JP4946344B2 - 車両用ドア構造 - Google Patents

車両用ドア構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4946344B2
JP4946344B2 JP2006283503A JP2006283503A JP4946344B2 JP 4946344 B2 JP4946344 B2 JP 4946344B2 JP 2006283503 A JP2006283503 A JP 2006283503A JP 2006283503 A JP2006283503 A JP 2006283503A JP 4946344 B2 JP4946344 B2 JP 4946344B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side member
door
outer side
vehicle
beltline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006283503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008105437A (ja
Inventor
正博 覺前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006283503A priority Critical patent/JP4946344B2/ja
Publication of JP2008105437A publication Critical patent/JP2008105437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4946344B2 publication Critical patent/JP4946344B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両用ドア構造に係り、特に、ドアのベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間にベルトライン開口部が形成された車両用ドア構造に関する。
この種の車両用ドア構造としては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、車両用ドアの例が開示されている。この特許文献1に記載の例において、ドアは、ドア本体とアウタパネルとを主要な構成として備えている。ドア本体は、井桁状の枠体(骨格構造)で形成されており、アウタパネルは、このドア本体の車外側に固着されている。
また、このドアにおいて、ベルトラインインナ部(ベルトラインの内側部)は、アッパインナフレームとアッパアウタフレームとにより構成されている。そして、このベルトラインインナ部には、アウタパネルの上部がベルトラインアウタ部(ベルトラインの外側部)として対向配置されている。また、このベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間には、窓ガラスが出し入れされるためのベルトライン開口部が形成されている。
特開2004−314696号公報
しかしながら、上述のようにベルトラインインナ部がアッパインナフレームとアッパアウタフレームとにより構成されたドアにおいて、このアッパインナフレームとアッパアウタフレームとに線膨張量差が生じた場合には、ベルトラインインナ部にドア厚さ方向への変形が生じ、これに伴ってベルトライン開口部に熱歪による永久変形が生じる可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ベルトライン開口部の永久変形を抑制することが可能な車両用ドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用ドア構造は、ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在されてドアのベルトラインインナ部を構成するインナ側部材及びアウタ側部材と、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されて、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のドア幅方向両端側にそれぞれ結合されると共に、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材と、前記インナ側部材又は前記アウタ側部材に形成され、当該インナ側部材と前記アウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段と、を備え、前記インナ側部材とアウタ側部材とは、線膨張係数の異なる材料で構成され、前記線膨張量差抑制手段は、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のうち線膨張係数の大きい方に孔部が穿設されたことを含むことを特徴とする。
なお、本発明において、ドア幅方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当する。また、ドア厚さ方向とは、例えば、車両用ドア構造が車両の側面ドアに適用された場合には、車両幅方向に相当し、車両用ドア構造が車両の背面ドアに適用された場合には、車両前後方向に相当する。
請求項1に記載の車両用ドア構造では、ドアのベルトラインインナ部がインナ側部材及びアウタ側部材で構成されている。このインナ側部材及びアウタ側部材は、ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在され、ドア幅方向両端側にて一対の拘束部材によりドア幅方向に拘束されている。
ここで、ドアの置かれている温度環境が変化すること等により、仮に、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じた場合には、インナ側部材及びアウタ側部材がドア厚さ方向に曲がって反ったりする。従って、この場合には、ベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間のベルトライン開口部に変形が生じる。
しかしながら、請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材又はアウタ側部材には、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段が形成されている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを抑制できる。これにより、例えばインナ側部材及びアウタ側部材がドア厚さ方向に曲がって反ったりすることを抑制できる。この結果、ベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間のベルトライン開口部に変形が生じることを抑制できる。
また、請求項1に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材及びアウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材が、インナ側部材及びアウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、一対の拘束部材の線膨張を抑制できる。これにより、インナ側部材及びアウタ側部材をドア幅方向に確実に拘束することができる。
