JP3688111B2 - 樹脂固定化ヒドラジドとその誘導体並びにピラゾロン類の固相合成法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、樹脂固定化ヒドラジドとその誘導体並びにピラゾロン類の固相合成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
従来より、たとえばペプチド合成等においては、樹脂担体を用いての固相合成の方法が知られており、このような固相合成法は、類縁の多種類の化合物群を一挙に合成するのに有効な手段であって、各種化学反応にも固相合成法を適用することが考えられてきている。
【0003】
しかしながら、実際には、化学合成の主流である液相反応に比べて固相反応ではこれを適用することのできる反応が限られているという問題があった。
【0004】
固相合成法についてのこのような従来技術の状況にあって、この出願の発明者らは、有機合成において最も基本的でかつ重要な炭素−炭素結合生成反応を固相上で効率的に行うことにより、固相合成法の有効性を高めることを検討してきた。
【0005】
特に、この出願の発明者らは、アシルヒドラゾンを出発物質としてマンニッヒ型反応を触媒を用いて行う新しい方法を見出したことから、この方法の効率性を実用的にさらに向上させることのできる固相合成法を確立することが重要な課題となっていた。
【0006】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりのマンニッヒ型反応を固相合成法として実現するための新しい技術的手段を提供し、さらに具体的には、固相合成によるマンニッヒ型反応の適用によるピラゾロン類の合成方法を提供することをも課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記課題を解決するために、第1の発明として、次式
【0008】
【化16】
【0009】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示す)
で表わされることを特徴とする樹脂固定化ヒドラジドを、第2の発明として、次式
【0010】
【化17】
【0011】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示し、R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)で表わされる樹脂固定化ヒドラゾンを、第3の発明として、次式
【0012】
【化18】
【0013】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示し、R1、R2、R3およびR4は、各々、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)
で表わされることを特徴とする樹脂固定化β−ヒドラジノエステルを提供する。
【0014】
そして、この出願は、第4の発明として、前記第1の発明の樹脂固定化ヒドラジドの製造方法であって、次式
【0015】
【化19】
【0016】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示す)
で表わされるカルボン酸樹脂をエステル化し、次いでヒドラジンと反応させることを特徴とする樹脂固定化ヒドラジドの製造方法を、第5の発明として、前記第4の発明の製造方法において、次式
【0017】
【化20】
【0018】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示す)
で表わされる樹脂をカルボキシル化して次式
【0019】
【化21】
【0020】
のカルボン酸樹脂とすることを特徴とする樹脂固定化ヒドラジドの製造方法を、第6の発明として、前記第2の発明の樹脂固定化ヒドラゾンの製造方法であって、次式
【0021】
【化22】
【0022】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示す)
で表わされる高分子固定化ヒドラジドを、次式
R1−CHO
(R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基を示す)
で表わされるアルデヒド類と反応させることを特徴とする樹脂固定化ヒドラゾンの製造方法を、第7の発明として、前記第3の発明の樹脂固定化β−ヒドラジノエステルの製造方法であって、次式
【0023】
【化23】
【0024】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示し、R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)
で表わされる樹脂固定化ヒドラゾンを、次式
【0025】
【化24】
【0026】
(R2、R3、およびR4は、各々、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を、R5は炭化水素基を示す)
で表わされるケテンシリルアセタールと反応させることを特徴とする樹脂固定化β−ヒドラジノエステルの製造方法を提供する。
