JP3688165B2 - 魚介類の輸送用容器および魚介類の輸送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は魚介類を輸送するための容器と魚介類の輸送方法とに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、魚介類を容器に入れて輸送する手段としては、特開平7−16037号公報に記載された輸送装置がある。
この輸送装置としては、容器本体内部に一体成形したぴったりと合致する合成樹脂等でできた硬質の薄い容器を装着してなることを必須の要件とした魚介類輸送容器であって、魚貝類等を収納し、蓋をして、容器と蓋との接合部分をゴム等でできている粘着テープ等を使用して密封状態にすることで魚貝類等を輸送することができる、と記載されている。
【0003】
上記のような従来の輸送装置は、容器内部へ装着する薄い容器を準備せねばならず、しかもその装着に手数を要するほか、使用中に薄い容器が変形したりし易いという問題点があった。
また、上記従来の輸送装置は、容器本体に被せる蓋は、その内部を複数の空間に間仕切った形状を示してあるゆえ、吸気および排気の経路を形成するのに面倒で複雑化し易い形態であるという課題を有していた。
【0004】
そこで、本発明においては、魚介類を長時間、活きた状態で輸送する容器として、上記した従来の魚介類の輸送装置における課題を全て解消できるようにした輸送用容器と輸送方法とを提供できるように発明したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による魚介類の輸送容器としては、請求項1に記載したように、液および魚介類を収容できると共に液中にエアーを分散させる分散器を備えるようにした容器本体と、容器本体に被せ得る蓋体および蓋体の上方開放部を閉塞できる補助蓋体とから構成されてあり、蓋体内は1つの空室として形成され、蓋体内には容器本体内の分散器とエアー導入管を介して接続させるエアーポンプを配置できる配置枠を蓋体内壁より低く底部より突出させてあり、蓋体底部には容器本体と通じる排気孔を形成し、さらに蓋体側部には補助蓋体を被せても蓋体内が外気と通じるようにした通気口を形成してあり、ポンプの配置枠は蓋体内の隅部にL形に形成されていて、蓋体内壁の隅部L形部分とともにエアーポンプ配置空間を形成しており、エアーポンプの配置枠内面と、蓋体内壁の隅部L形内面とに突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔をエアーポンプとの間の空隙として形成できるようにしてあることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、ポンプの配置枠は蓋体の内壁の1/2以下の高さで突出されていることを特徴とする請求項1記載の魚介類の輸送用容器である。
請求項3記載の発明は、エアーポンプの配置空間位置における底面には突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔をエアーポンプとの間の空隙として形成できるようにしてあることを特徴とする請求項1または2に記載の魚介類の輸送用容器である。
請求項4記載の発明は、蓋体内の底部には排気孔の位置を避けて突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔を突出部上に載置される冷却材との空隙として形成できるようにしてあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の魚介類の輸送用容器である。
請求項5記載の発明は、上記請求項1〜4の何れかに記載された魚介類の輸送用容器を用いて、容器本体に液とともに魚介類を収容し、液中に空気を分散させる分散器を備え、蓋体内に収容したエアーポンプとエアー導入管を介して接続させ、蓋体側部の通気口からエアーを導入させ、上記蓋体内壁の隅部L形内面およびエアーポンプの配置枠内面に形成された突出部によって、エアーポンプと蓋体内壁および配置枠内面との間に生じた空隙を介してエアーポンプは導入されるエアーを吸引し、液中にエアーを吹き込みながら輸送することをることを特徴とする魚介類の輸送用容器である。
【0006】
この発明による魚介類の輸送用容器によると、容器本体、蓋体および補助蓋体との組合せによるものであって、容器本体には従来技術のような薄い内容器は装着されていないし、蓋体内は1つの空室として形成されているので、仕切りによって吸気や排気の経路が遮断され、経路形成が複雑化し易い従来技術より吸気や排気の手段が単純化されることになる。
