JP3684403B2 - 二輪車用照明システムおよびダイナモ発電機 - Google Patents

二輪車用照明システムおよびダイナモ発電機 Download PDF

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Description

本発明は、ダイナモ発電機を含み、走行する二輪車によって駆動可能であり、二輪車に取付けられているダイナモシステムと、少なくとも1個の前灯と、前灯と共にダイナモシステムから給電される少なくとも1個の尾灯と、ダイナモ発電機が発生させる電力を発光及び充電式バッテリの充電のための定DC電圧に変換するコンバータ装置から成る二輪車用照明システムに係わる。本発明は、種々の目的に使用される、特に二輪車用ダイナモシステムとして使用される発電機に係わる。
従来市販されている二輪車用照明システムは、電力及び電圧に関する法定の標準規格に従わねばならない。これらの標準規格は、15km/h以上の速度においてランプに供給されるダイナモの出力電圧を最大限7Vと規定している。法的規制によれば、ダイナモ出力電圧の最低値は(図5aに示すように)、5km/hにおける3Vから15km/h以上における5.8Vまでである。このような法的規制に基づき、現在市販されているシステムでは、5乃至6km/hの走行速度では、1.4Wの出力しか得られない。現在市販されているダイナモのこの出力を上げようとすれば、15km/h以上の速度において最大電圧7Vという法的規制を遵守することは物理的に不可能である。法定の最大値を超えないためには負荷手段に頼るしかない。しかし、その結果として、ワット損が著しく増大し、能率が著しく低下する。
従って、公知の二輪車用照明システムは、比較的低速度で、走行中には、充電式バッテリを充電するためにも負荷を追加することは許されない。従来のダイナモが充電式バッテリの充電に利用できる充分な電力を発生させるには、走行速度が約15km/h以上でなければならない。即ち、公知システムの効率は、15km/hという上記走行速度以下では極めて低いからである(サイドダイナモなら約17%乃至24%、ローラダイナモならせいぜい30%乃至35%、ハブダイナモなら約40%)。走行速度が15km/hを超えると、充電式バッテリを充電する間の電力消費のため、効率が一段と低下する。その結果、二輪車のライダーは、ダイナモを作動させるため、余分の肉体的エネルギーを費やさねばならなくなる。
当業者はこの事実に鑑み、従来のダイナモ及び二輪車用照明システムでは、最新のノーハウに対応できないことを認識している。
そこで、本発明の目的は、発電機との組合わせにおいて、最新の技術及び必要条件に適応でき、而も経済的にも好ましい解決ともなる二輪車用照明システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、構成、電力効率及び製造コストの点で、本発明の二輪車用照明システムの諸条件を満たすダイナモシステムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、満足すべき二輪車用照明システムを実現するのにかなり効率の高いダイナモ発電機が不可欠であるとの結論に立脚した。
本発明の二輪車用照明システムは、約5乃至7km/hの最低走行速度からバッテリを充電すると同時に、前灯及び尾灯を点灯させるのに充分な電力を発生させるように、ダイナモシステムを構成したことと、コンバータ装置がアップコンバータ及びダウンコンバータの機能を有し、最低走行速度に達しないうちは、バッテリからも給電されることを特徴とする。
好ましい実施例においては、コンバータ装置がエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置及び整流ダイナモ出力電圧を検出する限界値装置から成り、ダイナモ発電機の規定最低電圧を超えたことを限界値装置が検出すると、バッテリから供給される電圧がダイナモ発電機の整流出力電圧とは別に、電子スイッチング手段を介してエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置に供給されることと、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置の出力電圧が、バッテリの作用下では第1定出力電圧範囲Ua1内であり、ダイナモの作用下では第2定出力電圧範囲Ua2内であり、第1定出力電圧範囲と第2定出力電圧範囲との間の出力充電電圧を超えると、バッテリ充電装置が作動する。
コンバータ装置の第1定出力電圧範囲Ua1は、好ましくは4.5V乃至6Vである。この動作モード中、コンバータ入力電圧範囲は、最小限値電圧0.8V乃至最大限スイッチオーバー電圧4.8Vである。コンバータ装置の第2定出力電圧範囲Ua2は、6.2V乃至7Vであることが好ましいが、6.4V以上であることが有利である。この動作モード中では、初期速度範囲において、コンバータの入力電圧範囲は、約5Vから最大限80V(約80km/hにおいて)である(図5a及び5c参照)。本発明では、コンバータ装置をこのように設定したから、理論上、どの走行速度においても、法規制または標準規格に合格する。高効率ダイナモ発電機をコンバータ装置及び充電式バッテリと組合わせることによって、バッテリ充電、非走行中点灯及び走行中点灯複合システムが可能になる。コンバータ装置は、バッテリによって作動させられるだけでなく、ダイナモ発電機によって直接作動させられる。
エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置は、コンバータ装置の出力を、好ましくは常時4W乃至6Wに制限し、更に好ましくは、4.5W乃至5Wに制限する。従って、バッテリ、ダイナモ発電機及びダイナモシステムの短絡を確実に防止することができる。
他の好ましい構成では、コンバータ装置が更にエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置に供給されて整流され、且つ平滑化されたダイナモ出力電圧を形成するための整流回路と、走行速度に比例するダイナモの第1整流出力電圧を第1成分電圧に変換し、この成分電圧を第1限界値スイッチに供給する第1分圧回路網と、走行速度に比例するダイナモ発電機の整流出力電圧を第2成分電圧に変換し、これを第2限界値スイッチに供給する第2分圧回路網をも含み、ダイナモ発電機から供給される整流電圧が、第1限界値スイッチによって検出される第1限界電圧を超えると、第1限界値スイッチが電子スイッチング手段を介して、バッテリ電圧をエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置に供給し、第2限界電圧に達していないか、またはこれを超えたことを第2限界値スイッチが検出すると、第2限界値スイッチが、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置に対し、その出力電圧を第1定出力電圧から第2定出力電圧に、またはその逆の方向に夫々切換えるための信号を供給し、更に、第1限界スイッチ及び電子スイッチング手段と接続し、ダイナモ発電機からの整流出力電圧が、第1限界電圧以下なら所定時間(例えば4分間)経過後に電子スイッチング手段を開放するこにより、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置の入力からバッテリの電圧を遮断する遅延回路と、出力側において、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置と接続し、バッテリが作用中も作動して、バッテリを充電するバッテリ充電コンバータをも含む。
第1限界値スイッチは、電子スイッチング手段を介して約0.8Vの限界電圧Vxにおいて、バッテリ電圧をスイッチオンする。
バッテリ充電コンバータは、バッテリの充電状態に応じて電力変換を高め、6.1Vから最大7Vまで比例的に増大する出力電圧Uaで作用する。
ダイナモシステムに要求される特性を確保すめため、効率が高く、内部抵抗が極めて低く、約5乃至7km/hの速度において既に低出力電圧で、少なくとも4.5Wの出力を発生させるダイナモ発電機と、ダイナモ発電機のこの出力を6.2V乃至7Vの出力電圧に変換するコンバータ装置を設ける。ダイナモ発電機は、内側回路及び外側回路をも有し、(図1a及び1o参照)両回路とも固設空心コイルを中心に同一方向に同期回転し、何れも同一磁極ピッチでn個の磁極を有する。
内側回路と外側回路が固設空心コイルを中心に同一方向に同期回転するから、次第に磁力が大きくなるように設定したマグネット及び極めて低い、好ましくは1.5オーム以下のコイル内部抵抗と相俟って、比較的小さい鉄/マグネット容積及び低ヒステリシス損で、高い磁界強さが達成される。有効な磁気回路は、2つの部分回路MK1及びMK2から成る(図1a)。
内側回路は、n個(好ましくは例えば6個)の内側磁極片を含み、各内側磁極片において、2つの磁極を同極関係に並設するのが好ましい。このようにすれば(図1aにb1で示すように)、2つの磁性面が磁極片面から突出することになる。2つの磁性面は、好ましくは磁極片面よりも遥かに大きく設定するから、その分だけ磁極片面への磁束密度が増大する。
この構成は、内側回路の磁極片(図1bにおけるeからdまで)が比較的質量が小さく、軽量化に寄与する点でも有益である。磁束は、外側回路上で対向位置の外側磁極片(図1bにおけるgからmまで)に向かって2つの部分に配分される。
外側回路もn個(好ましくは6個)の内側磁極片と対抗する外側磁極片を含み、内側磁極片に向かって突出し、これらの外側磁極片は、内側磁極片とこれと対応する外側磁極片との間の各エアギャップが、磁束(MK1,MK2)の最短路となるように構成されている。このように構成すれば、磁束漏れを軽減することができるから有益である。
単極マグネットの相互干渉を軽減するため、各内側磁極片の中央部に、半径方向エアギャップを形成するスロットを設け、これによって、2つの全く同じ部分に分割する。このようにすれば、磁極片の容積が更に小さくなり、マグネットの高さが増す結果となり、このことは、磁極ごとにマグネットの長さが両半分に分けられ、同時にマグネット容積が最小となり、マグネット面積が2倍になることを意味する。
内側磁極片間のエアギャップは、2つの単極マグネット面の相互干渉を軽減する。即ち、各磁極ごとに磁束の半分ずつが磁極片上を外側回路に向かって流れるからである。各磁極片における2つの磁束は、最短磁気回路パスを辿るから最適磁束が得られる。磁束密度の極めて高い超小型の発電機を製造することができ、この発電機は同時に軽量でもあり、マグネット容積が小さく、構造的に極めて効率的である。本発明の二輪車用照明システムのダイナモ発電機によって達成される効率は、少なくとも約90%である。
例えば、光出力3W、バッテリ充電エネルギー1Wに設定された本発明の二輪車用照明システム全体の実効率は、3Wに対して放電状態バッテリの場合には、約60%、充電状態バッテリの場合には80%である。
更に、空心コイルのインダクタンスが極めて低い(150μH以下、好ましくは100μH以下)ことも有利な点である。即ち、逆インダクタンスが殆んど発生せず、従って、磁極感度の問題は殆んど、または全く無く、同時に誘導損は極めて低い。
