JP3684891B2 - 物品仕分け設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種の物品を保持自在な物品収集具を複数の物品仕分け領域を通過させて搬送する搬送ラインが設けられて、各物品仕分け領域にて異なる種類の物品を前記物品収集具に供給保持させることによって、複数種の物品を前記物品収集具に保持させる物品仕分け設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような物品仕分け設備は、例えば、各種装置の組み立てラインに付随して設けられるもので、装置の組み立てに必要な複数種の物品を物品収集具に仕分けて保持させ、その仕分けられた物品を順次組み付けて、装置を組み立てる際などに用いられる。
【0003】
かかる設備としては、従来、複数の物品仕分け領域の夫々に対応させて、その物品仕分け領域で扱う物品を保持した実保持体としての実容器を載置するための作業台などを設け、各物品仕分け領域において、作業台上の実容器から物品を取り出して物品収納具に順次仕分け保持させ、各物品仕分け領域において空になった空容器は、フォークリフトなどで空容器収集箇所に搬送し、各作業台上の実容器が少なくなると、フォークリフトなどで倉庫内の実容器を搬送して各作業台に補充する構成のものが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の設備では、各物品仕分け領域において空になった空保持体としての空容器を、大きさや形状などに無関係に同じ空容器収集箇所に集めるだけであったので、その後の空容器の取り扱いに多大の労力を要するという欠点があった。
【0005】
すなわち、物品の取り出しにより空になった空容器は、再び必要な物品が収納されて実容器として再使用されるのであるが、収納する物品の種類によって形状や大きさが異なる場合があり、また、形状や大きさが同じであっても、収納する物品の形状などに対応して内部空間の仕切りなどが異なる場合もある。また、物品の種類に対応して、物品を搬入する業者が異なる場合もあって、各容器は特定の物品収納用として対応付けられている場合が多い。
したがって、従来の設備のように、各物品仕分け領域で空になった多数の空容器を空容器収集箇所に混在状態で集めると、その空容器を収納物品に対応させて仕分けたり、あるいは、搬入業者別に仕分けるのに多大の労力を要し、空容器の取り扱いがきわめて煩雑になるという欠点があった。
【0006】
さらに、例えば、搬入業者によって搬入された実容器は、一旦倉庫内などに収納保管して置き、必要に応じてフォークリフトなどで搬送して各作業台に補充していたので、各作業台、換言すると、各物品仕分け領域に対する実容器の補充にも労力を要し、この点にも改良の余地があった。
【0007】
本発明は、このような従来設備の問題点に着目したもので、その目的は、各物品仕分け領域で空になった空保持体の取り扱いがきわめて容易で、かつ、各物品仕分け領域への実保持体の補充も容易な物品仕分け設備の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、複数種の物品を保持自在な物品収集具を複数の物品仕分け領域を通過させて搬送する搬送ラインが設けられて、各物品仕分け領域にて異なる種類の物品を前記物品収集具に供給保持させることによって、複数種の物品を前記物品収集具に保持させる物品仕分け設備であって、前記複数の物品仕分け領域の夫々に対応させて、その物品仕分け領域で扱う物品を保持するための保持体を収納可能な複数の物品収納部を備えた物品収納棚、物品を保持した実容器を物品収納棚側から物品仕分け領域側に搬送する実保持体搬出ライン、及び、物品が取り出された空保持体を物品仕分け領域から物品収納棚側に搬送する空保持体返送ラインの夫々が設けられ、前記複数の物品仕分け領域の夫々に対応して設けられた複数の物品収納棚の夫々に対応させて、外部から物品供給箇所に供給される実保持体を前記物品収納棚側に搬送する実保持体搬入ライン、外部への空保持体返却箇所に空保持体を前記物品収納棚側から搬送する空保持体搬出ライン、及び、実保持体と空保持体を搬送する保持体搬送手段の夫々が設けられている。
