を加工したものの方が望ましく、下端から材軸心に合致させて所定径のネジ孔を穿って雌ネジ部に形成されると共に、その雌ネジ部に影響しない上方には、材軸心に直交する方向であって、上下に剪断耐力等を考慮した適当間隔を空けると共に、その平面配置上で互いに重なり合うことがなく、しかも木柱断面に応じた角度、例えば四角形断面であれば90°、六角形断面であれば120°といった角度だけ位相するようにした、少なくとも一対のボルト挿通用の通孔が穿設された構造のものとして形成される。
【0009】
木柱は、2階建、3階建等建造物の規模や種類等といった各種要因に従って一般的に算出される部材断面であって、天然材に限定される訳ではなく、集成材や合せ材からなるものでも差支えはなく、その木口から、軸心に合わせ、上記した木柱埋め込み用接ぎ手金具を挿入する上で支障のない径を有し、木柱埋め込み用接ぎ手金具の全長より深い深さとした刳り抜き孔が形成されると共に、柱脚付近の側面からは、木柱埋め込み用接ぎ手金具を収めた際の該木柱埋め込み用接ぎ手金具に位相させて形成されている通孔に合致するようにして、ボルト挿通用の貫通孔が形成されてなるものとする。
したがって、これら貫通孔は、先の刳り抜き孔を貫く状態で形成されることになる。
【0010】
こうして用意された木柱の刳り抜き孔に、先の木柱埋め込み用接ぎ手金具が、その下端を木柱木口よりも奥に止どめた状態に維持された上、木柱柱脚側面に形成した貫通孔からボルトが挿入され、その先端ネジ切り部が木柱埋め込み用接ぎ手金具の通孔入り口に合うよう、木柱埋め込み用接ぎ手金具をその軸心回りに適宜回動調整しながら刺し通してしまい、反対側の木柱柱脚側面から突出状とした同先端ネジ切り部に座金を介するか、あるいは他の金具、例えばクレラック金物(商品名)等のような横架材受け金具を取り付ける箇所に相当する場合であれば、それら金具を介してナットを螺合することにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚内に固定する。
【0011】
この状態の木柱埋め込み用接ぎ手金具は、その下端が木柱木口から、例えば3〜5cm程度奥に止どまる状態で、一応固定された構造を実現していることとなるが、軸線に直交状に配されたボルトとは、該ボルトを挿通させる上で必要となる最小限の余裕を持たせて形成している同通孔との間のクリアランス分だけの遊びを有する構造となっており、また、該木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚部に接続しているボルト自体も、該ボルトを挿通させる上で必要となる最小限の余裕を持たせて形成してある木柱の貫通孔との間に同じくクリアランスを有した構造となっているため、最終的には、この木柱埋め込み用接ぎ手金具には、双方のクリアランス分だけの遊びを有したままの構造で木柱柱脚部分に固定されていることになる。
【0012】
そこで、この木柱を使って木造軸組構造の接ぎ手、即ち上下方向一体化構造を実現するには、その木口下端を接続すべき構造部分、例えば1階の柱に使用するとすれば基礎構造面であり、また2階柱に使用する場合であれば桁、梁等の横架材面か、それが通し柱を構成しなければならないときには、下階側の木柱上端木口等といった構造部分から突出させた雄接ぎ手金具の雄ネジ部を、該木柱柱脚部分に埋設状に固定してある先の木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部に螺合させ、後述する実施例に代表されるような何等かの構造手段によって木柱埋め込み用接ぎ手金具に引っ張り力、即ち木柱木口側に作用する外力を付与するようにすることにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具の、上述したボルトとの間およびボルトを介した木柱との間双方のクリアランスによる遊びを無くしてなる、この発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を実現するものである。
以下、図面に示されているこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用して実現する木柱接ぎ手構造の代表的な幾つかの実施例について説明を加えることにより、この発明が包含する木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造が、より理解し易くなるようにする。
【0013】
【実施例1】
図1の分解した状態で示す一部省略部分を含む要部斜視図、図3の柱中間部を大巾に省略し、横架材受け金具J1を接続した状態で示す要部縦断面図からも理解されるように、この実施例によって実現されるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造は、木柱が1階柱に使用される構造の代表的な事例である。
即ち、下端には金具本体11の軸心に合致する雌ネジ部12が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を90°位相させた関係としてなる一対の通孔13,13が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具1を、木柱2の柱脚木口から、同軸心Lに合致させて形成した埋め込み孔21に挿入し、該木柱埋め込み用接ぎ手金具1が木柱2の柱脚木口から少なくとも10mm程度引っ込み状配置として下がり空間部5が確保されるようにした上、この引っ込み状に挿入されている木柱埋め込み用接ぎ手金具1の各通孔13,13に対応(即ち、貫通孔22の軸心h1が通孔13の軸心H1に合致)する如くして予め木柱2の柱脚辺りに形成した貫通孔22,22から、夫々座金32の嵌められた固定ボルト3を差し込んで、前記した状態に埋設されている木柱埋め込み用接ぎ手金具1の各通孔13あるいは13も貫通して木柱2の反対側の側面から突出させ、その突出状とした固定ボルト3の先端側に横架材受け金具J1を嵌合させてからナット31締めし、この横架材受け金具J1共々木柱埋め込み用接ぎ手金具1を木柱2の柱脚に固定してしまう。
【0014】