また、インナ側部材及びアウタ側部材のうち線膨張係数の大きい方には、孔部が穿設されている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化することに伴ってインナ側部材とアウタ側部材とにドア幅方向における膨張又は収縮が生じた場合でも、インナ側部材及びアウタ側部材のうち線膨張係数の大きい方では、孔部の周囲部で熱応力を干渉させることができ、熱応力を緩和できる。これにより、インナ側部材及びアウタ側部材のうち線膨張係数の大きい方の膨張又は収縮を吸収して抑制できる。この結果、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
請求項に記載の車両用ドア構造は、ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在されてドアのベルトラインインナ部を構成するインナ側部材及びアウタ側部材と、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されて、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のドア幅方向両端側にそれぞれ結合されると共に、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材と、前記インナ側部材又は前記アウタ側部材に形成され、当該インナ側部材と前記アウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段と、を備え、前記線膨張量差抑制手段は、前記インナ側部材とアウタ側部材の少なくとも一方がドア幅方向に波板状に形成されたことを含むことを特徴とする。
請求項2に記載の車両用ドア構造では、ドアのベルトラインインナ部がインナ側部材及びアウタ側部材で構成されている。このインナ側部材及びアウタ側部材は、ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在され、ドア幅方向両端側にて一対の拘束部材によりドア幅方向に拘束されている。
ここで、ドアの置かれている温度環境が変化すること等により、仮に、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じた場合には、インナ側部材及びアウタ側部材がドア厚さ方向に曲がって反ったりする。従って、この場合には、ベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間のベルトライン開口部に変形が生じる。
しかしながら、請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段が備えられている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを抑制できる。これにより、例えばインナ側部材及びアウタ側部材がドア厚さ方向に曲がって反ったりすることを抑制できる。この結果、ベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間のベルトライン開口部に変形が生じることを抑制できる。
また、請求項2に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材及びアウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材が、インナ側部材及びアウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、一対の拘束部材の線膨張を抑制できる。これにより、インナ側部材及びアウタ側部材をドア幅方向に確実に拘束することができる。
そして、インナ側部材及びアウタ側部材の少なくとも一方は、ドア幅方向に波板状に形成されている。従って、ドアの置かれている温度環境が変化することに伴ってインナ側部材とアウタ側部材とにドア幅方向に膨張若しくは収縮が生じた場合でも、ドア幅方向両端側の拘束部材からの拘束反力をドア幅方向に波板状に形成された部分で吸収できる。これにより、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
請求項に記載の車両用ドア構造は、請求項1又は2に記載の車両用ドア構造において、前記インナ側部材と前記アウタ側部材とは、前記一対の拘束部材との結合部の間に互いの結合部を有することを特徴とする。
請求項に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材とアウタ側部材とは、一対の拘束部材との結合部の間に互いの結合部を有している。従って、開口幅方向の変位が大きくなるベルトライン開口部のドア幅方向中央側でインナ側部材とアウタ側部材とを結合できる。これにより、線膨張量差が抑制されたインナ側部材とアウタ側部材との微少な相対変位をさらに抑制でき、ベルトラインインナ部とベルトラインアウタ部との間のベルトライン開口部に変形が生じることをより抑制できる。
請求項に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、前記インナ側部材とアウタ側部材とが同一種の材料で構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材とアウタ側部材とが同一種の材料で構成されている。従って、インナ側部材とアウタ側部材とが同一の線膨張係数となるので、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
請求項に記載の車両用ドア構造は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の車両用ドア構造において、前記インナ側部材がアルミニウムで構成され、前記アウタ側部材がマグネシウムで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がマグネシウムで構成され、前記アウタ側部材がアルミニウムで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成され、前記アウタ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成され、前記アウタ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成されたことを特徴とする。
請求項に記載の車両用ドア構造によれば、インナ側部材がアルミニウムで構成され、アウタ側部材がマグネシウムで構成されているか、若しくは、インナ側部材がマグネシウムで構成され、アウタ側部材がアルミニウムで構成されているか、若しくは、インナ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成され、アウタ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成されているか、若しくは、インナ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成され、アウタ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成されている。従って、インナ側部材とアウタ側部材とが同程度の線膨張係数となるので、ドアの置かれている温度環境が変化した場合でも、インナ側部材とアウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
以上詳述したように、本発明によれば、ベルトライン開口部の永久変形を抑制することができる。これにより、例えば、ベルトライン開口部の開口幅変化に伴う窓ガラスの昇降抵抗の変化を抑制できる。