【0009】
すなわち、複数の物品仕分け領域の夫々に対応させて、その物品仕分け領域で扱う物品を保持するための保持体を収納可能な複数の物品収納部を備えた物品収納棚、物品を保持した実保持体を物品収納棚側から物品仕分け領域側に搬送する実保持体搬出ライン、及び、物品が取り出された空保持体を物品仕分け領域から物品収納棚側に搬送する空保持体返送ラインの夫々が設けられているので、物品仕分け領域と物品収納棚とが夫々複数存在するものの、各物品仕分け領域と各物品収納棚とは、互いに対応するものどうしが対をなす状態となり、その対をなす物品仕分け領域と物品収納棚との間で、換言すると、互いに対をなす物品仕分け領域と物品収納棚とをひとつの処理領域として、その処理領域内において実保持体と空保持体とが取り扱われることになる。
【0010】
そして、その各処理領域の夫々に対応する状態で、外部から物品供給箇所に供給される実保持体を物品収納棚側に搬送する実保持体搬入ライン、外部への空保持体返却箇所に空保持体を物品収納棚側から搬送する空保持体搬出ライン、及び、実保持体と空保持体を搬送する保持体搬送手段の夫々が設けられているので、ある処理領域における実保持体搬入ラインから供給された実保持体は、空になった後、必ず同じ処理領域の空保持体搬出ラインから搬出されることになる。
【0011】
したがって、例えば、ひとつの処理領域において1種類の保持体しか取り扱わないようにするか、あるいは、ひとつの処理領域において2種類以上の保持体を取り扱うようにしても、上述した従来設備のように、全ての空保持体を混在状態で処理していたのに比べて、空保持体の取り扱いがきわめて容易となる。
また、実保持体搬入ラインから供給された実保持体は、各保持体搬送手段によって物品収納棚の収納部にまで搬送されて収納されるので、従来のような実保持体の補充作業が不要となり、さらに、各処理領域における実保持体搬入ラインの物品供給箇所と空保持体搬出ラインの空保持体返却箇所とを近接配置することができるので、例えば、ある物品供給箇所に物品を供給した搬入業者は、近接する空保持体返却箇所から比較的容易に自己の空保持体を選別して持ち帰ることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記複数の物品収納棚の夫々が、建屋の複数階にわたる状態で設けられ、前記仕分け領域が上方階に設けられるとともに、各物品収納棚に対応する前記物品供給箇所と空保持体返却箇所とが下方階に設けられている。
【0013】
すなわち、物品収納棚の夫々を建屋の複数階にわたる状態で設けることにより、小さな設置面積で多数の実保持体を収納することができ、しかも、物品供給箇所と空保持体返却箇所を下方階、例えば、トラックなどが入り易い1階や2階などに設けることによって、実保持体の供給作業と空保持体の回収作業とを楽に行うことができるとともに、仕分け領域を上方階に設けることによって、設置面積を有効に利用して設備全体を設置することが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、前記搬送ラインが、前記物品仕分け領域にて扱う物品よりも大型の物品を扱う大型物品仕分け領域を通過させて前記物品収集具を搬送するように構成され、前記大型物品仕分け領域に対応して、大型物品用保持体に保持させた大型物品が外部から供給される大型物品供給箇所に供給された前記大型物品を、前記大型物品仕分け領域に搬送する大型物品用保持体搬入ライン、及び、保持した大型物品が取り出された空の大型物品用保持体を大型物品仕分け領域側から、大型物品用保持体を外部への大型物品用保持体返却箇所に搬出する大型物品用保持体搬出ラインが設けられ、前記大型物品仕分け領域において、大型物品を前記物品収集具に供給保持させるように構成されている。
【0015】