特に容器本体内の分散器とエアー導入管を介して接続させるエアーポンプを配置できる配置枠を蓋体内壁より低く底面より突出させているので、蓋体内の空間を仕切るような配置枠とならず、蓋体内の空間を1つの空室として維持できることになる。
【0007】
具体的な配置枠の高さは、蓋体の内壁高さの1/2以下の高さで突出形成させるのが好ましいものである。
上記エアーポンプの配置枠は蓋体内の隅部にL形に形成されていて、蓋体内壁の隅部L形部分とともにエアーポンプ配置空間を形成しており、蓋体内の空間利用を高めることができる。
【0008】
そして、エアーポンプの配置枠内面と、蓋体内壁の隅部L形内面とに突出部を間隔をあけて形成してあり、エアーポンプへのエアー導入を良好にできる。また、エアーポンプが配置枠に密接しなくなるので、取出しもし易くなる。
さらに、エアーポンプの配置空間位置における底面には突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔をエアーポンプとの間の空隙として形成できるようにしてあれば、これら空隙からエアーポンプへのエアー導入がより良好となると同時にエアーポンプ作動時のポンプ自体が過度に発熱するおそれがなくなる利点を生ずる。
【0009】
また、本発明においては、請求項4に記載した構成により、冷却材による冷気の流通を一層良好にできることと、容器本体内から上方への排気を冷却材の載置によって阻害しないことになる。
さらに本発明による魚介類の輸送方法としては、請求項5に記載したように、本発明にかかる魚介類の輸送用容器を用いて、魚介類を長時間活きた状態で良好に輸送することができる。
【0010】
なお、容器本体、蓋体および補助蓋体としては、合成樹脂特に合成樹脂発泡体による成形品が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施形態について図を参照しながら以下に説明する。
図1は使用状態を示している断面図であり、図中の10は容器本体、20は容器本体10に被せ得る蓋体、30は蓋体20の上方開放部を閉塞している補助蓋体をそれぞれ示している。
上記容器本体10内には海水等の液Aおよび魚介類Bを収容していると共に液中にエアーを分散させる分散器40を備え、分散器40は蓋体20内に配置させてあるエアーポンプ50(乾電池にて作動)とエアー導入管60を介して接続させてあり、22はエアー導入管60を挿通させてある蓋体20の底部21に形成された管挿通用孔を示している。
【0012】
また23は蓋体20の底部21に形成された排気孔であって、容器本体10内と通じている。24はエアーポンプ50を配置できるようにした配置枠であり、蓋体20の内壁25より低く、例えば内壁25の1/2以下の高さになるように底部21より突出形成させている。
図2は補助蓋体30を外しエアーポンプ50を除外して蓋体20が見えるように現わした平面図であり、図中の25は蓋体20の側部に形成してある通気口であって、左右1箇所ずつ2個形成してあり、この通気口25は補助蓋体30を被せても蓋体20内が外気と通ずるような深さでテーパ状に形成されている。
【0013】
また、エアーポンプ50に対する配置枠24はエアーポンプ50の外形に対応した形状、例えばエアーポンプ50が角形であれば平面視角形の枠に形成して実施してもよいが、上記図2の場合には蓋体20内の隅部に平面視L形に形成されていて、蓋体20の隅部L形部分とともに、エアーポンプ50の配置空間を形成しているものを図示しており、この場合には蓋体20内の空間を有効利用できることになる。
【0014】
また、エアーポンプの配置枠24内面と、蓋体20内壁25の隅部L形部分の内面とに突出部26と、突出部27を何れも間隔をあけて形成し、この間隔をエアーポンプ50との間の空隙C1 ,C2 として形成できることになる。さらにエアーポンプ50の配置空間となる位置の底面にも突出部28を間隔をあけて形成し、この間隔をエアーポンプ50との間の空隙C3 として形成できるように形成してある。
【0015】
これらの空隙C1 ,C2 ,C3 は何れもエアーポンプ50へのエアー導入を行い易くし、且つエアーポンプ50が密接するのを避けてその取出しを容易にしているもので、エアーポンプ50の底面にはエアー導入口51があり、その位置を図2のエアーポンプ50の仮想位置内に示している。
さらに、蓋体20の底部21には排気孔23の位置をできるだけ避けて突出部29を間隔を開けて形成してあり、この間隔を突出部29上に載置される蓄冷材等の冷却材(図示せず)との空隙C4 として形成できることになり、冷却材による冷気の流通を良好にしている。
【0016】
図3〜図5は図2におけるIII−III、IV−IVおよびV−Vにおける断面図であり、通気口25や、エアーポンプ50の載置枠24における突出部26,27,28、さらには蓄冷材の載置部分における突出部29等の部分が分り易く図示されている。
