JP3789344B2 - 活魚輸送容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活魚輸送容器に関し、特に、魚介類を鮮度を落とすことなく長い時間にわたって収容しかつ輸送するために、エア供給装置と共に用いられる発泡樹脂製の活魚輸送容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
エア供給装置と共に用いられる発泡樹脂製の活魚輸送容器は知られている。特開2001−148960号公報には、水槽を形成する容器本体と、蓋と、補助蓋より構成され、蓋内にはポンプ収容室と冷媒室とを形成した魚介類の輸送用容器が記載されている。この容器は、エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースとからなるエア供給装置と共に用いられ、魚介類の輸送時には、エアポンプを蓋に形成したポンプ収容室に収容セットし、エア分散機を水槽底部に取り付け、蓋に形成した孔を通したエアホースによりエアポンプとエア分散機とをつなぎ合わせるようにしている。
【0003】
特開平07−50955号公報には、エア供給装置と共に用いる発泡樹脂製の容器が記載されており、そこにおいて、容器本体側に、空気を水槽中に吹き込むために使用するエアポンプと乾電池などを収容する空間を一体に成形したものが記載されている。ここでも、エア分散機が用いられており、エアポンプとエア分散機とをつなぐエアホースは、エアポンプ収容室の壁面を貫通して設けてある。
【0004】
実用新案登録第2576822号公報にはエア供給装置と共に用いる観賞用輸送容器が記載されており、ここでも、前記特開平07−50955号公報に記載の容器と同様、容器本体側にエアポンプを収容する空間が一体に成形されており、エアポンプ収容室の壁面に形成した貫通孔を通してエアホースを水槽内に引き込み、水槽底面に固定したエア分散機にエアを供給するようにしている。水槽内で、エアホースは吸盤を利用して位置決めがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような輸送容器は、エア供給装置を容器内に一体に収容し水槽にエアを供給しながら魚介類の輸送を行うことができるので、輸送が簡便なばかりでなく、魚介類の鮮度を落とすことなく長時間にわたる輸送が可能となる。特に、全体を発泡樹脂で作った活魚輸送容器は、軽量であり断熱性に富むことから、高級魚を漁港から都会の消費者などに直送する手段として、有効に用いられている。
【0006】
通常、このような活魚輸送容器では、衛生的な観点から、発泡樹脂製である容器本体と蓋は一回きりの使用が普通であり、使用後には廃棄処理される。しかし、エアポンプを含むエア供給装置は、比較的高価なものであり、清浄化する作業も容易であることから、輸送コストを考慮すると複数回にわたって反復利用することが望まれる。そのために、使用後に、容器側からエア供給装置全体をそのままの状態で取り外せることは、作業効率の点からきわめて望ましい。また、発泡樹脂製の容器とエア供給装置とを容易に分別できることは、廃品の種類別回収の観点からも望ましい。もちろん、発泡樹脂製の容器本体と蓋とは、充分に清浄化する作業を行えば、反復利用することは可能である。このときでも、エア供給装置全体をそのままの状態で取り外せることは、作業効率の点からきわめて好ましい。
【0007】
一方、通常は別ルートで納品される発泡樹脂製容器とエア供給装置とを一体に組み付ける作業は、活魚類を容器内に収容する作業場(例えば、漁港の集魚場や養魚場など)で行われるが、セットとして一体に組み立てられた状態で納品されるエア供給装置を、分解することなくそのままの状態で発泡樹脂製の容器に組み付けることができれば、現場作業は大きく効率化し、作業時間の短縮化が図れる。鮮魚を容器に収容する現場での作業時間の短縮は、鮮度維持に大きく貢献する。
【0008】