【0027】
また、この出願の第8の発明として、次式
【0028】
【化25】
【0029】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示し、R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)
で表わされる樹脂固定化ヒドラゾンを、次式
【0030】
【化26】
【0031】
(R2、R3およびR4は、各々、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示し、R5は炭化水素基を示す)
で表わされるケテンシリルアセタール類と反応させて、次式
【0032】
【化27】
【0033】
(P、R1、R2、R3およびR4は、前記と同じものを示す)
で表わされる樹脂固定化β−ヒドラジノエステルを合成し、次いで固相からの切出しと環化反応を行い、次式(A)(B)
【0034】
【化28】
【0035】
(R1、R2およびR3は前記と同じものを示す)
の少くともいずれかで表わされるピラゾロン類を合成することを特徴とするピラゾロン類の合成方法を、さらに第9の発明として、前記第6の発明の合成方法において、次式
【0036】
【化29】
【0037】
(Pは、樹脂高分子の主鎖を示す)
で表わされる樹脂固定化ヒドラジドを、次式
R1−CHO
(R1は、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を示す)
で表わされるアルデヒド類と反応させて、次式
【0038】
【化30】
【0039】
(P、およびR1は、前記と同じものを示す)
で表わされる樹脂固定化ヒドラゾンとするピラゾロン類の合成方法をも提供する。
【0040】
【発明の実施の形態】
この出願においては、まず前記第1の発明および第2の発明のとおり、樹脂固定化ヒドラジドと、樹脂固定化ヒドラゾンを提供するが、これらは、マンニッヒ型反応による固相合成法を可能とするものとしてこれまでに全く知られていないものである。
【0041】
樹脂固定化ヒドラジド,
樹脂固定化ヒドラゾン
のいずれの場合においても、前記のとおり、Pは、樹脂高分子の主鎖を示し、この主鎖:Pを構成する樹脂高分子については、付加重合体、縮重合体、それらの架橋体のいずれのものであってもよいが、たとえば炭素−炭素二重結合を持つアルケン類の付加重合もしくはその架橋重合体であるものが適当なものとして考慮される。アルケン類としては、脂肪族オレフィン、脂肪族ジェンをはじめ、α,β−脂肪族不飽和カルボン酸またはそのエステル、α,β−脂肪族不飽和ニトリルやスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族アルケン類の付加重合体もしくはその部分架橋体等が例示される。
【0042】
もちろん、縮重合体としてのポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエーテル、ポリアミド等の各種のものも考慮される。
【0043】
側鎖のフェニル基は、主鎖:Pとともに形成されるものであってもよいし、あるいは主鎖:Pの形成の後に、グラフト、もしくはペンダント付加等により形成されるものであってもよい。いずれの場合であっても、固相合成反応を阻害することのない、あるいはさらには反応を活性化する各種の置換基を有していてもよい。アルキル基、アリール基等の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、複素環基等の置換基が考慮される。
【0044】
なお、前記の樹脂固定化ヒドラゾンにおけるR1は、置換基を有していてもよい炭化水素基、もしくは複素環基であって、炭化水素基は、鎖状または環状の、飽和また不飽和の、脂肪族もしくは芳香族、芳香脂肪族の各種のものでよく、複素環基も同様に、含酸素、含窒素等の各種の複素環基であってよい。そして、これらは、固相合成反応を阻害することのない、あるいはさらに反応を活性化する各種の置換基、たとえばアルキル基、アリール基等の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、複素環基等の各種のものが考慮される。
【0045】
前記の樹脂固定化ヒドラジドについては、たとえば、前記のとおり、樹脂高分子を、カルボキシル化してカルボン酸樹脂とし、このものをエステル化した後にヒドラジンと反応させる等の方法によって製造することができる。
【0046】
カルボキシル化は、たとえばFrechetらの方法に従い、BuLiとの反応に次いでCO2を反応させることにより実施される。もちろん、この方法に限られることはない。カルボン酸樹脂からの樹脂固定化ヒドラジドの製造についても同様に、ヒドラジンとの反応には様々な態様が考慮されることになる。たとえばカルボン酸樹脂をエステル化し、次いで、ヒドラジン−水和物を反応させる。反応には溶媒を使用しなくともよいが、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)を有機溶媒として使用することも有効である。その他、ニトリル類や、ピリジン、ピペリジン等の含窒素複素環化合物も考慮される。
【0047】
