JP3688025B2 - 電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、応答性の良さや小型軽量化が可能であるといった利点から、電動式パワーステアリング装置が注目されるようになってきた。
ところが、電動式パワーステアリング装置では、油圧式パワーステアリング装置の様な自然なパワーアシストができないため、行きと戻りでヒステリシスを持たせたり、最大転舵からの円滑な復元性能を発揮させたり、ラックエンドで過負荷とならないようにするには、操舵角の絶対値を検出して、操舵角に応じた各種の補正などを行う必要がある。
【0003】
このため、従来、タイヤの偏位を検出するセンサを追加したり(特公平4−57544号公報)、ラックエンドを検出するための近接スイッチを追加したり(実開平2−120280号公報、実開昭63−15272号公報)、同じくラックエンドを検出する様にラックに設けた凹部にストロークスイッチを嵌合させるようにしたもの(実公平4−4175号公報)が知られている。これらの装置では、新たなセンサの追加が必要となるという問題がある。
【0004】
一方、車速が所定以上でかつ入力トルクが所定以下でかつモータ回転速度が所定値以下である場合に直進走行中と推定して中立位置を求めるもの(特公平7−25314号公報)が知られている。この装置では、新たなセンサの追加は不要であるが、DCモータを減速ギヤやクラッチを介してラック軸と連結したシステムであるため、モータ回転速度から推定するストローク位置は精度が悪いという問題がある。また、ストローク絶対位置は中立位置とモータ回転位置とから算出されるとしているが、クラッチ制御等が行われる関係から、ストローク位置の特定は簡単ではなく、複雑な演算が必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、新たなセンサを追加することなく、しかも、簡単に正確なストローク絶対位置を求めることができるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
本発明の電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置は、
操舵軸の入力トルクを検出するトルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
ラック軸と同軸的に設けられ、ロータをボールナットとして機能させつつラック軸のストロークをアシストするモータの電気角を検出する電気角検出手段と、
前記車速が所定車速以上であって、かつ、前記入力トルクが所定トルク以下であり、さらに、前記電気角の変化状態が所定角度以下である状態が所定時間に渡って継続したとき、その間に検出される電気角に基づいてストローク中立位置を決定する走行センター決定手段と、
該走行センター決定手段によってストローク中立位置が決定できたら、該ストローク中立位置から電気角が増大方向に変化して基準電気角に戻った場合に、電気角がプラス側に360°が進行する毎に1増加し、逆に、電気角がマイナス側に360°後退する毎に1減少する値である周期を1インクリメントし、逆に減少方向に変化して基準電気角に戻った場合に前記周期を1デクリメントする周期特定手段と、
該特定した前記周期と前記検出される電気角とから、ストローク中立位置に対するストローク絶対位置を算出するストローク絶対位置算出手段と、
初期値としての仮のストローク中立位置を設定する仮中立位置設定手段と、
該仮中立位置設定手段により設定された仮のストローク中立位置から一方へ向かっての電気角の変化量が、フルストローク操舵に対応する電気角の変化量を越える場合に、当該越えた量に基づいて前記仮のストローク中立位置を補正する仮中立位置補正手段とを備え、
該仮中立位置補正手段による補正が、左右両方向への所定以上の操舵に対応してなされた場合であって、前記走行センター決定手段によるストローク中立位置が決定されるまでの間、当該補正後の仮のストローク中立位置をストローク中立位置として、前記周期特定手段及びストローク絶対位置算出手段を動作させることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記ストローク中立位置決定手段を、前記所定時間に渡って検出される電気角の内、入力トルクが所定のしきい値以下のときに検出される電気角の平均値をとり、これをもってストローク中立位置とするように構成するとよい。
これらのストローク位置検出装置によれば、ストローク絶対位置を算出するための電気角検出手段は、ラック軸と直接結合されたモータの電気角を検出するものであるから、従来技術の様な機械的な誤差が少ない。また、クラッチを介在させないシステムであるから、単に周期をカウントしてやるだけで、相対的な角度変化しか分からないにも拘らず、ストローク絶対位置を簡単に算出することができる。
【0008】
なお、こうした電気角検出手段は、元々、ACサーボモータやステッピングモータといったモータの励磁相を決定するために必ず設けられるものであるから、新たなセンサの追加は不要である。そして、周期特定手段は、電子制御装置に組み込むソフトウェアで達成できるので、これもまた新たな部品の追加につながらない。
【0009】
また、本発明では、初期値としての仮のストローク中立位置を設定する仮中立位置設定手段と、該仮中立位置設定手段により設定された仮のストローク中立位置から一方へ向かっての電気角の変化量が、フルストローク操舵に対応する電気角の変化量を越える場合に、当該越えた量に基づいて前記仮のストローク中立位置を補正する仮中立位置補正手段とを備え、該仮中立位置補正手段による補正が、左右両方向への所定以上の操舵に対応してなされた場合であって、前記走行センター決定手段によるストローク中立位置が決定されるまでの間、当該補正後の仮のストローク中立位置をストローク中立位置として、前記周期特定手段及びストローク絶対位置算出手段を動作させるように構成しているので、例えばクランク道路の先に駐車場があるような場合に、発車直後の速いタイミングにおいてストローク絶対位置を検出することができる。
【0010】
なお、この装置においては、走行センター決定手段によりストローク中立位置が決定された場合には、これが優先されることとなるというのは、タイヤとラック軸との取付関係などにより、走行センターとラックセンターとは厳密には一致しない場合が多いからである。そして、操舵中立位置に一致するのは走行センターの方だからである。
【0011】
なお、より具体的には、前記モータがVRステッピングモータであり、前記電気角検出手段がレゾルバであるとよい。VRモータは永久磁石を用いないので、クラッチなしのシステムであってもマニュアル操舵時の抵抗が少ないからである。また、レゾルバは、高分解能を達成する上で有利だからである。
【0012】
そして、本発明によれば、電気角一周期内の角度(位相角)しか検出できないレゾルバを用いながらも、上記の様にしてラックストロークの絶対位置を精度よく特定することができるという顕著な効果を奏する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を適用した電動式パワーステアリング装置の実施例について説明する。
実施例の電動式パワーステアリング装置では、図1に示すように、タイヤ1,1とタイロッド3,3を介して両端を連結されたラック軸5に、ラック歯7とスクリュー溝9とを設けてある。ラック歯7には操舵軸11の下端に設けられたピニオン歯車13を噛み合わせ、マニュアルステアリングを可能にしている。また、スクリュー溝9には、これを取り囲む様にラック軸5と同軸的にステッピングモータ15を取り付け、両者の間にボール17を介在させてアシスト用のボールスクリューを構成している。
【0014】
このステッピングモータ15は、電子制御装置(ECU)30によって駆動制御される。ECU30には、操舵軸11に取り付けられて入力トルクの大きさを検出するトルクセンサ21、ステッピングモータ15のポジションを検出するポジションセンサ23及び車速センサ25からの検出信号が入力される。ECU30は、これら検出信号に基づいて、アシストトルク指令値を演算し、この指令値に従って、ステッピングモータ15に対してバッテリ27からの駆動電力を供給する。
【0015】
トルクセンサ21は、操舵軸上部と下部とを連結するトーションバーのねじれによって生じる歪の大きさに対応するアナログ信号を出力するものである。ポジションセンサ23は、ステッピングモータ15に装着されたレゾルバであり、ステッピングモータ15の電気角に対応する波形信号を出力するものである。実施例では、機械角=0゜〜60゜にて1周期となる複数の正弦波信号を出力する。各正弦波信号は位相がずれた波形となっているので、これら正弦波信号の振幅値の組み合せにより、電気角0゜〜60゜が一義的に判明する。車速センサ25は、スピードメータケーブル用の出力軸が1回転する毎に1パルスの信号を出力するものである。
【0016】
ステッピングモータ15は、VR型の4相励磁方式のものであり、その駆動回路の概略を示すと、図2の様に構成される。
第1相と第3相、第2相と第4相がそれぞれグループに分けられている。そして、各グループについてバッテリ27の正側とを結ぶコモンラインが設けられ、そこにそれぞれ1個ずつのMOS型FET(QA,QB)が配置されている。また、各相は独立ラインでバッテリ27の負側と接続され、そこに各1個のMOS型FET(Q1〜Q4)が配置されている。なお、駆動回路内には、転流用として、ダイオードDA,DB,D1〜D4が配置されている。
【0017】
この駆動回路により、左操舵及び右操舵に対して、それぞれ定められている順番に各相を励磁し、左右へのアシスト力を発生する様になっている。
ECU30は、その果たす役割に着目してブロック図に表すと図3の様になる。
【0018】