ところで、前記特開2001−148960号公報に記載の輸送用容器は、エアポンプを蓋側に収容し、蓋に形成した細孔を通して水槽側に伸ばしたエアホースの先端にエア分散機を接続するようにしており、エア供給装置を一度分解した状態としないと、容器への組み付けはできない。このことは、容器の廃棄時にエア供給装置を分離するときにも同様であり、組み付け作業、分離作業が容易とはいえない。また、エアホースはどうしても蓋裏面から垂下する状態となるので、水槽内で障害物となる可能性もある。さらに、エアポンプが蓋側に収容されているので、エア分散機を水槽底面に固定する作業も容易でない。
【0009】
特開平07−50955号公報および実用新案登録第2576822号公報に記載される形態の容器は、容器本体側にポンプ収容室を形成しており、蓋とエア供給装置とは互いに独立した状態となっている。従って、蓋の開閉はエア供給装置と無関係に行うことができ、エア分散機を水槽底面に固定する作業も容易に行うことができる。しかし、いずれにおいても、エアポンプとエア分散機とをつなぐエアホースはエアポンプ収容室の壁面を貫通して設けるようになっており、ここでも、エア供給装置を一度分解しないと、容器への組み付けを行うことはできない。
【0010】
また、通常、この種の鮮魚輸送容器において、容器本体側にポンプ収容室を形成する場合、輸送中に水槽内の水がポンプ収容室内に入り込まないように、蓋裏面とポンプ収容室の上方開放口との間に何らかの水密手段が形成されるが、そのような手段を蓋裏面に形成した場合、容器本体に対する蓋の向きが制限されるようになり、鮮魚収容時にそのつど蓋の向きを確認する作業が必要となる。
【0011】
さらに、このような鮮魚輸送容器を輸送するに際して、多段に積み重ねてコンテナに収容されることが予想されるが、段積みしたときに、エアポンプによる新鮮な空気の取り込み障害が発生することについての配慮は、従来の容器においては、特になされていない。
【0012】
本発明は上記のように事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースとからなるエア供給装置と共に用いる発泡樹脂製の活魚輸送容器において、エア供給装置全体を分解することなくそのままの状態で、水槽を形成する容器本体に容易に組み付けることかでき、また容易に取り外すことができるようにすることにある。また、他の目的は、蓋裏面にポンプ収容室を水密的に封止する突起を形成したものでありながら、蓋をするときの容器本体に対する蓋の向きの自由度を大きくすることにある。また、さらに他の目的は、段積みしたときにエアの取り込み障害が生じないようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による活魚輸送容器は、エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースとからなるエア供給装置と共に用いる発泡樹脂製の活魚輸送容器であって、水槽を形成する容器本体と、容器本体に水密に嵌合係止する蓋とからなり、容器本体には少なくとも1個のポンプ収容室が水槽室とは隔離して設けてあり、蓋裏面にはポンプ収容室に水密的に嵌入する突起が形成されており、さらに、ポンプ収容室上端面と蓋裏面との間には、ポンプ収容室に収容されたエアポンプと水槽内に設置されたエア分散機とをつなぐエアホースを気密的に嵌め込むことのできる開口が形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記の活魚輸送容器では、ポンプ収容室は容器本体側に設けてあり、エア供給装置と独立して蓋の開閉を行うことができる。また、蓋裏面にはポンプ収容室に水密的に嵌入する突起が形成されており、ポンプ収容室内に水槽の水が入り込むことはない。さらに、ポンプ収容室上端面と蓋裏面との間には、ポンプ収容室に収容されたエアポンプと水槽内に設置されたエア分散機とをつなぐエアホースが気密的に嵌め込むことのできる開口が形成されているので、一体に組み立てられているエア供給装置を、そのままの状態で、エアポンプをポンプ収容室に収容し、エア分散機を水槽の底面に固定し、エアホースを前記開口部に嵌め込むことにより、容器本体への組み付けを終えることができる。その後、水槽に水を入れ、鮮魚類を収容して蓋をすることにより、水密状態とされた輸送容器はできあがる。輸送先では、必要時に、空になった容器本体からエア供給装置をそのままの形で容易に取り外すことができる。