その後、既にナット43を中途まで螺合させた接続ボルト4に、木柱2の柱脚木口埋め込み孔の径よりも大きい座金44を嵌め込んで先のナット43に支持させた状態とした上、その雄ネジ部41を、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の下端に形成した雌ネジ部21に所定深さまで螺合させてから、予め螺合させていたナット43を戻して、即ち、該接続ボルト4の先端方向に移動させて座金44を木柱2の柱脚木口に押し当てていくと、下がり空間部5を有していることから、金具本体11には、木柱柱脚木口を支持部とした座金44からの反力で木柱柱脚木口外方側への引っ張り力が作用することとなり、該木柱埋め込み用接ぎ手金具1が、固定ボルト3および木柱2に対して一切遊びのない確実に一体化された埋め込み構造を実現する。
【0015】
その結果、遊びのない埋め込み構造とした木柱埋め込み用接ぎ手金具1の下端に螺合されている接続ボルト4も、木柱2に対し、同じく遊びのない一体構造となり、木柱埋め込み用接ぎ手金具が遊びなく一体化された構造の木柱2を、基礎上に鉛直に維持した状態で、接続ボルト4の頭部42を、基礎構造部Bに埋設、一体化されているアンカーボルトAのヘッドプレートA1に熔着手段で接続してしまい、その後適宜基礎構造部Bの空間B1に詰めモルタルを施す等して均してしてしまえば、木柱2が基礎構造部B上に一体化され、この発明の基本的な構成である木柱埋め込み用接ぎ手金具1の一体化構造を使用した1階部分の木柱接ぎ手構造を完成する。
【0016】
なお、図1中に示されているように、この木柱接ぎ手構造において、基礎構造部Bへの強力な一体化構造を実現する上で、木柱2の軸芯Lに対して、同埋め込み孔21の軸芯、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12の軸芯、および、接続ボルト4の軸心、アンカーボルトAの軸芯が、全て同一直接上に合致して形成されるようにすることは、極めて重要な要素であり、細心の注意を要することになる。
他方、この実施例では、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の固定ボルト3が、土台(図示せず)木口に顎掛け状に接続、一体化できるようにした配置の横架材受け金具(商品名でクレテック金物)J1を木柱2に一体化するための金具を兼用した構造の例としているが、この発明においては必ずしも必須の構成要件でなく、土台との仕口構造は、その外、適宜公知の仕口構造等で代替することも勿論可能である。
【0017】
【実施例2】
図2の分解した状態で示す一部省略部分を含む要部斜視図、および図3の柱中間部を大巾に省略し、横架材受け金具J2を接続した状態で示す要部縦断面図からも理解されるように、この実施例によって実現されるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造は、木柱が2階以上の柱に使用され、その下の階の柱と直接接続されて通し柱構造を実現するようにした構造の代表的な事例である。
先ず、2階以上(この実施例では2階を想定)の柱に使用される木柱7の柱脚部分の構成は、上記した実施例1における1階部分で基礎構造部Bに一体化されるための構造の中、接続ボルト4に代え、雄接ぎ手金具6が採用され、同接続ボルト4がアンカーボルトAを介して基礎構造部Bに接続、一体化されるようにした構造に代え、該雄接ぎ手金具6が、接続すべきその下の階(この実施例では1階)の木柱2の柱頭部に固定されたものとなし、同雄ネジ部62を木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合していき、先の実施例では座金44を木口に押し当てて反力を得、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の金具本体11に引っ張り力が作用するようにしていたのに対し、この実施例では、雄接ぎ手金具6を固定している1階木柱2の柱頭木口が、木柱7の柱脚木口に押し当てられることにより、木柱7の木柱埋め込み用接ぎ手金具1の金具本体11、および木柱2の雄接ぎ手金具6の金具本体61に、夫々の木口外方に向かう引っ張り力が作用するようにしたものである。
【0018】
したがって、木柱7は、上記実施例1における木柱2に相当し、同埋め込み孔71は、同様に実施例1の埋め込み孔21に、同貫通孔72は、同様に実施例1の貫通孔22に相当し、それ以外の構成、即ち、木柱埋め込み用接ぎ手金具1や固定ボルト3関係、下がり空間部5は、略同一の構成となるため、便宜上同一の符号によって示している。
【0019】
上記のようにして形成された2階木柱7に対し、接続すべき1階の木柱2の柱頭部には、上記木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合可能な雄ネジ部62を有する雄接ぎ手金具6が固定される。
即ち、上端には前記木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合可能な雄ネジ部62が形成されると共に、下端側には金具本体61の軸心に直交する通孔63が形成され、該埋め込み用雄接ぎ手金具6を、接合すべき1階木柱2の柱頭木口から、同軸心Lに合致させて形成した埋め込み孔23に挿入すると共に、この挿入状とされた埋め込み用雄接ぎ手金具6の通孔63に対応(即ち、貫通孔24の軸心h2が通孔63の軸心H2に合致)する如くして予め木柱2の柱頭辺りに形成してある貫通孔24から、座金82を嵌めた固定ボルト8を差し込み、埋め込み用雄接ぎ手金具6の通孔63も貫通して反対側に突出した先端部に、横架材受け金具J2を嵌合した上、ナット81締めすることによって、該埋め込み用雄接ぎ手金具6を、接続すべき1階の木柱2柱頭に固定してしまう。
【0020】
なお、この実施例では、横架材受け金具J2の木柱2柱頭への固定をより強固なものとする必要から、上記した固定ボルト8に平行する補強ボルト9を併用した構造とし、該補強ボルト9を、木柱2柱頭に埋め込まれている埋め込み用雄接ぎ手金具6に掛からない位置で木柱2を貫通するようにした例としている。
そして、実施例1同様、固定ボルト8が、図4の水平断面図でも明らかなとおり、横架材受け金具J2を木柱2に一体化するための金具を兼用した構造のものとしているが、木柱2に梁、桁等の横架材(図示せず)を接続、一体化する仕口構造としては、必ずしもこの横架材受け金具J2によるものに限定されている訳ではなく、適宜公知の接ぎ手構造の採用が可能であることはいうまでもないことである。
【0021】
