JP2011148496A - 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造 - Google Patents

車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギ吸収性能を向上した車両用エネルギ吸収ビーム等を提供する。
【解決手段】衝突に起因する荷重が入力される入力面部130と、入力面部130と荷重の入力方向に間隔を隔てて対向して配置される支持面部140と、入力面部130と支持面部140との間にわたして設けられ、相互に離間して配置された複数のウェブ面部とをそれぞれ有し、荷重の入力方向と略直交する方向に離間して配置された第1の閉断面部110及び第2の閉断面部120と、第1の閉断面部110における入力面部130の第2の閉断面部120側の端部と、第2の閉断面部120における入力面130部の第1の閉断面部110側の端部とを接続する入力側ブリッジ部とを備える車両用エネルギ吸収ビーム100を、入力側ブリッジ部は、第1の閉断面部110及び第2の閉断面部120のウェブ面部よりも面剛性を低くした構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車のドアビーム等に用いられる車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造に関するものである。
自動車等の車両は、側面衝突に対する安全性をより向上することが要求されている。
例えば、車両の側部に設けられるドアは、衝突時に入力されるエネルギを十分に吸収しかつ変形量を低減するため、アウタパネルとインナパネルとの間の空間部内に、前後方向にわたして中空のパイプによって形成されたエネルギ吸収ビームであるサイドインパクトビームを配置したものが知られている。
従来、サイドインパクトビームは、スチール等によって形成された円筒状のものが一般的であったが、強度及びエネルギ吸収性能をより向上する場合、このようなパイプビームでは本数の増加やサイズの拡大が必要となり重量が増大してしまう。
そこで、サイドインパクトビームは、比較的軽量でありかつ断面形状を成型する自由度が大きいアルミニウム合金の押出材を用いることが提案されている。
このようなサイドインパクトビームは、入力方向に略沿って配置される部分であるウェブ部の座屈変形を制御するため、隣接する一対のウェブの間隔が入力方向に沿って変化するようにしたもの、ウェブの表面に屈曲の抵抗部材として機能する突起を形成したものがそれぞれ知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
一方、サイドインパクトビームと同様にエネルギの吸収性能が問題となる車両のバンパビームは、入力を受ける前壁部とこれに対向して配置された後壁部との間に、上下方向に間隔を隔てて配置された複数の横壁部を形成して複数の閉断面部を構成するとともに、横壁部の板厚を車両前後方向における中間部において薄くして座屈変形の安定化を図ったものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−118367号公報 特開2003−252056号公報 特開2000−318549号公報
上述したように複数の閉断面部を有する衝撃吸収ビームは、バンパビームに限らずサイドインパクトビーム等の車両の他の部位にも適用が可能であり、比較的軽量でありながら大きなエネルギ吸収量が得られるが、このような衝撃吸収ビームにおいて、よりいっそうエネルギ吸収性能を向上することが要望されている。
本発明の課題は、エネルギ吸収性能を向上した車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、衝突に起因する荷重が入力される入力面部と、前記入力面部と前記荷重の入力方向に間隔を隔てて対向して配置される支持面部と、前記入力面部と前記支持面部との間にわたして設けられ、相互に離間して配置された第1の閉断面部及び第2の閉断面部と、前記第1の閉断面部における前記入力面部の前記第2の閉断面部側の端部と、前記第2の閉断面部における前記入力面部の前記第1の閉断面部側の端部とを接続する入力側ブリッジ部とを備える車両用エネルギ吸収ビームにおいて、前記入力側ブリッジ部は、前記第1の閉断面部及び前記第2の閉断面部の前記ウェブ面部よりも面剛性を低くしたことを特徴とする車両用エネルギ吸収ビームである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