JP4052919B2 - ディジタル放送受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星や地上波を用いたディジタル放送を受信するディジタル放送受信装置は、衛星アンテナや地上波アンテナを通して受け取った複数の放送波のなかから任意の放送波をディジタルチューナによって選択し、この選択した放送波に含まれる複数のチャンネルのなかから任意のチャンネルをデマルチプレクス処理によって選択し、この選択したチャンネルのディジタル信号を取り出し、これをデコードすることによって映像・音声信号を出力する。
【0003】
ところで、このようなディジタル放送では、放送事業者ごとにキー(ワンタッチキー,プリセットキー等)を割り当て、当該割当キーを操作することでダイレクトに所望の放送事業者のチャンネルを選択できるようにすることが考えられている。これに関する従来技術としては、所定の釦に対応して割り当てられている一つの放送事業者の複数のチャンネルのなかから一つのチャンネルを選局するものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−149451号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ディジタル放送では、同一の放送事業者(同一の放送局)、ネットワーク等が一つのグループとして様々な形態で複数チャンネル放送を行うことが可能であり、例えば標準画質放送、ハイビジョン放送、ラジオ放送、データ放送等を行うことができる。従って、個々のチャンネルにワンタッチキーを割り当てるとすると、キー数が膨大になり、リモコン送信機を肥大化させてしまう。また、前述の従来公報の技術のごとく、プリセットキーにて放送事業者の複数のチャンネルのなかから一つのチャンネルを選局できるとしても、他に何チャンネルあるのかなどが分かりづらい。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、チャンネル選択の利便性に優れたディジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明のディジタル放送受信装置は、上記の課題を解決するために、グループ化されたチャンネル群を割当キーに対応付ける手段と、前記チャンネル群の選局関連情報を格納する手段と、前記割当キーが操作されたときに対応するチャンネル群のなかの一つのチャンネルについて選局処理を行う手段と、前記割当キーが操作されたときに対応するチャンネル群のリストを画面表示してユーザ操作により選択されたチャンネルについて選局処理を行う手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、割当キーにてチャンネル群から一つのチャンネルを選局できると共に、ユーザが当該複数のチャンネルのなかの他のチャンネルを見てみたいと希望する場合には、画面にリスト表示されたチャンネル群のなかで所望のものを選んで選局することができ、チャンネル選択の利便性が良くなる。
【0009】
割当キーの初回操作で選局受信映像表示及び前記リスト表示の両方が行われるように構成されていてもよい。或いは割当キーの初回操作では選局受信映像表示のみ実行され、連続する二回目以降の操作で受信映像上に前記リスト表示が行われるように構成されていてもよい。
【0010】
ユーザ操作によって表示リスト上のカーソル位置が遷移し、決定操作を行うことで当該カーソルが位置しているところのチャンネルが選局されるように構成されていてもよい。或いは、表示リストにはチャンネルを示す番号が表記され、ユーザが前記番号を入力することでチャンネルが選局されるように構成されていてもよい。
【0011】
チャンネル群のグループ化は、同一の放送事業者、同一のネットワーク、及び同一のトランスポートストリームのいずれかに対応して行うのがよい。また、グループ化されたチャンネル群を割当キーに対応させる処理は、ディジタル放送波に含まれているリモコンキーIDに基づいて当該IDが示す番号を有する割当キーに対して行うように構成されていてもよい。また、グループ化されたチャンネル群を割当キーに対応させる処理は、ユーザにより指定された番号の割当キーに対して行うように構成されていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。図1は地上波ディジタル放送を受信するこの実施形態のディジタル放送受信装置を示したブロック図であり、図2はリスト表示の画面例を示した説明図であり、図3はリモコン送信機の平面図であり、図4はワンタッチ設定メニュー画面例を示した説明図である。
【0013】
図1において、地上波アンテナ1は屋外において所定の方向に向けて配置されており、地上波ディジタル放送信号を受信する。この地上波アンテナ1は受信した信号を地上波ディジタルチューナ2に与える。
【0014】
