JPH0617674B2 - スクロール流体機械 - Google Patents
スクロール流体機械Info
- Publication number
- JPH0617674B2 JPH0617674B2 JP58209046A JP20904683A JPH0617674B2 JP H0617674 B2 JPH0617674 B2 JP H0617674B2 JP 58209046 A JP58209046 A JP 58209046A JP 20904683 A JP20904683 A JP 20904683A JP H0617674 B2 JPH0617674 B2 JP H0617674B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scroll
- orbiting scroll
- thrust bearing
- oil
- bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C18/00—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C18/02—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
- F04C18/0207—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
- F04C18/0215—Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スクロール流体機械に係り、特にスクロール
ラップ間に潤滑油を供給しないオイルフリー流体機械に
好適な旋回スクロールの運動に対し安定な支持を適用し
たスクロール流体機械に関するものである。
ラップ間に潤滑油を供給しないオイルフリー流体機械に
好適な旋回スクロールの運動に対し安定な支持を適用し
たスクロール流体機械に関するものである。
従来のスクロール形流体機械は、空気圧縮機用，空調機
用圧縮機にかかわらずほとんどがラップ間の圧縮室をは
じめ各摺動部に潤滑油が供給されており、この結果、従
来の設計技術の活用だけで信頼性の高い機械となってい
る。しかし、周知のように油給油式の機械をそのまま無
潤滑化することは、耐焼付性の問題があって無理であ
る。スクロール圧縮機の場合、オイルフリー化で特に障
害となるのは、旋回スクロールの安定支持である。例え
ば、実開昭55-185825号公報の例では、無潤滑化すると
なると主軸受から無潤滑にしなくてはならず、この結果
旋回スクロールの支持部材に給油されなくなり、短時間
のうちにこの部分が焼付く恐れがある。また、特開昭58
-113593号公報の例は、給油式の旋回スクロール支持方
式である。よって、無潤滑にした場合、この例では、上
記と同じ問題がある。さらに他の例として、特開昭53-1
19412号公報にみるように旋回スクロールをガス圧によ
り安定支持する方法があるが、主軸受等へ給油した油の
処理に難点がある。さらには、旋回スクロールが固定ス
クロール側に押し付けられるため、ラップ先端の小さな
面積で荷重を受けやすく、この時、高いＰＶ値となるた
めオイルフリー機には得策でない。スクロール圧縮機を
オイルフリー化するには、圧縮室に油が入らないように
すれば良い訳であるが、主軸回りを油による潤滑を行っ
た場合、旋回スクロール裏面から吸入室への油の流入を
防ぐことは、かなり困難であり構造も複雑になる。一
方、主軸受等ラジアル軸受には、無潤滑式軸受が一般的
にあり、これを利用できるが、旋回スクロールの支持す
なわちスラスト軸受で公知のものには、高荷重あるいは
大容量のものはない。圧縮機の場合、旋回スクロールに
働くスラスト力が大きく公知のものが適用できない現状
にある。さらに他の問題として、自転防止部材の摺動面
がある。自転阻止部材としては、実開昭54-77575号公報
にみられるオルダム継手がある。
用圧縮機にかかわらずほとんどがラップ間の圧縮室をは
じめ各摺動部に潤滑油が供給されており、この結果、従
来の設計技術の活用だけで信頼性の高い機械となってい
る。しかし、周知のように油給油式の機械をそのまま無
潤滑化することは、耐焼付性の問題があって無理であ
る。スクロール圧縮機の場合、オイルフリー化で特に障
害となるのは、旋回スクロールの安定支持である。例え
ば、実開昭55-185825号公報の例では、無潤滑化すると
なると主軸受から無潤滑にしなくてはならず、この結果
旋回スクロールの支持部材に給油されなくなり、短時間