好ましくは、空心コイルを各磁極界ごとに、2つの全く同じコイルセクションに区分し、これらのセクションを正しい磁極関係で直列に接続する(図2aにおける23.1乃至23.6)。
本発明は、特に二輪車用照明システムに係わるが、当業者には明らかなように、本発明のダイナモ発電機の特性は、他の発電目的にも利用できる。
本発明のマグネット構成及び磁気回路構造の特性は電動機にも活用できる。
本発明の上記以外の特徴及び利点を、好ましい実施例として添付図面に示したダイナモ発電機を含む二輪車用照明システムに基づいて以下に説明する。
図1a及び1bは、本発明に利用されるダイナモ発電機の好ましい実施例を示す断面図。
図2a及び2bは、内側磁気回路構造及び固設空心コイル構造の斜視断面図と前記コイル構造の展開図。
図3は、本発明の二輪車用照明システムの好ましい実施例の、コンバータ装置(5)のブロックダイヤグラムであり、2は前灯、3は尾灯を表す。S2はセンサー、D3、D4はダイオードを示す。
図4a〜4eは、本発明の作用を説明するための電圧/速度−時間グラフ及び電圧−時間グラフ。
図5a,5b及び5cは、本発明の作用を説明するための電圧−速度グラフ。図5aは、放電ずみまたは欠陥バッテリの場合、図5cは正常バッテリの場合を示す。
図6は、特注の集積ソリッドステートスイッチング回路(ASIC)を利用した本発明の二輪車用照明システム回路構成の完成実施例を示すブロックダイヤグラムを示し、2は前灯、3は尾灯を表す。C5はコンバータ装置を示す。
図7は、サイドダイナモシステムとして構成されたダイナモシステム第1実施例の縦断面図。32は、センサであり、非作用状態にあるダイナモシステム(1、5)が作動準備状態にないことを感知して、コンバータ装置(5)に非走行中の灯を直ちに消灯する信号をコンバータ装置に供給する。
図8は、ローラダイナモシステムとして構成されたダイナモシステム第2実施例の縦断面図。1’はダイナモ発電機を示す。
本発明に利用される図1a及び1bに示すダイナモ発電機の好ましい実施例は、内側から外側に向かって同心関係に配置された回転自在な内側回路21、固設空心コイル23(23.1乃至23.6)及び内側回路21と、同期回転する外側回路22を含む。図1bに示す好ましい実施例では、内側回路21及び外側回路22が、全く同じ磁極ピッチで互いに対向位置を占める6個の磁極(a−f)を有する。従って、磁極ピッチ角度は60°である。内側回路21の6個の磁極は、6個の磁極片a−fの形で構成され、外側回路の磁極は、内側回路の磁極片a−fと対向する位置を占め、且つ磁極片a−fに向かって突出する6個の磁極片g−mの形で構成されているから、可能な最小のエアギャップ30が形成される。内側回路の磁極片a−fは軟鉄製であるが、内側回路の支持体(41)は非鉄材料で形成されている。外側回路は、全体が軟鉄製である(磁極数を6個としたが、これは飽くまでも好ましい実施例における個数である。)。
内側回路21の磁極片a−fの間に、6個の永久マグネット24〜29を介在させ、各磁極片の両側と同極関係に当接させる。その結果、マグネット24及び29の場合、参照符号a1及びa2(マグネット幅)で示す2つのマグネット面が、磁極片面b1(磁極片f)上に投影する。図1の紙面に対して垂直な永久マグネット24〜29のマグネット長M1(図2a)及び全体構造は、各一対のマグネット面a1+a2の合計が、対応する磁極片面b1よりも遥かに広くなるように設定する。このように構成すれば、磁極片面b1への磁束密度も増大する。内側回路の6個の磁極片a−fの質量が比較的小さく、従って軽量化が可能になるという点でもこの構成は有益である。
しかも、ダイナモ発電機の回転部分全体の慣性モーメントは、主として回転外側回路の故に比較的高いから、車輪スリップ性向が著しく改善される。
磁束は、外側回路22の突出磁極片g−mを横切って2つの部分(MK1及びMK2;図1b)に分割される。外側回路の磁極片g−mは、コイルの周面形状に合わせて突出しているから、一対の磁極片f及びm間を例にとって図示するように、磁束の最短路としてのエアギャップ30が形成される。従って、磁束漏れが軽減される。
内側回路21の各磁極片a−fの両側に当接する同極マグネットの相互作用を軽減するため、各磁極片a−fの中央に半径方向に位置させたエアギャップ51〜56によって、スリットを形成する。この構成の利点は、磁極片の容積を小さく、マグネットの高さを大きくできることにある。即ち、夫々の磁極ごとに、2つのマグネット面が得られ、最小限のマグネット容積と、2倍のマグネット面を両立させることができる。
磁極片a−fの半径方向エアギャップ51〜56は、2つの同極マグネット面が相互作用するのを防止する。何故なら、外側回路における各磁極片で、磁束が半分ずつ分かれて流れるからである。各磁極片における磁束の両半分は、最短磁束路を辿る(MK1及びMK2)。その結果、最適磁束が得られる。この構成のもう1つの利点として、磁束密度が極めて高く、軽量で、マグネット容積が小さく、磁気装荷が均一で、効率が極めて高い小型ダイナモ発電機が得られる。
図2aは、好ましいダイナモ発電機実施例の内側磁気回路及びコイル構成を示す斜視断面図である。図2aには、磁極片b,a,f,eと共に磁極界N3,S2及びN1を形成する巻線コイルセグメント232,231,236及び235を展開状態で示してある。コイルセグメント232,231,236及び235の2つの巻線方向I,IIとコイル接続は簡略化して示してある。