地上波ディジタルチューナ2は、映像・音声データを含む高周波ディジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す。また、地上波ディジタルチューナ2は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路などを備え、選択したディジタル変調信号を復調してトランスポート・ストリームを出力する。
【0015】
デマルチプレクサ(DEMUX)3は、前記トランスポート・ストリームを、MPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、及びPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)に分離する。デマルチプレクサ3は、ビデオストリームとオーディオストリームをAVデコーダ4に供給し、PSI/SIに含まれる番組情報等をCPU13に供給する。なお、トランスポート・ストリームには複数のチャンネルが多重化されており、このなかから任意のチャンネルを選択するための処理は、前記PSI/SIから任意のチャンネルがトランスポート・ストリーム中でどのパケットIDで多重化されているかといったデータを取り出すことで可能となる。また、トランスポート・ストリームの選定もPSI/SIの情報に基づいて行うことができる。
【0016】
AVデコーダ4は、ビデオストリームに対してデコードを行うビデオデコーダ、及びオーディオストリームに対してデコードを行うオーディオデコーダを備える。ビデオデコーダは、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御などを行う。オーディオデコーダは、入力された符号化信号を復号して音声データを生成する。デコードにより生成された映像データは映像処理回路5に出力され、音声データは音声処理回路6に出力される。
【0017】
映像処理回路5はAVデコーダ4から映像データを受け取ってD/A変換を行い、例えばコンポジット映像信号に変換する。音声処理回路6はAVデコーダ4から出力された音声データを受け取ってD/A変換を行い、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成する。
【0018】
映像出力回路7及び音声出力回路8は出力抵抗や増幅器等を備えて成る。AV出力端子9には、出力部(左右音声出力端子等や映像出力端子等のセット)が設けられており、この出力部には、映像/音声コード17によって受像管16a及びスピーカ16bを備えるモニタ16が接続される。
【0019】
OSD(オンスクリーンディスプレイ)回路12は、CPU13から出力指示された文字情報や色情報に基づく映像データを加算器20に出力する。加算器20は前記映像データをAVデコーダ4から出力される受信映像データに組み込む処理を行う。上記OSD回路12により、メニュー画面や各種設定画面などの表示が行えることになる。
【0020】
リモコン送信機10は、図2に示しているように、各種のキーを備えて当該放送受信装置30に各種指令を送出するものであり、前記キーを操作すると、そのキーに対応した指令を意味する信号光(リモコン信号)が発光部から送出される。リモコン受光器11は、前記信号光を受光し、これを電気信号に変換してCPU13に与える。なお、この実施形態においては、リモコン送信機10に設けた「1」乃至「12」の数字が表記されたキーを割当キー(以下、ワンタッチキーという)とする。そして、ここでは一つの放送事業者が一つのトランスポートストリームで放送を行っている場合を想定し、一つのワンタッチキーには一つの放送事業者を対応させるものとする。
【0021】
メモリ(例えば、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ等)14には、EPG画面を表示するための情報の他、チャンネル情報(周波数情報、リモコンキーIDに対応させたチャンネルリストや放送局名などの情報)が格納される。
【0022】
CPU13は、このディジタル放送受信装置30における全体制御を行うものであるが、特にこの発明にかかる処理として、チャンネルサーチ処理、リモコンキーIDの取得処理、ワンタッチキーの割当処理、ワンタッチキー操作に対する選局処理等を行う。
【0023】
(チャンネルサーチ処理)
例えば、初回電源投入時、ユーザによってメニュー画面からチャンネルサーチの指示を受けると、CPU13は、チューナ2に地上波ディジタル放送が送信されるUHF帯域の最も低い周波数を選局させて有局判定を行う。有局と判断した場合には、その周波数情報、局情報(放送局系列名等)、チャンネルリストデータを抽出し、メモリ14に記憶する。この処理を、順次周波数を上げて最も高い周波数まで続ける(例えば、12ch乃至61chまで)。
【0024】
(リモコンキーIDの取得処理)