すなわち、保持体に保持し得ないか、あるいは、保持体で保持するのに不適当な大型物品については、大型物品保持体搬入ラインに沿って大型物品仕分け領域に搬入し、かつ、その大型物品仕分け領域において、大型物品を物品収集具に供給保持させるように構成されているので、各物品収納棚に対応する物品仕分け領域においては、比較的小型の物品を仕分け、大型物品仕分け領域において、比較的大きな大型物品を仕分けることになり、実保持体に保持された物品とそれよりも大きな大型物品とを、異なる仕分け領域においてそれぞれ効率良く仕分けることができ、また、大型物品を取り出した後の空の大型物品用保持体は、大型物品保持体搬出ラインによって確実に外部の大型物品用保持体返却箇所に搬出される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、前記物品収集具が、物品を収納する収納部を上下複数段に備えていて、複数種の物品を上下に区分けして収納できるように構成されている。
【0017】
したがって、実保持体に保持された複数種の物品、あるいは、実保持体に保持された物品と上述した大型物品とを上下方向に区分けして整然と収納することができ、その後の組み立て作業などを確実、容易に行うことができる。
【0018】
特に、実保持体に保持された複数種の物品などを外枠などに取り付けるような場合には、その外枠の上方に取り付ける物品を上方に、下方に取り付ける物品を下方に区分けして収納することにより、組み立て作業の際、枠体などに対する各物品の取り付け位置を確定し易くて特に有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明による物品仕分け設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この物品仕分け設備は、図1から図5に示すように、左右並びに上下方向に複数の物品収納部1を備え、かつ、間口を互いに対向させた状態で配設された一対の物品収納棚2を有し、かつ、このような対をなす物品収納棚2が複数対設けられている。
各物品収納棚2は、建屋Bの複数階、例えば、1階F1の床部分から3階F3の天井部分にまでわたる高さを備え、かつ、対をなす物品収納棚2が、その間口を建屋Bの壁面に沿わせた状態で複数対並設されている。
【0020】
各対の物品収納棚2の間口側には、仕分け用の物品が収納された実保持体としての実容器A1と、仕分け後の空保持体としての空容器A2とを搬送する保持体搬送手段としての容器搬送装置3が設けられている。
この容器搬送装置3は、対をなす物品収納棚2の間口に沿って配設され、かつ、2本のポスト4に沿って上下方向に昇降自在に構成された細長い枠体5と、その枠体5に保持されて枠体5の長手方向に沿って往復移動する移動台6とで構成され、移動台6には、実容器A1や空容器A2を物品収納棚2の各物品収納部1と移動台6との間で、さらに、後述する各種のコンベヤと移動台6との間で移載する移載用フォーク7が設けられている。
【0021】
各対の物品収納棚2の1階F1部分、つまり、外部に連通する部分には、各物品収納棚2に対して、実容器A1を搬入する実保持体搬入ラインとしての実容器搬入コンベヤ8と、空容器A2を搬出する空保持体搬出ラインとしての空容器搬出コンベヤ9とが、互いに平行する状態で夫々複数本配設され、かつ、実容器搬入コンベヤ8の搬送始端側である物品供給箇所8aと、空容器搬出コンベヤ9の搬送終端側である空保持体返却箇所としての空容器返却箇所9aとが、互いに隣接する状態で配設されている。
この実容器搬入コンベヤ8と空容器搬出コンベヤ9とは、例えば、ローラコンベヤで構成され、かつ、搬送方向の前方に順次実容器A1や空容器A2を前送りして、常に搬送方向の終端側に実容器A1や空容器A2が位置する、いわゆる前詰め搬送式のコンベヤで構成されている。
【0022】
各対の物品収納棚2の3階F3部分には、各物品収納棚2に対応する状態で、物品を仕分けする物品仕分け領域10が設けられ、かつ、各物品収納棚2に収納されている実容器A1、つまり、対応する物品仕分け領域10で取り扱う物品を収納した実容器A1をその物品仕分け領域10に搬出する実保持体搬出ラインとしての実容器搬出コンベヤ11が、互いに平行する状態で複数本配設されるとともに、物品仕分け領域10で物品が取り出された後の空容器A2を、その物品仕分け領域10から対応する物品収納棚2側へ搬送する空保持体返送ラインとしての空容器返送コンベヤ12が、前記実容器搬出コンベヤ11の両側に位置する状態で平行に配設されている。
