JP3685901B2 - Al基複合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はAl基複合体、特に、Al基本体と、そのAl基本体に鋳ぐるまれた鋳鉄材とよりなるAl基複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のAl基複合体としてはディーゼルエンジン用ピストンが知られている。このピストンは、Al合金よりなるピストン本体と、そのピストン本体に鋳ぐるまれて第1圧力リング溝を形成する環状ニレジスト鋳鉄材とより構成される。このようなピストンの製造に当っては、ニレジスト鋳鉄材とピストン本体との接合強度を高めるためニレジスト鋳鉄材の表面にAl基メッキ層が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記Al基メッキ層は溶融Al基メッキ処理により形成される。この溶融Al基メッキ処理に先立って、ニレジスト鋳鉄材表面には酸化膜除去、脱脂、酸洗等を含む前処理が施されて、その表面の清浄化および活性化がなされる。しかしながら従来は、前処理後において特別な表面保護対策が採られていないので、前処理後経時的に、また溶融Al基メッキ処理に先立ってニレジスト鋳鉄材を予熱すると、ニレジスト鋳鉄材表面が再び酸化されてその活性状態が大いに減退する。
【0004】
そのため、所定厚さのAl基メッキ層を得べく、溶融Al基メッキ処理においてニレジスト鋳鉄材をAl基溶湯中に比較的長く浸漬しておかなければならず、その結果、次のような問題を惹起する。
【0005】
即ち、浸漬時間が長くなって或時間を超えると、ニレジスト鋳鉄材の表面層がAl基溶湯中に溶出し、その溶出量は前記表面層厚さにして20〜40μmに達する。この溶出により、前記表面層に存在していた片状黒鉛がニレジスト鋳鉄材の新たな表面から突出し、またその新たな表面上にはニレジスト鋳鉄材とAl基溶湯との間の化学反応で生じた金属間化合物層が形成される。この金属間化合物層は、硬くて脆い上に、それを貫通する片状黒鉛の混在により切欠き効果を受け、これに起因してピストン本体とニレジスト鋳鉄材との接合強度が低下する。
【0006】
また溶融Al基メッキ処理後において、ニレジスト鋳鉄材の冷却速度が遅い場合には、前記金属間化合物層の成長およびAl基メッキ層表面の酸化が進行するため、これも前記接合強度を低下させる原因となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の手段を採用することによって溶融Al基メッキ処理における鋳鉄材の浸漬時間を大いに短縮し、また溶融Al基メッキ処理後における鋳鉄材の冷却を速め、これによりAl基本体と鋳鉄材との接合強度の高いAl基複合体を得ることのできる前記製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
前記目的を達成するため本発明によれば、Al基本体と、そのAl基本体に鋳ぐるまれた鋳鉄材とよりなるAl基複合体を製造するに当り、前記鋳鉄材表面の酸化膜を除去すると共にその表面を活性化する第1工程と、前記鋳鉄材表面に、厚さaが0.8μm≦a≦5μmの保護メッキ層を形成する第2工程と、前記鋳鉄材を還元雰囲気中で予熱すると共に前記保護メッキ層表面の酸化物を還元する第3工程と、前記鋳鉄材をAl基溶湯中に浸漬することにより、前記保護メッキ層を拡散現象により消失させて前記鋳鉄材表面にAl基メッキ層を形成する第4工程と、前記鋳鉄材を不活性ガスおよび還元ガスの一方の雰囲気中にて急冷する第5工程と、前記鋳鉄材を前記Al基本体に鋳ぐるむ第6工程とを順次行うAl基複合体の製造方法が提供される。
【0009】
前記方法において、第1工程で清浄化され、且つ活性化された鋳鉄材表面は、第2工程で形成された保護メッキ層により保護される。第4工程の溶融Al基メッキ処理に先立って鋳鉄材を予熱するとき、その予熱を還元雰囲気中で行うので保護メッキ層表面を活性化することができる。
