JP3688002B2 - 自動車のドアガードバー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、自動車の側面衝突に対して、自動車ドアを補強するために配設されるドアガードバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の側面衝突に対して自動車ドアを補強し、乗車人を保護するために、従来から、自動車ドアにはドアガードバーが配設されている。
【0003】
すなわち、図5中符号Tは、自動車のドアであり、このドアTのインナパネル51とアウタパネル52との間に、ほぼ水平にドアガードバー53が配設されているものである(図6参照)。
【0004】
このドアガードバー53は、図7(a)に示すように、一枚の板材から曲げ加工された一体成形品であり、その胴部53aは、図7(b)に示すように、円環状に曲げ成形され、その両端部は非成形とすることで、平板状の取付部53bを形成したものである。
【0005】
そして、図6に示すように、取付部53bがインナパネル51にスポット溶接(図中符合W1)され、胴部53aによって側面衝突Sを受けるようにしたものである。
【0006】
なお、曲げ成形された胴部53aの両曲げ端縁53cは(図7(b)参照)、解放されたままである場合と、溶接されている場合とがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のドアガードバー53では、側面衝突Sを受ける胴部53aの垂直断面が円環状であるため、この胴部53aの耐衝突性(耐座屈性など)には異方性がない(どの方向からの衝突にたいしても同程度の耐衝突性を有する)といえる。
【0008】
しかしながら、ドアガードバー53として要求されるのは、図6中符号Sで示す方向からの側面衝突に対する耐衝突性であり、この側面衝突Sにどのくらい耐えられるかは、実際には、側面衝突Sによって圧縮応力を受ける側壁53d側(図7(b)参照)の耐衝突性(耐座屈性)にかかっている。すなわち、圧縮応力を受ける側壁53dが、大きな耐座屈性を有することが好ましいのである。
【0009】
このように考察してゆくと、従来のドアガードバー53では耐座屈性に異方性がないため、より大きな側面衝突Sに耐えらるようにするには、垂直断面の円径を大きくするか、あるいは肉厚を大きくすることによって、垂直断面全体の断面係数を大きくするしかない。このため、材料費がかさむばかりでなく、インナパネル51とアウタパネル52との間に大きな配設スペースを確保しなければならない、という問題があった。
【0010】
この発明は、このような事情に基づいてなされたもので、より大きな側面衝突に耐えられる垂直断面を有する自動車のドアガードバーを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような課題に着目してなされたもので、請求項1に記載された発明は、自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にほぼ水平に配設されて、自動車の側面衝突に対して前記自動車ドアを補強する自動車のドアガードバーにおいて、前記側面衝突を受ける垂直断面をほぼ長方形状として、その長側壁を水平方向に設定すると共に、車内側すなわち前記側面衝突による引張応力の発生側の角Rを、車外側すなわち前記側面衝突による圧縮応力の発生側の角Rよりも大きくすることにより、前記側面衝突によって伸び縮みが生じない中立軸の中央である前記垂直断面の図心を、前記側面衝突によって圧縮応力を受ける被圧縮側壁側に偏心させたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記垂直断面は、ほぼ環状に曲げ成形されたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載された発明は、前記垂直断面の両曲げ端縁を、前記側面衝突による引張応力の発生側に設定したことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載された発明は、自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にほぼ水平に配設されて、自動車の側面衝突に対して前記自動車ドアを補強する自動車のドアガードバーにおいて、前記側面衝突を受ける垂直断面をほぼ長方形状として、その長側壁を水平方向に設定すると共に、前記垂直断面をほぼ環状に曲げ成形し、さらにこの両曲げ端縁の間隔を大きくすることにより、前記側面衝突によって伸び縮みが生じない中立軸の中央である前記垂直断面の図心を、前記側面衝突によって圧縮応力を受ける被圧縮側壁側に偏心させたことを特徴とする
