JP3689819B2 - スクロール形圧縮機 - Google Patents

スクロール形圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP3689819B2
JP3689819B2 JP26973394A JP26973394A JP3689819B2 JP 3689819 B2 JP3689819 B2 JP 3689819B2 JP 26973394 A JP26973394 A JP 26973394A JP 26973394 A JP26973394 A JP 26973394A JP 3689819 B2 JP3689819 B2 JP 3689819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
end plate
fixed
drive shaft
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26973394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08128395A (ja
Inventor
茂 町田
昭 鈴木
和明 椎木
勇 川野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP26973394A priority Critical patent/JP3689819B2/ja
Publication of JPH08128395A publication Critical patent/JPH08128395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3689819B2 publication Critical patent/JP3689819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0215Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
    • F04C18/0223Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving with symmetrical double wraps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0021Systems for the equilibration of forces acting on the pump

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、圧縮作動室の容積を減じながら気体を圧縮する旋回運動形容積式圧縮機であって、特に渦巻状に構成されたスクロール部材によって三日月状の圧縮室が形成されるスクロール圧縮機に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
スクロール圧縮機は従来から知られており、基本的な動作原理を説明すると、この圧縮機は鏡板に渦巻状のスクロールラップを直立して設けた固定スクロールと旋回スクロールの2つのスクロール部材を互いに噛み合わせて、一方のスクロール部材(旋回スクロール)を他方のスクロール部材(固定スクロール)に対して自転しないように拘束しながら相対的に旋回運動させ、両方のラップの間に形成された圧縮作動室の容積を減少させながらスクロール部材の外周部から中央部に向かって気体を圧縮させるものである。
【0003】
この種のスクロール圧縮機においては、スクロールラップによって画成される圧縮作動室内の気体の圧力によって旋回スクロールと固定スクロールとが相互に離反する力を受ける構造のものや、旋回スクロール鏡板の両面にスクロールラップを有しそれぞれの面に圧縮作動室を形成して圧縮気体によるスラスト力をキャンセルさせる構造のものがある。本発明に近い公知技術としては特開平1−313684号公報に記載されているものがある。この公知技術によれば固定スクロールの間に配置された両歯を持った旋回スクロールは中央部に設けられた駆動軸によって駆動され、駆動軸とは独立して外周部に配置された平行軸によって旋回運動の補助を行い、旋回スクロールが円滑に運動するように構成されている。さらに駆動軸は、滑り軸受で支持されていて各軸受部には潤滑油が供給されるように構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、旋回スクロールの鏡板の両側に形成される圧縮作動室のそれぞれの圧力が異なるとスラスト力が生じるという問題がある。そこで、本発明の課題は、ガス圧縮に伴う旋回スクロール鏡板の両側のスラスト力をバランスさせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、鏡板の両面にスクロールラップを有する旋回スクロールと、この旋回スクロールを挟んで配置された一対の固定スクロールとを備え、旋回スクロールを旋回運動させることによりこの旋回スクロールの鏡板の両側に圧縮作動室が形成されるスクロール形圧縮機において、旋回スクロールの両面のスクロールラップを鏡板に対して面対称に形成し、両側の圧縮作動室を連通する複数の連通孔を鏡板に形成し、連通孔をスクロールラップに沿って、かつ、当該スクロールラップの180度ごとに配置し、それらの連通孔の径をスクロールラップの厚さよりも小さく形成することを特徴とする。