なお、この実容器搬出コンベヤ11と空容器返送コンベヤ12も、上述した前詰め搬送式のコンベヤで構成されている。
【0023】
建屋Bの3階F3の床面には、物品収納棚2の並設方向に沿う状態で、かつ、各物品収納棚2に対応する複数の物品仕分け領域10を通過する状態で、物品収集具としての配膳台車13を搬送する搬送ラインとしての搬送チェン14が埋設されている。
配膳台車13は、図6及び図7に示すように、実容器A1内に収納された比較的小さな種類の異なる複数の物品Cと、後述する大型物品Dとを上下方向に区分けして載置収納する上下複数段の棚15と、各棚15により形成される収納部を横方向に適宜区分けする複数枚の仕切り板16とが設けられ、複数種の物品C,Dを整然と収納できるように構成されている。
そして、配膳台車13の底部には、合計4個の遊転輪17が取り付けられ、その搬送方向の前方には、搬送チェン14に設けられた複数の係合具14aに係脱自在な被係合具18が取り付けられていて、被係合具18を搬送チェン14の係合具14aに係合させることにより、搬送チェン14の移動に伴って、配膳台車13の間口側を各物品仕分け領域10側に向けた状態で床面上を移動するように構成されている。
【0024】
建屋Bの3階F3には、容器内に収納し得ないような大型物品Dを大型物品用保持体としてのパレットP上に載置した状態で、外部に連通する1階F1に設けられた図外の大型物品供給箇所から大型物品仕分け領域21にまで搬送する大型物品用保持体搬入ライン20aと、大型物品仕分け領域21において、大型物品Dが取り出された後の空のパレットPを1階に設けられた図外の大型物品用保持体返却箇所にまで搬送する大型物品用保持体搬出ライン20bとが設けられている。
この大型物品用保持体搬入ライン20aと大型物品用保持体搬出ライン20bとは、3階F3に設けられたチェンコンベヤと、3階F3のチェンコンベヤと1階F1の大型物品供給箇所や大型物品用保持体返却箇所などとの間に介装された図外の昇降装置などで構成されていて、大型物品用保持体搬入ライン20aは、パレットP上に大型物品Dを載置した状態で、1階F1の大型物品供給箇所に供給される大型物品DをパレットPごと搬送し、大型物品用保持体搬出ライン20bは、空のパレットPを前記大型物品供給箇所に近接して設けられた大型物品用保持体返却箇所にまで搬送するように構成されている。
【0025】
前記配膳台車13を搬送する搬送チェン14は、複数の物品仕分け領域10を通過した後、配膳台車13をそのまま大型物品仕分け領域21にまで搬送するように構成され、かつ、3階の床面には、図示はしないが、大型物品Dよりも更に大きな外枠Eを載置した台車19を大型物品仕分け領域21にまで搬送する外枠搬送チェンが埋設されていて、この台車19にも、配膳台車13と同様に、合計4個の遊転輪22と前記外枠搬送チェンに設けられた係合具に係脱自在な被係合具23が取り付けられている。
そして、建屋Bの3階F3の床面には、さらに、外枠Eを載置する台車19と配膳台車13とを搬送する合流搬出チェン24が埋設され、図7に示すように、台車19と配膳台車13とを連結具25で互いに連結し、かつ、台車19の被係合具23を合流搬出チェン24の係合具24aに係合させることにより、合流搬出チェン24の移動に伴って、台車19と配膳台車13とを大型物品仕分け領域21から搬出させて、つぎの図外組み立て領域にまで搬送するように構成されている。
【0026】
以上の構成からなる物品仕分け設備の作動は、全てコンピュータ利用の図外制御装置によって制御され、かつ、その制御装置によって、各物品収納棚2に収納されている実容器A1の数や収納箇所などが全て管理されている。
つぎに、この制御装置による制御作動、つまり、物品仕分け設備における容器A1,A2の流れや、物品Cの仕分け作業における流れなどについて説明する。
【0027】
まず、各種の物品Cを収納した実容器A1を各物品収納棚2に収納するには、トラックTなどで搬送してきた実容器A1を、各物品収納棚2の実容器搬入コンベヤ8の物品供給箇所8aに供給する。すると、実容器搬入コンベヤ8が駆動され、物品供給箇所8aから供給される実容器A1が、順次前詰め状態で物品収納棚2側に搬送される。
