JP2004113140A - 活魚輸送用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプ収容室に収容するポンプと、容器本体内に収容する空気分散器とを接続するエアーチューブが容器本体から直接にエアーポンプ収容室に接続する場合、エアーポンプと容器本体の挿通孔との間から容器本体内の水がポンプ収容室に入る課題がある。
【解決手段】隔壁にて隔離形成されたポンプ収容室10を備えた容器本体1と、容器本体1に被蓋させる蓋体2とから構成され、ポンプ収容室10に収容するポンプPと、容器本体1内に収容する空気分散器Sとを接続するエアーチューブTを導通するための凹溝14を、隔壁を含まない容器壁1aに設け、この凹溝14は容器本体1外へ一旦迂回開放された排水用凹部15を介してポンプ収容室10に通ずる隔壁側の凹溝16と連通形成されていることを特徴とする活魚輸送用容器を提供する。
【選択図】      図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活魚輸送用容器に関し、魚介類を活性状態で良好に輸送できるようにした容器である。
【0002】
【従来の技術】
従来における魚介類を輸送する容器としては、水溶液とともに魚介類を入れ、エアーポンプから容器に噴き込まれた空気を、容器内に取り付けられた空気分散器によって水溶液中に常時噴き出しながら魚介類を輸送する発泡スチロール製の蓋付きの魚介類を輸送する容器において、エアーポンプが配置されている凹部空間の構造が容器外に排水可能な構造を採用してあるものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3289930号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアーポンプ収容室が排水可能であっても、一旦容器本体内の水がエアーポンプ収容室内に入る可能性のあることはエアーポンプの機能性維持の点からしても決して好ましいものではなかった。
特に、ポンプ収容室に収容するポンプと、容器本体内に収容する空気分散器とを接続するエアーチューブが容器本体から直接にエアーポンプ収容室に接続する場合、エアーポンプと容器本体の挿通孔との間から容器本体内の水がポンプ収容室に入ることもあり、ポンプ収容室付の容器の課題とされていた。
【0005】
そこで、本発明では、上記したポンプ収容室内に水が入るという課題を解決できる活魚輸送用容器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来品の課題を解決することのできる本発明による活魚輸送用容器としては、請求項1に記載したように、隔壁にて隔離形成されたポンプ収容室を備えた容器本体と、容器本体に被蓋させる蓋体とから構成され、ポンプ収容室に収容するポンプと、容器本体内に収容する空気分散器とを接続するエアーチューブを導通するための凹溝を、隔壁を含まない容器壁に設け、この凹溝は容器本体外へ一旦迂回開放された排水用凹部を介してポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝と連通形成されていることを特徴としている。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明による活魚輸送用容器にあっては、エアーチューブを容器本体内の空気分散器からポンプ収容室のポンプへと接続するに際しては、隔壁を含まない容器壁に設けた凹溝に導通し、この凹溝から、容器本体外へ一旦迂回開放された排水用凹部への導通を経て、ポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝に導通してポンプ収容室内のポンプへと接続することになる。
従って、隔壁を含まない容器壁に設けた凹溝とエアーチューブとの間から容器本体の水が入り込んでも、容器本体外へ一旦迂回開放された排水用凹部から容器本体外へ排水されることになり、隔壁側の凹溝へと水が達するのを防ぐことができ、ポンプ収容室へ水が入るのを防ぐことができる。
【0008】
また請求項1に従属する請求項2による本発明のように、ポンプ収容室の上端開口面には水封シールが貼着されてあることをを特徴としていると、ポンプを収容室にセッティング後貼着することにより、水封シールにてポンプ収容室の上方から万が一に水が入ろうとしてもこれを確実に防ぐことができる。
また請求項1または2に従属する請求項3による本発明のように、隔壁を含まない容器壁に設けた凹溝は、排水用凹部へ至るまでの経路が上り勾配に形成されてあることを特徴としていると、隔壁を含まない容器壁に設けた凹溝とエアーチューブ間に、仮に水が入り込んでも凹溝から排水用凹部へ至るまでの経路が上り勾配になっているため、容器本体内に水が戻り易くなり、水は排水用凹部へ進み難くなる利点がある。
