JP3995043B2 - 熱保護機能付き半導体集積回路 - Google Patents

熱保護機能付き半導体集積回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機やコイルなどの負荷を駆動するためのパワートランジスタと、そのパワートランジスタを異常温度上昇から保護するための熱保護回路を有する、熱保護機能付き半導体集積回路(以下、IC)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、過負荷などによる異常温度上昇から、負荷を駆動するパワートランジスタを保護するための熱保護回路をIC内に設けることが行われている。
【0003】
図10は、従来のそのような熱保護回路の構成を示す図である(特許文献1参照)。図10において、温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)Qsaは、パワー用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、パワートランジスタ)QAの近傍に、熱的に結合されるように、配置されている。温度検出トランジスタQsaのエミッタはグランド電位Vgnd点に接続され、そのベースには基準電位Vrefが供給される。また、温度検出トランジスタQsaのコレクタが、サーマルシャットダウン検出回路D−TSDに接続されている。基準電位Vrefは、定電圧電源CV2から得られる定電圧を抵抗器R1、R2で分圧して、温度検出動作に適した値に設定されている。
【0004】
温度検出トランジスタQsaのベース−エミッタ間電圧Vbeは、約−2mV/℃の負の温度特性を有している。温度検出トランジスタQsaはパワートランジスタQAと熱結合されているから、パワートランジスタQAの温度上昇に連れて温度検出トランジスタQsaの温度も上昇し、ベース−エミッタ間電圧Vbeは低下する。
【0005】
パワートランジスタQAの接合部の接合温度Tjが所定の保護されるべき温度(例えば、175℃)に達すると、温度検出トランジスタQsaの動作状態(コレクタ電位Vqsa)をサーマルシャットダウン検出回路D−TSDが検出し、サーマルシャットダウン信号Stsdを発生する。
【0006】
このサーマルシャットダウン信号Stsdにより、パワートランジスタQAへの駆動信号をオフして、熱破壊から保護している。
【0007】
【特許文献1】
特公平6−16540号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パワートランジスタQAにより駆動される負荷が、図11のように電動機や、コイルなどのインダクタンス負荷である場合には、温度検出動作に誤動作を引き起こしてしまう。この誤動作について、以下説明する。
【0009】
図11において、パワートランジスタQA〜QDはパワー用NPN型バイポーラトランジスタであり、DA、DBはフライホイール・ダイオードであり、モータMを正方向或いは逆方向に速度制御する。
【0010】
正転のときにパワートランジスタQC、QBが選択され、パワートランジスタQCが例えばPWM制御によるオン/オフを行い、パワートランジスタQBがオンしている。パワートランジスタQD、QAはオフのままである。パワートランジスタQCがオンのとき、電源電位VccからQC→M→QB→グランド電位Vgndへと電流が流れる。また、パワートランジスタQCがオフのとき、M→QB→グランド電位Vgnd→ダイオードDAへと電流が流れる。このパワートランジスタQCがオフのときには、パワートランジスタQAのコレクタ電位Vqaはグランド電位Vgndよりも低い負電位になる。
【0011】
パワートランジスタQAと温度検出トランジスタQsaとの間には、グランド電位に接続されたP型分離領域が形成されているから、パワートランジスタQAのコレクタと、P型分離領域と、温度検出トランジスタQsaのコレクタとの間に、寄生ラテラルNPNバイポーラトランジスタ(以下、寄生トランジスタ)Qpsが形成されている。
【0012】
したがって、パワートランジスタQAのコレクタ電位Vqaが負電位になると、寄生トランジスタQpsが導通し、温度検出トランジスタQsaの動作とは無関係に、そのコレクタ電位Vqsaが低下する。これにより、サーマルシャットダウン検出回路D−TSDが動作し、サーマルシャットダウン信号Stsdを、誤って発生してしまう。
【0013】
このような誤動作は、温度検出トランジスタQsaを熱源であるパワートランジスタQAから長い距離だけ離れた位置に配置すれば避けることができる。しかし、その距離を離すことによって、温度検出の感度が下がり、過熱保護を行いたいパワートランジスタQAの温度に対して正確に温度検出することが困難になる。