[第一参考例
はじめに、図1,図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両用ドア構造10と基本構造が同じ第一参考例に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12の構成について説明する。
図1,図2には、第一参考例に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12の構成が示されている。なお、これらの図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側、矢印Outは、車両幅方向外側をそれぞれ示している。
図1に示されるように、第一参考例に係る車両用ドア構造10が適用されたドア12は、例えば、乗用自動車等の車両のフロントサイドドアとして構成されている。このドア12は、ドア上半分に配置されたドアフレーム14と、ドア下半分に配置されたドアパネル体16とを備えて構成されている。
ドアパネル体16は、車両幅方向内方側に配置されたドアインナパネル18と、車両幅方向外方側に配置されたドアアウタパネル20とを備えて構成されている。本参考例において、このドアインナパネル18とドアアウタパネル20とは、例えば、アルミニウムで構成されている。また、このドアインナパネル18とドアアウタパネル20とは、ヘミング加工により互いの外周縁部にて結合されている。
このドアインナパネル18とドアアウタパネル20とが結合されて構成されたドアパネル体16は、ドアインナパネル18とドアアウタパネル20との間に内部空間22を有している。そして、本参考例では、この内部空間22のドアアウタパネル20側寄りで、ドアパネル体16の下部の位置にパイプ状のインパクトビーム24が配置されている(パイプ状でなくても可)。
インパクトビーム24は、内部空間22に車両前後方向に沿って延在するように配置されている。そして、このインパクトビーム24の車両前後方向両端部は、エクステンション26,28を介してドアインナパネル18の車両前後方向両端側の部分にそれぞれ結合されている。本参考例において、このインパクトビーム24及びエクステンション26,28は、例えば、鋼で構成されている。
さらに、このインパクトビーム24が内蔵されて補強されたドアパネル体16には、図1に示されるように、各部を補強するために、ミラーブラケット30、ロックリインフォースメント32、ベルトラインインナリインフォースメント34が設けられている。
ミラーブラケット30は、ドアインナパネル18の車両前後方向前側且つ車両上下方向上側の部分に一体的に結合されており、ロックリインフォースメント32は、ドアインナパネル18の車両前後方向後側且つ車両上下方向上側の部分に一体的に結合されている。
また、ベルトラインインナリインフォースメント34は、図2に示されるように、ドアインナパネル18よりも車両幅方向外側でドアインナパネル18と車両幅方向に対向するように配置されている。
このベルトラインインナリインフォースメント34は、図1に示されるように、ドアパネル体16のベルトライン部BLに車両前後方向に沿って延在されており、その車両前後方向両端部がミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32に結合部36,38によりそれぞれ結合されている。また、このベルトラインインナリインフォースメント34とドアインナパネル18とは、ミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32にそれぞれ結合されることにより車両前後方向に拘束されている。
また、ベルトラインインナリインフォースメント34の車両前後方向中央部は、図1,図2に示されるように、ドアインナパネル18の車両前後方向中央側の部分に上下一対の結合部40により結合されている(結合部40だけでなく結合部36,38間の車両前後方向複数箇所で結合されていても良い)。
参考例において、このミラーブラケット30、ロックリインフォースメント32は、例えば、鋼で構成されており、ベルトラインインナリインフォースメント34は、例えば、アルミニウムで構成されている。
次に、図3を参照しながら、第一参考例の作用及び効果について説明する。
図3(a)には、第一参考例の車両用ドア構造10が適用されたドア12の模式図が示されている。また、第一参考例の作用及び効果をより明確化するために、第一参考例の比較例を図3(b)に示す。図3(b)には、比較例に係る車両用ドア構造100が適用されたドア102の模式図が示されている。
先ず、図3(b)に示される比較例について説明すると、この比較例と第一参考例とは、ベルトラインインナリインフォースメント34の構成材料が異なり、その他の構成は同一とされている。つまり、この比較例において、ドアインナパネル18は、アルミニウムで構成されているが、ベルトラインインナリインフォースメント34は、鋼で構成されている。なお、便宜上、比較例に係る車両用ドア構造100においては、第一参考例に係る車両用ドア構造10と同一の符号を用いることとする。
この比較例に係る車両用ドア構造100では、ドア102のベルトラインインナ部42がドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34で構成されている。このドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34は、車両幅方向に対向するように配置されると共に互いに車両前後方向に沿って延在され、車両前後方向両端側にて互いにミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32(拘束部)により車両前後方向に拘束されている(その拘束反力方向を矢印Fで示す)。
ここで、この比較例に係る車両用ドア構造100において、ドア102の置かれている温度環境が変化すること等により、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じた場合には、図3(b)中の実線で示される如く、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両幅方向に曲がって反ったりする。従って、この場合には、ベルトラインインナ部42とベルトラインアウタ部44との間のベルトライン開口部46に変形が生じ、ベルトライン開口部46の開口幅Wが狭くなることに伴って、例えば、窓ガラス49(図2参照)の昇降抵抗が増加(変化)する可能性がある。
これに対し、図3(a)に示される第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが同一種の材料、すなわち、いずれもアルミニウムで構成されている。このため、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが同一の線膨張係数となるので、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
これにより、例えば比較例の如くドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両幅方向に曲がって反ったりすることを抑制でき、図3(a)の実線で示される如く、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34を初期の形状に維持できる。この結果、ベルトラインインナ部42とベルトラインアウタ部44との間のベルトライン開口部46に変形が生じることを抑制でき、ベルトライン開口部46の開口幅Wの変位を少なくすることで、例えば、窓ガラス49(図2参照)の昇降抵抗が増加(変化)することを抑制できる。
