JP3683954B2 - 気腹針 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腹腔内の内視鏡下外科手術において腹壁に穿刺し、その腹腔内に例えばCO2 ガス等の気体を送り込むための気腹針に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラパロスコピックコレシストミーを始めとする腹腔内の内視鏡下外科手術では手技の最初において気腹を行う。このため、腹壁に気腹針を穿刺し、その気腹針を通じて腹腔内にCO2 ガス等を送り込むようにしている。
【0003】
一般的に用いられる気腹針は特開平5−130999号公報に示されるように先端が鋭利な穿刺用外套管と、この外套管内部に挿通され、気腹ガスを通すための管路を有するとともに先端部分が鈍な形の内針とからなる。そして、通常、内針は外套管の基端側に設けられたばね部材の付勢力により付勢され、内針の先端部分が外套管の鋭利な先端よりも突き出すことにより外套管の鋭利な先端を保護する位置にある。
【0004】
このような気腹針を腹壁に挿入する際には内針は腹壁に押し当てる力により外套管内に押し込まれて退避し、外套管の鋭利な先端部が腹壁に穿刺していく。外套管の先端が腹壁を貫通すると、それまで腹壁に押されていた内針は前記ばね部材の付勢力により再び外套管の先端より突出して保護する位置に戻る。
外套管の先端より突出する内針の先端は鈍な形になっているので、その内針の先端で腹腔内の臓器を傷つけることはない。
【0005】
しかし、内針は、ばね部材の付勢力で外套管の先端から突き出すように付勢されているのみであり、その内針に軸方向への力が加えられると、外套管内に押し戻されてしまう。従って、外套管の先端が腹壁を貫通した時の勢いが特に強いと、その勢いで内針の先端が臓器に当たり、内針は外套管内に押し戻されて、外套管の鋭利な先端が直接に臓器に当たり、臓器を傷付ける虞がある。そこで、術者はこのような状況が起きないように気腹針の穿刺は非常に気を使うため、その作業性は極めて悪い。
【0006】
この点を改良したものとして、特開平5−154157号公報での気腹針が知られている。この気腹針も同様に外套管と内針とからなるが、さらに外套管に対する内針の動きが術者にわかるように、手元側に内針の位置を示す位置表示器と気腹ガスの流れを示す液位表示器、及び内針の動く音を増幅する音響増強機構を設け、術者に穿刺時の注意を促すようにしてある。
【0007】
しかし、この気腹針にあっての内針は、ばね部材の付勢力で外套管の先端から突き出すように付勢されているのみであり、このため、前記従来例と同様に外套管の先端が腹壁を貫通した時の勢いが強いと、その勢いで内針の先端が臓器に当たり、その際に内針が外套管内に押し戻されて、外套管の鋭利な先端が直接に臓器に当たり、臓器を傷付ける虞がある。この場合にも、術者は臓器を傷付けることが起きないように気腹針の穿刺には気を使う必要があり、前記従来例と同じく作業性の悪いものであった。
【0008】
一方、実開平5−58101号公報での気腹針は、外套管に対し内針を保護位置でロックする手段とそのロック解除手段が設けてあるが、それらの手段は突合せ端面とカム面等を有するキャリア、複雑に変形した爪状のばね、ロック解除カム面とロック解除肩面とを有したロック解除ボタンなどの多数の複雑な部材を内部に組み込んだ構造の高価なものである。また、それの分解や洗浄が非常に困難なものであるため、医療器を通じての感染を防ぐためにはその高価な気腹針を使い捨てにするしかなく経済性が非常に悪い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の気腹針にあっては気腹針を穿刺する作業上、非常に気を使わざるを得ず、作業性の悪いものであったり、構造の複雑なロック機構を設けるものであり、その分解や洗浄も非常に困難であるとともに、かなり高価なものとなり、経済性に劣るなどの問題点があった。
【0010】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは構造が簡単であり、また内蔵を傷つけることなく穿刺できる気腹針を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿される内針と、前記内針の基端側に接続され、前記内針よりも太径に形成された手元本体部と、前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突出した凸部と、前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させる第1の付勢手段と、前記溝部に設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、前記凸部と前記穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、前記手元本体部に設けられ、前記凸部と前記穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、を具備してなることを特徴とする気腹針である。