ヒドラジン−水和物は、カルボン酸エステル樹脂に対して、0.5〜5当量比程度の割合で使用するのが適当である。反応温度は、30〜130℃程度、さらには60〜110℃程度とすることが考慮される。
【0048】
前記の樹脂固定化ヒドラゾンは、樹脂固定化ヒドラジドに対し、R1CHOで表わされるアルデヒド類と反応させることにより得られる。
【0049】
反応は、溶媒を使用し、10〜70℃程度、さらには30〜60℃程度の温度で反応させるのが適当である。溶媒としては、DMF、DMSO、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類等が、またこれらと酢酸との混合溶媒が適当なものとして考慮される。
【0050】
樹脂固定化ヒドラジドに対するアルデヒド類の反応時の使用割合は、当量比として、1〜10の範囲とするのが適当である。
【0051】
前記の樹脂固定化ヒドラゾンは、固相マンニッヒ型反応のための基質として用いることができる。この反応は、樹脂固定化ヒドラゾンを、前記のケテンシリルアセタール類と反応させることにより行われる。
【0052】
ここで、前記式中のR2〜R4については、置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基であって、樹脂固定化ヒドラジンにおけるR1と同様の種類のうちから選ばれたものとすることができる。
【0053】
また、R5は、脂肪族、あるいは芳香族、芳香脂肪族炭化水素のうちの各種のものであってよい。
【0054】
以上のようなケテンシリルアセタール類との固相反応は、たとえば、溶媒中において、希土類ルイス酸触媒を用いて行うことができる。溶媒としては、たとえばハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類さらには水、もしくはこれらの適当な混合溶媒とすることができる。
【0055】
希土類ルイス酸は、ルイス酸性を持つ、希土類金属の化合物であってよく、スカンジウム(Sc)、イッテルビウム(Yb)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ネオジウム(Nd)等の希土類元素の、有機酸エステル塩、アルコラート、有機金属化合物、有機錯体化合物等として形成されたものであってよい。なかでも、希土類トリフレート、たとえばSc(OTf)3がより適当なものとして例示される。
【0056】
樹脂固定化ヒドラゾンに対するケテンシリルアセタール類の使用割合は、一般的には、0.5〜10当量比、さらには1〜7当量比とすることが考慮される。希土類ルイス酸触媒については、当量比として、一般的には0.01〜1、さらには、0.1〜0.6程度とするのが適当である。
【0057】
反応温度としては−20〜40℃、さらには、室温もしくはその近傍とするのが適当である。
【0058】
以上の固相反応によって、この発明では、前記のβ−ヒドラジノエステルを得る。
【0059】
このβ−ヒドラジノエステルは、各種の含窒素有機化合物のライブラリー構築のための重要な手段となるものである。
【0060】
この発明においては、β−ヒドラジノエステル類を樹脂より切り出し環化反応させることにより前記の式(A)(B)のいずれかで表わされるピラゾロン類を合成する。
【0061】
この反応は、たとえばアルコール性溶媒を用いての金属アルコラートや塩基による反応として容易に行うことができる。アルコラートや塩基は、加熱条件下に、樹脂固定化β−ヒドラジノエステル類に対し、当量比として、一般的には0.8〜10さらには3〜7の割合で用いるのが適当である。
【0062】
樹脂固定化β−ヒドラジノエステル類を各種のものとすることにより、各種ピラゾロン類のライブラリーが効率的に固相合成されることになる。樹脂固定化β−ヒドラジノエステル類は、樹脂からの切り出しによってβ−アミノ酸、β−ラクタム類への合成に利用できるだけでなく、前記ピラゾロン類も、生理活性物質としての医薬品への合成中間体等として有用である。
【0063】
以上実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
次の反応式に従って、樹脂固定化ヒドラジドを製造し、次いでアルデヒドと反応させて樹脂固定化ヒドラジンを製造した後、ピラゾロンの固相合成を行った。
【0065】
【化31】
【0066】
【化32】
【0067】
<1>カルボン酸樹脂
室温下、Aldrich社製Polystyrene/divinylbenzen copolymer,1% cross-linked (1)(200−400mesh,Approx.,5.0g)にシクロヘキサン(40ml)を加え、そこに、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(4.0ml、25mmol)とn−ブチルリチウム(1.54M in hexane)(20ml,30mmol)を加える。65℃で4時間攪拌した後、樹脂をろ別し、シクロヘキサンで3回洗浄し、スラリー状にしたCO2・テトラヒドロフラン混合液を加える。続いて、テトラヒドロフラン:1N塩酸=1:1で3回、テトラヒドロフランで3回、水:テトラヒドロフラン=1:1で3回、水で3回、水:テトラヒドロフラン=1:1で3回、テトラヒドロフランで3回、エーテルで5回洗浄した後、室温、減圧下で10時間乾燥すると、カルボン酸樹脂(2)(0.76mmol/g)が得られる。