その後、それら固定された埋め込み用雄接ぎ手金具6の雄ネジ部62に、木柱7の柱脚に固定した木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12を、図5の部分斜視図に示すように、木柱7自体を同軸心L回りに回動して螺合させると、埋め込み用雄接ぎ手金具6の金具本体61が、木柱7の下がり空間部5内を進み、木柱7の柱脚木口と、接合すべき1階の木柱2の柱頭木口とを当接させる状態となり、なおもこの工程を強化させることにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具1および埋め込み用雄接ぎ手金具6双方に引っ張り力を付与し、木柱埋め込み用接ぎ手金具1および埋め込み用雄接ぎ手金具6共、夫々が埋め込まれている木柱7または2に対して遊びなく一体化され、上下の木柱7と2とは、恰も1本物の通し柱に匹敵する構造強度を有した木柱接ぎ手構造を実現する。
【0022】
【作用効果】
以上のような構成からなるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造は、それを使用した木柱接ぎ手構造の代表的な実施例でも明らかにされているように、木柱埋め込み用接ぎ手金具を長期間に渡って一切ガタつきの無いものとして木柱軸心部に埋入、固定することを可能とするものであり、その結果、仮令、震災時のように、瞬間的に強力な上下動や横揺れ衝撃等、通常想定し得ない程の外力を受けたとしても、固定ボルトとそのためのボルト挿通孔との間にクリアランスを有していながら、ガタつかない構造を実現し得ていることになり、従前までのように、加わる外力でクリアランスに起因したガタつきを生じ、その箇所に外力を集中させて木柱を剪断破壊させてしまうような虞は殆ど想定しなくても済むものとなるだけではなく、ボルトに計算値以上の力を加わえてしまって、簡単に曲げ変形破壊を起こしてしまうことも無くすことができ、所謂一本物の通し柱の場合と殆ど差がない極めて安全且つ信頼性の高い木柱相互あるいは木柱と基礎構造部との接ぎ手構造の実現化を可能とするものである。
【0023】
したがって、阪神・淡路大震災で露呈してしまったような、平屋建て2階建て木造家屋が基礎構造部から外れたり剪断破壊を起こして倒壊してしまう危険性を確実に防止できるものとすると共に、法改正で可能となった3階建て木造軸組構造による建造物の安全性確保の面にも大いに貢献するものになると予想され、更には、比較的簡単に通し柱と同様の木造軸組構造の実現化が可能となるため、最近注目され始めているクレテック(商品名)金具のような横架材受け金具を使用して仕口構造を実現する場合も含め、既に本願出願人において開発済みの仕口構造の実現が極めてたやすくなることから、木造軸組構造の構成部材の規格化、工場生産化の推進が容易になり、それだけ現場における作業効率を高め、これまで工期やコストの面等で引けを取ってきたプレファブ建築にも互角かそれよりも場合によっては有利な構造として我が国伝統の木造軸組構造を普及、定着させていくことを可能とするものである。
【0024】
特に、実施例に示すこの発明の基本をなす木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造によれば、木柱埋め込み用接ぎ手金具1を木柱2または7の軸心部に埋入、固定する手段として、その加工性、作業性、経済性等の面から、最も合理的且つ簡便な構造として従来から採用されてきている、母体となる側の木柱2または7と木柱埋め込み用接ぎ手金具1とを合わせて串刺し状に固定ボルト3で刺し通す構造を採用し、固定ボルト3を刺し通すために必要とされる通孔または貫通孔の径を実用上支障を来す虞のない従来同様のものとしたまま、固定ボルト3に対するガタつきを確実に無くすことができ、基礎構造部Bからその上の全ての木柱2または7を極めて強固且つ簡単に一体化して、安全で信頼性の置ける木造軸組構造の実現化のために大いに役立つものとなることが予想される。
【0025】
叙上の如く、この発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造は、極めて簡潔な構造で所期の目的を達成し、経済的で施工性も良く、しかも耐震性にも極めて秀れた木造軸組構造を完成することが可能となり、これまで衰退気味に推移してきた我が国古来からの木造軸組構造を、再び一般ユーザーの期待する内容で、しかも現代社会で必要とされる規格に合った木造軸組構造建築として提供することが可能になるという点で高い評価が得られるものといえる。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の基本をなす木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造の代表的な事例を示すものである。
【図 1】基礎構造部に対する木柱接ぎ手構造を示す分解斜視図である。
【図 2】木柱相互の木柱接ぎ手構造を示す分解斜視図である。
【図 3】図1および図2の木柱接ぎ手構造を合わせて示す、一部を省略したものの縦断面図である。
【図 4】図2の実施例における横架材受け金具の一体化構造を説明するための水平断面図である。
【図 5】図2の実施例における接続過程を示すための部分斜視図である。
【符号の説明】
1 木柱埋め込み用接ぎ手金具
11 同金具本体
12 同雌ネジ部
13 同通孔
2 木 柱
21 同埋め込み孔
22 同貫通孔
23 同埋め込み孔
24 同貫通孔
3 固定ボルト
31 同ナット
32 同座金
4 接続ボルト
41 同雄ネジ部
42 同頭部
43 同ナット
44 同座金
5 下がり空間部
6 埋め込み用雄接ぎ手金具
61 同金具本体
62 同雌ネジ部
63 同通孔
7 2階木柱
71 同埋め込み孔
72 同貫通孔
8 固定ボルト
81 同ナット
82 同座金
9 補強ボルト
A アンカーボルト
B 基礎構造部
J1 土台用の顎掛け金具
J2 梁、桁等の横架材受け金具
【発明の目的】
この発明は、我が国固有の木造軸組構造における木柱の接ぎ手、即ち軸線方向への軸組材の接続構造に係わるものであって、特にその接続構造を実現する上で必要となる接ぎ手金具に関し、基礎構造部と木柱との一体化、および2階建て、3階建てといった多層階木造軸組構造における柱相互の引っ張り耐力を増強する上で有用な木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造の新規な構造を提供しようとするものである。
【0002】