請求項2に係る発明は、先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿され、前記外套管から取り外し可能な内針と、前記内針の基端側に接続され、前記内針と一緒に前記外套管から取り外し可能な手元本体部と、前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突き出した凸部と、前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させると共に、前記手元本体部と前記ケース体の間に装着され、かつ、前記手元本体部と前記ケース体から単独で取り外し可能な第1の付勢手段と、前記ケース体に前記溝部に位置して設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、前記凸部と穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、前記手元本体部に設けられ、前記凸部と穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、を具備することを特徴とする気腹針である。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
(構成)
図1(a)は第1実施形態に係る気腹針を示す縦断面図である。この気腹針は外套管1と内針2を備える。外套管1は先端に鋭利な穿刺用エッジ部3を形成した管状の穿刺針4とこの穿刺針4の基端側にて接着やろう付け等により取着固定されている筒状のケーシング5とから成り、穿刺針4とケーシング5は外套管1の中心軸Lと共に同軸的な配置で連結されている。また、穿刺針4に比べてケーシング5は太く形成されている。
【0013】
前記外套管1の基端部を形成するケーシング5の周壁には貫通する係止用穴6を設けてあり、ケーシング5の基端側外周には雄ねじ部7が設けられている。この雄ねじ部7にはカバー部材8が螺合している。カバー部材8の基端壁面にはその周壁に対して同軸な貫通する穴9が設けられている。
【0014】
図1(b)は図1(a)で示すA−A線に沿っての前記ケーシング5の断面図である。ケーシング5の内部には前記穴6と同じ位置で前記軸線Lと平行な長手方向に沿って後述するピン21をガイドする規制用スリット11が設けられており、また、スリット(溝)11と正対する位置には平坦な面からなるばね受け部12が同じく前記軸線Lと平行な長手方向に沿って設けられている。
【0015】
一方、前記内針2の先端部には先端が鈍に丸められたチップ13が取着固定されている。内針2の先端部の側面には少なくとも1つの送気孔(開口部)14が設けられている。内針2はその基端部に接着もしくはろう付け等によって取着固定した筒状部材からなる本体10が設けられている。前記本体10の基端側には内面がルアーテーパー(メス)状に形成された口金15が形成されており、この口金15の部分は内針2及び本体10内に形成された送気用管路16を通じて前記送気孔14に連通するようになっている。
【0016】
前記内針2の本体10はその先端側部分17の外径が基端側部分18の外径に比べて大きく、その間の段差端面によって突当て部19を形成している。また、本体10の基端側部分18の外径は前記カバー部材8の穴9の内径より十分小さい径を有している。
【0017】
前記本体10の先端側部分17には前記係止用穴6の径より小さい径でかつ前記スリット11の幅より狭い径を有するピン(突起)21が固定的に取着されている。このピン21は前記スリット11に常に嵌り込んで係合し、前記外套管1と前記内針2との軸周りの回転を規制する回転規制手段を構成している。また、係止用穴6はそのスリット11の途中に設けられ、スリット11に沿って移動する途中で前記ピン21が落ち込んで係合するようになっている。
【0018】
さらに、本体10の先端側部分17には、前記ピン21とは反対側に位置して板ばね22の一端が固定されている。この板ばね22の他端側の自由端部分は湾曲しており、その湾曲した途中腹部分は前記ばね受け部12に当接している。この板ばね22は前記ばね受け部12側に固定し、本体10の先端側部分17に当接するようにしてもよい。そして、板ばね22は前記ピン21を前記係止用穴6側へ向けて弾性的に、ピン21を設けた本体10を付勢する付勢部材であって係合用付勢手段を構成する。