【0006】
上述の構成に加え、偏心量が実質的に同一の偏心部を備えた複数のクランク軸を旋回スクロールの外周部に鏡板面と直交するように配設し、各クランク軸を一対の固定スクロールに保持した軸受で回転可能に支持するとともに旋回スクロールに保持した軸受で各クランク軸の偏心部を回転可能に支持し、さらに、旋回スクロールの鏡板のほぼ中央部にこの鏡板の裏側と表側とを連通する連通孔を設けるようにしてもよい。
【0007】
またさらに、複数のクランク軸のうちの一本を駆動軸とし、残りのクランク軸をこの駆動軸と同期駆動手段を用いて連動させてもよい。この駆動軸は動力伝達手段を介して電動機に接続されており、同期駆動手段としてタイミングベルトを用いることができる。
【0008】
吐出ポートは、一方の固定スクロールの鏡板中央部に設け、旋回スクロールの鏡板の中央部に旋回スクロールの鏡板両側の圧縮作動室を連通する連通孔を設けてもよいし、両方の固定スクロールの鏡板中央部にそれぞれ設けて下流側で合流させるようにしてもよい。
【0009】
さらには、旋回及び固定スクロール共にアルミニウム合金によって構成し、固定スクロール外表面に圧縮機内部で発生する熱を効率的に外部に放熱するためのフィンを形成することが効果的である。なお、スクロール部材がアルミニウム合金などの非鉄金属で構成されているときは、ラップ表面に潤滑特性の良好な表面処理を施すことがより望ましい。
【作用】
【0010】
本発明は、旋回スクロール鏡板の両側の圧縮作動室を連通させる連通孔を旋回スクロールの鏡板に設けることにより、ガス圧縮に伴う旋回スクロール鏡板の両側のスラスト力がバランスし、スクロールラップ先端面における接触面圧を小さく保つことができる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0011】
まず、本発明の基本構成を図1〜図3に従って説明する。図1は、ダブルスクロール形のオイルフリー式空気圧縮機の構造を表す断面図である。図2は、図1のA−A線から矢印方向に見たときの側面図を表すものである。図3は、旋回スクロール3に固定スクロール1のスクロールラップ(以下、単にラップともいう)1bのみを噛み合わして圧縮作動室の構成状態を示した平面図である。
【0012】
図示のコンプレッサは、アルミニウム合金で形成されスクロールラップ1bを備えた固定スクロール1と、該固定スクロール1に平行に配置されスクロールラップ2bを固定スクロール1側に向けた固定スクロール2と、固定スクロール1と2の間に配置され鏡板3aの両側に形成されたスクロールラップ3b,3cをそれぞれ対向する固定スクロール1,2に噛み合わせた旋回スクロール3と、旋回スクロール3の鏡板外周部に配置されたクランク部を有する駆動軸4と、同じく旋回スクロール3の鏡板外周部に配置され駆動軸と同じ偏心量のクランク部を有する補助クランク軸5と、一部分を固定スクロール2に固定され駆動軸4を軸方向に固定された状態で軸支する転がり軸受10aと、固定スクロール1に固定され駆動軸4の先端部を回転可能に軸支している軸受12aと、も同様に固定スクロール2に固定され補助クランク軸5を軸方向に固定された状態で軸支する転がり軸受10bと、固定スクロール1に固定され補助クランク軸5の先端部を回転可能に軸支する軸受12bと、旋回スクロール3に固定され駆動軸4と補助クランク軸5のクランク部を弾性支持する転がり軸受11a及び11bと、駆動軸4の吸い込み雰囲気中の部分に配置固定されたバランスウエイト17a,bと、を含んで構成されている。
【0013】
旋回スクロール3の鏡板3aの一方の側にスクロールラップ1b,3b及び固定スクロール鏡板1aで囲まれた圧縮作動室14が、他方の側に両側に、スクロールラップ2b,3c及び固定スクロール鏡板2aで囲まれた圧縮作動室15が、それぞれ形成されている。また、噛み合ったスクロールラップ1b,3b、及び2b,3cの外周側には吸入室13が形成されている。固定スクロール1及び2、そして旋回スクロール3のそれぞれのラップ先端部にはカーボン等の無機系材料や4フッ化エチレン樹脂やポリイミド樹脂の複合材料で形成されたチップシール1d,2d,3d,3eが設けられている。旋回スクロール鏡板3aには上下の圧縮作動室14と15を連通する複数の連通孔31がラップの沿って設けられ、中央部には圧縮空気の流路をなす連通孔8が設けられている。旋回スクロールラップ3b,3cは、その渦巻が互いに同位相をなすように、鏡板を挟んで面対称に形成されている。
【0014】