各コイルは、原則として、2つの異極磁性に対応するから、詳しくは、図示しない6極構成には3つのコイルが必要である。従って、図1a)及び1b)と図2a)及び2b)に示す空心コイル23は、各磁極界ごとに2つの全く同じコイルセクション23.1乃至23.6(図2a及び2b参照)に分割され、正しい磁極関係で直列に接続される。このように構成することで、全体の高さを比較的低くすることができる、即ち、6極の場合には、6つのコイルセクションが60°の角度ピッチで配列されることになる。
固設空心コイルを形成するには、自己接着性エナメル銅線から自立的に巻線を形成し、コイル構成の基準円に沿って弯曲させる。これらのコイルを適当なプラスチック射出成形型に挿入する。コイルは既に相互に接続され、接続ピンプラグ(図7における39)に取付けられている。プラスチック射出成形型は、同時にハウジング底部(図7における37)をも含む。次いでユニット全体をプラスチック材で射出成形することにより、直径プラグイン部品を形成する。このように構成すれば、電子部品をダイナモシステムのハウジング底部に直接プラグインすることができる。従って、それ以上の配線は不要である。固設空心コイルの導線は既に処理済みであり、それ以上の処理も仕上げも不要である。
以上に述べた方法によれば、インダクタンスが極めて低い、好ましくは、150μH以下の空心コイル23が得られる。従って、逆インダクタンスは殆んど発生せず、磁極感度の問題は殆んど、または全く起こらない。コイル抵抗は1.6オーム以下であることが好ましく、ダイナモ発電機が完成した状態で磁気装荷は0.6T以上となる。(実施例のダイナモ発電機の場合、平均コイル直径は31mm、マグネット長は30mm、外径は約44mm)。コイル長40(図2b及び図7)が約20mmならばダイナモ発電機の出力特性を高めることもできる。
ダイナモシステム全体、特にコンバータ装置の好ましい実施例の構成及び動作態様を図3,4及び図5に沿って以下に説明する。
図3は、本発明の二輪車用照明システムの好ましい実施例を示すブロックダイヤグラムである。上記構成のダイナモ発電機が発生させるAC電圧は、整流器11によって整流され、コンデンサC1によって平滑化される。回路接続点18において、詳しくは、後述するように、整流済みダイナモ電圧UeDYNと、バッテリ電圧UBATTが合計される。回路接続点18において形成された組合わせ電圧UeDYN及びUBATTは、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の入力側に印加され、この電圧/電力が6V及び6.4Vに夫々変換される。このエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10は、ダイナモ発電機1の内部抵抗に最適条件で順応するという特性を有する。低入力電圧(低走行速度)の場合には、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10が電圧(電力)を増大させる。高走行速度、即ち、ダイナモ発電機の出力電圧が高い場合には、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10が、回路接続点18で得られる電圧を出力側Uaにおいて、好ましくは、6.4Vにまで低下させ、約±10mVの変動範囲でこの電圧を略一定に維持する。例えば、ショットキーダイオードやパワーFETs(電界効果トランジスタ)のような、最新の電子部品を利用することにより、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の効率を85%以上に高めることができる。この効率は、低電圧の場合に約85%であり、回路接続点18における入力電圧が高ければ(例えば、約9V)、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の効率は90%以上となる。
コンバータ装置5の総合的な性能は、第1限界値スイッチ13、第2限界値スイッチ15、遅延回路17及びバッテリモニター回路19の機能を考察することによって明らかになるであろう。
第1限界値スイッチ13
ダイナモ発電機1の出力電圧は、2個のダイオードD3及びD4から成る整流器によって整流され、コンデンサC4によって平滑化される。この電圧Vxは走行速度に比例する。この電圧は、2個の抵抗器R1及びR2から成る第1分圧器12によって分圧され、第1限界値スイッチ13の入力に供給される(電圧UT1)。この第1限界値スイッチ13は、Vx=0.8Vよりも高い入力電圧においてゲート回路T1を作動させる。このことは、ゲート回路T1により、バッテリ4の電圧が、電子スイッチS116及び保護ダイオードD1を介して、合計回路接続点18に供給されることを意味する。第1限界値スイッチ13のもう一方の出力は、遅延回路17を0(静止)にセットする。
第1限界値スイッチ13の入力電圧がVx=0.8V以下なら遅延回路17が起動する。遅延回路は発振器と計数チェーンから成る。バッテリ電圧は、遅延回路17の出力が、ゲート回路T1を介して、電子スイッチング手段16を開路するまで、ゲート回路T1、電子スイッチング手段16及び保護ダイオードD1を介して、合計回路接続点18に供給され続ける。電子スイッチング手段16が開路されると、バッテリ電圧が遮断される。即ち、ゲート回路T1は、第1限界値スイッチ13によって作動させられ、遅延回路17を起動させる。バッテリ4が完全に放電されているか、故障しているか、または存在していない場合には、バッテリモニター回路19が回路接続点18における作用を阻止する。
