JP2017196991A - 操舵制御装置 - Google Patents

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【課題】車両電源がオフされている期間の消費電力をより低減することができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】EPSのECUは、車両電源がオフされている期間、モータの回転数を検出するバックアップ演算部43を有している。バックアップ演算部43は、回転角センサを通じてモータの回転数を検出する回転検出回路72、回転検出回路72に電力を供給する電源回路71、電源回路71の異常を検出する第1の異常検出回路73、回転検出回路72の異常を検出する第2の異常検出回路74、およびこれら4つの回路の動作を制御する制御回路75を有している。制御回路75は、車両電源がオフされているときには第1の異常検出回路73の動作を停止させる一方、車両電源がオンされているときには第1の異常検出回路73を連続動作させる。制御回路75は、車両電源の状態に関わらず電源回路71を常に動作させるとともに、回転検出回路72を間欠動作させる。【選択図】図3

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、モータによってアシストトルクを発生させる車両用の電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)が知られている。EPSの制御装置は、トルクセンサを通じて検出される操舵トルクに応じて、モータに発生させるトルクを制御する。制御装置は、回転角センサを通じて検出されるモータの回転角に応じて当該モータのコイルに通電する。また制御装置は、回転角センサを通じて検出されるモータの回転角および回転数に基づき操舵軸の回転角である操舵角を演算する。当該操舵角はEPSの制御に使用されたり、他の車載システムの制御に使用されたりする。
ここで、EPSにおいては、車両の電源スイッチがオフされてアシスト機能が停止されている場合であれ、何らかの外力によって操舵軸が回転されることがある。このため、モータの回転角および回転数に基づき操舵角を演算する構成が採用されるとき、電源スイッチがオフされている間においてもモータの回転状態を監視する必要がある。ただしこの場合、車載されるバッテリの消耗を抑える観点から、電源スイッチがオフされている間における消費電力の低減が求められる。
そこで、特許文献1の制御装置では、電源スイッチがオフされている間、回転角センサを間欠動作させることにより、モータの回転数を検出する。また制御装置は、モータの回転状態に応じて間欠周期を切り替える。制御装置は、モータの回転数が高いほど回転角センサの動作周期をより短く、モータの回転数が低いほど回転角センサの動作周期をより長く設定する。これにより、消費電力の低減が図られる。電源スイッチがオンされたとき、制御装置は電源スイッチがオフされている間に検出された回転数を加味して操舵角を演算する。
登録特許第5140122号公報
近年では、車両の電子化がますます進展する傾向にある。車両の安全性あるいは利便性などをより高める観点から、車両には様々な電子機器あるいは電子システムが搭載される。車両に搭載される電子機器などが増えるほど消費電力が増えるため、バッテリの負担もより大きくなる。このため、電子機器などの消費電力を低減すること、あるいはバッテリの負担を軽減することが依然として課題となっている。電源スイッチがオフされている間の消費電力についても、さらなる低減が求められている。
本発明の目的は、車両電源がオフされている期間の消費電力をより低減することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、車両電源がオンされているとき、車両の操舵機構に付与されるトルクの発生源であるモータを操舵状態に応じて制御するとともに、センサを通じて検出される前記モータの相対回転角および前記モータの回転数を使用して絶対操舵角を演算する主演算部と、前記センサを通じて前記モータの回転数を検出する回転検出回路、前記回転検出回路に電力を供給する電源回路、前記電源回路の異常を検出する異常検出回路、ならびにこれら3つの回路の動作を制御する制御回路を含む副演算部と、を有している。前記制御回路は、車両電源がオフされているとき、前記異常検出回路の動作を停止させるとともに前記回転検出回路を間欠動作させる一方、車両電源がオンされているとき、前記異常検出回路を連続動作させるものである。前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記異常検出回路の検出結果が前記電源回路の異常を示すものではないとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路を通じて得られる前記モータの回転数を加味して前記絶対操舵角を演算する。
この構成によれば、車両電源がオフされている期間、電源回路の異常を検出する異常検出回路の動作を停止させることにより、当該異常検出回路を動作させるために必要とされる電力の分だけ消費電力を低減することができる。また、車両電源がオフされている間に電源回路に異常が発生した場合、当該異常が発生した状態は基本的には電車両源がオンされた後も継続することを前提とするとき、車両電源がオフされている期間に発生した電源回路の異常を、車両電源がオンされた以降であれ検出することが可能である。また、車両電源がオンされている場合、車両電源がオフされているときに比べて消費電力を節約することに対する要求水準が低い。このため、車両電源がオフされている期間における消費電力を節約する観点から、車両電源がオンされることを契機として異常検出回路を動作させることが好ましい。
上記の操舵制御装置において、前記異常検出回路は、前記電源回路から前記回転検出回路へ供給される電力を取り込み、この取り込まれる電力に基づき前記電源回路の異常を検出するものであってもよい。この場合、前記異常検出回路は、前記取り込まれる電力に含まれるノイズを除去するフィルタを有していることが好ましい。