、前記第1の閉断面部における前記第2の閉断面部と反対側のウェブ面部は、前記第1の閉断面部の外側に凸となる凸面状に形成され、前記第2の閉断面部における前記第1の閉断面部と反対側のウェブ面部は、前記第2の閉断面部の外側に凸となる凸面状に形成されることを特徴とする車両用エネルギ吸収ビームである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、前記第1の閉断面部における前記第2の閉断面部と反対側のウェブ面部が最も前記第2の閉断面部側から離間する箇所は、前記第2の閉断面部における前記第1の閉断面部と反対側のウェブ面部が最も前記第1の閉断面部から離間する箇所と、前記荷重の入力方向において略同じ位置に配置されることを特徴とする車両用エネルギ吸収ビームである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、前記第1の閉断面部と、前記第2の閉断面部と、前記入力側ブリッジ部と、前記第1の閉断面部の前記支持面部及び前記第2の閉断面部の前記支持面部間を連結する支持側ブリッジ部とを一体に形成したことを特徴とする車両用エネルギ吸収ビームである。
請求項5の発明は、高さ方向の位置に応じて車幅方向の位置が変化する曲面状に形成されたドアアウタパネルと、前記ドアパネルの内面側に配置された請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用エネルギ吸収ビームとを備える車両用ドア構造において、前記第1の閉断面部の前記入力面部、及び、前記第2の閉断面部の前記入力面部は、それぞれ前記ドアアウタパネルの内面側に対向し、かつ、前記ドアアウタパネルの傾斜に応じて車幅方向にオフセットして配置されることを特徴とする車両用ドア構造である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)面剛性をウェブ面部よりも低くした入力側ブリッジ部を設けることによって、第1の閉断面部、第2の閉断面部を連結してこれらが独立して制御困難な変形をすることを防止することができ、かつ適度に変形することによって第1の閉断面部、第2の閉断面部の潰れ変形に対して過度に干渉することがなく、これらの変形をコントロールしてエネルギ吸収ビームのエネルギ吸収性能を確保することができる。
(2)第1の閉断面部、第2の閉断面部の他の閉断面部と反対側のウェブ面部を、それが含まれる閉断面部の外側に凸となる凸面状に形成することによって、これらのウェブ面部は同じ閉断面部に含まれる他のウェブ面部とは反対側の方向に変形する。これによって、各閉断面部に含まれるウェブ面部どうしが干渉することを防止し、これらが相互に開くように変形することによって、エネルギ吸収性能をより向上することができる。
(3)エネルギ吸収ビームを一体に形成することによって、部品点数を低減し構造及び組立工程を簡素化することができる。
(4)第1の閉断面部、第2の閉断面部の入力面部を、ドアアウタパネルの傾斜に応じて車幅方向にオフセットすることによって、エネルギ吸収ビームをドアアウタパネルに沿った形状としてデッドスペースを低減し、エネルギ吸収性能を向上することができる。
本発明を適用した車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造の実施例を備えた車両の側面図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 図1のIII−III部矢視断面図である。 図3に示すメインビームの衝突後の状態を示す図である。
本発明は、エネルギ吸収性能を向上した車両用エネルギ吸収ビーム等を提供するという目的を、上側閉断面部の下面部及び下側閉断面部の上面部を、それぞれ他方のウェブ面部側に凸となるように屈曲して形成すること、及び、上下の閉断面部の入力面部間にわたして設けられる入力側ブリッジ部を、上下の閉断面部の上面部及び下面部よりも肉薄に形成することによって達成する。
以下、本発明を適用した車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造の実施例について説明する。
図1は、本実施例の車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造を備えた車両の側面図である。図2は、図1のII−II部矢視断面図である。図3は、図1のIII−III部矢視断面図である。
