JP3690451B2 - 能動型の制振床装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微振動(小振動)及び地震動(大振動)の両方に対応することのできる能動型の制振床装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
精密機械工場やクリーンルーム等で使用される能動型の制振床装置では、建物の構造体と該構造体に支持される制振床との間に、制振アクチュエータを介在させ、該制振アクチュエータによって、制振床に、外乱振動による変位と逆位相の変位を与えることで制振床の振動を抑制するようにしている。従来、この種の制振床装置は、制御の主対象外乱を微振動としており、地震のように大きな振動が発生した場合には、システムを停止させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の制振床装置では、地震のように大きな振動が発生した場合にはシステムを停止させていたので、地震力が制振床上の機器等に作用し、被害を与えることがあった。そこで、制振アクチュエータとして、地震時にも機能させることができる振幅の大きなものを用いることが考えられるが、そうすると、対象とする振動の振幅が広くなり過ぎて、微振動を制御する場合に十分な精度が得られないおそれがあった。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮し、微振動(小振動)と地震動(大振動)の両方に対応することができ、しかも微振動時の制御に十分な精度を確保することのできる能動型の制振床装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、制振床を、水平振動に対する応答周期を長期化させる免震装置を介して建物の構造体で支持し、免震装置と制振床との間、及び構造体の壁と制振床との間に、外乱振動による変位と逆位相の変位を制振床に与えることで制振床の振動を抑制する制振アクチュエータを介在させ、免震装置と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して上下方向の変位を与えるように配され、構造体の壁と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して水平方向の変位を与えるように配されている能動型の制振床装置であって、前記制振アクチュエータとして、制御振幅の大きな大振動用アクチュエータと制御振幅の小さな小振動用アクチュエータを用意し、小振動用アクチュエータを制振床側、大振動用アクチュエータを構造体側にして、両アクチュエータを直列に連結し、大振動モード時には小振動用アクチュエータをロックした状態で大振動用アクチュエータを駆動し、小振動モード時には大振動用アクチュエータをロックした状態で小振動用アクチュエータを駆動する制御装置を設け、該制御装置が、制振床及び構造体に設けた振動センサの信号により、制御モードを、大振動モードまたは小振動モードに切換えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態の能動型制振床装置の概略構成を示している。図において1は建物の構造体、2は制振床である。制振床2は、水平振動に対する応答周期を長期化させる免震装置3を介して構造体1の床面上に支持されている。免震装置3としては、図示のような多段積層ゴムや振り子式のものを用いることができ、これにより高次振動モードの影響を排除した支持が可能となる。
【0012】
免震装置3と制振床2との間、及び構造体1の壁と制振床2との間の適当箇所には、外乱振動による変位と逆位相の変位を制振床2に与えることで制振床2の振動を抑制する制振アクチュエータユニット4が介在されている。免震装置3と制振床2との間の制振アクチュエータユニット4は、制振床2に対して上下方向の変位を与えるように配され、構造体1の壁と制振床2との間の制振アクチュエータ4は、制振床2に対して水平方向(直交する2方向)の変位を与えるように配されている。
【0013】
各制振アクチュエータユニット4は、制御振幅の大きな地震(大振動)用アクチュエータ4Aと、制御振幅の小さな微振動(小振動)用アクチュエータ4Bとを2段直列に連結した構造のもので、微振動用アクチュエータ4Bが制振床2側に配され、地震用アクチュエータ4Aが構造体1側に配されている。微振動用アクチュエータ4Bとしては、ピエゾアクチュエータや電歪アクチュエータ、超磁歪アクチュエータなど、微小振幅のアクチュエータが使用されている。地震用アクチュエータ4Aとしては、各種の電磁式アクチュエータや直動モータなど、可動範囲の長いものが使用されている。
【0014】
また、制振床2及び構造体1の床には、水平2方向の振動を検出するセンサ6と上下方向の振動を検出するセンサ7とが必要個数だけ設けられている。これらセンサ6、7の信号は、各アクチュエータ4A、4Bの駆動回路部9に制御信号を供給する制御装置8に入力されており、制御装置8は、これらセンサ6、7の信号に基づいて、振動のレベルや方向を判定し、判定結果に基づいて各アクチュエータ4A、4Bを制御する。
【0015】