【従来技術】
阪神・淡路大震災は、被災者に物理的にも精神的にも修復しがたい程の極めて凄惨な後遺症を残す一方、科学技術分野にも様々な問題を投げ掛け、それを解き明かして将来に備えるという大きな課題を残す結果となった。
飛躍的に科学技術が進展してきたのと裏腹に、この震災によって多くの木造住宅は倒壊し、中で住まいをしていた人々を押し潰し、脱出不能としてしまい、多数の犠牲者を生み出す事態に至ったという痛ましい事実から、従前までの伝統的な木造軸組構造に係わる各部構造が、建築技術上あるいは建築法規上、果たして十分であったのどうかというこれまで予想もしていなかった問題として浮上し、ここにきてその見直しが急がれている実態は、そうした科学技術分野における大きな課題の一つといえる。
【0003】
最近の建築基準法の改正は、3階建て木造軸組建造物が普通に建築可能となる等、それまでの木造軸組構造に対する構造上の規制を大巾に緩和するものであって、伝統的な我が国の木造軸組構造にとっては、今後様々な可能性を生み出す画期的な変革として、大きな期待を持って受け入れられ始めていたが、震災を切っ掛けとして提起されたこの木造軸組各部構造についての再点検、再検討の必要性は、建築業界、特に木造建築を手掛けている業者やそれを指導、監督する官庁にとって、今後大きな負担となることが予想される。
本願出願人は、このような突発的な事態を契機とするまでもなく、既に特願平3−86265号発明に代表される、横架材とその上方適当間隔の作業空間を確保して並置するようにした補助横架材とを一体化し、それを、仕口部を兼用する補強部材で上下に繋いで一本化した木柱側面に強固に接続するという全く新たな木造軸組構造を完成し、従前までの木造軸組構造では対応しきれなかった部材の規格化や切り出し加工の簡略化、ひいては仕口部の構造強度の増強化までが可能となる技術開発に成功している。
【0004】
この発明は、上記した本願出願人本人において既に開発済みの技術的思想を元に、今回の震災で提起された幾つかの課題との対応を検討してきた結果、課題の一つである柱部材の浮き上がり現象の防止(柱の引っ張り耐力の付与、増強)に有効な技術開発に着手したものである。
即ち、これまでにも、横架材で分断された柱は、水平力が加わることによって必ず浮き上がり現象を惹起してしまうということが知られており、その対策として要所要所に通し柱を採用する構造が義務付けられてきた。
しかし、法改正により3階建木造建築物が可能となったことから、通し柱に替え、金具を採用して上下の柱を繋ぎ一本化する技術を採用することができるようになり、本願出願人は、上述のとおり、逸早く独自の構造によって一本化した柱による木造軸組構造の実用化に踏み出し、実績を積み重ねてきたが、丁度時を同じくして登場してきたクレテック(商品名)金具、即ち柱の側面で横架材を顎掛け状に受けるようにした仕口金具が、既に開発済みの本願出願人の仕口に、その作業性の良さや強度上の信頼性等の面からも十分採用の可能性があるとの判断を得たことにも影響され、それら仕口金具の採用も考慮した更なる試作、実験を繰り返してきた。
【0005】
その結果、このクレテック(商品名)金具を採用した仕口構造を実現する場合も含め、既に本願出願人において開発済みの仕口構造において、雇い実のような金具を介在して柱を上下に通した木造軸組構造を実現する場合、上下柱の接ぎ手部の引っ張り強度に係わる技術は、先の震災で提起された家屋の倒壊防止に特に重要であることが判明した。
即ち、震災時のように、瞬間的に強力な上下動や横揺れ衝撃等、通常想定し得ない程の外力を受けた継ぎ木柱は、所謂一本物の通し柱と違い、その接ぎ手部を構成している接ぎ手金具・木柱間の固定に使用するボルトとそのためのボルト挿通孔との間の僅かなクリアランスに災いされ、加わる外力が、そのクリアランスのある箇所に集中して木柱には剪断破壊を惹起してしまうと共に、ボルトには計算値以上の力が加わり、簡単に曲げ変形破壊を起こしてしまうというこれまでに知られていなかったか、知られていたとしても特にその対策を講ずる必要性までは取り上げられていなかった技術的事項がそれである。
【0006】
このクリアランスを解消する技術手段としては、最も簡便には、ボルトに代えて楔状金具を採用する案も想定し得るが、楔状金具により木柱と接ぎ手金具とを一体化する構造を採用した場合、ボルト孔に相当する孔への食い込み具合の加減、調整が難しいという問題に加え、木造固有の普段の僅かな揺れの繰り返しによって、楔状金具が次第に緩み出してしまう危険性を無視できないという点で耐久性上の信頼性を欠く虞があり、そこで、この発明では、それらの問題を生ずることのない新規な接ぎ手構造の開発、研究を継続し、幾多の試行錯誤の結果、遂に極めて有効且つ信頼性の高い木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造の実現化を見るに至ったものであり、以下に、その詳細を、図面に示す具体的な実施例を参考としながら、順次説示していこうとするものである。
【0007】
【発明の構成】
図面に示されている代表的な実施例からも明確に理解されるように、この発明の木造軸組構は、基本的に次のような構成から成るものである。
即ち、下端には金具本体軸心に合致する雌ネジ部が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を位相させた関係としてなる一対の通孔が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具を、木柱柱脚木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に挿入すると共に、この挿入状とされた木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱柱脚辺りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚に固定した後、木柱埋め込み用接ぎ手金具下端に形成した雌ネジ部を利用して金具本体に木柱柱脚木口外方側への引っ張り力を付与することにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具が、木柱およびそれらの間に介在する固定ボルトに対して遊びのない埋め込み構造を実現してなる木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造である.