一方、固定スクロール1は、そのほぼ中央部に設けられた吐出ポート9と外表面全体に設けられた放熱フィン1cを有し、さらに、固定スクロール1の外周部にはフランジ部1eがある。他方、固定スクロール2もその外表面に放熱フィン2cを有し、外周部にはフランジ部2eが配置されている。そして、互いの固定スクロール1と2がこのフランジ部1e,2eにおいてボルト18等によって結合されている。結合の際、図2に示したように両固定スクロールの相対位置を合わせるノックピン等の位置決め手段16a,bによって、両固定スクロール1,2相互の位置関係が適正に保たれて組み立てられている。
【0015】
駆動軸4は一部分を固定スクロール2に固定された転がり軸受10aによって軸方向に固定された状態で軸支されており、駆動軸4の先端部は他方の固定スクロール1に固定された軸受12aに回転可能に係合されている。さらに、駆動軸4にはバランスウエイト17が吸込雰囲気中に配置固定されている。他方、駆動軸4とは固定スクロールの中心を挟んで反対側の対称の位置に配置されている補助クランク軸5も、同様に固定スクロール2に固定された転がり軸受10bによって軸方向に固定された状態で軸支されており、補助クランク軸5の先端部は他方の固定スクロール1に固定された軸受12bに回転可能に係合されている。駆動軸4にはプーリ6が設けてあり、他に設置した動力源から回転動力が供給されるようになっている。さらに、駆動軸4と補助クランク軸5とは同期駆動手段をなすタイミングベルト7によって回転の同期性を保つように連結されている。駆動軸4と補助クランク軸5とは、このタイミングベルト7に駆動されて、クランク部の偏心方向の位相を一致させて回転する。
【0016】
気体の吸入口19は図2に示すように駆動軸4とは直交する方向で両固定スクロールに跨って設けられ、吸入室13に連通している。またその反対の下側には圧縮機据付け用の足部30が配置されている。前記したように、固定スクロール1,2及び旋回スクロール3はそれぞれアルミニウム合金等に代表されるように軽くて、熱伝導性の良い材料で構成されている。無潤滑式圧縮機を提供するためには特にシリコンが含有されたアルミニウム合金を適用することが望ましい。さらには、ラップ表面の接触時の潤滑性を向上させるため、陽極酸化皮膜等の表面処理を施すこともできる。
【0017】
図3は、固定スクロールに対して旋回スクロール3が、図上最も右よりの位置にある場合を示し、駆動軸4と補助クランク軸5の回転中心はそれぞれ×印の位置にある。
【0018】
次に、図1乃至図3で示された構成の圧縮機についてその作用を説明する。プーリ6に回転動力が伝達されると駆動軸4が回転し、さらに補助クランク軸5はタイミングベルト7によって駆動軸4と同期して回転する。すると、旋回スクロール3にも同時に駆動軸4や補助クランク軸5の偏心部(クランク部)の偏心量を半径とする旋回運動がもたらされる。その結果、気体は吸入口19から吸入され吸入室13に入る。その後、気体はさらに旋回スクロール鏡板3aの上側の圧縮作動室14や旋回スクロール鏡板3aの下側の圧縮作動室15に流入しそれぞれ所定の圧力まで圧縮される。圧縮作動室15で圧縮された気体は最終的に鏡板3aの中央部に設けられた連通孔8を通って上側の圧縮作動室14の中心部の吐出空間に流入し、旋回スクロール鏡板上側の圧縮作動室14で圧縮された気体と合流し、固定スクロール1に設けられた吐出ポート9から機外へ流出する。
【0019】
圧縮動作中、圧縮作動室には潤滑油がほとんど無いため他の公知技術に見られる油冷式圧縮機に比べ圧縮熱の発生が盛んになるが、この熱は固定スクロール外表面に設けた放熱フィンの回りをダクト構造として強制空冷することによって効果的に除去される。従って、旋回スクロールや固定スクロールは適当な温度に保たれる。また、連通孔31により鏡板上下の圧縮作動室内のガスのスラスト力の総和がほぼ等しくなるので、ラップの先端面には大きなスラスト荷重は作用しない。従って、ラップ先端部での摺動損失を最小に維持することができる。さらには、旋回スクロール3に働くスラスト力がほぼバランスしているため、旋回スクロール3を支持する軸受11の位置決め手段を簡素化でき組立性の改善を図ることができる。また、駆動軸4のバランスウェイトが吸い込み雰囲気中に配置されているので、吸い込み空気がバランスウェイトの回転でかきまわされ、滞留が減り、冷却効果がよくなる。
【0020】
次に、旋回スクロールの運動の安定化を図る例を図4に従って説明する。図4はこの例の断面図を示したものである。図4に示す例では図1から図3で説明した内容と異なる点を重点に説明する。本実施例では旋回スクロールの運動の安定化を図るため特にバランスウエイト17を駆動軸4のみならず補助クランク軸5にも配置したことにある。これにより、駆動軸4に設けたバランスウエイト17a,17bと補助クランク軸5に設けたバランスウエイト17c,17dが旋回スクロール3等の不釣合量と適合すると共に、いずれか一方のバランスウエイトがカウンタウエイトの作用を有するため、旋回スクロール3に対して回転モーメントの発生が無く低振動な圧縮機を提供することができる。また、バランスウエイトを4分割にしたことにより、二つの軸と旋回スクロールの動的バランスを正確にとるのが容易になり、かつ吸込室13内の気体をくまなく撹拌するため、吸入気体の澱みも無く吸入気体の過熱が少なくなる。この結果、圧縮機の吐出温度が低減しスクロール全体の熱変形量も小さくなる。従って、圧縮作動室間の漏れが少なくなって高性能の圧縮機を提供できる
