JP2975565B2 - 活魚の輸送用容器 - Google Patents
活魚の輸送用容器Info
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Description
えび、シマエビ、アカエビ、カニなどの各種海老類や甲
殻類、タイやヒラメ、フグなどの魚類、アワビやサザエ
のような貝類などからなる魚介類を、生きた状態で簡単
に輸送出来るようにした活魚の輸送技術に関する。
イやヒラメ、フグなどの高級な魚介類を生きた状態で輸
送する、いわゆる活魚の輸送においては、水槽を備えた
自動車で産地から生きた状態のまま輸送する方法や、図
11、図12に示すような発泡樹脂製の容器1に生きた
状態の魚介類と水を収納して蓋2で密閉し、酸素を容器
内に充填して海外もしくは国内の産地から飛行機で空輸
する方法などが行なわれている。
自動車で輸送する場合は、自動車の走行中に、水温が上
昇したり、魚が水と一緒に揺動して酔ってしまい、魚類
自体が肉離れ現象を起こしてしまい、活力の低下と鮮度
や味の低下、更には活魚としての商品価値を低下させて
しまうなどの問題があった。そこで最近は魚を仮死状態
で輸送し、現地に到着後蘇生させる方法もあるが、この
場合は仮死状態にする際の設備費や作業費などでコスト
アップを招来するという問題があると同時に、鮮度や味
の低下は免れないという問題がある。更にまた、何れの
場合も、水槽を備えた専用車や保冷車などを必要とし、
設備費が高価なこともあって、活魚市場におけるコスト
アップの要因になっているという問題があった。
泡樹脂製の容器1に生きた状態の魚介類と水を収納して
蓋2で密閉し、酸素を容器内に充填して海外もしくは国
内の産地から飛行機で空輸する方法の場合は、蓋の嵌合
部1aが1段の、いわゆる単一の段差しか有していない
ため、密閉機能が悪く、輸送中に機内で水漏れなどを起
こしてトラブルを招来するという問題がある。
脂製の袋に魚介類と水と酸素を充填して、図11、図1
2に示すような発泡樹脂製の容器に収納して輸送するこ
とも試みられているが、短時間で酸素不足となり、長距
離、長時間の輸送には適さないという問題があった。
えた専用車や保冷車などを必要とせず、空輸する場合で
も陸送する場合でも、輸送中に機内や車内で水漏れなど
を起こすことがなく、生きた状態の魚介類をそのままの
状態で、長時間、長距離輸送が出来るようにした活魚の
輸送技術を提供するのを目的とする。
発泡樹脂製の容器を、下方から順に、外側に断熱材を包
被した容器と、中蓋と、中仕切りの蓋と、容器を密閉す
る上蓋とで構成し、前記容器の上部周縁もしくは蓋の周
縁に、酸素の吸引口もしくは排気の放出口の何れか、或
はその両方を設けると共に、前記中仕切りの蓋に酸素送
給用ポンプを設けてなることをその手段としている。
材で包被されているから、保冷能力が高いこと、中蓋と
上蓋による密閉力が高いこと、酸素供給と使用済酸素の
排気が放出されるなどがあいまって、活魚の活力の低下
と鮮度や味の低下、更には活魚としての商品価値を低下
させることなく長時間、長距離輸送を可能とする。しか
も本発明ではこうした作用に加え、絶えず新しい外気が
取り入れられて新しい酸素が容器内に供給されると共
に、使用済酸素の排気が密封されることなく容器外に放
出されるので、あたかも容器が呼吸しているがごとき状
態を形成することが出来る。このため、水と接する中蓋
が排気圧で持ち上がることがないので、密閉度が保た
れ、水が漏れることはない。仮に酸素の放出口から水が
溢れても僅かであり、上方の蓋に衝突して容器内に戻さ
れるため、容器内の水が外へ漏れたり、水が少なくなっ
たりすることがない。
解組立図、図2はA視断面図を示す。図において、3は
発泡樹脂製、即ち具体的には発泡スチロール製の容器
で、生きた状態の魚介類と水を収納出来るようになって
いる。この容器3の上部周縁には、階段状の複数の段
差、例えば突条部3a、3bで形成される上蓋の嵌合部
の他に、中蓋4を載置もしくは嵌合する複数の段差3
c、3dを設けてある。
納した酸素発生器イが収容され、供給管ロと酸素吐出口
ハから常時酸素が容器内に送給されるようになってい
る。そして容器周縁の突条部3a、3bには外界の空気
を吸引する僅かなくぼみ、もしくは切欠溝からなる使用
済酸素の排気を放出する放出口3gを設け、容器への酸
