JP3687007B2 - 高圧ガス容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、圧縮ガスを収納する高圧ガス容器の製造方法に関し、さらに詳しくは高圧ガス容器の軽量化および口部内外周面の皺を消失せしめた高圧ガス容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧縮ガスを収納する高圧ガス容器としては、鉄製のものが一般的であるが、近年高圧ガス容器の軽量化の要請により、アルミニウム合金製の容器が提案されている。
【0003】
従来のアルミニウム合金製の高圧ガス容器の製造方法としては、図4および図5に示すようなものがある。図5(a)(b)(c)(d)は、従来の高圧ガス容器の製造工程を示す図面であり、図5(a)は中間容器50を示している。中間容器50は、アルミニウム合金スラグをダイス上に配置して、ポンチで一挙に押し込む冷間鍛造加工により成形される。そして、冷間鍛造加工後、場合によっては洗浄を行い、端面を切断して上端に開口部51、下端に球形底52が形成される。
【0004】
次に、この中間容器50のネッキング加工工程を図5(b)(c)(d)に示す。図5(b)(c)(d)は、各々開口部を徐々に縮径した3工程の図面を示している。通常5〜10種類の金型を順次使用して、5〜10工程のネッキング加工により、所望の高圧ガス容器55を成形する。まず、図5(b)に示すように、金型52を用いて開口部51に最初のネッキング加工を行う。すなわち、一定の傾斜角αのテーパーの金型53を中間容器50の上端に被冠して、一定の荷重で押し込んで行き、中間容器50の開口部51に一定の傾斜角αのテーパーを付与する。
【0005】
次に、図5(c)に示す傾斜角βのテーパーを有する金型53を使用して、2番目のネッキングを施す。この場合の傾斜角βは、傾斜角αより大きな角度を呈している。このように複数回のネッキング加工を施した後、図5(d)に示す傾斜角γのテーパーを有する金型54を使用してネッキング加工を施し、中間容器50の開口部51を所望の形状に縮径した高圧ガス容器55を得る。図4は、中間容器50の開口部51を徐々に傾斜(傾斜角α、β、・・・・γ)させた軌跡を示した図面である。このような従来の製造方法は、例えば特開平2−299738号に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような発明にあっては図4に示すように開口部51の折曲部(寸法L)全体に荷重を付与する必要があり、かつ傾斜角(α、β、・・・・γ)が大きくなるに連れて、金型が開口部51を押圧する荷重は徐々に大きくなる。したがって、容器胴部の肉厚は、次第に増加する荷重を支えるために十分な厚肉の胴部でなければならず、肉厚が薄い場合には、ネッキング加工中に胴部が座屈する欠点があった。よって、従来の製造方法においては、成形前のアルミニウム合金の元板を必要以上に厚くしなければならず、このため成形された高圧ガス容器の重量が重くなる欠点があった。
【0007】
この発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、中間容器の開口部にネッキング加工を施して、高圧ガス容器の口部を縮径するネッキング加工工程において、容器胴部の座屈を防止でき、かつ容器胴部の肉厚が薄い軽量化された高圧ガス容器を提供すると共に、容器の内外周面に皺が発生しない高圧ガス容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
アルミニウム合金材料を冷間鍛造加工して中間容器を形成し、次に、中間容器の開口部を上端から肩部を形成するテーパー面を備え中間容器の胴部と接しない金型を中間容器に押し当てるネッキング加工を複数回施す高圧ガス容器の製造方法において、中間容器が、肉厚が4.5mmより薄い胴部と、その胴部の肉厚より厚い開口部とを備えており、ネッキング加工の際に、テーパー面の外周壁に逃げ部を備え、テーパー面の上部に首部を形成する円筒状の内面を備え、内筒状の内面とテーパー面の連結部に当接部を備えた金型が中間容器または前工程の開口部と当接部において当接し、かつ前工程の肩部と逃げ部とは当接しないように、そして、開口部の周壁が中間容器の中心軸に平行に縮径するように、開口部にネッキング加工を施すことを特徴とする高圧ガス容器の製造方法である。
【0009】
【作用】