【0019】
前記本体10はケーシング5の内部スペースで少なくともピン21と板ばね22とを結ぶ方向へその板ばね22の付勢力を受けながら移動できるように設置されている。
【0020】
また、内針2は前記係止用突起としてのピン21がこれの係止用穴6に入った係合状態で、前記送気孔14が前記穿刺針4のエッジ部3より先に位置して露出するように突出する全長を有している。
【0021】
前記ケーシング5内には前記軸線Lに沿って内針2を前方へ弾性的に付勢するばね部材23が設置されている。ここでのばね部材23は前記本体10の基端側部分18の外周に緩く巻装するコイルばねからなり、そのばね部材23の基端は前記カバー部材8の基端内壁面に当接しており、ばね部材23の先端は前記突当て部19の端面に当接している。そして、このばね部材23は前記外套管1の先端より突出する位置に向けて前記内針2を付勢する内針付勢手段を構成する付勢部材である。
【0022】
(作用)
使用前において気腹針は通常、図1(a)で示す状態にある。つまり、内針2はその先端部が外套管1の先端から突き出し、穿刺針4のエッジ部3よりも先にチップ13と送気孔14が位置している。また、板ばね22の弾性付勢力を受けて前記内針2の本体10にあるピン21は前記ケーシング5の係止用穴6に嵌り込んで係止している。そして、外套管1に対して内針2はその突出位置に保持されている。
【0023】
次に気腹針を体壁25に穿刺する際、術者は図2で示すように板ばね22の付勢力に逆い、口金15を径方向に押す。すると、ピン21は係止用穴6から抜けて外れる結果、内針2は外套管1のケーシング5内で軸方向に移動可能となる。
【0024】
この状態で、術者は体壁25へ外套管1を押し付ける。内針2は体壁25からの圧力によりばね部材23を縮めながら手元方向へ移動していく。この際、内針2はピン21がケーシング5内のスリット11内に嵌り込んで軸方向へガイドされるため、内針2は回転することなく移動していく。そして、図3で示すように外套管1のエッジ部3が内針2の先端のチップ13よりも先に突き出す状態となり、このエッジ部3によって外套管1を体壁25に穿刺していく。
【0025】
外套管1が体壁25を貫通すると、内針2はその体壁25からの押圧力から解放されるため、ばね部材23の付勢力により再び先端側へ移動し、チップ13はエッジ部3より先に突出するとともに、内針2の本体10は板ばね22の弾性付勢力を受けているため、内針2の先端のチップ13が図1(a)のように外套管1のエッジ部3より先に突き出した位置になると、本体10のピン21はケーシング5の穴6に入り、それに係止する。このため、内針2は外套管1に再び係止・固定される。
【0026】
このとき、内針2に設けられたピン21は相対する位置での板ばね22の付勢力を受け、ケーシング5の係止用穴6に係止しているため、内針2は外套管1に対し先端のチップ11が突出したままに維持されている。
この後は通常の気腹針と同様の操作で気腹を行う。そして、気腹針の使用が不要となったらその気腹針を引く抜く。
【0027】
術後、使用した気腹針を洗浄するが、この際、ケーシング5に螺合しているカバー部材8を取り外すことで、外套管1と内針2を分解し、ケーシング5の内部やばね部材23も含め、各部品を洗浄する。
【0028】
(効果)
気腹針を穿刺する際、外套管1が体壁25を貫通すると、先端が鈍の内針2が外套管1よりも突出した状態で確実に固定されるため、穿刺時の勢いで気腹針の先端が臓器に当たっても、穿刺針4のエッジ部3が臓器に直接当たることがない。従って、臓器を必要以上に傷つけることを防ぐことができ、術者が安心して手技に集中することができる。
また、気腹針の構造が簡単であると共に、その気腹針を構成する部品点数も少なくて済む。また、気腹針を簡単に分解できるため、隅々まで容易かつ確実に洗浄でき、その結果、気腹針を通じての感染症の危険から患者を防ぐことができる。
【0029】
<第2実施形態>
図4及び図5を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
(構成)
図4は第2実施形態に係る気腹針を示す縦断面図である。この気腹針は前述した第1の実施形態の気腹針と同様、外套管1と内針2を備える。これらは第1実施形態のものと同様な構成を備えるが、次の点で相違するものである。すなわち、外套管1の穿刺針4は内針2をその長手方向に移動でき、かつ内針2の外径に極めて近い内径を有する。このため、内針2は穿刺針4の中心軸Lに沿って略直線的に移動するようにガイドされる。