【0015】
従って、本発明による活魚輸送容器では、鮮魚類の輸送前の作業がきわめて簡素化でき、また、輸送後に発泡樹脂製である容器とエア供給装置とを容易に分別することができる。そのために、トータルの作業時間の短縮が可能となり、エア供給装置の再使用も容易となり、廃棄物の分別回収も容易となる。あるいは、容器の再使用も容易となる。結果として、鮮魚輸送の大幅なコストダウンがもたらされる。
【0016】
使用する発泡樹脂の種類に特に制限はないが、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体などが好ましく、特に、強度と成形性の良さから、ポリスチレン系樹脂発泡体が好ましい。
好ましくは、蓋には冷媒室が形成され、該冷媒室に水密に嵌合係止する補助蓋をさらに有する。このような構成とすることにより、冷媒室に適宜の保冷材を収容することができ、水槽内の昇温を抑制することができる。
【0017】
好ましくは、蓋裏面の突起および開口は、蓋中心に対して点対称の位置に複数個(ポンプ収容室が1個の場合には、点対称の位置に2個)形成される。このようにすることにより、蓋の向きに格別の注意を払うことなく、蓋締め作業を行うことができる。
【0018】
上記の活魚輸送容器において、ポンプによる空気の取り入れ口が容器本体の底面に形成され場合には、段積みしたときに塞がれてしまうことが起こり得る。従って、本発明による活魚輸送容器の好ましい態様では、ポンプ収容室を有底なものとし、容器本体の側壁にポンプ収容室に連通する通気孔を形成する。それにより、段積み時に新鮮な空気が取り込めなくなる恐れは完全に解消される。
【0019】
この種の活魚輸送容器において、エアホースが水中に浮遊状態で存在するのは好ましくなく、壁面などを利用して固定した状態としておくことが望まれる。このために、本発明による活魚輸送容器の好ましい態様では、水槽の壁面や底面に、エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースを嵌入して位置決めするための凹溝が形成される。エア供給装置を容器本体に組み付けるときに、該凹溝に沿ってエアホースを圧入していくだけで、容易にエアホースを水槽の壁面あるいは底面に固定することができる。吸盤などの他の固定手段を用いないので、作業は容易であり、不要な異物を水槽内に残すこともない。
【0020】
この種の活魚輸送容器において、蓋に冷媒室を形成し、そこに適宜の保冷材を収容して、水槽内の昇温を抑制することが行われる。一方において、容器本体に形成したポンプ収容室に収容されたポンプは発熱する。長時間にわたり発熱が継続すると、その熱が水槽側に伝わり悪影響が生じる恐れがある。従って、本発明による活魚輸送容器の好ましい態様では、蓋に形成された冷媒室の冷気の一部がポンプ収容室に導入されるようにし、前記障害が生じるのを抑制している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による活魚輸送容器を実施の形態に基づき説明する。図1は活魚輸送容器の全体構成を斜視図で示している。図2は容器本体を斜め上方から見た斜視図であり、図3はその平面図、図4はその側面図である。図5は蓋を斜め上方から見た斜視図、図6は図5に示した蓋を斜め下方から見た斜視図である。図7は鮮魚を収容した状態での本発明による活魚輸送容器を断面で示している。図8a〜cはポンプ収容室上端面と蓋裏面との間に形成される開口の3つの異なった態様を示す断面図である。図9は蓋と補助蓋との係合状態を説明するための要部断面図である。図10は蓋の他の形態を斜め上方から見た斜視図、図11は図10に示した蓋を斜め下方から見た斜視図である。図12は図10、図11に示す蓋を使用した場合での本発明による活魚輸送容器を断面で示している。
【0022】
本発明による活魚輸送容器1は、水槽を形成する容器本体10と、容器本体10に水密に嵌合係止する蓋50と、該蓋50に水密に嵌合係止する補助蓋40とからなる。好ましくは、3つの部材はともに発泡倍率20〜80倍程度の発泡ポリスチレン製である。
【0023】