【0008】
木柱埋め込み用接ぎ手金具は、その加工性や耐久性、経済性、それに現場での取扱い性の点から、パイプ材よりは鋼棒を加工したものの方が望ましく、下端から材軸心に合致させて所定径のネジ孔を穿って雌ネジ部に形成されると共に、その雌ネジ部に影響しない上方には、材軸心に直交する方向であって、上下に剪断耐力等を考慮した適当間隔を空けると共に、その平面配置上で互いに重なり合うことがなく、しかも木柱断面に応じた角度、例えば四角形断面であれば90°、六角形断面であれば120°といった角度だけ位相するようにした、少なくとも一対のボルト挿通用の通孔が穿設された構造のものとして形成される。
【0009】
木柱は、2階建、3階建等建造物の規模や種類等といった各種要因に従って一般的に算出される部材断面であって、天然材に限定される訳ではなく、集成材や合せ材からなるものでも差支えはなく、その木口から、軸心に合わせ、上記した木柱埋め込み用接ぎ手金具を挿入する上で支障のない径を有し、木柱埋め込み用接ぎ手金具の全長より深い深さとした刳り抜き孔が形成されると共に、柱脚付近の側面からは、木柱埋め込み用接ぎ手金具を収めた際の該木柱埋め込み用接ぎ手金具に位相させて形成されている通孔に合致するようにして、ボルト挿通用の貫通孔が形成されてなるものとする。
したがって、これら貫通孔は、先の刳り抜き孔を貫く状態で形成されることになる。
【0010】
こうして用意された木柱の刳り抜き孔に、先の木柱埋め込み用接ぎ手金具が、その下端を木柱木口よりも奥に止どめた状態に維持された上、木柱柱脚側面に形成した貫通孔からボルトが挿入され、その先端ネジ切り部が木柱埋め込み用接ぎ手金具の通孔入り口に合うよう、木柱埋め込み用接ぎ手金具をその軸心回りに適宜回動調整しながら刺し通してしまい、反対側の木柱柱脚側面から突出状とした同先端ネジ切り部に座金を介するか、あるいは他の金具、例えばクレラック金物(商品名)等のような横架材受け金具を取り付ける箇所に相当する場合であれば、それら金具を介してナットを螺合することにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚内に固定する。
【0011】
この状態の木柱埋め込み用接ぎ手金具は、その下端が木柱木口から、例えば3〜5cm程度奥に止どまる状態で、一応固定された構造を実現していることとなるが、軸線に直交状に配されたボルトとは、該ボルトを挿通させる上で必要となる最小限の余裕を持たせて形成している同通孔との間のクリアランス分だけの遊びを有する構造となっており、また、該木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚部に接続しているボルト自体も、該ボルトを挿通させる上で必要となる最小限の余裕を持たせて形成してある木柱の貫通孔との間に同じくクリアランスを有した構造となっているため、最終的には、この木柱埋め込み用接ぎ手金具には、双方のクリアランス分だけの遊びを有したままの構造で木柱柱脚部分に固定されていることになる。
【0012】
そこで、この木柱を使って木造軸組構造の接ぎ手、即ち上下方向一体化構造を実現するには、その木口下端を接続すべき構造部分、例えば1階の柱に使用するとすれば基礎構造面であり、また2階柱に使用する場合であれば桁、梁等の横架材面か、それが通し柱を構成しなければならないときには、下階側の木柱上端木口等といった構造部分から突出させた雄接ぎ手金具の雄ネジ部を、該木柱柱脚部分に埋設状に固定してある先の木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部に螺合させ、後述する実施例に代表されるような何等かの構造手段によって木柱埋め込み用接ぎ手金具に引っ張り力、即ち木柱木口側に作用する外力を付与するようにすることにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具の、上述したボルトとの間およびボルトを介した木柱との間双方のクリアランスによる遊びを無くしてなる、この発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を実現するものである。
以下、図面に示されているこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用して実現する木柱接ぎ手構造の代表的な幾つかの実施例について説明を加えることにより、この発明が包含する木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造が、より理解し易くなるようにする。
【0013】
【実施例1】
図1の分解した状態で示す一部省略部分を含む要部斜視図、図3の柱中間部を大巾に省略し、横架材受け金具J1を接続した状態で示す要部縦断面図からも理解されるように、この実施例によって実現されるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造は、木柱が1階柱に使用される構造の代表的な事例である。
即ち、下端には金具本体11の軸心に合致する雌ネジ部12が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を90°位相させた関係としてなる一対の通孔13,13が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具1を、木柱2の柱脚木口から、同軸心Lに合致させて形成した埋め込み孔21に挿入し、該木柱埋め込み用接ぎ手金具1が木柱2の柱脚木口から少なくとも10mm程度引っ込み状配置として下がり空間部5が確保されるようにした上、この引っ込み状に挿入されている木柱埋め込み用接ぎ手金具1の各通孔13,13に対応(即ち、貫通孔22の軸心h1が通孔13の軸心H1に合致)する如くして予め木柱2の柱脚辺りに形成した貫通孔22,22から、夫々座金32の嵌められた固定ボルト3を差し込んで、前記した状態に埋設されている木柱埋め込み用接ぎ手金具1の各通孔13あるいは13も貫通して木柱2の反対側の側面から突出させ、その突出状とした固定ボルト3の先端側に横架材受け金具J1を嵌合させてからナット31締めし、この横架材受け金具J1共々木柱埋め込み用接ぎ手金具1を木柱2の柱脚に固定してしまう。
【0014】
