JP3690593B2 - 自動車のフロントピラー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両上下方向に延びるフロントピラーに車両前後方向に延びるアッパメンバの後端部を結合してなる自動車のフロントピラー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車においては、車両衝突時の入力を車体後方に逃がすことにより車室への影響を最少にする構造が採用されている。例えば、フロントピラーに前後方向に延びるアッパメンバ(エプロンレインホース)の後端部を結合するとともに、フロントドア内にアッパメンバと略同じ高さ位置となるようにベルトラインリインホースを配設する場合がある。この構造では、車両衝突時の入力をアッパメンバからフロントピラーを介してベルトラインリインホースに伝達し、該ベルトラインリインホースを突っ張らせることによってドア本体のドアガラス開口部の変形を防止するとともに上記入力を車体後部に逃がすようにしている。
【0003】
ここで、衝突時のフロントピラーの断面崩れを防止するために、フロントピラー内のアッパメンバ結合部にバルクヘッドを配設して該結合部の剛性を高めることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記フロントピラーのアッパメンバ結合部にバルクヘッドを配設する構造を採用した場合、入力方向等の如何によってはフロントピラーとベルトラインリインホースとの当たり面が滑ってずれ、ドア本体が外側に外れるおそれがあり、こうなると入力を車体後部に確実に伝達できないこととなる。
【0005】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、衝突時のフロントピラーの断面崩れを防止できるとともに、バルクヘッドを配設する場合のドア本体の外れを防止でき、ひいては入力を車体後部に確実に伝達できる自動車のフロントピラー構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両上下方向に延びるフロントピラーに車両前後方向に延びるアッパメンバの後端部を結合してなる自動車のフロントピラー構造において、上記フロントピラー内のアッパメンバ結合部に車両前後方向に延びるボックス断面を有するバルクヘッドを配設し、フロントドア内に上記アッパメンバと略同じ高さ位置となるようにベルトラインリインホースを配設し、上記バルクヘッドの上記ベルトラインリインホースに対向する部分に切り欠き凹部を形成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の作用効果】
本発明にかかるフロントピラー構造によれば、フロントピラーのアッパメンバ結合部にバルクヘッドを配設したので、フロントピラーのアッパメンバ結合部の剛性を高めることができ、衝突時のフロントピラーの断面崩れを防止でき、入力をベルトラインリインホースに確実に伝達できる。
【0008】
そして本発明では、上記バルクヘッドのベルトラインリインホースに対向する部分に切り欠き凹部を形成したので、衝突時にベルトラインリインホースがフロントピラーに食い込み易くなり、ドア本体が外れるのを確実に防止できる。即ち、バルクヘッドの切り欠き凹部がベルトラインリインホースの食い込み時の逃げとなることから、該ベルトラインリインホースがフロントピラーに確実に食い込み、ドア本体が車外側に外れるのを防止でき、入力を車体後部に確実に伝達できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1ないし図10は、本発明の一実施形態による自動車のベルトライン部構造及びフロントピラー構造を説明するための図であり、図1は上記構造が採用された自動車の側面図、図2はアッパメンバのバルクヘッド結合部の斜視図、図3はフロントピラー周りの断面図(図1のIII-IIII線断面図)、図4はセンタピラー周りの断面図(図1のIV-IV 線断面図)、図5はアッパメンバの概略斜視図、図6はバルクヘッドの概略斜視図、図7はフロントピラーのベルトライン部の概略断面図(図1のVII-VII 線断面図)、図8はセンタピラーのベルトライン部の概略断面図(図1のVIII-VIII 線断面図)、図9はリヤピラーのベルトライン部の概略断面図(図1のIX-IX 線断面図)、図10はリヤピラーの概略斜視図である。
【0011】
図において、1は本実施形態構造が採用された自動車を示しており、これの車体2は左,右のサイドパネル3,3の上端間にルーフパネル4を接続するとともに、下端間にフロアパネル(不図示)を接続して車室を形成した概略構造となっている。
