JP3689436B2 - 複製防止方法および複製防止装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、検査対象書類の印刷画像の全体もしくはある領域を電子的に走査して参照値と比較し、所定の判定基準が存在する場合にその書類の複製防止処置を開始する、書類または有価証券、銀行紙幣等の複製防止方法と、この方法を実施する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
多くの技術分野において、書類を判定し、この情報に従って特定の処置を開始できる必要がある。有価証券または銀行紙幣等の判定の検査に関しては、カラー複写機を利用した偽造または複製が増加しているので、現在、特にカラー複写機の分野で重要である。このような行動を防止するためには、例えば、後続の複写動作を妨げるために、このような書類がカラー複写機にマスターとして挿入された場合に即座にそのような書類であることが判定されることが望ましい。
【０００３】
かかる方策としては、あるものは信用書類に設けられている特殊な構造を検査することを目指し、あるものはこのような特殊な構造の存在を利用して複写動作を打ち切る、数多の提案がなされてきた。
【０００４】
かかる装置は、例えば、合衆国特許第４，７２３，１４９号に開示されている。この複写装置は、機能に関わる利用者モードに必要なセンサー手段に加え、オリジナルにある磁気特性の存在を確認するための磁気センサが備わっている。磁気特性が確認された場合は、信用書類が存在するということである。この場合には、後続の複写作業を防げる制御信号が発生する。
【０００５】
特殊な特徴を備えた銀行紙幣を規定することを目的とする同様な装置は、ＩＢＭのテクニカル・ディスクロージャ・ブリテン、Ｖｏｌ．１８、Ｎｏ．３によって既知である。信用書類は、狭いスペクトル範囲に強い吸収線がある色を１色以上用いて印刷されている。この複写機は、各々、赤色、緑色、または青色の狭スペクトル感受性を有する３個の検出器を備えてなる。通常は複写機内部に設けられている光源に書類が照射されると、検出器は、所定のスペクトル範囲で書類が反射する光の量を調べる。着色剤による吸収のために、１個の検出器からの一つの信号値が、他の二つの信号値よりも小さい場合、信用書類が複写されようとしていることを表す。その場合、複写動作は同様に打ち切られる。
【０００６】
このような方法は、元来は前述の問題を解決するものであるが、このような装置の使用を根本的に不可能にする、いくつかの不都合がある。保護書類の、磁気、吸収挙動、蛍光等のような、特殊、且つ、ことによると追加的な特徴を調べるように構成された全ての装置は、その特徴の特性が中性化された場合もしくはマスターから完全に除去された場合には役に立たない、という不都合がある。最も単純な事例では、写真を使用することによって可能となる。オリジナルを写真にしたものは、通常、保護特性がなくなっているので、複写機の検査装置によって認識されず、非保護書類として複写動作が許可されてしまう。
【０００７】
付加測定手段が小細工されたり効かなくされた場合にも、同じ結果となる。
【０００８】
他の信用書類複写防止方法は、ＥＰ−Ａ ０ ３４２ ０６０に示されている。この例では、オリジナルの画像データがデジタル化されて一時的に記憶される。複写機に記憶されている参照値のようなものと比較することによって、複写動作が妨げられたり、許されたりする。この事例の場合、このように、保護書類は、冒頭に述べたように、定義された物理的特性に関して調べられるのではなく、個々の画像内容に関して調べられる。
【０００９】
この方法は、前述のタイプの小細工を防止するものであるが、非常に手が込んでおり、検査対象の全書類の印刷画像を基準値として電子的に記憶しなくてはならないので、多くの記憶スペースを要するという不都合がある。多大な電子的労力にも関わらず、判定できるのは、現に記憶されている書類だけである。従って、このような方法では、常にデータを更新する必要があるので、所要記憶容量は常に成長を続ける。また、複写する各々の書類をすべての基準値と比較するので、勿論、複写速度も相当に遅くなり、そのことは、短時間複写という希望に明らかに反するものである。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この先行技術を前提とし、個々の画像デザインに関係なく数多の信用書類を容易に判定可能にする複製防止方法を提供し、この方法を実施する装置に関わるものである。
【００１１】
この問題に対する解決法は、特許請求の範囲の独立項に記載されている。従属項には、本発明による解決法を展開したものが記載されている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、有価書類の複製を防止するための複製防止方法であって、書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶し、予め記憶されている、所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を参照して、所定の比較プログラムを用いて、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを検査し、前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始することを特徴とする。