【0010】
第4工程の溶融Al基メッキ処理において、保護メッキ層表面が活性化されているので、その保護メッキ層を構成している金属元素がAl基溶湯中へ効率良く拡散して保護メッキ層が消失する。これにより清浄化され、且つ活性化された鋳鉄材表面が露出するので、その表面にAl基メッキ層が形成される。これら一連の現象は迅速に行われるので、鋳鉄材のAl基溶湯中への浸漬時間は大いに短縮される。例えば、浸漬時間cは1秒間≦c≦10秒間に設定される。
【0011】
第5工程において、不活性ガスまたは還元ガス中にて急冷を行うと、鋳鉄材およびAl基メッキ層間に生成された金属間化合物層の成長およびAl基メッキ層表面の酸化の進行を極力抑制することができる。
【0012】
第6工程の鋳造においては、Al基本体と鋳鉄材とが、薄い金属間化合物層および清浄な表面を持つAl基メッキ層を介して接合されるので、Al基本体と鋳鉄材との接合強度が大いに高められる。
【0013】
なお、保護メッキ層の厚さaがa<0.8μmでは、その保護メッキ層とAl基溶湯との濡れ性が悪く、一方、a>5μmでは鋳鉄材表面に保護メッキ層が残留し、この残留保護メッキ層は金属間化合物層と同様にAl基本体と鋳鉄材との接合強度を低下させるので好ましくなく、また経済的にも不利である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1,2において、Al基複合体1は厚板状Al基本体2と、そのAl基本体2に鋳ぐるまれた薄板状鋳鉄材3とよりなり、その鋳鉄材3の一部はAl基本体2から突出している。
【0015】
このようなAl基複合体1は次のような各工程を経て製造される。
【0016】
<第1工程>
(a)酸化膜除去処理:鋳鉄材3表面に、ショットとして砥粒を用いたショットブラスト処理を施して、その表面の酸化膜を除去し、また粗面化により表面積を拡大する。
【0017】
(b)脱脂処理:鋳鉄材3を、アセトン等の浸透性の良好な有機溶剤中に2〜48時間浸漬し、これにより黒鉛等に吸着されている油脂を完全に除去する。
【0018】
(c)酸洗処理:鋳鉄材3を、20%塩酸に1〜3分間浸漬して、その表面を活性化する。鋳鉄材3表面に塩化鉄等のスマットが付着しているときには、鋳鉄材3を純水中に入れて超音波洗浄を行う。
【0019】
<第2工程>
鋳鉄材3表面に、電気メッキ処理、無電解メッキ処理または気相メッキ処理(真空蒸着等)を施して、厚さaが0.8μm≦a≦5μmの保護メッキ層を形成する。この保護メッキ層は、Ni、Cu若しくはFeといった金属単体、これら金属単体の二以上を含む合金、または前記金属単体および前記合金の一方と拡散促進元素であるP、B等とよりなる合金より構成される。また保護メッキ層は、前記厚さ範囲内において、積層構造をなしていてもよい。これらの金属単体および合金は、その酸化物が水素ガスにより還元されることから選択されたものである。これは次工程の還元ガスが水素ガスを含むからである。
【0020】
図3は、Niよりなる保護メッキ層、つまりNi保護メッキ層4の厚さaと、Al基溶湯5およびNi保護メッキ層4間の接触角θとの関係を示す。これはメニスコグラフ法により求められたもので、Al基溶湯5はJIS AC3A相当のAl合金よりなり、その温度は650℃に設定され、また鋳鉄材の予熱温度も650℃に設定された。図3より、Ni保護メッキ層4の厚さaがa<0.8μmでは接触角θが大きくなって、そのNi保護メッキ層4とAl基溶湯5との濡れ性が悪くなることが判る。これは、Cu、Fe等よりなる保護メッキ層についても同様である。
【0021】
<第3工程>
鋳鉄材3は、この第3工程から第5工程を終了するまで、セラミックコートを施されたバケット内に入れられた状態で処理される。
【0022】
