JP3686729B2 - 磁気記録装置用クランプ治具およびこれを用いた磁気記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータの外部記録装置、特には磁気ハードディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会の進展にともない、大容量の記録媒体が必要とされ、特にコンピュータの外部メモリとして中心的な役割をはたしている磁気記録装置に内蔵されている磁気ディスクは年々記録容量、記録密度ともに増加しているが、さらに高密度な記録を行なうために開発が進められている。特に、ノート型パソコンやパームトップパソコンの開発により小型のディスクが必要なため、より高密度記録が望まれている。
【0003】
一般に磁気記録装置は図1に示すように、その構成要素は、情報を蓄える磁気記録媒体1、情報を読み書きするための磁気ヘッド2、ディスクを回転させるためのスピンドルモータ3、スピンドルモータに磁気記録媒体をクランプするための治具であるクランパ4、スピンドルハブ6およびねじ7、さらに磁気記録媒体を複数枚クランプする場合にはクランプするためのスペーサリング5からなっている。
【0004】
磁気記録媒体においては、その強度、表面の平滑度、そり、重量等の特性のほとんどは基板によるものである。従来から、基板にはNiP をメッキしたアルミニウム合金基板が用いられているが、アルミニウム合金は柔らかいために、基板の厚みを薄くできなかったり、ハンドリングの最中に傷がつきやすかったり、衝撃によって凹んだりするという問題があった。そこで、ガラス基板が実用化されたが、さらに、高記録密度を実現するために、基板に単結晶シリコンを用いることが提案(特公平1-42048 号公報、特公平2-41089 号公報、特公平2-59523 号公報、特公平1-45140 号公報、特開平6-68463 号公報、特開平6-28655 号公報、特開平4-259908号公報を参照)されている。特公平2-41089 号公報ではシリコン基板を用いるときには半導体で用いているようなシリコン基板を用い、下地層を形成してから、鉄合金、コバルト合金などの磁性体からなる記録膜を形成することが開示されている。
またクランパやスペーサリングにはアルミニウムやアルミニウム合金、ステンレス、アルミナを主たる成分としたセラミクスなどが実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シリコンを基板とした磁気ディスクを用いると磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離であるフライングハイトを低くすることができる為に、高記録密度化が可能である。しかし、磁気記録装置は−10〜40℃程度の温度で使用されるため、従来から用いられているクランプ治具を用いてスピンドルモータにクランプすると、環境温度の変化によってそりが生じ、高記録密度化が困難になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点に鑑み、本発明は非磁性のディスク状基板を用いた磁気記録媒体と、スピンドルモータと、前記スピンドルモータに前記磁気記録媒体をクランプするクランプ治具を備えた磁気記録装置において、前記クランプ治具の少なくとも一部が低熱膨張合金を用いてなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における磁気記録装置のクランプ治具としては、クランパ、スペーサリング、スピンドルハブ、スピンドル、クランパをスピンドルハブに取付けるねじなどの磁気記録媒体をスピンドルモータの回転軸に固定するためのものや、モータと磁気記録媒体とを固定するためのものなどが挙げられる。
【0008】
本発明の低熱膨張合金は、温度の上昇にともなう熱膨張と磁気的体積収縮の相殺作用により、通常の金属よりも熱膨張率が小さい特性を有する。
低熱膨張合金の熱膨張率は−10℃から40℃の温度範囲で5×10-6/K以下、特に1×10-6/K以上5×10-6/K以下であることが好ましく、さらに好ましくは、1.5 ×10-6/K以上4×10-6/K以下であることが好ましい。熱膨張率が5×10-6/Kを超える場合には、磁気記録媒体が環境温度の変化によって大きくそりが生ずるおそれがあり、また1×10-6/K未満の場合には、上記した5×10-6/Kを超える場合と同様のおそれがある。
【0009】
クランプ治具などの磁気記録装置用治具を構成する低熱膨張合金の組成としては、ニッケルの含有量が30〜45重量%、残部実質的に鉄である合金が熱膨張率の点から好ましく、特にニッケルの含有量が36〜42重量%である合金がより好ましい。
【0010】
さらにチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルの1種または2種以上を総量で0.01〜6重量%添加することにより、これらの元素が合金中で単体、炭化物あるいは窒化物などの化合物や金属間化合物として存在し、機械的強度や耐熱性、プレス抜き性の向上に寄与する。また溶存ガス成分を固定し、真空中でのガス放出量を減少させる効果もある。ここで0.01重量%未満では上記した効果が得られず、6重量%を超えると合金の加工性が低下する。これらの元素は、より好ましくは0.5 〜4重量%添加するのが良い。
また炭素を0.001 〜0.3 重量%添加することにより、上記したチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの金属と炭化物を形成し、機械的強度や耐熱性、プレス抜き性の効果を安定に得ることができる。ここで0.001 重量%未満では機械的強度や耐熱性、プレス抜き性の効果が十分に得られないおそれがあり、0.3 重量%を超えると合金の加工性が低下する。炭素はより好ましくは0.01〜0.2 重量%添加するのが良い。
【0011】
また硫黄を0.002 〜0.05重量%添加することにより、単体または硫化物として粒界または粒内の合金組織内に存在し、プレス抜き性の向上に寄与する。ここで0.002 重量%未満ではプレス抜き性の効果が十分に得られないおそれがあり、0.05重量%を超えると熱間加工時に割れ発生などの問題が生じやすくなる。
