JP3685348B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内へ超音波を送受信して検出した超音波信号から診断部位の超音波画像を得て表示する超音波診断装置に関し、特に一連の検査手順が決められているスクリーニング検査を行うものにおいて複数の操作を一度に行うマルチオペレーション操作を実行する際に、操作者が登録した操作内容を表示器に表示して確認できると共にその内容によって変更すべき項目と実際にその項目が変更できたか否かを表示することができる超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の超音波診断装置は、本発明者らによって提案された特願平7− 170493号に記載され、図11に示すように、被検体1内に超音波を送受信する探触子2と、この探触子2を制御して超音波を打ち出すと共に反射波を受信し超音波信号を検出する超音波送受信回路3と、この超音波送受信回路3からの超音波信号に遅延処理や加算を行う信号処理回路4と、この信号処理回路4からの超音波信号を画像に変換すると共に画像処理を行うスキャンコンバータ6と、このスキャンコンバータ6からの画像情報を表示する表示器8と、上記各構成要素を制御すると共に検査条件や画像条件を実行する制御回路部としてのメインコントローラ9と、上記画像条件について複数ステップ分の操作内容を記録しておく操作内容記憶手段10と、この操作内容記憶手段10で記憶した1ステップ分の操作内容を1キー操作で呼び出すためのマルチオペレーション操作手段11とを有し、一人の被検体に対し決められた画像条件で決められたステップ数の撮影を行い、ステップ毎に画像条件を変更して任意の画像を撮影するスクリーニング検査を行うようになっていた。
【0003】
なお、図11において、符号5は信号処理回路4からの超音波信号を入力してディジタル信号に変換するA/D変換器を示し、符号7はスキャンコンバータ6からのディジタルの画像情報をアナログ信号に変換するD/A変換器を示している。また、符号12は、Bモード・Mモードなどの各種検査モード,表示深度・フォーカス設定などの検査条件やダイナミックレンジ・エンハンス・フレーム相関などの画像条件を設定するための操作パネルを示し、符号13は、マトリクス状に配置された操作パネル12のどの機能が実行されたかを認識し後述のパネルコントローラに転送するためのパネルI/F回路を示し、符号14は、上記操作パネル12から入力された信号をメインコントローラ9へ転送するためのパネルコントローラを示している。そして、上記操作パネル12とパネルI/F回路13とパネルコントローラ14と操作内容記憶手段10とマルチオペレーション操作手段11とでマルチオペレーション制御部15を構成している。このマルチオペレーション制御部15により、任意の画像を描出するために複数の操作内容を登録し実行できるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の超音波診断装置においては、上記マルチオペレーション制御部15により任意の画像を描出するための複数の操作内容を登録し実行することはできたが、操作内容記憶手段10に登録された内容を表示器8の画面に表示する手段は有していなかった。従って、操作者が登録した操作内容を表示器8に表示して確認することはできなかった。また、上記登録した複数の操作を一度に行った場合に、その登録されている内容によって変更すべき項目と実際にその項目が変更できたか否かを表示器8に表示して動作確認をすることができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、複数の操作を一度に行うマルチオペレーション操作を実行する際に、操作者が登録した操作内容を表示器に表示して確認できると共にその内容によって変更すべき項目と実際にその項目が変更できたか否かを表示することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による超音波診断装置は、被検体内に超音波を送受信する探触子と、この探触子に超音波を送信させると共にその反射波を受信し、該反射エコーの信号処理を行う手段と、該信号処理された反射エコー信号を画像に変換する手段と、該変換された画像を表示する表示器と、上記各構成要素を制御すると共に検査条件や画像条件を実行する制御手段と、上記画像条件について複数ステップ分の操作内容を記録しておく操作内容記憶手段と、該記憶された1ステップ分の操作内容を1キー操作で呼び出すためのマルチオペレーション操作手段とを備え、一人の被検体に対し決められた画像条件で決められたステップ数の撮影を行い、ステップ毎に画像条件を変更して任意の画像を撮影するスクリーニング検査を行う超音波診断装置において、