【0012】
上記サイドパネル3は、車両上下方向に延びるフロントピラー5の上端部に車体後方に延びるルーフレール6の前端部を接続するとともに、下端部に同じく車体後方に延びるロッカパネル7の前端部を接続し、該ロッカパネル7とルーフレール6との間の車両前後方向略中央に車両上下方向に延びるセンタピラー8を接続し、さらに上記ロッカパネル7とルーフレール6の後端間にリヤピラー9を接続した構造のものであり、これによりフロントドア開口3a,リヤドア開口3bが形成されている。
【0013】
上記フロントドア開口3aにはフロンドドア10が、上記リヤドア開口3bにはリヤドア11が配設されている。上記フロンドドア10はフロントピラー5に上下一対のヒンジ部材12,12を介して回動可能に枢支されており、また上記リヤドア11はセンタピラー8に上下一対のヒンジ部材13,13を介して回動可能に枢支されている。
【0014】
上記フロントドア10は、ドアアウタパネル14とドアインナパネル15とを最中状に結合してドア本体16を形成し、該ドア本体16にウインドガラス17aを案内支持するサッシュフレーム17を接続した構造のものである。このドアインナパネル15は、車両前後方向に見たとき該ドアインナパネル15の前壁15aの内側半部が上記フロントピラー5の後側壁5cに対向し(図3参照)、後壁15bの内側半部がセンタピラー8の前側壁8cに対向するように配置されている。なお、上記ドアインナパネル15の前壁15a,後壁15b,及びピラー5,8の後側壁5c,及び前側壁8cが本発明の車両前後方向壁となっている。
【0015】
上記ドア本体16内にはベルトラインLに沿うようにベルトラインリインホース20が配設されている。このベルトラインリインホース20は、図3,4に示すように、縦断面ハット状のアウタリインホース18と平板状のインナリインホース19とをこれの外周縁同士を溶接により接合してなるものであり、車両前後方向に延びる縦長矩形状の閉断面Aが形成されている。
【0016】
上記ベルトラインリインホース20は、車両側方から見たとき、車両前側の上下寸法が後側より大きくなるように下辺部が前下方に緩やかに傾斜しており(図1参照)、該ベルトラインリインホース20の前端部は上記上側のヒンジ部材12と略同じ高さに位置している。
【0017】
上記ベルトラインリインホース20はドアインナパネル15に溶接接合されている。このようにしてドア本体16には上記ベルトラインリインホース20単独による第1閉断面Aと、該ベルトラインリインホース20とドアインナパネル15とによる第2閉断面BとがベルトラインL全長に渡って連続するように形成されている。これによりベルトラインL部におけるドア剛性を大幅に高めることができ、衝突時の断面崩れによる折れを防止できる。
【0018】
上記リヤドア11は、ドアアウタパネル21とドアインナパネル22とを最中状に結合してドア本体23を形成し、該ドア本体23にサッシュフレーム(不図示)を接続した構造のものであり、上記フロントドア10と略同様の構造となっている。
【0019】
上記ドア本体23内にはベルトラインLに沿うように縦断面ハット状のリヤベルトラインリインホース24が配設されている。このリヤベルトラインリインホース24の外周縁は上記ドアインナパネル22に溶接接合されており、この両者24,22でドア本体23の全長に渡る長さの閉断面が形成されている。
【0020】
上記フロントピラー5は、横断面ハット状のピラーアウタ26とこれの開口を閉塞する平板状のピラーインナ27との間に該ピラーアウタ26に概ね沿うように形成された横断面ハット状のピラーリインホース28を配設し、これらの前,後縁部5a,5b同士をスポット溶接により接合した構造のものであり、上下方向に延びる角筒状の閉断面が形成されている。
【0021】
上記左,右のフロントピラー5には車両前後方向に延びるアッパメンバ(エプロンレインホース)30の後端部30aが接続されており、この後端部30aは上記ピラーアウタ26の外側壁26aにアーク溶接等により接合されている。上記アッパメンバ30には後端部30aから前方に延びる凸状ビード部30bが形成されており、これにより上記ピラーアウタ26とアッパメンバ30との接合部には前後方向に延びるボックス断面aが形成されている。また上記アッパメンバ30の車外側には前輪の上方を覆うフェンダエプロン31が配設されている。
【0022】
車両側方から見たとき、上記アッパメンバ30,ベルトラインリインホース20,リヤベルトラインリインホース24は略同じ高さ位置に、かつ車両前後方向に略直線をなすように直列配置されている(図1参照)。このようにして車両衝突時の入力は、アッパメンバ30からフロントピラー5,ベルトラインリインホース20,及びセンタピラー8を介してリヤベルトラインリインホース24に伝達され、リヤピラー9から車体後部に逃がされるようになっている。