上述したチャンネルサーチに際し、有局の周波数において、トランスポートストリームからPSIを分離し、そのなかのNIT(Network Information Table)のリモコンキーID(TS番号記述子)を取得し、上述した周波数情報等と対応付けてメモリ14に記憶する。
【0025】
(ワンタッチキーの割当処理)
取得したリモコンキーIDが示す番号のワンタッチキーに当該放送局を受信するための周波数情報等を対応させる。すなわち、○○放送局がTS番号記述子にリモコンキーIDとして「8」を付加して送信することにより、受信装置の側ではこの情報を受信してリモコンキーIDを取得し、リモコン送信機10のワンタッチキー8に○○放送局を設定する。以降、ユーザによってリモコン送信機10のキー8が押下されると、○○放送局のチャンネルが選局されるようになる。
【0026】
(ワンタッチキーの操作による選局処理)
上記のごとく、ユーザによってリモコン送信機10のワンタッチキー「8」が押下されると、○○放送局のチャンネルを選局する処理を行うが、ディジタル放送では各放送局で複数のチャンネルを用意することが可能であることから、前記チャンネルリストのなかの一つのチャンネルを選択する処理を行う。ここで、各放送局は、提供しているチャンネル群のなかで代表的なチャンネルの番号を小さく(若く)する傾向にあると考えられるので、最初に選局するチャンネルをそのチャンネル群のなかの最も小さい番号のチャンネルとするようにしている。
【0027】
ユーザによってワンタッチキー「8」が引き続いて押下された場合には、OSD表示機能により、図3に示すように、画面上にチャンネル群の内容を示すリストを表示する。図3では縦一列にリスト表示を行っているが、マトリクス状にリスト表示を行うようにしてもよい。また、受信表示映像の隠れを極力回避するために、全チャンネルを表示するのではなく、例えば1乃至3チャンネル分の表示を行い、リモコン送信10機の方向キーの操作でスクロール表示される形態を採用してもよい。なお、上記例では、ワンタッチキーの連続した二回目以降の操作でリスト表示がなされることとなるが、ワンタッチキーの初回操作でリスト表示がなされるようにしてもよい。
【0028】
(表示リストによる選局処理)
受信装置30はリモコン送信機10のキーの操作の有無を検出しており、方向キーの信号を検出したときには表示リスト上のカーソル位置を遷移させる。そして、リモコン送信機10の決定キーの操作を検出すると、そのときにカーソルが位置しているところのチャンネルを選局する処理を行う。なお、このようなカーソルによる選択に限るものではなく、ユーザが表示リスト上の所望のチャンネルの番号をリモコン送信機10の数値キー(例えば、前記ワンタッチキーとは別に設けられた0〜9番号キーなど)により入力し、その後に決定キーを押すことで当該番号のチャンネルを選局できるようにしてもよい。
【0029】
以上のように、ワンタッチキーにてチャンネルリストから一つのチャンネルを選局できると共に、当該チャンネルの受信画面を見ながらそのグループ内の他のチャンネルの情報を表示リストによって知ることができ、ユーザが当該複数のチャンネルのなかの他のチャンネルを見てみたいと希望する場合には、画面にリスト表示されたチャンネル群のなかで所望のものを選んで選局することができ、チャンネル選択の利便性が良くなる。
【0030】
なお、上記の例では、チャンネルサーチを12ch乃至61chまで全て行うこととしたが、地域コードとその地で受信可能とされるチャンネルリストとを対応付けたテーブルをメモリに格納しておき、ユーザによる地域コードの入力によって前記リスト中のチャンネルについてだけ受信して情報を取り込むようにしてもよい。また、取得したリモコンキーIDに基づいてワンタッチキーを対応付けることとしたが、リモコンキーIDによらずに、各放送事業者のチャンネル群(グループ)をユーザが好みの番号のワンタッチキーに対応させることとしてもよい。例えば、メニュー画面においてワンタッチキー設定メニューを呼び出すと、図4(a)に示すように、設定画面を表示させることとする。この設定画面上では、ワンタッチキー「1」に放送局リストナンバーの「000」の放送局が対応付けられている。ワンタッチキー「1」に対応させている放送局を放送局リストナンバーの「004」の放送局に変更したいのであれば、まず、ワンタッチキー設定項目の「1」の箇所にカーソルを持ってくるようにリモコン送信機の方向キーの操作を行い、決定キーを押下する。決定キーが押下されると、カーソルは下段リスト部に遷移する。そして、同図(b)に示すように、放送局リストナンバーの「004」の箇所にカーソルを持ってくるようにリモコン送信機の方向キーの操作を行い、カーソルを「004」の箇所に持ってきたら、決定キーを押下する。かかる操作により、ワンタッチキー「1」には放送局リストナンバーの「004」の放送局が対応付けられることになる。ユーザは、設定したいワンタッチキー分だけ上記操作を繰り返せばよい。なお、放送局リストを一画面上に表示しきれない場合を考慮し、スクロール表示が行えるようにしておくのがよい。