前記操作内容記憶手段に登録されている各ステップの全操作項目の中から前ステップと次に実行するステップに記録されているパラメータが異なっているパラメータを選択して出力する登録内容比較手段と、前記登録内容比較手段から出力された前記パラメータ情報に基づいて実行すべき前記操作項目を作成し実行する手段とを備える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明による超音波診断装置の実施の形態を示すブロック図である。この超音波診断装置は、被検体内へ超音波を送受信して検出した超音波信号から診断部位の超音波画像を得て表示し、特に一連の検査手順が決められているスクリーニング検査を行うもので、図1に示すように、探触子2と、超音波送受信回路3と、信号処理回路4と、スキャンコンバータ6と、表示器8と、メインコントローラ9と、操作内容記憶手段10と、マルチオペレーション操作手段11とを有し、さらに登録内容表示手段16と、画像・文字情報重畳手段17とを備えて成る。
【0010】
上記探触子2は、被検体1内の診断部位に向けて超音波を打ち出すと共に該被検体1内の音響インピーダンスの異なる境界にて反射されエコーを受信するもので、図示省略したがその内部には、超音波の発生源であると共に反射波を受信する振動子が設けられている。超音波送受信回路3は、上記探触子2を制御して超音波を打ち出すと共に反射波を受信し超音波信号を検出するもので、図示省略したがその内容には、公知の送波パルサ及び送波遅延回路並びに受信増幅器などを有している。信号処理回路4は、上記超音波送受信回路3から出力された超音波信号を入力して遅延処理や加算を行って受波超音波ビームを形成したり、位相合成されたエコー信号を検波するもので、図示省略したがその内部には、公知の受波遅延回路や加算器,ゲインコントロール回路,ログアンプ回路,ダイナミックレンジ設定回路,全波整流回路,エンベロープ回路などを有している。
【0011】
スキャンコンバータ6は、上記信号処理回路4から出力された超音波信号をA/D変換器5でディジタル信号に変換したものを入力して画像に変換すると共に画像処理を行うもので、ラインメモリ,画像メモリを有し、超音波ビームの1走査線又は複数の走査線毎に上記ラインメモリに書き込み読み出しを繰り返して、上記画像メモリに画像として格納するようになっている。表示器8は、上記スキャンコンバータ6から出力された画像情報をD/A変換器7でアナログ信号に変換した映像信号を入力して画像として表示するもので、例えばテレビモニタから成る。そして、メインコントローラ9は、上記各構成要素を制御すると共に、検査条件や画像条件を実行する制御回路部となるもので、例えばCPU(中央処理装置)から成り、超音波送受信回路3に対し超音波ビームの送受信方向を変更したり、画像条件を変えて超音波ビームを送受信したり、或いは信号処理回路4の各パラメータを設定したり、スキャンコンバータ6のラインメモリの書き込み読み出しの制御を行うようになっている。
【0012】
また、操作内容記憶手段10は、スクリーニング検査の各撮影毎の画像条件について複数ステップ分の操作内容を記録しておくものである。さらに、マルチオペレーション操作手段11は、上記操作内容記憶手段10で記憶した1ステップ分の操作内容を1キー操作で呼び出すためのもので、例えばキーや双方向性のスイッチあるいはツマミなどから成る。
【0013】
なお、図1において、符号12は、Bモード・Mモードなどの各種検査モード,表示深度・フォーカス設定などの検査条件やダイナミックレンジ・エンハンス・フレーム相関などの画像条件を設定するための操作パネルを示し、符号13は、マトリクス状に配置された操作パネル12のどの機能が実行されたかを認識し後述のパネルコントローラに転送するためのパネルI/F回路を示し、符号14は、上記操作パネル12から入力された信号をメインコントローラ9へ転送するためのパネルコントローラを示している。そして、上記操作パネル12とパネルI/F回路13とパネルコントローラ14と操作内容記憶手段10とマルチオペレーション操作手段11とでマルチオペレーション制御部15を構成している。このマルチオペレーション制御部15により、任意の画像を描出するために複数の操作内容を登録し実行できるようになっている。
【0014】
