JP3685677B2 - ディジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号圧縮技術を用いて映像・音声信号を圧縮するとともに、複数番組の映像・音声ディジタル信号を時分割多重したストリーム(トランスポート・ストリーム)をトランスポンダ(衛星中継器)を経由して放送する衛星ディジタル放送がある。そして、地上波放送においても、UHF帯を利用して従来からの周波数帯域幅(6MHz)でHDTVを1チャンネル分、或いは通常テレビなら3チャンネル分のディジタル放送を行うことが考えられている。
【0003】
一方、地上波ディジタル放送を受信する放送受信装置は、従来からあるUHFアンテナを通して受け取った放送波をチューナによって選択し、この選択した放送波から任意のトランスポートストリームを分離し、この分離したトランスポートストリームをデコードすることによって映像・音声信号を出力する。また、衛星ディジタル放送と同様、映像や音声以外の付加情報を送信し、受信機のEPG(Electronic Program Guide)機能により、多チャンネルのなかから見たい番組が容易に選べるようになると考えられる。上記付加情報には、番組名、番組開始時刻、番組終了時刻、放送局名、及び放送局を選局するための情報などを含み得る。
【0004】
ところで、地上波放送を受信するテレビジョン受信装置においては、受信装置を設置する地域により、受信可能な放送局が異なるため、購入当初にユーザーはリモコンの選局ボタンに放送局を割り当てる操作を行っている。また、ユーザーが任意の選局ボタンに好みの放送局を割り当てる操作を行うこともある。このようなチャンネル設定においては、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能を用いた操作ガイド画面においてユーザーが操作した内容を反映し、例えば選局ボタンとして▲5▼が選択されたこと及び受信チャンネルとしてUHF30チャンネルが選択されたことを受信機が認識するようになっている。なお、各チャンネル番号に対する周波数情報は規定値としてメモリに保持されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、或る地域に設置されていた受信機を、受信可能な放送局が異なる地域に移動した場合、そこで受信可能な放送局のチャンネルに対してリモコンの選局ボタンを再度割り当てる操作を行うことになる。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、ユーザーが選局ボタンに割り当てていた放送局またはその放送局と系列関係にある放送局の視聴が移動先の地域においても極力同じ選局ボタンにて行えるように再チャンネルスキャンを実行するディジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル放送受信装置は、上記の課題を解決するために、地域により受信可能な放送局が異なる地上波ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置において、放送局名と選局情報と選局ボタンとを対応付けて記憶する記憶手段と、周波数の異なる放送波を順次検出していくチャンネルスキャン手段と、検出した放送波から少なくとも放送局名および選局情報を取得する情報取得手段と、放送波から取得した情報を記憶手段に格納されている情報と比較する比較手段と、比較結果に基づいて同一選局ボタンにて同一放送局の視聴が行えるように記憶手段の内容を更新する更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、受信機を別の地域に移動したときでも同一選局ボタンにて同一放送局の受信が可能になる。例えば、移動前に選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数aaaMHzで受信するように設定していたとする。この情報は記憶手段に格納されている。移動後のチャンネルスキャンにおいて、放送局名が○○テレビで選局情報がxxxMHzであるとの情報を得た場合、前記比較手段により、放送局名一致で受信周波数がxxxMHzで異なるという比較結果が得られる。更新手段は上記比較結果に基づき、選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数xxxMHzで受信するように記憶手段の内容を更新する。
【0009】
また、上記構成において、系列関係にある放送局名を記憶した系列放送局テーブルを備え、前記比較手段は、放送波から取得した放送局名が記憶手段に格納されている放送局名に一致しない場合に前記系列放送局テーブルを参照し、この系列放送局テーブル中に、放送波から取得した放送局名と系列関係にある放送局名が存在するときにその存在を示す比較結果を出力し、前記更新手段は、前記比較結果に基づいて同一選局ボタンにて同一系列放送局の視聴が行えるように記憶手段の内容を更新するように構成されているのがよい。