【0030】
内針2は超弾性合金もしくは弾性を有する樹脂から成り、強制的に湾曲させることができるようになっている。また、板ばね22は備えていない。
(作用)
第1実施形態同様、穿刺する時、図5で示すように口金15を径方向に押す。このとき、外套管1と内針2との隙間は小さいため、その内針2はケーシング5に近い基端側部分を支点に曲がり、ピン21は係止用穴6から外れ、外套管1から内針2の係止が解除される。
【0031】
体壁25に外套管1を穿刺し、外套管1の先端が体壁25を貫通したときは、内針2の弾性によりピン21が穴6に入り込み、再び内針2は外套管1と係止状態となり、その状態が維持される。
【0032】
(効果)
この実施形態によれば、前記第1実施形態のものに比べ、ばね部材22が不要であるため、より部品点数が少なく構成がより簡略化し、分解後の洗浄、組み立てがさらに楽になる。
【0033】
<第3実施形態>
図6乃至図8を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。
(構成)
図6は前述したような構造の気腹針31にシース32を組み合わせた状態を示し、図7はその気腹針31を示し、図8はシース32を示したものである。
この気腹針31は外套管33と内針34とからなる針部35、把持部36、送気口金37を備えて成る。送気口金37から針部35の先端部にかけてその内部には前述したような通気用管路が設けられており、送気口金37から送り込まれた気腹ガスは針部35の先端開口38から腹腔内に送り込まれるようになっている。把持部36の先端側部分にはシース32を着脱自在に係止固定するためのピン39が設けられている。
【0034】
前記シース32はパイプ状の挿入部41と口金42とから成る。挿入部41の内径は前記針部35の外径よりわずかに大きく設けられている。また、口金42の側面には送気口金43が設けられ、シース32に処置具等を挿通した状態でも気腹ガスを補充できるようになっている。さらに、口金42の内周面には、ピン39を掛合して着脱自在に固定するための溝44を設けている。
【0035】
図6で示すように、前記気腹針31とシース32を組み合わせた状態で、気腹針31の先端と、シース32の先端との距離lが、一般的な腹壁の厚さより若干長い程度(通常5〜10cm程度)になるように針部35と挿入部41の長さがそれぞれ設定されている。
【0036】
(作用)
気腹針31とシース32を組み合わせた図6で示す状態で、腹腔に穿刺する。このとき、気腹針31の先端をシース32の先端との距離lは腹壁の厚さよりわずかに長いので、気腹針31の先端が腹腔内に貫通しても、シース32は体外に残った状態となる。
【0037】
次に、気腹針31とシース32の固定を解除し、気腹針31を腹腔内に残したままシース32をスライドさせて腹腔内へ押し込む。
シース32が腹腔内に達した後、気腹針31を抜去する。
【0038】
(効果)
これによれば、気腹針31が完全に腹腔内に穿刺されるまでシース32は体外にあるため、穿刺時の抵抗が普通の気腹針と同じであり、安全に穿刺できる。
気腹針31をガイドとして安全にシース32を挿入できる。
気腹針31を抜去した後、トラカールを穿刺するという従来の方法に比べて、迅速に内視鏡下手術を施行することができる。
【0039】
<第4実施形態>
図9及び図10を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態は前述したような気腹針51にシース52を付設したシース付気腹針の例であり、図9はその全体を示している。
前記気腹針51はその挿入部が外套管(外針)53と、その外套管53の中にスライド自在に挿入された内針(内管)54とより構成されている。気腹針51の手元操作部55にはガス注入口金56を設けてあり、ここに気腹ガスを送るチューブ(図示しない)を接続するようになっている。
【0040】
前記内針54は先端にガス吹出し孔(開口部)57を設けてあり、前記ガス注入口金56から注入した気腹ガスを腹腔内に吹出すようになっている。
また、内針54には図示されていないが、外套管53内に設けた付勢手段により先端側に向けて突き出すように弾性的に付勢されており、内針54の先端に押す力が加わると、その内針54は外套管53の中に引っ込むようになっている。
【0041】
前記シース52は気腹針51に対して着脱自在に装着されるものである。そして、シース52の手元側には照明光入射面をもつライトガイド口金58が設けられてあり、シース52の先端側にはそのシース先端周縁に沿ってリング状に配置した照明光出射面59を設けてある。
【0042】