【００１３】
前記幾何学模様は、異なる色でデザインされた線状構造要素であることが好ましい。
【００１４】
線構造要素が、編み縄模様、線網模様、または平行線であることが好ましい。
【００１５】
前記線状構造要素の規則性が、線の交点の度数、線間距離の分布関数、または、２色の線の間の平均距離比であることが好ましい。
【００１６】
前記幾何学模様は、異なる色でデザインされている回転対称な、または、象徴的な図形を有することが好ましい。
【００１７】
前記幾何学模様の規則性が、単位面積当りの構造要素数、または、書類全体の構造要素の分布であることが好ましい。
【００１８】
いくつかの規則性の同時存在を検査し、印刷画像の評価のために、いくつかの規則性の存在を前提とすることが好ましい。
【００１９】
また、本発明は、有価書類の複製を防止するための複製防止装置であって、書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶する手段と、所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を記憶する参照値記憶手段と、前記参照値を参照して、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを、所定の比較プログラムを用いて検査・判定する手段と、前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始する手段と、を備えたことを特徴とする。
【００２０】
前記参照値記憶手段には、複数の参照値が記憶されていることが好ましい。
【００２１】
検査される書類上に存在する幾何学模様ならびにその規則性を検出し、それらを記憶された参照値と比較し、および比較結果に応じて書類の複製を防止するための制御信号を出力できる信号処理手段を備えることが好ましい。
【００２２】
複数の幾何学模様の参照値を記憶するメモリと、評価基準、即ち対応規則性を収容する別のメモリとを備えることが好ましい。
【００２３】
既知のパターン認識方法を用いて幾何学模様を判定する信号アナライザと、画像データ中の幾何学模様の規則性を前記評価基準と比較して、比較結果に応じて制御回路に対応信号を中継するコンパレータとを備えることが好ましい。
【００２４】
本発明の装置は、複写装置，印刷装置等に利用され得る。
【００２５】
また、有価証券または銀行紙幣等のような、場合によっては文字、数字、または模様から成る多色印刷画像を有するシート状の書類であって、少なくともある領域に、目で認識でき、且つ、定義された規則性のある数多の小さな構造要素を備えていることを特徴とする。
【００２６】
書類の構造要素が、測定技術によって判定可能な規則性と、機密保護印刷の特徴とが出るように相互に調整された、編み縄模様、線網模様、または平行線のような線状要素であることを特徴とする。
【００２７】
定義された規則性が、第一色の線の間の平均距離、第二色の線の間の平均距離、二色の線の間の平均距離、あるいは、線間距離または単位面積当りの交点数の分布関数にあることを特徴とする。
【００２８】
構造要素が、回転対称な、または、象徴的な図形であることを特徴とする。
【００２９】
定義規則性が、単位面積当りの要素数、これらの要素間の平均距離、または書類全体の要素分布にあることを特徴とする。
【００３０】
本発明の根本概念は、信用書類の印刷画像には、通常、信用書類の特徴である個別構造要素（幾何学模様）が含まれている、ということを発見したことにある。既に存在している、あるいは、新規にデザインされる有価書類に設けられる、これらの構造要素によって、概括的な分類が可能となる。即ち、全体印刷画像を分析したり、記憶された印刷画像と識別の比較をしなくとも、このような構造要素が存在する場合には、有価証券が存在していると推論される。最も簡単な事例では、これらの構造要素は、表面に、ある最小密度で存在する色の付いた曲線である。通常は、有価証券の領域で知られている撚り合わせ線構造、いわゆる編み縄模様、が評価される。
【００３１】
但し、構造要素は、必ず、ある種の規則性を有するもの、および、数多の有価証券を表す、もしくは、それらに特有なもの、を選択することとする。
【００３２】
適用具体例では、カラー複写機に、現在走査中の書類と、記憶されている規則性データとを、対応比較プログラムを使用して比較できる電子装置が設けられている。この定義規則性がマスター上に存在していることが判明した場合、複写動作は中断されるか、または、全く開始されない。
【００３３】
本発明による方法は、印刷画像に由来するものであるので、写真に印画されていても、保護されるべき書類デザインが損なわれていない信用書類に共通な一般的特徴を利用して信用書類を検査できる、という利点がある。各印刷画像は、カラーデザインと構造要素の配列による。
【００３４】
また、マスターは、いずれか普通の複写動作のように走査され、電子的なパターン認識によって構造要素が識別されるので、複写を不可または回避できる追加的な測定手段は、全く必要ない。
【００３５】