【0010】
例えば、移動前に選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数aaaMHzで受信するように設定していたとする。移動後のチャンネルスキャンにおいて、放送局名がBBテレビで選局情報がxxxMHzであるとの情報を得たとして前記比較手段が前記記憶手段を調べても一致する放送局名がないときには、系列放送局テーブルを参照することになる。この系列放送局テーブルの参照によって○○テレビとBBテレビとが系列関係であることが判明すると、これを示す比較結果を出力する。更新手段は上記比較結果に基づき、選局ボタン▲6▼においてBBテレビを周波数xxxMHzで受信するように前記記憶手段の内容を更新する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を図1乃至図5に基づいて説明する。このディジタル放送受信装置は、地上波ディジタル放送を受信するものである。
【0012】
図1に示すディジタル放送受信装置において、アンテナ1は地上波ディジタル放送信号を受信し、この受信信号をチューナ2に与える。チューナ2は、映像・音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから指定された周波数の信号を取り出す。また、チューナ2は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備えることにより、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力する。
【0013】
TS分離部3は、チューナ2から受け取ったトランスポート・ストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオトランスポートパケット、オーディオトランスポートパケット、及びPSI(Program Specific Information)に分離する。デマルチプレクサ3は、ビデオトランスポートパケットとオーディオトランスポートパケットをAVデコーダ4に供給し、PSIに含まれる付加情報(EPG情報や放送局名等)をシステムコントローラ13に供給する。システムコントローラ13はEPG情報をEPGメモリ17に格納する。また、TS分離部3は、複数番組が多重されたトランスポートストリームを入力する場合、指定された番組に相当するトランスポートストリームを抽出する。
【0014】
AVデコーダ4は、ビデオトランスポートパケットに対してデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオトランスポートパケットに対してデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御などを行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。デコードにより生成された映像データは映像処理回路5に出力され、音声データは音声処理回路6に出力される。
【0015】
映像処理回路5はAVデコーダ4から映像データを受け取り、D/A変換を行って映像信号を生成する。音声信号処理回路6はAVデコーダ4から出力された音声データを受け取り、D/A変換を行い、右(R)音のアナログ信号および左(L)音のアナログ信号を生成する。生成された映像信号は受像管部7に供給され、音声信号はスピーカ8に供給される。
【0016】
OSD(オンスクリーンディスプレイ)表示回路12は、システムコントローラ13から出力指示された文字情報に基づくビットマップデータを加算器9に出力する。加算器9は前記ビットマップデータを映像処理回路5から出力される映像信号に組み込む処理を行う。上記OSD表示回路12により、EPG記憶部17から読み出された付加情報に基づくEPG(Electronic Program Guide)画面表示が実現される他、操作ガイド画面などの表示も行えることになる。
【0017】
リモコン送信機10は、当該放送受信装置30に指令を送出するための送信機である。このリモコン送信機10に設けられた図示しないキーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光(リモコン信号)が図示しない発光部から送出される。リモコン受光器11は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してシステムコンローラ13に与える。
【0018】
不揮発性の書込可能な記憶部14は、付加情報から取得された放送局名および選局情報(例えばチャンネル周波数やチャンネル番号)を記憶する。図2は記憶部14の情報格納内容を示した説明図である。放送局にリモコンの選局ボタンが割り当てられているときには、そのボタン番号が放送局名に対応付けられて格納される。ボタン番号はユーザーによるチャンネル設定によって変更されたときには、その変更後のボタン番号が格納されることになる。
