JP3691123B2 - 半導体保護回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は過熱および過電流に対する半導体保護回路に関する。さらに詳しくは、少なくともトランジスタと電流ヒューズとを有し、トランジスタのpn接合の温度特性を利用した過熱に対する負荷の保護のみならず、過電流に対しても負荷を保護することができる過熱および過電流に対する半導体保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスなどの電子部品は定格外の誤った使用や使用状態における外部環境の変化などによって、デバイス特性の劣化や破壊に至ることがある。また、ICを用いた電子回路においては、回路内の一部のデバイスの劣化または破壊によって全体の機能が失われることがあるため、保護回路が内蔵される。
【0003】
熱に対する過熱保護回路としては、従来、図13に示されるような回路が用いられている。すなわち図13においてQ52は出力用MOSFETでそのゲート・ソース間に熱遮断トランジスタQ51が接続され、熱遮断トランジスタQ51のベースには抵抗R52および定電流源が接続されている。通常の常温時では、熱遮断トランジスタQ51には電流が供給されず抵抗R52に流れるため、熱遮断トランジスタQ51はカットオフになっている。そのため、出力用MOSFET Q52のゲートには入力INからの電圧が印加されドライブされる。
【0004】
一方、負荷に異常が発生し温度が上昇すると負荷近辺にある熱遮断トランジスタQ51の温度も上昇する。熱遮断トランジスタQ51の温度が上昇すると、そのベース・エミッタ間のpn接合の順方向電圧が低下する。この順方向電圧の変化は温度上昇に対して約−2mV/℃程度となる。そのため、熱遮断トランジスタQ51に電流が流れ始め、熱遮断トランジスタQ51のコレクタとエミッタ間電圧が急激に低下する。その結果MOSFET Q52のゲート電位が低下し、INからの電位が供給されなくなる。そのためMOSFET Q52は動作できなくなり、過熱中の負荷のさらなる動作による電子部品の破損を防止することができる。この回路では負荷の加熱がなくなり、温度が常温に下がれば熱遮断トランジスタQ51のpn接合の順方向電圧も元に戻り、熱遮断トランジスタQ51はカットオフ状態に戻りMOSFET Q52の動作は復帰する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の過熱に対する保護回路は、前述のように、熱遮断トランジスタの温度特性によるコレクタとエミッタ間の電位差を低下させ、出力段トランジスタを動作させなくして負荷への出力供給を遮断しているものであるため、熱遮断トランジスタは蓄熱しないように飽和領域で使用するトランジスタを用いなければならない。そのため特別な設計が必要となり、製造上の制約を受けてしまい高価になるという問題がある。
【0006】
さらに負荷の温度が過熱状態から通常の状態に戻ると、熱遮断トランジスタもカットオフ状態に戻って負荷への出力供給が再開されるため、過熱の原因が電力供給に伴なう負荷の異常にあるばあい再度加熱することになり、負荷の根本的な破壊に至るという問題がある。
【0007】
一方、過熱が生じたばあいに、回路を切断して電力の供給をストップさせるため、温度ヒューズを回路の出力段に挿入することも考えられるが、温度ヒューズは通常の電流ヒューズに対して10〜20倍のコスト高となり、製品全体のコスト高になるという問題がある。さらに、基板とのハンダづけ工程では、たとえば230℃程度になり、たとえば120℃で切れる温度ヒューズは120℃を超える温度を経験することになり、特性劣化や溶断という事態を引き起こすため、ハンダディップなどができないという問題がある。
【0008】
さらに過熱に対する保護のほかに過電流に対する保護も行うためには、過熱保護回路のほかに過電流保護回路も別途設ける必要があり高価になる。
【0009】
本発明はこのような問題を解決し、負荷に過熱が生じたばあいに負荷への電力の供給を完全に停止して負荷を保護するとともに、過電流が生じたばあいにも負荷への電力供給を停止することができる安価な半導体保護回路を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、マイコンなどの最近の電子機器の低電源電圧駆動に伴ない、低電源電圧でも有効に前記の過熱および過電流に対する保護をすることができる半導体保護回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体保護回路は、電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタとが直列接続され、該トランジスタのベースとエミッタ間のpn接合の常温における順方向電圧より低い一定の電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力をバイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に直接供給するドライバ回路(たとえば電源、ツェナーダイオード、ショットキーダイオード、ワイドラー回路(バンドギャップ回路)を有する定電圧回路など)が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されている。
【0012】
本発明による半導体保護回路の他の形態は、電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタと該トランジスタのエミッタ側に設けられた順方向ダイオードとが直列接続され、該トランジスタのベースと前記エミッタ側に設けられたダイオード端とのあいだに該ベースとエミッタ間および前記順方向ダイオードのそれぞれのpn接合の常温における順方向電圧の和より低い一定のバイアス電圧を印加するドライバ回路が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されている。
【0013】
前記順方向ダイオードが複数個直列接続されておれば、バイアス電圧にツェナーダイオードなどを使用して高くなったばあいなどでも対応することができる。
【0014】
前記ドライバ回路は前記一定のバイアス電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に直接供給されてもよいし、該定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路が設けられ、該カレントミラー定電位設定回路の出力段により降圧された一定の電圧が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に供給されてもよい。
【0015】
前記定電圧源が、定電圧間に接続された少なくとも2個の直列抵抗からなり、該抵抗の分割電圧を定電圧として供給するように形成されれば、簡単な構成でpn接合の順方向電圧より所望の低い電圧を抵抗比のみにより簡単に発生させることができ、所望の温度でトランジスタを作動させることができる。
【0016】
また、前記定電圧源が、前記電圧供給端子と前記アース間に直列接続された少なくとも抵抗とツェナーダイオードとからなり、該ツェナーダイオードのツェナー電圧を定電圧として供給するように形成されれば、安定したツェナー電圧を定電圧として使用することができる。
【0017】
前記ツェナーダイオードが複数個直列接続されておれば、電源電圧に対する自由度が大きくなるとともに、出力トランジスタのエミッタ側に接続される順方向ダイオードの数を増やすことができて温度に対する感度が鋭敏となる。
【0018】
前記定電圧源が定電流回路とワイドラー回路を利用した定電圧回路とからなることにより、低い電圧でも温度に対して安定した定電圧がえられ、低電源電圧駆動の電子機器にも特別の電源を必要とすることなく適用することができる。
【0019】
ここにワイドラー回路(バンドギャップ回路)とは、半導体のバンドギャップエネルギーを利用して定電流または定電位を作り出せる回路で、2個のトランジスタが並列にカレントミラーの形で接続され、その一方のトランジスタに抵抗が接続されるなどにより電流値が調整される回路を意味する。
【0020】
前記定電流回路がワイドラー回路を利用したものであれば、一層温度変化に対して安定した定電流がえられ、その後段の定電圧回路もより安定する。
【0021】
前記定電圧回路の後段に前記トランジスタがオンになって電流が流れても前記バイアス電圧側の電流を一定にするためのバッファ回路が設けられておれば、温度センサとしての前記トランジスタに電流が大量に流れても安定した一定のバイアス電圧を維持することができるため好ましい。
【0022】
ここにバッファ回路とは、温度センサとしての前記トランジスタに電流が大量に流れることにより、作り出したバイアス電圧が変動し、前記トランジスタの立上りがわるくなることを防ぐため、前記トランジスタがオンになってもバイアス電圧回路の電流を一定にするための回路を意味し、たとえば図10に示されるような4個のトランジスタからなるシングルエンド差動増幅型の回路を用いることができる。
【0023】
前記トランジスタがダーリントン接続された複数のトランジスタからなっておれば、大電流の出力がえられ、負荷に大電流を必要とするばあいに好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体保護回路について説明する。
【0025】
図1は本発明の半導体保護回路の基本構成を示す等価回路図である。本発明の半導体保護回路は、負荷に供給される電源電圧Vccと接続される電圧供給端子5とアース間に電流ヒューズ1とセンサ用のトランジスタQ1のコレクタ2aとエミッタ2c間が直列接続されるとともに、電流ヒューズ1とトランジスタQ1のコレクタ2aとの接続点が出力端子4と接続されており、出力端子4とアース間に負荷6が接続されうる構造になっている。またトランジスタ2のベース2bとエミッタ2c間にはバイアス電源3が接続され、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温における順方向電圧より僅かに低い電圧(たとえば、0.3〜0.5V程度)が印加され、出力端子4と電圧供給端子5のあいだの図1の一点鎖線で囲まれた範囲が本発明の半導体保護回路10の基本構成である。