本発明の別の利点は、数多の異なる信用書類を判定でき、不許可の複製から保護でき、しかも、記憶する必要のある参照値が少なくてよいことである。
【００３６】
好適実施例では、構造要素は編み縄模様である。これらの環状線模様は、種々の通貨および額面金額の銀行紙幣の大部分に柔らかい色で印刷されている。しかし、ほとんどの有価証券にも、編み縄模様が印刷されている。異なる色の２種類の模様は、通常、技巧的に撚り合わせられている。このような銀行紙幣の画像を、カラースキャナの助けを借りて画素に分解すれば、線とその色を識別するのは比較的簡単である。例えば、編み縄模様は、一色の線間の平均距離、二色の線間の平均距離比、または、パラメータまたは定義規則性としての線間距離の分布関数を用いれば判定することができる。
【００３７】
勿論、他の構造要素も使用できる。特に便利なのは、例えば、特殊な回転対称図形または主に機密保護印刷等に利用される特殊な色の組合わせが含まれた印刷画像の分析である。
【００３８】
他の実施例およびその利点を、本発明による信用書類を検査するための装置の可能実施例の機能図を示す図面を参照して、下記に詳細に説明する。
【００３９】
【実施例】
書類１は、有価証券、銀行紙幣等の信用書類であり得る。書類１は、少なくとも、ある領域に、定義規則性に従った個別構造要素から成る印刷画像を備えている。かかる構造要素ならびにその規則性の例は、他の箇所で説明される。
【００４０】
書類１は、二個の光源２によって照射される。検出器３によって反射光が一時記憶され、完全または部分的にデジタルデータレコードに変換され、中間メモリ４にファイルされる。信号アナライザ５は、拡張機能用メモリ６に記憶されている構造要素に鑑みて、既知の数学的パターン認識法を利用してこれらのデータを処理する。この検査の結果は、例えば、書類１の印刷画像に、所定の構造が、どのくらい頻繁に、もしくは、単位面積当りどのくらいの密度で存在するか、を示す数値である。この数値は、アナライザ５によって測定された構造要素が評価メモリ８の所定値に一致するかどうかを確認するコンパレータ７に、送信される。評価メモリでは、例えば、公差範囲、上限または下限値、設定値等を定義できる。これらの基準に合致した場合は、上記に説明したように、以降の書類１の処理は妨げられる。
【００４１】
モジュール５〜９は、分かりやすくするために図中線図で示されているよりも、勿論、はるかに小型の構造に構成できる電子評価制御装置１０を形成する。
【００４２】
処理装置１０は、特徴的な構造を備えた印刷画像を備えた書類を検査する必要がある、いずれの装置にも組み込むことが出来るが、組み込み先の装置として好ましいのは、複写機、印刷装置である。
【００４３】
処理装置１０は、通常は、複写機のデータ処理経路に直列に挿入される。これにより、複写しようとする全データは、所定の構造要素と一致しているかどうか、確実に検査される。
【００４４】
複写機では、複数複写作成中にオリジナルを交換することが、明らかに不可能、または、無意味であれば、「複数複写」モードでの同一オリジナルの繰り返し検査を行わないようにできる。これは、複写動作中にマスターが確実に固定される場合、もしくは、複数複写開始後は各複写に対して最初に準備された（信頼性を検査された）データが使用される場合に、保証される。このように、二番目以降の複製は、複写機自体の複写速度で作成できる。そのような場合、許容性検査によって動作が遅れることは全くない。
【００４５】
保護書類が判定されたときに複写動作が中断されるように、検査中に電子写真装置に走査信号を中継することも可能である。
【００４６】
既に述べた通り、装置１０は、特にマルチメディアシステムの領域における発展という観点において、プリンタ中で有利に利用することも可能である。これらのシステムは、将来、例えば、写真カメラまたはビデオカメラ、または、テレビジョンセットといった記録手段からの画像再現を、徐々に可能にするであろう。従って、この分野においても、同様に、保護書類の複製を防止することが重要である。保護書類の印刷画像の記録を妨げることはほとんど不可能であるが、本発明による装置１０によれば印刷出力を回避することができる。プリンタが画像データを変換して印刷媒体にそれらを出力する前に、ある種の規則性を備えた構造要素がないか検査し、上述の通りに処理するのである。
【００４７】
上記すべての応用範囲において、本発明の方法ならびに対応装置は、書類を容易に且つ比較的速く検査判定できるという利点を備えている。他のセンサーを追加する必要は皆無である。更にまた、本発明による電子処理装置１０は、特定装置の任意の場所に設置できるので、処理装置１０を収容するに際して特定装置に特殊な構造変更を施す必要がない、という利点も備えている。
【００４８】
次に、本発明の方法で利用できる構造要素およびその規則性の諸例を述べる。有価証券の場合、かかる規則性を、有価証券類を作成する際に守られる公式条件を定める、いわゆる、株式指針（有価証券類の印刷に関するドイツ株式の一般原理）から取ることもできる。下記記載は決定的なものではない、即ち、簡単に検査できる規則性を備えた他の構造要素も利用できる。
【００４９】