鋳鉄材3を無酸化還元雰囲気炉内で予熱すると共に保護メッキ層表面の酸化物を還元する。還元ガスとしては、窒素ガスと水素ガスの混合ガスが用いられ、その体積比はN2 :H2 =(25〜50):(75〜50)である。還元温度dは650℃≦d≦800℃、還元のための保持時間eは10秒間≦e≦600秒間である。
【0023】
<第4工程>
還元雰囲気において、鋳鉄材3の温度を、溶融Al基メッキ処理に用いられるAl基溶湯の温度f、即ち620℃≦f≦720℃に調節して、その鋳鉄材3をAl基溶湯中に浸漬する。浸漬時間cは、前記のように1秒間≦c≦10秒間である。これにより保護メッキ層が拡散現象により消失して鋳鉄材3表面にAl基メッキ層が形成される。次いで鋳鉄材3、したがってバケットをAl基溶湯中より引上げて回転させ、過剰のAl基溶湯を飛散させてAl基メッキ層の厚さを調節する。この間にも、鋳鉄材3表面の金属間化合物は成長し続けているので、前記厚さ調節は短時間、例えば5秒間以内で行うのがよい。
【0024】
この溶融Al基メッキ処理に用いられるAl基溶湯組成において、Siは必須化学成分であり、その含有量は7重量%≦Si≦15重量%に設定される。このようにSi含有量を設定すると、金属間化合物層の成長を抑制し、また溶湯の融点を下げることができる。またMg、Cu、Mn、Ti、Be等の化学成分を適宜添加して、酸化および金属間化合物層の成長をそれぞれ抑制し、また特性改善、例えば靱性の向上等を行う。
【0025】
<第5工程>
鋳鉄材3を、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中にて急冷する。つまり、不活性ガスを鋳鉄材3に噴射して鋳鉄材3の温度が、Al基溶湯中より取出されたときの温度から350℃未満の温度まで降下する間、鋳鉄材3の冷却速度bをb≧5℃/sec に設定する。その後、鋳鉄材3をバケットより取出す。
【0026】
金属間化合物層は、鋳鉄材3の温度が約500℃に保持されるとその成長が促進され、またAl基メッキ層の酸化は、鋳鉄材3の温度が約350℃に保持されると、進行するが、このような不具合は前記急冷手段を採用することによって回避される。前記不活性ガスの代わりに、前記同様の還元ガスを用いてもよい。
【0027】
<第6工程>
鋳鉄材3を誘導加熱等により200〜350℃に予熱し、これを金型に設置して鋳造作業を行い、鋳鉄材3をAl基本体2に鋳ぐるむ。鋳造法としては各種の方法が適用可能であり、特に、鋳鉄材3の金型への設置が容易であることから、Al合金を用いた通常のダイカスト法の適用も可能である。
【0028】
以下、具体例について説明する。
【0029】
〔実施例〕
<第1工程>
幅50mm、長さ80mm、厚さ5mmのニレジスト鋳鉄材3に、酸化膜除去処理、アセトン中に24時間浸漬する脱脂処理、20%塩酸に2分間浸漬する酸洗処理を順次施した。
【0030】
<第2工程>
ニレジスト鋳鉄材3にNi電気メッキ処理を施して厚さa=1.5μmのNi保護メッキ層を形成した。
【0031】
<第3工程>
ニレジスト鋳鉄材3をバケット内に入れて無酸化還元雰囲気炉内に設置し、そのニレジスト鋳鉄材3を、加熱速度g=5℃/sec にて約135秒間で700℃まで予熱した。そして、還元温度d=700℃、保持時間e=10秒間にてNi保護メッキ層表面の酸化物を還元した。還元ガスとしては、体積比で、N2 :H2 =50:50の混合ガスを用いた。
【0032】
<第4工程>
第3工程で用いられた還元ガスと同様の還元ガスを用いた還元雰囲気において、ニレジスト鋳鉄材3の温度を、冷却速度h=5℃/sec にて約10秒間で約650℃まで降下させた。
【0033】
次いで、ニレジスト鋳鉄材3を同温度、つまり650℃に保持されたAl合金溶湯中に浸漬し、ニレジスト鋳鉄材3に溶融Al合金メッキ処理を施して、その表面にAl合金メッキ層を形成した。このAl合金はSiを12重量%含有するJIS AC3A相当のAl合金であり、また浸漬時間cはc=2秒間に設定された。