【0026】
バイアス電源3は特別な電源を設けなくても電源電圧Vccからドライバ回路により定電圧を生成してベース・エミッタ間に印加されるようにしてもよい。なお、本発明ではバイアス電源3だけのばあいもドライバ回路に含める。また、図1は基本構成が示されているだけで、たとえば図1のエミッタ2cとバイアス電源3の接続点とアース間などに抵抗などが挿入されてもよい。
【0027】
つぎに本発明の半導体保護回路の動作について説明する。まず、常温においては、トランジスタQ1のベース2bとエミッタ2c間に印加されているバイアス電圧(たとえば0.4V)は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温における順方向電圧(たとえば0.6V)より低いため、トランジスタQ1はオンにならず、開放状態になっている。そのため、電圧供給端子5の電圧がそのままヒューズ1を経て負荷6に供給される。
【0028】
一方、負荷6またはその周辺の雰囲気温度が上昇して半導体保護回路10のトランジスタQ1も昇温するとトランジスタQ1のベース・エミッタ間のpn接合の順方向電圧が低下する。このpn接合の順方向電圧は図2に示されるように、温度に反比例して低下する(温度上昇に対して約−2mV/℃程度)。その結果、温度がたとえば125℃程度まで上昇するとトランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧が0.38V程度に低下し、ベース・エミッタ間のバイアス電圧は変化せず0.4V程度を維持するため、トランジスタQ1がオンとなる。その結果、トランジスタQ1側に電流が流れ、ヒューズ1が切断する。このトランジスタQ1に流す電流の大きさはトランジスタQ1の面積や増幅率hFEの調整、接続法などにより自由に設定できるが、通常はヒューズ1の定格の4〜10倍程度に設定される。そのため、負荷6に異常が生じて温度が上昇したり、雰囲気温度が上昇して負荷6やその周辺の回路に故障や誤動作が発生しそうなばあい、直ちに供給される電圧はオフとなり異常に伴なう負荷6の誤動作や破損を防止することができる。
【0029】
本発明によれば、電流ヒューズ1とトランジスタQ1とを直列接続し、常温時におけるpn接合の順方向電圧より低いバイアス電圧をベース・エミッタ間に印加し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧が温度により変化する性質を利用しているため、常温時ではトランジスタQ1が作動せず、電圧供給端子5からの出力電圧を負荷6に供給することができ、温度が上昇するとベース・エミッタ間の順方向電圧が低下し、バイアス電圧より低くなりトランジスタQ1がオンになって電流が流れ電流ヒューズ1が切断し負荷への電力の供給は停止される。
【0030】
前述のトランジスタQ1がオンになって電流ヒューズが切断するときの温度はバイアス電圧の設定により自由に調整される。すなわち、シリコンを用いたダイオードのpn接合の順方向電圧は550〜650mVのあいだの定値Vfに設定でき、しかも1℃上昇すると約2mV低下することが知られている。したがって、ベース・エミッタ間のpn接合およびエミッタに直列接続されるダイオードのpn接合の数の合計n個により1℃あたり2nmV(ミリボルト)低下する。そのため、設定温度と常温との差ΔTを乗算した2n・ΔTmV(ミリボルト)だけ低い電圧n(Vf−2ΔT)mVになるようにバイアス電圧を設定することにより、常温よりΔT℃高い温度になったら電流ヒューズが切断する。
【0031】
本発明では電圧供給端子5と出力端子4とのあいだに電流ヒューズ1が直列に挿入されているため、電流ヒューズ1の切断する電流値が負荷6で使用する最大電流の4〜10倍程度高い値になるように設定しておくことにより、負荷6が高温による異常ではなくて部品の故障、ショートなどによる過電流が生じたばあいにも直ちに切断して、負荷6への電力の供給がストップされる。なお、前述の過熱によるトランジスタQ1の作動で電流ヒューズ1を切断するばあいの電流値を過電流による切断の電流値と合わせるのはトランジスタQ1の増幅率を調整することや、ダーリントン接続にすることにより容易に調整できる。
【0032】
本発明の半導体保護回路によれば、トランジスタQ1のpn接合の順方向電圧の温度による変化を利用して、負荷6などに異常が発生した際、電流ヒューズ1を切断して負荷への電力供給を断つため、確実に負荷6を保護することができるとともに、従来のようにトランジスタQ1のショート電流を流し続けることもないため、電源の供給側にも異常を来たすことがない。
【0033】
さらに本発明によれば、電流ヒューズ1が電圧供給端子5と負荷6とのあいだに直列に挿入されているため、温度が上昇する前に負荷6側の異常により過電流が生じたばあいにもヒューズ1が切断して電源の供給が断たれ、特別の過電流保護回路を設けることなく過電流に対する保護回路としても機能する。
【0034】
一方、過熱または過電流によりヒューズ1が切断したばあい、異常原因を取り去ったのち、半導体保護回路10を取り替えることにより、前の状態に復帰させることができる。そのため、異常原因を究明し、取り除いてから負荷6に出力が供給され、同じような不具合を再度生じることなく、負荷6を保護することができる。
【0035】
つぎに具体的な実施の形態によりさらに詳細に説明する。
【0036】
実施形態1
図3は本発明の半導体保護回路の具体的な実施形態を示す等価回路図である。本実施形態1では、ドライバ回路11の定電圧源を抵抗R1とR2との分圧で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧として、2個の抵抗R1、R2による電源電圧Vccの抵抗分割によりえられる電圧を用いているものである。抵抗R2の両端に印加される電圧が、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温時の順方向電圧よりたとえば0.2V程度低くなるように2つの抵抗R1、R2の比を定めることにより、常温時ではトランジスタQ1がオフとなり、温度が125℃程度に上昇するとトランジスタQ1がオンとなり、トランジスタQ1に電流が引き込まれる。すなわち、本実施形態1では、抵抗R2によってトランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧が設定されているが、電源電圧Vccおよび抵抗R1、R2の抵抗値は温度によってそれ程変化しないため、温度上昇によりトランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧のみが変化して電流が流れ、前述のように温度上昇に伴なってヒューズ1が切断し、負荷への出力供給を断つことができる。
【0037】
この抵抗分割によるバイアス電圧は、電源電圧Vccとアース間の電圧を必ずしも使用しなくてもよい。すなわち、定電流回路または定電圧回路などによりえられる定電圧を抵抗で分割して所望の電圧のバイアス電圧とすることができる。このばあい、電源電圧の変動による影響が生じないため好ましい。
【0038】
本実施形態1によれば、動作設定温度はR1とR2の比によって決定されるため、製造時に相対誤差のみを評価すればよく、絶対誤差は目的動作に影響しない利点がある。
【0039】
実施形態2
図4(a)は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態を示す等価回路図である。本実施形態2ではドライバ回路11の定電圧源を抵抗R3とツェナーダイオードZD1とからなるツェナー電圧で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧としてツェナーダイオードZD1のツェナー電圧を利用したものである。トランジスタQ1のベース・エミッタ間順方向電圧は0.6V程度とこれ以上上昇させることができないため、トランジスタQ1のエミッタとアース間に順方向にダイオードD1、D2・・・Dnをn個直列に接続して設け、たとえば125℃で動作させたければ常温でバイアス電圧となるツェナー電圧の約5V程度より{(動作温度)−(常温)}×2(n+1)=(125−25)×2×(n+1)=(n+1)×200(mV)だけ大きくなるようにする。すなわち、1個のpn接合の順方向電圧は約0.6V程度であるため、0.6(n+1)−5=0.002(n+1)ΔT(ΔTは切断したい温度と常温との差)により個数nを定めることができる。なお、順方向電圧は0.55〜0.65V程度の範囲で設計により自由に定められる。
【0040】
本実施形態2によれば、順方向電圧を有するダイオードD1、D2・・・Dnがn個同じ向きに直列に接続されているため、同じ温度変化に対し(n+1)倍の電圧の変化率として現われ、図4(b)に一点鎖線で示されるように、実線で示される1個のばあいより感度(傾き)が向上する。
【0041】
バイアス電圧設定のために用いたツェナーダイオードZD1は実施形態1と同様に抵抗に置き換えられて抵抗分割により分配された電圧を用いることもできる。バイアス電圧設定のためにツェナーダイオードを用いると抵抗R3の値にかかわらず、常にツェナーダイオードのツェナー電圧で定まる一定の電圧がトランジスタQ1のベース・エミッタ間に印加されること、ツェナーダイオードのツェナー電圧は温度上昇とともに+3mV/℃程度上昇するため、温度上昇の際に一層電流を流し易くできること、などの点から好ましい。
【0042】
実施形態3