保護書類によくある構造要素は、編み縄模様である。編み縄模様は、単色または多色で、特殊な幾何学レース上で作られる、ある幾何学法則に従って撚り合わせられた繊細な保護線システムである。編み縄模様は、ポジティブまたはネガティブな編み縄模様として存在できる。これらは、凸版印刷、または凸版印刷と組み合わせた線凹版印刷によって作られる。
【００５０】
これらの編み縄模様の評価ファクタは、例えば、第一色の線の間の平均距離、線の特徴的な経路、線構造（線の幅）、表面積または表面構成、線の密度、単位面積当りの撚り合わせ数および／または線の交点の数、異なる色の線間の平均距離、二色の線間の平均距離比または分布関数（ヒストグラム）、線幅に対する輪郭の鋭さ、線幅に対する撚り合わせ公差点、等にできる。
【００５１】
定義された形態、組合せ、または表面分布の「正規の」マスターに、評価の対象となる規則性が全くまたは殆ど存在しないことが確かであれば、平行線または線網模様のような他の線構造も利用できるのは勿論である。
【００５２】
勿論、構造要素を線構造に限定する理由は無い。三角形、四角形、円形、星型構造、記号図、またはこれらの図形のいずれかを組合せたもの、といった他の象徴的な幾何学図形や構造を利用することも可能である。
【００５３】
回転対称な図形は、パターン認識に特に適している。
【００５４】
これらの事例で評価できる規則性は、例えば、単位面積当りの要素数、これらの要素間の平均距離、または書類全体の要素分布にすることもできる。
【００５５】
有価証券、銀行紙幣等には、授権印刷所だけが利用する特殊な色の明度がしばしば選択されるので、上記構造要素と関連し、付加基準として色を考慮することもできる。この場合、編み込み文字は、評価に規則性を適用できるように、前述の編み縄模様のように、異なる色明度で印刷されていることが多い。
【００５６】
既存書類の規則性があると判定される場合、いくつかの規則性が存在するのだが、完全に確定的に測定または分類できるものが一つもない、という問題が発生することがある。この場合、いくつかの規則性の存在を検査および評価することが助けとなることがある。検査の信頼性を増すために、所定最小ポイント数が存在する場合に検出信号が送られるように、個々の特徴に別々の重みを付与することができる。同様に、大量の中から選択された所定数の性質または構造の存在によって、希望する評価の結果を得ることもできる。異なる規則性の組み合わせ、または、重み付けは、このように、評価のための付加的な基準となる。
【００５７】
対応書類をデザインする時点で評価される規則性が既に考慮されている場合、個々の構造および性質を更に功利的に選択および考案できる。このような場合、きわめて確実に判定でき、また、判定値が高い、上述の重み付けより評価されるので、要求される個別性質は、通常、比較的少ない。
【００５８】
【発明の効果】
本発明は、信用書類の印刷画像には、通常、信用書類の特徴である個別構造要素（幾何学模様）が含まれている、という知見に基づくもので、印刷画像に由来するものであるので、写真に印画されていても、保護されるべき書類デザインが損なわれていない信用書類に共通な一般的特徴を利用して信用書類の複製を防止できる、という利点がある。
【００５９】
本発明は、数多の異なる信用書類を検査でき、不許可の複製から保護でき、しかも、記憶する必要のある参照値が少なくてよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る保護書類の複製を防止するための装置の、一実施例の機能ブロック図である。
【符号の説明】
１ 書類
２ 光源
３ 検出器
４ メモリ
５ 信号アナライザ
６ 拡張機能用メモリ
７ コンパレータ
８ 評価基準
９ 制御回路
１０ 処理装置
【産業上の利用分野】
本発明は、検査対象書類の印刷画像の全体もしくはある領域を電子的に走査して参照値と比較し、所定の判定基準が存在する場合にその書類の複製防止処置を開始する、書類または有価証券、銀行紙幣等の複製防止方法と、この方法を実施する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
多くの技術分野において、書類を判定し、この情報に従って特定の処置を開始できる必要がある。有価証券または銀行紙幣等の判定の検査に関しては、カラー複写機を利用した偽造または複製が増加しているので、現在、特にカラー複写機の分野で重要である。このような行動を防止するためには、例えば、後続の複写動作を妨げるために、このような書類がカラー複写機にマスターとして挿入された場合に即座にそのような書類であることが判定されることが望ましい。
【０００３】
かかる方策としては、あるものは信用書類に設けられている特殊な構造を検査することを目指し、あるものはこのような特殊な構造の存在を利用して複写動作を打ち切る、数多の提案がなされてきた。
【０００４】
かかる装置は、例えば、合衆国特許第４，７２３，１４９号に開示されている。この複写装置は、機能に関わる利用者モードに必要なセンサー手段に加え、オリジナルにある磁気特性の存在を確認するための磁気センサが備わっている。磁気特性が確認された場合は、信用書類が存在するということである。この場合には、後続の複写作業を防げる制御信号が発生する。
【０００５】