素供給と使用済酸素の放出を行ないながら輸送すること
が出来るようになっている。
れた階段状の複数の段差3a、3b、3c、3dのう
ち、例えば3c、3dに載置もしくは嵌合される階段状
の複数の段差4c、4dが設けられ、密閉度を高くして
容器内の水が漏れないようになっている。 4zは把手
である。5は上蓋で、容器3の上部周縁を形成する突条
部3a、3bに嵌合するようになっており、下部周縁の
一部には、僅かなくぼみ、もしくは切欠溝からなる使用
済酸素の放出口5gが、容器3の酸素放出口3gと合致
するよう設けられている。通常中蓋4は容器3の周縁に
設けられた複数の段差3c、3dに、段差4c、4dを
載置もしくは嵌合するだけでも良いが、本実施形態で
は、把手4zを上蓋の突条片5zで上方から押圧するよ
うにして更に密閉度を高めている。この場合、中蓋4に
排気の放出口を設けなくても、段差3c、3dと段差4
c、4d周囲の僅かな隙間から排気の放出が行なわれる
ようになっている。但し、酸素や空気は通しても、水は
通さないほどの隙間なので、密閉度が損なわれることは
ない。
通常は蝋引き加工した耐水性の段ボール紙を外殻材と
し、内部に発泡ウレタン、グラスウールなどの充填材3
yを封入して構成してある。そして上端は、蓋類の位置
まで延在させると共に、蓋類の嵌合や脱着を阻害しない
よう、外方へ開くようになっている。但し断熱材はこれ
に限ることなく、単独の断熱容器として構成し、内部に
氷、ドライアイスなどを充填して容器3に脱着自在に構
成するなど、輸送距離、輸送時間、魚介類の種類に応じ
て適宜の手段を選択して採用することが出来るようにな
っている。3tはハンドリングを容易にするための把手
となる開口部で、吊下げ用ベルトや肩掛けベルトを取り
付けたりすることも出来るようになっている。
図、図4はB視断面図を示す。この実施形態は、容器周
縁に設けた階段状の複数の段差3a、3b、3c、3d
のうち、3a、3bに嵌合する中仕切りの蓋6を、中蓋
4と上蓋5の間に介在させて密閉するようにしたもの
で、上蓋の嵌合用突条片6aの内側には、酸素送給用ポ
ンプ7が設けてある。この酸素送給用ポンプ7を設ける
にあたっては、ポンプ単独でも良いが、冷却材の収納空
間6bを設け、送給酸素を冷却して容器内の水中に供給
するのが好ましい。6cはポンプの収納枠である。
熱材3xで包被し、蝋引き加工した耐水性の段ボールを
外殻材として、内部に発泡ウレタン、グラスウールなど
の充填材3yを封入して構成してある。但し断熱材はこ
れに限ることなく、単独の断熱容器として構成し、内部
に氷、ドライアイスなどを充填して容器3に脱着自在に
構成するなど、輸送距離、輸送時間、魚介類の種類に応
じて適宜の手段を選択して採用することが出来るように
なっているのは前述した実施形態と同様である。3tは
ハンドリングを容易にするための把手となる開口部で、
肩掛けベルトを取り付けたりすることも出来るようにな
っている。
される段差3c、3dには、酸素供給管7aの案内溝
と、使用済酸素の排気放出口を兼ねる切欠溝3fが設け
られ、中仕切りの蓋6に、酸素供給管7aと溝3fを介
して連通している。この中仕切りの蓋6には,上蓋5が
嵌合する突条部6a、6dのうち、内側の突条部6dに
酸素供給管7aの導通孔6eが設けられ、容器3の周縁
部もしくは突条部6a、6dに、使用済酸素の排気を放
出する放出口6gと、外気の酸素吸引口6h、6iが設
けられている。尚、酸素の吸引口と放出口を設けるにあ
たっては、水漏れせず、それでいて酸素や空気の吸排気
が出来れば、前記実施形態にとらわれず、容器3、もし
くは中蓋4、中仕切りの蓋6、上蓋5周縁に、酸素の吸
引口もしくは排気の放出口の何れか、或はその両方を適
宜組み合わせて設けても良いのはもちろんである。
視図である。このうち図5は中仕切りの蓋6についてそ
の一部を拡大して例示したもので、図中矢印方向に酸素
供給管7aの導通孔6eから使用済酸素の排気が、外気
の吸引口6hからは外気の酸素が矢印方向に吸引される
ようになっている。図6は容器3の周縁部に設けた使用
済酸素である排気の放出形態と外気の吸引形態について
その一部を拡大して例示したもので、容器の周縁部に形
成された突条部3bと段差3c、3dを横断するかたち
で切欠溝3fを設け、この溝内に酸素供給管7aを嵌合
し、かつ酸素供給管7aに沿って使用済酸素を矢印方向