【0034】
その後、バケットをAl合金溶湯中より引上げ、約300rpm で2秒間回転させて過剰のAl合金溶湯を飛散させた。
【0035】
<第5工程>
ニレジスト鋳鉄材3に窒素ガスを噴射して、冷却速度b=20℃/sec にて、15秒間で350℃まで冷却し、次いでニレジスト鋳鉄材3をバケットより取出した。
【0036】
<第6工程>
ニレジスト鋳鉄材3を誘導加熱により250℃に予熱し、次いでそのニレジスト鋳鉄材3を金型に設置し、その後Al合金溶湯を用いて重力鋳造を行い、Al基本体2にニレジスト鋳鉄材3を鋳ぐるんで、図1,2に示したAl基複合体1の例1を得た。この鋳造用Al合金としては、JIS AC8A相当のAl合金を用いた。
【0037】
第4工程における浸漬時間cおよび/または第5工程における冷却速度bを変えたということ以外は前記と同様の作業を繰返して複数のAl基複合体1を製造した。
【0038】
また従来例として、前記第1工程を行い、次いで大気下にて、前記同様のAl合金溶湯を用いた溶融Al合金メッキ処理を行い、その後前記第5,第6工程を行って複数のAl基複合体を製造した。
【0039】
次に、各Al基複合体について、ニレジスト鋳鉄材3およびAl基本体2間に存する金属間化合物層の厚さkならびに両者2,3間の接合強度mを測定した。
【0040】
接合強度mの測定に当っては、図4に示すように、先ず、中央部分に貫通孔6を有するニレジスト鋳鉄材部7と、その貫通孔6の一方の開口を覆うようにニレジスト鋳鉄材部7に接合されているAl基本体部8とよりなる試験片9を作製する。次いで、Al基本体部8を下側に位置させると共に支持ブロック10の上向きに開口する孔部11内に入れて、ニレジスト鋳鉄材部7の周辺部分を支持ブロック10の環状上端面12上に載せる。その後、ニレジスト鋳鉄材部7の貫通孔6にピン13を入れ、そのピン13を介してAl基本体部8に荷重を付与し、Al基本体部8がニレジスト鋳鉄材部7から分断したときの荷重を求め、これを接合強度mとした。
【0041】
表1〜4に、実施例により製造されたAl基複合体1の例A1 〜A9 および従来例により製造されたAl基複合体の例B1 〜B15に関する前記浸漬時間c、冷却速度b、金属間化合物層の厚さkおよび接合強度mを示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
図5は、例A5 の、第4工程を経た中間体におけるAl合金メッキ層部分の金属組織を示す顕微鏡写真であり、図6は例B8 に関する同様の顕微鏡写真である。図5に示した例A5 の中間体に関しては、金属間化合物層の厚さkが薄く、またその層を片状黒鉛が貫通していないが、図6に示した例B8 の中間体に関しては、金属間化合物層の厚さkが、例A5 の中間体のそれの約3.3倍であり、その上、片状黒鉛が金属間化合物層を貫通している。この貫通状態は、溶融Al合金メッキ処理における浸漬時間cでc≧15秒間になると現出し易い。
【0047】
図7は、例A1 における接合部分の金属組織を示す顕微鏡写真であり、図8は、例B6 における同様の顕微鏡写真である。例A1 においては、片状黒鉛が金属間化合物層を貫通していないが、例B6 においては片状黒鉛が金属間化合物層を貫通している。
【0048】
図9は、表1〜4に基づいて、浸漬時間cと接合強度mとの関係を、冷却速度b別にグラフ化したものである。図9から明らかなように、例A1 〜A9 のごとく浸漬時間cをc≦10秒間に設定すると共に冷却速度bをb≧5℃/sec に設定すれば接合強度mを高めることができる。冷却速度bは、好ましくはb≧12℃/sec である。
【0049】
図10は、表1〜4に基づいて、金属間化合物層の厚さkと接合強度mとの関係をグラフ化したものである。図10から、明らかなように、例A1 〜A9 のごとく金属間化合物層の厚さkをk≦10μmに設定することによって接合強度mをm≧16MPa以上に向上させることができる。前記厚さkは、好ましくはk≦6μmである。
【0050】
例B1 〜B9 ,B13〜B15においては、片状黒鉛が金属間化合物層を貫通していることから、例A1 〜A9 に比べて接合強度mが低い。また例B10〜B12の場合は浸漬時間cが短いので前記のような片状黒鉛の貫通状態は現出しないが、冷却速度bが遅いことから金属間化合物層が成長し、これに起因して接合強度が低下している。
【0051】
図11は、本発明により製造されたAl基複合体としてのディーゼルエンジン用ピストン1を示す。このピストン1は、Al合金、例えばJIS AC8Aよりなるピストン本体2と、そのピストン本体2に鋳ぐるまれて第1圧力リング溝14を形成する環状ニレジスト鋳鉄材3とより構成される。この場合、ピストン本体2とニレジスト鋳鉄材3との接合強度が高いので、このピストン1は、その高強度化を狙ったT6,T7処理等の熱衝撃の高い熱処理に十分に耐えることができる。これにより、薄肉軽量で、且つ高強度であって、ディーゼルエンジンの高出力化を可能にするピストンを得ることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、前記のような手段を採用することによって、Al基本体と鋳鉄材との接合強度の高いAl基複合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al基複合体の正面図である。
【図2】図1の2−2矢視図である。
【図3】Ni保護メッキ層の厚さaと接触角θとの関係を示すグラフである。
【図4】接合強度試験法の説明図である。
【図5】例A5 の中間体におけるAl合金メッキ層部分の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図6】例B8 の中間体におけるAl合金メッキ層部分の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図7】例A1 における接合部分の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図8】例B6 における接合部分の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図9】浸漬時間cと接合強度mとの関係を示すグラフである。
【図10】金属間化合物層の厚さkと接合強度mとの関係を示すグラフである。
【図11】ディーゼルエンジン用ピストンの縦断正面図である。
【符号の説明】
1 Al基複合体
2 Al基本体
3 鋳鉄材
4 Ni保護メッキ層
5 Al基溶湯
Claims (2)
- Al基本体(2)と、そのAl基本体(2)に鋳ぐるまれた鋳鉄材(3)とよりなるAl基複合体(1)を製造するに当り、前記鋳鉄材(3)表面の酸化膜を除去すると共にその表面を活性化する第1工程と、前記鋳鉄材(3)表面に、厚さaが0.8μm≦a≦5μmの保護メッキ層(4)を形成する第2工程と、前記鋳鉄材(3)を還元雰囲気中で予熱すると共に前記保護メッキ層(4)表面の酸化物を還元する第3工程と、前記鋳鉄材(3)をAl基溶湯(5)中に浸漬することにより、前記保護メッキ層(4)を拡散現象により消失させて前記鋳鉄材(3)表面にAl基メッキ層を形成する第4工程と、前記鋳鉄材(3)を不活性ガスおよび還元ガスの一方の雰囲気中にて急冷する第5工程と、前記鋳鉄材(3)を前記Al基本体(2)に鋳ぐるむ第6工程とを順次行うことを特徴とするAl基複合体の製造方法。
- 前記第5工程において、前記鋳鉄材(3)の温度が、前記Al基溶湯(5)中より取出されたときの温度から350℃未満の温度まで降下する間、前記鋳鉄材(3)の冷却速度bをb≧5℃/sec に設定する、請求項1記載のAl基複合体の製造方法。
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