さらに、ライトガイド口金58の照明光入射面から照明光出射面59の間にはライトガイドファイバーを配置してなり、ライトガイド口金58から照明光出射面59に照明光を伝達するようになっている。
【0043】
(作用)
気腹針51にシース52を装着した状態で、その気腹針51を腹壁を貫通させる。このとき、内針54の先端は組織に押されて、外套管53の中に引っ込んだ状態となる。
そして、気腹針51の先端が腹腔内に達すると、内針54を押すものが無くなるので、内針54は外套管53の先端から突き出して、図9で示す状態となる。この状態で気腹ガスを送り込まれる。腹腔内では外套管53の先端より内針54が突き出す保護状態にあるので、外套管53で臓器を傷付けることがない。
【0044】
シース付き気腹針51を腹壁に穿刺し、気腹後、その気腹針51のみ抜去して、シース52を残し、そのシース52の中に内視鏡を装着して腹腔内を観察する。そして、腹腔内での照明光量が不足する状況の時にはシース52のライトガイド口金58に、図示しない照明光源装置から照明光を供給するライトガイド供給ケーブルを接続し、シース52の先端にある照明光出射面59から照明光を出射させる。
【0045】
(効果)
照明光が不足しているときにはシース52のライトガイド口金58にライトガイド供給ケーブルを接続するだけで、照明光の不足を補うことができる。また、このシース付き気腹針51で気腹し、シース52を残して、気腹針51を抜去し、シース52内に内視鏡を挿入して、腹腔内等を内視鏡で観察している場合において、照明光量が不足しても、腹壁の別の場所に穴を開けて、トラカールシースを穿刺して、あらたに別の照明手段を挿入する必要がなく、簡単に補助照明をすることができる。さらに、患者にとってみれば、追加の穴を開けて、追加のトラカールを穿刺されることもないというメリットがある。
【0046】
<第4実施形態の変形例>
第4実施形態におけるシース52の少なくとも挿入部分が、透明な部材で構成されており、シース52の手元側にはライトガイド口金58が設けられ、シース52の先端側には照明光出射面が設けてある。そして、シース52の中を照明光を伝送するようにしてもよい。
【0047】
<第5実施形態>
図11を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態では前述した第4の実施形態におけるシース52の内周面60が光学的な反射面で構成してある。そして、手元側には同じようにライトガイド口金58が設けられ、そのライトガイド口金58から入射した照明光をシース52の内周面60で反射させて伝送し、シース52の先端部分から出射させるようにしたものである。
【0048】
(作用・効果)
第4実施形態と同じような作用・効果が得られる。
[付記]
(A群)
1.先端に鋭利な穿刺部を有する外套管と、前記外套管に内挿され、先端が鈍(鋭利でない)でかつ先端側部分に送気用開口部を有すると共に前記開口部に通じる送気用管路を有する内針と、前記外套管と前記内針の軸周りの回転を規制する回転規制手段と、前記内針の前記開口部が、前記外套管の先端よりも突出する位置に前記内針を付勢する内針付勢手段とを有する気腹針において、
前記内針の前記開口部が、前記外套管先端よりも突出した状態で内針を係止する係止手段を設け、この係止手段は前記外套管の基端部と前記内針の基端部との一方に設けた穴と、他方に設けられ前記穴に係合する突起と、前記穴に係合する向きに前記突起を付勢する係合用付勢手段とを具備してなることを特徴とする気腹針。
【0049】
2.前記付勢手段としては、前記突起と前記穴が係合する位置で前記内針の基端部を付勢するばね部材を設けてなることを特徴とする第1項に記載の気腹針。
3.付勢手段としては、前記内針を超弾性合金により形成し、その内針自体の弾性を利用することを特徴とする第1項に記載の気腹針。
4.付勢手段としては、前記内針を弾性を有する樹脂により形成し、その内針自体の弾性を利用することを特徴とする第1項に記載の気腹針。
5.前記係止手段の穴と突起のどちらか一方を前記外套管の基端部に設けられたケーシング部に形成したことを特徴とする第1項に記載の気腹針。
【0050】
(B群)
1.内視鏡や処置具を体腔内へ導入するためのシースを着脱自在に一体的に設けたシース付き気腹針において、気腹針の先端からシースの先端までの長さを腹壁の厚みより若干長い程度としたことを特徴とする気腹針。
2.気腹針の先端からシースの先端までの長さを5〜10cmとしたことを特徴とする第1項の気腹針。