ここで、本発明においては、上記操作内容記憶手段10の出力側に登録内容表示手段16が設けられると共に、この登録内容表示手段16の出力側にて前記スキャンコンバータ6とD/A変換器7との間に画像・文字情報重畳手段17が設けられている。上記登録内容表示手段16は、操作内容記憶手段10に登録されている情報を読み出しその操作内容を表示するための文字情報を作成するもので、前記メインコントローラ9の制御を受けるようになっている。また、画像・文字情報重畳手段17は、上記登録内容表示手段16から出力される文字情報を前記スキャンコンバータ6から出力される画像情報に重畳するもので、この画像情報と文字情報とを重畳したデータを前述のD/A変換器7へ送出するようになっている。
【0015】
次に、このように構成された超音波診断装置の動作について説明する。まず、図1において、被検体1の体表面に探触子2を当接し、内部の診断部位へ向けて超音波を送信する。このとき、上記探触子2から打ち出される超音波は、超音波送受信回路3内の送波遅延回路によって診断部位において細いビームを形成するように制御される。上記診断部位からの反射波は、同一の探触子2によって受波され、信号処理回路4内の増幅器及び受波遅延回路並びに加算器を介して取り込まれ、受信ビームが形成される。そして、上記探触子2からは、所定周期で順次超音波の送受信方向を変更して診断部位を超音波走査するように送受信が繰り返して行われる。
【0016】
上記超音波送受信回路3から出力された超音波信号(エコー信号)は、信号処理回路4へ入力し、その内部の整相回路によって観察される深度で最適フォーカスとなるように各チャンネルの受信エコー信号に対して遅延時間が制御され、位相合成される。この位相合成された受信エコー信号は、上記信号処理回路4内のゲインコントロール回路によって感度調整が行われる。また、受信エコー信号は例えば60〜90dBのダイナミックレンジを有しているが、表示器8は通常 20〜30dB程度のダイナミックレンジしかないため、内蔵のログアンプ回路及びダイナミックレンジ設定回路で最適な圧縮率を設定している。さらに、内蔵の全波整流回路及びエンベロープ回路により、高周波の受信エコー信号の搬送波成分を除去している。
【0017】
上記信号処理回路4から出力された受信エコー信号は、A/D変換器5でディジタル信号に変換され、スキャンコンバータ6へ入力する。このスキャンコンバータ6は、複数のラインメモリと画像メモリを有し、メインコントローラ9によって超音波送受信方向が変化するたびに切り換えて上記ラインメモリへの書込みと読み出しが制御され、画像メモリへ送られる。この画像メモリへ入力されたエコー信号は、順次超音波ビーム毎にそれらの送受信方向に対応させて1枚の超音波断層像を形成するように書き込まれる。このとき、前記探触子2は、超音波送受信回路3の制御で1画像分の超音波走査が終了すると、再び走査方向を初期方向に戻して超音波の送受信を繰り返すと共に、その送受信方向を各送受信毎に順次変更して走査を行う。
【0018】
一方、マルチオペレーション制御部15においては、キー,スイッチ,ボリュームなどの各種制御手段から成る操作パネル12は、Bモード・Mモード・カラードプラモードなどの各種検査モード、又は表示深度・表示画面・フォーカス深度などの検査条件、或いはダイナミックレンジ・エンハンス・フレーム相関などの画像条件を設定するのに用いる。通常は、操作パネル12上の各種制御手段はマトリクス的に配置されているので、パネルI/F回路13によりどのキー又はスイッチなどが選択されたかを認識し、次段のパネルコントローラ14へ転送する。このパネルコントローラ14では、上記操作パネル12から入力された信号をメインコントローラ9へ転送したり、逆にそのメインコントローラ9からの情報により、操作パネル12のキー又はスイッチなどが押されたときにその機能を実行するか否かの受付処理やキーなどを点灯させたりという制御を行なっている。
【0019】
ここで、予め検査手順が決められているスクリーニング検査などにおいて、任意の画像を描出する際に必要な一つ以上の操作内容をまとめて記録していく単位を1ステップとしたとき、複数画像を描出するために必要な複数ステップ分の操作内容は、マルチオペレーション操作手段11やメニュー操作などを利用して、操作内容記憶手段10の中に記録する。このとき、上記操作内容記憶手段10の中に記録される1ステップ中の操作内容は、例えば図2に示すように、スクリーニング検査の時に操作して行く操作項目を操作順の順番に従って第1操作,第2操作,第3操作,…に対応して記録して行き、かつ各操作項目毎のパラメータ値も一緒に記録して行く。そして、メニュー操作を利用して上記の操作内容を記録する場合には、例えば1〜4ステップの各ステップ毎に操作項目とパラメータ値を図2に示すような順番で登録すればよい。