【0023】
そして上記ピラーアウタ26とピラーリインホース28との間にはパッチ40が配設され、溶接固定されている。このパッチ40は、大略L字形の板状のもので、上記ベルトラインリインホース20と同じ高さ位置に配置され、かつピラーアウタ26及びピラーリインホース28との間の外側壁5d部分から後側壁5cとのコーナ部のみに位置し、該後側壁5cのコーナ部より車内側には存在しない形状となっている。このような形状のパッチ40を配置したので、フロントピラー5の外側壁5d部分の剛性のみが高くなり、後側壁5cの剛性は相対的に低くなっている。
【0024】
上記フロントピラー5内のアッパメンバ30との接合部にはバルクヘッド33が配設されている。このバルクヘッド33は、衝突時の入力をアッパメンバ30からフロントピラー5,ベルトラインリインホース20に有効に伝達するためのものであり、図6に示すように、車外側に開口する断面コ字状の第1リインホース34と、車内側に開口する断面コ字状の第2リインホース35とを接合することにより車両前後方向に延びる3つのボックス断面bを形成した構成となっている。
【0025】
上記第1リインホース34は内側壁34cの上,下縁に車外側に延びる横側壁34d,34dを屈曲形成するとともに、該各横側壁34dの外縁に上,下フランジ部34a,34bを屈曲形成した構造のものである。また第2リインホース35は外側壁35cの上,下縁に車内側に延びる横側壁35d,35dを屈曲形成するとともに、該各横側壁35dの内縁に上,下フランジ部35a,35bを屈曲形成した構造のものである。
【0026】
上記第1リインホース34の上,下フランジ部34a,34bは上記ピラーリインホース28の内壁面にピラーアウタ26及びパッチ40とともに4枚重ねて溶接接合されている。また第2リインホース35の外側壁35cは上記ピラーリインホース28の内壁面にピラーアウタ26及びパッチ40とともに4枚重ねて溶接接合されており、上,下フランジ部35a,35bは第1リインホース34の内側壁34cとともにピラーインナ27にボルト締め固定されている。
【0027】
上記センタピラー8は、横断面ハット状のピラーアウタ37とピラーインナ38との間に上記ピラーアウタ38に概ね沿うように形成された横断面ハット状のピラーリインホース39を配置し、これらの前,後縁部8a,8b同士を3枚重ねてスポット溶接により接合した構造となっている。
【0028】
上記フロントドア10のベルトラインリインホース20の前端部20a及び後端部20bはアウタ,インナリインホース18,19の前,後縁部同士を接合することにより平面視で略尖った形状となっている(図3,図4参照)。
【0029】
そして上記前,後端部20a,20bはドアインナパネル15の前,後壁15a,15bの直近まで延びており、該ドアインナパネル15の内側壁15cの前,後コーナ部に溶接接合されている。この前,後端部20a,20bは、車幅方向に見て、ドアインナパネル15の前,後壁15a,15bに接合されたサッシュフレーム17と離れた位置にてオーバラップしている。これにより衝突時にベルトラインリインホース20がサッシュフレーム17に干渉することなく、フロントピラー5に食い込むこととなり、安定的な噛み合いが得られる。
【0030】
上記前端部20aはフロントピラー5の後側壁5cの車幅方向中央部に、後端部20bはセンタピラー8の前側壁8cの車幅方向中央部にそれぞれ対向している。このようにして各ピラー5,8とベルトラインリインホース20とのラップ代Wを大きく確保することにより、衝突時の食い込みを確実に行えるようになっている(図3,図4参照)。
【0031】
また上記フロントピラー5の後壁部5cとフロントドア10の前壁15aとの間には所定の隙間Lが設けられている。この隙間Lはできるだけ小さく,例えば5mm以下に設定されており、該隙間Lを極力詰めることにより入力をフロントピラー5,フロントドア10に有効に伝達でき、しかもドアインナパネル15のコーナ部の変形を防止できる。また上記ドアインナパネル15の内側壁15cの前,後段部15d,15eは傾斜した形状となっており、衝突時にフロントピラー5,センタピラー8に干渉するのを防止している。
【0032】
上記バルクヘッド33の各横側壁34d,35dの後端部にはそれぞれ切り欠き凹部33aが形成されている。この各切り欠き凹部33aは横側壁34d,35dの車幅方向寸法の1/2以上に渡る幅に設定され、かつベルトラインリインホース20の前端部20aが食い込んだときに干渉しない深さに設定されている。
【0033】