(B群の従来と課題)腹腔内の内視鏡下手術の手順として、まず気腹針を腹腔に穿刺し、その気腹針を通してCO2 ガス等の気腹ガスを腹腔内に送り込み、膨らました後、内視鏡や処置具を導入するためのトラカールを腹腔に穿刺するのが一般的である。しかし、緊急に腹腔内を観察する場合に上記手順を短縮するため、気腹針の上に内視鏡や処置具を導入するためのシースを一体的に設けたシース付き気腹針が考案されている。これを用いれば、気腹針とシースが同時に腹腔内へ穿刺可能となる。
【0051】
気腹針を腹腔内に穿刺する際には、内臓を傷付けないように、慎重に行う必要があるが、従来のシース付き気腹針では、気腹針の先端がシース先端からわずかに突出するように設けられており、この部分が大きな段差になっていたため、穿刺する際に大きな抵抗を生じて安全に穿刺することが困難であった。
そこで、B群は、安全かつ迅速に穿刺することのできるシース付き気腹針を提供することである。
【0052】
(C群)
1.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シースに照明光伝送ライトガイドを設け、シース先端側に出射面を設け、シース手元側に、照明光入射面を設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
2.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シース内に照明光伝送用ライトガイドファイバーをリング状に設け、シース先端側に出射面を設け、シース手元側に、照明出入射面を突出させて設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
3.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シースを透明部材で形成し、シース先端側に照明光出射面を設け、シース手元側に、照明光入射面を設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
【0053】
(C群の従来と課題)
腹腔内の鏡視下手術の際に、最初、気腹を行うために、シース付き気腹針を使用し、この気腹針を腹壁に穿刺して、腹腔内に、気腹ガスを送り込む。気腹終了後、シースのみ残して、気腹針を抜去する。その後で、残されたシースに内視鏡(腹腔鏡)等を挿入して体腔内の観察を行う。
この従来技術ではシースから挿入した内視鏡によって観察している時に、照明光が不足して、補助照明手段が必要になることがある。この場合には、(腹腔内は広いので、光量が不足することあり。)別の場所にトラカールシースを穿刺して、新たに別の照明手段を挿入しなくてはいけないと言う不具合が発生してしまう。そこで、C群は上記不具合点を解消することを目的とする。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の気腹針によれば、構造が簡単であると共に、その気腹針を構成する部品点数も少なくて済み、気腹針を隅々まで容易かつ確実に洗浄できる。その結果、洗浄メンテナンスが確実かつ容易で、気腹針を通じての感染症の危険から患者を防ぐことができる。また、体壁に穿刺貫通した後、内針は外套管の先端より突き出した状態で係止されるため、内蔵を傷つけることなく穿刺する手技を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態に係る気腹針を示す縦断面図、(b)は(a)で示すA−A線に沿ってのケーシングの部分の断面図。
【図2】第1実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の係止解除の操作を説明する断面図。
【図3】第1実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の状態の説明図。
【図4】第2実施形態に係る気腹針を示す縦断面図。
【図5】第2実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の係止解除の操作を説明する断面図。
【図6】第3実施形態の気腹針にシースを組み合わせた状態を示す側面図。
【図7】第3実施形態の気腹針の側面図。
【図8】第3実施形態のシースの側面図。
【図9】第4実施形態の気腹針にシースを付設したシース付気腹針の組み立て状態の側面図。
【図10】
第4実施形態のシースの斜視図。
【図11】
第5実施形態のシース付気腹針のシースの斜視図。
【符号の説明】