前詰め状態に搬送された実容器A1は、容器搬送装置3によって、定められた物品収納部1に収納される。具体的には、容器搬送装置3を構成する枠体5の上下昇降、その枠体5に沿っての移動台6の往復移動、並びに、移載用フォーク7の出退作動によって、実容器A1は、順次、物品収納棚2の物品収納部1に収納される。
【0028】
実容器A1の供給が終了すると、その実容器A1を供給した実容器搬入コンベヤ8に隣接する空容器搬出コンベヤ9の空容器返却箇所9aにある空容器A2をトラックTに積み込んで持ち帰ることになる。
その場合、後に明らかになるように、ひとつの物品収納棚2に対応する実容器搬入コンベヤ8に供給された実容器A1は、空になった状態で同じ物品収納棚2に対応する空容器搬出コンベヤ9によって空容器返却箇所9aに返却される。
そして、各物品収納棚2は、夫々ひとつの物品搬入業者に対応するように予め決められているので、各物品搬入業者は、自己が搬入すべき実容器A1を確実に所定の物品収納棚2に搬入することができるとともに、自己の空容器A2を間違いなく持ち帰ることができる。
【0029】
このようにして、物品搬入業者毎に物品収納棚2に収納された実容器A1は、物品仕分け作業に先立って、各容器搬送装置3により、各物品収納棚2に対応する実容器搬出コンベヤ11にまで搬送移載され、実容器搬出コンベヤ11によって前詰め状態で搬送される。
そして、各物品収納棚2に対応して設けられた各物品仕分け領域10において、各仕分け作業員は、自己が担当する物品収納棚2に対応する実容器搬出コンベヤ11上の実容器A1から所定の物品Cを所定の数だけ取り出して、搬送チェン14により搬送されてくる配膳台車13に順次載置して仕分け作業を行い、空になった空容器A2は、空容器返送コンベヤ12に返却する。
【0030】
この空容器返送コンベヤ12に返却された空容器A2は、各容器搬送装置3によって、各物品収納棚2に対応する空容器搬出コンベヤ9にまで搬送移載されて、空容器搬出コンベヤ9により前詰め状態で搬送される。
なお、ひとつの物品収納棚2に対応する物品仕分け領域10で取り扱う物品Cは、1種類だけの場合も、また、複数種類に及ぶ場合もあり、取り扱う容器A1,A2の大きさや形状についても、全て同じ場合も、異なる場合もある。
しかし、ひとつの物品収納棚2にはひとつの物品搬入業者が対応付けられているので、各物品搬入業者は、自己の空容器A2を確実に持ち帰ることができる。
【0031】
そして、全ての物品仕分け領域10を通過した配膳台車13は、大型物品仕分け領域21に至り、この大型物品仕分け領域21において、配膳台車13に大型物品Dが仕分けられて収納される。
つまり、大型物品Dの仕分けを担当する作業員は、大型物品用保持体搬入ライン20aに沿って搬送されてきたパレットP上の大型物品Dを所定の数だけ取り出して、配膳台車13に順次載置して仕分け作業を行い、空になったパレットPは、大型物品用保持体搬出ライン20bに返却する。
なお、この大型物品仕分け領域21において取り扱う大型物品Dについても、1種類だけの場合も、また、複数種類に及ぶ場合もある。
【0032】
このようにして、全ての物品Cと大型物品Dとが収納された配膳台車13は、図7に示すように、外枠Eを載置する台車19と合流されて、両者が互いに連結され、対をなす状態で図外の組み立て領域にまで搬送される。
その際、各物品Cと大型物品Dとは、上下に区分けされた状態で予め決められた収納部に収納されていて、台車19上の外枠Eの上方に取り付ける物品C,Dは上方の棚15上に、下方に取り付ける物品C,Dは下方の棚15上に、さらに、各棚15においても、左側に取り付ける物品C,Dは左側に、右側に取り付ける物品C,Dは右側に載置収納されているので、外枠Eに対する各物品C,Dの組み付け作業を間違いなく容易に行うことができる。
【0033】
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、配膳台車13を搬送する搬送ライン14、台車19を搬送する搬送ライン、及び、合流搬出ライン24の全てを床面に埋設したチェンで構成した例を示したが、これらの搬送ライン14,24については、チェンコンベヤやローラコンベヤなどの各種のコンベヤで構成することも、さらに、自走式の台車によって構成することもできる。