以上のような構成をもった、この発明の作用について説明する。図2および図3に示すこの発明に係る製造方法においては、中間容器の開口部の肩部に、金型が逃げ部を持って当接するので、肩部においては金型の荷重を小さな面積で受ける。したがって、図4および図5に示すように従来の製造方法において、開口部の折曲部(長さL)全体を、金型で折り曲げるために、金型が折曲部全体を押圧する荷重に比し、小さな荷重で成形することができる。また、この発明において、開口部の周壁が、中間容器の中心軸に平行に縮径するようにネッキング加工を施すので、金型が上方から下降する場合に、成形荷重は一定である。したがって、従来のように開口部の折曲部が徐々に傾斜する(傾斜角α、β、・・・・γ)に連れ、折曲部(長さL)にかかる金型の荷重は徐々に増加し、最終工程の傾斜角γの位置において、金型が折曲部を押圧する荷重が最大となり、容器胴部に過大な荷重がかかる場合に比し、容器胴部には小さな荷重がかかる。よって、この発明に係る製造方法によれば、中間容器の肩部および胴部にかかる荷重は頗る小さいので、成形前の元板の肉厚を従来より薄くすることができる。
【0010】
【実施例】
次に、この発明を図面に基づいて説明する。図2(a)は、上端に開口部2および下端に球形底3を有する中間容器1を示した断面図である。底形状は平らな中間容器1であってもよい。図2(b)は、最初にネッキング加工を施す状態を示すもので、開口部2に金型6が当接して、周壁4に沿って下降する。この場合、a1点において金型6が肩部5に当接し、逃げ部7は肩部5に当接しない。図2(c)(d)は、開口部2をさらに縮径するために、金型6が当接している状態を示した断面図である。この場合において、同様に金型6のa2、a3点が肩部5に当接し、逃げ部7は肩部5に当接しない。
【0011】
図3は、複数のネッキング加工により、周壁4が中間容器1の中心軸に平行に縮径する軌跡を表した図面である。8〜12種類の金型6を用いて、8〜12回のネッキングが施される。図3に示す実施例において、胴部の肉厚h0=2.5mm、開口部2の肉厚h1=4.5mmのアルミニウム合金材料の元板を11回ネッキング加工を施した結果、胴部h0=2.5mm、開口部2の肉厚h2=9.0mmの高圧ガス容器を得ることができた。この発明に係る製造工程において、容器胴部に座屈はみられなかった。そして、この高圧ガス容器の容量は2.8リットルで重量1.1kgであった。因に従来の製造方法で、同様の容量2.8リットルの高圧ガス容器を造る場合においては、図4において肉厚t0=4.5mm以上の元板をネッキング加工することにより、同様に胴部t0=4.5mm、開口部の肉厚t1=9.0mmの高圧ガス容器を得ることができるが、肉厚t0=4.5mm以下の元板はネッキング加工時において、胴部に座屈が発生した。したがって、従来の製造方法では、容量2.8リットルの容器を造る場合の元板の肉厚t0は最小限4.5mm以上でなければならないことが判明した。そして、この場合の2.8リットルの高圧ガス容器の重量は1.6kgであった。また、この発明に係る容器の製造方法によれば、成形後の高圧ガス容器の開口部の内外周面に皺が発生しなかった。
【0012】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、高圧ガス容器の開口部にネッキング加工を施す製造工程において、従来より薄い元板で成形可能であり、かつ座屈を防止できると共に、より軽量な高圧ガス容器を提供することができる効果を奏し、また無理なく成形することにより、開口部に皺のない美麗な高圧ガス容器を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る高圧ガス容器を示した断面図。
【図2】この発明に係る高圧ガス容器の製造工程を示した断面図。
【図3】この発明に係る高圧ガス容器の製造方法において、開口部が縮径する軌跡を表した一部断面図。
【図4】従来の高圧ガス容器の製造方法において、開口部が縮径する軌跡を表した一部断面図。
【図5】従来の高圧ガス容器の製造工程を示した断面図。
【符号の説明】
1 中間容器
2 開口部
4 周壁
5 肩部
6 金型
7 逃げ部
Claims (1)
- アルミニウム合金材料を冷間鍛造加工して中間容器を形成し、次に、中間容器の開口部を上端から肩部を形成するテーパー面を備え、中間容器の胴部と接しない金型を中間容器に押し当てるネッキング加工を複数回施す高圧ガス容器の製造方法において、中間容器が、肉厚が4.5mmより薄い胴部と、その胴部の肉厚より厚い開口部とを備えており、ネッキング加工の際に、テーパー面の外周壁に逃げ部を備え、テーパー面の上部に首部を形成する円筒状の内面を備え、内筒状の内面とテーパー面の連結部に当接部を備えた金型が中間容器または前工程の開口部と当接部において当接し、かつ前工程の肩部と逃げ部とは当接しないように、そして、開口部の周壁が中間容器の中心軸に平行に縮径するように、開口部にネッキング加工を施すことを特徴としている高圧ガス容器の製造方法。
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