<2>メチルエステル樹脂
前記<1>において製造したカルボン酸樹脂(2)(5.0g)にメタノール(30ml)を加え、0℃に冷却した後、塩化チオニル(8.0ml,109.6mmol)と、テトラヒドロフラン(20ml)を加える。60℃まで昇温させ、10時間攪拌した後、樹脂をろ別し、メタノールで3回、テトラヒドロフランで3回、エーテルで5回洗浄する。これを室温、減圧下で10時間乾燥すると、メチルエステル樹脂(3)(0.75mmol/g)が得られる。
<3>樹脂固定化ヒドラジド
前記<2>において製造したメチルエステル樹脂(2.0g)にヒドラジン・一水和物(20ml)を加え、100℃で6時間攪拌した後、樹脂をろ別し、水で5回、水:ジオキサン=1:1で3回、ジオキサンで3回、エーテルで5回洗浄する。これを室温、減圧下で10時間乾燥すると、アシルヒドラジン樹脂(4)(0.75mmol/g)が得られる。
<4>樹脂固定化ヒドラゾン
前記<3>において製造した樹脂固定化アシルヒドラジン樹脂(4)(200.0mg,0.15mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド:酢酸=20:1(3.0ml)を加え、3−フェニルプロピオンアルデヒド(100.6mg,0.75mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.0ml)を加えた後、50℃まで昇温する。5時間攪拌した後、樹脂をろ別し、N,N−ジメチルホルムアミドで3回、水で3回、テトラヒドロフランで3回、エーテルで5回洗浄する。これを室温、減圧下で10時間乾燥すると、R1=−(CH2)2Phのアシルヒドラゾン樹脂(5)(0.69mmol/g)が得られる。
<5>樹脂固定化β−ヒドラジノエステル
前記<4>により製造されたアシルヒドラゾン樹脂(5)(200.0mg,0.15mmol)にスカンジウム(III)トリフラート(22.1mg,0.045mmol)と塩化メチレン(2.0ml)を加え、さらにR2,R3,R4=Meのイソ酪酸メチルエステル由来のケテンシリルアセタール(131.5mg,0.75mmol)の塩化メチレン溶液(1.0ml)を加え、室温下12時間攪拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、樹脂をろ別し、塩化メチレンで3回、テトラヒドロフランで3回、水で3回、テトラヒドロフランで3回、エーテルで5回洗浄した後、室温、減圧下で10時間乾燥すると、R1=−(CH2)2Ph、R2,R3,R4=Meのβ−ヒドラジノエステル樹脂(6)(0.64mmol/g)が得られる。
<6>ピラゾロン
前記<5>により製造したβ−ヒドラジノエステル樹脂(134.0mg,0.086mmol)にメタノール(2.0ml)と、ナトリウムメトキシド(23.2mg,0.43mmol)を加え、加熱還流下8時間攪拌する。アンバーライト(IRC−76)を加えた後、樹脂をろ別し、ろ液を減圧下溶媒留去し残査をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製すると、R1=−(CH2)2Ph、R2,R3=Meの式(A)で表わされるピラゾロン(7)(14.7mg,80%)が得られる。
(実施例2)
実施例1と同様にして、各種のピラゾロン類を固相合成した。
【0068】
その結果を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
(実施例3)
実施例1<1>において、ポリスチレンにph(CH2)4COClを用いて、フリーデルクラッツ反応を行い、次いでAlCl3−LAH還元を行った後にカルボキシル化してカルボン酸樹脂を製造した。その後は実施例1と同様にしてピラゾロンの固相合成を行った。
【0071】
その結果を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
固定化樹脂を変更することにより、特に、表2のように、スペーサー炭化水素鎖を導入することにより、ピラゾロン(A)(B)の選択性を変化させることができる。
【0074】
なお、以上の実施例1〜3において合成されたピラゾロンについて、その物性値を以下に例示する。
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、固相合成によるマンニッヒ型反応の適用によるピラゾロン類の合成が可能となり、ピラゾロン類が効率的なライブラリー構築も可能となる。
Claims (9)
- 次式
で表わされる樹脂固定化ヒドラゾンを、次式
で表わされるケテンシリルアセタール類と反応させて、次式
で表わされる樹脂固定化β−ヒドラジノエステルを合成し、次いで固相からの切出しと環化反応を行い、次式(A)(B)
の少くともいずれかで表わされるピラゾロン類を合成することを特徴とするピラゾロン類の合成方法。
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