第2限界値スイッチ15
コンデンサC4に現われるダイナモ発電機1の速度比例電圧は、2個の抵抗器R3及びR4から成る第2分圧器14を介して、第2限界値スイッチ15に供給される(電圧UT2)。ダイナモ発電機出力電圧がVx=4.5V以下の場合、第2限界値スイッチ15は、出力信号によってエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10を作動させ、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の出力電圧は、調節自在に4.5V乃至6V(Ua1)に達する。ダイナモ発電機1の出力電圧が4.8Vを超えると、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10が、第2限界値スイッチ15の出力信号によって、その出力において6.4V(Ua2)を発生するようにセットされる。即ち、図3に示すコンバータ装置5の好ましい実施例は、Vxが4.5V以下なら、第2限界値スイッチ15の入力電圧UT2で非走行時点灯のための電圧がバッテリから得られ、Vxが4.8Vよりも高ければ、第2限界値スイッチ15の入力電圧UT2でダイナモ発電機1からの出力電圧(走行時電圧)が得られるように作用する。バッテリによる点灯からダイナモによる点灯への切換えは、円滑に行なわれる。
エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の出力には、バッテリ充電装置として使用される充電コンバータ20が持続されており、出力電圧Uが6.1Vを超えて6.4Vまで上昇すると、充電式バッテリ4の充電状態に応じて、比例的に上昇させながらバッテリ4に給電する。従って、非走行時のバッテリによる点灯中にバッテリ充電が行なわれることはない。更にまた、ダイナモ発電機のエネルギーが不充分な時でも電圧が6V以下になることはない。
エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の出力に接続された抵抗器R5及びR6から成る分圧器が出力電圧Uaを制御する制御信号UT3を供給する(フィードバック)。この制御電圧は、第2限界値スイッチ15によって決定される。
図3に略示するコンバータ装置5の作用を、特に図4a乃至4eおよび図5a乃至5cに沿った以下に詳しく説明する。図4a乃至4eは、第1分圧器12及び第2分圧器14によって夫々形成され、第1限界値スイッチ13及び第2限界値スイッチ15に夫々供給される
Figure 0003684403
T1及びUT2(Vxの成分電圧)の経時的依存関係を示すグラフであり、これらのグラフでは、これらの電圧が(速度が0km/hから30km/hまで上昇するとして)時点t1(t1′)における0から時点t3(t3′)まで速度と略正比例して上昇し、時点t3(t3′)から時点t5(t5′)まで略線形に降下するという依存関係を想定している。電圧UT1がVx=0.8Vに達する時点t1(t1′)において、第1限界値スイッチ13が作動し、この電圧が再びVx=0.8V以下に降下する時点t5(t5′)において、第1限界スイッチ13が作動をやめる(始動及び走行)。時点t1(t1′)から時点t5(t5′)までの間、遅延回路17は非作動状態のままである。時点t5(t5′)において、遅延回路17は時点t8(図4c)において終わる、例えば4分間の遅延を計時し始め、ゲート回路T1を介して電子スイッチング手段16を開路してバッテリ電圧を遮断する。遅延時間(例えば4分間)t5−t1′(図4a)が終わる前にダイナモ電圧が上昇すると、遅延回路17が第1限界値スイッチ13の作用下に非作動状態となり、再び時点t1(t1′)における作用が始まる。
第2限界値スイッチ15(図3)は、時点t2において第2分圧器14(図3)によって、即ち、電圧Vxが4.8Vを超える時の電圧UT2によって作動させられる(図4d)。時点t4(図4d)において電圧Vxが4.5V以下になると、第2限界値スイッチ15が、第2分圧器14の作用下に、即ち、電圧UT2の作用下に非作動状態になる。第2限界値スイッチ15の作動時間中、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10(図3)が出力電圧Ua2を好ましい6.4Vに変換する。この変換は、走行速度が略5乃至7km/hを超えるのと同時に行なわれる。(図4a及び4e)。第2限界値スイッチ15の非作動域(3km/h以下の走行速度)において、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10は、出力電圧Ua1を4.5V乃至6V、好ましくは図4eに示すように、例えば5.5Vの定電圧に変換する。
図4a乃至4eに示す作用/時間グラフを組合わせたのが図5a乃至5cに示す電圧/速度グラフである。
a=6.4Vへの切換えは、約5乃至7km/hの走行速度において起こる。
図4a乃至4eは、電圧−速度/経時変化グラフ(図4a)に基づいて、第1限界値スイッチ13(図4b)、遅延回路17(図4c)、第2限界値スイッチ15(図4d)及び出力電圧Ua(Ua1,Ua2)(図4e)の作用を示す。
限界電圧Vxが約0.8V以下に降下すると(換言すれば、二輪車が停止すると)遅延回路17が作動し、4分間に亘り、ゲートT1及びスイッチS1(図3)を介して回路接続接点18に、従って、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10にバッテリ4の電圧を供給する。その結果、装置10が出力電圧を発生させる(非走行時点灯)。4分間が経過すると、スイッチS1が開き、システム全体が給電を断たれる。第1限界値スイッチ13が制御電圧Vxを超え、遅延時間中に電圧Vxが0.8Vに達すると、第1限界値スイッチ13が遅延回路17を0にリセットし、“第1限界値スイッチ13”の項で上述した走行時プログラムが開始される。