【0014】
そこで、本発明は、電動機やコイルなどの負荷を駆動するためのパワートランジスタの近傍に、寄生トランジスタによる影響を受けることのない温度検出トランジスタを配置し、より正確にパワートランジスタの過熱保護を行えるICを提供することを目的とする。
【0015】
また、複数のパワートランジスタに個々に近接して、寄生トランジスタによる影響を受けることのない温度検出トランジスタをそれぞれ配置し、チップサイズを増大させることなく、より正確に各パワートランジスタの過熱保護を行えるICを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の熱保護機能付きICは、コレクタ電位が正電位から負電位にわたって変化するとともに温度検出対象となるパワートランジスタと、前記パワートランジスタに対して単一基板上に電気的に分離するように配置され、前記パワートランジスタとの間に寄生して前記パワートランジスタのコレクタ電位が負電位になることにより導通する寄生トランジスタを伴うパワートランジスタ温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)と、前記温度検出トランジスタのエミッタ電位と特定電位点に基づく基準電位とを比較して熱保護信号を出力する比較器とを有し、
前記温度検出トランジスタは、コレクタが第1電源電位点に接続され、ベースが前記比較器における前記基準電位を決めている前記特定電位点に接続され、エミッタが電流通過手段を介して第2電源電位点に接続されることで前記寄生トランジスタのオンによる影響をなくしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の熱保護機能付きICは、コレクタ電位が正電位から負電位にわたって変化するとともに温度検出対象となる複数のパワートランジスタと、前記複数のパワートランジスタに対応してそれぞれ単一基板上に電気的に分離するように配置され、対応する前記パワートランジスタとの間に寄生して前記パワートランジスタのコレクタ電位が負電位になることにより導通する寄生トランジスタを伴う複数のパワートランジスタ温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)と、前記複数の温度検出トランジスタの各エミッタ電位と特定電位点に基づく基準電位とを比較し、各エミッタ電位の内の1つでも比較条件を満たすときに熱保護信号を出力する比較器とを有し、
前記複数の温度検出トランジスタのそれぞれは、コレクタが第1電源電位点に接続され、ベースが前記比較器における前記基準電位を決めている前記特定電位点に接続され、エミッタが電流通過手段を介して第2電源電位点に接続される、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の熱保護機能付きICは、請求項1または2に記載の熱保護機能付き半導体集積回路において、前記特定電位は、前記第1電源電位であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の熱保護機能付きICは、請求項1または2に記載の熱保護機能付き半導体集積回路において、前記特定電位は、前記第1電源電位とは独立に決定できることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の熱保護機能付きICは、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱保護機能付き半導体集積回路において、前記基準電位は、前記第1電源電位からバンドギャップ定電圧回路により発生される定電圧だけ低くして得ることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱保護機能付きICの実施の形態について、図を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱保護回路の構成を示す図であり、図2は、図1の動作を説明するための特性図である。
【0023】
図1において、温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)Qsaは、パワー用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、パワートランジスタ)QAの近傍に、熱的に結合されるように、配置されている。温度検出トランジスタQsaのコレクタとベースは第1電源電位である電源電位Vcc点に接続され、そのエミッタは電流通過手段である電流源Isaを介して第2電源電位であるグランド電位Vgnd点に接続される。