また、第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とは、車両前後方向両端側のミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32との結合部の間で結合部40(図3では、スポット溶接による結合を模式的に示している)により互いに結合されている。従って、開口幅W方向の変位が大きくなるベルトライン開口部46の車両前後方向中央部でドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とを結合できる。これにより、線膨張量差が抑制されたドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との微少な相対変位をさらに抑制でき、ベルトラインインナ部42とベルトラインアウタ部44との間のベルトライン開口部46に変形が生じることをより抑制できる。
また、第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34を車両前後方向に拘束するためのミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32が、線膨張係数の小さな材料、すなわち、鋼で構成されている。従って、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合でも、ミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32の線膨張を抑制できる。これにより、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34を車両前後方向に確実に拘束することができる。
また、第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、互いに対向して配置されて結合された一対の長手部材については、同程度の線膨張係数とされている。すなわち、図2に示される車両前後方向に延在されるドアアウタパネル20とベルトラインアウタリインフォースメント48とは、いずれもアルミニウムで構成されている。また、図1に示される車両上下方向に延在されるドアフレーム14の前枠14Aとミラーブラケット30とは、いずれも鋼で構成されている。同様に、車両上下方向に延在されるドアフレーム14の後枠14Bとロックリインフォースメント32とは、いずれも鋼で構成されている。
従って、このように互いに対向して配置されて結合される一対の長手部材については、同一の線膨張係数となるので、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、これらの長手部材の線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
また、上述の一対の長手部材については、部材の成形方法(例えば、ロール成形、押し出し成形、引き抜き加工、プレス成形、切削加工など)が異なっても、同程度の線膨張係数であるため、線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
なお、第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、互いに結合されたドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とがアルミニウムで構成されているので、電位差が生じず、電食を防止できる。
また、第一参考例に係る車両用ドア構造10によれば、上述の如く、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを抑制できるので、熱応力が互いの結合部36,38,40に発生せず、これらの結合部36,38,40の疲労耐久性を向上できる。
次に、第一参考例の第一変形例について説明する。
上記第一参考例では、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とがいずれもアルミニウムで構成されていたが、次のように構成されていても良い。
すなわち、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がマグネシウムで構成されていても良い。また、ドアインナパネル18がマグネシウムで構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成されていても良い。
このように、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がマグネシウムで構成されているか、若しくは、ドアインナパネル18がマグネシウムで構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成されていると、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが同程度の線膨張係数となる。従って、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
また、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とは、いずれも金属で構成されることに限らず、その他にも、例えば、ドアインナパネル18がカーボン繊維の入ったプラスチック(例えば、炭素繊維強化樹脂:CFRP)で構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がガラス繊維の入ったプラスチック(例えば、ガラス繊維強化樹脂:GFRP)で構成されていても良い。また、ドアインナパネル18がガラス繊維の入ったプラスチック(例えば、ガラス繊維強化樹脂:GFRP)で構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34がカーボン繊維の入ったプラスチック(例えば、炭素繊維強化樹脂:CFRP)で構成されていても良い。このように構成されていても、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが同程度の線膨張係数となり、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
また、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とは、カーボン繊維の入ったプラスチック及びガラス繊維の入ったプラスチック以外に、異なる繊維入りで同程度の線膨張係数を有するプラスチックでそれぞれ構成されていても良い。
次に、第一参考例の第二変形例について説明する。
上記第一参考例では、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とがいずれもアルミニウムで構成されていたが、第一参考例の第二変形例として、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが、いずれも鋼で構成された場合について説明する。
このように、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが、いずれも鋼で構成されていても、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とが同一の線膨張係数となる。従って、ドア12の置かれている温度環境が変化した場合(特に低温環境下に置かれた場合)でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