要約すると、二輪車が停止すると、非走行時点灯が少なくとも4分間持続し、新たに走行が始まると、照明システムは直ちに走行時プログラムに切換わる。
バッテリ充電モニター回路19(図3)は、バッテリの充電状態とその作用能力をモニターする。バッテリが放電されるか、または作用不能になると、バッテリ充電モニター回路19がバッテリと回路接続点18の接続を阻止し、照明システムは、図5aに示すように、ダイナモ発電機Ug(この場合には非走行時点灯は行なわれない)及びエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10によって直接給電される。従って、バッテリの完全放電は回避される。
図5a,5b及び5cは、本発明の二輪車用照明システムによって達成される出力電圧Uaの推移を斜線の陰影で表わした法定基準範囲の間に延びる曲線K1の形で示してある。出力電圧の推移をUa1及びUa2(図5b)で示す。他方、曲線K2(図5a)は、従来の二輪車用照明システムの出力電圧の推移を示す。非走行時点灯の範囲を参照文字STLで示してあり、0km/hから約5km/hまでの速度範囲に跨がっている。
以上に述べた二輪車用照明システム及びダイナモシステムの重要な長所は下記の通りである。
−ダイナモ発電機は、効率が極めて高く、約5乃至7km/hの走行速度において4.5Wを上回る出力を発生する。
−このダイナモ出力は6.4Vに変換され、約5km/h以上の速度において、アップコンバータ機能とダウンコンバータの機能を兼ねるコンバータ装置によって一定に維持される。
−このエネルギーは、バッテリの充電に利用される一方、点灯にも利用される。
−コンバータ装置は、1.5Vから80Vまでの入力電圧のうち、2Vで既に作用する(80Vは約80km/hに対応する)。
−走行時点灯と非走行時点灯のためのエネルギー配分比は1〜2:1であり、このことは、速度に関係なく走行時点灯に2単位、非走行時点灯に1単位を意味する。この配分比は、今のところ充電式バッテリの充電容量によって制約されている。充電容量が増大すれば、この比を大きく逆転させ、例えば0.5:1にすることもできるであろう。しかし、このようなバッテリは今のところ入手不可能であるか、入手できたとしても別の欠点を持つ。
−点灯とバッテリ充電のための定常且つ充分なエネルギーが非間歇的に得られるから、二輪車用照明システムは法定のダイナモ・走行・電力曲線の条件を満たして余りある。
−コンバータ装置5のエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置10の出力電圧を適正に配分することにより、略5km/hまでの走行速度で4.5乃至6V、“走行”中で6.4Vの出力電圧が得られるから、停止時にも速度に関係なく、走行時にも3Wを要求する。標準規格を理想的に満たす。
−バッテリー充電バランスが確保される。
−二輪車用照明システム全体の効率が高いから、走行抵抗は極めて低い。換言すれば、ダイナモ出力が大きいにも拘らず、ダイナモシステムを駆動するのに必要なペダリングエネルギーが著しく軽減される。
−ダイナモ発電機に空心コイルを採用することで磁気リプルの発生が回避される。
−ダイナモ発電機は誘導損が極めて低く、滑り接点を必要とせず、従って、信頼性が高い。
−最後に、磁気回路全体(内側回路及び外側回路)の回転運動がダイナモ発電機の磁気損失をなくする。
図6は、特注の集積ソリッドステートスイッチング回路50のピンにコンバータ回路の外部スイッチング素子を接続したコンバータ装置5の好ましい実施例を示す。
電子部品は何れも複雑且つ高価であり、標準的な集積スイッチング回路を含む構成では、部品数が多くなると共にスペース需要も大きくなるから、総ての機能(デイジタル及びアナログ機能)をワンチップASIC50で実施するのが有利である。二輪車用照明システム量産品であるから、特注の集積ソリッドステートスイッチング回路50を量産することも経済的に有益である。集積できないか集積し難い部品、例えば、整流器11、トランスT、コンデンサC1,C2,C3,C4、パワー出力トランジスタ等は、図6に示す回路構成において、特注の集積ソリッドステートスイッチング回路50のピンに接続する。
コンバータ装置5の電子機能を得るために、特注の集積ソリッドステートスイッチング回路50を設けることにより、コンバータ装置5を著しく小型化することができ、従って、ダイナモハウジングと一体的な、または別設の小さいハウジングにバッテリ4と一緒に既収納することができる。