特殊な特徴を備えた銀行紙幣を規定することを目的とする同様な装置は、ＩＢＭのテクニカル・ディスクロージャ・ブリテン、Ｖｏｌ．１８、Ｎｏ．３によって既知である。信用書類は、狭いスペクトル範囲に強い吸収線がある色を１色以上用いて印刷されている。この複写機は、各々、赤色、緑色、または青色の狭スペクトル感受性を有する３個の検出器を備えてなる。通常は複写機内部に設けられている光源に書類が照射されると、検出器は、所定のスペクトル範囲で書類が反射する光の量を調べる。着色剤による吸収のために、１個の検出器からの一つの信号値が、他の二つの信号値よりも小さい場合、信用書類が複写されようとしていることを表す。その場合、複写動作は同様に打ち切られる。
【０００６】
このような方法は、元来は前述の問題を解決するものであるが、このような装置の使用を根本的に不可能にする、いくつかの不都合がある。保護書類の、磁気、吸収挙動、蛍光等のような、特殊、且つ、ことによると追加的な特徴を調べるように構成された全ての装置は、その特徴の特性が中性化された場合もしくはマスターから完全に除去された場合には役に立たない、という不都合がある。最も単純な事例では、写真を使用することによって可能となる。オリジナルを写真にしたものは、通常、保護特性がなくなっているので、複写機の検査装置によって認識されず、非保護書類として複写動作が許可されてしまう。
【０００７】
付加測定手段が小細工されたり効かなくされた場合にも、同じ結果となる。
【０００８】
他の信用書類複写防止方法は、ＥＰ−Ａ ０ ３４２ ０６０に示されている。この例では、オリジナルの画像データがデジタル化されて一時的に記憶される。複写機に記憶されている参照値のようなものと比較することによって、複写動作が妨げられたり、許されたりする。この事例の場合、このように、保護書類は、冒頭に述べたように、定義された物理的特性に関して調べられるのではなく、個々の画像内容に関して調べられる。
【０００９】
この方法は、前述のタイプの小細工を防止するものであるが、非常に手が込んでおり、検査対象の全書類の印刷画像を基準値として電子的に記憶しなくてはならないので、多くの記憶スペースを要するという不都合がある。多大な電子的労力にも関わらず、判定できるのは、現に記憶されている書類だけである。従って、このような方法では、常にデータを更新する必要があるので、所要記憶容量は常に成長を続ける。また、複写する各々の書類をすべての基準値と比較するので、勿論、複写速度も相当に遅くなり、そのことは、短時間複写という希望に明らかに反するものである。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この先行技術を前提とし、個々の画像デザインに関係なく数多の信用書類を容易に判定可能にする複製防止方法を提供し、この方法を実施する装置に関わるものである。
【００１１】
この問題に対する解決法は、特許請求の範囲の独立項に記載されている。従属項には、本発明による解決法を展開したものが記載されている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、有価書類の複製を防止するための複製防止方法であって、書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶し、予め記憶されている、所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を参照して、所定の比較プログラムを用いて、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを検査し、前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始することを特徴とする。
【００１３】
前記幾何学模様は、異なる色でデザインされた線状構造要素であることが好ましい。
【００１４】
線構造要素が、編み縄模様、線網模様、または平行線であることが好ましい。
【００１５】
前記線状構造要素の規則性が、線の交点の度数、線間距離の分布関数、または、２色の線の間の平均距離比であることが好ましい。
【００１６】
前記幾何学模様は、異なる色でデザインされている回転対称な、または、象徴的な図形を有することが好ましい。
【００１７】
前記幾何学模様の規則性が、単位面積当りの構造要素数、または、書類全体の構造要素の分布であることが好ましい。
【００１８】
いくつかの規則性の同時存在を検査し、印刷画像の評価のために、いくつかの規則性の存在を前提とすることが好ましい。
【００１９】
また、本発明は、有価書類の複製を防止するための複製防止装置であって、書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶する手段と、所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を記憶する参照値記憶手段と、前記参照値を参照して、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを、所定の比較プログラムを用いて検査・判定する手段と、前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始する手段と、を備えたことを特徴とする。
【００２０】
前記参照値記憶手段には、複数の参照値が記憶されていることが好ましい。
【００２１】