車両1は、例えばセダン型の乗用車であって、フロントドア開口10、フロントドア20、パイプビーム30、アッパビーム40、メインビーム100を備えている。
フロントドア開口10は、車体の側面部に形成され、フロントドア20が開閉可能に装着されて搭乗員の乗降に用いられるものである。
フロントドア開口10は、フロントピラー11、センターピラー12、サイドシル13、ルーフ14に囲まれて形成されている。
フロントピラー11は、車両1のフロントホイールハウスの後方に設けられ、フロントドア20の前端部を回転可能に支持する図示しないヒンジが設けられる部分から、その上方に延在し、ドアガラスの前縁部と隣接するいわゆるAピラー部までを含む車体の構造部分である。
センターピラー(Bピラー)12は、ドア20の後端部に設けられ、サイドシル13とルーフ14とにわたして設けられている。センターピラー12は、ドア20後端部の図示しないラッチ部が係合される図示しないストライカ部と、リアドアの前端部を回転可能に支持する図示しないヒンジ部が設けられている。
サイドシル13は、図示しないフロアパネルの車幅方向における両端部であって、フロントドア20及びリアドアの下端部に沿って車両1の前後方向に延在する部分である。
ルーフ14は、フロントピラー11及びセンターピラー12の上端部がそれぞれ接続されている。
フロントドア20は、図2に示すように、アウタパネル21、インナパネル22を備えている。
アウタパネル21は、車両1の外表面部の一部を構成するフロントドア20の表皮部である。
インナパネル22は、アウタパネル21の車室内側に配置される部材であって、アウタパネル21に対してその前端縁部、後端縁部、下端縁部どうしをそれぞれ接合されている。
アウタパネル21及びインナパネル22は、例えば鋼板等の金属薄板をプレス加工して形成されている。
パイプビーム30、アッパビーム40、メインビーム100は、図1に示すように、それぞれフロントドア20の前端部と後端部との間にわたして設けられた梁状の部材であって、側面衝突時にフロントドア20のアウタパネル21側から負荷される入力を受けてエネルギを吸収するとともに、フロントドア20の変形を抑制して搭乗者を保護するエネルギ吸収ビーム(サイドインパクトビーム)である。
これらは、フロントドア20の前端部及び後端部においてインナパネル22に固定されている。また、このような領域においては、インナパネル22は、図示しないリンホースメント部材によってその補剛が図られている。
パイプビーム30は、フロントドア20の窓肩部と下端部との間の略中央部に配置され、図2に示すように、中空の丸パイプによって形成されている。
アッパビーム40は、パイプビーム30の上側に間隔を隔てて配置されている。アッパビーム40は、図2に示すように、入力面部41、支持面部42、上面部43、下面部44を備え、車幅方向に切って見た横断面が閉断面となっている。
入力面部41は、アウタパネル21の内面(車幅方向内側の面)に対向して配置された面部であって、アウタパネル21側が凸となるように屈曲させて凸面状に形成されている。
支持面部42は、入力面部41の車幅方向内側の面と間隔を隔てて対向して配置され、インナパネル22に対して固定されるものである。
上面部43は、入力面部41、支持面部42の上端部間にわたして設けられ、上側が凸となるように屈曲させて凸面状に形成されている。
下面部44は、入力面部41、支持面部42の下端部間にわたして設けられ、下側が凸となるように屈曲させて凸面状に形成されている。
上面部43、下面部44は、車両1の側面衝突によって入力面部41が車幅方向内側に押圧された際に、座屈変形することによって衝突エネルギを吸収するウェブ面部である。上面部43、下面部44は、上述したように屈曲させて形成されていることから、その車幅方向における中間部分が相互に離間する方向に座屈するようになっている。
上述したアッパビーム40は、例えばアルミニウム合金の押出加工によって一体に形成されている。
メインビーム100は、図2に示すように、パイプビーム30の下側に間隔を隔てて配置されている。メインビーム100は、例えば、側面衝突試験に用いられるバリアBの先端面部と対向する高さに設けられ、このようなバリアBの先端面部の高さは、例えば衝突が想定される他の一般的な車両のフロントバンパ、メインフレーム等の高さを考慮して設定されている。
また、メインビーム100は、図3に示すように、上側閉断面部110、下側閉断面部120、入力側ブリッジ部130、支持側ブリッジ部140を備え、これらは例えばアルミニウム合金の押出加工によって一体に形成されている。