その後、既にナット43を中途まで螺合させた接続ボルト4に、木柱2の柱脚木口埋め込み孔の径よりも大きい座金44を嵌め込んで先のナット43に支持させた状態とした上、その雄ネジ部41を、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の下端に形成した雌ネジ部21に所定深さまで螺合させてから、予め螺合させていたナット43を戻して、即ち、該接続ボルト4の先端方向に移動させて座金44を木柱2の柱脚木口に押し当てていくと、下がり空間部5を有していることから、金具本体11には、木柱柱脚木口を支持部とした座金44からの反力で木柱柱脚木口外方側への引っ張り力が作用することとなり、該木柱埋め込み用接ぎ手金具1が、固定ボルト3および木柱2に対して一切遊びのない確実に一体化された埋め込み構造を実現する。
【0015】
その結果、遊びのない埋め込み構造とした木柱埋め込み用接ぎ手金具1の下端に螺合されている接続ボルト4も、木柱2に対し、同じく遊びのない一体構造となり、木柱埋め込み用接ぎ手金具が遊びなく一体化された構造の木柱2を、基礎上に鉛直に維持した状態で、接続ボルト4の頭部42を、基礎構造部Bに埋設、一体化されているアンカーボルトAのヘッドプレートA1に熔着手段で接続してしまい、その後適宜基礎構造部Bの空間B1に詰めモルタルを施す等して均してしてしまえば、木柱2が基礎構造部B上に一体化され、この発明の基本的な構成である木柱埋め込み用接ぎ手金具1の一体化構造を使用した1階部分の木柱接ぎ手構造を完成する。
【0016】
なお、図1中に示されているように、この木柱接ぎ手構造において、基礎構造部Bへの強力な一体化構造を実現する上で、木柱2の軸芯Lに対して、同埋め込み孔21の軸芯、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12の軸芯、および、接続ボルト4の軸心、アンカーボルトAの軸芯が、全て同一直接上に合致して形成されるようにすることは、極めて重要な要素であり、細心の注意を要することになる。
他方、この実施例では、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の固定ボルト3が、土台(図示せず)木口に顎掛け状に接続、一体化できるようにした配置の横架材受け金具(商品名でクレテック金物)J1を木柱2に一体化するための金具を兼用した構造の例としているが、この発明においては必ずしも必須の構成要件でなく、土台との仕口構造は、その外、適宜公知の仕口構造等で代替することも勿論可能である。
【0017】
【実施例2】
図2の分解した状態で示す一部省略部分を含む要部斜視図、および図3の柱中間部を大巾に省略し、横架材受け金具J2を接続した状態で示す要部縦断面図からも理解されるように、この実施例によって実現されるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造は、木柱が2階以上の柱に使用され、その下の階の柱と直接接続されて通し柱構造を実現するようにした構造の代表的な事例である。
先ず、2階以上(この実施例では2階を想定)の柱に使用される木柱7の柱脚部分の構成は、上記した実施例1における1階部分で基礎構造部Bに一体化されるための構造の中、接続ボルト4に代え、雄接ぎ手金具6が採用され、同接続ボルト4がアンカーボルトAを介して基礎構造部Bに接続、一体化されるようにした構造に代え、該雄接ぎ手金具6が、接続すべきその下の階(この実施例では1階)の木柱2の柱頭部に固定されたものとなし、同雄ネジ部62を木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合していき、先の実施例では座金44を木口に押し当てて反力を得、木柱埋め込み用接ぎ手金具1の金具本体11に引っ張り力が作用するようにしていたのに対し、この実施例では、雄接ぎ手金具6を固定している1階木柱2の柱頭木口が、木柱7の柱脚木口に押し当てられることにより、木柱7の木柱埋め込み用接ぎ手金具1の金具本体11、および木柱2の雄接ぎ手金具6の金具本体61に、夫々の木口外方に向かう引っ張り力が作用するようにしたものである。
【0018】
したがって、木柱7は、上記実施例1における木柱2に相当し、同埋め込み孔71は、同様に実施例1の埋め込み孔21に、同貫通孔72は、同様に実施例1の貫通孔22に相当し、それ以外の構成、即ち、木柱埋め込み用接ぎ手金具1や固定ボルト3関係、下がり空間部5は、略同一の構成となるため、便宜上同一の符号によって示している。
【0019】
上記のようにして形成された2階木柱7に対し、接続すべき1階の木柱2の柱頭部には、上記木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合可能な雄ネジ部62を有する雄接ぎ手金具6が固定される。
即ち、上端には前記木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12に螺合可能な雄ネジ部62が形成されると共に、下端側には金具本体61の軸心に直交する通孔63が形成され、該埋め込み用雄接ぎ手金具6を、接合すべき1階木柱2の柱頭木口から、同軸心Lに合致させて形成した埋め込み孔23に挿入すると共に、この挿入状とされた埋め込み用雄接ぎ手金具6の通孔63に対応(即ち、貫通孔24の軸心h2が通孔63の軸心H2に合致)する如くして予め木柱2の柱頭辺りに形成してある貫通孔24から、座金82を嵌めた固定ボルト8を差し込み、埋め込み用雄接ぎ手金具6の通孔63も貫通して反対側に突出した先端部に、横架材受け金具J2を嵌合した上、ナット81締めすることによって、該埋め込み用雄接ぎ手金具6を、接続すべき1階の木柱2柱頭に固定してしまう。
【0020】
なお、この実施例では、横架材受け金具J2の木柱2柱頭への固定をより強固なものとする必要から、上記した固定ボルト8に平行する補強ボルト9を併用した構造とし、該補強ボルト9を、木柱2柱頭に埋め込まれている埋め込み用雄接ぎ手金具6に掛からない位置で木柱2を貫通するようにした例としている。
そして、実施例1同様、固定ボルト8が、図4の水平断面図でも明らかなとおり、横架材受け金具J2を木柱2に一体化するための金具を兼用した構造のものとしているが、木柱2に梁、桁等の横架材(図示せず)を接続、一体化する仕口構造としては、必ずしもこの横架材受け金具J2によるものに限定されている訳ではなく、適宜公知の接ぎ手構造の採用が可能であることはいうまでもないことである。
