JP3689806B2 - 窯業製品の焼成ラインシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、焼成台車の棚板上に被焼成品である素地を焼成するに先立って、焼成台車へ棚板を移載し、焼成台車の棚板上へ素地を積み込む窯業製品の焼成ラインシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の窯業製品の焼成ラインシステム100として、図9に示されるものが知られている。
多数の棚板106が並列された焼成台車104がその走行経路102に多数配設され、焼成品積降位置Pが該走行経路102の上流側に設定される一方、素地積込位置Rが走行経路102の下流側に設定され、焼成品積降位置Pと素地積込位置Rとの間に棚板研削位置Sが設定されたものである。
【0003】
そして、上記のシステム100により、その焼成は次のように行われた。
素地積込位置Rにおいて、焼成台車104の棚板106上に、たとえば未焼成の被焼成品である粘土瓦の素地(以下、断りのない限り単に未焼成の瓦素地Wと称する)が移載される。
【0004】
そして、未焼成の瓦素地Wを移載した焼成台車104は、焼成炉(図示を省略)へ送られ、未焼成の瓦素地Wが焼成される。
【0005】
次に焼成炉から搬出された焼成台車104は、走行経路102の素地積込位置Rの上流側に設定された焼成品積降位置Pに達することにより、焼成台車104の棚板106上から焼成品積降位置Pの傍らに設けられた焼成品用コンベア112へ焼成された瓦素地である焼成品W(説明の便宜上、未焼成の瓦素地と焼成後の瓦素地の符号「W」を共通して使用する)が積み降ろされる。
【0006】
焼成品Wを棚板106上から焼成品用コンベア112へ積み降す作業は、焼成品積降手段114により行われた。
【0007】
そして、焼成品Wが積み降ろされ、空となった棚板106は焼成台車104により前記した棚板研削位置Sへ送り込まれ、棚板研削位置Sに設けられた棚板研削手段116を介して、高温の焼成工程により発生した棚板106の不具合を調整するため、その表面が研削された。
【0008】
そこで、未焼成の瓦素地Wを焼成するに先立って、焼成台車104へ棚板106を移載し、焼成台車104の棚板106上へ未焼成の瓦素地Wを積み込む従来の焼成ラインシステム100をさらに具体的に説明する。
【0009】
走行経路102の素地積込位置Rの傍らに素地用コンベア108が配設され、素地積込位置Rに搬入される焼成台車104の棚板106上へ素地用コンベア108上の未焼成の瓦素地Wを起立状態で積み込む素地積込手段110が走行経路102の傍らに備えられていた。
【0010】
焼成台車104上であってその幅方向に、起立状態で列をなして積み込まれる未焼成の瓦素地W群が棚板106上で互いに干渉しないようにするため、棚板106群は予め所定の間隔を保って配設されていた。
【0011】
従来の上記のシステム100では、瓦素地Wの焼成工程は、以下の順序で行われていた。
素地用コンベア108上に起立状態で前工程から搬送される未焼成の瓦素地Wは、素地積込手段110により把持され、素地積込位置Rに停止している焼成台車104の棚板106上に順次起立状態で積み込まれる。
【0012】
瓦素地Wが焼成台車104の全ての棚板106上に互いに干渉しないように起立状態で積み込まれ、その焼成台車104は焼成炉(図示せず)へ向けて走行される一方、上流側の焼成台車104が素地積込位置Rに送り込まれ、素地積込手段110により瓦素地Wが前記と同様に積み込まれていた。
【0013】
ここで注目されることは、焼成台車104上に並列状態に配設される多数の棚板106は、瓦素地Wの種類毎に応じて用意されるわけではない。
つまり、ある種類の瓦素地Wの焼成には、その瓦素地Wの種類に備えて棚板配設位置が焼成台車104に予め設定され、その位置に多数の棚板104が手作業により移載され、その棚板104上に未焼成の瓦素地Wが移載されることにより焼成が行われた。
【0014】
したがって、この従来例では、棚板106の移載が手作業により行われるという問題点が存するものの、ある種類の瓦素地Wの焼成に限るならば、特に焼成上問題はなかった。
【0015】
ところが、種類の異なるとりわけ瓦素地Wの大きさが顕著に異なる瓦素地Wを焼成しようとすると、従来のように予め棚板配設位置が静的に設定された棚板106を利用することができなかった。
何故なら予め棚板配設位置が設定された棚板106の使用目的は、本来的に予め焼成が予定されたある種の瓦素地Wの焼成に制約されるからである。
【0016】
換言すれば、瓦素地Wが大きいものに変更される場合では、焼成台車104に移載される多数の瓦素地Wが棚板106上で互いに干渉しないように間隔を設けることが要請されるから、棚板配設位置を変更して棚板106間の間隔を瓦素地Wの種類に対応させて大きくすることや必要により棚板106数の減少が要請される。
【0017】
他方、瓦素地Wが小さいものに変更される場合では、焼成台車104に移載される多数の瓦素地Wが棚板106上で互いに干渉しなくなり、棚板106間に余裕が生じるから、棚板106数の増加が要請される。
【0018】
この点をさらに具体的にいえば、例えば、J形桟瓦の素地(焼成前の幅:約330mm)から一般的なF形桟瓦の素地(焼成前の幅:約380mm)へ変更する場合、素地の幅について著しい差(約50mm)が存在することになる。
このため、従来の焼成ラインシステムにおいては、棚板106を兼用することは可能であっても、焼成台車104の1台当たりの棚板106の配設数が異なり、焼成台車104上に配設されている棚板106を並び変える必要が生じるほか、棚板106の配設数の変化により焼成台車104において棚板106の過不足が生じ、過不足の生じた棚板106の移載が必要であった。
【0019】