1…外套管、2…内針、3…穿刺用エッジ部、4…穿刺針、5…ケーシング、L…外套管の中心軸、6…係止用穴、10…本体、11…規制用スリット、12…ばね受け部、13…チップ、14…送気孔(開口部)、16…送気用管路、21…ピン(突起)、22…板ばね、23…ばね部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、腹腔内の内視鏡下外科手術において腹壁に穿刺し、その腹腔内に例えばCO2 ガス等の気体を送り込むための気腹針に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラパロスコピックコレシストミーを始めとする腹腔内の内視鏡下外科手術では手技の最初において気腹を行う。このため、腹壁に気腹針を穿刺し、その気腹針を通じて腹腔内にCO2 ガス等を送り込むようにしている。
【0003】
一般的に用いられる気腹針は特開平5−130999号公報に示されるように先端が鋭利な穿刺用外套管と、この外套管内部に挿通され、気腹ガスを通すための管路を有するとともに先端部分が鈍な形の内針とからなる。そして、通常、内針は外套管の基端側に設けられたばね部材の付勢力により付勢され、内針の先端部分が外套管の鋭利な先端よりも突き出すことにより外套管の鋭利な先端を保護する位置にある。
【0004】
このような気腹針を腹壁に挿入する際には内針は腹壁に押し当てる力により外套管内に押し込まれて退避し、外套管の鋭利な先端部が腹壁に穿刺していく。外套管の先端が腹壁を貫通すると、それまで腹壁に押されていた内針は前記ばね部材の付勢力により再び外套管の先端より突出して保護する位置に戻る。
外套管の先端より突出する内針の先端は鈍な形になっているので、その内針の先端で腹腔内の臓器を傷つけることはない。
【0005】
しかし、内針は、ばね部材の付勢力で外套管の先端から突き出すように付勢されているのみであり、その内針に軸方向への力が加えられると、外套管内に押し戻されてしまう。従って、外套管の先端が腹壁を貫通した時の勢いが特に強いと、その勢いで内針の先端が臓器に当たり、内針は外套管内に押し戻されて、外套管の鋭利な先端が直接に臓器に当たり、臓器を傷付ける虞がある。そこで、術者はこのような状況が起きないように気腹針の穿刺は非常に気を使うため、その作業性は極めて悪い。
【0006】
この点を改良したものとして、特開平5−154157号公報での気腹針が知られている。この気腹針も同様に外套管と内針とからなるが、さらに外套管に対する内針の動きが術者にわかるように、手元側に内針の位置を示す位置表示器と気腹ガスの流れを示す液位表示器、及び内針の動く音を増幅する音響増強機構を設け、術者に穿刺時の注意を促すようにしてある。
【0007】
しかし、この気腹針にあっての内針は、ばね部材の付勢力で外套管の先端から突き出すように付勢されているのみであり、このため、前記従来例と同様に外套管の先端が腹壁を貫通した時の勢いが強いと、その勢いで内針の先端が臓器に当たり、その際に内針が外套管内に押し戻されて、外套管の鋭利な先端が直接に臓器に当たり、臓器を傷付ける虞がある。この場合にも、術者は臓器を傷付けることが起きないように気腹針の穿刺には気を使う必要があり、前記従来例と同じく作業性の悪いものであった。
【0008】
一方、実開平5−58101号公報での気腹針は、外套管に対し内針を保護位置でロックする手段とそのロック解除手段が設けてあるが、それらの手段は突合せ端面とカム面等を有するキャリア、複雑に変形した爪状のばね、ロック解除カム面とロック解除肩面とを有したロック解除ボタンなどの多数の複雑な部材を内部に組み込んだ構造の高価なものである。また、それの分解や洗浄が非常に困難なものであるため、医療器を通じての感染を防ぐためにはその高価な気腹針を使い捨てにするしかなく経済性が非常に悪い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の気腹針にあっては気腹針を穿刺する作業上、非常に気を使わざるを得ず、作業性の悪いものであったり、構造の複雑なロック機構を設けるものであり、その分解や洗浄も非常に困難であるとともに、かなり高価なものとなり、経済性に劣るなどの問題点があった。
【0010】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは構造が簡単であり、また内蔵を傷つけることなく穿刺できる気腹針を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿される内針と、前記内針の基端側に接続され、前記内針よりも太径に形成された手元本体部と、前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突出した凸部と、前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させる第1の付勢手段と、前記溝部に設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、前記凸部と前記穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、前記手元本体部に設けられ、前記凸部と前記穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、を具備してなることを特徴とする気腹針である。