【0019】
系列放送局テーブル15は、系列関係にある放送局名を一纏まりのリストとして記憶している。図3は系列放送局テーブル15の情報格納内容を示した説明図である。各リストにはIDが付与されており、他のリストとの区別が行えるようにしてある。
【0020】
放送局名比較処理部16は、現在受信中の放送の付加情報から放送局名を取得し、取得した放送局名と前記記憶部14に格納されている情報(放送局名、チャンネル周波数、ボタン番号)とを比較し、記憶部14の格納内容を更新する制御および更新に際して系列放送局テーブル15を参照する制御を行う。
【0021】
システムコンローラ13は、前記リモコン送信機10などを用いたユーザーによるチャンネル選択処理やチャンネルスキャン処理等を行う。チャンネル選択で上記リモコン送信機10の選局ボタンが押された場合、その選局ボタンがどの放送局を示すのかを記憶部14の格納内容にて判断し、対応する選局情報を利用してチャンネルを変更する。また、EPG画面上での操作によるチャンネル変更の場合、システムコントローラ13が現在受信している付加情報から選局情報を取得してチャンネル変更を行うことになる。チャンネル変更に伴い、チューナ2において選局動作が必要になる場合、すなわち、現在復調されているトランスポートストリームに目的とするチャンネルが多重されていない場合には、システムコントローラ13の指令によってチューナ2は選局動作を行い、TS分離部3は目的とするチャンネルに該当するストリームを抽出する。
【0022】
また、システムコントローラ13は、当該受信装置の購入当初のチャンネルスキャン処理において、チューナ2を制御することで受信可能性のある周波数帯の中で周波数の異なる放送波を順次検出させ、放送波がある場合は検出した放送波から放送局名および選局情報をTS分離部3にて取得させ、取得した放送局名および選局情報を記憶部14に記憶させる処理を行う。また、リモコン送信機10の選局ボタンの割り当て操作において、或る放送局に対してユーザーが指定した選局ボタンの番号を図2に示したごとく記憶部14に記憶させる処理を行うことになる。
【0023】
図4は、ディジタル放送受信装置の購入後に最初に行うチャンネルスキャン処理から受信装置移動後に行う再チャンネルスキャン処理に至るまでの流れを簡単に示している。まず、受信装置の購入当初において、ユーザーはリモコン送信機10等を用いてチャンネルスキャンを受信装置に指示し、当該受信装置の設置場所において受信可能性のある周波数帯内で選局動作を実行させる。受信装置は、放送波が有ると判断できる場合に、TS分離部3にて分離された放送局名及びその放送波を受信するための選局情報を一つのレコードとして記憶部14に格納していく(ステップS11)。次に、各放送局に対してユーザーが好みの選局ボタンを割り当てていくことで、各レコードに選局ボタンの番号情報が格納されていく(ステップS12)。以上の処理により、ユーザーはリモコン送信機10の選局ボタンを押すだけで、当該ユーザーが割り当てた放送局の番組を視聴することができるようになる。
【0024】
その後に、転勤等によって受信装置が別の放送エリアに移動したとする(ステップS13)。このとき、移動前のチャンネルスキャンによる選局情報では移動後の地域において選局できない可能性がある。そこで、ステップS14の再チャンネルスキャンでは、ユーザーが選局ボタンに割り当てていた放送局またはその放送局の系列放送局の視聴が移動先の地域においても極力同じ選局ボタンにて行えるようにするための処理を行う。この処理の詳細を図5のフローチャートに基づいて説明していく。
【0025】
図5において、まず、チャンネルスキャン処理によって或るチャンネル周波数で放送波が検出されたか否かを判断する(ステップS1)。放送波が検出されたなら、その放送波(受信チャンネル)における放送局名および選局情報がTS分離部3にて分離されてシステムコントローラ13に与えられる(ステップS2)。放送局名比較更新部16は、取得された放送局名と記憶部14に格納されている放送局名とを比較し(ステップS3)、一致する放送局名が存在するかどうかを判断する(ステップS4)。
【0026】
一致する放送局名が存在する場合には、その選局情報を更新する(ステップS7)。例えば、記憶部14には、図2に示したごとく、選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数aaaMHzで受信することを示すレコードが存在していたとする。移動後のチャンネルスキャンにおいて、放送局名が○○テレビで選局情報がxxxMHzであるとの情報を得た場合、放送局名一致で受信周波数がxxxMHzで異なるという比較結果が得られる。放送局名比較更新部16は上記比較結果に基づき、選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数xxxMHzで受信するようにレコードの内容を更新する。