【0015】
請求項5に記載された発明は、前記垂直断面の両曲げ端縁を、前記側面衝突による引張応力の発生側に設定したことを特徴とする。
【0016】
【作用】
請求項1に記載された発明によれば、垂直断面の図心が被圧縮側壁側に偏心しているため、図心(中立軸)から被圧縮側壁の表面までの距離が短くなっている。このため、圧縮断面係数(中立軸を境にして圧縮応力を受ける側の断面係数)が大きくなり、大きな側面衝突による曲げモーメントに耐えられ、耐座屈性が向上される。
【0017】
しかも、垂直断面の図心を被圧縮側壁側に偏心させるものであるため、従来と同等の断面積を有する垂直断面であっても耐座屈性が向上し、従って、材料費がかさむこともない。
また、垂直断面がほぼ長方形状で、しかも、その長側壁が水平方向に設定されているため、側面衝突による曲げモーメントに対する断面二次モーメントが大きくなり、さらに耐座屈性が向上される。
【0018】
請求項2に記載された発明によれば、垂直断面がほぼ環状に曲げ成形されたものであるため、同等の断面積を有する中実の垂直断面のものよりも断面係数が大きくなり、耐座屈性が向上される。
【0019】
しかも、曲げ成形であるため、その加工が容易であり、生産性の向上による生産コストの低減を図ることができる。
【0020】
請求項3に記載された発明によれば、圧縮応力に弱い(耐座屈性が低い)垂直断面の両曲げ端縁が、引張応力が発生する側(車内側)に設定されているため、側面衝突による圧縮応力をこの端縁に対向する側壁で受け、耐座屈性がより向上される。
【0021】
請求項4に記載された発明によれば、垂直断面がほぼ長方形状で、しかも、その長側壁が水平方向に設定されているため、側面衝突による曲げモーメントに対する断面二次モーメントが大きくなり、さらに耐座屈性が向上される。
さらに、両曲げ端縁の間隔を大きくすることで図心を偏心させているため、その分材料費が節約され、生産コストの低減を図ることができる。
また、垂直断面がほぼ環状に曲げ成形されたものであるため、同等の断面積を有する中実の垂直断面のものよりも断面係数が大きくなり、耐座屈性が向上される。
しかも、曲げ成形であるため、その加工が容易であり、生産性の向上による生産コストの低減を図ることができる。
【0022】
また、請求項5に記載された発明では、圧縮応力に弱い(耐座屈性が低い)垂直断面の両曲げ端縁が、引張応力が発生する側(車内側)に設定されているため、側面衝突による圧縮応力をこの端縁に対向する側壁で受け、耐座屈性がより向上される。
【0023】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
第1実施例
この実施例における自動車のドアガードバー1は、前述した従来のドアガードバー53と基本的には同様な構造となっている。
【0025】
すなわち、一枚の板材から曲げ加工された一体成形品であり、その胴部がほぼ環状に曲げ成形され、その両端部は非成形とすることで、平板状の取付部が形成されたものである。
【0026】
そして、その取付方法も従来と同様であって、両端の取付部をインナパネルにスポット溶接することで、自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの間に、ほぼ水平にドアガードバー1を配設するものである(図6参照)。
【0027】
また、板材としては、100〜130kgf級の高張力鋼(ハイテン材)が用いられている。
【0028】
ただし、ドアガードバー1が側面衝突Sを受ける部位の垂直断面D1の形状が、従来のドアガードバー53と異なっているものである。
【0029】
この垂直断面D1は、図1に示すように、ほぼ環状の長方形をしており、その長側壁1aが水平方向に向けられている。
【0030】
その曲げ端縁1bは、車内側すなわち側面衝突Sによって引張応力が発生する側に向けられ、この曲げ端縁1bに対向する側壁1cが、側面衝突Sによって圧縮応力を受ける被圧縮側壁とされている。
【0031】
また、側面衝突Sによって引張応力が発生する側の角R2が、圧縮応力が発生する側の角R1よりも大きくされている。この結果、図心C1が、長側壁1aの中心軸CL1よりも偏心量d1だけ被圧縮側壁1c側に偏心している。
【0032】
図中符合CL2は、側面衝突Sによって伸び縮みが生じない中立軸であって、この中立軸CL2は、図心C1を通っているものである。
【0033】
次に、このような垂直断面D1を有するドアガードバー1の作用について説明する。