上側閉断面部110は、入力面部111、支持面部112、上面部113、下面部114を備え、車幅方向に切って見た横断面が閉断面となっている。
入力面部111は、アウタパネル21の内面に対向して配置された面部であって、アウタパネル21側が凸となるように、その上下方向における略中央部に設けられた変曲点111aにおいて屈曲させて凸面状に形成されている。
ここで、アウタパネル21は、図2に示すように、メインビーム100と対向する範囲においては、車幅方向における位置がその下側ほど車体中央側となるように傾斜して配置されている。
支持面部112は、入力面部111の車幅方向内側の面と間隔を隔てて対向して配置されている。また、支持面部112は、メインビーム100の前端部及び後端部において、インナパネル22に対してボルト112aによって固定される。支持面部112aは、上側閉断面部110の内部側の面部に、ボルト112aとネジ結合されるナット112bが設けられている。
上面部113は、入力面部111、支持面部112の上端部間にわたして設けられ、上側が凸となるように、その車幅方向(荷重入力方向)の中間部に設けられた変曲点113aにおいて屈曲させて凸面状に形成されている。ここで、変曲点113aは、上面部113が最も上方側に張り出した範囲内に設けられる。
下面部114は、入力面部111、支持面部112の下端部間にわたして設けられ、下側(下側閉断面部120側)が凸となるように、その車幅方向の中間部に設けられた変曲点114aにおいて屈曲させて凸面状に形成されている。ここで、変曲点114aは、下面部114が最も下方側に張り出した範囲内に設けられる。
また、上面部113、下面部114の変曲点113a,114aをそれぞれ挟んだ両側の領域は、略平面状に形成されている。
下側閉断面部120は、上側閉断面部110の下側に間隔を隔てて配置され、入力面部121、支持面部122、上面部123、下面部124を備え、車幅方向に切って見た横断面が閉断面となっている。
入力面部121は、アウタパネル21の内面に対向して配置された面部であって、アウタパネル21と対向する面は略平面状に形成されている。
支持面部122は、入力面部121の車幅方向内側の面と間隔を隔てて対向して配置されている。また、支持面部122は、支持面部112と同様にしてメインビーム100の前端部及び後端部においてインナパネル22に固定され、この固定に用いられるボルト112a、ナット112bが設けられている。
上面部123は、入力面部121、支持面部122の上端部間にわたして設けられ、上側(上側閉断面部110側)が凸となるように、その車幅方向の中間部に設けられた変曲点123aにおいて屈曲させて凸面上に形成されている。ここで、変曲点123aは、上面部123が最も上方側に張り出した範囲内に設けられる。
下面部124は、入力面部121、支持面部122の下端部間にわたして設けられ、下側が凸となるように、その車幅方向の中間部に設けられた変曲点124aにおいて屈曲させて凸面状に形成されている。ここで、変曲点124aは、下面部124が最も下方側に張り出した範囲内に設けられる。
また、上面部123、下面部124の変曲点123a、124aをそれぞれ挟んだ両側の領域は略平面状に形成されている。
ここで、上述した上側閉断面部110の上面部113、下面部114、及び、下側閉断面部120の上面部123、下面部124は、側面衝突によってメインビーム100が変形する際に屈曲し、座屈変形してエネルギを吸収するウェブ面部として機能するものであり、これらの各面部の変曲点113a,114a,123a,124aは、衝突時の荷重の入力方向において略一致した位置に配置されている。
入力側ブリッジ部130は、上側閉断面部110の入力面部111の下端部と、下側閉断面部120の入力面部121の上端部との間にわたして設けられ、これらを連結する平板状の部分である。
入力側ブリッジ部130は、その板厚が上側閉断面部110の上面部113及び下面部114、下側閉断面部120の上面部123及び下面部124よりも小さく形成され、これによってこれらの各面部よりも曲げ剛性が小さくなっている。
ここで、上側閉断面部110の入力面部111の変曲点111aよりも下側の領域、入力側ブリッジ部130、下側閉断面部120の入力面部121は、そのアウタパネル21と対向する側の面が連続した平面として形成され、この平面は、上端部が下端部よりも車幅方向外側にオフセットするように傾斜して配置され、隣接するアウタパネル21の内面に対して略平行に対向するようになっている。