【0020】
また、図1に示すマルチオペレーション操作手段11を利用して操作内容を記録して行く場合には、装置全体を記録状態に設定した後、実際の操作手順に従って操作して行き、各ステップ毎の操作項目とその最終パラメータ値を自動的に記録すればよい。記録する項目としては、装置の設定状態だけでなく、タイマー表示の開始ステップと終了ステップを記録するようにしてもよい。タイマー表示は、任意のステップからの経過時間を表示器8上に表示させることができ、薬物投与や運動負荷後の経過を調べる検査に有用である。また、計測機能や外部の画像記録装置への画像記録の実行なども加え、一連のモードを設定して目的とする画像を描出した後に、フリーズしたら自動的に計測機能や画像記録を実行させるようにしてもよい。上記画像記録に関しては、マルチオペレーション操作手段11を操作した直後に実行させ、その後自動的にフリーズ解除して、一連のモード設定を実行させるようにしてもよい。このとき、画像記録装置によっては画像記録直後にフリーズ解除することなく、一定の待ち時間を設定できるようにして、その待ち時間後にフリーズ解除させるようにしてもよい。さらに、コメント表示機能を設けて、記録したコメントをマルチオペレーション操作実行時に、常時表示させたり、或いは一定時間だけ表示するようにしてもよい。この一定時間の表示は、マルチオペレーションの種類が増えても各ステップの目的とする画像に関するコメントを表示させることにより、どの画像を描出するステップであるかを瞬時に判断できるようになる。
【0021】
そして、上記登録した操作内容の確認は、操作パネル12上の各種制御手段により行う。登録内容表示用のパネルキーが選択されると、パネルI/F回路62がそれを認識し、パネルコントローラ14が認識したパネルキーをメインコントローラ9へ転送し、該メインコントローラ9は、登録内容表示手段16へ制御を移す。すると、該登録内容表示手段16は、操作内容記憶手段10に登録されている内容を読み込み、図3に示すような形式の文字情報を作成し出力する。このとき、実際に出力される項目とパラメータの一例を表示すると、図4及び図5に示すようになる。その後、上記例を表示すると、図4及び図5に示すようになる。その後、上記登録内容表示手段16から出力された文字情報は、画像・文字情報重畳手段17へ入力し、スキャンコンバータ6から出力された画像情報と重ね合わされる。この重畳されたデータは、D/A変換器7でアナログ信号に変換され、順次表示器8へ送られる。そして、表示器8は、入力したビデオ信号を輝度変調して画像として表示する。
【0022】
図6は本発明の第二の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は、前記操作内容記憶手段10の出力側に、実行時にマルチオペレーション操作手段 11によって1ステップ毎に記憶された操作内容をもとに最適な順番で各操作項目のパラメータ値を設定しながら実行していく実行手順設定手段18を設けると共に、この実行手順設定手段18からの出力を入力して前記メインコントローラ9の制御により実行手順の項目を表示するための文字情報を作成する実行内容表示手段19を設けたものである。上記実行手順設定手段18に出力される操作内容記憶手段10には、任意の画像を描出する際の各ステップの最終状態における各操作項目のパラメータ値を記録し、実行時にはマルチオペレーション操作手段11によって1ステップ毎に記憶された操作内容をもとに実行手順設定手段18により、前述の図4に示すように、最適な順番で各操作項目のパラメータ値を設定しながら実行して行く。また、実行内容表示手段19は、上記実行手順設定手段18からの出力を入力し、メインコントローラ9の制御により、実行手順の項目が登録されているパラメータ通りになったか否かを確認するための印(例えばアスタリスクマーク「*」など)を付した文字情報を、図7に示すように作成して出力する。すると、この出力された文字情報は、画像・文字情報重畳手段17によって他の情報と重ね合わされ、表示器8に表示される。このとき、表示する項目は、項目名だけでなく、図8に示すように、そのパラメータを同時に表示してもよい。
【0023】
図6に示す実施形態では、記録された操作項目のパラメータ値に対して、実行手順設定手段18により最適な実行手順が予め設定されている。実行時には、この設定された手順に従って総ての操作を順番に実行することにより、目的の画像を得るためのモード設定が可能になる。例えば、前述の図4に示すステップ2を例にとると、マルチオペレーション操作手段11が実行されると、