なお、容器本体10、蓋体20および補助蓋体30は合成樹脂にて形成されているもので、特に発泡スチロール樹脂等の合成樹脂の発泡体(いわゆるビーズ成形品)が断熱性、軽量性等の点で好ましいものである。
【0017】
上述したごとく、本発明の魚介類輸送容器は、魚介類Bとともに海水等の液Aを収容し、蓋体20に収納しているエアーポンプ50を作動して、蓋体20の通気口25から入ったエアーをエアー導入管60より導入し、より好ましくは冷却された冷気を空気分散器40より、水溶液中に噴き込みながら輸送することで、魚介類を長時間、活きた状態で輸送することができる。冷気は輸送する容器を冷却された庫内に載置して輸送する方法であっても、また、本発明容器に導入する外気を冷却するための冷却部材(氷、蓄冷材等)を使用する方法であっても良いことはいうまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上詳述した本発明による魚介類の輸送用容器によると、容器本体に被せる蓋体内の1つの空室にはエアーポンプをその配置枠の形成にて収納し易くしてあり、安定した収納状態を維持でき、しかも容器本体へのエアー導入や容器本体からの排気についても蓋体における通気口や排気孔の構成にて適切に対応でき、活きた状態での魚介類の輸送を実現するのに好適となる。
【0019】
また、本発明による魚介類の輸送方法によると、魚介類を長時間活きた状態で輸送するのに極めて好適な方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用状態を示す断面図である。
【図2】補助蓋体およびエアーポンプを取り除いて示す平面図である。
【図3】図2のIII − IIIの断面図である。
【図4】図2のIV−IVの断面図である。
【図5】図2のV−Vの断面図である。
【符号の説明】
10 容器本体
20 蓋体
30 補助蓋体
A 液
B 魚介類
40 分散器
50 エアーポンプ
60 エアー導入管
21 蓋体の底部
23 排気孔
24 エアーポンプの配置枠
25 通気口
26 突出部
27 突出部
28 突出部
29 突出部
C1 ,C2 ,C3 空隙
Claims (5)
- 液および魚介類を収容できると共に液中にエアーを分散させる分散器を備えるようにした容器本体と、容器本体に被せ得る蓋体および蓋体の上方開放部を閉塞できる補助蓋体とから構成されてあり、
蓋体内は1つの空室として形成され、蓋体内には容器本体内の分散器とエアー導入管を介して接続させるエアーポンプを配置できる配置枠を蓋体内壁より低く底部より突出させてあり、蓋体底部には容器本体と通じる排気孔を形成し、さらに蓋体側部には補助蓋体を被せても蓋体内が外気と通じるようにした通気口を形成してあり、
ポンプの配置枠は蓋体内の隅部にL形に形成されていて、蓋体内壁の隅部L形部分とともにエアーポンプ配置空間を形成しており、
エアーポンプの配置枠内面と、蓋体内壁の隅部L形内面とに突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔をエアーポンプとの間の空隙として形成できるようにしてあることを特徴とする魚介類の輸送用容器。 - ポンプの配置枠は蓋体の内壁の1/2以下の高さで突出されていることを特徴とする請求項1記載の魚介類の輸送用容器。
- エアーポンプの配置空間位置における底面には突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔をエアーポンプとの間の空隙として形成できるようにしてあることを特徴とする請求項1または2に記載の魚介類の輸送用容器。
- 蓋体内の底部には排気孔の位置を避けて突出部を間隔をあけて形成し、当該間隔を突出部上に載置される冷却材との空隙として形成できるようにしてあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の魚介類の輸送用容器。
- 上記請求項1〜4の何れかに記載された魚介類の輸送用容器を用いて、容器本体に液とともに魚介類を収容し、液中に空気を分散させる分散器を備え、蓋体内に収容したエアーポンプとエアー導入管を介して接続させ、蓋体側部の通気口からエアーを導入させ、上記蓋体内壁の隅部L形内面およびエアーポンプの配置枠内面に形成された突出部によって、エアーポンプと蓋体内壁および配置枠内面との間に生じた空隙を介してエアーポンプは導入されるエアーを吸引し、液中にエアーを吹き込みながら輸送することを特徴とする魚介類の輸送方法。
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