【0034】
まず、数式による解析を行なう。
【0035】
垂直断面D1の中立軸CL2に関する断面二次モーメントをI、圧縮断面係数(中立軸CL2を境にして圧縮応力を受ける側の断面係数)をZ1、引張断面係数(中立軸CL2を境にして引張応力を受ける側の断面係数)をZ2とすると、以下の式が成り立つ。
【0036】
Z1 = I/e1
Z2 = I/e2
ここで、e1は、中立軸CL2から被圧縮側壁1cの表面までの距離であり、e2は、中立軸CL2から曲げ端縁1bの先端までの距離であり、
e2 = e1+2×d1
が成り立つ。
【0037】
また、側面衝突Sによる曲げモーメントをMとし、この曲げモーメントMによって被圧縮側壁1cの表面および、曲げ端縁1bに生じる応力を、それぞれ圧縮応力σ1、引張応力σ2とすると、以下の式が成り立つ。
【0038】
σ1 = M/Z1 = M×e1/I
σ2 = M/Z2 = M×e2/I = M×(e1+2×d1)/I
このことから、側面衝突Sによって生じる圧縮応力σ1は、引張応力σ2よりも小さいことがわかる。
【0039】
ところで、上記のように、側面衝突Sにどのくらい耐えられるかは、この側面衝突Sによる圧縮応力に耐えられるか否かにかかっており、このドアガードバー1では、図心C1を偏心させることによって圧縮応力σ1を小さく抑えているため、より大きな側面衝突Sによる曲げモーメントMに耐えられ、耐座屈性が向上されることとなる。
【0040】
また、垂直断面D1がほぼ長方形状で、しかも、その長側壁1aが水平方向に向けられているため、側面衝突Sによる曲げモーメントMに対する断面二次モーメントIが大きくなり(断面二次モーメントIは、長側壁1aの長さhの3乗に比例する)、さらに耐座屈性が向上されることとなる。
【0041】
このような数式による解析に対し、実際に耐座屈性が向上されているか否かを確認するために、図2に示すような押曲げ試験を行なった。
【0042】
すなわち、ドアガードバー1を2つのささえ2に載せ、その中央部に押金具3を当てて、荷重Fを徐々に加え、そのときのたわみδを見るというものである。なお、図中符合pは、ささえ2、2間のスパンである。
【0043】
この試験結果を図3に示す(実際の数値は省略する)。
【0044】
図中実線K1で示されているのが、本ドアガードバー1における履歴曲線であり、破線K2で示されているのが、従来のドアガードバー53における履歴曲線である。
【0045】
この図によると、従来のドアガードバー53では、荷重FがF2に達した時点で座屈を起こし、このときのたわみがδ2であることがわかる。
【0046】
一方、本ドアガードバー1では、最大荷重F1に達した後もこの最大荷重F1状態がしばらく続き、たわみがδ1に達した時点ごろから緩やかに荷重Fが下降してゆくのがわかる。
【0047】
すなわち、本ドアガードバー1では、従来のドアガードバー53に見られるような急激な座屈は起こらず、耐座屈性が高いといえる。
【0048】
また、図から明かなように、本ドアガードバー1の立ち上がり角度θ1および最大荷重F1が、従来のドアガードバー53の立ち上がり角度θ2および最大荷重F2に比べて大きく、かつ、最大荷重を経過した後の荷重が高い。このため、全吸収エネルギーが従来のドアガードバー53に比べて大きく、この点からも、より大きな側面衝突Sに耐えられることとなる。
【0049】
このように、実際にも本ドアガードバー1は、従来のドアガードバー53に比べて、耐衝突性(耐座屈性)が大きいといえる。
【0050】
これは、上記の数式の解析のところで説明した垂直断面D1の図心C1を偏心させたこと、垂直断面D1をほぼ長方形状としたことなどによる相乗効果であると考えられる。
【0051】
一方、数式による解析では、最大荷重は、塑性断面係数に比例し、たわみ量は、断面二次モーメントIに比例することが知られている。また、同一断面積(配設スペースの大きさが同一)の下では、この実施例のように、環状で長方形の垂直断面の方が、円環状のものよりも断面二次モーメントIおよび、断面係数がともに大きいことが知られており、これらのことは、上記の試験結果とも一致している。
【0052】
この実施例におけるドアガードバー1では、このような耐衝突性(耐座屈性)の向上に加え、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
すなわち、垂直断面D1の図心C1を被圧縮側壁1c側に偏心させるものであるため、従来と同等の断面積を有する垂直断面D1であっても耐座屈性が向上し、従って、材料費がかさむこともない。
【0054】