なお、上述のように、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とがいずれも鋼で構成されていると、鋼はアルミニウムよりも線膨張係数が小さいため、ドア12と車体、若しくは、ドア12と他のドア(リアドア)との見切り寸法の変化を温度変化に対して小さくできる。これにより、ドア12の建て付け精度を確保し易く、ドア12の見切り寸法も小さくできるので、ドア12の見栄えを向上できる。
また、ベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されていると、アルミニウムで構成された場合に比して、例えば前面衝突時の前面衝突荷重の伝達効率を向上させることができる。
また、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とがいずれも鋼で構成されていると、これらがアルミニウムで構成された場合に比して、材料及び加工費を低く抑えることができる。
[試験例]
次に、図4を参照しながら、第一参考例の試験例について説明する。
図4は、試験例の試験結果を示す線図であり、図4(a)は第一参考例についての試験結果、図4(b)は上述の第一参考例の第二変形例についての試験結果、図4(c)は上述の比較例についての試験結果である。
つまり、図4(a)に示される第一参考例についての試験結果は、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34がいずれもアルミニウムで構成された場合(図3(a)参照)のものであり、図4(b)に示される第一参考例の第二変形例についての試験結果は、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34がいずれも鋼で構成された場合のものであり、図4(c)に示される比較例についての試験結果は、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成され、ベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成された場合(図3(b)参照)のものである。
また、試験は、各ドアを室温(23℃)から低温(−30℃)にしたときのベルトライン開口部46の開口幅Wの変化を測定したものである。また、ベルトライン開口部46の開口幅Wの変化については、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34の前端部a、中央部b、後端部c(図1参照)のそれぞれについて測定したものである。
なお、図4(a)に示される第一参考例の測定結果については、ベルトラインインナ部42の低温時変形後の測定位置をL1で、ベルトラインアウタ部44の低温時変形後の測定位置をL2で示す。また、ベルトラインインナ部42の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL3で、ベルトラインアウタ部44の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL4で示す。
また、図4(b)に示される第一参考例の第二変形例の測定結果については、ベルトラインインナ部42の低温時変形後の測定位置をL5で、ベルトラインアウタ部44の低温時変形後の測定位置をL6で示す。また、ベルトラインインナ部42の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL7で、ベルトラインアウタ部44の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL8で示す。
また、図4(c)に示される比較例の測定結果については、ベルトラインインナ部42の低温時変形後の測定位置をL9で、ベルトラインアウタ部44の低温時変形後の測定位置をL10で示す。また、ベルトラインインナ部42の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL11で、ベルトラインアウタ部44の室温時変形前の初期位置(基準位置)をL12で示す。
先ず、図4(c)に示される比較例の試験結果について考察すると、この比較例では、L9で示される如く、ベルトラインインナ部42の中央部bの車両幅方向外側への変形が大きく、ベルトライン開口部46の開口幅Wが狭くなっている。従って、ベルトライン開口部46の開口幅Wが狭くなることに伴って、例えば、窓ガラス49(図2参照)の昇降抵抗が増加(変化)する可能性がある。
次に、図4(a)に示される第一参考例の試験結果について考察すると、この実施形態では、L1で示される如く、ベルトラインインナ部42の中央部bの車両幅方向外側への変形が抑えられており、ベルトライン開口部46の開口幅Wが維持されている。従って、ベルトライン開口部46の開口幅Wの変位を少なくすることで、例えば、窓ガラス49(図2参照)の昇降抵抗が増加(変化)することを抑制できる。
また、図4(b)に示される第一参考例の第二変形例の試験結果について考察すると、この参考例においても、ベルトライン開口部46の開口幅Wが維持されている。従って、ベルトライン開口部46の開口幅Wの変位を少なくすることで、例えば、窓ガラス49(図2参照)の昇降抵抗が増加(変化)することをより抑制できる。
[第実施形態]
次に、図5を参照しながら、本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造50が適用されたドア52の構成について説明する。
図5には、本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造50が適用されたドア52の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造50は、上述の第一参考例に係る車両用ドア構造10と基本構造を同じにするが、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されており、しかも、ドアインナパネル18のベルトライン部BLに複数の孔部54が板厚方向に穿設されて構成されたものである。
次に、本発明の第実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造50によれば、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のうち線膨張係数の大きいドアインナパネル18には、ベルトライン部BLに複数の孔部54が板厚方向に穿設されている。従って、ドア52の置かれている温度環境が変化することに伴ってドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とに車両前後方向における膨張又は収縮が生じた場合でも、ドアインナパネル18では、孔部54の周囲部で熱応力を干渉させることができ、熱応力を緩和できる。これにより、ドアインナパネル18の膨張又は収縮を吸収して抑制できる。この結果、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
次に、本発明の第実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されていたが、ドアインナパネル18が鋼で構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成されていても良い。