のうちにこの部分が焼付く恐れがある。また、特開昭58
-113593号公報の例は、給油式の旋回スクロール支持方
式である。よって、無潤滑にした場合、この例では、上
記と同じ問題がある。さらに他の例として、特開昭53-1
19412号公報にみるように旋回スクロールをガス圧によ
り安定支持する方法があるが、主軸受等へ給油した油の
処理に難点がある。さらには、旋回スクロールが固定ス
クロール側に押し付けられるため、ラップ先端の小さな
面積で荷重を受けやすく、この時、高いＰＶ値となるた
めオイルフリー機には得策でない。スクロール圧縮機を
オイルフリー化するには、圧縮室に油が入らないように
すれば良い訳であるが、主軸回りを油による潤滑を行っ
た場合、旋回スクロール裏面から吸入室への油の流入を
防ぐことは、かなり困難であり構造も複雑になる。一
方、主軸受等ラジアル軸受には、無潤滑式軸受が一般的
にあり、これを利用できるが、旋回スクロールの支持す
なわちスラスト軸受で公知のものには、高荷重あるいは
大容量のものはない。圧縮機の場合、旋回スクロールに
働くスラスト力が大きく公知のものが適用できない現状
にある。さらに他の問題として、自転防止部材の摺動面
がある。自転阻止部材としては、実開昭54-77575号公報
にみられるオルダム継手がある。
又、無給油式の圧縮機としては、実開昭58-146895号公
報に記載のように、ケーシング内を支持壁によってクラ
ンク室とファン室に区画し、ファン室内には駆動軸に固
着した多翼ファンを設け、外部空気を吸込みクランク
室，ファン室を順次還流させるとともに、クランク軸と
嵌合する軸受内に潤滑油が充填され、オイルシールで密
封することが開示されている。
報に記載のように、ケーシング内を支持壁によってクラ
ンク室とファン室に区画し、ファン室内には駆動軸に固
着した多翼ファンを設け、外部空気を吸込みクランク
室，ファン室を順次還流させるとともに、クランク軸と
嵌合する軸受内に潤滑油が充填され、オイルシールで密
封することが開示されている。
又、特開昭57-26201号公報には、旋回スクロールの背面
に設けたオルダムリングの外周側で旋回スクロールの背
面と本体との間にシールリングを設け、その内側のクラ
ンク軸にスラスト軸受が設けられているスクロール形流
体機械が開示されている。
に設けたオルダムリングの外周側で旋回スクロールの背
面と本体との間にシールリングを設け、その内側のクラ
ンク軸にスラスト軸受が設けられているスクロール形流
体機械が開示されている。
オルダムリングである部品も圧縮機のオイルフリー化に
とって信頼性を損う一因となっている。すなわち、オル
ダムリングと、キーの摺動については、無潤滑化が困難
でたとえ実施できても、摺動部の摩耗はさけられず、こ
の摩耗量に対して自動的に旋回スクロールの位置が修正
されるならよいが、現状ではその見通しがなく、摩耗量
の分だけ旋回スクロールの固定スクロールに対する位置
がずれることになって、ラップ間にできるギャップは、
大きくなってしまう欠点がある。
とって信頼性を損う一因となっている。すなわち、オル
ダムリングと、キーの摺動については、無潤滑化が困難
でたとえ実施できても、摺動部の摩耗はさけられず、こ
の摩耗量に対して自動的に旋回スクロールの位置が修正
されるならよいが、現状ではその見通しがなく、摩耗量
の分だけ旋回スクロールの固定スクロールに対する位置
がずれることになって、ラップ間にできるギャップは、
大きくなってしまう欠点がある。
又、実開昭58-146895号公報に記載のスクロール圧縮機
は、ピンクランクによって自転を阻止し、旋回運動を行
い、クランク軸の軸受内に充填された潤滑油は密封する
オイルシールを設けるものであるが、ピンクランクのス
ラスト力，潤滑油の流出には配慮されていないものであ
った。
は、ピンクランクによって自転を阻止し、旋回運動を行
い、クランク軸の軸受内に充填された潤滑油は密封する
オイルシールを設けるものであるが、ピンクランクのス
ラスト力，潤滑油の流出には配慮されていないものであ
った。
又、特開昭57-26201号公報に記載のスクロール流体機械
は、旋回スクロールの背面に、クランク軸に設けられた
スラスト軸受と自転防止部材であるオルダムリングを内
包するシールリングを設けるものではあるが、オルダム
リングのスラスト力については配慮されていないもので
あった。
は、旋回スクロールの背面に、クランク軸に設けられた
スラスト軸受と自転防止部材であるオルダムリングを内
包するシールリングを設けるものではあるが、オルダム
リングのスラスト力については配慮されていないもので
あった。