【0021】
次に、本発明の実施例を図5に従ってこの実施例に特有な技術を重点に説明する。本実施例では両固定スクロール1,2の中央部付近にそれぞれ吐出ポート9,9aを設けた構成になっている。それぞれの圧縮作動室で圧縮されたガスは最寄りの吐出ポート9,9aから排出されるので吐出抵抗が減少し、性能が向上すると共に吐出ガスの温度が低下する。旋回スクロールの鏡板3aには180度間隔に均圧孔である連通孔31や中央部には圧縮空気吐出用の連通孔8が設けられている。従って、旋回スクロールの鏡板上下の圧縮ガスによるスラスト力がバランスすると共にスクロール部材の中央部に形成される吐出室も連通孔8によって結ばれているため、互いの吐出室は圧力がバランスするようになっている。また、両吐出ポートから出た吐出ガスは配管によって所定の位置へ導かれるが、これらの配管はそれぞれ独立させることもできるが圧縮機の近くで結合させ1本化して利用先に供給するように配管することもできる。本実施例では吐出ガスの流れるスクロール中心部まで、鏡板を境にその上下で同じ作用になっているので、それぞれの圧縮作動室の熱的状態が等しくなり熱変形量も等しくなるため圧縮機の隙間管理が容易になる。
【0022】
次に、図1に示した基本構成の一方の固定スクロール1に設けた転がり軸受を滑り軸受けに代えた例を図6に示す。駆動軸4は、固定スクロール2に設けた転がり軸受10aによって固定され、転がり軸受け11aを介して旋回スクロール3を支持している。そして、駆動軸4と固定スクロール1とは滑り軸受20aによって回転可能に係合している。一方、補助クランク軸5は転がり軸受10bによって固定スクロール2に固定され、転がり軸受け11bを介して旋回スクロール3を支持している。そして、固定スクロール1とは滑り軸受20bによって回転可能に係合している。このように構成したことにより圧縮機の組立性を良好に保つことができる。すなわち固定スクロール2に駆動軸4や補助クランク軸5を固定し、その次に旋回スクロール3を組み立てる。次ぎにクランク軸4と補助クランク軸5の偏心方向を合わせて固定スクロール1を組み合わせることになるが、この時、軸受20aや20bが滑り軸受で構成されているため、図1で示したような転がり軸受とは異なり比較的スムーズに組み立てることができる。さらに、圧縮機の運転が一定時間経過したときに実施される、分解組立てを伴うメンテナンス作業が容易にできるという特徴も有する。
【0023】
ところで、図6の例は圧縮機を無潤滑状態で圧縮することがひとつの目的であるため、この滑り軸受20a,20bは無潤滑摺動材で構成するのが最も望ましい。従って、この軸受20a,20bの材料には金属が主成分の無潤滑摺動材料や樹脂が主成分の無潤滑摺動材料を適用することが望ましい。このように構成した圧縮機で駆動軸4が回転すると、旋回スクロール3が固定スクロール1及び2に対して旋回運動し気体は図6の紙面に対して垂直方向に配置された吸入口19から吸入室13内に流入する。この時、吸入室13内は大気圧より低くなるので、滑り軸受20の隙間から塵埃を含んだ大気が侵入するのを防止するためカバー21を設けてある。これにより、滑り軸受20に異物の入り込みを未然に防止することができ、圧縮機運転中、異物による軸受面の噛り等を防止できる。さらに、このカバー21は密封性を保っているので吸入気体は正規の吸入口から流入することになり、圧縮機としても所定の性能を得ることができる。
【0024】
図7と図8にクランク軸の変形例を示す。図7は旋回スクロール3と固定スクロール1のラップとの噛み合わせの概略を示した平面図である。すなわち、図7と図8で示した例は、1本の駆動軸4と2本の補助クランク軸5a,5bを設けたもので、旋回スクロール3の外周部には、駆動軸4が係合する部分3fと補助クランク軸5a,5bが係合する部分が3gと3hのように2ヶ所、互いに120度ずれた位置に配置されている。駆動軸4が係合する部分が3fの軸受部11aで、補助クランク軸が係合する部分が3g,3hの軸受部11b,11cである。これらの軸受は密封形転がり軸受を使用しているが、前記した実施例の如く無潤滑摺動材によって構成された滑り軸受を適用することができ、これまで説明してきた圧縮機同様に圧縮作動室に潤滑油の不要な圧縮機を提供できる。
【0025】
一方、図8は、図7に示したダブルスクロール形圧縮機の全体構造を示す断面図である。図8では、駆動軸4と補助クランク軸5の間に同期駆動機構を設ける必要は無い。互いに離れた位置に補助クランク軸5a,5bをそれぞれ配置したことにより、駆動軸4が1回転する間それぞれの補助クランク軸5が旋回スクロール3の自転を阻止するとともに、互いに回転運動の死点位置を解消するように作用するので、駆動軸4の回転と共に旋回スクロール3は円滑な旋回運動を達成することができる。また、バランスウエイト17は駆動軸4や補助クランク軸5それぞれに分割して設けることができるため、回転の安定性をより高く保つことができる。さらには、図1で示したようなタイミングベルトを配置してないので、タイミングベルトが切れて旋回運動ができなくなるという恐れが無く、圧縮機としての信頼性を向上することができる。また、タイミングベルトを配置しない特徴は、タイミングベルトに異物を噛み込まないという面があり、圧縮機として十分な安全性を得ることができる。さらに、図8では吐出ポート9は固定スクロール1の側のみ一つしか示していないが固定スクロール2の側に図1で示したようなタイミングベルトを配置してないので、固定スクロール2にも容易に吐出ポートを設けることができ、吐出圧損の小さな圧縮機を容易に提供することができる。
【0026】
さらに、図9にダブルスクロール圧縮機を対象にその圧縮作動室に固定スクロール側から液体を注入するを示す。図9に示すように、固定スクロール1の鏡板1aに圧縮作動室14と外部を連通する開孔22aが形成され、圧縮機外部に液タンク26を設置し、この液タンク26と前記開孔22aがポンプ装置25及び弁装置27を介して配管23によって接続されていることと、固定スクロール2の鏡板2aに圧縮作動室15と外部を連通する開孔22bが形成され、前記ポンプ装置25と弁装置27結ぶ配管23と開孔22bが、弁装置28を介して配管24によって接続されている。それぞれの配管23,24に設けられた弁装置に代えて絞り要素を設けてもよい。
【0027】
このように構成することによって、圧縮機が運転されている時、ポンプ装置25を運転すると、液タンク26の中に入っている液がそれぞれの配管23,24を通って、旋回スクロール3の両側に形成される圧縮作動室14と15に同時に供給される。液タンク26内にはあらかじめ潤滑油もしくは水を入れておくことができる。従って、液タンク26内に潤滑油が入っている場合には、潤滑油が圧縮作動室内に供給され、液タンク26内に水が入っている場合には圧縮作動室内に水が供給されることになる。液の供給量はポンプ装置25の能力と弁装置もしくは絞り要素27,28の開度、それに圧縮作動室内の圧力に基づいて適切に制御される。望ましい供給量は、圧縮作動室のシール性や圧縮熱の冷却性能やスクロールラップ接触時の潤滑性、そしてさらに吐出空気中の油分濃度の制限などから決めることができる。
【0028】
図9の例によれば、供給された潤滑油によってラップ先端面やラップ側面でのシール性が向上するため圧縮機性能を向上させることができると共に、吐出圧力を高めることができ、より高圧形の圧縮機を提供することができる。逆に吐出圧力を高める必要が無ければ圧縮ガスの温度を低く保つことができるので、高性能の圧縮機を提供できる。さらには、潤滑油によりラップの先端面や側面部での摺動特性が向上するため摩擦損失が大幅に低減する。そして、スクロールラップが異常摩耗したり、焼き付きを起こす恐れが無くなる。また、吐出ガス中の潤滑油量は弁装置27,28により非常に少ない状態に保つことができるため、そのまま空気圧源として利用することができるし、さもなければ簡単な油分離器を設置するだけで油分が非常に少ない高圧空気を得ることができる。この実施例では、軸受に適用した転がり軸受の潤滑油が飛散しても圧縮空気に対しては悪い影響を与えることがないので、転がり軸受の潤滑油の飛散防止策を必要以上に施す必要がなく安価で性能や信頼性の高い圧縮機を提供することができる。
【0029】
液タンク26内に水を溜めておく場合には、圧縮機運転中に水が圧縮作動室内に注入されることになる。注入された水は圧縮に伴って発生する熱を除去し、圧縮機全体を比較的低い温度に保つことができる。従って、スクロール部材などの熱変形量を小さく保ことができるので、旋回スクロールと固定スクロールとのラップ間隙間を好適な状態に保つことができ、圧縮機性能を高い水準にすることができる。また、水は圧縮作動室に注入されるため吸い込みガス雰囲気中に逆流することは無い。従って、吸い込みガス雰囲気中に配置された駆動軸4やこれを回転支持する軸受10a,11a,12aそれに、補助クランク軸5を回転支持する軸受10b,11b,12bに対して錆びの発生を恐れる必要は無い。従って、本実施例によれば、圧縮作動室に液体を注入することにより高い性能と信頼性を有するダブルスクロール形圧縮機を提供することができる。
【0030】
なお、本発明の実施例では空気圧縮機を例に述べてきたが、他の用途例えば真空ポンプに適用することもできるし、空気以外の種々の気体を圧縮するのにも利用することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ガス圧縮に伴う旋回スクロール鏡板の両側のスラスト力をバランスさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 本発明のダブルスクロール圧縮機の断面図である。
【図2】 図1のA−A線矢視側面図である。
【図3】 図1旋回スクロールに固定スクロールのラップ部を噛みあわせた様子を示す平面図である。
【図4】ブルスクロール圧縮機にバランスウエイトを設けた例を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施例を示すダブルスクロール圧縮機の断面図である。
【図6】ブルスクロール圧縮機の一方の固定スクロールに滑り軸受けを設けた例を示す断面図である。
【図7】ブルスクロール圧縮機に1本の駆動軸と2本の補助クランク軸を設けた例を示す図である。
【図8】 図7の断面図である。
【図9】 ダブルスクロール圧縮機の圧縮作動室に固定スクロール側から液体を注入する例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 固定スクロール 1a 鏡板
1b スクロールラップ 1c 放熱フィン
1d チップシール 1e フランジ部
2 固定スクロール 2a 鏡板
2b スクロールラップ 2c 放熱フィン
2d チップシール 2e フランジ部
3 旋回スクロール 3a 鏡板
3b,3c スクロールラップ 3d,3e チップシール
4 駆動軸
5 補助クランク軸 6 プーリ
7 タイミングベルト 8 連通孔
9 吐出ポート 10,11,12 軸受
13 吸入室 14,15 圧縮作動室
16 位置決め手段 17 バランスウエイト
18 ボルト 19 吸入口
20 滑り軸受 21 カバー
22 開孔 23,24 配管
25 ポンプ装置 26 液タンク
27,28 弁装置(絞り要素) 30 据付用足部
31 連通孔

Claims (6)

  1. 鏡板の両面にスクロールラップを有する旋回スクロールと、この旋回スクロールを挟んで配置された一対の固定スクロールとを備え、前記旋回スクロールを旋回運動させることによりこの旋回スクロールの鏡板の両側に圧縮作動室が形成されるスクロール形圧縮機において、
    前記旋回スクロールの両面のスクロールラップは、前記鏡板に対して面対称に形成され、両側の前記圧縮作動室を連通する複数の連通孔が前記鏡板に形成され、
    前記連通孔は前記スクロールラップに沿って、かつ、当該スクロールラップの180度ごとに配置され、前記各連通孔の径は前記スクロールラップの厚さよりも小さく形成されてなることを特徴とするスクロール形圧縮機。
  2. 請求項1のスクロール形圧縮機において、偏心量が実質的に同一の偏心部を備えた複数のクランク軸を前記旋回スクロールの外周部に前記鏡板面と直交するように配設し、前記各クランク軸を前記一対の固定スクロールに保持した軸受で回転可能に支持するとともに前記旋回スクロールに保持した軸受で各クランク軸の偏心部を回転可能に支持し、さらに、旋回スクロールの鏡板のほぼ中央部にこの鏡板の裏側と表側とを連通する連通孔を形成したことを特徴とするスクロール形圧縮機。
  3. 前記複数のクランク軸のうちの一本を駆動軸とし、残りのクランク軸をこの駆動軸と同期駆動手段を用いて連動させたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール形圧縮機。
  4. 前記駆動軸は動力伝達手段を介して電動機に接続されており、前記同期駆動手段はタイミングベルトであることを特徴とする請求項3に記載のスクロール形圧縮機。
  5. 前記一対の固定スクロールそれぞれの中央部に吐出ポートを設け、この吐出ポートに接続した配管を下流側で結合して1本の配管としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスクロール形圧縮機。
  6. 旋回スクロール及び固定スクロールをアルミニウム材もしくはその合金としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスクロール形圧縮機。
JP26973394A 1994-11-02 1994-11-02 スクロール形圧縮機 Expired - Lifetime JP3689819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26973394A JP3689819B2 (ja) 1994-11-02 1994-11-02 スクロール形圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26973394A JP3689819B2 (ja) 1994-11-02 1994-11-02 スクロール形圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08128395A JPH08128395A (ja) 1996-05-21
JP3689819B2 true JP3689819B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=17476413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26973394A Expired - Lifetime JP3689819B2 (ja) 1994-11-02 1994-11-02 スクロール形圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3689819B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10252668A (ja) * 1997-03-12 1998-09-22 Hitachi Ltd スクロール圧縮機