まず、入力部40として、トルクセンサ21からの検出信号を入力し、これを入力トルクデータに換算するための入力トルク換算部41と、車速センサ25からの車速パルス信号を入力し、これを車速データに換算するための車速換算部42と、ポジションセンサ23からの波形信号を入力し、これを電気角に換算する電気角換算部43とを備えている。
【0019】
演算部50には、入力トルクデータと車速データに基づいてアシストトルク指令値を演算する指令値演算部51と、電気角の変化に基づいてステッピングモータの回転角速度を演算する角速度演算部52と、電気角を補正する電気角補正部53と、モータの電気角,車速及び入力トルクに基づいてアシストトルク指令値を補正するための指令値補正部54と、アシストトルク指令値に基づいて駆動電流値を算出すると共に、入力トルクの正負により操舵方向を特定して励磁順を決定し、補正された電気角に基づいて励磁相を特定する励磁相&電流値演算部55とを備えている。
【0020】
指令値演算部51が実行する演算は、従来公知のものと同じであり、入力トルクTinに比例したアシストルク指令値Tcmd を算出する。
角速度演算部52は、前回演算タイミングにおける電気角と今回演算された電気角との差分からモータ回転角速度を算出する。そして、電気角補正部55は、今回検出された電気角に、このモータ回転角速度を加味して、次の演算タイミングまでの電気角の変化を予測するのである。
【0021】
指令値補正部53は、車速V、入力トルクTin及び電気角θに基づいて、ストローク絶対位置Sを特定し、ストローク絶対位置Sに応じてアシストトルク指令値Tcmd を補正する。
ここで、まず、ストローク絶対位置Sの決定の仕方について、図4,図5のフローチャートにて説明する。
【0022】
この処理は、イグニッションキーがオンとされたときに開始され、まず、センター割り出し実行フラグX1を1(オン)に、ラックストローク位置有効フラグX2,X3を0(オフ)にセットすると共に(S10)、現在の電気角θ0 を入力し(S20)、これを仮のストローク中立位置(仮センター)S0 ’及び最大最小角θmax ,θmin として設定すると共に位相角の周期Tを0とする(S30)。
【0023】
次に、電気角θn を入力し(S40)、前回入力されている電気角θn-1 と比較することによってモータの回転方向を特定しつつ周期Tを更新する。モータの回転方向は、次式により特定する。
【0024】
【数1】
1.1 θn−θn-1<−B゜のとき・・・T←T+1
1.2 θn−θn-1>B゜のとき ・・・T←T−1
ここで、Bの値としては、本ルーチンの実行1サイクル内でのモータの最大回転角度よりも十分に大きな値を設定する。従って、θn−θn-1<−B゜となるのは、電気角60゜(=電気角0°)を挟んで電気角が増大した場合に相当する。よって、上記1.1の様に、次の周期の電気角へと周期Tを1インクリメントするのである。また、θn−θn-1>B゜となるのは、電気角0゜(=電気角360°)を挟んで電気角が減少した場合に相当する。よって、この場合は、上記1.2の様に、周期Tを1デクリメントするのである。
【0025】
こうして周期が特定できたら、現在のストローク位置を算出するための絶対電気角(仮センターS0 ’を絶対電気角=0゜からのモータ回転角度積算値に相当する)θnow を算出する(S50)。
【0026】
【数2】
θnow60゜・T+θ−θ0
なお、右操舵を正(モータ正転)、左操舵を負(モータ逆転)とすると、Tと、θ,θ0 の関係は、図6に示すように表される。図6の波形信号は電気角一周期の概念を分かり易くするために、レゾルバの出力波形の1個だけを便宜的に表したものである。
【0027】
次に、θnow の最大値θmax と最小値θmin を更新する(S60)。より具体的には、θnow >θmax ならばθmax ←θnow と、θnow <θmin ならばθmin ←θnow といった具合いに、θnow が最大値θmax 及び最小値θmin を越える毎にこれらの値を更新するのである。
【0028】
次に、θnow が右方向フル操舵絶対角θfull+ を越えるか否かを判定する(S70)。このθfull+ は、正しいストロークセンターが割り出されており、当該センターを絶対電気角=0゜に設定したときに右方向フル操舵に対応する絶対電気角として設計上定まって来る値である。従って、θnow がθfull+ を越えるということは、仮センターS0 ’が真のセンターよりも左よりに設定されてしまったことを意味する。
【0029】
よって、この場合には、下記式に従って、仮センターS0 ’、θmax ,θmin 及びθnow を補正する(S80)。
【0030】
【数3】
0 ’← θ0 + (θfull+ −θnow
θmax ← θmax + (θfull+ −θnow
θmin ← θmin + (θfull+ −θnow
θnow ← θfull+
また、同様に、θnow が左方向フル操舵角θfull- を下回っている場合には、下記式に従って、S0 ’,θmax ,θmin 及びθnow を補正する(S90,S100)。
【0031】
【数4】
0 ’← θ0 + (θfull- −θnow
θmax ← θmax + (θfull- −θnow
θmin ← θmin + (θfull- −θnow
θnow ← θfull-
次に、θmax −θmin が所定の基準値A以上となっているか否かを判定する(S110)。この基準値Aは、左右へのフルストローク操舵量に相当する絶対電気角の変化量(θfull+ −θfull- )に近い値を設定しておく。そして、ここで肯定判断がなされたら、ラックストローク位置有効フラグX3を1(オン)にセットする(S120)。このフラグX3は、仮センターS0 ’が所定の信頼性を得たこと、換言するならば、現在求められている絶対電気角θnow が所定の信頼性を得たことを示すフラグである。
【0032】
また、これらの処理の後に、X1=1か否かを判定し(S120)、X=1ならセンター割り出し処理を実行する(S200)。
センター割り出し処理は、図7に示すように構成され、まず、車速Vを入力し、所定の基準車速以上となっているか否かを判定する(S210,S215)。「YES」と判定された場合には、入力トルクTinを入力し、これが所定の基準トルク以下になっているか否かを判定する(S220,S225)。「YES」と判定された場合には、電気角の変化量△θを入力し、これが所定の基準変化量以下になっているか否かを判定する(S230,S235)。これも「YES」と判定された場合には、タイマーtをスタートし(S240)、入力トルクTinが0となったときの電気角θを積算値Σθに加えると共に、積算個数nを1インクリメントする(S250,S255)。なお、Σθ及びnには初期値として0が設定されている。
【0033】
そして、タイマーtが5秒を計時してタイムアップしたか否かを判定し(S260)、タイムアップしている場合には、下記演算を実行して走行センターS0 を決定する(S270)。
【0034】
【数5】
0 =Σθ/n
また、フラグX1を0に、フラグX2を1に、周期Tを0に、それぞれ設定し直す(S280)。
【0035】
一方、S215,S225,S235のいずれかが「NO」の判定となった場合には、Σθ,n,tをそれぞれ0に初期化して本サブルーチンを抜ける(S290)。
再びメインルーチンに戻って説明すると、S120及びS200に続く処理として、X2=1か否かを判定する処理(S130)が実行される。「YES」と判定された場合には、ストローク絶対位置算出処理(S300)を実行する。一方、S130で「NO」と判定された場合には、さらに、X3=1となっているか否かを判定する(S140)。ここで「YES」と判定された場合には、S0 ←S0 ’としてストローク絶対位置算出処理(S300)へ移行する(S150)。しかし、S130,S140共に「NO」と判定されている場合には、ストローク絶対位置算出処理は行わず、S40へ戻る。
【0036】
ストローク絶対位置算出処理は、図8に示すように構成され、まず、位相角θと入力トルクTinを入力し(S310)、入力トルクTinの正負に基づいて操舵方向を特定すると共に、下記式に基づいて、ストローク絶対位置Sを算出する(S320)。
【0037】
【数6】
S=f(60゜・T+θn −S0
なお、fは関数を意味し、減速比などを考慮して、ストローク絶対位置を与えるものである。
【0038】
次に、指令値補正部54にて実行される指令値補正処理の内容について説明する。
この処理は、図9のフローチャートに示すように構成され、まず、アシストトルク指令値Tcmd を入力し(S410)、次に、ストローク絶対位置Sが算出できているか否かを判定する(S420)。算出できていない場合には、補正を行わない(S430)。一方、算出できている場合には、ストローク絶対位置Sを入力し(S440)、図10に示すようなリタナビリティ補正用テーブルを参照して補正トルク値Tstr を決定する(S445)。また、車速Vを入力すると共に、図11に示すような車速対応ゲインテーブルを参照して、ゲインGvsを決定する(S450,S455)。そして、下記式に従って、アシストトルク指令値Tcmd を補正する(S460)。
【0039】
【数7】
cmd ← Tcmd +Trtn
rtn ← Tstr ×Gvs
また、車速Vが所定の基準車速V1 以下となっているか否かを判定する(S470)。そして、「YES」と判定された場合には、図12に示す様なラックエンドダンピングテーブルを参照して、ラックエンドダンピングゲインGend を決定し(S480)、下記式に従って、アシストトルク指令値Tcmd を補正する(S490)。
【0040】
【数8】
cmd ← Tcmd ×Gend
以上の様に構成した結果、本実施例によれば、精度よくラックストローク位置を検出することができ、リタナビリティ制御やラックエンドダンピング制御といった制御をストローク位置に応じて的確に実施することができる。
【0041】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えばステッピングモータではなくACサーボモータやDCブラシレスモータをラック軸と同軸的なボールナットとして使用する様なシステムにおいても同様に構成でき、本発明の要旨を逸脱しない限り種々なる態様に変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の電動式パワーステアリング装置の全体を示す構成図である。
【図2】 実施例におけるステッピングモータ駆動回路の回路構成図である。
【図3】 実施例におけるECUの機能ブロック図である。
【図4】 実施例におけるストローク絶対位置決定処理のフローチャートである。
【図5】 実施例におけるストローク絶対位置決定処理のフローチャートである。
【図6】 実施例におけるTと、θ,θ0 の関係を示す説明図である。
【図7】 実施例におけるセンター割出処理のフローチャートである。
【図8】 実施例におけるストローク絶対位置算出処理のフローチャートである。
【図9】 実施例における指令値補正処理のフローチャートである。
【図10】 実施例におけるリタナビリティ補正用テーブルの説明図である。
【図11】 実施例における車速対応ゲインテーブルの説明図である。
【図12】 実施例におけるラックエンドダンピングテーブルの説明図である。
【符号の説明】
1・・・車輪、3・・・タイロッド、5・・・ラック軸、7・・・ラック歯、9・・・スクリュー溝、11・・・操舵軸、13・・・ピニオン歯車、15・・・ステッピングモータ、17・・・ボール、21・・・トルクセンサ、23・・・ポジションセンサ、25・・・車速センサ、27・・・バッテリ、30・・・ECU、41・・・入力トルク換算部、42・・・車速換算部、43・・・電気角換算部、51・・・指令値演算部、52・・・角速度演算部、53・・・電気角補正部、54・・・指令値補正部、55・・・位相角&電流値演算部。

Claims (3)

  1. 操舵軸の入力トルクを検出するトルク検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    ラック軸と同軸的に設けられ、ロータをボールナットとして機能させつつラック軸のストロークをアシストするモータの電気角を検出する電気角検出手段と、
    前記車速が所定車速以上であって、かつ、前記入力トルクが所定トルク以下であり、さらに、前記電気角の変化状態が所定角度以下である状態が所定時間に渡って継続したとき、その間に検出される電気角に基づいてストローク中立位置を決定する走行センター決定手段と、
    該走行センター決定手段によってストローク中立位置が決定できたら、該ストローク中立位置から電気角が増大方向に変化して基準電気角に戻った場合に、電気角がプラス側に360°が進行する毎に1増加し、逆に、電気角がマイナス側に360°後退する毎に1減少する値である周期を1インクリメントし、逆に減少方向に変化して基準電気角に戻った場合に前記周期を1デクリメントする周期特定手段と、
    該特定した前記周期と前記検出される電気角とから、ストローク中立位置に対するストローク絶対位置を算出するストローク絶対位置算出手段と
    初期値としての仮のストローク中立位置を設定する仮中立位置設定手段と、
    該仮中立位置設定手段により設定された仮のストローク中立位置から一方へ向かっての電気角の変化量が、フルストローク操舵に対応する電気角の変化量を越える場合に、当該越えた量に基づいて前記仮のストローク中立位置を補正する仮中立位置補正手段とを備え、
    該仮中立位置補正手段による補正が、左右両方向への所定以上の操舵に対応してなされた場合であって、前記走行センター決定手段によるストローク中立位置が決定されるまでの間、当該補正後の仮のストローク中立位置をストローク中立位置として、前記周期特定手段及び前記ストローク絶対位置算出手段を動作させることを特徴とする電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置。
  2. 前記ストローク中立位置決定手段は、前記所定時間に渡って検出される電気角の内、入力トルクが所定のしきい値以下のときに検出される電気角の平均値をとり、これをもってストローク中立位置とすることを特徴とする請求項1記載の電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置。
  3. 前記モータがVRステッピングモータであり、前記回転角検出手段がレゾルバであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動式パワーステアリング装置のストローク位置検出装置。
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