従来例は上記の次第であるから、棚板106の移載は専ら人的労力に頼られ、トンネル式の焼成炉を採用した焼成ラインでは40〜50台の焼成台車104が配設されていることが珍しくなく、全ての焼成台車104について過不足の棚板106を移載することは多大な人員を必要とし、また棚板106は比較的重量が大きいことから、未焼成の瓦素地Wの種類の変更に伴う棚板106の移載や並び替えを頻繁に実施することは事実上不可能であった。
【0020】
しかも、棚板106の移載は安全上、焼成台車104の走行を完全に停止させて行うことが望ましく、焼成台車104の停止により焼成ライン全体が停止させることになり、生産効率を著しく低下させるという問題があった。
また、棚板106は反復使用され、瓦素地Wとともに焼成されることにより、経時的に劣化した棚板106を交換する作業も前述同様に人的労力を必要とした。
【0021】
その上、瓦素地Wの変更により並び替えられた焼成台車104の棚板106に対応するように、素地積込手段110による素地の積込を行わなければならず、そのために素地移載手段110の制御を設定を変更しなければならないという煩雑さが存在した。
【0022】
また、未焼成の瓦素地Wが積み込まれる棚板106は、棚板106上に積み込まれた瓦素地Wを安定させるために、素地積込手段110と別に設けられた棚板研削手段116により、棚板106の表面が水平面となるように研削することが一般的である。
【0023】
ところが、棚板研削手段116を備えた焼成ラインシステム100にあっては、素地の種類を変更する場合、焼成台車104の棚板106の並び替えおよび過不足の棚板106の移載に加えて、棚板研削手段116を停止させ、変更後の棚板配設位置に対応するように棚板研削手段116の制御を設定する必要があり、焼成ラインシステム100の停止がさらに延長されることを避けられず、生産効率をより一層低下させるという問題があった。
【0024】
さらに、棚板106の保管スペースも確保されていないことが多く、素地の種類の変更に伴う作業を一層煩雑なものとしていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、焼成台車に積み込まれる未焼成の素地の種類を変更するとき、変更前の素地と変更後の素地との種類や大きさに著しい差が存在すると、焼成台車に配設される棚板の数の変更が避けられず、焼成台車へ配設された棚板を並び替える必要があるほか、棚板の並び替えにより過不足が生じた棚板を移載する必要があり、棚板の並び替えや過不足の棚板の移載のために多大の人的労力に頼る必要がある点である。
【0026】
また、棚板の並び替えや移載に伴い焼成台車を停止させると焼成ライン全体が停止されることになり、生産効率を著しく低下させるという点にある。
【0027】
この発明の目的は、焼成台車の棚板へ積み込む未焼成の素地を変更する際に棚板の移載を機械的に行うほか、焼成台車において素地の種類に応じて設定される棚板の配設位置に棚板を自在に移載することができる窯業製品の焼成ラインシステムを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の窯業製品の焼成ラインシステムは、多数の棚板を備えた焼成台車が焼成台車の走行経路上に配設され、棚板移載位置が該走行経路の上流側に設定されるとともに、素地積込位置が走行経路の下流側に設定され、該走行経路の棚板移載位置の傍らに棚板用コンベアが配設され、該走行経路の棚板移載位置と棚板用コンベアとの間の上方において往復移動自在であって、かつ、素地の種類に応じて焼成台車上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御される棚板用走行体と、棚板用走行体に備えられた昇降自在な棚板用把持具とからなる棚板移載手段が設けられ、他方、該走行経路の素地積込位置の傍らに素地用コンベアが配設され、素地積込位置における焼成台車の棚板配設位置に対応して素地用コンベア上の素地を積み込む素地積込手段が備えられたことを特徴とするものである。
【0029】
また、請求項2記載の窯業製品の焼成ラインシステムは、
請求項1記載の窯業製品の焼成ラインシステムにおいて、棚板移載位置の上方において焼成台車の幅方向に往復移動自在であって、かつ、焼成台車上の棚板配設位置に対応して停止制御される研削用走行体と、研削用走行体に設けられた焼成台車の搬送方向に往復移動自在な棚板研削ユニットとからなる棚板研削手段が棚板移載手段の傍らに設けられたことを特徴とするものである。
【0030】
さらに、請求項3記載の窯業製品の焼成ラインシステムは、
請求項1または2記載の窯業製品の焼成ラインシステムにおいて、棚板用コンベアの傍らに棚板ストックを設けたことを特徴とするものである。
【0031】
請求項1記載の発明によれば、
焼成するために積み込む素地を変更する場合、棚板移載位置に焼成台車が達すると、素地の変更により焼成台車上において生じる過不足の棚板を棚板移載手段により機械的に移載させ、素地の焼成に先立って棚板配設位置を変更することができる。
【0032】
すなわち、棚板移載手段の棚板用走行体は、走行経路の棚板移載位置と棚板用コンベアとの間の上方において往復移動自在であって、素地の種類に応じて焼成台車上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御され、また、棚板用走行体に設けられた棚板用把持具は昇降自在であるから、焼成台車上または棚板用コンベア上の棚板を把持し、焼成台車または棚板用コンベアへ変更により生じた過不足の棚板を移載するほか、焼成台車上へ棚板を並び替えて、焼成台車上において変更後の素地に適した棚板の配設位置を実現する。
【0033】
具体的には、素地の変更により焼成台車上の棚板が不足する場合は、焼成台車上に配設された棚板を棚板移載手段により素地の種類に応じて焼成台車上に設定される棚板配設位置へ並び替え、並び替えた後に棚板移載手段により不足する棚板を棚板用コンベアから補充する。