この構成によれば、異常検出回路は、フィルタによりノイズが除去された後の電力に基づき電源回路の異常を検出することが可能となる。このため、異常検出回路の検出精度あるいは検出信頼性がより向上する。なお前述したように、車両電源がオンされている場合、車両電源がオフされているときに比べて消費電力を節約することに対する要求水準が低い。このため、フィルタの処理時間をより適切に確保することが可能となる。
上記の操舵制御装置において、前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記異常検出回路の検出結果が前記電源回路の異常を示すものであるとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路により検出される前記モータの回転数を無効とすることが好ましい。
異常が検出された電源回路の電力に基づき回転検出回路が動作するとき、当該回転検出回路により演算されるモータの回転数に対する信頼性が懸念される。この点、上記構成によれば、誤っているおそれのあるモータの回転数に基づき誤った絶対操舵角が演算されることを回避できる。
上記の操舵制御装置において、前記電源回路の異常を検出する異常検出回路を第1の異常検出回路とするとき、前記副演算部は、車両電源がオフされている期間、前記回転検出回路の異常を検出する第2の異常検出回路を有していることが好ましい。この場合、前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のいずれの検出結果も異常を示すものではないとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路を通じて得られる前記モータの回転数を加味して前記絶対操舵角を演算することが好ましい。
この構成によれば、車両電源がオフされている期間、第2の異常検出回路により回転検出回路の異常を検出することができる。そして電源回路および回転検出回路のいずれについても異常が検出されないとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に回転検出回路を通じて得られるモータの回転数を加味して絶対操舵角が演算される。このため、絶対操舵角の信頼性をより高めることができる。
上記の操舵制御装置において、前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のうち少なくとも一の検出結果が異常を示すものであるとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路により検出される前記モータの回転数を無効とすることが好ましい。
回転検出回路の異常が検出されるときはもちろんのこと、異常が検出された電源回路の電力に基づき回転検出回路が動作するとき、当該回転検出回路により演算されるモータの回転数に対する信頼性が懸念される。この点、上記構成によれば、誤っているおそれのあるモータの回転数に基づき誤った絶対操舵角が演算されることを回避できる。
上記の操舵制御装置において、前記主演算部は、前記操舵状態を示す状態量として少なくとも操舵トルクに基づき前記モータに発生させるべき目標トルクの基礎成分を演算するとともに、前記絶対操舵角に基づき前記基礎成分に対する補償制御を実行するものであってもよい。この場合、前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のうち少なくとも一の検出結果が異常を示すものであるとき、前記補償制御の実行を停止することが好ましい。
電源回路に異常が検出されるとき、または回転検出回路に異常が検出されるとき、回転検出回路により演算されるモータの回転数に対する信頼性、ひいては当該モータの回転数を使用して演算される絶対操舵角に対する信頼性が懸念される。この点、上記の構成によれば、信頼性が懸念される絶対操舵角を使用する補償制御の実行が回避されることにより、より安全性を優先させた操舵制御が実行可能である。
本発明の操舵制御装置によれば、車両電源がオフされている期間の消費電力をより低減することができる。
電動パワーステアリング装置の一実施の形態を示す概略構成図。 一実施の形態における電子制御装置のブロック図。 一実施の形態におけるバックアップ演算部のブロック図。 一実施の形態におけるバックアップ演算部における制御回路の処理手順を示すフローチャート。 一実施の形態におけるモータ制御の処理手順を示すフローチャート。
以下、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)のECU(電子制御装置)に具体化した一実施の形態を説明する。
<EPSの概略構成>
図1に示すように、EPS10は、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構20、運転者のステアリング操作を補助する操舵補助機構30、および操舵補助機構30の作動を制御するECU40を備えている。
操舵機構20は、運転者により操作されるステアリングホイール21、およびステアリングホイール21と一体回転するステアリングシャフト22を備えている。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21に連結されたコラムシャフト22a、コラムシャフト22aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト22b、およびインターミディエイトシャフト22bの下端部に連結されたピニオンシャフト22cからなる。ピニオンシャフト22cの下端部は、ピニオンシャフト22cに交わる方向へ延びるラック軸23(正確には、ラック歯が形成された部分23a)に噛合されている。したがって、ステアリングシャフト22の回転運動は、ピニオンシャフト22cおよびラック軸23からなるラックアンドピニオン機構24によりラック軸23の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸23の両端にそれぞれ連結されたタイロッド25を介して左右の転舵輪26,26にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪26,26の転舵角θtaが変更される。