JP3706276B2 (ja) * 1999-07-29 2005-10-12 株式会社日立製作所 外周駆動型スクロール圧縮機
KR200203050Y1 (ko) * 2000-06-09 2000-11-15 라필찬 다중 스크롤 유체기계
JP3757977B2 (ja) * 2004-05-11 2006-03-22 ダイキン工業株式会社 回転式流体機械
JP5058143B2 (ja) * 2008-12-22 2012-10-24 株式会社日立産機システム オイルフリースクロール圧縮機
JP5236619B2 (ja) * 2009-11-30 2013-07-17 株式会社日立産機システム 注水式スクロール空気圧縮機
JP5542468B2 (ja) 2010-02-10 2014-07-09 株式会社日立産機システム 水注入式スクロール空気圧縮機
JP5542518B2 (ja) 2010-05-10 2014-07-09 株式会社日立産機システム 空気圧縮機
JP6179717B2 (ja) * 2013-09-30 2017-08-16 三浦工業株式会社 スクロール流体機械
JP2015068307A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 三浦工業株式会社 スクロール流体機械
KR101518756B1 (ko) * 2014-09-05 2015-05-08 박승수 동력발생용 스크롤 팽창기
EP3492747A1 (en) * 2016-08-01 2019-06-05 Mitsubishi Heavy Industries Thermal Systems, Ltd. Double rotating scroll-type compressor
JP6300194B2 (ja) * 2017-04-12 2018-03-28 三浦工業株式会社 スクロール流体機械

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08128395A (ja) 1996-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5098265A (en) Oil-free scroll fluid machine with projecting orbiting bearing boss
US4192152A (en) Scroll-type fluid displacement apparatus with peripheral drive
JP3689819B2 (ja) スクロール形圧縮機
US5632612A (en) Scroll compressor having a tip seal
KR101480464B1 (ko) 스크롤 압축기 및 이를 적용한 냉동기기
JPH07189932A (ja) スクロール式機械
JPH06288358A (ja) 旋回運動型ロータリ圧縮機
US9377022B2 (en) Radially compliant scroll compressor
CA2016823A1 (en) Lubrication system for the crank mechanism of a scroll compressor
JPH0526036B2 (ja)
US5104302A (en) Scroll compressor including drive pin and roller assembly having sliding wedge member
JPH0243038B2 (ja)
JPH02277985A (ja) スクロール形流体機械
JP3243632B2 (ja) スクロール形圧縮機
JPS6256356B2 (ja)
JP3539189B2 (ja) スクロール流体機械
JPH0137600B2 (ja)
JPH0526035B2 (ja)
JPH0617674B2 (ja) スクロール流体機械
JP2985705B2 (ja) スクロール圧縮機
JP3144629B2 (ja) 外周駆動型圧縮機
JPH03199688A (ja) スクロール型圧縮機
JP3674394B2 (ja) 両歯型スクロール流体機械
JP3706276B2 (ja) 外周駆動型スクロール圧縮機
JPS62139991A (ja) スクロ−ル型圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130624

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term