【0024】
比較器CMP1の比較入力として、温度検出トランジスタQsaのエミッタ電位Vsaが入力される。このエミッタ電位Vsaは、電源電位Vccから温度検出トランジスタQsaのベース−エミッタ間電圧Vbeを引いた値となる。一方、比較器CMP1の基準入力として、基準電位Vrefが入力される。この基準電位Vrefは、電源電位Vccから定電圧回路CV1の定電圧Vbg或いはそれを分圧した電圧を引いた値となる。なお、比較器CMP1は、比較結果を安定して得るために、ヒステリシス特性を付与することがよい。
【0025】
図2も参照して、基準電位Vrefは、定電圧Vbgが一定であるから電源電位Vccが一定であれば、一定値(=Vcc−Vbe)に維持される。一方、ベース−エミッタ間電圧Vbeが約−2mV/℃の負の温度特性を有しているから、熱結合されているパワートランジスタQAの温度上昇に連れて温度検出トランジスタQsaの温度も上昇し、ベース−エミッタ間電圧Vbeは低下する。したがって、エミッタ電位Vsa(=Vcc−Vbe)は、温度の上昇とともに上昇していく。
【0026】
パワートランジスタQAの接合温度Tjが常温T1(例、25℃)においては、エミッタ電位Vsaは基準電位Vrefより低く、比較器CMP1の出力は高(H)レベルであり、サーマルシャットダウン信号(熱保護信号)Stsdは出力されていない。
【0027】
パワートランジスタQAの接合温度Tjが上昇するに従いエミッタ電位Vsaが基準電位Vrefに向かって接近していく。そして、接合温度Tjが保護すべき温度T2(例、175℃)になると、エミッタ電位Vsaが基準電位Vrefに達して、比較器CMP1の出力は低(L)レベルに反転し、サーマルシャットダウン信号Stsdが出力される。このサーマルシャットダウン信号Stsdにより、パワートランジスタQAへの駆動信号をオフして、熱破壊から保護する。
【0028】
本発明では、パワートランジスタQAと温度検出トランジスタQsaとの間に、従来の図10と同様に寄生トランジスタQpsが形成されても、温度検出トランジスタQsaのコレクタが電源電位Vcc点に接続されているので、寄生トランジスタQpsが導通しても、温度検出トランジスタQsaの温度検出動作に影響を与えない。したがって、温度検出トランジスタQsaをパワートランジスタQAの極めて近傍に配置することができ、より正確にパワートランジスタQAの過熱保護を行うことができる。
【0029】
また、エミッタ電位Vsa、基準電位Vrefとも、同じ電源電位Vccを基準にしているから、例え電源電位Vccが何らかの原因で変動したとしても、比較器CMP1の比較結果に影響を与えない。
【0030】
なお、図1では、バンドギャップ型定電圧回路CV1の定電圧Vbgを用いて一定の基準電位Vrefを得ているが、これに限らず基準電位Vrefは、図2中に破線で示すように、保護すべき温度T2(例、175℃)でエミッタ電位Vsaと交叉するような特性を与えるものであればよい。
【0031】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る熱保護回路の構成を示す図である。図3においては、温度検出トランジスタQsaのベース及び定電圧回路CV1を、電源電位Vccとは別の特定電位Vcca点に接続している。その他の点は、図1と同様である。
【0032】
このように特定電位Vcca点に温度検出トランジスタQsaのベース及び定電圧回路CV1を接続する場合には、電源電位Vccに現れるリップルなどの影響を除去できるから、比較検出がより安定して行える。この特定電位Vccaを与えるための電源回路は極めて小容量のもので済むから、ICのチップサイズへの影響を考慮する必要はない。なお、温度検出トランジスタQsaのコレクタは、電圧変動が多少あっても比較検出に影響を与えないので、電源電位Vccに接続することでよい。
【0033】
図4は、本発明の熱保護機能付きICの第3の実施の形態に係る一部断面を示す図である。図5は、本発明と対比して示すための従来の熱保護回路を適用した場合のICの一部断面を示す図である。
【0034】
図4において、p型基板(Psub)10にパワートランジスタQAと温度検出トランジスタQsaとがp型の分離領域11を間に挟んで形成されている。分離領域11は、素子間を電気的に分離するように、グランド電位Vgnd点に接続されている。
【0035】
パワートランジスタQAは、P型基板10に高濃度のn型埋め込み層21が形成され、その上にn型エピタキシャル層(以下、エピ層)22が形成されている。そのエピ層22にp型のベース領域23が形成され、その中にn型のエミッタ領域24が形成されている。また、埋め込み層21に連続するようにn型のコレクタ領域25が形成されている。このパワートランジスタQAは、エミッタ領域24がグランド電位Vgnd点に接続される。また、ベース領域23、コレクタ領域25は、負荷駆動のためにそれぞれ所定の個所(例、図11を参照)に接続されている。
【0036】
温度検出トランジスタQsaは、P型基板10に高濃度のn型埋め込み層31が形成され、その上にn型エピ層32が形成されている。そのエピ層32にp型のベース領域33が形成され、その中にn型のエミッタ領域34が形成されている。また、埋め込み層31に連続するようにn型のコレクタ領域35が形成されている。この温度検出トランジスタQsaは、図1のように、ベース領域33及びコレクタ領域35が電源電位Vcc点に接続される。エミッタ領域34は、図1のように、電流源を介してグランド電位Vgnd点に接続されており、そのエミッタ電位Vsaが出力される。
【0037】
図4のパワートランジスタQAと分離領域11と温度検出トランジスタQsaとの間で、やはり寄生トランジスタQpsが形成され、寄生トランジスタQpsのベースは分離領域11において接地されている。したがって、パワートランジスタQAによって従来の図11で説明したのと同じように、モータやインダクタンス負荷を駆動すると、パワートランジスタQAのコレクタ電位Vqaは負電位になるタイミングがある。この場合、寄生トランジスタQpsの導通によって、温度検出トランジスタQsaのコレクタからパワートランジスタQAのコレクタに向けて、図中矢印破線で示すように、電流経路ができる。
【0038】
本発明では、温度検出トランジスタQsaのコレクタは、そのベースとともに電源電位Vcc点に接続されているから、寄生トランジスタQpsによって引かれても電源電位Vccは殆ど変化しない。また、寄生トランジスタQpsの導通によっても、エミッタ電位Vsaは実質的に影響を受けないから、誤って、サーマルシャットダウン信号Stsdを出力することもない。
【0039】
このように、本発明の温度検出トランジスタQsaは、寄生トランジスタQpsの影響を受けないから、分離領域11に極めて接近して例えば数μm離れた位置に配置することができる。例えば、寸法の例を示すと、温度検出トランジスタQsaは基本セル程度の大きさで良く10〜20μmであり、分離領域11は数μm程度である。一方、パワートランジスタQAは制御する電流、電圧によって異なるが、例えばその幅で温度検出トランジスタQsaの20倍、その奥行きで温度検出トランジスタQsaの50倍程度であり、面積では1000倍の大きさである。このため、分離領域11と温度検出トランジスタQsaの中心間距離L1も小さい(例えば、10μm程度)。
【0040】
したがって、温度検出トランジスタQsaをパワートランジスタQAの極めて近傍に配置することで、PAの温度を温度検出トランジスタQsaで忠実にモニタできるから、より正確にパワートランジスタPAの過熱保護を行える。
【0041】
これに対して、図5に、従来の図10の過熱保護回路を用いて寄生トランジスタQpsによる誤動作を避けるように構成した場合のICの一部断面を示している。
【0042】
この図5では、パワートランジスタQA、分離領域11、温度検出トランジスタQsaの構造自体は図4と同じであるが、温度検出トランジスタQsaが分離領域11から約数100μm〜1mm程度と言う長い距離L2を離して設けられていること、エミッタ領域34がグランド電位Vgnd点に接続され、ベース領域33が基準電位Vref点に接続され、コレクタ領域35のコレクタ電位Vqsaが保護動作の検出用に用いられることが、本発明の図4とは異なっている。
【0043】
この図5の構成例では、寄生トランジスタQpsによる誤動作を避けることができる位置に温度検出トランジスタQsaを配置している。参考例として、具体的数値例を挙げると、パワートランジスタQAのコレクタに引かれる電流i1が50mAとし、一方、温度検出トランジスタQsaが寄生トランジスタQpsによる誤動作を避けるために寄生トランジスタQpsによって流れる電流i2を50μAが限度とすると、寄生トランジスタQpsの電流増幅率hfeが0.001となる。寄生トランジスタQpsの電流増幅率hfeを例のように小さい値に抑えるためには、温度検出トランジスタQsaを分離領域11から長い距離L2(=数100μm〜1mm)を離して設ける必要がある。勿論、これらの数値は、参考のためのものであって、電流値や、各素子の特性などによって変わるが、温度検出トランジスタQsaを離して設ける必要があると言う、基本的な問題点は変わらない。この距離L2は、本発明の図4の距離L1に比して、極めて長い。