操舵補助機構30は、操舵補助力(アシスト力)の発生源であるモータ31を備えている。モータ31としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。モータ31は、減速機構32を介してコラムシャフト22aに連結されている。減速機構32はモータ31の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト22aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト22にモータ31のトルクが操舵補助力として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
ECU40は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求、走行状態および操舵状態を示す情報(状態量)として取得し、これら取得される各種の情報に応じてモータ31を制御する。各種のセンサとしては、たとえば車速センサ51、トルクセンサ52および回転角センサ53が挙げられる。車速センサ51は車速(車両の走行速度)Vを検出する。トルクセンサ52は、たとえばコラムシャフト22aに設けられている。トルクセンサ52はステアリングシャフト22に付与される操舵トルクτを検出する。回転角センサ53はモータ31に設けられている。回転角センサ53はモータ31の回転角θに応じた電気信号Sθを生成する。
ECU40は、回転角センサ53により生成される電気信号Sθに基づきモータ31の回転角θを検出し、当該検出される回転角θを使用してモータ31をベクトル制御する。また、ECU40は、ステアリングホイール21の回転角度である操舵角θsを演算する。ECU40は操舵トルクτ、車速Vおよび操舵角θsに基づき目標アシストトルクを演算し、当該演算される目標アシストトルクを操舵補助機構30に発生させるための駆動電力をモータ31に供給する。
<ECUの構成>
図2に示すように、ECU40は、駆動回路(インバータ)41、マイクロコンピュータ42、バックアップ演算部43および電源検出部44を有している。
駆動回路41、マイクロコンピュータ42およびバックアップ演算部43には、それぞれ車両に搭載されるバッテリなどの直流電源61から電力が供給される。マイクロコンピュータ42と直流電源61(正確には、そのプラス端子)との間は、第1の給電線62により接続されている。第1の給電線62には、イグニッションスイッチなどの車両の電源スイッチ63が設けられている。第1の給電線62において、電源スイッチ63とマイクロコンピュータ42との間には第1の接続点64が設定されている。第1の接続点64と駆動回路41との間は、第2の給電線65により接続されている。第1の給電線62において、直流電源61と電源スイッチ63との間には、第2の接続点66が設定されている。第2の接続点66とバックアップ演算部43との間は、第3の給電線67により接続されている。電源スイッチ63がオンされたとき、直流電源61の電力は第1の給電線62を介してマイクロコンピュータ42に供給されるとともに、第2の給電線65を介して駆動回路41に供給される。また、バックアップ演算部43には第3の給電線67を介して直流電源61の電力が供給される。回転角センサ53には図示しない給電線を介して直流電源61の電力が供給される。
駆動回路41は、直列に接続された2つの電界効果型トランジスタ(FET)などのスイッチング素子を基本単位であるアームとして、三相(U,V,W)の各相に対応する3つのアームが並列接続されてなるPWMインバータである。駆動回路41は、マイクロコンピュータ42により生成される制御信号に基づいて、直流電源61から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。当該三相交流電力は図示しない各相の給電経路を介してモータ31(正確には、各相のモータコイル)に供給される。
マイクロコンピュータ42は、操舵トルクτおよび車速Vに基づきモータ31に発生させるべき目標アシストトルクの基礎成分を演算する。また、マイクロコンピュータ42は、回転角センサ53により生成される電気信号Sθに基づきモータ31の回転角θを演算するとともに、当該演算される回転角θに基づき操舵角θsを演算する。マイクロコンピュータ42は、当該演算される操舵角θsに基づき目標アシストトルクの基礎成分に対する補償制御の一環として各種の補償成分を演算する。これらの補償成分には、たとえばステアリングホイール21を中立位置に復帰させるためのステアリング戻し制御成分が含まれる。マイクロコンピュータ42は、目標アシストトルクの基礎成分および各種の補償成分を合算した値に応じた電流指令値を演算し、モータ31に供給される実際の電流値を電流指令値に追従させる電流フィードバック制御を実行することにより駆動回路41に対する制御信号を生成する。この制御信号は、駆動回路41の各スイッチング素子のオンデューティを規定する。なお、モータ31に供給される実際の電流値は、駆動回路41とモータ31との間の給電経路に設けられる図示しない電流センサを介して検出される。駆動回路41を通じて制御信号に応じた電流がモータ31に供給されることにより、モータ31は目標アシストトルクに応じたトルクを発生する。モータ31のトルクは、運転者による操舵を補助するアシスト力として、減速機構32を介して車両の操舵機構(本例ではコラムシャフト22a)に付与される。
バックアップ演算部43は、回転角センサ53により生成される電気信号Sθに基づきモータ31の回転数およびモータ31の回転方向を演算する。
電源検出部44は、電源スイッチ63がオンされた状態(車両電源オン)であるかオフされた状態(車両電源オフ)であるかを検出する。電源検出部44は、電源スイッチ63のポジションに基づき電源スイッチ63の状態を検出してもよいし、第1の給電線62における電源スイッチ63とマイクロコンピュータ42との間の電圧に基づき電源スイッチ63の状態を検出してもよい。電源検出部44は、電源スイッチ63がオンされた状態かオフされた状態かを示す電気信号SIGを生成する。
<操舵角の検出処理>
つぎに、操舵角θsの検出処理について詳細に説明する。
回転角センサ53としては、たとえば磁気センサの一種であるMRセンサ(磁気抵抗効果センサ)が採用される。MRセンサは、モータ31の出力軸の端部に設けられる1対の磁極(N極、S極)を有するバイアス磁石の磁界方向に応じた電気信号Sθを生成する。電気信号Sθは、モータ31の回転角θに対して正弦波状に変化する正弦信号(sin信号)、およびモータ31の回転角θに対して余弦波状に変化する余弦信号(cos信号)を含む。これら正弦信号および余弦信号は、それぞれモータ31がバイアス磁石の1磁極対分に相当する角度(ここでは360°)だけ回転する期間を1周期とする信号である。マイクロコンピュータ42は、正弦信号および余弦信号の逆正接値を演算することによりモータ31の回転角θを検出する。
ただし、回転角センサ53により生成される電気信号Sθ(正弦信号および余弦信号)に基づき演算されるモータ31の回転角θは相対角である。これに対し、たとえばステアリング戻し制御に使用される操舵角θsは絶対角である。そこでマイクロコンピュータ42は、たとえば次式(1)にモータ31の回転角θ(電気角)を適用することにより操舵角θsを絶対値で演算する。
操舵角(絶対角)θs=(θ+Nラ360ー)/Gr …(1)
ただし、「N」は回転角θの一周期、すなわち電気角で0ーから360ーまで変化することを1回転として定義した場合の回転数(周期数)である。この回転数Nは、バックアップ演算部43を通じて取得される。また、「Gr」はモータ31の回転を減速する減速機構32のギヤ比(減速比)である。ギヤ比Grを示す情報はマイクロコンピュータ42の図示しない記憶装置に記憶されている。
<電源スイッチがオフされるとき>
ここで、マイクロコンピュータ42は電源スイッチ63がオフされるとき、その直前におけるモータ31の回転角θおよびバックアップ演算部43を通じて取得される回転数Nを図示しない記憶装置に記憶する。これは、電源スイッチ63が再びオンされたとき、正確な操舵角θsを演算するためである。
ところが、電源スイッチ63がオフされている間、何らかの理由によりステアリングホイール21が操作されることが懸念される。この場合、マイクロコンピュータ42への給電が停止される直前に記憶装置に記憶されたモータ31の回転角θおよび回転数Nが実際の回転角θおよび回転数Nと異なることにより、電源スイッチ63が再びオンされたとき、正確な操舵角θsが得られないおそれがある。このため、電源スイッチ63がオフされているときであれ、少なくともモータ31の回転数Nを監視することが好ましい。
そこで本例では、電源スイッチ63がオフされているときであれ、回転角センサ53およびバックアップ演算部43への給電をそれぞれ継続することにより、モータ31の回転数Nを計数し続ける。また、回転数Nの検出信頼性を確保するために、バックアップ演算部43には自己の異常検出機能(自己診断機能)を有することも要求される。これは、電源スイッチ63がオフされている間、直流電源61の消耗を抑えるために、マイクロコンピュータ42への給電が遮断されるからである。バックアップ演算部43の具体的な構成は、つぎの通りである。
<バックアップ演算部>
図3に示すように、バックアップ演算部43は、電源回路71、回転検出回路72、第1の異常検出回路73、第2の異常検出回路74、および制御回路75を有している。
電源回路71は、直流電源61から供給される電力を回転検出回路72および図示しない他の電気回路の動作に適した電力に変換する。ちなみに、当該他の電気回路には電源スイッチ63がオンされているときに動作するものが含まれる。電源回路71は、その出力電圧を一定にする定電圧源である。
回転検出回路72は、電源回路71により生成される電力を消費して動作する。回転検出回路72は、回転角センサ53により生成される電気信号Sθである正弦信号および余弦信号を定められたサンプリング周期で取り込み、当該取り込まれる正弦信号および余弦信号に基づきモータ31の回転数Nおよびモータ31の回転方向Dを演算する。回転検出回路72は、モータ31の回転数Nおよび回転方向Dを含む回転検出信号Sr0を生成する。ちなみに、回転検出回路72はデジタル回路であって、回転検出回路72により生成される回転検出信号Sr0はデジタル信号である。
回転検出回路72は、つぎのようにしてモータ31の回転方向Dを検出する。すなわち、回転検出回路72は、正弦信号および余弦信号の値の組である座標(cosθ,sinθ)をcosθとsinθとの直交座標系にプロットし、当該プロットされる座標が位置する象限の移り変わりに基づきモータ31の回転方向Dを検出する。ちなみに、回転検出回路72は、sinθおよびcosθの値の正負に基づき、当該プロットされる座標が位置する象限を判定する。回転検出回路72は、座標がたとえば第1象限から第2象限へ遷移したとき、モータ31の回転方向Dは正方向である旨判定する。また、回転検出回路72は、座標がたとえば第1象限から第4象限へ遷移したとき、モータ31の回転方向Dは逆方向である旨判定する。
回転検出回路72は、つぎのようにしてモータ31の回転数Nを検出する。すなわち、回転検出回路72はカウンタを有している。回転検出回路72は、正弦信号および余弦信号の値の組である座標(cosθ,sinθ)の位置する象限が切り替わる毎にカウント値を一定値(たとえば1,2などの正の自然数)ずつ増加または減少させる。モータ31の回転方向Dが正方向であるとき、回転検出回路72は座標が一象限だけ遷移する毎にカウント値を一定値ずつ増加させる。また、モータ31の回転方向Dが逆方向であるとき、回転検出回路72は座標が一象限だけ遷移する毎にカウント値を一定値ずつ減少させる。回転検出回路72は、当該カウント値に基づきモータ31の回転数Nを検出する。