又、旋回スクロールには、圧縮室のガス圧力がスクロー
ルラップの側面に作用し、この作用点と旋回スクロール
を駆動するための動力の作用点が軸方向にずれているた
め旋回スクロールを傾けようとする、いわゆる転覆モー
メントが作用する。この荷重は回転する回転荷重である
ので、旋回スクロールはみそすり運動を行うが、実開昭
58-146895号公報，特開昭57-26201号公報に記載のもの
は、このモーメントを支持することは配慮されていない
ものであった。
ルラップの側面に作用し、この作用点と旋回スクロール
を駆動するための動力の作用点が軸方向にずれているた
め旋回スクロールを傾けようとする、いわゆる転覆モー
メントが作用する。この荷重は回転する回転荷重である
ので、旋回スクロールはみそすり運動を行うが、実開昭
58-146895号公報，特開昭57-26201号公報に記載のもの
は、このモーメントを支持することは配慮されていない
ものであった。
本発明の目的は、旋回スクロールの自転防止に複数のピ
ンクランクをその背部に設け、かつその近傍に旋回スク
ロールのスラスト力を受ける支持部材を設置し、これら
の摺動性能の向上を図るために潤滑剤を封入し、運転中
この潤滑材の流出防止のため、前記部品を個々に内包す
るようにシール部材を配設し、信頼性の高いオイルフリ
ースクロール圧縮機を提供することにある。
ンクランクをその背部に設け、かつその近傍に旋回スク
ロールのスラスト力を受ける支持部材を設置し、これら
の摺動性能の向上を図るために潤滑剤を封入し、運転中
この潤滑材の流出防止のため、前記部品を個々に内包す
るようにシール部材を配設し、信頼性の高いオイルフリ
ースクロール圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のスクロール流体機
械は、端板上に直立して形成されインボリュート曲線等
からなる渦巻状のラップを有するスクロール部材と、こ
のスクロール部材と実質的に同じ形状であって、気体が
通過する少なくとも１個のポートを有するスクロール部
材とを両スクロール部材の渦巻状ラップを互いに向い合
わせ、一方のスクロール部材が自転阻止部材により他方
のスクロール部材に対して自転を阻止された状態で旋回
運動し、これによって両スクロール部材で形成される複
数個の密閉空間の容積を連続的に変化させて、気体を圧
縮あるいは膨張させるスクロール流体機械において、前
記自転阻止部材が旋回スクロール部材の背面側に配置さ
れた複数個のピンクランクから形成されるものであっ
て、該それぞれのピンクランクの外周側に該ピンクラン
クを内包するように前記旋回スクロールを支持するため
のスラスト軸受を配置するとともに、該それぞれのスラ
スト軸受の外周側に該スラスト軸受を内包するようにシ
ール手段を設けたものである。
械は、端板上に直立して形成されインボリュート曲線等
からなる渦巻状のラップを有するスクロール部材と、こ
のスクロール部材と実質的に同じ形状であって、気体が
通過する少なくとも１個のポートを有するスクロール部
材とを両スクロール部材の渦巻状ラップを互いに向い合
わせ、一方のスクロール部材が自転阻止部材により他方
のスクロール部材に対して自転を阻止された状態で旋回
運動し、これによって両スクロール部材で形成される複
数個の密閉空間の容積を連続的に変化させて、気体を圧
縮あるいは膨張させるスクロール流体機械において、前
記自転阻止部材が旋回スクロール部材の背面側に配置さ
れた複数個のピンクランクから形成されるものであっ
て、該それぞれのピンクランクの外周側に該ピンクラン
クを内包するように前記旋回スクロールを支持するため
のスラスト軸受を配置するとともに、該それぞれのスラ
スト軸受の外周側に該スラスト軸受を内包するようにシ
ール手段を設けたものである。
オイルフリースクロール圧縮機は、油気のないクリーン
なガスを取り扱うために必要なものである。オイルフリ
ー化は、軸受をはじめとし各摺動部を無潤滑化すること
が望ましい。しかしこれに伴う問題は山積している。各
摺動部のうち、ラジアル軸受は公知の技術で解決できる
可能性が強い。しかしスクロールラップは、圧縮ガスの
圧力により固定，旋回スクロールラップの両者を引き離
そうとする力が働くためラップ表面は過大な面圧になり
にくく、その耐焼付性に対しては、無潤滑摺動に適した
従来から存在する材料を、ラップ表面にコーティングす
ることにより実現可能である。しかし、旋回スクロール
の運動安定化も兼ねた支持部材の開発は困難であり、そ
こで本発明のスクロール流体機械では、上記のように構
成し、旋回スクロールの自転防止をピンクランクにより