またマンガンを2重量%以下添加するのは脱酸剤としてであり、硫黄と硫化物(MnS)を形成し、プレス抜き性の向上に寄与する。
またけい素を0.3 重量%以下添加することにより熱間加工性の向上や脱酸作用に寄与する。
【0012】
さらにマグネシウム、アルミニウム、ほう素は不可避的に鉄中に存在する不可避不純物であり、若干量であれば特性的に問題にならない。逆に合金の組成によっては、熱間加工性の向上や脱酸作用に寄与する。
【0013】
非磁性のディスク基板に用いるシリコンは、単結晶、多結晶のいずれでもよいが、単結晶の方がディスク基板表面が平滑になり、フライングハイトを下げることができ、好ましい。
また、ドーピング不純物の種類、量、抵抗率、極性、結晶方位については特に限定されない。例えば、抵抗率としては 0.001Ωcmからドーパントをいれない1kΩcm以上のものまでよい。またドーパントの種類はp 型、n 型のいずれでもよく、例えばほう素、りん、砒素、アンチモンなどがあげられる。このほか、不純物としては炭素、酸素のような軽元素、クロム、鉄、銅などの重金属元素が微量含有されていてもよい。
また基板の結晶方位も(100)や(110)、(111)などであっても、これに傾きがあるものでもよい。
【0014】
このシリコン基板の上に成膜される記録膜の種類や膜構造は公知のものでよく、特に限定されるものではない。例えば、膜構造としては基板上に下地層、記録膜、保護膜の順に成膜したものが例示され、さらにはこの上に磁気ヘッドの摩擦や褶動特性を改善するために潤滑剤を塗布したものが例示される。下地層としてはCrやCr合金が例示され、記録膜としてはCo-Cr-Ta、Co-Pt-Cr、Co-Pt-Cr−Ta、Co-Ni-Cr、Co−Sm、Co−CrなどのCo合金やFe合金が例示される。また保護膜としてはカーボン(C)、炭化水素(C-H )、炭化珪素(Si-C)、炭素−けい素−水素(C-Si-H)、酸化珪素(Si-O)などが例示され、潤滑剤としてはフルオロカーボンなどが例示される。
【0015】
【実施例】
実施例
単結晶のシリコンからなる外径65mm、内径20mm、厚み0.64mmの基板を作成し、この上にCr 100nm、CoCrTa50nm、C 30nmをRFスパッタで成膜した磁気記録媒体を作成し、また、鉄−ニッケル合金(Fe61重量%、Ni39重量%)からなるスピンドルハブ、スペーサリング、クランパを作成し、上記作成の磁気記録媒体を環境温度23℃で磁気記録装置のスピンドルモータにクランプした。この時の磁気記録媒体のそりは9μm だった。これを−10℃の恒温槽の中に2時間放置した後、恒温槽内にて、反りを測定したところ、10μm であった。次に恒温槽の温度を上げ、40℃になってから2時間放置後、磁気記録媒体のそりを測定したところ9μm であった。
【0016】
比較例
アルミニウム(熱膨張率24×10-6/K)で形成された、スピンドルハブ、スペーサリング、クランパを用い、実施例1と同様に作成した磁気記録媒体を、環境温度23℃で磁気記録装置のスピンドルモータにクランプした。この時の磁気記録媒体のそりは10μm だった。これを−10℃の恒温槽の中に2時間放置した後、恒温槽内にて、そりを測定したところ、21μm であった。次に恒温槽の温度を上げ、40℃になってから2時間放置後、磁気記録媒体のそりを測定したところ6μm であった。
なお実施例、比較例におけるそりの測定方法は、光干渉法により行った。
【0017】
【発明の効果】
本発明の磁気記録装置によると、温度変化による磁気記録媒体のそりの発生の防止やそり量の低減ができるので、磁気記録媒体の高記録密度での記録再生が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録装置の磁気記録媒体実装体の内部構造を示す図。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体
2…磁気ヘッド
3…スピンドルモータ
4…クランパ
5…スペーサリング
6…スピンドルハブ
7…ねじ
Claims (9)
- スピンドルハブ、スペーサリング、クランパからなる群から少なくとも1以上選ばれる磁気記録装置用クランプ治具であって、該クランプ治具は、ニッケル含有量が30〜45質量%、残部が実質的に鉄である合金からなることを特徴とする磁気記録装置用クランプ治具。
- ニッケルの含有量が36〜42質量%である請求項1に記載の磁気記録装置用クランプ治具。
- チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルの1種または2種以上を総量で0.01〜6重量%、炭素を0.001〜0.3重量%添加する請求項1または2に記載の磁気記録装置用クランプ治具。
- 硫黄を0.002〜0.05重量%、マンガンを2重量%以下、けい素を0.3重量%以下添加する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気記録装置用クランプ治具。
- −10℃から40℃の温度範囲で熱膨張率が5×10-6/K以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録装置用クランプ治具。
- 熱膨張率が1×10-6/K以上5×10-6/K以下である請求項5に記載の磁気記録装置用クランプ治具。
- 請求項1〜6のいずれかのクランプ治具がクランパである磁気記録装置用治具。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録装置用クランプ治具を用いた磁気記録装置。
- 磁気記録媒体と、スピンドルモータと、該スピンドルモータに磁気記録媒体をクランプするクランプ治具を備える磁気記録装置において、前記磁気記録媒体がシリコン基板を含んでなることを特徴とする請求項8に記載の磁気記録装置。
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1996
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