同様に、大型物品Dと空のパレットPを搬送するライン20a,20bの一部をチェンコンベヤで構成した例を示したが、チェンコンベヤに代えてローラコンベヤで構成したり、チェン駆動式の台車や自走式の台車によって構成することもできる。
また、実容器搬入コンベヤ8、空容器搬出コンベヤ9、実容器搬出コンベヤ11、及び、空容器返送コンベヤ12の全てをローラコンベヤで構成した例を示したが、これらコンベヤ8,9,11,12についても、ローラコンベヤ以外の各種コンベヤを用いることができ、また、搬送方向側に傾斜した搬送用滑り面を配置して、実容器A1や空容器A2の自重によって滑らせながら前詰め式に搬送することもできる。
【0034】
(2)先の実施形態では、実保持体としての実容器A1を物品仕分け領域10に搬送する実保持体搬出ラインを構成するものとして実容器搬出コンベヤ11を示し、また、空容器A2を物品収納棚2側に搬送する空保持体返送ラインを構成するものとして空容器返送コンベヤ12を示したが、このような実容器搬出コンベヤ11や空容器返送コンベヤ12をなくして実施することもできる。
つまり、各物品仕分け領域10が物品収納棚2に比較的近接している場合には、作業員が、物品収納棚2の物品収納部1に収納されている実容器A1から物品Cを直接取り出して仕分けることができ、また、空になった空容器A2を物品収納部1に直接返送することもできる。その場合、物品仕分け領域10に対応して複数の物品収納部1が左右並びに上下方向に位置する場合には、左右方向における一部の物品収納部1に収納された実容器A1から物品Cを取り出し、他の物品収納部1に空容器A2を返送することもできるし、また、上下方向における上下いずれか一方の物品収納部1に収納された実容器A1から物品Cを取り出し、他方の物品収納部1に空容器A2を返却することもできる。
このように、実容器搬出コンベヤ11や空容器返送コンベヤ12については、必ずしも必要なものではないので、上述したような実施の態様も含めて、本明細書では、実保持体搬出ライン及び空保持体返送ラインと総称する。
【0035】
(3)先の実施形態では、一対の物品収納棚2を互いに対向配置した例を示したが、物品収納棚2の配置や具体的な構成については、種々の改変が可能であり、同様に、各物品収納棚2に設ける容器搬送装置3についても、種々の改変が可能で、例えば、スタッカークレーンを用いて構成することもできる。
また、各物品収納棚2に対して容器搬送装置3をひとつだけ設けて、そのひとつの容器搬送装置3によって、実容器A1と空容器A2とを搬送するように構成した例を示したが、例えば、各物品収納棚2に対して、実容器A1のみを搬送する実容器専用の搬送装置と、空容器A2のみを搬送する空容器専用の搬送装置とを各別に設けることもできる。
【0036】
(4)先の実施形態では、建屋Bの1階部分に外部に連通する実容器搬入コンベヤ8の物品供給箇所8aと空容器搬出コンベヤ9の空容器返却箇所9aとを位置させ、かつ、建屋Bの3階F3に物品仕分け領域10を位置させた構成を示したが、物品供給箇所8a及び空容器返却箇所9aを位置させる階と、物品仕分け領域10を位置させる階については特に制限はなく、両者を同じ階に位置させることも、先の実施形態とは逆に、物品供給箇所8a及び空容器返却箇所9aを物品仕分け領域10の階よりも上階に位置させることもでき、要するに、建屋Bの構造や建屋Bの立地条件などに応じて適宜変更可能である。
【0037】
(5)先の実施形態では、配膳台車13に上下複数段の棚15と仕切り板16とを設けて、物品C,Dの収納部を複数に区分けした例を示したが、収納する物品C,Dの種類や数が少ない場合には、必ずしも収納部を複数に区分けする必要はない。
【0038】
(6)先の実施形態では、ひとつの物品収納棚2に対してひとつの物品搬入業者を対応させた例を示したが、ひとつの物品収納棚2に対して2つ以上の物品搬入業者を対応させることも可能である。