【0044】
このように、従来の図10の過熱保護回路を用いた場合には、温度検出トランジスタQsaがパワートランジスタQAから長い距離L2だけ離れて配置せざるを得ないから、温度検出の精度が大きく低下し正確な熱保護ができないし、またひいてはチップサイズの拡大につながってしまう。これらの従来の欠点は、本発明において、図4でも説明したように、解決されている。
【0045】
図6は、本発明の熱保護機能付きICの第4の実施の形態に係る一部断面を示す図である。図6において、パワートランジスタQAがNチャンネル型MOSトランジスタで構成されている点で図4と異なっており、この関係で分離領域11が省略されている。温度検出トランジスタQsaや寄生トランジスタQpsが形成される点は図4と同様である。
【0046】
図6で、パワートランジスタQAは、P型基板10に形成されたn型のドレイン領域42とn型のソース領域41とその間のチャネル上方に設けられたゲート43とから構成されている。図6の動作や効果などは、図4におけるものと同様であるので、簡単のために説明を省略する。
【0047】
図7は、本発明の第5の実施の形態に係り、複数のパワートランジスタに対する熱保護回路の構成を示す図であり、図8は、図7における配置構成を模式的に示す図である。
【0048】
図7、図8において、複数(例として、4個)のパワートランジスタQA〜QDがICチップ100のコーナーに設けられ、それぞれに近接して温度検出トランジスタQsa〜Qsdが設けられている。
【0049】
温度検出トランジスタQsa〜Qsdに対応して、それらに直列に電流源Isa〜Isdが設けられ、そのエミッタ電位Vsa〜Vsdが比較器CMP2の各(−)入力端子に供給される。
【0050】
比較器CMP2の(+)入力端子には、基準電位Vrefが入力される。この基準電位Vrefは、図1或いは図3におけると同様に形成されている。この比較器CMP2は、複数のエミッタ電位Vsa〜Vsdの内の一番高いエミッタ電位が基準電位Vrefと比較されて、比較出力が得られる。
【0051】
この図7,図8における各トランジスタの構成や熱保護動作は、第1〜第4の実施の形態におけると同様である。
【0052】
本発明では、特に複数のパワートランジスタを持つICでも、温度検出トランジスタQsa〜Qsdが基本セル程度の大きさで良く、且つ保護すべき各パワートランジスタQA〜QDに極めて接近して配置される特徴が生かされて、チップサイズの増大を招くことなく、精度の良い熱保護回路を構成することができる。
【0053】
図9は、本発明の第6の実施の形態に係り、図8と同じく複数のパワートランジスタに対する熱保護回路の配置構成を模式的に示す図である。
【0054】
この図9の配置構成は、ICチップ200の上辺部側に複数のパワートランジスタQA〜QDが設けられ、下辺部側に複数のパワートランジスタQE〜QHが設けられている。これら各パワートランジスタQA〜QHに近接して、それぞれ温度検出トランジスタQsa〜Qshが設けられる。これら温度検出トランジスタQsa〜Qshのエミッタ電位がそれぞれ比較器CMP3に入力され、熱保護動作が行われる。
【0055】
これら図7や図9の配置構成の他、本発明では、温度検出トランジスタQsa〜Qsdが小さく、且つ各パワートランジスタに極めて接近して配置できるから、任意の配置構成を採ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、パワートランジスタと温度検出トランジスタとの間に、従来と同様に寄生トランジスタが形成されても、温度検出トランジスタのコレクタが電源電位点に接続されているので、寄生トランジスタが導通しても、温度検出トランジスタの温度検出動作に影響を与えない。したがって、温度検出トランジスタをパワートランジスタの極めて近傍(例えば数μm)に配置することができ、パワートランジスタの温度を温度検出トランジスタで忠実にモニタして、より正確にパワートランジスタの過熱保護を行うことができる。
【0057】
また、エミッタ電位、基準電位とも、同じ電源電位或いは、他の特定電位点を基準にしているから、例え電源電位等が何らかの原因で変動したとしても、比較器の比較結果に影響を与えない。
【0058】
また、特に複数のパワートランジスタを持つICでも、温度検出トランジスタが基本セル程度の大きさで良く、且つ保護すべき各パワートランジスタパワートランジスタに極めて接近して配置されるから、チップサイズの増大を招くことなく、精度の良い熱保護回路を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る熱保護回路の構成図。