【0021】
その後、それら固定された埋め込み用雄接ぎ手金具6の雄ネジ部62に、木柱7の柱脚に固定した木柱埋め込み用接ぎ手金具1の雌ネジ部12を、図5の部分斜視図に示すように、木柱7自体を同軸心L回りに回動して螺合させると、埋め込み用雄接ぎ手金具6の金具本体61が、木柱7の下がり空間部5内を進み、木柱7の柱脚木口と、接合すべき1階の木柱2の柱頭木口とを当接させる状態となり、なおもこの工程を強化させることにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具1および埋め込み用雄接ぎ手金具6双方に引っ張り力を付与し、木柱埋め込み用接ぎ手金具1および埋め込み用雄接ぎ手金具6共、夫々が埋め込まれている木柱7または2に対して遊びなく一体化され、上下の木柱7と2とは、恰も1本物の通し柱に匹敵する構造強度を有した木柱接ぎ手構造を実現する。
【0022】
【作用効果】
以上のような構成からなるこの発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造は、それを使用した木柱接ぎ手構造の代表的な実施例でも明らかにされているように、木柱埋め込み用接ぎ手金具を長期間に渡って一切ガタつきの無いものとして木柱軸心部に埋入、固定することを可能とするものであり、その結果、仮令、震災時のように、瞬間的に強力な上下動や横揺れ衝撃等、通常想定し得ない程の外力を受けたとしても、固定ボルトとそのためのボルト挿通孔との間にクリアランスを有していながら、ガタつかない構造を実現し得ていることになり、従前までのように、加わる外力でクリアランスに起因したガタつきを生じ、その箇所に外力を集中させて木柱を剪断破壊させてしまうような虞は殆ど想定しなくても済むものとなるだけではなく、ボルトに計算値以上の力を加わえてしまって、簡単に曲げ変形破壊を起こしてしまうことも無くすことができ、所謂一本物の通し柱の場合と殆ど差がない極めて安全且つ信頼性の高い木柱相互あるいは木柱と基礎構造部との接ぎ手構造の実現化を可能とするものである。
【0023】
したがって、阪神・淡路大震災で露呈してしまったような、平屋建て2階建て木造家屋が基礎構造部から外れたり剪断破壊を起こして倒壊してしまう危険性を確実に防止できるものとすると共に、法改正で可能となった3階建て木造軸組構造による建造物の安全性確保の面にも大いに貢献するものになると予想され、更には、比較的簡単に通し柱と同様の木造軸組構造の実現化が可能となるため、最近注目され始めているクレテック(商品名)金具のような横架材受け金具を使用して仕口構造を実現する場合も含め、既に本願出願人において開発済みの仕口構造の実現が極めてたやすくなることから、木造軸組構造の構成部材の規格化、工場生産化の推進が容易になり、それだけ現場における作業効率を高め、これまで工期やコストの面等で引けを取ってきたプレファブ建築にも互角かそれよりも場合によっては有利な構造として我が国伝統の木造軸組構造を普及、定着させていくことを可能とするものである。
【0024】
特に、実施例に示すこの発明の基本をなす木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造によれば、木柱埋め込み用接ぎ手金具1を木柱2または7の軸心部に埋入、固定する手段として、その加工性、作業性、経済性等の面から、最も合理的且つ簡便な構造として従来から採用されてきている、母体となる側の木柱2または7と木柱埋め込み用接ぎ手金具1とを合わせて串刺し状に固定ボルト3で刺し通す構造を採用し、固定ボルト3を刺し通すために必要とされる通孔または貫通孔の径を実用上支障を来す虞のない従来同様のものとしたまま、固定ボルト3に対するガタつきを確実に無くすことができ、基礎構造部Bからその上の全ての木柱2または7を極めて強固且つ簡単に一体化して、安全で信頼性の置ける木造軸組構造の実現化のために大いに役立つものとなることが予想される。
【0025】
叙上の如く、この発明の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造、およびそれを使用した木柱接ぎ手構造は、極めて簡潔な構造で所期の目的を達成し、経済的で施工性も良く、しかも耐震性にも極めて秀れた木造軸組構造を完成することが可能となり、これまで衰退気味に推移してきた我が国古来からの木造軸組構造を、再び一般ユーザーの期待する内容で、しかも現代社会で必要とされる規格に合った木造軸組構造建築として提供することが可能になるという点で高い評価が得られるものといえる。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の基本をなす木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造の代表的な事例を示すものである。
【図 1】基礎構造部に対する木柱接ぎ手構造を示す分解斜視図である。
【図 2】木柱相互の木柱接ぎ手構造を示す分解斜視図である。
【図 3】図1および図2の木柱接ぎ手構造を合わせて示す、一部を省略したものの縦断面図である。
【図 4】図2の実施例における横架材受け金具の一体化構造を説明するための水平断面図である。
【図 5】図2の実施例における接続過程を示すための部分斜視図である。
【符号の説明】
1 木柱埋め込み用接ぎ手金具
11 同金具本体
12 同雌ネジ部
13 同通孔
2 木 柱
21 同埋め込み孔
22 同貫通孔
23 同埋め込み孔
24 同貫通孔
3 固定ボルト
31 同ナット
32 同座金
4 接続ボルト
41 同雄ネジ部
42 同頭部
43 同ナット
44 同座金
5 下がり空間部
6 埋め込み用雄接ぎ手金具
61 同金具本体
62 同雌ネジ部
63 同通孔
7 2階木柱
71 同埋め込み孔
72 同貫通孔
8 固定ボルト
81 同ナット
82 同座金
9 補強ボルト
A アンカーボルト
B 基礎構造部
J1 土台用の顎掛け金具
J2 梁、桁等の横架材受け金具
Claims (4)
- 下端には金具本体軸心に合致する雌ネジ部が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を位相させた関係としてなる一対の通孔が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具を、木柱柱脚木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に挿入すると共に、この挿入状とされた木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱柱脚辺りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚に固定した後、木柱埋め込み用接ぎ手金具下端に形成した雌ネジ部を利用して金具本体に木柱柱脚木口外方側への引っ張り力を付与することにより、木柱埋め込み用接ぎ手金具が、木柱およびそれらの間に介在する固定ボルトに対して遊びのない埋め込み構造を実現してなる木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造。
- 下端には金具本体軸心に合致する雌ネジ部が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を位相させた関係としてなる一対の通孔が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具を、木柱柱脚木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に挿入し、該木柱埋め込み用接ぎ手金具が木柱柱脚木口からやや引っ込み状となるようにすると共に、この引っ込み状に挿入された木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱柱脚辺りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚に固定した後、既にナットが中途まで螺合された接続ボルトを、木柱柱脚木口埋め込み孔の径よりも大きい適宜平面形とした座金を介して木柱埋め込み用接ぎ手金具下端に形成した雌ネジ部に所定深さまで螺合させてから、予め螺合させていたナットを戻して座金を木柱柱脚木口に押し当て、木柱柱脚木口を支持部とした座金からの反力で金具本体に木柱柱脚木口外方側への引っ張り力を付与する一方、遊びのない埋め込み構造とした木柱埋め込み用接ぎ手金具下端に螺合されている接続ボルトの頭部を、アンカーボルトに熔着その他の手段で接続して木柱を基礎構造に一体化するようにしたことを特徴とする、請求項1記載の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造。
- 下端には金具本体軸心に合致する雌ネジ部が形成され、上端側には金具本体軸心に直交し、且つ互いに上下に適宜間隔を空けた上、平面配置角度を位相させた関係としてなる一対の通孔が形成された木柱埋め込み用接ぎ手金具を、木柱柱脚木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に挿入し、該木柱埋め込み用接ぎ手金具が木柱柱脚木口からやや引っ込み状となるようにすると共に、この引っ込み状に挿入された木柱埋め込み用接ぎ手金具の各通孔に対応する如くして予め木柱柱脚辺りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして木柱埋め込み用接ぎ手金具を木柱柱脚に固定する一方、前記木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部に螺合可能な雄ネジ部を上方に形成してなる雄接ぎ手金具を、接合すべき木柱柱頭木口、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材上面に固定した上、これら雄接ぎ手金具雄ネジ部に、木柱柱脚に固定した木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部を、木柱自体を同軸心回りに回動して螺合させ、木柱柱脚木口と、接合すべき木柱柱頭木口、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材との当接強化で、木柱埋め込み用接ぎ手金具に引っ張り力を付与し、木柱埋め込み用接ぎ手金具を当該木柱に対して遊びなく一体化するようにしたことを特徴とする、請求項1記載の木柱埋め込み用接ぎ手金具の一体化構造を使用した木柱接ぎ手構造。
- 請求項3記載の木柱接ぎ手構造における雄接ぎ手金具を、上端には前記木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部に螺合可能な雄ネジ部が形成されると共に、下端側には金具本体軸心に直交する通孔が形成された埋め込み用雄接ぎ手金具となし、該埋め込み用雄接ぎ手金具を、接合すべき木柱柱頭木口から、同軸心に合致させて形成した埋め込み孔に、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材上面から、同軸心に直交する方向に形成した埋め込み孔に挿入すると共に、この挿入状とされた埋め込み用雄接ぎ手金具の通孔に対応する如くして予め木柱柱頭辺り、または梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材側面上方寄りに形成してある貫通孔から夫々固定ボルトを差し込んだ上、ナット締めして該埋め込み用雄接ぎ手金具を接続すべき木柱柱頭、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材に固定した後、それら固定された埋め込み用雄接ぎ手金具雄ネジ部に、木柱柱脚に固定した木柱埋め込み用接ぎ手金具雌ネジ部を、木柱自体を同軸心回りに回動して螺合させ、木柱柱脚木口と、接合すべき木柱柱頭木口、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材との当接強化で、木柱埋め込み用接ぎ手金具、埋め込み用雄接ぎ手金具双方に引っ張り力を付与し、木柱埋め込み用接ぎ手金具および埋め込み用雄接ぎ手金具共、当該木柱、もしくは接合すべき木柱柱頭、または載置、接合すべき梁、桁あるいはそれらに匹敵する横架材に対して遊びなく一体化されるようにした、請求項3記載の木柱接ぎ手構造。
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