(1)画像記録装置(例えばプリンター)に画像を記録する。
(2)表示画面数を「1画面」に設定する。
(3)スキャンコンバータ6内の二つの画像メモリLとRのうち「L側」の画像メモリの画像を表示する。
(4)検査モードを「Bモード」に設定する。
(5)表示深度を「12cm」に設定する。
(6)表示開始深度が「10mm」になるよう画像全体を10mm上にシフトする。
(7)ボディマークは、図示のものを選択する。
(8)表示器8の画面上に「GB」というコメントを表示する。
(9)モード設定が終了し、目的とする画像が描出された後、フリーズキーが押されて画像を静止状態にすると、自動的に「面積」計測が実行される。
という手順で各操作項目が次々に実行される。この図4に示すように、各ステップ毎に設定された最終状態を項目別に総て記録する方式もあるが、例えば図5に示すように、上記図4の各ステップ間で状態の異なる項目のみを記録する差分記録方式をとってもよい。
【0024】
図9は本発明の第三の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は、前記操作内容記憶手段10と実行手順設定手段18との間に、マルチオペレーション操作手段11を用いて操作内容記憶手段10に登録されている各ステップの全項目の中から前ステップと次に実行するステップに記録されているパラメータとで異なっているものを選び出して出力する登録内容比較手段20を設けたものである。上記登録内容比較手段20は、マルチオペレーション操作手段11を用いて、操作内容記憶手段10の中に記録されている各ステップの総ての項目の中から前のステップとその次に実行するステップに記録されているパラメータとで異なっているものを選び出し、前記実行手順設定手段18へ出力する。この実行手順設定手段18は、予め設定された総ての項目の実行手順に従い、上記登録内容比較手段20から受け取った実行すべき項目の実行手順を作成する。このように、上記操作内容記憶手段10から出力される総ての項目を実行するのではなく、登録内容比較手段20を用いることにより前のステップとの登録状態を比較して異なっている項目のみを実行する方式を、差分実行方式という。このとき、モード設定以外のプリンターへの記録や計測項目の自動実行機能などは、差分実行方式によらず、設定状態そのままを実行するようにする。
【0025】
例えば、マルチオペレーション操作手段11により、操作内容記憶手段10の中に記録されている各ステップの設定条件が実施される場合、上記登録内容比較手段20の機能により各ステップ間の設定状態の違いを比較し、それを元に実行手順設定手段18が実行手順を作成し、この実行手順に従って前述の図5に示す各ステップと同様の手順を実行する。状態比較の際には、モード設定については各ステップ間の異なる項目,条件が実行対象として選択されるが、計測項目や画像記録などは各ステップにおいて実行するか否かが決まり、ステップ2以下は次のような実行内容となる。
【0026】
ステップ2
(1)プリンターに画像を記録する。
(2)表示開始深度が「10mm」になるよう画像全体を10mm上にシフトする。
(3)ボディマークは、図5のステップ2に示すのと同じものを選択する。
(4)表示器8の画面上に「GB」というコメントを表示する。
(5)目的とする画像が描出された後、フリーズキーが押されて画像を静止状態にすると、自動的に「面積」計測が実行される。
【0027】
ステップ3
(1)プリンターに画像を記録する。
(2)表示画面数を「2画面」に設定する。
(3)表示開始深度が「0mm」になるよう画像全体を下にシフトする。
(4)ボディマークは、図5のステップ3に示すのと同じものを選択する。
(5)表示器8の画面上に「R−Kidney」というコメントを表示する。
(6)目的とする画像が描出された後、フリーズキーが押されて画像を静止状態にすると、自動的に「距離」計測が実行される。
【0028】
ステップ4
(1)スキャンコンバータ6内の二つの画像メモリLとRのうち「L側」の画像メモリの画像を表示する。
(2)ボディマークは、図5のステップ4に示すのと同じものを選択する。
(3)表示器8の画面上に「L−Kidney」というコメントを表示する。
(4)目的とする画像が描出された後、フリーズキーが押されて画像を静止状態にすると、自動的に「距離」計測が実行される。
そして、ステップ5以下は、図5に示すのと同様である。
【0029】
