JP3684722B2 - モールドモータの固定子 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種家電製品の駆動用や送風ファン用などに使用される一体成形により合成樹脂外装被覆を形成したモールドモータの固定子に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、家電製品に使用されるモータはコアの電磁振動による騒音の低減やコイルおよびコアの湿気に対する保護などを目的としてモールドモータが多く使用されるようになってきている。
【０００３】
以下に従来のモールドモータについて、その構成を図３および図４を参照しながら説明する。
【０００４】
図３に示すように、モールドモータの固定子はヨークコア１，ステータコア２，コイル３，巻枠４からなる固定子半完成品と、前記固定子半完成品を包み込むように一体成形された合成樹脂外装被覆５からなっている。
【０００５】
ヨークコア１は放射状に配置された複数個の脚部を備え、各々の脚部には両端に鍔部を有しコイル３が巻回された巻枠４が挿入されている。さらにヨークコア１には隣り合う脚部の先端を磁気的に短絡するように環状のステータコア２が圧入固定される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、合成樹脂外装被覆５を一体成形する際に巻枠４のコイル渡り保持部の壁４ａ，４ｂ間に隙間があり、ここに合成樹脂外装被覆５が充填されるので巻枠４の鍔部には大きな圧力が加わり、巻枠４および保持部の壁４ａ，４ｂが変形し、その結果としてコイル３が合成樹脂外装被覆５の表面に露出する、コイル３が断線するなどの多くの問題点を有していた。特に合成樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合には一体成形時の樹脂温度が高いため巻枠４が軟らかくなり、上記の問題点が顕著に現れる。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、巻枠のコイル渡り線保持部にコの字形状の突起を設けたものであり、高品質で生産性に優れたモールドモータの固定子を提供することを目的としている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために本発明は、等間隔に放射状に脚部を有するヨークコアおよび前記ヨークコアに嵌合されたステータコアから構成されたコアと、コイルを巻装し前記脚部に装着された巻枠を有し、絶縁樹脂の一体成形により、外周を被覆成形されたモールドモータの固定子において、前記巻枠はコイル渡り線保持部にコの字形の突起を設けたことを特徴としたもので、コイル渡り線保持部にコの字形状の壁を設けることにより、合成樹脂外装被覆を一体成形する際に巻枠およびコイルに加わる圧力を低減し、巻枠の変形を問題のないレベルまで小さくできるのでコイルの合成樹脂外装被覆表面への露出や断線などを防止でき、かつ成形サイクロタイムを短縮することができる等の作用を有する。
【０００９】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００１０】
図１，図２に示すように、モールドモータの固定子はヨークコア１，ステータコア２，コイル３，巻枠４からなる固定子半完成品と、前記固定子半完成品を包み込むように一体成形された合成樹脂外装被覆５からなっている。ヨークコア１は放射状に配置された複数個の脚部１ａを備え、各々の脚部には両端に鍔部を有し、コイル３が巻回された巻枠４が挿入されている。さらにヨークコア１には隣り合う脚部の先端を磁気的に短絡するように環状のステータコア２が圧入固定されており、巻枠４のコイル渡り線保持部にコの字形状の壁４ｃが設けられている。
【００１１】
このように本発明の実施例のモールドモータによれば、コイルの渡り線３ａが巻枠のコイル渡り線保持部のコの字形状の壁４ｃで保持されているため、合成樹脂外装被覆５を一体成形する際の巻枠の壁４ｃおよびコイルの渡り線３ａへ加わる圧力を大幅に低減することができ、コイル３の合成樹脂外装被覆５の表面への露出や、断線などを防止することができる。
【００１２】
さらに一体成形時に巻枠が変形し難くなったことにより、成形条件の自由度が大きくなり成形サイクルタイムを短く設定できるので生産性の向上を実現できる。
【００１３】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、コイル渡り線保持部にコの字形状の壁を設けることにより、合成樹脂外装被覆を一体成形する際に巻枠およびコイルに加わる圧力を低減し、巻枠の変形を問題のないレベルまで小さくできるのでコイルの合成樹脂外装被覆表面への露出や断線などを防止でき、かつ成形サイクロタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）本発明の実施例によるモールドモータの固定子の横断面図
（ｂ）同固定子の縦断面図
【図２】（ａ）本発明の実施例によるモールド前の固定子の断面図
（ｂ）ａのＡ矢視図
【図３】（ａ）従来のモールドモータの固定子の横断面図
（ｂ）同固定子の縦断面図
【図４】従来のモールド成形前の固定子の断面図
【符号の説明】
１ ヨークコア
１ａ 脚部
２ ステータコア
３ コイル
３ａ 渡り線（コイル）
４ 巻枠
４ａ，４ｂ，４ｃ 渡り線保持部の壁
５ 合成樹脂外装被覆
【発明の属する技術分野】
本発明は各種家電製品の駆動用や送風ファン用などに使用される一体成形により合成樹脂外装被覆を形成したモールドモータの固定子に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、家電製品に使用されるモータはコアの電磁振動による騒音の低減やコイルおよびコアの湿気に対する保護などを目的としてモールドモータが多く使用されるようになってきている。
【０００３】
以下に従来のモールドモータについて、その構成を図３および図４を参照しながら説明する。
【０００４】
図３に示すように、モールドモータの固定子はヨークコア１，ステータコア２，コイル３，巻枠４からなる固定子半完成品と、前記固定子半完成品を包み込むように一体成形された合成樹脂外装被覆５からなっている。
【０００５】