行う。すなわち、それぞれのピンクランクを内包するよ
うに旋回スクロールを支持するためのスラスト軸受１３
を配置し、それぞれのスラスト軸受の外周側にスラスト
軸受を内包するようにシール手段を配置することによ
り、自転を防止するためのピンクランク部は、グリース
や固体潤滑剤などの適用が図られているため、旋回スク
ロールの運動に対し信頼性が向上し、油の影響を及ぼさ
ない構造の軸受となり、オイルフリー圧縮機の実用化に
適している。さらには、このピンクランクの直ぐ近くに
旋回スクロールのスラスト軸受をピンクランクを内包す
るように配設しているので、ピンクランク１４には、半
径方向力以外の無理な力が作用しなくなり、上述したよ
うに旋回スクロールに作用する転覆モーメントをスラス
ト軸受により安定に支持し、圧縮機運転中の作用力から
生じる疲労破壊に対して、ピンクランクの寿命を延長す
る。
なガスを取り扱うために必要なものである。オイルフリ
ー化は、軸受をはじめとし各摺動部を無潤滑化すること
が望ましい。しかしこれに伴う問題は山積している。各
摺動部のうち、ラジアル軸受は公知の技術で解決できる
可能性が強い。しかしスクロールラップは、圧縮ガスの
圧力により固定，旋回スクロールラップの両者を引き離
そうとする力が働くためラップ表面は過大な面圧になり
にくく、その耐焼付性に対しては、無潤滑摺動に適した
従来から存在する材料を、ラップ表面にコーティングす
ることにより実現可能である。しかし、旋回スクロール
の運動安定化も兼ねた支持部材の開発は困難であり、そ
こで本発明のスクロール流体機械では、上記のように構
成し、旋回スクロールの自転防止をピンクランクにより
行う。すなわち、それぞれのピンクランクを内包するよ
うに旋回スクロールを支持するためのスラスト軸受１３
を配置し、それぞれのスラスト軸受の外周側にスラスト
軸受を内包するようにシール手段を配置することによ
り、自転を防止するためのピンクランク部は、グリース
や固体潤滑剤などの適用が図られているため、旋回スク
ロールの運動に対し信頼性が向上し、油の影響を及ぼさ
ない構造の軸受となり、オイルフリー圧縮機の実用化に
適している。さらには、このピンクランクの直ぐ近くに
旋回スクロールのスラスト軸受をピンクランクを内包す
るように配設しているので、ピンクランク１４には、半
径方向力以外の無理な力が作用しなくなり、上述したよ
うに旋回スクロールに作用する転覆モーメントをスラス
ト軸受により安定に支持し、圧縮機運転中の作用力から
生じる疲労破壊に対して、ピンクランクの寿命を延長す
る。
以下、本発明の一実施例を圧縮機に適用した場合につい
て、第１図及び第２図により説明する。１は固定スクロ
ールで、その端板１ａに直立したラップ１ｂが旋回スク
ロール２の端板２ａに直立したラップ２ｂとかみ合って
配置されている。固定スクロール１は、フレーム４にボ
ルト１０で固定されている。旋回スクロール２は、端板
２ａより反ラップ側に設けたボス２ｃの部分が駆動軸３
の主軸部３ａと一体に形成された偏心部３ｂに、無潤滑
軸受などの形式の軸受７を介して装着されている。駆動
軸３は、フレーム４と一体の軸受ハウジング４ｂに固定
された第１の主軸受６及び第２の主軸受６′で支持され
ている。駆動軸３には、旋回スクロール２の運動により
発生する遠心力と逆向きの遠心力を駆動軸３に与える付
加質量５が結合されている。旋回スクロールの端板２ａ
には、旋回スクロール２の自転を阻止するためのピンク
ランク１４が複数配設されており、これはまたフレーム
４と一体に形成された支持部材４ｃに結合されている。
旋回スクロールのスラスト力を受けるため支持部材４ｃ
には、スラスト軸受１２が第１図および第２図に示すよ
うにピンクランク１４を内包するように配設されてい
る。このスラスト軸受１２の材質には、セラミックやカ
ーボンの無機材料系、あるいは、テフロンなどを含有す
るいわゆる摺動材が使われている。そして、ピンクラン
ク部１４や、スラスト軸受部１２の表面には、グリース
や２硫化モリブデン等の固体潤滑材が適用されている。
また、これらの部品の回りには、前記潤滑剤の流出防止
を図ってシール部材１３がそれらを包含するように（す
なわち内包するように）配置している。第１図では、ス
ラスト軸受部材１２をすべり軸受として適用した場合の
実施例を示しており、第２図の実施例では、スラスト軸
受部材１２をころがり軸受として適用した場合を示して
いる。旋回スクロールの運動の安定性及び、信頼性をよ
り向上させるため、第１図に示すように固定スクロール
の端板１ａで旋回スクロールの端板２ａに面する位置に
スクロール部材とは、材質の異なる摺動部材１１を配置