【0009】
また、請求項1〜3の何れかに従属する請求項4の本発明のように、排水用凹部からポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝へ至るまでの経路が上り勾配に形成されてあることを特徴としていると、排水用凹部から隔壁側の凹溝へ行こうとする水が排水用凹部へ戻り易くなり、ポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝へ水は到達し難くなり、ポンプ収容室へ水が入るのを防止するのにより好適となる。
さらに請求項1〜4の何れかに従属する請求項5の本発明のように、排水用凹部から容器本体の外側寄りには、外方側が低くなるよう傾斜した排水部を連通形成してあることを特徴としていると、排水用凹部に仮に水が到達してもこの部分における排水部にてより排水を確実に行い得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施形態について図を参照しながら以下に順次説明する。
図1は何れも発泡ポリスチレン等の合成樹脂発泡体にて形成された容器本体1および蓋体2について、蓋体2の被着前を示している斜視図、図2は容器本体の平面図と一部の拡大平面図を示している。図3および図4は図2のA−A断面図およびB−B断面図、図5はポンプへのエアーチューブ導通状態を示す平面図を示している。
【0011】
各図にあって、10は海水を収容する容器本体1の対角位置において、数枚の隔壁11,12,13にて容器本体1から隔壁形成されたポンプ収容室であり、ポンプ収容室10にはポンプP(図5参照)を収容できるようにしてある。14はポンプ収容室10に収容するポンプPと、容器本体1内に収容した空気分散器S(図5参照)とを接続するエアーチューブTを導通するための凹溝であり、隔壁11,12,13を含まない容器壁1aに設けられている。
【0012】
上記凹溝14は容器本体1外へ一旦迂回開放された排水用凹部15を介してポンプ収容室10に通ずる隔壁11側の凹溝16と連通形成されている。これらの連通状態は図2(特に一部拡大平面図)に示されてあり、図2のA−A断面図を示す図3は、容器壁1a側の凹溝14と、ポンプ収容室10に通ずる隔壁11側の凹溝16との断面を示し、図2のB−B断面を示す図4は容器本体1の外へ一旦迂回開放された排水用凹部15の断面を示しており、排水用凹部15から容器本体1の外側寄りには、外方側へ低くなるよう傾斜した排水部15aを連通形成して排水用凹部15における容器本体1外への排水をより効果的に行えるように形成している。
【0013】
図1に示したポンプ収容室10上の鎖線で示す30はポンプ収容室10の上端開口面に貼着する水封シールであり、ポンプPをポンプ収容室10にセッティング後、開口部を覆うように貼着すると、ポンプ収容室10の上方から水が入り込むのを完璧に防ぐ上で非常に好適となる。
また図1の10aはポンプ収容室10へのエアー導入口である。さらに、図1の10bはポンプ収容室10の側面に、図2の10cはポンプ収容室10の底面にそれぞれ形成した突起であり、ポンプPの室内接触面を少なくして出し入れをし易くしている。図1の17は把持用凹部、21は蓋体2に形成したエアー抜き用の孔であり、蓋体2の周囲より一段低くしてあり、蓋体2付容器本体1をスタックした場合にもエアー抜きし易く形成してあり、この孔21に続く溝22は外方へ開放してあり、外方に近づくほど低い勾配に形成して蓋体2上に万が一にも水が溜まることがないように形成してある。図2の1cは容器本体1の底面に突設した保持部で、空気分散器S付近のエアーチューブTを保持している(図5参照)。
【0014】
次に、図6には容器本体1の要部となる凹溝14および凹溝16さらには両凹溝14,16間の排水用凹部15の連通形成部分についての側面図を示している。そして詳しくは、隔壁を含まない容器壁1aに設けた凹溝14は、排水用凹部15へと至るまでの経路が上り勾配に形成され、また排水用凹部15からポンプ収容室10に通ずる隔壁11側の凹溝16へ至るまでの経路がより勾配に形成されている。従って凹溝14が最も低く形成され、順次排水用凹部15から凹溝16へと高く形成され、エアーチューブTと各凹溝14間から一旦容器本体外方へ迂回開放される排水用凹部15さらには凹溝16へと水が進み難くなっており、特に排水用凹部15には外方寄りに傾斜した排水部15aを形成しているので、この部分での排水効果としては非常に有効適切となる。
【0015】
上記した連通形成部分にて、エアーチューブ導通部分からのポンプ収容室10への水の浸入を確実に防止できることになる。
図7にはポンプ収容室10が見える側面図を、図8にはポンプ収容室10の位置を変更した実施形態を図示しているもので、本発明により水がポンプ収容室10内に入らないようにした構成については、先の実施形態と同様である。