具体的には、制御装置8は、地震のような大きな振動のときには地震モードを選択し、小さな振動のときには微振動モードを選択する。そして、地震モード時には、微振動用アクチュエータ4Bをロックした状態で、地震用アクチュエータ4Aを駆動して制振床2の振動を抑制する。また、微振動モード時には、地震用アクチュエータ4Aをロックした状態で、微振動用アクチュエータ4Bを駆動して制振床2の振動を抑制する。
【0016】
実際には、制御装置8は常時、制御モードを微振動モードに設定しており、微振動に対して微振動用アクチュエータ4Bを駆動して、制振床2の振動を抑制している。そして、地震時に、床に設置したセンサ6、7がある大きさ以上の建物の揺れを感知すると、制御装置8が制御モードを地震モードに切換え、微振動用のアクチュエータ4Bをロックして、地震用アクチュエータ4Aを作動させ、地震による振動を抑制する。やがて、制御装置8が地震の終了を判断すると、再び制御モードを微振動モードに切換えて、通常の制御に戻る。
【0017】
なお、上記実施形態では水平2方向を制御対象とする場合を示したが、水平1方向のみを制御対象として装置を構成することもできるし、上下方向振動抑制用のアクチュエータについては、地震時の上下揺れはあまりないので、微振動用アクチュエータ4Bのみ配置することもできる。また、2種のアクチュエータの連結の仕方はいろいろあり、アクチュエータ同士を直接連結してもよいが、制振床を包囲する中間体(例えば箱)のようなものを配設し、中間体を介して2種のアクチュエータを連結してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、制御の対象を小振動と大振動に区別し、振動の大きさに応じて、直列に連結した小振動用アクチュエータと大振動用アクチュエータを切換え駆動するようにしたので、それぞれの外乱に対して最適な制振効果を発揮することができる。特に、常時は、小振動モードを選択することにより、精度のよい制振を行うことができるので、制振床上の生産機械の歩留まりの向上に寄与することができる。また、地震時には大振動モードに切換えることにより、前記機械及び作業者を地震から守ることができる。また、大振動時には、小振動用アクチュエータをロックするので、大振動アクチュエータの動作で、小振動用アクチュエータが破損する等の心配もない。また、主要部分は2つのアクチュエータを連結しただけの構造であるから、構成が単純で安価に実現できる。
【0019】
しかも、小振動用アクチュエータを制振床側、大振動用アクチュエータを構造体側にして、両アクチュエータを直列に連結したので、小振動アクチュエータで直に制振床に変位を与えることができ、逆に配置した場合と比べて制振精度の向上が図れる。
【0020】
また、制振床を水平振動に対する応答周期を長期化させる免震装置を介して支持したので、水平振動を抑制するためのアクチュエータの駆動力を有効に制振床に伝えることができる。しかも、負荷を小さくできるので、アクチュエータの小型化を図ることができる。
【0021】
また、制御装置が、制振床及び構造体に設けた振動センサの信号により制御モードを切換えるので、構造体から伝播する地震力と、制振床上に発生する機械の振動等を区別して検出することができ、制御モードの切換えを適切に行うことができる。
【0022】
また、免震装置と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して上下方向の変位を与えるように配し、構造体の壁と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して水平方向の変位を与えるように配したので、鉛直振動及び水平振動に対する制振効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の制振床装置の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 構造体
2 制振床
3 免震装置
4 制振アクチュエータユニット
4A 地震用(大振動用)アクチュエータ
4B 微振動用(小振動用)アクチュエータ
6、7 センサ
8 制御装置
9 駆動回路部
Claims (1)
- 制振床を、水平振動に対する応答周期を長期化させる免震装置を介して建物の構造体で支持し、免震装置と制振床との間、及び構造体の壁と制振床との間に、外乱振動による変位と逆位相の変位を制振床に与えることで制振床の振動を抑制する制振アクチュエータを介在させ、免震装置と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して上下方向の変位を与えるように配され、構造体の壁と制振床との間の制振アクチュエータは、制振床に対して水平方向の変位を与えるように配されている能動型の制振床装置であって、
前記制振アクチュエータとして、制御振幅の大きな大振動用アクチュエータと制御振幅の小さな小振動用アクチュエータを用意し、小振動用アクチュエータを制振床側、大振動用アクチュエータを構造体側にして、両アクチュエータを直列に連結し、
大振動モード時には小振動用アクチュエータをロックした状態で大振動用アクチュエータを駆動し、小振動モード時には大振動用アクチュエータをロックした状態で小振動用アクチュエータを駆動する制御装置を設け、該制御装置が、制振床及び構造体に設けた振動センサの信号により、制御モードを、大振動モードまたは小振動モードに切換えることを特徴とする能動型の制振床装置。
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