つまり、ひとつの物品収納棚2に対してひとつの物品搬入業者を対応させるのが最良ではあるが、取り扱う容器A1,A2の形状や大きさが明らかに異なるとか、あるいは、容器A1,A2の形状や大きさが同じであっても、搬入業者の特定が目視可能な場合などには、ひとつの物品収納棚2に対して2つ以上の物品搬入業者を対応させて実施することもできる。
【0039】
(7)これまでの実施形態では、物品Cを保持する保持体の一例として容器A1,A2を示し、大型物品Dを保持する大型物品用保持体の一例としてパレットPを示したが、これら保持体については、容器やパレットなどに限るものではなく、物品Cや大型物品Dなどを保持するに適した保持部を備えていればよく、そのような各種の保持体を含めて、本明細書では、保持体及び大型物品用保持体と総称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】物品仕分け設備の要部斜視図
【図2】物品仕分け設備の1階の全体平面図
【図3】物品仕分け設備の1階の要部平面図
【図4】物品仕分け設備の3階の全体平面図
【図5】物品仕分け設備の3階の要部平面図
【図6】配膳台車の斜視図
【図7】台車と配膳台車の側面図
【符号の説明】
1 物品収納部
2 物品収納棚
3 保持体搬送手段
8 実保持体搬入ライン
8a 物品供給箇所
9 空保持体搬出ライン
9a 空保持体返却箇所
10 物品仕分け領域
11 実保持体搬出ライン
12 空保持体返送ライン
13 物品収集具
14 搬送ライン
20a 大型物品用保持体搬入ライン
20b 大型物品用保持体搬出ライン
21 大型物品仕分け領域
A1 実保持体
A2 空保持体
B 建屋
C 物品
D 大型物品
Claims (4)
- 複数種の物品を保持自在な物品収集具を複数の物品仕分け領域を通過させて搬送する搬送ラインが設けられて、各物品仕分け領域にて異なる種類の物品を前記物品収集具に供給保持させることによって、複数種の物品を前記物品収集具に保持させる物品仕分け設備であって、
前記複数の物品仕分け領域の夫々に対応させて、その物品仕分け領域で扱う物品を保持するための保持体を収納可能な複数の物品収納部を備えた物品収納棚、物品を保持した実保持体を物品収納棚側から物品仕分け領域側に搬送する実保持体搬出ライン、及び、物品が取り出された空保持体を物品仕分け領域から物品収納棚側に搬送する空保持体返送ラインの夫々が設けられ、
前記複数の物品仕分け領域の夫々に対応して設けられた複数の物品収納棚の夫々に対応させて、外部から物品供給箇所に供給される実保持体を前記物品収納棚側に搬送する実保持体搬入ライン、外部への空保持体返却箇所に空保持体を前記物品収納棚側から搬送する空保持体搬出ライン、及び、実保持体と空保持体を搬送する保持体搬送手段の夫々が設けられている物品仕分け設備。 - 前記複数の物品収納棚の夫々が、建屋の複数階にわたる状態で設けられ、前記仕分け領域が上方階に設けられるとともに、各物品収納棚に対応する前記物品供給箇所と空保持体返却箇所とが下方階に設けられている請求項1に記載の物品仕分け設備。
- 前記搬送ラインが、前記物品仕分け領域にて扱う物品よりも大型の物品を扱う大型物品仕分け領域を通過させて前記物品収集具を搬送するように構成され、
前記大型物品仕分け領域に対応して、大型物品用保持体に保持させた大型物品が外部から供給される大型物品供給箇所に供給された前記大型物品を、前記大型物品仕分け領域に搬送する大型物品用保持体搬入ライン、及び、保持した大型物品が取り出された空の大型物品用保持体を大型物品仕分け領域側から、大型物品用保持体を外部への大型物品用保持体返却箇所に搬出する大型物品用保持体搬出ラインが設けられ、
前記大型物品仕分け領域において、大型物品を前記物品収集具に供給保持させるように構成されている請求項1または2に記載の物品仕分け設備。 - 前記物品収集具が、物品を収納する収納部を上下複数段に備えていて、複数種の物品を上下に区分けして収納できるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品仕分け設備。
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