また、素地の変更により焼成台車上の棚板が過剰となる場合は、過剰となる棚板を棚板移載手段により焼成台車から棚板用コンベアへ移載し、焼成台車上に残る棚板を棚板移載手段により素地の種類に応じて焼成台車上に設定される棚板配設位置へ並び替える。
【0034】
そして、素地の種類に応じて設定された棚板配設位置へ棚板が配設された焼成台車は、走行経路の素地積込位置へ送り込まれ、素地積込位置において素地積込手段により変更後の素地が順次積み込まれる。
素地積込手段は、素地積込位置において焼成台車の棚板上へ素地用コンベア上の素地を棚板の配設位置に対応して積み込みできるから、素地用コンベア上の素地は素地積込手段により焼成台車の棚板上へ順次積み込まれ、棚板移載位置においては次の焼成台車の棚板の並び替えと過不足の棚板の移載が行われる。
【0035】
全ての棚板に素地が積み込まれた焼成台車は焼成炉へ順次送りこまれる一方、素地積込位置へ棚板が配設された次の焼成台車が送り込まれる。
【0036】
したがって、請求項1記載の発明は以下の効果を奏する。
焼成台車の棚板へ積み込む素地を変更する際に棚板の移載を機械的に行うほか、焼成台車において素地の種類に応じて設定される棚板の配設位置に棚板を自在に移載することができるから、棚板の並び替えや過不足の棚板の移載のために多大の人的労力に頼る必要がない。
【0037】
素地の変更による棚板の並び替えや過不足の棚板の移載の際に、焼成台車を完全に停止させる必要がなく、焼成ラインシステム全体を停止させることがないので、生産効率を低下させることがない。
【0038】
さらに、焼成する素地が複数種に及んでも、焼成台車へ積み込む素地の変更への対応が容易であり、例えば、焼成台車毎に積み込む素地の種類を変更するように棚板配設位置を設定し、設定された棚板配設位置に対応させて焼成台車の棚板の並び替えや移載を行うことができる。
【0039】
また、異なる種類の素地を1台の焼成台車に混載させるように棚板配設位置を設定し、設定された棚板配設位置に対応させて焼成台車の棚板の並び替えや移載を行うことができるほか、焼成台車に混載される素地の比率も棚板設定位置を変更し、変更された棚板設定位置に対応させて焼成台車の棚板の並び替えや移載を行うことにより自在に行うことができる。
【0040】
このように、請求項1記載の窯業製品の焼成ラインシステムは、素地の焼成台車への積み込みにおいて、複数種の素地に対応させることができるほか、焼成台車の棚板への素地の積み込みを多様化をさせることができ、極めて汎用性が高い。
【0041】
請求項2記載の発明によれば、
棚板移載位置の焼成台車において、素地の変更により生じた過不足の棚板の移載や棚板の並び替えを実施できるとともに、棚板の表面を研削することができる。
【0042】
すなわち、棚板移載手段の傍らに設けられた棚板研削手段の研削用走行体は、棚板移載位置の上方において焼成台車の幅方向に往復移動自在であって、かつ、焼成台車上の棚板配設位置に対応して停止制御され、また、研削用走行体に設けられた研削ユニットは、焼成台車の搬送方向に往復移動自在であるから、棚板移載手段による棚板の移載や棚板の並び替えとともに、素地を積み込む前に棚板を研削することができ、素地が棚板上へ積み込まれても棚板上の素地を安定させることができる。
【0043】
したがって、請求項2記載の発明は以下の効果を奏する。
焼成台車の棚板へ積み込む素地を変更する際に、焼成台車上における棚板の並び替えと過不足の棚板の移載を自動的に行うと併せて、焼成台車上の変更後の棚板配設位置にある棚板の研削が自動的に実施されるので、変更後の棚板配設位置に対応する棚板研削手段の制御を設定する必要がない。
【0044】
したがって、焼成台車の棚板配設位置の変更および棚板の研削が実施された後に、直ちに棚板へ素地を積み込むことができ、焼成ラインシステムの稼動停止をまねくことがなく、生産効率の低下を防止することができる。
また、積み込む素地を変更しない場合でも焼成台車に配設された棚板を順次研削することができる。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、棚板用コンベアの傍らに棚板ストックが設けられているから、焼成台車の素地を変更して焼成台車の棚板の過不足が生じた場合、棚板用コンベアを介して棚板ストックに貯留された棚板の払い出し、あるいは棚板ストックへの棚板の貯留を行うことができる。
【0046】
したがって、請求項3記載の発明は以下の効果を奏する。
焼成台車の棚板へ積み込む素地を変更する際に、焼成台車の過不足の棚板については、棚板ストックへの貯留または棚板ストックからの払い出しを行うことができるから棚板を集中して管理でき、素地の変更に伴う棚板の取扱作業が容易となる。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態に係る焼成ラインシステムを示す概略平面図、図2は焼成台車の要部を示す斜視図、図3は棚板移載位置における焼成ラインシステムの要部の正面図、図4は棚板移載手段の要部の側面図、図5は棚板研削手段の側面図、図6は素地積込位置における焼成ラインシステムの要部の正面図、図7は素地積込手段の側面図、図8は焼成台車の棚板配設位置の変更を説明する要部の正面図、図9は従来の焼成ラインシステムを示す概略平面図である。
【0048】
この発明の実施の形態に係る焼成ラインシステム10では、焼成される素地は粘土瓦用の瓦素地であり、J形桟瓦の瓦素地Wj、F形桟瓦の瓦素地WfおよびS形桟瓦Wsの3種類が例示されている。
【0049】
図1に示されるように、焼成台車14の走行経路12が配設されており、走行経路12上に多数の焼成台車14が配設されている。
走行経路12は焼成炉(図示せず)に接続され、車輪16(図3〜図5および図7を参照)を備えた焼成台車14は走行経路12の下流側の焼成炉へ向かうように一方へ向けて走行自在となっている。
【0050】
また、焼成炉から搬出された焼成台車14は走行経路12の上流側の焼成品積降位置Pへ走行するように構成されている。
【0051】