なお、凹溝14、さらには凹溝16の下面アールと高さの一部はエアーチューブTより少し小さく形成して実施することで水に対するシール性を良好に維持できる。
【0016】
また、図9には容器本体1と蓋体2に互いに密な嵌合状態を提供できるよう周囲にわたって細い凸条1bを一方に、細い凹溝2bを他方に形成して実施するのがシール効果をより上げる上で好ましい。
なお、本発明による活魚輸送用容器の実送テストについて以下に示した。
[活魚輸送用箱による実送テスト]
1.目的
活魚輸送箱の輸送環境把握の為、輸送中の海水温と外気を測定する。
2.装置
データレコーダー AM7002 (安達計器(株)製)
3.試験方法、条件
輸送ルート
大分県宇佐市 → 冷凍機付冷蔵車 → 大阪中央卸売市場
梱包、出荷方法
予め水温15℃に調整された水槽より海水約17リットルと活車海老3kg(103尾)を本発明によるエアーポンプ付き発泡スチロール容器に入れ凍結した蓄冷材300g 2個を投入後、蓋を粘着テープにて封をして出荷まで屋内常温放置。
4.試験区
(1)活魚箱
外寸550×350×275(h)mm  製品重量 363g/箱
内寸430×300×230       製品倍率    56倍
(2)ポンプ
品名 フィッシュメイトPUX−102型(販売元:佃通商(株))
仕様 電源 単1が2本  ポンプ 電池モーター+ゴム袋ポンプ
外寸 150×75×40mm
(3)エアーチューブ
外径φ7mm  塩ビ製
【0017】
【表1】
Figure 2004113140
【0018】
【発明の効果】
本発明による活魚輸送用容器によると、容器本体とは隔壁にて隔離されたポンプ収容室内へ水が浸入するのを確実に防止できる構成を採用してエアーチューブを容器本体内の空気分散器からポンプ収容室へと導通することができ、非常にポンプ収容室の機能性維持をはかる上で優れた防水効果を発揮できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋体被着前の容器本体と蓋体を示す斜視図である。
【図2】容器本体の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】ポンプを収容した容器本体の一部平面図である。
【図6】容器本体の要部側面図である。
【図7】容器本体の側面図である。
【図8】変更例を示す容器本体の平面図である。
【図9】容器本体と蓋体との嵌合を強化した部分の断面図である。
【符号の説明】
1  容器本体
1a  容器壁
2  蓋体
10  ポンプ収容室
11,12,13  隔壁
14  容器壁側の凹溝
15  一旦収容器外方へ迂回開放した排水用凹部
15a  排水部
16  隔壁側の凹溝
P  ポンプ
S  空気分散器
T  エアーチューブ

Claims (5)

  1. 隔壁にて隔離形成されたポンプ収容室を備えた容器本体と、容器本体に被蓋させる蓋体とから構成され、ポンプ収容室に収容するポンプと、容器本体内に収容する空気分散器とを接続するエアーチューブを導通するための凹溝を、隔壁を含まない容器壁に設け、この凹溝は容器本体外へ一旦迂回開放された排水用凹部を介してポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝と連通形成されていることを特徴とする活魚輸送用容器。
  2. ポンプ収容室の上端開口面には水封シールが貼着されてあることを特徴とする請求項1記載の活魚輸送用容器。
  3. 隔壁を含まない容器壁に設けた凹溝は、排水用凹部へ至るまでの経路が上り勾配に形成されてあることを特徴とする請求項1または2記載の活魚輸送用容器。
  4. 排水用凹部から、ポンプ収容室に通ずる隔壁側の凹溝へ至るまでの経路が上り勾配に形成されてあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の活魚輸送用容器。
  5. 排水用凹部から容器本体の外側寄りには、外方側が低くなるよう傾斜した排水部を連通形成してあることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の活魚輸送用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014057543A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Sekisui Plastics Shikoku Co Ltd 発泡樹脂製容器
JP2018117546A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 ジェックス株式会社 観賞魚用水槽

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