容器本体10は全体として箱形形状であり、内部空間が水槽11として利用される。内部空間の一部(図示の例では、1つの偶部)には側壁12で囲まれた有底の空所で形成されており、ポンプ収容室13として機能する。特に図示しないが、容器中心に対して点対称の位置(図示の場合には、対向する偶部)に同様にしてポンプ収容室13を形成してもよい。
【0024】
容器本体10の上端側の4周囲は内側への段差部14とされ、その位置より上に凸条15が形成されている。そして、該凸条15の両側壁面にはわずかな膨らみ16が形成されている。凸条15の上端面と前記ポンプ収容室13を区画する側壁12の上端面の高さは等しく、側壁12の上端面には、後記するエア供給装置70のエアホース73の直径よりもわずかに狭い幅と深さの凹溝17が形成されている。また、該凹溝17に連続するようにして、側壁12の水槽側の壁面にも同じ形状の凹溝19aが形成され、さらに、該凹溝19aに連続するようにして、容器本体10の底面にも所定長さに凹溝19bが形成されている。ポンプ収容室13の内側壁部分には複数個の突起18が形成されており、そこに収容するエアポンプ71との間に隙間が形成されるようにしている。
【0025】
前記段差部14における4隅の外側部分には窪み20が設けてあり、そこに指を入れることによって蓋50の取り外しを容易化している。容器本体10の側壁外周面には取手となる切り欠き部21が設けてあり、輸送時などでの活魚輸送容器1の持ち上げや搬出を容易化している。また、前記ポンプ収容室13に面する側壁部分にも切り欠き22を形成し、該切り欠き22の側面にポンプ収容室13に連通する通気孔23をして、外気とポンプ収容室13との通気性を確保している。さらに、容器本体10の底部には所定高さの膨出部24が形成されている。
【0026】
蓋50は、裏面の4周囲に、容器本体10に形成した凸条15が嵌入する凹溝51を備える。該凹溝51の両内側壁には、前記凸条15の両側壁面に形成したはわずかな膨らみ16が嵌入するわずかな凹み52が全周に渡って形成されている。それにより、蓋50は容器本体10の開放した上端面に対して高い水密状態を維持した状態で嵌合係止することができる。
【0027】
蓋50の裏面の対向した2つの偶部には、容器本体10に形成したしポンプ収容室13に水密的に内嵌入することのできる突起53が形成されており、突起53の周壁に沿うようにして、容器本体10に形成した側壁12の先端が水密的に嵌入できる凹溝54が形成されいてる。さらに、突起53には、前記側壁12に形成した凹溝17に連続する位置に、凹入溝55が形成されており、そこを前記したエアホース73が通過できるようになっている。
【0028】
蓋50の裏面中央部には凹陥部56が一体成形され、冷媒室として利用される。凹陥部56の底面は多数の開口57を有し、そこを通して冷気は水槽11内に流れ込む。蓋50の表面側における凹陥部56の周囲は段差部58とされ、該段差部58の4周囲の側壁にはわずかな膨らみ59が形成されている(図9参照)。蓋50の4周囲には一定高さの土手60が形成されており、容器本体10の底部に形成した前記膨出部24が土手60の内側に嵌入する。蓋50の表面には、前記土手60を通過するようにして凹陥部61が設けてあり、該凹陥部61には水槽11内に連通する通気孔62が形成されている。
【0029】
補助蓋40は、蓋50に設けた凹陥部56の前記段差部58に内嵌合する寸法であり、その4周囲には、段差部58の4周囲の側壁に形成したわずかな膨らみ59が嵌入するわずかなへこみ41が形成されている。蓋50に設けた前記段差部58に補助蓋40を取り付けると、両者は高い水密状態を維持した状態で嵌合係止する。この例において、取り付けた補助蓋40の取り外しを容易にするために、段差部58の周囲には切り込み63を設けている。
【0030】