焼成台車14上には、多数の耐火性の支柱18が焼成台車14の走行方向と幅方向に所定の間隔を保って設置されている(図2を参照)。
そして、耐火性の棚板支持材20が支柱18間を連絡するように支柱18上に横架されている(図2を参照)。
棚板支持材20上には耐火性の棚板22が配設されているが、この実施の形態では、焼成台車14の走行方向について棚板支持材20を互いに接続するように4枚配設されている(図2を参照)。
【0052】
棚板22は瓦素地Wj、Wf、Wsの焼成時に焼成炉の燃焼ガスを通じやすくするため、2個の貫通した長孔24が棚板22の中央に長手方向に沿うように設けられている(図2を参照)。
【0053】
なお、この明細書において後述する「焼成台車14の棚板配設位置」とは焼成台車14と棚板22との物理的位置を意味し、焼成すべき素地である瓦素地Wj、Wf、Wsの種類毎の大きさが著しく異なる場合、瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に応じて棚板配設位置は変更されるものである。
この実施の形態の棚板配設位置は、具体的には棚板支持材20に対する棚板22の位置となっている。
【0054】
焼成台車14の走行経路12の上流側から下流側において、焼成品積降位置P、棚板移載位置Q、素地積込位置Rが順次設定されている。
焼成品積降位置Pは、焼成された素地である焼成品Wj、Wf、Ws(説明の便宜上、未焼成の瓦素地の符号と共通する)を積み降ろすために焼成台車14が一旦停止する位置である。
【0055】
また、棚板移載位置Qは焼成品Wj、Wf、Wsが積み降ろされて空となった焼成台車14が棚板22の並び替えや移載をするために一旦停止する位置であるほか、棚板22の研削を行う位置でもある。
素地積込位置Rは、焼成する瓦素地Wj、Wf、Wsを焼成台車14の棚板22へ積み込むために焼成台車14が一旦停止する位置である。
【0056】
(棚板移載手段、棚板用コンベア、棚板ストックについて)
棚板移載手段26について図3および図4を参照して説明するが、棚板移載手段26は焼成台車14の棚板22の並び替えと移載を行うためのものである。
棚板移載位置Qの傍らには棚板用コンベア38が配設されているが、棚板用コンベア38は、焼成台車14に対する棚板22の配設に備えて棚板22を水平状態で順次搬送することができるものであるほか、後述する棚板ストック40に向けて棚板22を搬送することができるようにするため、搬送方向を正逆に転換させる駆動源(図示せず)が設けられている。
【0057】
なお、この実施の形態では、搬送方向が逆転する棚板用コンベア38を例示したが、循環する形態のコンベアを採用してもよい。
【0058】
そして、棚板用コンベア38と焼成台車14の走行経路12を跨ぐように門形の基台28が配設されており、門形の基台28上に走行レール30が設けられている。
【0059】
また、棚板用走行体32が棚板移載位置Qと棚板用コンベア38との間の上方において往復移動自在に走行できるように基台28上の走行レール30上に備えられており、棚板用走行体32は、瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に応じて焼成台車14上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御されるものである。
【0060】
棚板用走行体32には、棚板22を把持するための棚板用把持具34が昇降自在に設けられている。
この実施の形態では開閉自在の一対の把持板36により棚板22を幅方向から掬い上げて把持できる棚板用把持具34となっているほか、焼成台車14の棚板22の1列分に対応する5枚の棚板22を同時に把持することが可能となっている。
【0061】
このように、棚板移載手段26は、基本的に棚板用走行体32および棚板用把持具34から構成されており、走行経路12の棚板移載位置Qと棚板用コンベア38と間の上方において、棚板22を把持して移載することができるから、例えば、積み込む瓦素地Wjを瓦素地Wfへ変更する場合に、焼成台車14の棚板22を棚板用コンベア38へ移載したり、あるいは棚板用コンベア38の棚板22を焼成台車14へ移載することができるほか、焼成台車14の棚板22を並び替えることができるものである。
【0062】
一方、棚板用コンベア38の素地積込位置R側には棚板ストック40が設けられており、棚板ストック40には、一定数量の棚板22を貯留しておくほか、一定数量の棚板22を受け入れることができるスペースを確保しておくことが好ましい。
このことから、棚板用コンベア38の棚板22の搬送方向を必要に応じて変更し、焼成台車14の棚板22が不足した場合に必要な棚板22を棚板ストック40から棚板移載手段26へ向けて棚板22を払い出したり、焼成台車14の棚板22が余剰の場合に棚板22を棚板ストック40へ貯留することができる。
【0063】
(素地積込手段、素地コンベアについて)
次に、素地積込手段42について図6および図7を参照して説明するが、素地積込手段42は焼成台車14の棚板22へ未焼成の瓦素地Wj、Wf、Wsを積み込むためのものである。
素地積込位置Rの傍らには、未焼成の3種類の瓦素地Wj、Wf、Wsを搬送する3台の素地用コンベア44、46、48が配設されているが、各素地用コンベア44、46、48は前工程からの瓦素地Wj、Wf、Wsを順次起立させて焼成台車14への積み込みに備えるものである。
【0064】
これらの素地用コンベア44、46、48と焼成台車14の走行経路12を跨ぐように門形の基台50が配設されており、門形の基台50上に走行レール52が設けられている。
【0065】
そして、素地用走行体54が素地積込位置Rと各素地用コンベア44、46、48との間の上方において往復移動自在に走行できるように基台上の走行レール52上に備えられており、素地用走行体54は、瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に応じて焼成台車14上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御されるものである。