さらに、垂直断面D1は曲げ成形されたものであるため、その加工が容易であり、生産性の向上による生産コストの低減を図ることができる。
【0055】
また、被圧縮側壁1c側に曲げ端縁1bを設けたドアガードバー(曲げ端縁1b側に圧縮応力が発生するように設定する)と、本ドアガードバー1とを上記の試験を行なって比べたところ、本ドアガードバー1の方が耐衝突性(耐座屈性)が大きいことが確かめられた。従って、曲げ端縁1b側は、圧縮応力に弱い(耐座屈性が低い)といえ、両曲げ端縁1bを引張応力が発生する側に設定した本ドアガードバー1は、側面衝突に有効であるといえる。
【0056】
なお、曲げ端縁1b側が圧縮応力に弱いのは、曲げ端縁1bの剛性、強度が低いためと、2つの曲げ端縁1bのどちらか一方に大きな応力がかかってしまい、部分的な変形が進んで早期に座屈が生じるためであると考えられる。
【0057】
この実施例では、両曲げ端縁1bを溶接していないが、溶接してもよいことは勿論である。しかし、溶接をしない場合と溶接をした場合とでは、耐座屈性にさほどの違いがないことが、出願人の試験によって確かめられている。
【0058】
このことからも、耐座屈性は、垂直断面のうち圧縮応力を受ける部分に大きく依存するといえ、圧縮応力を受ける部分の耐座屈性を高めた(側面衝突Sによる圧縮応力を低く抑えるようにした)この発明は、座屈に対して有効な手段であるといえる。
【0059】
第2実施例
この実施例における自動車のドアガードバーの垂直断面D2を図4に示す。
【0060】
この垂直断面D2では、両曲げ端縁4bの間隔d3を大きくすることによって、図心C2を長側壁4aの中心軸CL3よりも偏心量d2だけ被圧縮側壁4c側に偏心させている点で、第1実施例におけるドアガードバー1の垂直断面D1とはその構成を異にしている。
【0061】
また、図中符合CL4は、この垂直断面D2の中立軸であって、全ての角R3は、同寸法となっている。
【0062】
両曲げ端縁4bの間隔d3は、偏心させたい偏心量D2だけ図心C2が偏心し、かつ、側面衝突Sによる引張応力に耐えられるように決定されている。
【0063】
この垂直断面D2では、両曲げ端縁4bの間隔d3を大きくすることで図心C2を偏心させているため、その分材料費が節約され、生産コストの低減を図ることができるものである。
【0064】
すなわち、上記のように、耐座屈性は、垂直断面D2のうち圧縮応力を受ける部分に大きく依存し、引張応力を受ける部分の強度はさほどに必要とされないという点に着目して、材料費の節約を図ったものである。
【0065】
その他の構成および作用は、第1実施例における垂直断面D1と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
以上、この発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は、上記両実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、この発明に含まれる。
【0067】
例えば、上記両実施例では、両端部に取付部を有する一体成形タイプのドアガードバー(図7(a)参照)が説明されているが、全長にわたって同一の垂直断面である棒状のドアガードバーとし、その両端部に別部品である取付ブラケットを取り付けて、インナパネルにスポット溶接するようなものでもよい。
【0068】
また、垂直断面の形状は、自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの空間の大きさ、材料費、加工性などを考慮して決定されるものであるため、これらの条件によっては上記両実施例に示された断面形状以外のものとなりえるが、図心を被圧縮側壁側に偏心させる限り、この発明に含まれるものである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載された発明によれば、垂直断面の図心が被圧縮側壁側に偏心しているため、図心(中立軸)から被圧縮側壁の表面までの距離が短くなっている。このため、圧縮断面係数(中立軸を境にして圧縮応力を受ける側の断面係数)が大きくなり、大きな側面衝突による曲げモーメントに耐えられ、耐座屈性が向上される。
【0070】
しかも、垂直断面の図心を被圧縮側壁側に偏心させるものであるため、従来と同等の断面積を有する垂直断面であっても耐座屈性が向上し、従って、材料費がかさむこともない。
また、垂直断面がほぼ長方形状で、しかも、その長側壁が水平方向に設定されているため、側面衝突による曲げモーメントに対する断面二次モーメントが大きくなり、さらに耐座屈性が向上される。