支持側ブリッジ部140は、上側閉断面部110の支持面部112の下端部と、下側閉断面部120の支持面部122の上端部との間にわたして設けられ、これらを連結する平板状の部分である。
上側閉断面部110の支持面部112、支持側ブリッジ部140、下側閉断面部120の支持面部122は、略同じ板厚を有しかつ連続した平板状に形成され、この板厚は上述した入力側ブリッジ部130よりも大きく設定されている。
以下、上述したメインビーム100の側面衝突時における変形について説明する。
図4は、メインビーム100を車幅方向に切って見た状態を示す横断面図であって、側面衝突による変形後の状態を示す図である。
アウタパネル21は、例えばバリアBの先端面部(試験の場合)又は他の車両のフロントバンパ等によって押圧され、変形しながら車幅方向内側へ変位し、メインビーム100の上側閉断面部110の入力面部111、入力側ブリッジ部130、下側閉断面部120の入力面部121を加圧する。
上述した加圧力によって、上側閉断面部110の上面部113、下面部114、及び、下側閉断面部120の上面部123、下面部124にはそれぞれ車幅方向の圧縮荷重が作用し、これらの圧縮荷重によって、各面部はそれぞれの変曲点における曲げ角度が大きくなるように座屈(バックリング)変形することによって入力されたエネルギを吸収する。
このとき、上側閉断面部110及び下側閉断面部120の上面部113,123の変曲点113a,123aはそれぞれ上側に変位し、下面部114,124の変曲点114a,124aはそれぞれ下側に変位する。
上述した変形がある程度以上大きくなると、上側閉断面部110の下面部114及び下側閉断面部120の上面部123は、当接して相互に押圧する状態となる。このような当接は、先ず各面部が最も他の面部側に張り出した変曲点114a,123aの近傍において発生し、その後変形がさらに大きくなるとその周辺の領域に拡大する。
以上のように、本実施例によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)相互に対向する上側閉断面部110の下面部114及び下側閉断面部120の上面部123を、他方の閉断面部側に凸となる凸面状に形成することによって、これらの面部の車幅方向の圧縮荷重による座屈変形は、それぞれの変曲点114a,123a付近の領域が相互に近接する変形モードとなり、これらの領域が相互に当接して干渉することによって、各面部をさらに変形させるのに必要な入力が増してメインビーム100の変形抗力が増大し、そのエネルギ吸収性能を向上することができる。
(2)上側閉断面部110の下面部114、下側閉断面部120の上面部123が他方の閉断面部側に最も近接する箇所である変曲点114a,123aを、荷重の入力方向において略同じ位置に配置することによって、これらの変曲点114a,123a近傍の領域どうしを確実に当接させることができ、上述したエネルギ吸収性能の向上をより確実にすることができる。
(3)上側閉断面部110の入力面部111と下側閉断面部120の入力面部121とを接続する入力側ブリッジ部130を設けることによって、例えば各閉断面部が独立して離間する方向に倒れ込むように変形する等、制御困難な変形を防止して両方の閉断面部の変形モードを規制することができる。
また、入力側ブリッジ部130の板厚をウェブ面部として機能する各面部よりも薄くしてその面剛性を下げ、適度に変形するようにすることによって、図4に示すように、上側閉断面部110の下面部114が入力面部111に対して倒れ込むモーメントM1、下側閉断面部120の上面部123が入力面部121に対して倒れ込むモーメントM2を妨げにくく、各閉断面部110,120の変形に過度に干渉することがないから、これらの変形をコントロールしてメインビーム100のエネルギ吸収性能を確保することができる。
(4)上側閉断面部110の上面部113を上側に凸となる凸面とし、下側閉断面部120の下面部124を下側に凸となる凸面としたから、これらは変形時にその変曲点113a,124a近傍の領域がそれぞれ上側及び下側に変位する。これによって、同じ閉断面部内においてその上面部と下面部とが干渉することを防止して、エネルギ吸収性能をより向上することができる。
(5)メインビーム100はアルミニウム合金の押出加工等によって一体に形成されているから、部品点数を低減し構造及び組立工程を簡素化することができる。