図5は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態3では、ドライバ回路11の定電圧源を抵抗R4と2個のツェナーダイオードZD1、ZD2とからなる2個のツェナー電圧の和で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間に印加するバイアス電圧を2個の直列接続されたツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧を用いることに特徴がある。
【0043】
本実施形態3によれば、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧が実施形態2のばあいの2倍の10V程度に高くなり、トランジスタQ1のエミッタ側に直列接続されるダイオードDkの数も2倍程度に増やす必要があるが、R4の極大化をふせぐ利点があるとともに、順方向電圧のダイオードの数が2倍近くに増えるため、一層温度に対する感度が向上する。
【0044】
実施形態4
図6は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態4では、センサ用のトランジスタとして、トランジスタQ1、Q2、Q3を3個ダーリントン接続したもので、複数段のトランジスタにより増幅されるため、トランジスタQ1、Q2、Q3がオンしたときの電流を大きくすることができ、負荷で大電流を必要とするばあい、すなわち電流ヒューズ1の高い電流値のものを必要とするばあいでも精度よく電流ヒューズを切断することができる。
【0045】
本実施形態4で、トランジスタQ3のベースとダーリントントランジスタの最終段のトランジスタQ1のエミッタ側に直列接続された順方向ダイオードD1〜Diの最終段のダイオードDiとのあいだに印加されるバイアス電圧としてツェナーダイオードZD1、ZD2・・・ZDmをm個使用しており、その電圧を高くしているが、ダーリントントランジスタを用いることと特別の関連はなく、それぞれ独立に採用される。ツェナーダイオードをm個用いることにより、エミッタに直列に接続されるダイオードもバイアス電圧に合わせて高くできるようにi個直列に接続され、前述のように温度に対する感度が向上する。
【0046】
トランジスタが複数個ダーリントン接続される本実施形態4は負荷に電流が多く流れ出力端子4で電流容量が必要なとき、ヒューズ1の電流容量を大きくする必要があり、それに伴う遮断電流を増加させるため、増幅率hFEを大きくしたいときなどにとくに効果がある。
【0047】
実施形態5
図7は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態5では、ドライバ回路11の定電圧源として、前述の実施形態1〜4に示されるもの、たとえばツェナーダイオードZD1を使用し、該定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路12が設けられ、その出力段の降圧した定電圧がバイアス電圧としてセンサ用のトランジスタQ1のベース・エミッタ間に接続されている。これにより、センサ用のトランジスタQ1を鋭くオンさせる作用をする。このカレントミラー定電位設定回路12は、たとえば図7に示されるように、2個のダイオードD11、D12とトランジスタQ5および抵抗R8ならびにこれらに接続される抵抗R6、R7からなるカレントミラー回路で構成されており、カレントミラー回路のトランジスタQ5の出力段によりセンサ用の前記トランジスタQ1のベースにバイアス電圧を印加している。他の構成は前述の各実施形態と同じである。
【0048】
本発明によるカレントミラー定電位設定回路12のセンサ用のトランジスタQ1を鋭くオンさせる作用と降圧作用とについて詳しく説明する。
【0049】
たとえば図3に示されるようなバイアス回路においては、雰囲気温度が上昇し、センサ用のトランジスタQ1に電流が流れると、抵抗R2を流れる電流IR2は抵抗R1を流れる電流IR1からトランジスタQ1のベース側に流れる電流IBを引いたもの(IR2=IR1−IB)となり、ベースの電位VBが下がり、センサ用のトランジスタQ1の立上りが鈍くなる。しかし、本回路においては、ダイオードD11とトランジスタQ5とがカレントミラーを構成している。したがって、雰囲気温度が上昇してもダイオードD11とトランジスタQ5の順方向電圧がともに同じ電圧だけ下がり、温度による影響は相殺される。また抵抗R8の両端の電位差はダイオードD12の順方向電圧VfD12に固定される。したがって抵抗R8を流れる電流IR8はIR8=VfD12/R8で決定される。センサ用のトランジスタQ1に電流が流れない常温においては抵抗R8を流れる電流IR8は抵抗R7を流れる電流IR7とほぼ等しく、抵抗R7の両端間の電位差はVR7=R7・IR7≒R7・IR8=R7・VfD12/R8となり、雰囲気温度が上昇するとVfD12が下がり、VR7も下がる。すなわち、センサ用のトランジスタQ1のベースとの接続点Bの電位VBは上昇し、センサ用のトランジスタQ1をより一層オンさせ易くなる。
【0050】
また、センサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧VBは定電圧源(ZD1)の両端の定電圧VBGから抵抗R7の両端電圧VR7を引いた電圧であり、VB=VBG−VR7=VBG−VfD12・R7/R8となる。すなわち、この電圧はVBGとR7/R8の値で決まり、抵抗比R7/R8により任意に降圧することができるとともに、センサ用のトランジスタQ1のベース・エミッタ間順方向電圧(またはエミッタ側にさらに直列に接続されるダイオードの順方向電圧の和)より若干低い電圧で温度設定に合わせた電圧に調整することができる。
【0051】
本実施形態によれば、ドライバ回路のバイアス電圧の出力端子にカレントミラー定電位設定回路が接続され、そのトランジスタの出力段によりセンサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧を印加しているため、雰囲気温度のセンサ用のトランジスタQ1のベースもしくはカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ5のコレクタへ供給される電流量の詳細設定や安定供給が可能であるとともに、動作温度をR7/R8の比で設定できるため、製造時の絶対誤差は問題にならず相対誤差のみを評価すればよい利点がある。
【0052】
なお、本実施形態5では、カレントミラー定電位設定回路としてダイオードとトランジスタからなるものを用いたが、通常の2個のトランジスタによるものを用いても同じである。また、図7には定電圧回路としてツェナーダイオードを用いたが、ワイドラー回路(バンドギャップ回路)やショットキーダイオードなどにより定電圧を発生させ、その定電圧を前記カレントミラー定電位設定回路に供給することもできる。
【0053】
実施形態6
図8は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態6では雰囲気温度のセンサ用のトランジスタQ1にpnpトランジスタを使用したもので、ドライバ回路11は実施形態5と同様のカレントミラー定電位設定回路12を用いる構成である。図8(a)はカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ6もpnpトランジスタを用いた例で、図8(b)はカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ7にnpnトランジスタを用いた例である。
【0054】
本実施形態6では電流ヒューズ1と直列接続されるセンサ用のトランジスタQ1はエミッタ側が電流ヒューズ1と接続され、コレクタがアース側に接続される。したがってバイアス電圧としては図8(a)のばあいは全体の電圧から抵抗R11の両端電圧を差し引いた電圧が印加され、図8(b)のばあいは抵抗R13の両端の電圧がそのままバイアス電圧となる。
【0055】
本実施例によるpnpトランジスタを用いると、消費電流を小さくできるという利点がある。
【0056】
なお、本実施形態6においては、ドライバ回路11の定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路12を用いたが、センサ用のトランジスタQ1がpnpトランジスタのばあいでも実施形態1〜4と同様の構成にすることができる。
【0057】
実施形態7
本実施形態7はセンサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧を供給する定電圧源として、半導体のバンドギャップエネルギーを利用して定電位を維持する回路、すなわちカレントミラー回路の一方の電流路の電流を抵抗により調整したワイドラー回路(バンドギャップ回路)を用いて定電圧を発生させる回路を用いることに特徴がある。
【0058】
本実施形態7の定電圧源を用いることにより、ツェナーダイオードによるツェナー電圧より低い定電圧がえられる。ツェナー電圧はICにおいて通常用いられているnpnトランジスタのエミッタ・ベース間耐圧を利用して作ると、通常7V程度あり、ツェナーダイオードを用いるばあい7Vより高い電源電圧Vccを必要とする。一方、最近のマイコンなどの電子機器は3Vや5Vの低電圧源で駆動させるものが多く、ツェナー電圧の7V程度の定電圧を用いることは低電圧駆動の傾向に相反することになる。本実施形態7の構成はこのような問題を解決するものである。
【0059】
図9は本実施形態7の定電圧をうる回路の基本構成を示す回路図である。図9において、トランジスタQ8、Q9はカレントミラー回路を構成する2個の面積差を有するトランジスタで、定電流IBGがえられる定電流回路にそれぞれ抵抗R15およびR16を介して接続され、一方のトランジスタQ9のエミッタ側に抵抗R17が接続されることにより、一方の電流路の電流値が調整されたワイドラー回路を構成している。この一方の電流路にさらにトランジスタQ10が接続され、抵抗R16の両端間電圧とトランジスタQ10のベース・エミッタ間順方向電圧(約0.7V)との和がバンドギャップ定電圧VBGとして出力される。本構成にすると、バンドギャプ電位を基準にしているため、温度変動を受けない定電圧がえられる。
【0060】
図10はこのバンドギャップ定電圧回路を応用した本発明の半導体保護回路の実施形態の等価回路図である。図10において、11はドライバ回路で、定電流回路13、バンドギャップ形定電圧回路14、バッファ回路15およびドライバ電流回路16からなる定電圧源と実施形態5〜6で用いたカレントミラー定電位設定回路12とからなっており、センサ部17のセンサ用のトランジスタQ2(本実施形態では2個のnpnトランジスタQ1、Q2がダーリントン接続されている)のベースに一定のバイアス電圧が供給されている。
【0061】
定電流回路13はトランジスタQ12と対称に形成されたトランジスタQ13、Q14、Q15からなるカレントミラー回路と、トランジスタQ16、Q17および抵抗R18からなるワイドラー回路(バンドギャップ回路)とからなっている。なおR19、R20、R21、R22はそれぞれトランジスタQ12、Q13、Q14、Q15のアーリ効果低減を目的として電源電圧側に接続された抵抗を示す。
【0062】
バンドギャップ形定電圧回路14は図9により基本構造として説明した定電圧回路と同じもので、図9と同じ部分には同じ符号を付してある。この例では出力側にさらにpnpトランジスタQ11が接続されている。このトランジスタQ11は出力側で電流を多く流すと出力の電位が下がり易くなるため、多くの電流が流れるばあいでも一定の電位を保持するためのもので、安定化のためには好ましいが必ずしも必要ではない。
【0063】
バッファ回路15はセンサ部で電流が多く流れることによりセンサ部の立上りがわるくなることを防ぐための回路、すなわちセンサ部がオンになって電流が多く流れても入力側の電流が常に一定になるようにするもので、たとえば図10に示されるように、トランジスタQ18、Q19、Q20、Q21およびQ22からなるシングルエンド差動増幅型バッファ回路を用いることができる。その出力部にはセンサ部での大電流にもフォローできるように、電流供給用のトランジスタQ23からなるドライバ電流回路16が設けられている。
【0064】
バッファ回路15の出力部にドライバ電流回路16を介して前述の実施形態5〜6のカレントミラー定電位設定回路12が接続され、センサ部17のトランジスタQ2のベースに一定電位が供給されている。このカレントミラー定電位設定回路12の作用は前述のように、センサ部17のトランジスタQ1、Q2がオンになって電流が流れ始めても、一層鋭くオンを維持することができるようにするとともに、定電圧を分割して降圧し、センサ部17のトランジスタQ1、Q2の順方向電圧より僅かに低い電圧に設定する機能とを有している。
【0065】
しかし、バッファ回路14およびドライバー電流回路16やカレントミラー定電位設定回路12は安定な電位を供給しつづけるためには好ましいが、必ずしも必要なものではない。
【0066】
図11は定電圧源がツェナー電圧より低い電圧でえられる他の例を示す回路図で、この例では定電流回路13を簡潔化したものである。他のバンドギャップ形定電圧回路14およびカレントミラー定電位設定回路12については図10に示される例と同じである。なお、図11に示される例においては、バッファ回路が省略されているが、図10の例と同様にバンドギャップ形定電圧回路14とカレントミラー定電位設定回路12とのあいだに挿入することにより、センサ部17における大電流のばあいにも安定した電位を供給することができる。
【0067】
この例における定電流回路13はカレントミラー回路部を2個のトランジスタQ24、Q25と抵抗R24、R25で構成し、ワイドラー回路を構成するトランジスタを1個のトランジスタQ26と1個の抵抗R26とで構成し、定電流回路と定電圧回路との両方で1つのワイドラー回路(バンドギャップ回路)を用いる構成にしたものである。このような回路構成にしても、定電流をうるための基準電位は定電圧回路のバンドギャップを利用しているため、安定した定電圧がえられる。その結果、素子の個数が少なくなるため、チップ面積を小さくすることができるとともに不良の発生確率が減り歩留が向上するという利点がある。
【0068】
以上の各実施形態では電流ヒューズ1を電圧供給端子5とドライバ回路11の電源側とのあいだに挿入したが、このような構成にすれば電流ヒューズ1が切断したばあい、ドライバ回路11にも電源は供給されず好ましい。しかし、本発明ではドライバ回路11に電圧が印加されても、もともと正常時にはトランジスタQ1が作動しないように設計されているため、電流ヒューズ1が切断したのち、引き続きドライバ回路11に電圧が印加されていても殆ど電流は流れず問題はない。そのため、電流ヒューズ1は図12に示されるように、ドライバ回路11の電源側とトランジスタQ1のコレクタとのあいだに接続されてもよい。なおこのばあいでも出力端子4は電流ヒューズ1とトランジスタQ1との接続点に接続される。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体保護回路が直列接続された電流ヒューズとトランジスタとで構成されており、トランジスタのpn接合の順方向電圧の温度特性により過熱時にトランジスタに電流を流させ電流ヒューズを切断している。そのため負荷が過熱状態になれば負荷への電力供給は完全に断たれ、点検の結果異常状態が除去されてから半導体保護回路の取替により復帰させることができ、何度も異常状態を繰り返して負荷を完全に破損させることがない。
【0070】
さらに本発明の半導体保護回路によれば、トランジスタおよびドライバ回路が半導体基板にICとして小さな半導体チップに形成され、しかも電流ヒューズも半導体チップをモールドする際にリードとのあいだに接続して樹脂でモールドすることにより形成されるため、非常に安価で小型のパッケージングされた3端子(Vcc、GND、OUT)素子として形成でき、汎用性が非常に広い。
【0071】
さらに、ワイドラー回路を用いた定電圧回路が組み込まれることにより、低い定電圧源がえられ、最近の低電圧駆動型電子機器に対してそのまま利用することができる。
【0072】
また本発明によれば、pn接合の順方向電圧の温度特性を利用しており、正確な温度制御をすることができ、高価な温度ヒューズより精密な制御をすることができる。しかもpn接合を何個も直列接続することにより温度に対する敏感性が一層向上し、非常に精度よく制御することができる。
【0073】
さらに本発明によれば、加熱に対する保護のみならず、温度が上昇する前の過電流に対しても保護することができ、一層効果的に負荷を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体保護回路の基本構成を示す等価回路図である。
【図2】pn接合の順方向電圧の温度による変化を示す図である。
【図3】本発明の半導体保護回路の他の例を示す等価回路図である。
【図4】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図5】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図6】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図7】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図8】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図9】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図10】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図11】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図12】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図13】従来の過熱保護回路の例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1 電流ヒューズ
3 バイアス電源
4 出力端子
5 電圧供給端子
6 負荷
10 半導体保護回路
11 ドライバ回路
12 カレントミラー定電位設定回路
13 定電流回路
14 定電圧回路
15 バッファ回路
Q1 トランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は過熱および過電流に対する半導体保護回路に関する。さらに詳しくは、少なくともトランジスタと電流ヒューズとを有し、トランジスタのpn接合の温度特性を利用した過熱に対する負荷の保護のみならず、過電流に対しても負荷を保護することができる過熱および過電流に対する半導体保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスなどの電子部品は定格外の誤った使用や使用状態における外部環境の変化などによって、デバイス特性の劣化や破壊に至ることがある。また、ICを用いた電子回路においては、回路内の一部のデバイスの劣化または破壊によって全体の機能が失われることがあるため、保護回路が内蔵される。
【0003】
熱に対する過熱保護回路としては、従来、図13に示されるような回路が用いられている。すなわち図13においてQ52は出力用MOSFETでそのゲート・ソース間に熱遮断トランジスタQ51が接続され、熱遮断トランジスタQ51のベースには抵抗R52および定電流源が接続されている。通常の常温時では、熱遮断トランジスタQ51には電流が供給されず抵抗R52に流れるため、熱遮断トランジスタQ51はカットオフになっている。そのため、出力用MOSFET Q52のゲートには入力INからの電圧が印加されドライブされる。
【0004】
一方、負荷に異常が発生し温度が上昇すると負荷近辺にある熱遮断トランジスタQ51の温度も上昇する。熱遮断トランジスタQ51の温度が上昇すると、そのベース・エミッタ間のpn接合の順方向電圧が低下する。この順方向電圧の変化は温度上昇に対して約−2mV/℃程度となる。そのため、熱遮断トランジスタQ51に電流が流れ始め、熱遮断トランジスタQ51のコレクタとエミッタ間電圧が急激に低下する。その結果MOSFET Q52のゲート電位が低下し、INからの電位が供給されなくなる。そのためMOSFET Q52は動作できなくなり、過熱中の負荷のさらなる動作による電子部品の破損を防止することができる。この回路では負荷の加熱がなくなり、温度が常温に下がれば熱遮断トランジスタQ51のpn接合の順方向電圧も元に戻り、熱遮断トランジスタQ51はカットオフ状態に戻りMOSFET Q52の動作は復帰する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の過熱に対する保護回路は、前述のように、熱遮断トランジスタの温度特性によるコレクタとエミッタ間の電位差を低下させ、出力段トランジスタを動作させなくして負荷への出力供給を遮断しているものであるため、熱遮断トランジスタは蓄熱しないように飽和領域で使用するトランジスタを用いなければならない。そのため特別な設計が必要となり、製造上の制約を受けてしまい高価になるという問題がある。
【0006】
さらに負荷の温度が過熱状態から通常の状態に戻ると、熱遮断トランジスタもカットオフ状態に戻って負荷への出力供給が再開されるため、過熱の原因が電力供給に伴なう負荷の異常にあるばあい再度加熱することになり、負荷の根本的な破壊に至るという問題がある。
【0007】
一方、過熱が生じたばあいに、回路を切断して電力の供給をストップさせるため、温度ヒューズを回路の出力段に挿入することも考えられるが、温度ヒューズは通常の電流ヒューズに対して10〜20倍のコスト高となり、製品全体のコスト高になるという問題がある。さらに、基板とのハンダづけ工程では、たとえば230℃程度になり、たとえば120℃で切れる温度ヒューズは120℃を超える温度を経験することになり、特性劣化や溶断という事態を引き起こすため、ハンダディップなどができないという問題がある。
【0008】
さらに過熱に対する保護のほかに過電流に対する保護も行うためには、過熱保護回路のほかに過電流保護回路も別途設ける必要があり高価になる。
【0009】
本発明はこのような問題を解決し、負荷に過熱が生じたばあいに負荷への電力の供給を完全に停止して負荷を保護するとともに、過電流が生じたばあいにも負荷への電力供給を停止することができる安価な半導体保護回路を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、マイコンなどの最近の電子機器の低電源電圧駆動に伴ない、低電源電圧でも有効に前記の過熱および過電流に対する保護をすることができる半導体保護回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体保護回路は、電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタとが直列接続され、該トランジスタのベースとエミッタ間のpn接合の常温における順方向電圧より低い一定の電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力をバイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に直接供給するドライバ回路(たとえば電源、ツェナーダイオード、ショットキーダイオード、ワイドラー回路(バンドギャップ回路)を有する定電圧回路など)が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されている。
【0012】
本発明による半導体保護回路の他の形態は、電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタと該トランジスタのエミッタ側に設けられた順方向ダイオードとが直列接続され、該トランジスタのベースと前記エミッタ側に設けられたダイオード端とのあいだに該ベースとエミッタ間および前記順方向ダイオードのそれぞれのpn接合の常温における順方向電圧の和より低い一定のバイアス電圧を印加するドライバ回路が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されている。
【0013】
前記順方向ダイオードが複数個直列接続されておれば、バイアス電圧にツェナーダイオードなどを使用して高くなったばあいなどでも対応することができる。
【0014】
前記ドライバ回路は前記一定のバイアス電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に直接供給されてもよいし、該定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路が設けられ、該カレントミラー定電位設定回路の出力段により降圧された一定の電圧が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に供給されてもよい。
【0015】
前記定電圧源が、定電圧間に接続された少なくとも2個の直列抵抗からなり、該抵抗の分割電圧を定電圧として供給するように形成されれば、簡単な構成でpn接合の順方向電圧より所望の低い電圧を抵抗比のみにより簡単に発生させることができ、所望の温度でトランジスタを作動させることができる。
【0016】
また、前記定電圧源が、前記電圧供給端子と前記アース間に直列接続された少なくとも抵抗とツェナーダイオードとからなり、該ツェナーダイオードのツェナー電圧を定電圧として供給するように形成されれば、安定したツェナー電圧を定電圧として使用することができる。
【0017】
前記ツェナーダイオードが複数個直列接続されておれば、電源電圧に対する自由度が大きくなるとともに、出力トランジスタのエミッタ側に接続される順方向ダイオードの数を増やすことができて温度に対する感度が鋭敏となる。
【0018】
前記定電圧源が定電流回路とワイドラー回路を利用した定電圧回路とからなることにより、低い電圧でも温度に対して安定した定電圧がえられ、低電源電圧駆動の電子機器にも特別の電源を必要とすることなく適用することができる。
【0019】
ここにワイドラー回路(バンドギャップ回路)とは、半導体のバンドギャップエネルギーを利用して定電流または定電位を作り出せる回路で、2個のトランジスタが並列にカレントミラーの形で接続され、その一方のトランジスタに抵抗が接続されるなどにより電流値が調整される回路を意味する。
【0020】
前記定電流回路がワイドラー回路を利用したものであれば、一層温度変化に対して安定した定電流がえられ、その後段の定電圧回路もより安定する。
【0021】
前記定電圧回路の後段に前記トランジスタがオンになって電流が流れても前記バイアス電圧側の電流を一定にするためのバッファ回路が設けられておれば、温度センサとしての前記トランジスタに電流が大量に流れても安定した一定のバイアス電圧を維持することができるため好ましい。
【0022】
ここにバッファ回路とは、温度センサとしての前記トランジスタに電流が大量に流れることにより、作り出したバイアス電圧が変動し、前記トランジスタの立上りがわるくなることを防ぐため、前記トランジスタがオンになってもバイアス電圧回路の電流を一定にするための回路を意味し、たとえば図10に示されるような4個のトランジスタからなるシングルエンド差動増幅型の回路を用いることができる。
【0023】
前記トランジスタがダーリントン接続された複数のトランジスタからなっておれば、大電流の出力がえられ、負荷に大電流を必要とするばあいに好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体保護回路について説明する。
【0025】
図1は本発明の半導体保護回路の基本構成を示す等価回路図である。本発明の半導体保護回路は、負荷に供給される電源電圧Vccと接続される電圧供給端子5とアース間に電流ヒューズ1とセンサ用のトランジスタQ1のコレクタ2aとエミッタ2c間が直列接続されるとともに、電流ヒューズ1とトランジスタQ1のコレクタ2aとの接続点が出力端子4と接続されており、出力端子4とアース間に負荷6が接続されうる構造になっている。またトランジスタ2のベース2bとエミッタ2c間にはバイアス電源3が接続され、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温における順方向電圧より僅かに低い電圧(たとえば、0.3〜0.5V程度)が印加され、出力端子4と電圧供給端子5のあいだの図1の一点鎖線で囲まれた範囲が本発明の半導体保護回路10の基本構成である。
【0026】
バイアス電源3は特別な電源を設けなくても電源電圧Vccからドライバ回路により定電圧を生成してベース・エミッタ間に印加されるようにしてもよい。なお、本発明ではバイアス電源3だけのばあいもドライバ回路に含める。また、図1は基本構成が示されているだけで、たとえば図1のエミッタ2cとバイアス電源3の接続点とアース間などに抵抗などが挿入されてもよい。
【0027】
つぎに本発明の半導体保護回路の動作について説明する。まず、常温においては、トランジスタQ1のベース2bとエミッタ2c間に印加されているバイアス電圧(たとえば0.4V)は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温における順方向電圧(たとえば0.6V)より低いため、トランジスタQ1はオンにならず、開放状態になっている。そのため、電圧供給端子5の電圧がそのままヒューズ1を経て負荷6に供給される。
【0028】
一方、負荷6またはその周辺の雰囲気温度が上昇して半導体保護回路10のトランジスタQ1も昇温するとトランジスタQ1のベース・エミッタ間のpn接合の順方向電圧が低下する。このpn接合の順方向電圧は図2に示されるように、温度に反比例して低下する(温度上昇に対して約−2mV/℃程度)。その結果、温度がたとえば125℃程度まで上昇するとトランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧が0.38V程度に低下し、ベース・エミッタ間のバイアス電圧は変化せず0.4V程度を維持するため、トランジスタQ1がオンとなる。その結果、トランジスタQ1側に電流が流れ、ヒューズ1が切断する。このトランジスタQ1に流す電流の大きさはトランジスタQ1の面積や増幅率hFEの調整、接続法などにより自由に設定できるが、通常はヒューズ1の定格の4〜10倍程度に設定される。そのため、負荷6に異常が生じて温度が上昇したり、雰囲気温度が上昇して負荷6やその周辺の回路に故障や誤動作が発生しそうなばあい、直ちに供給される電圧はオフとなり異常に伴なう負荷6の誤動作や破損を防止することができる。
【0029】
本発明によれば、電流ヒューズ1とトランジスタQ1とを直列接続し、常温時におけるpn接合の順方向電圧より低いバイアス電圧をベース・エミッタ間に印加し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧が温度により変化する性質を利用しているため、常温時ではトランジスタQ1が作動せず、電圧供給端子5からの出力電圧を負荷6に供給することができ、温度が上昇するとベース・エミッタ間の順方向電圧が低下し、バイアス電圧より低くなりトランジスタQ1がオンになって電流が流れ電流ヒューズ1が切断し負荷への電力の供給は停止される。
【0030】
前述のトランジスタQ1がオンになって電流ヒューズが切断するときの温度はバイアス電圧の設定により自由に調整される。すなわち、シリコンを用いたダイオードのpn接合の順方向電圧は550〜650mVのあいだの定値Vfに設定でき、しかも1℃上昇すると約2mV低下することが知られている。したがって、ベース・エミッタ間のpn接合およびエミッタに直列接続されるダイオードのpn接合の数の合計n個により1℃あたり2nmV(ミリボルト)低下する。そのため、設定温度と常温との差ΔTを乗算した2n・ΔTmV(ミリボルト)だけ低い電圧n(Vf−2ΔT)mVになるようにバイアス電圧を設定することにより、常温よりΔT℃高い温度になったら電流ヒューズが切断する。
【0031】
本発明では電圧供給端子5と出力端子4とのあいだに電流ヒューズ1が直列に挿入されているため、電流ヒューズ1の切断する電流値が負荷6で使用する最大電流の4〜10倍程度高い値になるように設定しておくことにより、負荷6が高温による異常ではなくて部品の故障、ショートなどによる過電流が生じたばあいにも直ちに切断して、負荷6への電力の供給がストップされる。なお、前述の過熱によるトランジスタQ1の作動で電流ヒューズ1を切断するばあいの電流値を過電流による切断の電流値と合わせるのはトランジスタQ1の増幅率を調整することや、ダーリントン接続にすることにより容易に調整できる。
【0032】
本発明の半導体保護回路によれば、トランジスタQ1のpn接合の順方向電圧の温度による変化を利用して、負荷6などに異常が発生した際、電流ヒューズ1を切断して負荷への電力供給を断つため、確実に負荷6を保護することができるとともに、従来のようにトランジスタQ1のショート電流を流し続けることもないため、電源の供給側にも異常を来たすことがない。
【0033】
さらに本発明によれば、電流ヒューズ1が電圧供給端子5と負荷6とのあいだに直列に挿入されているため、温度が上昇する前に負荷6側の異常により過電流が生じたばあいにもヒューズ1が切断して電源の供給が断たれ、特別の過電流保護回路を設けることなく過電流に対する保護回路としても機能する。
【0034】
一方、過熱または過電流によりヒューズ1が切断したばあい、異常原因を取り去ったのち、半導体保護回路10を取り替えることにより、前の状態に復帰させることができる。そのため、異常原因を究明し、取り除いてから負荷6に出力が供給され、同じような不具合を再度生じることなく、負荷6を保護することができる。
【0035】
つぎに具体的な実施の形態によりさらに詳細に説明する。
【0036】
実施形態1
図3は本発明の半導体保護回路の具体的な実施形態を示す等価回路図である。本実施形態1では、ドライバ回路11の定電圧源を抵抗R1とR2との分圧で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧として、2個の抵抗R1、R2による電源電圧Vccの抵抗分割によりえられる電圧を用いているものである。抵抗R2の両端に印加される電圧が、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の常温時の順方向電圧よりたとえば0.2V程度低くなるように2つの抵抗R1、R2の比を定めることにより、常温時ではトランジスタQ1がオフとなり、温度が125℃程度に上昇するとトランジスタQ1がオンとなり、トランジスタQ1に電流が引き込まれる。すなわち、本実施形態1では、抵抗R2によってトランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧が設定されているが、電源電圧Vccおよび抵抗R1、R2の抵抗値は温度によってそれ程変化しないため、温度上昇によりトランジスタQ1のベース・エミッタ間の順方向電圧のみが変化して電流が流れ、前述のように温度上昇に伴なってヒューズ1が切断し、負荷への出力供給を断つことができる。
【0037】
この抵抗分割によるバイアス電圧は、電源電圧Vccとアース間の電圧を必ずしも使用しなくてもよい。すなわち、定電流回路または定電圧回路などによりえられる定電圧を抵抗で分割して所望の電圧のバイアス電圧とすることができる。このばあい、電源電圧の変動による影響が生じないため好ましい。
【0038】
本実施形態1によれば、動作設定温度はR1とR2の比によって決定されるため、製造時に相対誤差のみを評価すればよく、絶対誤差は目的動作に影響しない利点がある。
【0039】
実施形態2
図4(a)は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態を示す等価回路図である。本実施形態2ではドライバ回路11の定電圧源を抵抗R3とツェナーダイオードZD1とからなるツェナー電圧で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧としてツェナーダイオードZD1のツェナー電圧を利用したものである。トランジスタQ1のベース・エミッタ間順方向電圧は0.6V程度とこれ以上上昇させることができないため、トランジスタQ1のエミッタとアース間に順方向にダイオードD1、D2・・・Dnをn個直列に接続して設け、たとえば125℃で動作させたければ常温でバイアス電圧となるツェナー電圧の約5V程度より{(動作温度)−(常温)}×2(n+1)=(125−25)×2×(n+1)=(n+1)×200(mV)だけ大きくなるようにする。すなわち、1個のpn接合の順方向電圧は約0.6V程度であるため、0.6(n+1)−5=0.002(n+1)ΔT(ΔTは切断したい温度と常温との差)により個数nを定めることができる。なお、順方向電圧は0.55〜0.65V程度の範囲で設計により自由に定められる。
【0040】
本実施形態2によれば、順方向電圧を有するダイオードD1、D2・・・Dnがn個同じ向きに直列に接続されているため、同じ温度変化に対し(n+1)倍の電圧の変化率として現われ、図4(b)に一点鎖線で示されるように、実線で示される1個のばあいより感度(傾き)が向上する。
【0041】
バイアス電圧設定のために用いたツェナーダイオードZD1は実施形態1と同様に抵抗に置き換えられて抵抗分割により分配された電圧を用いることもできる。バイアス電圧設定のためにツェナーダイオードを用いると抵抗R3の値にかかわらず、常にツェナーダイオードのツェナー電圧で定まる一定の電圧がトランジスタQ1のベース・エミッタ間に印加されること、ツェナーダイオードのツェナー電圧は温度上昇とともに+3mV/℃程度上昇するため、温度上昇の際に一層電流を流し易くできること、などの点から好ましい。
【0042】
実施形態3
図5は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態3では、ドライバ回路11の定電圧源を抵抗R4と2個のツェナーダイオードZD1、ZD2とからなる2個のツェナー電圧の和で構成し、トランジスタQ1のベース・エミッタ間に印加するバイアス電圧を2個の直列接続されたツェナーダイオードZD1、ZD2のツェナー電圧を用いることに特徴がある。
【0043】
本実施形態3によれば、トランジスタQ1のベース・エミッタ間のバイアス電圧が実施形態2のばあいの2倍の10V程度に高くなり、トランジスタQ1のエミッタ側に直列接続されるダイオードDkの数も2倍程度に増やす必要があるが、R4の極大化をふせぐ利点があるとともに、順方向電圧のダイオードの数が2倍近くに増えるため、一層温度に対する感度が向上する。
【0044】
実施形態4
図6は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態4では、センサ用のトランジスタとして、トランジスタQ1、Q2、Q3を3個ダーリントン接続したもので、複数段のトランジスタにより増幅されるため、トランジスタQ1、Q2、Q3がオンしたときの電流を大きくすることができ、負荷で大電流を必要とするばあい、すなわち電流ヒューズ1の高い電流値のものを必要とするばあいでも精度よく電流ヒューズを切断することができる。
【0045】
本実施形態4で、トランジスタQ3のベースとダーリントントランジスタの最終段のトランジスタQ1のエミッタ側に直列接続された順方向ダイオードD1〜Diの最終段のダイオードDiとのあいだに印加されるバイアス電圧としてツェナーダイオードZD1、ZD2・・・ZDmをm個使用しており、その電圧を高くしているが、ダーリントントランジスタを用いることと特別の関連はなく、それぞれ独立に採用される。ツェナーダイオードをm個用いることにより、エミッタに直列に接続されるダイオードもバイアス電圧に合わせて高くできるようにi個直列に接続され、前述のように温度に対する感度が向上する。
【0046】
トランジスタが複数個ダーリントン接続される本実施形態4は負荷に電流が多く流れ出力端子4で電流容量が必要なとき、ヒューズ1の電流容量を大きくする必要があり、それに伴う遮断電流を増加させるため、増幅率hFEを大きくしたいときなどにとくに効果がある。
【0047】
実施形態5
図7は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態5では、ドライバ回路11の定電圧源として、前述の実施形態1〜4に示されるもの、たとえばツェナーダイオードZD1を使用し、該定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路12が設けられ、その出力段の降圧した定電圧がバイアス電圧としてセンサ用のトランジスタQ1のベース・エミッタ間に接続されている。これにより、センサ用のトランジスタQ1を鋭くオンさせる作用をする。このカレントミラー定電位設定回路12は、たとえば図7に示されるように、2個のダイオードD11、D12とトランジスタQ5および抵抗R8ならびにこれらに接続される抵抗R6、R7からなるカレントミラー回路で構成されており、カレントミラー回路のトランジスタQ5の出力段によりセンサ用の前記トランジスタQ1のベースにバイアス電圧を印加している。他の構成は前述の各実施形態と同じである。
【0048】
本発明によるカレントミラー定電位設定回路12のセンサ用のトランジスタQ1を鋭くオンさせる作用と降圧作用とについて詳しく説明する。
【0049】
たとえば図3に示されるようなバイアス回路においては、雰囲気温度が上昇し、センサ用のトランジスタQ1に電流が流れると、抵抗R2を流れる電流IR2は抵抗R1を流れる電流IR1からトランジスタQ1のベース側に流れる電流IBを引いたもの(IR2=IR1−IB)となり、ベースの電位VBが下がり、センサ用のトランジスタQ1の立上りが鈍くなる。しかし、本回路においては、ダイオードD11とトランジスタQ5とがカレントミラーを構成している。したがって、雰囲気温度が上昇してもダイオードD11とトランジスタQ5の順方向電圧がともに同じ電圧だけ下がり、温度による影響は相殺される。また抵抗R8の両端の電位差はダイオードD12の順方向電圧VfD12に固定される。したがって抵抗R8を流れる電流IR8はIR8=VfD12/R8で決定される。センサ用のトランジスタQ1に電流が流れない常温においては抵抗R8を流れる電流IR8は抵抗R7を流れる電流IR7とほぼ等しく、抵抗R7の両端間の電位差はVR7=R7・IR7≒R7・IR8=R7・VfD12/R8となり、雰囲気温度が上昇するとVfD12が下がり、VR7も下がる。すなわち、センサ用のトランジスタQ1のベースとの接続点Bの電位VBは上昇し、センサ用のトランジスタQ1をより一層オンさせ易くなる。
【0050】
また、センサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧VBは定電圧源(ZD1)の両端の定電圧VBGから抵抗R7の両端電圧VR7を引いた電圧であり、VB=VBG−VR7=VBG−VfD12・R7/R8となる。すなわち、この電圧はVBGとR7/R8の値で決まり、抵抗比R7/R8により任意に降圧することができるとともに、センサ用のトランジスタQ1のベース・エミッタ間順方向電圧(またはエミッタ側にさらに直列に接続されるダイオードの順方向電圧の和)より若干低い電圧で温度設定に合わせた電圧に調整することができる。
【0051】
本実施形態によれば、ドライバ回路のバイアス電圧の出力端子にカレントミラー定電位設定回路が接続され、そのトランジスタの出力段によりセンサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧を印加しているため、雰囲気温度のセンサ用のトランジスタQ1のベースもしくはカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ5のコレクタへ供給される電流量の詳細設定や安定供給が可能であるとともに、動作温度をR7/R8の比で設定できるため、製造時の絶対誤差は問題にならず相対誤差のみを評価すればよい利点がある。
【0052】
なお、本実施形態5では、カレントミラー定電位設定回路としてダイオードとトランジスタからなるものを用いたが、通常の2個のトランジスタによるものを用いても同じである。また、図7には定電圧回路としてツェナーダイオードを用いたが、ワイドラー回路(バンドギャップ回路)やショットキーダイオードなどにより定電圧を発生させ、その定電圧を前記カレントミラー定電位設定回路に供給することもできる。
【0053】
実施形態6
図8は本発明の半導体保護回路のさらに他の実施形態の等価回路図である。本実施形態6では雰囲気温度のセンサ用のトランジスタQ1にpnpトランジスタを使用したもので、ドライバ回路11は実施形態5と同様のカレントミラー定電位設定回路12を用いる構成である。図8(a)はカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ6もpnpトランジスタを用いた例で、図8(b)はカレントミラー定電位設定回路12のトランジスタQ7にnpnトランジスタを用いた例である。
【0054】
本実施形態6では電流ヒューズ1と直列接続されるセンサ用のトランジスタQ1はエミッタ側が電流ヒューズ1と接続され、コレクタがアース側に接続される。したがってバイアス電圧としては図8(a)のばあいは全体の電圧から抵抗R11の両端電圧を差し引いた電圧が印加され、図8(b)のばあいは抵抗R13の両端の電圧がそのままバイアス電圧となる。
【0055】
本実施例によるpnpトランジスタを用いると、消費電流を小さくできるという利点がある。
【0056】
なお、本実施形態6においては、ドライバ回路11の定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路12を用いたが、センサ用のトランジスタQ1がpnpトランジスタのばあいでも実施形態1〜4と同様の構成にすることができる。
【0057】
実施形態7
本実施形態7はセンサ用のトランジスタQ1のバイアス電圧を供給する定電圧源として、半導体のバンドギャップエネルギーを利用して定電位を維持する回路、すなわちカレントミラー回路の一方の電流路の電流を抵抗により調整したワイドラー回路(バンドギャップ回路)を用いて定電圧を発生させる回路を用いることに特徴がある。
【0058】
本実施形態7の定電圧源を用いることにより、ツェナーダイオードによるツェナー電圧より低い定電圧がえられる。ツェナー電圧はICにおいて通常用いられているnpnトランジスタのエミッタ・ベース間耐圧を利用して作ると、通常7V程度あり、ツェナーダイオードを用いるばあい7Vより高い電源電圧Vccを必要とする。一方、最近のマイコンなどの電子機器は3Vや5Vの低電圧源で駆動させるものが多く、ツェナー電圧の7V程度の定電圧を用いることは低電圧駆動の傾向に相反することになる。本実施形態7の構成はこのような問題を解決するものである。
【0059】
図9は本実施形態7の定電圧をうる回路の基本構成を示す回路図である。図9において、トランジスタQ8、Q9はカレントミラー回路を構成する2個の面積差を有するトランジスタで、定電流IBGがえられる定電流回路にそれぞれ抵抗R15およびR16を介して接続され、一方のトランジスタQ9のエミッタ側に抵抗R17が接続されることにより、一方の電流路の電流値が調整されたワイドラー回路を構成している。この一方の電流路にさらにトランジスタQ10が接続され、抵抗R16の両端間電圧とトランジスタQ10のベース・エミッタ間順方向電圧(約0.7V)との和がバンドギャップ定電圧VBGとして出力される。本構成にすると、バンドギャプ電位を基準にしているため、温度変動を受けない定電圧がえられる。
【0060】
図10はこのバンドギャップ定電圧回路を応用した本発明の半導体保護回路の実施形態の等価回路図である。図10において、11はドライバ回路で、定電流回路13、バンドギャップ形定電圧回路14、バッファ回路15およびドライバ電流回路16からなる定電圧源と実施形態5〜6で用いたカレントミラー定電位設定回路12とからなっており、センサ部17のセンサ用のトランジスタQ2(本実施形態では2個のnpnトランジスタQ1、Q2がダーリントン接続されている)のベースに一定のバイアス電圧が供給されている。
【0061】
定電流回路13はトランジスタQ12と対称に形成されたトランジスタQ13、Q14、Q15からなるカレントミラー回路と、トランジスタQ16、Q17および抵抗R18からなるワイドラー回路(バンドギャップ回路)とからなっている。なおR19、R20、R21、R22はそれぞれトランジスタQ12、Q13、Q14、Q15のアーリ効果低減を目的として電源電圧側に接続された抵抗を示す。
【0062】
バンドギャップ形定電圧回路14は図9により基本構造として説明した定電圧回路と同じもので、図9と同じ部分には同じ符号を付してある。この例では出力側にさらにpnpトランジスタQ11が接続されている。このトランジスタQ11は出力側で電流を多く流すと出力の電位が下がり易くなるため、多くの電流が流れるばあいでも一定の電位を保持するためのもので、安定化のためには好ましいが必ずしも必要ではない。
【0063】