上記の鮮魚輸送容器1を使用するに際しては、容器本体10、蓋50、補助蓋40と共に、従来知られた、エアポンプ71とエア分散機72と両者をつなぐエアホース73とからなるエア供給装置70(図7参照)を用意する。同時に、冷媒室(凹陥部56)に入れる保冷材80も用意する。最初に、エア供給装置70を容器本体10に組み付ける。エアポンプ71をポンプ収容室13内に挿入し、エアホース73を側壁12の上端面に形成した凹溝17内に圧入し、次いで、側壁12の水槽側の壁面に形成した凹溝19aから、さらに、容器本体10の底面に形成した凹溝19bに順次圧入する。それにより、エアホース73は壁面及び底面に沿って安定的に取り付けられ、不用意に浮遊することはない。また、エアホース73の先端に取り付けられたエア分散機72も水槽11の底面に安定した状態で位置するようになる。なお、図で25はエアホース73を挟持して姿勢をさらに安定させるための突起であるが、省略可能である。
【0031】
その状態で、図示しないポンプにより海水を水槽11内に供給し、輸送しようとする活魚類90を入れたのち、蓋50をする。容器本体10に設けた凸条15が蓋50の裏面に形成した凹溝51が嵌入することにより、両者間は水密的に封止される。また、側壁12の先端がやはり蓋50の裏面に形成した凹溝54に嵌入することより、ポンプ収容室13と水槽11との間も水密的に封止される。その際に、ポンプ収容室13を区画する前記側壁12の上端面(頂部)には凹溝17が形成されており、その中にエアホース73が水密的に入り込むことができるので、エアホース73の存在が蓋をするときの障害となることはない。冷媒室内に保冷材80を入れ、補助蓋40をすることにより、活魚類90を収容した輸送容器は完成する。
【0032】
輸送時に、鮮魚類を収容した輸送容器を段積みしても、ポンプ収容室13への空気取り入れ口(通気孔23)は容器本体10の側壁に形成した切り欠き22の部分に形成されているので、空気の取り込みが障害を受けることはない。また、蓋50に設けた通気孔62も、蓋表面から一段下がった場所(凹陥部61)に形成されているので、そこでの通気性が障害を受けることもない。
【0033】
輸送終了時に、容器本体10の側壁に形成した窪み20に手を入れ、蓋50を取り外し、必要な活魚類90を水槽から取り出す。必要な場合には、再度蓋をして、残った活魚類90をそのまま水槽11内で保管する。輸送容器1を洗浄または処分する場合には、切り込み63に指先を入れて補助蓋40を取り外し、保冷材80を取り出し、蓋50を外す。水槽11内の水を捨て、容器本体10からエア供給装置70を一体のままで取り外す。取り外しは単に引き抜くだけで可能であり、その作業は容易である。取り外したエア供給装置70と保冷材80とを必要に応じて再使用に回し、分別回収した発泡樹脂製の輸送容器は洗浄処理または廃棄処理に回す。
【0034】
図10、図11は、蓋50の他の形態を示す。この蓋50Aは、冷媒室(凹陥部56)内をポンプ収容室13に連通するための通気孔64が、蓋裏面に形成した前記ポンプ収容室13に水密的に内嵌合する突起53部分に形成されていて、該通気孔64を通して冷媒室(凹陥部56)の冷気がポンプ収容室13内に導入されるようになっている点で、図5、図6に示した蓋50とは、構成と機能を異にしている。
【0035】
冷媒室(凹陥部56)をポンプ収容室13に連通させるための通気孔64を形成する具体的構成は任意であってよいが、図10、図11に示す例では、冷媒室(凹陥部56)の面積を前記突起53が形成されている領域にまで広げ、その部分に突起53全体を貫通するようにして通気孔64を形成している(使用状態を示す図12も参照されたい)。蓋50Aの他の構成は実質的に蓋50と同じであり、同じ符号を付すことにより説明は省略する。なお、蓋50Aは、蓋50での凹陥部61とそこに形成した通気孔62に相当する構成を有していないが、冷媒室(凹陥部56)の面積を調整することにより、設けることは可能である。
【0036】
図8b、図8cは、ポンプ収容室13を区画する側壁12の上端面と蓋50(50A)の裏面との間でエアホース73を水密的に通過させるための前記開口の他の態様を示している。上記の例では、図8aに示すように、側壁12の上端面に凹溝17を開口として形成したが、図8bの例では、蓋50(50A)の裏面に凹溝17aを開口として形成しており、側壁12の上端面は平坦面となっている。また、図8cの例では、側壁12の上端面と蓋50(50A)の裏面の双方に凹溝17、17aを形成して開口とし、両者間でエアホース73を水密的に挟持するようにしている。
【0037】