また、上記実施形態では、熱応力干渉(熱応力緩和)用の複数の孔部54がドアインナパネル18に穿設されていたが、例えば、ドアインナパネル18が鋼で構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成された場合には、熱応力干渉(熱応力緩和)用の複数の孔部54がベルトラインインナリインフォースメント34に穿設されていても良い。
[第実施形態]
次に、図6を参照しながら、本発明の第実施形態について説明する。
図6には、本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造60が適用されたドア62の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Outは、車両幅方向外側をそれぞれ示している。
本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造60は、上述の第一参考例に係る車両用ドア構造10に対し、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されており、しかも、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両前後方向に波板状に形成されたものである。
次に、本発明の第実施形態の作用及び効果について説明する。
本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造60によれば、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両前後方向に波板状に形成されている。従って、ドア62の置かれている温度環境が変化することに伴ってドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とに車両前後方向に膨張若しくは収縮が生じた場合でも、車両前後方向両端側のミラーブラケット30及びロックリインフォースメント32(拘束部)からの拘束反力Fを車両前後方向に波板状に形成された部分で吸収できる。これにより、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量に差が生じることを確実に抑制できる。
次に、本発明の第実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両前後方向に波板状に形成されていたが、例えば、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のうち線膨張係数が大きい方(この場合、ドアインナパネル18)のみが車両前後方向に波板状に形成されていても良い。
また、上記実施形態では、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されていたが、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のいずれもがアルミニウムで構成されていても良く、また、ドアインナパネル18が鋼で構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成されていても良い。
また、上記実施形態において、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のうち線膨張係数が大きい方(この場合、ドアインナパネル18)に、上述の熱応力干渉(熱応力緩和)用の複数の孔部54が板厚方向に穿設されていても良い。
第二参考例
次に、図7を参照しながら、第一参考例に係る車両用ドア構造10に対し一部構成を変更した第二参考例について説明する。
図7には、第二参考例に係る車両用ドア構造70が適用されたドア72の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Outは、車両幅方向外側をそれぞれ示している。
第二参考例に係る車両用ドア構造70は、上述の第一参考例に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。すなわち、第二参考例に係る車両用ドア構造70が適用されたドア72では、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されている。
また、ロックリインフォースメント32は、ドアインナパネル18の後端側に形成された車両前後方向壁部18A、車両幅方向壁部18B、車両前後方向壁部18Cに沿う形に屈曲して形成されている。そして、ロックリインフォースメント32の前端部32Aは、ベルトラインインナリインフォースメント34の後端部34Aに第一結合部74により結合されている。また、ロックリインフォースメント32の後端部32Bは、上述の第一結合部74よりも車両前後方向後側にずれた位置で、ドアインナパネル18の車両幅方向壁部18B及び車両前後方向壁部18Cに第二結合部76によりそれぞれ結合されている。
次に、第二参考例の作用及び効果について説明する。
第二参考例に係る車両用ドア構造70によれば、ロックリインフォースメント32は、上述の如く車両前後方向にずれた第一結合部74及び第二結合部76により、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34と結合されている。従って、ドア72の置かれている温度環境が変化することに伴ってドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34とに車両前後方向における膨張又は収縮が生じた場合でも、ドアインナパネル18とベルトラインインナリインフォースメント34との車両前後方向における線膨張量差を、ロックリインフォースメント32の車両前後方向における第一結合部74及び第二結合部76間の変形によって確実に吸収できる。これにより、例えば、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34が車両幅方向に曲がって反ったりすることを確実に抑制できる。
次に、第二参考例の変形例について説明する。
上記第二参考例では、ドアインナパネル18がアルミニウムで構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34が鋼で構成されていたが、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のいずれもがアルミニウムで構成されていても良く、また、ドアインナパネル18が鋼で構成されると共にベルトラインインナリインフォースメント34がアルミニウムで構成されていても良い。
また、上記第二参考例において、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34のうち線膨張係数が大きい方(この場合、ドアインナパネル18)に、上述の熱応力干渉(熱応力緩和)用の複数の孔部54が板厚方向に穿設されていても良い。
また、上記参考例において、ドアインナパネル18及びベルトラインインナリインフォースメント34の少なくとも一方が車両前後方向に波板状に形成されていても良い。
第三参考例
次に、図8を参照しながら、第一参考例に係る車両用ドア構造10に対し一部構成を変更した第三参考例について説明する。
図8には、第三参考例に係る車両用ドア構造80が適用されたドア82の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