することも可能である。
て、第１図及び第２図により説明する。１は固定スクロ
ールで、その端板１ａに直立したラップ１ｂが旋回スク
ロール２の端板２ａに直立したラップ２ｂとかみ合って
配置されている。固定スクロール１は、フレーム４にボ
ルト１０で固定されている。旋回スクロール２は、端板
２ａより反ラップ側に設けたボス２ｃの部分が駆動軸３
の主軸部３ａと一体に形成された偏心部３ｂに、無潤滑
軸受などの形式の軸受７を介して装着されている。駆動
軸３は、フレーム４と一体の軸受ハウジング４ｂに固定
された第１の主軸受６及び第２の主軸受６′で支持され
ている。駆動軸３には、旋回スクロール２の運動により
発生する遠心力と逆向きの遠心力を駆動軸３に与える付
加質量５が結合されている。旋回スクロールの端板２ａ
には、旋回スクロール２の自転を阻止するためのピンク
ランク１４が複数配設されており、これはまたフレーム
４と一体に形成された支持部材４ｃに結合されている。
旋回スクロールのスラスト力を受けるため支持部材４ｃ
には、スラスト軸受１２が第１図および第２図に示すよ
うにピンクランク１４を内包するように配設されてい
る。このスラスト軸受１２の材質には、セラミックやカ
ーボンの無機材料系、あるいは、テフロンなどを含有す
るいわゆる摺動材が使われている。そして、ピンクラン
ク部１４や、スラスト軸受部１２の表面には、グリース
や２硫化モリブデン等の固体潤滑材が適用されている。
また、これらの部品の回りには、前記潤滑剤の流出防止
を図ってシール部材１３がそれらを包含するように（す
なわち内包するように）配置している。第１図では、ス
ラスト軸受部材１２をすべり軸受として適用した場合の
実施例を示しており、第２図の実施例では、スラスト軸
受部材１２をころがり軸受として適用した場合を示して
いる。旋回スクロールの運動の安定性及び、信頼性をよ
り向上させるため、第１図に示すように固定スクロール
の端板１ａで旋回スクロールの端板２ａに面する位置に
スクロール部材とは、材質の異なる摺動部材１１を配置
することも可能である。
次に上記のような構成から成る第１の実施例の作用につ
いて説明する。電動機（図示せず）により駆動される駆
動軸３の回転に伴って、旋回スクロール２は、ピンクラ
ンク１４により自転を防止された状態で主軸部３ａと偏
心部３ｂの偏心距離を半径とする旋回運動をする。この
運動により作動ガスは固定スクロール１の吸入口８より
吸入室１５に吸入され、その後、両スクロール１，２の
鏡板１ａ，２ａとラップ１ｂ，２ｂとで形成される圧縮
室１６に閉じ込められる。この圧縮室１６は、旋回スク
ロール２の運動に伴って、ラップ外周部より中心部に向
って体積を減少しながら移動するため、ガスは圧縮さ
れ、この高圧となったガスは吐出孔９より外部へ吐出さ
れる。圧縮動作により発生するガス力のため、旋回スク
ロール２は固定スクロール１から離されようとする。こ
のときフレーム４と一体に形成された支持部材４ｃに配
設されたスラスト軸受１２は、これに対抗し旋回スクロ
ール２を安定支持する働きをもっている。又、上述した
ように、旋回スクロールに作用する転覆モーメントをス
ラスト軸受により安定に支持することができるので、ピ
ンクランクに作用するモーメントを低減でき、信頼性を
向上することができる。このスラスト軸受の材質には、
前記したように自己潤滑性のある材料は、無潤滑摺動に
適するものを使用した上でさらに、シール手段によりグ
リースや固体潤滑剤の流出を防止しているので、非常に
高いＰＶ値に耐える能力が与えられている。また、駆動
軸３の軸受６，６′，７には、無潤滑軸受が用いられて
いるので、いわゆる潤滑油を使う必要がない。よって本
実施例を適用した圧縮機は、圧縮室１６の中に油の混入
する可能性はなく、常にクリーンなガスを取り扱うこと
ができる。
いて説明する。電動機（図示せず）により駆動される駆
動軸３の回転に伴って、旋回スクロール２は、ピンクラ
ンク１４により自転を防止された状態で主軸部３ａと偏
心部３ｂの偏心距離を半径とする旋回運動をする。この
運動により作動ガスは固定スクロール１の吸入口８より
吸入室１５に吸入され、その後、両スクロール１，２の
鏡板１ａ，２ａとラップ１ｂ，２ｂとで形成される圧縮
室１６に閉じ込められる。この圧縮室１６は、旋回スク
ロール２の運動に伴って、ラップ外周部より中心部に向
って体積を減少しながら移動するため、ガスは圧縮さ
れ、この高圧となったガスは吐出孔９より外部へ吐出さ
れる。圧縮動作により発生するガス力のため、旋回スク
ロール２は固定スクロール１から離されようとする。こ
のときフレーム４と一体に形成された支持部材４ｃに配