に排出し、放出口6gから放出されるように構成したも
のである。
7aが容器外に露出することなく、上蓋や中仕切り蓋の
内部に収納されるように構成されているから、酸素供給
管の導通孔から容器外に水が漏れることはない。しか
も、使用済酸素の放出口や外気の酸素吸引口、更にはこ
れら放出口や吸引口と連通する蓋類の周縁部に形成され
た段差と容器周縁部の突条部で形成される溝を介して絶
えず新しい空気が容器内に供給されると共に、使用済酸
素の排気が密封されることなく容器外に放出されるの
で、あたかも容器が呼吸しているがごとき状態を形成す
ることが出来る。
輸送しようとすれば、+4℃〜+5℃が適温であり、+
10℃以上になると死に至るので、冷空気を送給して水
温を管理することは重要である。これは他の魚介類につ
いても同様で、それぞれの種類に応じて適温があるの
で、それに適合した温度に保冷出来るようにする。
1の参考例の周縁部の断面を拡大して示してある。本参
考例では、中蓋4の把手を兼ねる突条片4zを上蓋5の
突条片5zで押圧し、容器3の段差部に中蓋4の段差部
を押圧して容器全体の密閉度を高めるようにしてある。
図8は、図3、図4の一実施形態の周縁部の断面を拡大
して示したもので、中蓋4の把手を兼ねる突条片4Zを
中仕切りの蓋6の内面と当接させ、容器3の段差部に中
蓋4の段差部を押圧して容器全体の密閉度を高めてい
る。こうすることで、水を中蓋4の内面に接するまで充
満させることができ、輸送中に水が揺動することにより
魚介類が酔うのを防止することが出来る。
図で、水として海水8を用い、これを中蓋4の内面に接
するまで充満させ、その中に化学的酸素発生剤を収納し
た酸素発生器イを収容し、ボタンエビ9を生きた状態で
収容した例を示してある。もちろんボタンエビに限ら
ず、各種の魚介類でも同様である。このような形態で空
輸もしくは陸送に供すれば、魚介類を生きた状態のまま
何処へでも輸送出来る。
で、中仕切りの蓋6に設けた冷却材の収納空間6bに、
粒塊状の氷10を充填し、酸素供給ポンプ7を作動さ
せ、冷空気を吐出口7bから海水8の中に供給するよう
にした例を示してある。この場合、氷が溶けてもその水
は図5、図6に示す酸素供給管の導通孔6eと切欠溝3
fから容器3内に流下するので問題はない。更にまた、
輸送中に容器3内の水が揺動し、切欠溝3fから水が上
方に溢れてもすぐまた容器内に戻るので、これまた漏水
の問題はない。実験によれば、72時間を経過してもな
お生きた状態で収容した時と同じ活力を呈しており、長
時間、長距離の輸送が可能であることが確認された。
した例を示したが、伊勢エビ、シマエビ、アカエビ、カ
ニなどの各種海老類や甲殻類、タイやヒラメ、フグなど
の魚類、アワビ、サザエのような貝類などの魚介類を生
きたままの状態で輸送する場合すべてに適用出来るのは
言うまでもない。更にまた、淡水魚、海水魚を問わず輸
送出来るのはもちろんである。
がきわめて高いことから、魚介類を輸送する際に、水槽
を備えた専用車や保冷車を必要とせず、乗用車や軽自動
車などの一般車でも輸送出来る。従って、設備費が廉価
で、そのぶん活魚の輸送コストや流通コストを大幅に削
減することが出来る。しかも容器の密閉度が高く、酸素
や空気は通しても、水漏れを起こすことがないから、産
地の水や海水を用い、その中に生きた状態の魚介類を収
容し、適温状態、もしくは保冷した状態で空輸したり陸
送したりが自由自在に出来るので、新鮮な魚介類をいつ
でも何処からでも供給することが出来るようになる。
るから、保冷能力が高いこと、中蓋と中仕切り蓋と上蓋
による密閉力が高いこと、絶えず新しい酸素の供給と使
用済酸素の排気が放出出来ることなどとがあいまって、
容器が密閉されていてもあたかも容器が呼吸しているが
ごとき状態を形成することが出来る。従って、活魚の活
力の低下と鮮度や味の低下、更には活魚としての商品価
値を低下させることなく長時間、長距離の輸送が出来る
ようになる。
ながら、かつ送給酸素を冷却したり、容器を断熱材で包
被したり、更には断熱材として保冷材を採用したりなど
が自由自在に出来るので、適温が決まっているいかなる
魚介類にも適用できる。更にまた、水を中蓋に接するほ
どに充満させることが出来るので、水が揺動することで
魚介類が輸送中に酔ってしまったり、適温での輸送が出
来ないことによる活力の低下、鮮度や味の低下、更には