【図2】図1の動作を説明するための特性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る熱保護回路の構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るICの一部断面図。
【図5】従来の過熱保護回路を用いて誤動作を避ける場合のICの一部断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るICの一部断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係り、複数のパワートランジスタに対する熱保護回路の構成を示す図。
【図8】図7における配置構成を模式的に示す図。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係り、複数のパワートランジスタに対する他の配置構成を模式的に示す図。
【図10】従来の熱保護回路の構成を示す図。
【図11】従来及び本発明のPAによる負荷駆動回路を示す図。
【符号の説明】
QA〜QH パワートランジスタ
Qsa〜Qsh 温度検出トランジスタ
Qps 寄生トランジスタ
Isa〜Isd 電流源
CMP1〜CMP3 比較器
CV1 定電圧回路
Vref 基準電位
Vsa〜Vsd エミッタ電位
Stsd サーマルシャットダウン信号
100、200 ICチップ
10 P型基板
11 分離領域
21、31 埋め込み層
22、32 エピ層
23、33 ベース領域
24、34 エミッタ領域
25、35 コレクタ領域

Claims (5)

  1. コレクタ電位が正電位から負電位にわたって変化するとともに温度検出対象となるパワートランジスタと、前記パワートランジスタに対して単一基板上に電気的に分離するように配置され、前記パワートランジスタとの間に寄生して前記パワートランジスタのコレクタ電位が負電位になることにより導通する寄生トランジスタを伴うパワートランジスタ温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)と、前記温度検出トランジスタのエミッタ電位と特定電位点に基づく基準電位とを比較して熱保護信号を出力する比較器とを有し、
    前記温度検出トランジスタは、コレクタが第1電源電位点に接続され、ベースが前記比較器における前記基準電位を決めている前記特定電位点に接続され、エミッタが電流通過手段を介して第2電源電位点に接続されることで前記寄生トランジスタのオンによる影響をなくしたことを特徴とする、熱保護機能付き半導体集積回路。
  2. コレクタ電位が正電位から負電位にわたって変化するとともに温度検出対象となる複数のパワートランジスタと、前記複数のパワートランジスタに対応してそれぞれ単一基板上に電気的に分離するように配置され、対応する前記パワートランジスタとの間に寄生して前記パワートランジスタのコレクタ電位が負電位になることにより導通する寄生トランジスタを伴う複数のパワートランジスタ温度検出用NPN型バイポーラトランジスタ(以下、温度検出トランジスタ)と、前記複数の温度検出トランジスタの各エミッタ電位と特定電位点に基づく基準電位とを比較し、各エミッタ電位の内の1つでも比較条件を満たすときに熱保護信号を出力する比較器とを有し、
    前記複数の温度検出トランジスタのそれぞれは、コレクタが第1電源電位点に接続され、ベースが前記比較器における前記基準電位を決めている前記特定電位点に接続され、エミッタが電流通過手段を介して第2電源電位点に接続される、ことを特徴とする、熱保護機能付き半導体集積回路。
  3. 前記特定電位は、前記第1電源電位であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱保護機能付き半導体集積回路。
  4. 前記特定電位は、前記第1電源電位とは独立に決定できることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱保護機能付き半導体集積回路。
  5. 前記基準電位は、前記第1電源電位からバンドギャップ定電圧回路により発生される定電圧だけ低くして得ることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱保護機能付き半導体集積回路。
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