第1の異常検出回路73は、電源回路71の異常を検出する。第1の異常検出回路73は、たとえば電源回路71の出力電圧を取り込み、当該取り込まれる出力電圧としきい値との比較を通じて当該出力電圧の異常を検出する。第1の異常検出回路73は、電源回路71の異常の検出結果として、電源回路71が正常か異常かを示す第1の異常検出信号Sr1を生成する。また、第1の異常検出回路73は、フィルタ73aを有している。フィルタ73aは、電源回路71の出力電圧に重畳しているノイズを除去する。
第2の異常検出回路74は、回転検出回路72の異常を検出する。第2の異常検出回路74は、回転検出回路72により生成される回転検出信号Sr0を取り込み、当該取り込まれる回転検出信号Sr0に含まれるモータ31の回転数Nおよび回転方向Dに基づき、回転検出回路72の異常を検出する。第2の異常検出回路74は、回転検出回路72の異常の検出結果として、回転検出回路72が正常か異常かを示す第2の異常検出信号Sr2を生成する。
第2の異常検出回路74は、たとえばモータ31が正常に回転しているとき、直交座標系にプロットされる座標(cosθ,sinθ)は1象限ずつ遷移することを利用して、回転検出回路72の異常を検出する。すなわち、座標がいきなり2つ先の象限(直交座標系において互いに対角に位置する象限)へ遷移することはあり得ない。たとえばモータ31が正転する場合、第1象限に位置していた座標が第2象限をとばして第3象限へ遷移することはない。このため、座標が2つ先の象限へ遷移するとき、これを異常として検出することができる。
制御回路75は、電源検出部44により生成される電気信号SIGを取り込み、当該取り込まれる電気信号SIGに基づき電源スイッチ63がオンしている状態かオフしている状態かを判定する。制御回路75は、電源スイッチ63の状態に応じて、電源回路71、回転検出回路72、第1の異常検出回路73、および第2の異常検出回路74の動作を制御する。具体的には、制御回路75は、電源スイッチ63の状態に応じて、電源回路71に対する動作制御信号S1、回転検出回路72に対する動作制御信号S2、第1の異常検出回路73に対する動作制御信号S4、および第2の異常検出回路74に対する動作制御信号S3を生成する。動作制御信号S1は、電源回路71を動作させたり停止させたりするための指令信号である。動作制御信号S2,S3は、回転検出回路72および第2の異常検出回路74をそれぞれ間欠動作させるための指令信号である。動作制御信号S4は、第1の異常検出回路73を連続動作させたり、動作を停止させたりするための指令信号である。また、制御回路75は、第1の異常検出回路73および第2の異常検出回路74に対してそれぞれ動作電力を供給する。
<制御回路の処理手順>
つぎに、制御回路75の処理手順を説明する。
図4のフローチャートに示すように、制御回路75は、電源検出部44により生成される電気信号SIGに基づき、電源スイッチ63がオフされているかどうかを判定する(ステップS101)。
制御回路75は、電源スイッチ63がオフしている旨判定されるとき(ステップS101でYES)、第1の異常検出回路73の動作を停止させる一方、電源回路71、回転検出回路72および第2の異常検出回路74をそれぞれ間欠的に動作させる(ステップS102)。
具体的には、制御回路75は、第1の異常検出回路73に対して動作を停止することを命令する動作制御信号S4を生成する。このとき制御回路75は、第1の異常検出回路73に対する電力の供給を停止するようにしてもよい。また、制御回路75は、電源回路71、回転検出回路72および第2の異常検出回路74に対して間欠的に動作することを命令する動作制御信号S1,S2,S3を生成する。電源回路71、回転検出回路72および第2の異常検出回路74を間欠的に動作させることに加えて、第1の異常検出回路73の動作を停止させることにより、電源スイッチ63がオフされている間の消費電力が、より好適に抑えられる。
制御回路75は、電源スイッチ63がオフしていない旨判定されるとき(ステップS101でNO)、電源スイッチ63がオンされているとして、電源回路71および第1の異常検出回路73を連続的に動作させる。また制御回路75は、回転検出回路72および第2の異常検出回路74をそれぞれ間欠的に動作させる(ステップS103)。
具体的には、制御回路75は、電源回路71および第1の異常検出回路73に対して連続的に動作することを命令する動作制御信号S1,S4を生成する。また、制御回路75は、回転検出回路72および第2の異常検出回路74に対して間欠的に動作することを命令する動作制御信号S2,S3を生成する。なお、電源スイッチ63がオンされているとき、電源回路71を連続動作(常時動作)させるのは、電源回路71により生成される電力が回転検出回路72以外の他の電気回路でも使用されるからである。
このようにバックアップ演算部43では、電源スイッチ63がオンされた後、第1の異常検出回路73を動作させて電源回路71の異常を検出するところ、この電源回路71の異常を検出するタイミングについては、つぎの2つの観点(A),(B)に基づき決定されている。
(A)電源スイッチ63がオフされている間に電源回路71に異常が発生した場合、当該異常が発生した状態は基本的には電源スイッチ63がオンされた後も継続していること。
(B)電源スイッチ63がオンされているときは、電源スイッチ63がオフされているときに比べて、消費電力の低減に対する要求水準が低いこと。たとえば、ガソリン自動車である場合、エンジンが作動しているとき、オルタネータによって発電される電力が直流電源61に充電されるからである。
<モータ制御の処理手順>