設されたスラスト軸受１２は、これに対抗し旋回スクロ
ール２を安定支持する働きをもっている。又、上述した
ように、旋回スクロールに作用する転覆モーメントをス
ラスト軸受により安定に支持することができるので、ピ
ンクランクに作用するモーメントを低減でき、信頼性を
向上することができる。このスラスト軸受の材質には、
前記したように自己潤滑性のある材料は、無潤滑摺動に
適するものを使用した上でさらに、シール手段によりグ
リースや固体潤滑剤の流出を防止しているので、非常に
高いＰＶ値に耐える能力が与えられている。また、駆動
軸３の軸受６，６′，７には、無潤滑軸受が用いられて
いるので、いわゆる潤滑油を使う必要がない。よって本
実施例を適用した圧縮機は、圧縮室１６の中に油の混入
する可能性はなく、常にクリーンなガスを取り扱うこと
ができる。
以上説明したように本発明によれば、旋回スクロール２
の自転防止にピンクランク１４を適用し、その付近にス
ラスト軸受１３を配置したことにより、その外部には、
油の影響を及ぼさない構造の軸受とすることができるの
で、オイルフリー圧縮機の実用化に大きな効果がある。
また、自転を阻止するためにピンクランク部１４は、グ
リースや固体潤滑剤などの適用が図られているため、旋
回スクロール２の運動に対し信頼性を向上することがで
きる。さらには、このピンクランク１４の直ぐ近くに旋
回スクロール２のスラスト軸受１２を配設したため、ピ
ンクランク１４には、半径方向力以外の無理な力が作用
しなくなる、すなわち、旋回スクロールに作用する転覆
モーメントをスラスト軸受により安定に支持することが
できるので、圧縮機運転中の作用力から生じる疲労破壊
に対しても、ピンクランクの寿命延長を期待することが
できる。また、ピンクランク１４やスラスト軸受１２、
およびシール部材１３の配置は、分解・組立が容易にで
きるようにしてあるので、圧縮機のメンテナンスも楽に
なっている。
の自転防止にピンクランク１４を適用し、その付近にス
ラスト軸受１３を配置したことにより、その外部には、
油の影響を及ぼさない構造の軸受とすることができるの
で、オイルフリー圧縮機の実用化に大きな効果がある。
また、自転を阻止するためにピンクランク部１４は、グ
リースや固体潤滑剤などの適用が図られているため、旋
回スクロール２の運動に対し信頼性を向上することがで
きる。さらには、このピンクランク１４の直ぐ近くに旋
回スクロール２のスラスト軸受１２を配設したため、ピ
ンクランク１４には、半径方向力以外の無理な力が作用
しなくなる、すなわち、旋回スクロールに作用する転覆
モーメントをスラスト軸受により安定に支持することが
できるので、圧縮機運転中の作用力から生じる疲労破壊
に対しても、ピンクランクの寿命延長を期待することが
できる。また、ピンクランク１４やスラスト軸受１２、
およびシール部材１３の配置は、分解・組立が容易にで
きるようにしてあるので、圧縮機のメンテナンスも楽に
なっている。
第１図は、本発明の一実施例を示すオイルフリースクロ
ール圧縮機の縦断面図、第２図は、本発明の他の実施例
を示すオイルフリースクロール圧縮機の部分断面図であ
る。 １…固定スクロール、２…旋回スクロール、３…駆動
軸、４…フレーム、５…バランスウェイト、６…主軸
受、８…吸入ポート、９…吐出ポート、１１，１２…ス
ラスト軸受、１３…シール部材、１４…自転防止用ピン
クランク。
ール圧縮機の縦断面図、第２図は、本発明の他の実施例
を示すオイルフリースクロール圧縮機の部分断面図であ
る。 １…固定スクロール、２…旋回スクロール、３…駆動
軸、４…フレーム、５…バランスウェイト、６…主軸
受、８…吸入ポート、９…吐出ポート、１１，１２…ス
ラスト軸受、１３…シール部材、１４…自転防止用ピン
クランク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 信勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 池川 正人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−26201（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−146895（ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】端板上に直立して形成されインボリュート
曲線等からなる渦巻状のラップを有するスクロール部材
と、このスクロール部材と実質的に同じ形状であって、
気体が通過する少なくとも１個のポートを有するスクロ
ール部材とを両スクロール部材の渦巻状ラップを互いに
向い合わせ、一方のスクロール部材が自転阻止部材によ
り他方のスクロール部材に対して自転を阻止された状態
で旋回運動し、これによって両スクロール部材で形成さ
れる複数個の密閉空間の容積を連続的に変化させて、気
体を圧縮あるいは膨張させるスクロール流体機械におい
て、前記自転阻止部材が旋回スクロール部材の背面側に
配置された複数個のピンクランクから形成されるもので
あって、該それぞれのピンクランクの外周側に該ピンク
ランクを内包するように前記旋回スクロールを支持する
ためのスラスト軸受を配置するとともに、該それぞれの
スラスト軸受の外周側に該スラスト軸受を内包するよう
にシール手段を設けたことを特徴とするスクロール流体
機械。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58209046A JPH0617674B2 (ja) | 1983-11-09 | 1983-11-09 | スクロール流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58209046A JPH0617674B2 (ja) | 1983-11-09 | 1983-11-09 | スクロール流体機械 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60104787A JPS60104787A (ja) | 1985-06-10 |
| JPH0617674B2 true JPH0617674B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=16566355
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58209046A Expired - Lifetime JPH0617674B2 (ja) | 1983-11-09 | 1983-11-09 | スクロール流体機械 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0617674B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02173380A (ja) * | 1988-12-24 | 1990-07-04 | Hitachi Ltd | スクロール圧縮機 |
| DE69129425T2 (de) * | 1990-02-13 | 1999-02-11 | Anest Iwata Corp | Verdrängermaschine nach dem Spiralprinzip |
| JP3364016B2 (ja) * | 1994-08-19 | 2003-01-08 | 三菱重工業株式会社 | 冷凍機用スクロール型圧縮機 |
| JP2000027774A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Toyota Autom Loom Works Ltd | スクロール型圧縮機における可動スクロール部材の自転阻止構造 |
| JP4972952B2 (ja) * | 2006-02-17 | 2012-07-11 | ダイキン工業株式会社 | 流体機械 |
| JP5601404B1 (ja) * | 2013-06-20 | 2014-10-08 | ダイキン工業株式会社 | スクロール圧縮機 |
| CN110159529A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-08-23 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 一种具有防自转结构的涡旋压缩机 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58146895U (ja) * | 1982-03-29 | 1983-10-03 | トキコ株式会社 | スクロ−ル圧縮機 |
-
1983
- 1983-11-09 JP JP58209046A patent/JPH0617674B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60104787A (ja) | 1985-06-10 |
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