(6)上側閉断面部110の入力面部111の下側の領域、入力側ブリッジ部130、下側閉断面部120の入力面部121を、アウタパネル21の傾斜に対応して、下側が車幅方向内側にオフセットされるように傾斜して配置したから、フロントドア20内のデッドスペースを低減し、エネルギ吸収性能を向上することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例のエネルギ吸収ビームは、例えばフロントドア内に配置されるサイドインパクトビームであったが、本発明はこれに限らず、例えばリアドアのサイドインパクトビームや、車両の前端部に設けられるフロントバンパ内に配置されるバンパビーム等の他の用途にも適用することができる。
(2)実施例のウェブ面部は、平板を屈曲点において折り曲げることによって凸面状に形成しているが、これに限らず、例えばウェブ面部の所定の範囲を曲面状に形成してもよい。
(3)実施例のエネルギ吸収ビームは、アルミニウム合金の押出加工によって一体に形成されているが、これに限らず、複数の部材を接合して形成するようにしてもよい。
(4)実施例のエネルギ吸収ビームは、例えば2つの閉断面部を上下方向に配列したものであるが、本発明はこれに限らず、3つ以上の閉断面部を配列した構成としてもよく、また、配列方向も想定される入力方向に応じて適宜変更することができる。
1 車両 20 フロントドア
21 アウタパネル 22 インナパネル
100 メインビーム 110 上側閉断面部
120 下側閉断面部 130 入力側ブリッジ部
140 支持側ブリッジ部

Claims (5)

  1. 衝突に起因する荷重が入力される入力面部と、前記入力面部と前記荷重の入力方向に間隔を隔てて対向して配置される支持面部と、前記入力面部と前記支持面部との間にわたして設けられ、相互に離間して配置された複数のウェブ面部とをそれぞれ有し、前記荷重の入力方向と略直交する方向に離間して配置された第1の閉断面部及び第2の閉断面部と、
    前記第1の閉断面部における前記入力面部の前記第2の閉断面部側の端部と、前記第2の閉断面部における前記入力面部の前記第1の閉断面部側の端部とを接続する入力側ブリッジ部と
    を備える車両用エネルギ吸収ビームにおいて、
    前記入力側ブリッジ部は、前記第1の閉断面部及び前記第2の閉断面部の前記ウェブ面部よりも面剛性を低くしたこと
    を特徴とする車両用エネルギ吸収ビーム。
  2. 請求項1に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、
    前記第1の閉断面部における前記第2の閉断面部と反対側のウェブ面部は、前記第1の閉断面部の外側に凸となる凸面状に形成され、
    前記第2の閉断面部における前記第1の閉断面部と反対側のウェブ面部は、前記第2の閉断面部の外側に凸となる凸面状に形成されること
    を特徴とする車両用エネルギ吸収ビーム。
  3. 請求項2に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、
    前記第1の閉断面部における前記第2の閉断面部と反対側のウェブ面部が最も前記第2の閉断面部側から離間する箇所は、前記第2の閉断面部における前記第1の閉断面部と反対側のウェブ面部が最も前記第1の閉断面部側から離間する箇所と、前記荷重の入力方向において略同じ位置に配置されること
    を特徴とする車両用エネルギ吸収ビーム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用エネルギ吸収ビームにおいて、
    前記第1の閉断面部と、前記第2の閉断面部と、前記入力側ブリッジ部と、前記第1の閉断面部の前記支持面部及び前記第2の閉断面部の前記支持面部間を連結する支持側ブリッジ部とを一体に形成したこと
    を特徴とする車両用エネルギ吸収ビーム。
  5. 高さ方向の位置に応じて車幅方向の位置が変化する曲面状に形成されたドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの内面側に配置された請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両用エネルギ吸収ビームと
    を備える車両用ドア構造において、
    前記第1の閉断面部の前記入力面部、及び、前記第2の閉断面部の前記入力面部は、それぞれ前記ドアアウタパネルの内面側に対向し、かつ、前記ドアアウタパネルの傾斜に応じて車幅方向にオフセットして配置されること
    を特徴とする車両用ドア構造。
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