つぎに、マイクロコンピュータ42により実行されるモータ31の制御の処理手順を説明する。なお、電源スイッチ63はオフされている。
図5のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ42は電源スイッチ63がオンされたとき(ステップS201)、第1の異常検出回路73および第2の異常検出回路74による異常検出結果である第1の異常検出信号Sr1および第2の異常検出信号Sr2を取り込む(ステップS202)。
つぎに、マイクロコンピュータ42は、第2の異常検出信号Sr2に基づき、電源回路71が異常かどうかを判定する(ステップS203)。
マイクロコンピュータ42は、電源回路71が異常ではない旨判定されるとき(ステップS203でNO)、第1の異常検出信号Sr1に基づき、回転検出回路72が異常かどうかを判定する(ステップS204)。
マイクロコンピュータ42は、回転検出回路72が異常ではない旨判定されるとき、電源スイッチ63がオフされていた期間のモータ31の回転数Nを加味して操舵角θsを絶対値で演算する(ステップS205)。
電源スイッチ63がオフされている間の回転数N(カウント値)が分かれば、前回電源スイッチ63がオフされてから今回電源スイッチ63がオンされるまでの間の回転角θが分かる。マイクロコンピュータ42は、再び電源スイッチ63がオンされたとき、前回電源スイッチ63がオフされるときに記憶した回転角θ(相対角)に、電源スイッチ63がオフされている間の回転角(変化角度)を加算することにより、現在の回転角θを検出する。マイクロコンピュータ42は、現在の回転角θを使用して操舵角(絶対角)を演算する。
ただし、電源スイッチ63がオフされていた期間のモータ31の回転数Nが加味されるのは、電源スイッチ63がオンされる直前の電源スイッチ63がオフされている期間にモータ31の回転が検出されたときのみである。電源スイッチ63がオフされている期間にモータ31の回転が検出されないとき、加味すべき回転数Nも検出されないからである。
マイクロコンピュータ42は、モータ31の現在の回転角θを使用してモータ31への給電を制御する(ステップS206)。また、マイクロコンピュータ42は、操舵角θsを使用してステアリング戻し制御などの補償制御を実行する。
なお、マイクロコンピュータ42は、回転検出回路72が異常である旨判定されるとき(ステップS204でYES)、および電源回路71が異常である旨判定されるとき(ステップS203でYES)、電源スイッチ63がオフされていた期間の回転数Nを無効とする(ステップS207)。
これは、回転検出回路72の異常が検出されるときはもちろんのこと、異常が検出された電源回路71の電力に基づき回転検出回路72が動作するとき、当該回転検出回路72により演算されるモータ31の回転数Nに対する信頼性が懸念されるからである。このため、マイクロコンピュータ42は、回転検出回路72が異常ではない旨判定されるときまで、回転検出回路72により検出される回転数Nを使用しない。これにより、誤っているおそれのあるモータ31の回転数Nに基づき誤った操舵角(絶対角)θsが演算されることを回避できる。
ただし、電源スイッチ63がオフされていた期間のモータ31の回転数Nが無効とされるのは、電源スイッチ63がオンされる直前の電源スイッチ63がオフされている期間にモータ31の回転が検出されたときのみである。電源スイッチ63がオフされている期間にモータ31の回転が検出されないとき、無効とすべき回転数Nも検出されないからである。
マイクロコンピュータ42は、電源スイッチ63がオフされていた期間の回転数Nを加味せず、回転角センサ53を通じて検出されるモータ31の回転角θを使用してモータ31への給電を制御する(ステップS206)。また、マイクロコンピュータ42は、ステアリング戻し制御などの操舵角θsに基づく補償制御の実行を停止する。これは、正しい回転数Nが分からなければ正しい操舵角(絶対角)θsを演算すること、ひいては適切な補償制御を実行することができないからである。信頼性が懸念される操舵角θsを使用する補償制御の実行が回避されることにより、より安全性を優先させた操舵制御が実行可能である。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)車両の電源スイッチ63がオフされている期間、第1の異常検出回路73の動作を停止させる。このため、電源スイッチ63がオフされている期間、第1の異常検出回路73を動作させるために必要とされる電力の分だけ、消費電力を低減することができる。なお、電源スイッチ63がオフされている間、第2の異常検出回路74の動作を停止させることは困難である。電源スイッチ63がオフされている期間に動作する回転検出回路72の異常を検出する必要があるからである。
(2)また、電源スイッチ63がオフされている期間に発生した電源回路71の異常(出力電圧の異常など)は、基本的には電源スイッチ63がオンされた以降も継続する。このため、電源スイッチ63がオフされている期間に発生した電源回路71の異常を、電源スイッチ63がオンされた以降であれ検出することが可能である。また、電源スイッチ63がオンされているときは、電源スイッチ63がオフされているときに比べて消費電流の節約に対する要求水準が低い。このため、電源スイッチ63がオフされている期間の消費電力をより節約する観点から、電源スイッチ63がオンされることを契機として第1の異常検出回路73を動作させることが好ましい。
(3)また、車両の電源スイッチ63がオンされることを契機として第1の異常検出回路73を動作させる構成を採用したことにより、第1の異常検出回路73にフィルタ73aを設けることができる。これは、電源スイッチ63がオンされているときは、電源スイッチ63がオフされているときに比べて消費電力を節約することに対する要求水準が低く、フィルタ73aの処理時間をより適切に確保することが可能となるからである。