【0027】
一致する放送局名が存在しない場合には、放送局名比較更新部16は系列放送局テーブル15を参照する(ステップS5)。そして、この系列放送局テーブル15中に、放送波から取得した放送局名と系列関係にある放送局名が存在するかどうかを判断する(ステップS6)。系列関係にある放送局名が存在する場合には、その選局情報および放送局名を更新する(ステップS8)。このテーブル参照を行う場合の一連の処理を以下に例示する。例えば、記憶部14には、図2に示したごとく、選局ボタン▲6▼において○○テレビを周波数aaaMHzで受信することを示すレコードが存在していたとする。移動後のチャンネルスキャンにおいて、放送局名がBBテレビで選局情報がxxxMHzであるとの情報を得たとすると、記憶部14には、BBテレビに関するレコードがないため、系列放送局テーブル15を参照することになる。そして、例えば、系列放送局テーブル15には、図3に示したごとく、○○テレビとBBテレビとが系列関係であることが示されていたとする。このとき、ステップS6ではYESと判断され、ステップS8では、選局ボタン▲6▼においてBBテレビを周波数xxxMHzで受信するようにレコードの内容を更新することになる。
【0028】
系列関係の判断においては、まず、BBテレビが属するレコードのリストIDを取得する。そして、このリストIDのレコード中のBBテレビ以外の放送局名が記憶部14に格納されているかどうかを検索する。図3の例では、BBテレビが属するレコードのリストID▲1▼には○○テレビの放送局名が格納されており、この○○テレビが記憶部14(図2参照)に格納されているので、これによってBBテレビは○○テレビの系列であることが分かる。
【0029】
ステップS6において取得放送局名が系列放送局テーブルに存在しないと判断された場合、ステップS7,S8の更新処理後、及びステップS1で放送波が検出されかった場合は、全てのチャンネル周波数について走査(スキャン)したかどうかを判断し(ステップS9)、全てを走査したのであれば終了する一方、走査すべきチャンネルが残っているのなら、次のチャンネル周波数を設定し、ステップS1に進む。
【0030】
なお、放送局名は、「○○テレビ」といったものに限らず、「○TV」といった放送局の略記号(コールサイン)を含むものである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザーが選局ボタンに割り当てていた放送局またはその放送局の系列放送局の視聴が移動先の地域においても極力同じ選局ボタンにて行えるように再チャンネルスキャンが実行されるので、ユーザーによる再チャンネル設定の手間が省けるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を示すブロック図である。
【図2】この実施形態の記憶部の格納内容を示した説明図である。
【図3】この実施形態の系列放送局テーブルの格納内容を示した説明図である。
【図4】ディジタル放送受信装置の購入後に最初に行うチャンネルスキャンから移動後の再チャンネルスキャンに至るまでの流れを簡単に示した説明図である。
【図5】図4の再チャンネルスキャンで行う具体的処理内容を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 チューナ
3 TS分離部
4 AVデコーダ
10 リモコン送信機
13 システムコントローラ
14 記憶部
15 放送局名比較更新部
16 系列放送局テーブル
Claims (1)
- 地域により受信可能な放送局が異なる地上波ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置において、放送局名と選局情報と選局ボタンとを対応付けて記憶する記憶手段と、周波数の異なる放送波を順次検出していくチャンネルスキャン手段と、検出した放送波から少なくとも放送局名および選局情報を取得する情報取得手段と、放送波から取得した情報を記憶手段に格納されている情報と比較する比較手段と、比較結果に基づいて同一選局ボタンにて同一放送局の視聴が行えるように記憶手段の内容を更新する更新手段と、系列関係にある放送局名を記憶した系列放送局テーブルを備え、前記比較手段は、放送波から取得した放送局名が記憶手段に格納されている放送局名に一致しない場合に前記系列放送局テーブルを参照し、この系列放送局テーブル中に、放送波から取得した放送局名と系列関係にある放送局名が存在するときにその存在を示す比較結果を出力し、前記更新手段は、前記比較結果に基づいて同一選局ボタンにて同一系列放送局の視聴が行えるように記憶手段の内容を更新するように構成されたことを特徴とするディジタル放送受信装置。
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