図7は、バッテリ4及びコンバータ装置5を一体的に含むサイドダイナモとして構成した本発明のダイナモ発電機1の実施例を示す縦断面図である。ダイナモシステム1は、公知の態様で旋回アーム34に取付けられ、回転する内側回路及び外側回路と固設コイル23.1〜23.6を収容するハウジング上部30と、バッテリ4及びコンバータ装置5を収容するハウジング下部31を含み、このハウジング下部31は、ハウジング上部30と固定的に連結されている。コイルセクション23.1〜23.6には、ハウジング底37が一体形成されている。コンバータ装置5は、接続ピンプラグ39を介して、コイルセクション23.1〜23.6と接続している。ランプとの接続部は、ハウジング下部31の下部に位置する。ダイナモシステムには、該システムが空転位置にあって作動準備状態にないことを検知し、コンバータ装置5(図3)に信号を送り、非走行時の点灯を直ちに止めさせるセンサS2を設けてある。ダイナモシステムが空転位置へ傾くと、二輪車用照明システム全体への給電を断つこのセンサ(S2,図3)は、旋回アーム34のハウジングに収容される。二輪車の車輪によって駆動される駆動ホイール35は、ダイナモアーバ38に固定連結され、ダイナモアーバは、内側回路の支持コアに連結されている。このダイナモアーバ38は、上部ピボット軸受36及び下部ピボット軸受36′によって回転自在に支持される。図7の縦断面図で示すダイナモシステムは、サイドダイナモシステムとして構成されているが、本発明のダイナモシステム1の上述した特性をローラダイナモシステム(図8)にも、ハブダイナモシステムにも応用できることは、当業者が容易に察知することである。
上記実施例とは別に、図6に示すコンバータ装置5、その外部素子及びバッテリを、ダイナモ発電機とは離れた位置で二輪車に取付ける実施態様も可能である。

Claims (23)

  1. コイルセクション(23.1〜23.6)から成る固設空心コイルを中心に、同一方向に同期回転するように設けた、内側回路(21)及び外側回路(22)を含み、
    内側回路(21)及び外側回路(22)の夫々が、同じ磁極ピッチでn個の磁極(a−f,g−m)を有することを特徴とするダイナモ発電機(1)
  2. 内側回路(21)がn個の内側磁極片(a−f)を有し、これらの内側磁極片(a−f)の夫々に対し、同極関係で2個の磁極(M1−M2,M3−M4,M5−M6,M7−M8,M9−M10,M11−M12)を並置したことを特徴とする請求項に記載のダイナモ発電機(1)。
  3. 外側回路(22)が内側磁極片(a−f)と対向する位置にあって、内側磁極片に向かって突出する外側磁極片(g−m)を含み、外側磁極片を内側磁極片と、これに対応する外側磁極片の間の各エアギャップが、磁束の最短路となるように構成したことを特徴とする請求項またはに記載のダイナモ発電機(1)。
  4. 各内側磁極片(a−f)が各内側磁極片(a−f)と隣接する夫々2個の磁石(M1,M2……)の相互干渉を軽減するため、その中央部に半径方向に延設されてエアギャップ(51−56)を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のダイナモ発電機(1)。
  5. 各内側磁極片(a−f)に側方から隣接する2個の磁石の隣接側面(a1,a2)の合計(a1+a2)が、各内側磁極片(a−f)の周縁面(b1)よりも大きいことを特徴とする請求項からまでの何れか1項に記載のダイナモ発電機(1)。
  6. ダイナモ発電機(1)の空心コイル(23)のインダクタンスが150μH以下であることを特徴とする請求項から請求項までの何れか1項に記載のダイナモ発電機(1)。
  7. 空心コイル(23)のコイル抵抗及びダイナモ発電機(1)の内部抵抗が1,5オーム以下であることを特徴とする請求項に記載のダイナモ発電機(1)。
  8. 空心コイル(23)が各磁極界ごとに2つの全く同じコイルセクション(23.1−23.6)に区分されており、これらのセクションが正しい磁極関係で直列に接続されていることを特徴とする請求項から請求項までの何れか1項に記載のダイナモ発電機(1)。
  9. 磁極数nが、少なくとも4、好ましくは6であることを特徴とする請求項から請求項までの何れか1項に記載のダイナモ発電機(1)。
  10. ダイナモ発電機(1)を含み、走行する二輪車によって駆動可能であり、二輪車に取付けられているダイナモシステム(1,5)と、
    少なくとも1個の前灯(2)と、
    前灯(2)と共にダイナモシステム(1,5)から給電される少なくとも1個の尾灯(3)と、
    ダイナモ発電機(1)が発生させる電力を発光及び充電式バッテリ(4)充電のための定DC電圧に変換するコンバータ装置(5)
    から成る二輪車用照明システムにおいて、
    約5乃至7km/hの最低走行速度からバッテリ(4)を充電すると同時に、前灯(2)及び尾灯(3)を点灯させるのに充分な電力を発生させるように、ダイナモシステム(1,5)を構成したことと、
    コンバータ装置(5)がアップコンバータ及びダウンコンバータの機能を有し、最低走行速度に達しないうちはバッテリ(4)からも給電されること
    を特徴とする二輪車用照明システム。
  11. 前記ダイナモ発電機が請求項1から9の何れか1項に記載のダイナモ発電機であることを特徴とする請求項10に記載の二輪車用照明システム
  12. コンバータ装置(5)が、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)及び整流ダイナモ出力電圧(UeDYN)を検出する限界値装置(12〜17)から成り、ダイナモ発電機の規定最低電圧を超えたことを限界値装置が検出すると、バッテリ(4)から供給される電圧(UBATT)が、ダイナモ発電機(1)の整流出力電圧(UeDYN)とは別に、電子スイッチング手段(16)を介して、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)に供給されることと、
    エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)の出力電圧(Ua)が、バッテリの作用下では、第1定出力電圧範囲(Ua1)内であり、ダイナモの作用下では、第2定出力電圧範囲(Ua2)内であり、第1定出力電圧範囲(Ua1)と第2定出力電圧範囲(Ua2)の間の出力充電電圧(U0)を超えるとバッテリ充電装置として使用される充電コンバータ(20)が作動すること