第三参考例に係る車両用ドア構造80は、上述の第一参考例に係る車両用ドア構造10に対し、以下の構成を変更したものである。すなわち、第三参考例に係る車両用ドア構造80が適用されたドア82では、上述のミラーブラケット30が車両上下方向下側へ延長されて前側のエクステンション26と結合(一体化)されている。また、上述のロックリインフォースメント32は、車両上下方向下側に延長されて後側のエクステンション28と結合(一体化)されている。
また、ドアフレーム14は、鋼で構成され、このドアフレーム14のうち上枠14Cの長手方向Laとインパクトビーム24の長手方向Lbとが角度を有する(平行でない)構成とされている。
次に、第三参考例の作用及び効果について説明する。
第三参考例に係る車両用ドア構造80によれば、ミラーブラケット30が車両上下方向下側へ延長されて前側のエクステンション26と結合(一体化)されており、ロックリインフォースメント32が車両上下方向下側に延長されて後側のエクステンション28と結合(一体化)されている。従って、これらの部材により線膨張係数が軽金属のアルミニウムに比して小さい鋼でドア骨格84を構成できる。これにより、このドア骨格84の温度環境の変化による寸法変化を小さくすることができる。また、ドア骨格84の捩れなどの局所的な変形を抑制することができる。
また、第三参考例に係る車両用ドア構造80によれば、ドアフレーム14のうち上枠14Cの長手方向Laとインパクトビーム24の長手方向Lbとが角度を有する(平行でない)構成とされている。従って、上述のドア骨格84の剛性を向上できるので、このドア骨格84の捩れ変形を抑制する効果を高めることができる。
第四参考例
次に、図9を参照しながら、第三参考例に係る車両用ドア構造80に対し一部構成を変更した第四参考例について説明する。
図9には、第四参考例に係る車両用ドア構造90が適用されたドア92の構成が示されている。なお、この図において、矢印Frは、車両前後方向前側、矢印Upは、車両上下方向上側をそれぞれ示している。
第四参考例に係る車両用ドア構造90は、上述の第三参考例態に係る車両用ドア構造80に対し、以下の構成を変更したものである。すなわち、第四参考例に係る車両用ドア構造90が適用されたドア92では、ドアインナパネル18のうちのベルトラインインナパネル94とベルトラインインナリインフォースメント34とが、ドアパネル体16の前縁96、ドアパネル体16の上縁97、ドアパネル体16の前縁96の下端及び上縁97の後端を繋ぐ対角線98を三辺とする側面視概略三角形状に構成されている。また、このベルトラインインナパネル94及びベルトラインインナリインフォースメント34の斜辺(対角線98)の延在方向(対角線方向)Lcが、インパクトビーム24の長手方向Lbと鋭角を成すように構成されている。
次に、第四参考例の作用及び効果について説明する。
第四参考例に係る車両用ドア構造90によれば、ベルトラインインナパネル94及びベルトラインインナリインフォースメント34の斜辺(対角線98)の延在方向(対角線方向)Lcが、インパクトビーム24の長手方向Lbと鋭角を成すように構成されている。従って、ベルトラインインナパネル94及びベルトラインインナリインフォースメント34の剛性を向上できるので、例えば、ベルトラインインナパネル94及びベルトラインインナリインフォースメント34の捩れ変形等を抑制できる。
第一参考例に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 図1の2−2線断面図である。 第一参考例に係る車両用ドア構造と比較例に係る車両用ドア構造との変形の比較を示す説明図である。 第一参考例に係る試験例を示す線図である。 本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 本発明の第実施形態に係る車両用ドア構造が適用されたドアの模式的な構成を示す平面断面図である。 第二参考例に係る車両用ドア構造が適用されたドアの要部拡大平面断面図である。 第三参考例に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。 第四参考例に係る車両用ドア構造が適用されたドアの側面図である。
符号の説明
10,50,60,70,80,90 車両用ドア構造
18 ドアインナパネル(インナ側部材)
20 ドアアウタパネル
24 インパクトビーム
30 ミラーブラケット30(拘束部材の一方)
32 ロックリインフォースメント(拘束部材の他方)
34 ベルトラインインナリインフォースメント(アウタ側部材)
40 結合部
42 ベルトラインインナ部
44 ベルトラインアウタ部
46 ベルトライン開口部
48 ベルトラインアウタリインフォースメント
54 孔

Claims (5)

  1. ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在されてドアのベルトラインインナ部を構成するインナ側部材及びアウタ側部材と、
    前記インナ側部材及び前記アウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されて、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のドア幅方向両端側にそれぞれ結合されると共に、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材と、
    前記インナ側部材又は前記アウタ側部材に形成され、当該インナ側部材と前記アウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段と、
    備え、
    前記インナ側部材とアウタ側部材とは、線膨張係数の異なる材料で構成され、
    前記線膨張量差抑制手段は、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のうち線膨張係数の大きい方に孔部が穿設されたことを含むことを特徴とする車両用ドア構造。
  2. ドア厚さ方向に対向するように配置されると共に互いにドア幅方向に沿って延在されてドアのベルトラインインナ部を構成するインナ側部材及びアウタ側部材と、
    前記インナ側部材及び前記アウタ側部材の少なくとも一方よりも線膨張係数の小さな材料で構成されて、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材のドア幅方向両端側にそれぞれ結合されると共に、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材をドア幅方向に拘束する一対の拘束部材と、
    前記インナ側部材又は前記アウタ側部材に形成され、当該インナ側部材と前記アウタ側部材とのドア幅方向における線膨張量差を抑制するための線膨張量差抑制手段と、
    を備え、
    前記線膨張量差抑制手段は、前記インナ側部材及び前記アウタ側部材の少なくとも一方がドア幅方向に波板状に形成されたことを含むことを特徴とする車両用ドア構造。
  3. 前記インナ側部材と前記アウタ側部材とは、前記一対の拘束部材との結合部の間に互いの結合部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記インナ側部材とアウタ側部材とが同一種の材料で構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