【0066】
素地用走行体54には、瓦素地を把持するための素地用把持具56が昇降自在に設けられている。
この実施の形態では開閉自在の一対の挟持板58により起立状態の瓦素地Wj、Wf、Wsを幅方向から把持できる素地用把持具56となっているほか、挟持板58は瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に対応して挟持板58の開閉量が自在に切り替わるものとなっている。
【0067】
このように、素地積込手段42は、基本的に素地用走行体54および素地用把持具56から構成されており、走行経路12の素地積込位置Rと各素地用コンベア44、46、48との間の上方において、素地積込手段42により瓦素地Wj、
Wf、Wsを把持することができるから、各素地用コンベア44、46、48上の瓦素地Wj、Wf、Wsを焼成台車14の棚板22上へ積み込むことができる。
【0068】
なお、この実施の形態において素地用コンベア44、46、48を瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に対応させて、3台設けたが、素地用コンベア44を1台としてもよく、この場合1台の素地用コンベア44に複数種の瓦素地Wj、Wf、Wsを搬送させるようにすればよい。
【0069】
(焼成品積降手段、焼成品用コンベアについて)
次に、焼成品積降手段60について図1を参照して説明するが、焼成品積降手段60は焼成台車14の棚板22から焼成された瓦素地である焼成品Wj、Wf、Wsを積み降ろすためのものである。
【0070】
焼成品積降位置Rの傍らには、3種類の焼成品Wj、Wf、Wsを搬送する焼成品用コンベア62、64が配設されているが、各焼成品用コンベア62、64は焼成台車14から起立状態で積み降ろされた焼成品Wj、Wf、Wsを次工程へ向けて順次倒伏させて搬送するものである。
この実施の形態では2台の焼成品用コンベア62、64が設けられ、一方の焼成品用コンベア62により2種類の焼成品Wj、Wsを搬送し、他方の焼成品用コンベア64により1種類の焼成品Wfを搬送するものとしている。
【0071】
これらの焼成品用コンベア62、64と焼成台車14の走行経路12を跨ぐように門形の基台66が配設されており、門形の基台66上に走行レール68が設けられている。
【0072】
そして、焼成品用走行体70が焼成品積降位置Pと各焼成品用コンベア62、64との間の上方において往復移動自在に走行できるように基台66上の走行レール68上に備えられており、焼成品用走行体70は、瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に応じて焼成台車14上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御されるものである。
【0073】
以下、焼成品用走行体70に設けられた焼成品用把持具について図1を参照して説明するが、先に説明した素地用把持具56と同一の構造である。
焼成品用走行体には、焼成品Wj、Wf、Wsを把持するための焼成品用把持具が昇降自在に設けられている。
この実施の形態では焼成台車14の棚板22上において起立状態の焼成品Wj、Wf、Wsを開閉自在の一対の挟持板により幅方向から把持できる焼成品用把持具となっているほか、挟持板は焼成品Wj、Wf、Wsの種類に対応して挟持板の開閉量が自在に切り替わるものとなっている。
【0074】
このように、焼成品積込手段60は、基本的に焼成品用走行体および焼成品用把持具から構成されており、走行経路の焼成品積降位置と各焼成品用コンベア62、64と間の上方において、焼成品積降手段により焼成品Wj、Wf、Wsを把持して移載することができるから、焼成台車14の棚板22上の焼成品Wj、Wf、Wsを焼成品用コンベア62、64へ積み降ろすことができる。
【0075】
なお、この実施の形態において2台の焼成品用コンベア62、64としたが、焼成品用コンベア62、64を1台としてもよく、この場合1台の焼成品用コンベア62に複数種の焼成品Wj、Wf、Wsを搬送させるようにすればよい。
【0076】
(棚板研削手段について)
また、この実施の形態に係る焼成ラインシステム10では、焼成台車14に配設された棚板22を研削するための棚板研削手段72が棚板移載手段26の傍らに設けられているから、この棚板研削手段72について図1を参照して説明する。
棚板研削手段72は、瓦素地Wj、Wf、Wsの焼成時において棚板22上に飛散して付着した釉薬滓や炉内の燃焼物の残渣を、焼成品Wj、Wf、Wsを棚板22上から積み降ろした後に削り取るものである。
【0077】
棚板研削手段72は、棚板移載位置Qの上方において焼成台車14の幅方向に往復移動自在な研削用走行体74を備えているが、研削用走行体74は棚板移載手段26の棚板用走行体32が備えられた門形の基台28上の走行レール30上に備えられている。
【0078】
したがって、研削用走行体74と棚板用走行体32はともに共通の走行レール30上に配設されていることになる。
なお、この実施の形態では、研削用走行体74および棚板用走行体32は、基台28のレール30上において互いに独立して備えられているが、互いに一体することを妨げるものではない。
【0079】
また、研削用走行体74は焼成台車14上の棚板配設位置に対応して停止制御されるものであり、研削用走行体74には焼成台車14の搬送方向に対して往復移動自在な研削ユニット76が備えられている。
【0080】
また、研削ユニット76には昇降自在の昇降体78が備えられており、昇降体78には棚板22の表面を研削する一対の研削カッター80が備えられている。研削カッター80は回転式のもので棚板22の幅を2分するように連設されており、昇降体78の下降と研削ユニット76の移動に伴って、棚板22の長手方向へ移動しつつ棚板22表面を研削することができるものである。
【0081】
また、この実施の形態では、研削カッター80の前後に配置されるように棚板22の両端を検知するための一対の検知ローラー82が昇降体78に備えられており、検知ローラー82が焼成台車14の棚板22の端に達し、棚板22の端から離れると研削カッター80による研削が停止制御されるものとなっている。
さらに、研削カッター80により生じる粉塵を回収するために、エアーの負圧吸引による粉塵回収管(図示せず)を研削カッターに臨ませて昇降体に設けることが好ましい。
【0082】
また、素地積込手段42、棚板移載手段26、焼成品積降手段62および棚板研削手段72の各走行体32、54、70、74は、別に設けられたライン制御手段84と電気的に接続されており、ライン制御手段84により制御されるものである。
【0083】
そして、ライン制御手段84により、焼成台車22上において積み込む瓦素地Wj、Wf、Wsの種類に対応する棚板配設位置の設定、素地積込手段42、棚板移載手段26、焼成品積降手62および棚板走行手段72の各走行体32、54、70、74の棚板配設位置に対する停止制御が図られている。
【0084】
さらに、ライン制御手段84は素地用コンベア44、46、48、棚板用コンベア38および焼成品用コンベア62とも電気的に接続されており、焼成台車14へ積み込む瓦素地Wj、Wf、Wsの判別、棚板22の払い出しおよび貯留のための棚板用コンベア28の制御、焼成台車14から積み降ろされる瓦素地Wj、Wf、Wsに対応する焼成品用コンベア62、64の選択などがライン制御手段84を介して行われる。
【0085】
このように、ライン制御手段84は焼成ラインシステム10を構成する各設備を統合して制御し、焼成ラインシステム10の円滑な稼動を図るものである。
【0086】
次に、この焼成ラインシステム10による瓦素地Wjの積み込み、焼成品Wjの積み降ろし焼成台車14の棚板22の配設位置の変更および棚板22の研削について説明する。
【0087】
まず、瓦素地Wjの焼成台車14上の棚板22への積み込みについて説明すると、素地用コンベア44により搬送された瓦素地Wjは、素地積込手段42による焼成台車14の棚板22上へ積み込みに備えて、素地用コンベア44上で順次起立される。
このとき、棚板22が配設された空の焼成台車14が素地積込位置Rにおいて一時停止されるが、焼成台車14上の棚板22は瓦素地Wjに対応した棚板配設位置に既にあるものと便宜上説明する。
【0088】
次に、焼成台車14の棚板22の1列分に相当する瓦素地Wjが素地用コンベア44上で列設されると、素地積込手段42の素地用走行体54は素地用コンベア44の上方へ移動し、素地用把持具56が下降して素地用コンベア44上の瓦素地Wjを把持するが、素地用把持具56である一対の挟持板58の開閉により瓦素地Wjが挟持される。
【0089】
瓦素地Wjを把持した素地用把持具56が上昇し、次いで、素地用走行体54が焼成台車14へ向けて走行し、焼成台車14の棚板22の上方で停止制御されるが、素地用走行体54が停止する位置は焼成台車14の棚板配設位置に対応している。
【0090】
素地用走行体54が停止されると、素地用把持具56が下降して棚板22上に瓦素地Wjを起立状態で積み込み、焼成台車14の棚板22の1列分に相当する瓦素地Wjの積み込みが完了する。
同様に棚板22の列単位で瓦素地Wjが積み込まれ、焼成台車14の全ての棚板22上に瓦素地Wjが積み込まれると、焼成台車14は素地積込位置Rから焼成炉へ向けて走行し、焼成炉において瓦素地Wjが焼成される。
【0091】
次に、焼成台車14上の棚板22からの焼成品Wjの積み降ろしについて説明すると、焼成炉において焼成された瓦素地である焼成品Wjを移載した焼成台車14は、焼成炉から搬出された後、焼成品積降位置Pに達して停止される。
このとき、焼成品積降手段60の焼成品用走行体70が焼成台車14の上方に移動し、停止制御されるが、焼成品用走行体70が停止する位置は焼成台車14の棚板配設位置に対応している。
【0092】
次いで、焼成品用走行体70の焼成品用把持具が下降して焼成台車14の棚板22上の焼成品Wjを把持するが、焼成品用把持具である一対の挟持板の開閉により焼成品Wjが挟持される。
【0093】
焼成品Wjを把持した焼成品用把持具が上昇し、次いで、焼成品用走行体70が焼成品用コンベア62へ向けて走行し、焼成品用コンベア62の上方で停止制御される。
【0094】
焼成品用走行体70が停止されると、焼成品用把持具が下降して焼成品用コンベア62上に焼成品Wjを起立状態で積み降し、焼成台車14の棚板22の1列分に相当する焼成品Wjの積み降しが完了する。
【0095】
同様に棚板22の列単位で焼成品Wjが積み降ろされ、焼成台車14の全ての棚板22上の焼成品Wjが積み降ろされると、空の焼成台車14は焼成品積降位置Pから棚板移載位置Qへ向けて走行し、棚板移載位置Qにおいて焼成台車14が停止される。
【0096】
次に、焼成台車14上の棚板配設位置の変更について説明する。
棚板移載位置Qに焼成台車14が停止されたとき、焼成する瓦素地Wjから別の種類の瓦素地へ変更する場合は、棚板移載手段26および棚板用コンベア38を作動させる。
【0097】
一方、瓦素地Wjの棚板22への積み込みを継続する場合は、基本的に棚板移載手段26および棚板用コンベア38は作動させる必要はない。
そこで、焼成する瓦素地の種類を変更する場合について説明する。
瓦素地Wjから瓦素地Wfへ変更する場合、両瓦素地Wj、Wfの幅について著しい差が生じているから、焼成台車14上の棚板22の列数についてはこの実施の形態では、8列から7列へ変更する必要がある。
【0098】
この場合、棚板22の1列は5枚の棚板22に相当するから焼成台車14上から5枚の棚板22を棚板用コンベア38へ移載して取り除くほか、焼成台車14上において瓦素地Wfに幅に対応するように7列の棚板22を所定の間隔を保って並び替える必要がある(図8を参照)。