次に、実行状態を確認するときは、図9に示す実行手順設定手段18からパネルコントローラ14とメインコントローラ9を介して実行された項目が、実際に変更すべきパラメータになったかどうかを実行状態確認手段21が確認する。なお、この実行状態確認手段21は、メインコントローラ9と実行内容表示手段 19との間に設けられている。そして、上記実行状態確認手段21が確認した後、実行内容表示手段19が、実行手順設定手段18から出力される差分実行方式で実行すべき項目と、実行状態確認手段21から出力された実行状態をもとに図7に示すような文字情報を作成して出力する。このとき、実行内容表示手段19が出力する文字情報として、図8に示すように、変更すべき項目名とそれにパラメータを合わせたものを表示してもよい。そして、前記のステップ4を差分実行したときに実行内容を表示した場合は、図10に示すようになり、表示されている項目は実行すべき項目で、例えばアスタリスクマーク「*」のついていない項目は実行時の画像状況により、設定すべきパラメータ値にすることができなかったものである。このような差分実行方式により、異なる条件設定のみが実行されることとなるので、ステップ間の実行時間を短縮することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されたので、前ステップと次に実行するステップに記録されているパラメータに基づいて実行すべき操作項目のみを実行することができるので、ステップ間の実行時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波診断装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】操作内容記憶手段の中に記録される1ステップ中の操作内容の一例を示す説明図である。
【図3】登録内容表示手段が作成する文字情報のフォーマット例を示す説明図である。
【図4】上記登録内容表示手段が実際に出力する項目とパラメータの一例及び実行手順を示す説明図である。
【図5】差分記録方式において上記登録内容表示手段が出力する項目とパラメータの一例及び実行手順を示す説明図である。
【図6】本発明の第二の実施形態を示すブロック図である。
【図7】実行内容表示手段が作成して出力する文字情報の一例を示す説明図である。
【図8】同じく実行内容表示手段が作成して出力する文字情報の他の例を示す説明図である。
【図9】本発明の第三の実施形態を示すブロック図である。
【図10】上記第三の実施形態において差分実行を行ったときの実行内容の表示例を示す説明図である。
【図11】従来の超音波診断装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 探触子
3 超音波送受信回路
4 信号処理回路
5 A/D変換器
6 スキャンコンバータ
7 D/A変換器
8 表示器
9 メインコントローラ
10 操作内容記憶手段
11 マルチオペレーション操作手段
15 マルチオペレーション制御部
16 登録内容表示手段
17 画像・文字情報重畳手段
18 実行手順設定手段
19 実行内容表示手段
20 登録内容比較手段
21 実行状態確認手段

Claims (1)

  1. 被検体内に超音波を送受信する探触子と、この探触子に超音波を送信させると共にその反射波を受信し、該反射エコーの信号処理を行う手段と、該信号処理された反射エコー信号を画像に変換する手段と、該変換された画像を表示する表示器と、上記各構成要素を制御すると共に検査条件や画像条件を実行する制御手段と、上記画像条件について複数ステップ分の操作内容を記録しておく操作内容記憶手段と、該記憶された1ステップ分の操作内容を1キー操作で呼び出すためのマルチオペレーション操作手段とを備え、一人の被検体に対し決められた画像条件で決められたステップ数の撮影を行い、ステップ毎に画像条件を変更して任意の画像を撮影するスクリーニング検査を行う超音波診断装置において、
    前記操作内容記憶手段に登録されている各ステップの全操作項目の中から前ステップと次に実行するステップに記録されているパラメータが異なっているパラメータを選択して出力する登録内容比較手段と、前記登録内容比較手段から出力された前記パラメータ情報に基づいて実行すべき前記操作項目を作成し実行する手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。
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