  5. 前記インナ側部材がアルミニウムで構成され、前記アウタ側部材がマグネシウムで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がマグネシウムで構成され、前記アウタ側部材がアルミニウムで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成され、前記アウタ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成されたこと、若しくは、前記インナ側部材がガラス繊維の入ったプラスチックで構成され、前記アウタ側部材がカーボン繊維の入ったプラスチックで構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用ドア構造。
JP2006283503A 2006-09-26 2006-10-18 車両用ドア構造 Expired - Fee Related JP4946344B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006283503A JP4946344B2 (ja) 2006-09-26 2006-10-18 車両用ドア構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006261089 2006-09-26
JP2006261089 2006-09-26
JP2006283503A JP4946344B2 (ja) 2006-09-26 2006-10-18 車両用ドア構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008105437A JP2008105437A (ja) 2008-05-08
JP4946344B2 true JP4946344B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=39439175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006283503A Expired - Fee Related JP4946344B2 (ja) 2006-09-26 2006-10-18 車両用ドア構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4946344B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112133A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Toyota Motor Corp 車両用ドア構造
FR2995861B1 (fr) * 2012-09-25 2015-08-07 Renault Sa Habillage interieur structurel pour porte laterale de vehicule et porte laterale ainsi equipee
JP2014091429A (ja) * 2012-11-05 2014-05-19 Toyota Motor Corp 車両用ドア構造
JP5772882B2 (ja) * 2013-06-19 2015-09-02 トヨタ自動車株式会社 車両用バックドア
JP5846167B2 (ja) 2013-07-30 2016-01-20 トヨタ自動車株式会社 車両用ドア構造
JP6175406B2 (ja) * 2014-06-03 2017-08-02 本田技研工業株式会社 車両用ドア
JP6417965B2 (ja) * 2015-01-26 2018-11-07 トヨタ自動車株式会社 車両用ドア構造
JP6260611B2 (ja) * 2015-12-21 2018-01-17 トヨタ自動車株式会社 車両用ドア構造および車両用ドアの製造方法
JP7443945B2 (ja) 2020-06-10 2024-03-06 マツダ株式会社 車両のサイドドア構造

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11129758A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Suzuki Motor Corp 自動車用ドア構造
JP2002240568A (ja) * 2001-02-21 2002-08-28 Nissan Motor Co Ltd 車輌用パネルアッセンブリ
JP2003205745A (ja) * 2002-01-16 2003-07-22 Honda Motor Co Ltd 自動車用ドア
JP4287689B2 (ja) * 2003-04-11 2009-07-01 本田技研工業株式会社 車両用ドア

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008105437A (ja) 2008-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4946344B2 (ja) 車両用ドア構造
EP3372454B1 (en) Vehicle body structure
JP3852445B2 (ja) メンバー部材の衝撃エネルギー吸収構造
US7147272B2 (en) Vehicle body floor structure
JP5303211B2 (ja) 車両用ドア構造体およびその製造方法
US8662567B2 (en) Vehicle roof support pillar assembly
EP2112981B1 (en) Vehicle front side member
US8256830B2 (en) Dashboard support
US6517142B2 (en) Side impact support
US8360490B2 (en) Bumper crossbeam as component of a bumper of a motor vehicle
US20140300136A1 (en) Front Axle Mounting With Crash Grooves
US20140103685A1 (en) Lightweight Cross-Car Beam and Method of Construction
WO2016035851A1 (ja) 自動車部材
US20120261950A1 (en) Vehicle roof support assembly
JP2011051544A (ja) バックドア
JP2011136593A (ja) フロントピラー下部構造
JP4834353B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP4693519B2 (ja) バックドア
JP2011148496A (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP2008162478A (ja) 結合部材断面構造
KR101090707B1 (ko) 자동차용 도어 임팩트 빔 및 그 제조방법
JP5235007B2 (ja) クラッシュボックス
JP2009035088A (ja) 車両のボンネット構造
JP2008006935A (ja) 自動車用複合部材
JP4431161B2 (ja) 側面衝突性能を強化させた自動車用ドア

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110623

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111201

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4946344

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees