JP7174949B2 - チタン製器具の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るチタン製器具は、高圧鋳造におけるラドル(保持炉から一定量の溶湯を鋳造機に供給するための搬送容器)やノロ掬いから成るもので、図3に示すように、拡散層1aが形成されたチタン基材1と、チタン基材1の表面上に形成された中間金属間化合物層2と、中間金属間化合物層2上に形成された表面金属間化合物層3とを有して構成されている。このうち中間金属間化合物層2と表面金属間化合物層3は、チタン基材1の表面に形成された化合物層を構成している。
先ず、チタン基材1を所望のチタン製器部の形状に成形した後、その表面をアセトン等の洗浄剤を用いて払拭し、油などの汚れを取り除くことにより前処理S1が行われる。本実施形態に係る前処理S1においては、チタン基材1の酸化皮膜を除去して活性な表面とするためのフラックス処理が不要であり、アセトン等による払拭作業で十分とされている。
(1)使用寿命の飛躍的向上
現場実証試験を行ったところ、鋼板製ノロ掬いについて、その表面にセラミックコーティングを行いつつ使用した場合、3か月程度で鋼板がアルミニウム溶湯(JIS規格 AC4CH)により溶損し、皿部分の一部が溶損し欠けてしまった。一方、本実施形態に係るチタン製器具としてのノロ掬いは、1年半以上、そのままで使用することができた。
アルミニウム鋳造の溶解・保持作業において、作業者は、器具にこびりついた酸化皮膜やノロを、鋳型内に入らないよう、注意深く取り除く必要がある。本実施形態に係るチタン製器具としてのノロ掬いを用いることにより、酸化皮膜やノロが自重で落下又は器具に弱い衝撃を加えることにより容易に落下するので、作業者の負荷を大きく軽減することができた。これは、実施形態に係るチタン製器具の表層にある表面金属間化合物層3がポーラスで、空隙に空気を含んでいるため、酸化皮膜やノロと当該器具が濡れ難く剥離性が向上したためと考えられる。
アルミニウム鋳造特に高圧鋳造では、精度のよい鋳造品を製造するうえで射出スリーブ内に注湯する溶湯量が重要である。高圧鋳造では、ロボットによりラドルをアルミニウム浴中に浸漬し、その角度を制御することによって注湯量を決めるのであるが、鋳鉄製ラドルは、砂型で製造されており、内容積が毎回ばらついて調整が必要な場合が生じる。これに対し、実施形態に係るチタン製器具は、チタンの板をプレス成型で作製することができるので、内容積は常に一定であり、品質の安定に大きく寄与することができる。
実施形態に係るチタン製器具は、鉄製器具と比較して、同一構造とした場合に約40%以上の軽量化が可能である。したがって、ノロ掬いのように人力に頼る場合、腕首にかかる負担や酸化皮膜やノロを落とすために器具を強く叩いて落とす作業などが大きく軽減された。ラドルの場合は、肉厚10mm程度の鋳鉄製から4mm程度のチタン製器具に代えると、約70%以上の軽量化が期待できる。これは、ロボットアームにかかかる負荷を軽減し、かつ作動速度の向上に寄与することができる。
実施形態に係るチタン製器具によれば、セラミック製の器具のように、使用中に破損することはなく、安全性が高い。また、実施形態に係るチタン製器具によれば、鋳鉄や鋼板のように、鉄分がアルミニウム溶湯に混入してしまうのを回避することができ、耐食性や延性の低下を嫌うアルミニウム製ホイール材料(JIS規格 AC4CH)などを鋳造する場合、極めて有効である。
1a 拡散層
2 中間金属間化合物層
2’ 中間化合物層
3 表面金属間化合物層
3’ アルミニウム-鉄合金層
Claims (1)
- アルミニウムを溶融させた溶湯にチタン基材を浸漬することにより、当該チタン基材の表面に固体のTiAl3から成る中間化合物層とアルミニウム-鉄合金層とを形成するアルミナイズ処理と、
前記アルミナイズ処理された前記チタン基材に対してアルミニウムの融点を上回る高温で加熱することにより、前記アルミニウム-鉄合金層を球状のTiAl3から成る表面金属間化合物層に変化させつつ前記中間化合物層を前記チタン基材上に結合された固体状のTiAl 3 から成る中間金属間化合物層とするとともに、前記チタン基材における前記中間金属間化合物層が形成された面側にアルミニウムの拡散層を形成する球状化処理と、
を有し、前記アルミナイズ処理における前記溶湯は、純アルミニウムに鉄(Fe)を1~6%添加した組成とされることを特徴とするチタン製器具の製造方法。
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