なお、上記の説明では、輸送に当たって保冷材80を収容することとしたが、近距離の輸送などの場合に保冷材80を用いないこともある。保冷材80を用いなくてもよい場合には、保冷材80を収容するための冷媒室(凹陥部56)を蓋50の中央部に形成しなくてもよく、従って、補助蓋40がなくてもよい。この場合は、図示しないが、蓋50の中央部はほぼ平板状となる。また、ポンプ収容室内にはエアポンプ駆動用の乾電池なども収容される。
【0038】
【発明の効果】
上記のようであり、本発明による活魚輸送容器では、エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースとからなるエア供給装置を分解することなくそのままの状態で、水槽を形成する容器本体に組み付けることができ、また取り外すことができるので、鮮魚輸送の前作業、後作業がきわめて簡素化されると共に、エア供給装置の再使用も容易となる。また、廃棄時の分別収集も容易となるので、環境に優しい製品となる。
さらに、蓋をするときの容器本体に対する蓋の向きの自由度を大きくすることができ、鮮魚梱包作業が容易化する。また、段積みしたときにエアの取り込みに障害が生じないことから、長時間の鮮魚輸送を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による活魚輸送容器の全体構成を分解して示す示す斜視図。
【図2】容器本体を斜め上方から見た斜視図。
【図3】容器本体の平面図。
【図4】容器本体の側面図。
【図5】蓋を斜め上方から見た斜視図。
【図6】図5に示した蓋を斜め下方から見た斜視図。
【図7】本発明による活魚輸送容器を鮮魚を収容した状態で示す断面図。
【図8】ポンプ収容室上端面と蓋裏面との間に形成される開口の3つの異なった形態を示す断面図。
【図9】蓋と補助蓋との係合状態を説明するための要部断面図。
【図10】蓋の他の形態を斜め上方から見た斜視図。
【図11】図10に示した蓋を斜め下方から見た斜視図。
【図12】図10、図11に示す蓋を使用した場合での本発明による活魚輸送容器を断面で示す図。
【符号の説明】
1…活魚輸送容器、10…容器本体、11…水槽、12…ポンプ収容室を区画する側壁、13…ポンプ収容室、17、19a、19b…エアホースのための凹溝、50、50A…蓋、53…ポンプ収容室に水密的に内嵌入する突起、56…凹陥部(冷媒室)、40…補助蓋、70…エア供給装置、71…エアポンプ、72…エア分散機、73…エアホース、80…保冷材 90…活魚類、23…ポンプ収容室への空気取り入れ口(通気孔)

Claims (5)

  1. エアポンプとエア分散機と両者をつなぐエアホースとからなるエア供給装置と共に用いる発泡樹脂製の活魚輸送容器であって、水槽を形成する容器本体と、容器本体に水密に嵌合係止する蓋とからなり、容器本体には少なくとも1個のポンプ収容室が水槽室とは隔離して設けてあり、蓋裏面にはポンプ収容室に水密的に嵌入する突起が形成されており、さらに、ポンプ収容室上端面と蓋裏面との間には、ポンプ収容室に収容されたエアポンプと水槽内に設置されたエア分散機とをつなぐエアホースを気密的に嵌め込むことのできる開口が形成されており、前記蓋裏面の突起および開口は蓋中心に対して点対称の位置に複数個形成されていることを特徴とする活魚輸送容器。
  2. 蓋には冷媒室が形成されており、冷媒室に水密に嵌合係止する補助蓋をさらに有することを特徴とする請求項1記載の活魚輸送容器。
  3. 冷媒室の冷気の一部はポンプ収容室に導入されるようになっていることを特徴とする請求項2記載の活魚輸送容器。
  4. ポンプ収容室は有底であり、容器本体の側壁にポンプ収容室に連通する通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の活魚輸送容器。
  5. 容器本体の少なくとも水槽部分には、前記エアホースを嵌入して位置決めするための凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の活魚輸送容器。
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