ヨークコア１は放射状に配置された複数個の脚部を備え、各々の脚部には両端に鍔部を有しコイル３が巻回された巻枠４が挿入されている。さらにヨークコア１には隣り合う脚部の先端を磁気的に短絡するように環状のステータコア２が圧入固定される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、合成樹脂外装被覆５を一体成形する際に巻枠４のコイル渡り保持部の壁４ａ，４ｂ間に隙間があり、ここに合成樹脂外装被覆５が充填されるので巻枠４の鍔部には大きな圧力が加わり、巻枠４および保持部の壁４ａ，４ｂが変形し、その結果としてコイル３が合成樹脂外装被覆５の表面に露出する、コイル３が断線するなどの多くの問題点を有していた。特に合成樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合には一体成形時の樹脂温度が高いため巻枠４が軟らかくなり、上記の問題点が顕著に現れる。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、巻枠のコイル渡り線保持部にコの字形状の突起を設けたものであり、高品質で生産性に優れたモールドモータの固定子を提供することを目的としている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために本発明は、等間隔に放射状に脚部を有するヨークコアおよび前記ヨークコアに嵌合されたステータコアから構成されたコアと、コイルを巻装し前記脚部に装着された巻枠を有し、絶縁樹脂の一体成形により、外周を被覆成形されたモールドモータの固定子において、前記巻枠はコイル渡り線保持部にコの字形の突起を設けたことを特徴としたもので、コイル渡り線保持部にコの字形状の壁を設けることにより、合成樹脂外装被覆を一体成形する際に巻枠およびコイルに加わる圧力を低減し、巻枠の変形を問題のないレベルまで小さくできるのでコイルの合成樹脂外装被覆表面への露出や断線などを防止でき、かつ成形サイクロタイムを短縮することができる等の作用を有する。
【０００９】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００１０】
図１，図２に示すように、モールドモータの固定子はヨークコア１，ステータコア２，コイル３，巻枠４からなる固定子半完成品と、前記固定子半完成品を包み込むように一体成形された合成樹脂外装被覆５からなっている。ヨークコア１は放射状に配置された複数個の脚部１ａを備え、各々の脚部には両端に鍔部を有し、コイル３が巻回された巻枠４が挿入されている。さらにヨークコア１には隣り合う脚部の先端を磁気的に短絡するように環状のステータコア２が圧入固定されており、巻枠４のコイル渡り線保持部にコの字形状の壁４ｃが設けられている。
【００１１】
このように本発明の実施例のモールドモータによれば、コイルの渡り線３ａが巻枠のコイル渡り線保持部のコの字形状の壁４ｃで保持されているため、合成樹脂外装被覆５を一体成形する際の巻枠の壁４ｃおよびコイルの渡り線３ａへ加わる圧力を大幅に低減することができ、コイル３の合成樹脂外装被覆５の表面への露出や、断線などを防止することができる。
【００１２】
さらに一体成形時に巻枠が変形し難くなったことにより、成形条件の自由度が大きくなり成形サイクルタイムを短く設定できるので生産性の向上を実現できる。
【００１３】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、コイル渡り線保持部にコの字形状の壁を設けることにより、合成樹脂外装被覆を一体成形する際に巻枠およびコイルに加わる圧力を低減し、巻枠の変形を問題のないレベルまで小さくできるのでコイルの合成樹脂外装被覆表面への露出や断線などを防止でき、かつ成形サイクロタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）本発明の実施例によるモールドモータの固定子の横断面図
（ｂ）同固定子の縦断面図
【図２】（ａ）本発明の実施例によるモールド前の固定子の断面図
（ｂ）ａのＡ矢視図
【図３】（ａ）従来のモールドモータの固定子の横断面図
（ｂ）同固定子の縦断面図
【図４】従来のモールド成形前の固定子の断面図
【符号の説明】
１ ヨークコア
１ａ 脚部
２ ステータコア
３ コイル
３ａ 渡り線（コイル）
４ 巻枠
４ａ，４ｂ，４ｃ 渡り線保持部の壁
５ 合成樹脂外装被覆
Claims (1)
- 等間隔に放射状に脚部を有するヨークコアおよび前記ヨークコアに嵌合されたステータコアから構成されたコアと、コイルを巻装し前記脚部に装着された巻枠を有し、絶縁樹脂の一体成形により外周を被覆成形されたモールドモータの固定子において、前記巻枠はコイル渡り線保持部にコの字形の突起を設けたことを特徴とするモールドモータの固定子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32258696A JP3684722B2 (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | モールドモータの固定子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32258696A JP3684722B2 (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | モールドモータの固定子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10174335A JPH10174335A (ja) | 1998-06-26 |
| JP3684722B2 true JP3684722B2 (ja) | 2005-08-17 |
Family
ID=18145356
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32258696A Expired - Fee Related JP3684722B2 (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | モールドモータの固定子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3684722B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4687491B2 (ja) * | 2006-02-10 | 2011-05-25 | 株式会社デンソー | モータおよびそれを用いた燃料ポンプ |
| US9467011B2 (en) | 2012-10-19 | 2016-10-11 | Mitsubishi Electric Corporation | Mold stator, electric motor, and air-conditioner outdoor unit |
| US11637461B2 (en) | 2016-07-14 | 2023-04-25 | Mitsubishi Electric Corporation | Stator, motor, fan, vacuum cleaner, and winding method |
-
1996
- 1996-12-03 JP JP32258696A patent/JP3684722B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10174335A (ja) | 1998-06-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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