【0071】
請求項2に記載された発明によれば、垂直断面がほぼ環状に曲げ成形されたものであるため、同等の断面積を有する中実の垂直断面のものよりも断面係数が大きくなり、耐座屈性が向上される。
【0072】
しかも、曲げ成形であるため、その加工が容易であり、生産性の向上による生産コストの低減を図ることができる。
【0073】
請求項3に記載された発明によれば、圧縮応力に弱い(耐座屈性が低い)垂直断面の両曲げ端縁が、引張応力が発生する側(車内側)に設定されているため、側面衝突による圧縮応力をこの端縁に対向する側壁で受け、耐座屈性がより向上される。
【0074】
請求項4に記載された発明によれば、垂直断面がほぼ長方形状で、しかも、その長側壁が水平方向に設定されているため、側面衝突による曲げモーメントに対する断面二次モーメントが大きくなり、さらに耐座屈性が向上される。
さらに、両曲げ端縁の間隔を大きくすることで図心を偏心させているため、その分材料費が節約され、生産コストの低減を図ることができる。
また、垂直断面がほぼ環状に曲げ成形されたものであるため、同等の断面積を有する中実の垂直断面のものよりも断面係数が大きくなり、耐座屈性が向上される。
しかも、曲げ成形であるため、その加工が容易であり、生産性の向上による生産コストの低減を図ることができる。
【0075】
また、請求項5に記載された発明では、圧縮応力に弱い(耐座屈性が低い)垂直断面の両曲げ端縁が、引張応力が発生する側(車内側)に設定されているため、側面衝突による圧縮応力をこの端縁に対向する側壁で受け、耐座屈性がより向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例における自動車のドアガードバーの図7(b)に相当する断面図である。
【図2】押曲げ試験の試験方法を示す概念図である。
【図3】押曲げ試験結果を示す荷重−たわみ曲線図である。
【図4】この発明の第2実施例における自動車のドアガードバーの図7(b)に相当する断面図である。
【図5】自動車のドアを示す正面図である。
【図6】従来例を示し、図5中A−A線に沿う断面図である。
【図7】同従来例における自動車のドアガードバーを示し、(a)は、その斜視図であり、(b)は、(a)中B−B線に沿う断面図(垂直断面図)である。
【符号の説明】
1 ドアガードバー
1a 長側壁
1b 曲げ端縁
1c 被圧縮側壁
S 側面衝突
D1 垂直断面
C1 図心
CL1 長側壁の中心軸
CL2 中立軸
d1 偏心量
h 長側壁の長さ
b 被圧縮側壁の長さ
R1、R2 角R

Claims (5)

  1. 自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にほぼ水平に配設されて、自動車の側面衝突に対して前記自動車ドアを補強する自動車のドアガードバーにおいて、
    前記側面衝突を受ける垂直断面をほぼ長方形状として、その長側壁を水平方向に設定すると共に、車内側すなわち前記側面衝突による引張応力の発生側の角Rを、車外側すなわち前記側面衝突による圧縮応力の発生側の角Rよりも大きくすることにより、前記側面衝突によって伸び縮みが生じない中立軸の中央である前記垂直断面の図心を、前記側面衝突によって圧縮応力を受ける被圧縮側壁側に偏心させたことを特徴とする自動車のドアガードバー。
  2. 前記垂直断面は、ほぼ環状に曲げ成形されたものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車のドアガードバー。
  3. 前記垂直断面の両曲げ端縁を、前記側面衝突による引張応力の発生側に設定したことを特徴とする請求項2に記載の自動車のドアガードバー。
  4. 自動車ドアのインナパネルとアウタパネルとの間にほぼ水平に配設されて、自動車の側面衝突に対して前記自動車ドアを補強する自動車のドアガードバーにおいて、
    前記側面衝突を受ける垂直断面をほぼ長方形状として、その長側壁を水平方向に設定すると共に、前記垂直断面をほぼ環状に曲げ成形し、さらにこの両曲げ端縁の間隔を大きくすることにより、前記側面衝突によって伸び縮みが生じない中立軸の中央である前記垂直断面の図心を、前記側面衝突によって圧縮応力を受ける被圧縮側壁側に偏心させたことを特徴とする自動車のドアガードバー。
  5. 前記垂直断面の両曲げ端縁を、前記側面衝突による引張応力の発生側に設定したことを特徴とする請求項4に記載の自動車のドアガードバー。
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