検査される書類上に存在する幾何学模様ならびにその規則性を検出し、それらを記憶された参照値と比較し、および比較結果に応じて書類の複製を防止するための制御信号を出力できる信号処理手段を備えることが好ましい。
【００２２】
複数の幾何学模様の参照値を記憶するメモリと、評価基準、即ち対応規則性を収容する別のメモリとを備えることが好ましい。
【００２３】
既知のパターン認識方法を用いて幾何学模様を判定する信号アナライザと、画像データ中の幾何学模様の規則性を前記評価基準と比較して、比較結果に応じて制御回路に対応信号を中継するコンパレータとを備えることが好ましい。
【００２４】
本発明の装置は、複写装置，印刷装置等に利用され得る。
【００２５】
また、有価証券または銀行紙幣等のような、場合によっては文字、数字、または模様から成る多色印刷画像を有するシート状の書類であって、少なくともある領域に、目で認識でき、且つ、定義された規則性のある数多の小さな構造要素を備えていることを特徴とする。
【００２６】
書類の構造要素が、測定技術によって判定可能な規則性と、機密保護印刷の特徴とが出るように相互に調整された、編み縄模様、線網模様、または平行線のような線状要素であることを特徴とする。
【００２７】
定義された規則性が、第一色の線の間の平均距離、第二色の線の間の平均距離、二色の線の間の平均距離、あるいは、線間距離または単位面積当りの交点数の分布関数にあることを特徴とする。
【００２８】
構造要素が、回転対称な、または、象徴的な図形であることを特徴とする。
【００２９】
定義規則性が、単位面積当りの要素数、これらの要素間の平均距離、または書類全体の要素分布にあることを特徴とする。
【００３０】
本発明の根本概念は、信用書類の印刷画像には、通常、信用書類の特徴である個別構造要素（幾何学模様）が含まれている、ということを発見したことにある。既に存在している、あるいは、新規にデザインされる有価書類に設けられる、これらの構造要素によって、概括的な分類が可能となる。即ち、全体印刷画像を分析したり、記憶された印刷画像と識別の比較をしなくとも、このような構造要素が存在する場合には、有価証券が存在していると推論される。最も簡単な事例では、これらの構造要素は、表面に、ある最小密度で存在する色の付いた曲線である。通常は、有価証券の領域で知られている撚り合わせ線構造、いわゆる編み縄模様、が評価される。
【００３１】
但し、構造要素は、必ず、ある種の規則性を有するもの、および、数多の有価証券を表す、もしくは、それらに特有なもの、を選択することとする。
【００３２】
適用具体例では、カラー複写機に、現在走査中の書類と、記憶されている規則性データとを、対応比較プログラムを使用して比較できる電子装置が設けられている。この定義規則性がマスター上に存在していることが判明した場合、複写動作は中断されるか、または、全く開始されない。
【００３３】
本発明による方法は、印刷画像に由来するものであるので、写真に印画されていても、保護されるべき書類デザインが損なわれていない信用書類に共通な一般的特徴を利用して信用書類を検査できる、という利点がある。各印刷画像は、カラーデザインと構造要素の配列による。
【００３４】
また、マスターは、いずれか普通の複写動作のように走査され、電子的なパターン認識によって構造要素が識別されるので、複写を不可または回避できる追加的な測定手段は、全く必要ない。
【００３５】
本発明の別の利点は、数多の異なる信用書類を判定でき、不許可の複製から保護でき、しかも、記憶する必要のある参照値が少なくてよいことである。
【００３６】
好適実施例では、構造要素は編み縄模様である。これらの環状線模様は、種々の通貨および額面金額の銀行紙幣の大部分に柔らかい色で印刷されている。しかし、ほとんどの有価証券にも、編み縄模様が印刷されている。異なる色の２種類の模様は、通常、技巧的に撚り合わせられている。このような銀行紙幣の画像を、カラースキャナの助けを借りて画素に分解すれば、線とその色を識別するのは比較的簡単である。例えば、編み縄模様は、一色の線間の平均距離、二色の線間の平均距離比、または、パラメータまたは定義規則性としての線間距離の分布関数を用いれば判定することができる。
【００３７】
勿論、他の構造要素も使用できる。特に便利なのは、例えば、特殊な回転対称図形または主に機密保護印刷等に利用される特殊な色の組合わせが含まれた印刷画像の分析である。
【００３８】
他の実施例およびその利点を、本発明による信用書類を検査するための装置の可能実施例の機能図を示す図面を参照して、下記に詳細に説明する。
【００３９】
【実施例】
書類１は、有価証券、銀行紙幣等の信用書類であり得る。書類１は、少なくとも、ある領域に、定義規則性に従った個別構造要素から成る印刷画像を備えている。かかる構造要素ならびにその規則性の例は、他の箇所で説明される。
【００４０】
書類１は、二個の光源２によって照射される。検出器３によって反射光が一時記憶され、完全または部分的にデジタルデータレコードに変換され、中間メモリ４にファイルされる。信号アナライザ５は、拡張機能用メモリ６に記憶されている構造要素に鑑みて、既知の数学的パターン認識法を利用してこれらのデータを処理する。この検査の結果は、例えば、書類１の印刷画像に、所定の構造が、どのくらい頻繁に、もしくは、単位面積当りどのくらいの密度で存在するか、を示す数値である。この数値は、アナライザ５によって測定された構造要素が評価メモリ８の所定値に一致するかどうかを確認するコンパレータ７に、送信される。評価メモリでは、例えば、公差範囲、上限または下限値、設定値等を定義できる。これらの基準に合致した場合は、上記に説明したように、以降の書類１の処理は妨げられる。