【0099】
まず、棚板移載手段26の棚板用走行体32が棚板用コンベア38側に最も接近した棚板22の上方に移動する。
次いで、棚板用走行体38の棚板用把持具34が下降して焼成台車14上の棚板22の1列分(5枚)を把持するが、棚板用把持具34である開閉自在の一対の把持板36により棚板22を幅方向から掬い上げて把持する。
【0100】
棚板22を把持した棚板用把持具34が上昇し、次いで、棚板用走行体32が棚板用コンベア38へ向けて走行し、棚板用コンベア38の上方で停止制御される。
棚板用走行体32が停止されると、棚板用把持具34が下降して棚板用コンベア38上に棚板22を移載し、焼成台車14における1列分の棚板22の移載が完了する。
【0101】
次に、棚板移載手段26により焼成台車14上に残されている棚板22について並び替えが行われるが、まず、棚板移載手段26の棚板用走行体32が、残されている棚板22のうち棚板用コンベア38側に最も接近した棚板22の上方に移動する。
次いで、棚板用走行体32の棚板用把持具34が下降して焼成台車14上の棚板22の1列分(5枚)を把持するが、棚板用把持具34である開閉自在の一対の把持板36により棚板22を幅方向から掬い上げて把持する。
【0102】
そして、棚板22を把持した棚板用把持具34が上昇し、次いで、棚板用走行体32が走行するが、焼成台車14上における変更後の瓦素地Wfに対応する予め設定された棚板配設位置の上方で停止制御される。
このとき、棚板用走行体34が停止制御される位置は、変更後の瓦素地Wfに対応する棚板配設位置のうち棚板用コンベア38側に最も接近した位置であり、変更前の棚板配設位置よりも僅かに焼成台車14の中心側に位置している(図8を参照)。
【0103】
そして、棚板用走行体34が停止されると、棚板用把持具36が下降して焼成台車14の棚板支持材20上に棚板22を配設し、棚板22の1列分の並び替えが完了する。
【0104】
同様に列単位の棚板22の並び替えが順次行われ、焼成台車14の全ての棚板22が変更後の瓦素地Wfに対応する棚板配設位置に並び替えられると、棚板移載位置Qから素地積込位置Rへ向けて走行する。
他方、棚板用コンベア38に移載された棚板22は余分な棚板22として棚板用コンベア38により棚板ストック40へ向けて搬送され、棚板ストック40に貯留される。
【0105】
そして、素地積込位置Rにおいて焼成台車14は停止され、素地積込手段42により素地用コンベア46の瓦素地Wfが焼成台車14の棚板22上へ順次積み込まれる。
このとき、素地積込手段42の素地用走行体54は、変更後の棚板配設位置に対応して停止制御される。
このようにして、瓦素地Wjから瓦素地Wfへ変更する場合、全ての焼成台車14に対して、棚板移載手段26を介して棚板配設位置が変更される。
【0106】
また、瓦素地Wfから瓦素地Wjへ変更して焼成台車14上の棚板が7列から8列へ変更する必要がある場合は、焼成台車14上の棚板22が1列分不足することになる。
この場合、棚板移載手段26により瓦素地Wjに対応する棚板配設位置に棚板22を並び替えた後、不足分である5枚の棚板22を焼成台車14へ移載すればよい。
【0107】
したがって、棚板ストック40から不足分の棚板5枚を払い出し、棚板用コンベア38を介して棚板22を棚板移載手段26へ向けて搬送すれば、棚板用コンベア38上の棚板22を棚板移載手段26が把持し、焼成台車14へ移載することができる。
【0108】
次に、棚板研削手段72による棚板22の研削について説明するが、瓦素地の種類の変更の有無により棚板22の研削の順序が異なる。
瓦素地の種類の変更に伴う棚板配設位置の変更がない場合、焼成台車14の棚板22は棚板研削手段72により順次研削される。
一方、瓦素地の種類を変更に伴う棚板配設位置の変更がある場合、焼成台車14の棚板22は棚板配設位置の変更後または変更前に棚板研削手段72により順次研削される。
【0109】
瓦素地の種類の変更がない場合において、棚板研削手段72による棚板22の研削は次の順序で行われる。
棚板研削手段72の研削用走行体74は棚板移載位置Qに停止している焼成台車14の上方において移動し、焼成台車14の棚板配設位置に対応して停止制御されるが、このとき研削走行体74の研削ユニット76は研削用走行体74の一方に位置している。
【0110】
研削用走行体74が停止されると、研削ユニット76の昇降体78が下降するとともに昇降体78に備えられた研削カッター80が回転する。
昇降体78に備えられた他方の検知ローラ82が棚板22に接触し、棚板22を検知すると、研削カッター80が棚板22の表面に接触した状態を保つ一方、研削ユニット76が一方から他方へ向けて移動し、研削カッター80が棚板22の表面を研削する。
【0111】
なお、昇降体78に粉塵回収管が備えてあれば、研削により生じる粉塵をエアーの負圧吸引作用により粉塵回収管に吸引回収でき、棚板22の研削とともに粉塵の回収が同時に行える。
研削ユニット76が移動して研削用走行体74の他方に達し、検知ローラ82の他方が棚板22から解除されると、研削ユニット76は停止して昇降体78が上昇し、1列分の棚板22の研削が完了する。
【0112】
昇降体78が上昇すると棚板用走行体74が、研削を終えた隣の列の棚板22の上方へ移動停止される。
次いで、研削ユニット76の昇降体78が下降し、昇降体76に備えられた一方の検知ローラ82が棚板を検知し、研削カッター80が棚板22表面に接触とすると、研削ユニット76が他方から一方へ向けて移動しつつ研削カッター80が棚板22の表面を研削する。
【0113】
このようにして、焼成台車14上の棚板22を列単位で研削し、全ての棚板22について研削が完了すると焼成台車14は、棚板移載位置Qから素地積込位置Rへ向けて走行する。
【0114】