バッファ回路15はセンサ部で電流が多く流れることによりセンサ部の立上りがわるくなることを防ぐための回路、すなわちセンサ部がオンになって電流が多く流れても入力側の電流が常に一定になるようにするもので、たとえば図10に示されるように、トランジスタQ18、Q19、Q20、Q21およびQ22からなるシングルエンド差動増幅型バッファ回路を用いることができる。その出力部にはセンサ部での大電流にもフォローできるように、電流供給用のトランジスタQ23からなるドライバ電流回路16が設けられている。
【0064】
バッファ回路15の出力部にドライバ電流回路16を介して前述の実施形態5〜6のカレントミラー定電位設定回路12が接続され、センサ部17のトランジスタQ2のベースに一定電位が供給されている。このカレントミラー定電位設定回路12の作用は前述のように、センサ部17のトランジスタQ1、Q2がオンになって電流が流れ始めても、一層鋭くオンを維持することができるようにするとともに、定電圧を分割して降圧し、センサ部17のトランジスタQ1、Q2の順方向電圧より僅かに低い電圧に設定する機能とを有している。
【0065】
しかし、バッファ回路14およびドライバー電流回路16やカレントミラー定電位設定回路12は安定な電位を供給しつづけるためには好ましいが、必ずしも必要なものではない。
【0066】
図11は定電圧源がツェナー電圧より低い電圧でえられる他の例を示す回路図で、この例では定電流回路13を簡潔化したものである。他のバンドギャップ形定電圧回路14およびカレントミラー定電位設定回路12については図10に示される例と同じである。なお、図11に示される例においては、バッファ回路が省略されているが、図10の例と同様にバンドギャップ形定電圧回路14とカレントミラー定電位設定回路12とのあいだに挿入することにより、センサ部17における大電流のばあいにも安定した電位を供給することができる。
【0067】
この例における定電流回路13はカレントミラー回路部を2個のトランジスタQ24、Q25と抵抗R24、R25で構成し、ワイドラー回路を構成するトランジスタを1個のトランジスタQ26と1個の抵抗R26とで構成し、定電流回路と定電圧回路との両方で1つのワイドラー回路(バンドギャップ回路)を用いる構成にしたものである。このような回路構成にしても、定電流をうるための基準電位は定電圧回路のバンドギャップを利用しているため、安定した定電圧がえられる。その結果、素子の個数が少なくなるため、チップ面積を小さくすることができるとともに不良の発生確率が減り歩留が向上するという利点がある。
【0068】
以上の各実施形態では電流ヒューズ1を電圧供給端子5とドライバ回路11の電源側とのあいだに挿入したが、このような構成にすれば電流ヒューズ1が切断したばあい、ドライバ回路11にも電源は供給されず好ましい。しかし、本発明ではドライバ回路11に電圧が印加されても、もともと正常時にはトランジスタQ1が作動しないように設計されているため、電流ヒューズ1が切断したのち、引き続きドライバ回路11に電圧が印加されていても殆ど電流は流れず問題はない。そのため、電流ヒューズ1は図12に示されるように、ドライバ回路11の電源側とトランジスタQ1のコレクタとのあいだに接続されてもよい。なおこのばあいでも出力端子4は電流ヒューズ1とトランジスタQ1との接続点に接続される。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体保護回路が直列接続された電流ヒューズとトランジスタとで構成されており、トランジスタのpn接合の順方向電圧の温度特性により過熱時にトランジスタに電流を流させ電流ヒューズを切断している。そのため負荷が過熱状態になれば負荷への電力供給は完全に断たれ、点検の結果異常状態が除去されてから半導体保護回路の取替により復帰させることができ、何度も異常状態を繰り返して負荷を完全に破損させることがない。
【0070】
さらに本発明の半導体保護回路によれば、トランジスタおよびドライバ回路が半導体基板にICとして小さな半導体チップに形成され、しかも電流ヒューズも半導体チップをモールドする際にリードとのあいだに接続して樹脂でモールドすることにより形成されるため、非常に安価で小型のパッケージングされた3端子(Vcc、GND、OUT)素子として形成でき、汎用性が非常に広い。
【0071】
さらに、ワイドラー回路を用いた定電圧回路が組み込まれることにより、低い定電圧源がえられ、最近の低電圧駆動型電子機器に対してそのまま利用することができる。
【0072】
また本発明によれば、pn接合の順方向電圧の温度特性を利用しており、正確な温度制御をすることができ、高価な温度ヒューズより精密な制御をすることができる。しかもpn接合を何個も直列接続することにより温度に対する敏感性が一層向上し、非常に精度よく制御することができる。
【0073】
さらに本発明によれば、加熱に対する保護のみならず、温度が上昇する前の過電流に対しても保護することができ、一層効果的に負荷を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体保護回路の基本構成を示す等価回路図である。
【図2】pn接合の順方向電圧の温度による変化を示す図である。
【図3】本発明の半導体保護回路の他の例を示す等価回路図である。
【図4】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図5】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図6】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図7】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図8】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図9】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図10】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図11】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図12】本発明の半導体保護回路のさらに他の例を示す等価回路図である。
【図13】従来の過熱保護回路の例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1 電流ヒューズ
3 バイアス電源
4 出力端子
5 電圧供給端子
6 負荷
10 半導体保護回路
11 ドライバ回路
12 カレントミラー定電位設定回路
13 定電流回路
14 定電圧回路
15 バッファ回路
Q1 トランジスタ
Claims (12)
- 電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタとが直列接続され、該トランジスタのベースとエミッタ間のpn接合の常温における順方向電圧より低い一定の電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力をバイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタ間に直接供給するドライバ回路が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されてなる半導体保護回路。
- 電圧供給端子とアース間に少なくとも電流ヒューズとトランジスタと該トランジスタのエミッタ側に設けられた順方向ダイオードとが直列接続され、該トランジスタのベースと前記エミッタ側に設けられたダイオード端とのあいだに該ベースとエミッタ間および前記順方向ダイオードのそれぞれのpn接合の常温における順方向電圧の和より低い一定のバイアス電圧を印加するドライバ回路が設けられ、前記電流ヒューズとトランジスタとの接続点から出力端子が取り出されてなる半導体保護回路。
- 前記順方向ダイオードが複数個直列接続されてなる請求項2記載の半導体保護回路。
- 前記ドライバ回路は前記一定のバイアス電圧を供給するための定電圧源を有し、該定電圧源の出力が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースと前記エミッタ側に設けられたダイオード端とのあいだに直接供給されてなる請求項2記載の半導体保護回路。
- 前記定電圧源と並列にカレントミラー定電位設定回路が設けられ、該カレントミラー定電位設定回路の出力段により降圧された一定の電圧が前記バイアス電圧として前記トランジスタのベースとエミッタまたは該エミッタ側に設けられたダイオード端とのあいだに供給されてなる請求項1または4記載の半導体保護回路。
- 前記定電圧源が、定電圧間に接続された少なくとも2個の直列抵抗からなり、該抵抗の分割電圧を定電圧として供給する請求項1、4または5記載の半導体保護回路。
- 前記定電圧源が、前記電圧供給端子と前記アース間に直列接続された少なくとも抵抗とツェナーダイオードとからなり、該ツェナーダイオードのツェナー電圧を定電圧として供給する請求項1、4または5記載の半導体保護回路。
- 前記ツェナーダイオードが複数個直列接続されてなる請求項7記載の半導体保護回路。
- 前記定電圧源が定電流回路とワイドラー回路を利用した定電圧回路とからなる請求項1、4または5記載の半導体保護回路。
- 前記定電流回路がワイドラー回路を利用したものである請求項9記載の半導体保護回路。
- 前記定電圧回路の後段に前記トランジスタがオンになって電流が流れても前記バイアス電圧側の電流を一定にするためのバッファ回路が設けられてなる請求項9または10記載の半導体保護回路。
- 前記トランジスタがダーリントン接続された複数のトランジスタからなる請求項1ないし11のいずれか1項記載の半導体保護回路。
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