また上記アッパメンバ30には折れ線30dが形成されている(図5参照)。この折れ線30dは平面視でカウルサイドパネル41の後端でかつ凸状ビード部30bの後端に位置するように形成されている。衝突時に折れ線30dを起点としてアッパメンバ30に外折れの変形モードを誘発させることによって、フロントピラー5の車内側へのねじれを抑制している。また上記アッパメンバ30のフロントピラー5との合わせ面はその全周にわたってアーク溶接されており、衝突時にアッパメンバ30がフロントピラー5から剥離するのを防止している。
【0034】
上記センタピラー8の前壁部8c及び後壁部8dを形成するピラーアウタ37とピラーリインホース39との間には所定の隙間L1が設けられている(図4参照)。この隙間L1は3mm以下に設定されている。このように隙間L1を小さい値に設定したので、入力をフロントドア10,センタピラー8,リヤドア11に有効に伝達できる。
【0035】
また上記センタピラー8とフロントドア10及びリヤドア11との間には所定の隙間L2が設けられている。この隙間L2は5mm以下に設定されており、上記同様に入力を有効に伝達できる。
【0036】
上記センタピラー8の外側壁8e内には大略コ字形状のパッチ43が配設されている。このパッチ43は上記ベルトラインリインホース20及びリヤベルトラインリインホース24と略同じ高さ位置に配置され、かつピラーアウタ37とピラーリインホース39との間の上記外側壁8e部分から前側壁8c,後側壁8dへのコーナ部のみに位置し、前側壁8c,後側壁8dのコーナより内側には存在しない形状となっており、上記ピラーアウタ37,ピラーリインホース39に溶接接合されている。これによりセンタピラー8の外側壁8e部分のみの剛性を高めており、後側壁8d,前側壁8cの剛性は外側壁8eに比べて低くなっている。
【0037】
上記リヤドア11のリヤベルトラインリインホース24の前端部24a及び後端部24bはドアインナパネル22の前,後壁22a,22bの直近まで延びており、該ドアインナパネル22の内側壁22cの前,後コーナ部に溶接接合されている。
【0038】
上記リヤピラー9とリヤドア11との間には所定の隙間L3が設けられている(図9参照)。この隙間L3は5mm以下に設定されており、このように隙間L3を最少としたことにより衝突時にリヤドア11が外側にずれて外れるのを防止でき、入力を後方に確実に逃がすことができる。
【0039】
またリヤピラー9のリヤベルトラインリインホース24との対向部には、リヤドアロックリインホース45の延長部45aが配置されている。これによりリヤベルトラインリインホース24の当たり面を補強でき、該ベルトラインリインホース24の大幅な後方移動を防止でき、入力をリヤピラー9に有効に伝達できる。また既存のリヤドアロックリインホース45に延長部45aを形成するだけであるから、部品点数が増えることはない。
【0040】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0041】
車両の前面衝突による入力は、アッパメンバ30からフロントピラー5を介してフロントドア本体16のベルトラインリインホース20に伝達され、該ベルトラインリインホース20からセンタピラー8に伝達され、さらにこのセンタピラー8からリヤドア本体23のリヤベルトラインリインホース24に伝達され、リヤピラー9を介して車体後方に伝達される。
【0042】
この場合、フロントドア本体16の前後方向の相対移動に伴ってベルトラインリインホース20の前,後端部20a,20bがそれぞれフロントピラー5の後側壁5c、センタピラー8の前側壁8cの車内側部分に突き当ることとなる。そして上記フロントピラー5,センタピラー8は、外側壁5d,8eにパッチ40,43を追加して該外側壁5d,8eの剛性を強くし、もって後側壁5c及び前側壁8cの剛性を相対的に弱くしている。
【0043】
これによりドアインナパネル15の前,後壁15a,15bの上記ベルトラインリインホース20の前,後端部20a,20bより車外側の上記外側壁5d,8e対向部分が凹み、全体として大略Z字形状に変形し、フロントピラー5,センタピラー8に食い込むこととなる(図7,図8の二点鎖線参照)。その結果、ベルトラインリインホース20の車幅方向外方への移動が規制されるとともに、該ベルトラインリインホース20が突っ張って入力をリヤドア11のリヤベルトラインリインホース24に伝える。このリヤベルトラインリインホース24においても上記同様にセンタピラー8の後側壁8dに突き刺さって食い込むこととなり、入力をリヤピラー9に伝えて車体後方に逃がすこととなる。そして衝突最後の車体のスプリングバックによって各ドア本体16,23の食い込みが外れ、もってドアの開が可能となる。