なお、瓦素地の種類を変更する場合は、棚板移載手段72による棚板22の移載および並び替えを実施する前または実施後において、棚板研削手段72による棚板22の研削を行えばよい。
【0115】
また、棚板移載手段26の棚板用走行体32と棚板研削手段72の研削用走行手段74が基台28の走行レール30上において互い独立して備えられている場合は、棚板移載手段26が作動していても、棚板移載手段72に干渉しないように棚板研削手段72を作動させ、棚板移載手段26による棚板22の移載および並び替えと、棚板研削手段72による棚板22の研削が同時に実施でき、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0116】
この実施の形態では、焼成台車14に積み込む瓦素地の種類を変更について瓦素地Wjから瓦素地Wfへの一対一の変更としたが、以下に示すような実施の形態も可能である。
▲1▼積み込む瓦素地について、2種類以上の瓦素地から1種類の瓦素地とする変更。
▲2▼積み込む瓦素地について、1種類の瓦素地から2種類以上の瓦素地とする変更であって、1台の焼成台車14への変更後の2種類以上の瓦素地の混載。
▲3▼積み込む瓦素地について、1種類の瓦素地から1種類の瓦素地とする変更であって、焼成台車14毎に積み込む瓦素地の変更。
▲4▼積み込む瓦素地について、素地用コンベアによる2種類以上の瓦素地の供給数に応じた1台の焼成台車14へ積み込む瓦素地の割合の変更。
▲1▼〜▲4▼のいずれについても、ライン制御手段84の設定や制御により実施可能となる。
【0117】
また、先に説明した棚板移載手段26および棚板用コンベア38は、焼成台車14へ積み込む瓦素地の変更による棚板22の移載および並び替えを主たる目的としたが、瓦素地の変更がない場合であっても熱応力を繰り返して受けて損傷した棚板22を交換することもでき、この場合、ライン制御手段84において焼成台車14上の交換すべき棚板22を選択して、棚板移載手段26および棚板用コンベア38を作動させて、損傷した棚板22を交換することができる。
【0118】
さらに、瓦素地の変更がない場合であっても、棚板移載手段26および棚板用コンベア38を作動させて、定期的に焼成台車14上の棚板22のローテーションを実施することも可能であり、焼成台車14上の各棚板22は均等な熱応力を受けることになり、焼成台車14上の特定の棚板22が、焼成時において過度の熱応力を受けることがなく、焼成台車14上における特定の棚板22の損傷を防止することができ、棚板22の耐用年数を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る焼成ラインシステムを示す概略平面図である。
【図2】焼成台車の要部を示す斜視図である。
【図3】 棚板移載位置における焼成ラインシステムの要部の正面図である。
【図4】棚板移載手段の要部の側面図である。
【図5】棚板研削手段の側面図である。
【図6】素地積込位置における焼成ラインシステムの要部の正面図である。
【図7】素地積込手段の側面図である。
【図8】焼成台車の棚板配設位置の変更を説明する要部の正面図である。
【図9】従来の焼成ラインシステムを示す概略平面図である。
【符号の説明】
10 焼成ラインシステム
12 走行経路
14 焼成台車
16 車輪
18 支柱
20 棚板支持材
22 棚板
24 長孔
26 棚板移載手段
28 基台(棚板移載位置)
30 走行レール
32 棚板用走行体
34 棚板用把持具
36 把持板
38 棚板用コンベア
40 棚板ストック
42 素地積込手段
44 素地用コンベア
46 素地用コンベア
48 素地用コンベア
50 基台
52 走行レール
54 素地用走行体
56 素地用把持具
58 挟持板
60 焼成品積降手段
62 焼成品用コンベア
64 焼成品用コンベア
66 基台
68 走行レール
70 焼成品用走行体
72 棚板研削手段
74 研削用走行体
76 研削ユニット
78 昇降体
80 研削カッター
82 検知ローラー
84 ライン制御手段
100 焼成ラインシステム
102 走行経路
104 焼成台車
106 棚板
108 素地用コンベア
110 素地積込手段
112 焼成品用コンベア
114 焼成品積降手段
116 棚板研削手段
P 焼成品積降位置
Q 棚板移載位置
R 素地積込位置
Wj 瓦素地(J形)
Wf 瓦素地(F形)
Ws 瓦素地(S形)

Claims (3)

  1. 多数の棚板を備えた焼成台車が焼成台車の走行経路上に配設され、
    棚板移載位置が該走行経路の上流側に設定されるとともに、素地積込位置が走行経路の下流側に設定され、
    該走行経路の棚板移載位置の傍らに棚板用コンベアが配設され、
    該走行経路の棚板移載位置と棚板用コンベアとの間の上方において往復移動自在であって、かつ、素地の種類に応じて焼成台車上に設定される棚板配設位置に対応して停止制御される棚板用走行体と、棚板用走行体に備えられた昇降自在な棚板用把持具とからなる棚板移載手段が設けられ、
    他方、該走行経路の素地積込位置の傍らに素地用コンベアが配設され、
    素地積込位置における焼成台車の棚板配設位置に対応して素地用コンベア上の素地を積み込む素地積込手段が備えられたことを特徴とする窯業製品の焼成ラインシステム。
  2. 棚板移載位置の上方において焼成台車の幅方向に往復移動自在であって、かつ、焼成台車上の棚板配設位置に対応して停止制御される研削用走行体と、
    研削用走行体に設けられた焼成台車の搬送方向に往復移動自在な棚板研削ユニットとからなる棚板研削手段が棚板移載手段の傍らに設けられたことを特徴とする請求項1記載の窯業製品の焼成ラインシステム。
  3. 棚板用コンベアの傍らに棚板ストックが設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の窯業製品の焼成ラインシステム。
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