【0031】
また、ワンタッチキーの操作において最初に選局するチャンネルをそのチャンネル群のなかの最も小さい番号のチャンネルとする場合を例示したが、これに限るものではない。例えば、前述したチャンネル変更において選択されているチャンネルを記憶していくこととし、次回にワンタッチキー「8」が操作されたときには、前回の最後に選択されていたチャンネル(ラストチャンネル)を最初に選局するチャンネルとするようにしてもよい。
【0032】
また、OSD機能により、グループに属するチャンネル一覧を画面に表示することとし、この場合に順を示す番号とチャンネルの番号を示したが、チャンネルの番号だけでなく、簡単な番組情報を表示することとしてもよい。
【0033】
また、上記の例では、一つの放送事業者が一つのトランスポートストリームで放送を行っている場合を想定し、一つのワンタッチキーには一つの放送事業者を対応させることとしたが、一つの放送事業者(放送局)が複数のトランスポートストリームを使って放送を行っている場合、或いは、逆に一つのトランスポートストリーム中に複数の放送事業者(放送局)が存在する場合を考慮すると、必ずしもワンタッチキーで放送事業者を選ぶということに限定されず、一つ或いは二以上のトランスポートストリーム内のチャンネル群を一つのグループとするようにしてもよい。すなわち、ワンタッチキーをどのようなグループ単位で設定するかは、放送がどのような形態で行われているかに対応して任意に決めることとすればよい。
【0034】
また、チャンネルアップ/ダウンキーの操作によって、グループ内で順に数値の大きなチャンネル或いは順に数値の小さなチャンネルが選択されるようにしておいてもよく、この場合、一つのグループについて全てのチャンネルが選択された後更にチャンネルアップ/ダウンキーが操作された場合は、次のグループのチャンネル選択に移っていくようにするのがよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、割当キーにてグループ内の複数のチャンネルのなかから一つのチャンネルを選局できると共に、ユーザが当該複数のチャンネルのなかの他のチャンネルを見てみたいと希望する場合には、画面にリスト表示されたチャンネル群のなかで所望のものを選んで選局することができ、チャンネル選択の利便性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のディジタル放送受信装置を示したブロック図である。
【図2】チャンネルリストが表示された状態を示した説明図である。
【図3】リモコン送信機を示した平面図である。
【図4】同図(a)及び同図(b)はワンタッチ設定メニュー画面を示した説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 チューナ
3 デマルチプレクサ(DEMUX)
4 AVデコーダ
12 OSD回路
13 CPU
14 メモリ
Claims (5)
- グループ化されたチャンネル群を割当キーに対応付ける手段と、前記チャンネル群の選局関連情報を格納する手段と、前記割当キーが操作されたときに対応するチャンネル群のなかの一つのチャンネルについて選局処理を行う手段と、前記割当キーが操作されたときに対応するチャンネル群のリストを画面表示してユーザ操作により選択されたチャンネルについて選局処理を行う手段と、を備え、前記グループ化されたチャンネル群を割当キーに対応させる処理は、ディジタル放送波に含まれているリモコンキーIDに基づいて当該リモコンキーIDが示す番号を有する割当キーに対して行うことを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項1に記載のディジタル放送受信装置において、割当キーの初回操作で選局受信映像表示及び前記リスト表示の両方が行われることを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項1に記載のディジタル放送受信装置において、割当キーの初回操作では選局受信映像表示のみ実行され、連続する二回目以降の操作で受信映像上に前記リスト表示が行われることを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディジタル放送受信装置において、ユーザ操作によって表示リスト上のカーソル位置が遷移し、決定操作を行うことで当該カーソルが位置しているところのチャンネルが選局されることを特徴とするディジタル放送受信装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディジタル放送受信装置において、表示リストにはチャンネルを示す番号が表記され、ユーザが前記番号を入力することでチャンネルが選局されることを特徴とするディジタル放送受信装置。
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