【0044】
このように本実施形態のベルトライン部構造によれば、フロントドア10のベルトラインリインホース20の前,後端部20a,20bをドア本体16のドアインナパネル15の前,後壁15a,15bに当接するように延長し、フロントピラー5の外側壁5d,センタピラー8の外側壁8eの剛性を強くし、もって後側壁5c,前側壁8cの剛性を相対的に低くしたので、上述のように車両衝突時にベルトラインリインホース20がフロントピラー5,センタピラー8に突き刺さって食い込むこととなり、該ベルトラインリインホース20の外側への移動が規制されることとなる。その結果、フロントピラー5が車内側にねじれて変形した場合にも、ドア本体16が滑って外れることはなく、入力を車体後部に確実に伝達することができる。
【0045】
また上記同様に、リヤドア11のリヤベルトラインリインホース24の前,後端部24a,24bをドア本体23に当接するように延長形成し、センタピラー8の外側壁8eの剛性を強くし、もって後側壁8dの剛性を相対的に低くしたので、前端部24aがセンタピラー8の後側壁8dに突き刺さって食い込むこととなり、ドア本体23が外側に外れるのを防止でき、入力をリヤピラー9に確実に伝達できる。
【0046】
なお、上記実施形態では、フロントピラー5,センタピラー8にパッチ40,43を追加することによって外側壁5d,8eの剛性を高くした場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0047】
例えば、図11及び図12に示すように、フロントピラー5のピラーリインホース28及びセンタピラー8のピラーリインホース39にベルトラインリインホース20が挿通可能な大きさの逃げ孔28a,39aを形成し、これによりフロントピラー5の後側壁5c及びセンタピラー8の前側壁8cの剛性を相対的に低くするようにしてもよい。このようにした場合には、ベルトラインリインホース20の食い込みがより容易確実となる。また上記パッチの追加と逃げ孔の両方を採用してもよい。
【0048】
本実施形態のフロントピラー構造によれば、フロントピラー5内のアッパメンバ30との接合部にバルクヘッド33を配設したので、フロントピラー5のアッパメンバ接合部の剛性を高めることができ、衝突時のフロントピラー5の断面崩れを防止でき、入力をベルトラインリインホース20に確実に伝達できる。
【0049】
また本実施形態では、上記バルクヘッド33の各横側壁34d,35dに切り欠き凹部33aを形成したので、該切り欠き凹部33aがベルトラインリインホース20の食い込み時の逃げとなる。もってベルトラインリインホース20がフロントピラー5の後側壁5cに容易に食い込むこととなり、ドア本体16が外れるのを防止でき、入力を車体後方により確実に伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるベルトライン部構造及びフロントピラー構造を説明するための自動車の側面図である。
【図2】上記フロントピラーのアッパメンバ及びバルクヘッドの斜視図である。
【図3】上記フロントピラー周りの断面図(図1のIII-IIII線断面図)である。
【図4】センタピラー周りの断面図(図1のIV-IV 線断面図)である。
【図5】上記アッパメンバの概略斜視図である。
【図6】上記バルクヘッドの概略斜視図である。
【図7】上記フロントピラーの概略断面図(図1のVII-VII 線断面図)である。
【図8】上記センタピラーの概略断面図(図1のVIII-VIII 線断面図)である。
【図9】リヤピラーの概略断面図(図1のIX-IX 線断面図)である。
【図10】上記リヤピラーの概略斜視図である。
【図11】上記実施形態の変形例を示すフロントピラーの図である。
【図12】上記実施形態の変形例を示すセンタピラーの図である。
【符号の説明】
1 自動車
5 フロントピラー
10 フロントドア
20 ベルトラインリインホース
30 アッパメンバ
30a 後端部
33 バルクヘッド
33a 切り欠き凹部
b ボックス断面
Claims (1)
- 車両上下方向に延びるフロントピラーに車両前後方向に延びるアッパメンバの後端部を結合してなる自動車のフロントピラー構造において、上記フロントピラー内のアッパメンバ結合部に車両前後方向に延びるボックス断面を有するバルクヘッドを配設し、フロントドア内に上記アッパメンバと略同じ高さ位置となるようにベルトラインリインホースを配設し、上記バルクヘッドの上記ベルトラインリインホースに対向する部分に切り欠き凹部を形成したことを特徴とする自動車のフロントピラー構造。
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