    を特徴とする請求項10または11に記載の二輪車用照明システム。
  13. コンバータ装置の第1定出力電圧範囲(Ua1)が、4乃至6V、好ましくは4.5乃至6Vであり、出力充電電圧(U0)が、好ましくは、6.1Vであることを特徴とする請求項12に記載の二輪車用照明システム。
  14. エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)が、コンバータ装置(5)の出力を常に4乃至6W、好ましくは4.5乃至5Wに制限することを特徴とする請求項12または13に記載の二輪車用照明システム。
  15. コンバータ装置(5)が、
    エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)に供給される整流され、且つ平滑化されたダイナモ出力電圧(UeDYN)を形成するための整流器(11)を含む整流回路と、
    走行速度に比例するダイナモの第1整流出力電圧を第1成分電圧(UT1)に変換し、この成分電圧を第1限界値スイッチ(13)に供給する第1分圧器及び抵抗を含む回路網(12,R1,R2)と、
    走行速度に比例するダイナモ発電機(1)の整流出力電圧(UeDYN)を第2成分電圧(UT2)に変換し、これを第2限界値スイッチ(15)に供給する第2分圧回路網(14,R3,R4
    さらに有し
    ダイナモ発電機(1)から供給される整流電圧(UeDYN)が第1限界値スイッチによって検出される第1限界電圧を超えると、第1限界値スイッチ(13)が電子スイッチング手段(16)を介して、バッテリ電圧(UBATT)をエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)に供給し、第2限界電圧に達していないか、またはこれを超えたことを第2限界値スイッチ(15)が検出すると、第2限界値スイッチが、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)にその出力電圧を、第1定出力電圧(Ua1)から第2定出力電圧(Ua2)に、またはその逆の方向に、夫々切換えるための信号を供給し、
    更にまた
    第1限界値スイッチ(13)及び電圧スイッチング手段(16)と接続し、ダイナモ発電機(1)からの整流出力電圧(UeDYN)が、第1限界電圧以下なら所定時間経過後に電子スイッチング手段(16)を開放することにより、エネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)の入力からバッテリ(4)の電圧(UBATT)を遮断する遅延回路(17)と、
    出力側においてエネルギーコンバータ/エネルギーリミター装置(10)と接続し、バッテリの作用下においても、作動状態を維持してバッテリ(4)を充電するバッテリ充電コンバータ(20)
    さらに有することを特徴とする請求項10から請求項14の何れか1項に記載の二輪車用照明システム。
  16. 非作用状態にあるダイナモシステム(1,5)が作動準備状態にないことを感知して、コンバータ装置(5)に非走行中の灯を直ちに消灯する信号をコンバータ装置に供給するセンサ(S2,32)を、ダイナモシステム(1,5)に設けたことを特徴とする請求項10から請求項15の何れか1項に記載の二輪車用照明システム。
  17. 3.5乃至5km/hの走行速度及び3オームの負荷抵抗における出力が、少なくとも3W、7km/hの走行速度において4.5Wよりも大きいことを特徴とする請求項11から請求項16の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  18. ダイナモ発電機の出力電圧が、二輪車の走行速度が1km/h変化するごとに、約0.8乃至1.2Vだけ変化することを特徴とする請求項11から請求項17の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  19. ダイナモ発電機(1)をサイドダイナモまたはローラダイナモ(図8)として実施したことを特徴とする請求項11から請求項18の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  20. コンバータ装置(5)(図3)が、特注のソリッドステート集積スイッチング回路(ASIC50)(図6)を含むことを特徴とする請求項11から請求項19の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  21. コンバータ装置(5)をバッテリ(4)と一緒に、ダイナモ発電機(1)とは別に、ハウジング内に設けたことを特徴とする請求項11から請求項20の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  22. コンバータ装置の別設ハウジングをダイナモ発電機(1)のハウジング(30,37)に取付けたことを特徴とする請求項19から請求項21の何れか1項に記載の二輪車用照明システム
  23. コンバータ装置(5)及びバッテリ(4)を、ダイナモ発電機(1)と共に2コンパートメント構造のハウジング内に設けたことを特徴とする請求項11から請求項20までの何れか1項に記載の二輪車用照明システム
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