活魚としての商品価値の低下などを防止することが出来
る。しかも淡水魚や海水魚の区別なく、すべての魚介類
を保冷状態で生きたまま輸送することが出来るなど、種
々のすぐれた効果を奏するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】生きた状態の魚介類を輸送する発泡樹脂製
の容器を、下方から順に、階段状の複数の段差(3a、3b、3c、3d)が周縁
に設られ、 外側に断熱材(3x)を包被した容器(3)
と、前記容器(3)の前記段差(3c、3d)に載置もしく
は嵌合される階段状の複数の段差(4c,4d)を設
け、さらに、把手を兼ねる突条片(4Z)を有する 中蓋
(4)と、突条部(6a,6d)を有し、内面と前記突条片(4
Z)とを当接させ、前記容器(3)の前記段差(3c、
3d)に前記中蓋(4)の前記段差(4c,4d)を押
圧して前記容器(3)全体の密閉度を高める 中仕切りの
蓋(6)と、前記中仕切りの蓋(6)の前記突条部(6a,6d)に
嵌合し、前記 容器(3)を密閉する上蓋(5)と、で構
成し、 前記容器(3)の上部周縁もしくは前記中仕切りの蓋
(6)の周縁に、酸素の吸引口(6h,6i)もしくは
排気の放出口(3f、6g)の何れか、或はその両方を
設けると共に、前記中仕切りの蓋(6)に酸素送給用ポ
ンプ(7)を設けてなることを特徴とする活魚の輸送用
容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8318458A JP2975565B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 活魚の輸送用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8318458A JP2975565B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 活魚の輸送用容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10129767A JPH10129767A (ja) | 1998-05-19 |
JP2975565B2 true JP2975565B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=18099353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8318458A Expired - Fee Related JP2975565B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 活魚の輸送用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2975565B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104663559A (zh) * | 2015-01-07 | 2015-06-03 | 青岛海尔股份有限公司 | 制冷家电 |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
AU6182400A (en) * | 1999-08-04 | 2001-03-05 | Toshiro Urabe | Transportation method for aquatic creatures and transportation containers |
CN109436514A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-03-08 | 合肥维奥科技有限公司 | 一种龙虾运输用包装盒 |
-
1996
- 1996-10-25 JP JP8318458A patent/JP2975565B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104663559A (zh) * | 2015-01-07 | 2015-06-03 | 青岛海尔股份有限公司 | 制冷家电 |
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