フィルタ73aの処理時間を短くするほどフィルタ73aの消費電力はより少なくなるものの、この場合にはノイズが十分に除去されないことが懸念される。これに対し、フィルタ73aの処理時間をより適切に確保すればノイズはより適切に除去されるものの、フィルタ73aの処理時間が長くなるほどフィルタ73aの消費電力はより増大する。この点、電源スイッチ63がオンされた後であれば、より適切なフィルタ73aの処理時間を確保することが可能となる。この場合、第1の異常検出回路73は、フィルタ73aによりノイズがより適切に除去された後の出力電圧に基づき電源回路71の異常を検出することが可能となる。このため、第1の異常検出回路73により電源回路71の異常が誤って検出されることが抑制される。すなわち、第1の異常検出回路73による電源回路71の異常に対する検出精度あるいは検出信頼性がより向上する。
ちなみに、電源スイッチ63がオフされている期間においても第1の異常検出回路73を動作させる構成を採用する場合、電源スイッチ63がオフされている期間の消費電力をより節約する観点から、第1の異常検出回路73にフィルタ73aを設けることが困難となることもある。フィルタを設けることは、消費電力の増大につながるからである。また、電源スイッチ63がオフされている期間において、第1の異常検出回路73を間欠動作させる構成を採用する場合、第1の異常検出回路73の動作周期(動作電力が供給される期間)は数十μs(たとえば40μs)程度となる。このため、第1の異常検出回路73の動作周期内でノイズを精度よく除去できるフィルタを採用することが難しい。
また、第2の異常検出回路74にフィルタを設けるかどうかについては、回転検出回路72がデジタル信号を生成するデジタル回路であるかアナログ信号を生成するアナログ回路であるかによる。回転検出回路72がデジタル回路である場合、第2の異常検出回路74にはフィルタを設けなくてもよい。これは、デジタル信号はアナログ信号に比べてノイズの影響を受けにくいこと、およびデジタル信号を生成する前段階のアナログ回路部分においてノイズ対策が施されることを前提としている。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・制御回路75は、電源スイッチ63がオフしている旨判定されるとき(図4のフローチャートにおけるステップS101でYES)であれ、電源回路71を連続動作させるようにしてもよい。すなわち、制御回路75は、電源スイッチ63の状態にかかわらず、電源回路71を常に動作させるようにしてもよい。
・電源スイッチ63がオンされている場合、電源回路71により生成される電力が回転検出回路72以外の他の電気回路で使用されないとき、制御回路75は第1の異常検出回路73により電源回路71の異常が検出された後、電源回路71の動作を停止してもよい。具体的には、制御回路75は電源検出部44により生成される電気信号SIGに基づき電源スイッチ63がオンされたことが検出される場合、第1の異常検出回路73により生成される第1の異常検出信号Sr1を取り込む。そして制御回路75は、当該取り込まれる第1の異常検出信号Sr1が電源回路71の異常を示すものであるとき、第1の異常検出回路73に対して動作を停止することを命令する動作制御信号S4を生成する。
・制御回路75は、電源スイッチ63がオフしていない旨判定されるとき(図4のフローチャートにおけるステップS101でNO)、回転検出回路72および第2の異常検出回路74の動作をそれぞれ停止するようにしてもよい。これはつぎの理由による。すなわち、電源スイッチ63がオフからオンへ切り替えられたとき、マイクロコンピュータ42がより正確な操舵角θsを演算するためには、電源スイッチ63がオフされている期間におけるモータ31の回転が検出できればよい。このため、電源スイッチ63がオンされているとき、回転検出回路72の動作を停止させてもよい。また、回転検出回路72が停止されているときには、その異常を検出する必要もない。このため、回転検出回路72の動作が停止されるとき、第2の異常検出回路74の動作を停止してもよい。
・第1の異常検出回路73として、フィルタ73aを割愛した構成を採用してもよい。このようにしても、第1の異常検出回路73は電源回路71の異常を検出することが可能である。
・バックアップ演算部43として、第2の異常検出回路74を割愛した構成を採用してもよい。このようにすれば、回転検出回路72の異常を検出することはできなくなるものの、電源スイッチ63がオフされている期間、第2の異常検出回路74を動作させるために必要とされる電力の分だけ、消費電力を低減することができる。なお、第2の異常検出回路74を割愛した構成を採用する場合、先の図5のフローチャートにおけるステップS204の判定処理も割愛される。すなわち、電源回路71が異常ではない旨判定されるとき(ステップS203でNO)、ステップS205へ処理が移行される。
・マイクロコンピュータ42により演算される操舵角θsは、EPS10だけでなく他の車載システムの制御装置で使用してもよい。他の車載システムとしては、たとえば車両安定性制御システムあるいは各種の運転支援システムなどが挙げられる。
・本例では、マイクロコンピュータ42は操舵角θsに基づく補償制御を実行するようにしたが、製品仕様などによっては操舵角θsに基づく補償制御を実行しない構成を採用してもよい。ただし、この場合であれ、ECU40あるいはマイクロコンピュータ42に操舵角θsの演算機能を持たせてもよい。操舵角θsは、EPS10で使用されなくても他の車載システムで使用されることがある。
・本例では、操舵制御装置をEPS10のECU40に具体化したが、クラッチ機能を有するステアバイワイヤ(SBW)方式の操舵装置の制御装置に具体化してもよい。SBW方式の操舵装置には、ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に分離されていることを前提として、つぎのような構成を有するものが存在する。すなわち、当該操舵装置は、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達経路を断続するクラッチ、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の発生源である反力モータ、および転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵モータを有している。
車両の走行時、操舵装置の制御装置は、クラッチを開放させてステアリングホイールと転舵輪との間を機械的に分離した状態に維持する。また制御装置は、反力モータの回転角に基づき算出される操舵角、および転舵モータの回転角を使用して転舵輪の目標転舵角を演算する。制御装置は、転舵モータの回転角に基づき検出される実際の転舵角を目標転舵角に一致させるように、転舵モータへの給電を制御する。制御装置は、反力モータなどに異常が発生したとき、あるいは車両の電源がオフされるとき、フェールセーフなどの観点に基づきクラッチを接続させる。
ここで、車両の電源がオフされている場合であれ、何らかの外力によってステアリングシャフトが回転されることが懸念される。この場合、車両の電源がオフされる直前の反力モータの回転角が実際の回転角と異なることにより、車両の電源が再びオンされたとき、正確な操舵角が得られないおそれがある。このため、EPS10と同様に、SBW方式の操舵装置においても、車両の電源がオフされているとき、反力モータの回転を監視することが好ましい。また、電源がオフされている間における消費電力の低減が要求されることについても、EPS10と同様である。したがって、SBW方式の操舵装置の制御装置にも、本例のバックアップ演算部43と同様の機能(回転数監視機能および節電機能)を持たせることが好ましい。
20…操舵機構、31…モータ、40…ECU(操舵制御装置)、42…マイクロコンピュータ(主演算部)、43…バックアップ演算部(副演算部)、53…回転角センサ(センサ)、72…回転検出回路、71…電源回路、73…第1の異常検出回路(異常検出回路)、73a…フィルタ、74…第2の異常検出回路、75…制御回路。

Claims (6)

  1. 車両電源がオンされているとき、車両の操舵機構に付与されるトルクの発生源であるモータを操舵状態に応じて制御するとともに、センサを通じて検出される前記モータの相対回転角および前記モータの回転数を使用して絶対操舵角を演算する主演算部と、
    前記センサを通じて前記モータの回転数を検出する回転検出回路、前記回転検出回路に電力を供給する電源回路、前記電源回路の異常を検出する異常検出回路、ならびにこれら3つの回路の動作を制御する制御回路を含む副演算部と、を有し、
    前記制御回路は、車両電源がオフされているとき、前記異常検出回路の動作を停止させるとともに前記回転検出回路を間欠動作させる一方、車両電源がオンされているとき、前記異常検出回路を連続動作させるとともに前記回転検出回路を間欠動作または停止させるものであって、
    前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記異常検出回路の検出結果が前記電源回路の異常を示すものではないとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路を通じて得られる前記モータの回転数を加味して前記絶対操舵角を演算する操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記異常検出回路は、前記電源回路から前記回転検出回路へ供給される電力を取り込み、この取り込まれる電力に基づき前記電源回路の異常を検出するものであって、
    前記異常検出回路は、前記取り込まれる電力に含まれるノイズを除去するフィルタを有している操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記異常検出回路の検出結果が前記電源回路の異常を示すものであるとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路により検出される前記モータの回転数を無効とする操舵制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記電源回路の異常を検出する異常検出回路を第1の異常検出回路とするとき、前記副演算部は、車両電源がオフされている期間、前記回転検出回路の異常を検出する第2の異常検出回路を有し、
    前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のいずれの検出結果も異常を示すものではないとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路を通じて得られる前記モータの回転数を加味して前記絶対操舵角を演算する操舵制御装置。
  5. 請求項4に記載の操舵制御装置において、
    前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のうち少なくとも一の検出結果が異常を示すものであるとき、かつ、車両電源がオンされる直前の車両電源がオフされている期間に前記モータの回転が検出されたとき、当該オフされている期間に前記回転検出回路により検出される前記モータの回転数を無効とする操舵制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の操舵制御装置において、
    前記主演算部は、前記操舵状態を示す状態量として少なくとも操舵トルクに基づき前記モータに発生させるべき目標トルクの基礎成分を演算するとともに、前記絶対操舵角に基づき前記基礎成分に対する補償制御を実行するものであって、
    前記主演算部は、車両電源がオンされた場合、前記第1の異常検出回路および前記第2の異常検出回路のうち少なくとも一の検出結果が異常を示すものであるとき、前記補償制御の実行を停止する操舵制御装置。
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