【００４１】
モジュール５〜９は、分かりやすくするために図中線図で示されているよりも、勿論、はるかに小型の構造に構成できる電子評価制御装置１０を形成する。
【００４２】
処理装置１０は、特徴的な構造を備えた印刷画像を備えた書類を検査する必要がある、いずれの装置にも組み込むことが出来るが、組み込み先の装置として好ましいのは、複写機、印刷装置である。
【００４３】
処理装置１０は、通常は、複写機のデータ処理経路に直列に挿入される。これにより、複写しようとする全データは、所定の構造要素と一致しているかどうか、確実に検査される。
【００４４】
複写機では、複数複写作成中にオリジナルを交換することが、明らかに不可能、または、無意味であれば、「複数複写」モードでの同一オリジナルの繰り返し検査を行わないようにできる。これは、複写動作中にマスターが確実に固定される場合、もしくは、複数複写開始後は各複写に対して最初に準備された（信頼性を検査された）データが使用される場合に、保証される。このように、二番目以降の複製は、複写機自体の複写速度で作成できる。そのような場合、許容性検査によって動作が遅れることは全くない。
【００４５】
保護書類が判定されたときに複写動作が中断されるように、検査中に電子写真装置に走査信号を中継することも可能である。
【００４６】
既に述べた通り、装置１０は、特にマルチメディアシステムの領域における発展という観点において、プリンタ中で有利に利用することも可能である。これらのシステムは、将来、例えば、写真カメラまたはビデオカメラ、または、テレビジョンセットといった記録手段からの画像再現を、徐々に可能にするであろう。従って、この分野においても、同様に、保護書類の複製を防止することが重要である。保護書類の印刷画像の記録を妨げることはほとんど不可能であるが、本発明による装置１０によれば印刷出力を回避することができる。プリンタが画像データを変換して印刷媒体にそれらを出力する前に、ある種の規則性を備えた構造要素がないか検査し、上述の通りに処理するのである。
【００４７】
上記すべての応用範囲において、本発明の方法ならびに対応装置は、書類を容易に且つ比較的速く検査判定できるという利点を備えている。他のセンサーを追加する必要は皆無である。更にまた、本発明による電子処理装置１０は、特定装置の任意の場所に設置できるので、処理装置１０を収容するに際して特定装置に特殊な構造変更を施す必要がない、という利点も備えている。
【００４８】
次に、本発明の方法で利用できる構造要素およびその規則性の諸例を述べる。有価証券の場合、かかる規則性を、有価証券類を作成する際に守られる公式条件を定める、いわゆる、株式指針（有価証券類の印刷に関するドイツ株式の一般原理）から取ることもできる。下記記載は決定的なものではない、即ち、簡単に検査できる規則性を備えた他の構造要素も利用できる。
【００４９】
保護書類によくある構造要素は、編み縄模様である。編み縄模様は、単色または多色で、特殊な幾何学レース上で作られる、ある幾何学法則に従って撚り合わせられた繊細な保護線システムである。編み縄模様は、ポジティブまたはネガティブな編み縄模様として存在できる。これらは、凸版印刷、または凸版印刷と組み合わせた線凹版印刷によって作られる。
【００５０】
これらの編み縄模様の評価ファクタは、例えば、第一色の線の間の平均距離、線の特徴的な経路、線構造（線の幅）、表面積または表面構成、線の密度、単位面積当りの撚り合わせ数および／または線の交点の数、異なる色の線間の平均距離、二色の線間の平均距離比または分布関数（ヒストグラム）、線幅に対する輪郭の鋭さ、線幅に対する撚り合わせ公差点、等にできる。
【００５１】
定義された形態、組合せ、または表面分布の「正規の」マスターに、評価の対象となる規則性が全くまたは殆ど存在しないことが確かであれば、平行線または線網模様のような他の線構造も利用できるのは勿論である。
【００５２】
勿論、構造要素を線構造に限定する理由は無い。三角形、四角形、円形、星型構造、記号図、またはこれらの図形のいずれかを組合せたもの、といった他の象徴的な幾何学図形や構造を利用することも可能である。
【００５３】
回転対称な図形は、パターン認識に特に適している。
【００５４】
これらの事例で評価できる規則性は、例えば、単位面積当りの要素数、これらの要素間の平均距離、または書類全体の要素分布にすることもできる。
【００５５】
有価証券、銀行紙幣等には、授権印刷所だけが利用する特殊な色の明度がしばしば選択されるので、上記構造要素と関連し、付加基準として色を考慮することもできる。この場合、編み込み文字は、評価に規則性を適用できるように、前述の編み縄模様のように、異なる色明度で印刷されていることが多い。
【００５６】
既存書類の規則性があると判定される場合、いくつかの規則性が存在するのだが、完全に確定的に測定または分類できるものが一つもない、という問題が発生することがある。この場合、いくつかの規則性の存在を検査および評価することが助けとなることがある。検査の信頼性を増すために、所定最小ポイント数が存在する場合に検出信号が送られるように、個々の特徴に別々の重みを付与することができる。同様に、大量の中から選択された所定数の性質または構造の存在によって、希望する評価の結果を得ることもできる。異なる規則性の組み合わせ、または、重み付けは、このように、評価のための付加的な基準となる。
【００５７】
対応書類をデザインする時点で評価される規則性が既に考慮されている場合、個々の構造および性質を更に功利的に選択および考案できる。このような場合、きわめて確実に判定でき、また、判定値が高い、上述の重み付けより評価されるので、要求される個別性質は、通常、比較的少ない。
【００５８】
【発明の効果】
本発明は、信用書類の印刷画像には、通常、信用書類の特徴である個別構造要素（幾何学模様）が含まれている、という知見に基づくもので、印刷画像に由来するものであるので、写真に印画されていても、保護されるべき書類デザインが損なわれていない信用書類に共通な一般的特徴を利用して信用書類の複製を防止できる、という利点がある。
【００５９】
本発明は、数多の異なる信用書類を検査でき、不許可の複製から保護でき、しかも、記憶する必要のある参照値が少なくてよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る保護書類の複製を防止するための装置の、一実施例の機能ブロック図である。
【符号の説明】
１ 書類
２ 光源
３ 検出器
４ メモリ
５ 信号アナライザ
６ 拡張機能用メモリ
７ コンパレータ
８ 評価基準
９ 制御回路
１０ 処理装置
Claims (14)
- 有価書類の複製を防止するための複製防止方法であって、
書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶し、
予め記憶されている、所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を参照して、所定の比較プログラムを用いて、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを検査し、
前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始することを特徴とする複製防止方法。 - 前記幾何学模様は、異なる色でデザインされた線状構造要素であることを特徴とする、請求項１に記載の複製防止方法。
- 線状構造要素が、編み縄模様、線網模様、または平行線であることを特徴とする、請求項２に記載の複製防止方法。
- 前記線状構造要素の規則性が、線の交点の度数、線間距離の分布関数、または、２色の線の間の平均距離比であることを特徴とする、請求項２または３に記載の複製防止方法。
- 前記幾何学模様は、異なる色でデザインされている回転対称な、または、象徴的な図形を有することを特徴とする、請求項１に記載の複製防止方法。
- 前記幾何学模様の規則性が、単位面積当りの構造要素数、または、書類全体の構造要素の分布であることを特徴とする、請求項５に記載の複製防止方法。
- いくつかの規則性の同時存在を検査し、印刷画像の評価のために、いくつかの規則性の存在を前提とすることを特徴とする、請求項１に記載の複製防止方法。
- 有価書類の複製を防止するための複製防止装置であって、
書類の印刷画像の全体もしくは一部領域を電気的に走査することにより得られた画像データを一時的に記憶する手段と、
所定の図形が規則的に繰り返された幾何学模様をその模様の規則性により定義する参照値を記憶する参照値記憶手段と、
前記参照値を参照して、前記画像データ中に前記規則性を有する幾何学模様が存在するか否かを、所定の比較プログラムを用いて検査・判定する手段と、
前記幾何学模様が存在すると判定された場合に、その書類の複製を防止するための処置を開始する手段と、
を備えたことを特徴とする複製防止装置。 - 前記参照値記憶手段には、複数の参照値が記憶されていることを特徴とする、請求項８に記載の複製防止装置。
- 検査される書類上に存在する幾何学模様ならびにその規則性を検出し、それらを記憶された参照値と比較し、および比較結果に応じて書類の複製を防止するための制御信号を出力できる信号処理手段を備えたことを特徴とする、請求項８または９に記載の複製防止装置。
- 複数の幾何学模様の参照値を記憶するメモリと、評価基準、即ち対応規則性を収容する別のメモリとを備えたことを特徴とする、請求項８に記載の複製防止装置。
- 既知のパターン認識方法を用いて幾何学模様を判定する信号アナライザと、画像データ中の幾何学模様の規則性を前記評価基準と比較して、比較結果に応じて制御回路に対応信号を中継するコンパレータとを備えたことを特徴とする、請求項８または１１に記載の複製防止装置。
- 請求項８乃至１２のいずれか一項に記載の複製防止装置を備え、前記複製防止装置により有価書類の複写を防止する複写装置。
- 請求項８乃至１２のいずれか一項に記載の複製防止装置を備え、前記複製防止装置により有価書類の印刷を防止する印刷装置。
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