請求項2に係る発明は、先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿され、前記外套管から取り外し可能な内針と、前記内針の基端側に接続され、前記内針と一緒に前記外套管から取り外し可能な手元本体部と、前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突き出した凸部と、前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させると共に、前記手元本体部と前記ケース体の間に装着され、かつ、前記手元本体部と前記ケース体から単独で取り外し可能な第1の付勢手段と、前記ケース体に前記溝部に位置して設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、前記凸部と穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、前記手元本体部に設けられ、前記凸部と穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、を具備することを特徴とする気腹針である。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
(構成)
図1(a)は第1実施形態に係る気腹針を示す縦断面図である。この気腹針は外套管1と内針2を備える。外套管1は先端に鋭利な穿刺用エッジ部3を形成した管状の穿刺針4とこの穿刺針4の基端側にて接着やろう付け等により取着固定されている筒状のケーシング5とから成り、穿刺針4とケーシング5は外套管1の中心軸Lと共に同軸的な配置で連結されている。また、穿刺針4に比べてケーシング5は太く形成されている。
【0013】
前記外套管1の基端部を形成するケーシング5の周壁には貫通する係止用穴6を設けてあり、ケーシング5の基端側外周には雄ねじ部7が設けられている。この雄ねじ部7にはカバー部材8が螺合している。カバー部材8の基端壁面にはその周壁に対して同軸な貫通する穴9が設けられている。
【0014】
図1(b)は図1(a)で示すA−A線に沿っての前記ケーシング5の断面図である。ケーシング5の内部には前記穴6と同じ位置で前記軸線Lと平行な長手方向に沿って後述するピン21をガイドする規制用スリット11が設けられており、また、スリット(溝)11と正対する位置には平坦な面からなるばね受け部12が同じく前記軸線Lと平行な長手方向に沿って設けられている。
【0015】
一方、前記内針2の先端部には先端が鈍に丸められたチップ13が取着固定されている。内針2の先端部の側面には少なくとも1つの送気孔(開口部)14が設けられている。内針2はその基端部に接着もしくはろう付け等によって取着固定した筒状部材からなる本体10が設けられている。前記本体10の基端側には内面がルアーテーパー(メス)状に形成された口金15が形成されており、この口金15の部分は内針2及び本体10内に形成された送気用管路16を通じて前記送気孔14に連通するようになっている。
【0016】
前記内針2の本体10はその先端側部分17の外径が基端側部分18の外径に比べて大きく、その間の段差端面によって突当て部19を形成している。また、本体10の基端側部分18の外径は前記カバー部材8の穴9の内径より十分小さい径を有している。
【0017】
前記本体10の先端側部分17には前記係止用穴6の径より小さい径でかつ前記スリット11の幅より狭い径を有するピン(突起)21が固定的に取着されている。このピン21は前記スリット11に常に嵌り込んで係合し、前記外套管1と前記内針2との軸周りの回転を規制する回転規制手段を構成している。また、係止用穴6はそのスリット11の途中に設けられ、スリット11に沿って移動する途中で前記ピン21が落ち込んで係合するようになっている。
【0018】
さらに、本体10の先端側部分17には、前記ピン21とは反対側に位置して板ばね22の一端が固定されている。この板ばね22の他端側の自由端部分は湾曲しており、その湾曲した途中腹部分は前記ばね受け部12に当接している。この板ばね22は前記ばね受け部12側に固定し、本体10の先端側部分17に当接するようにしてもよい。そして、板ばね22は前記ピン21を前記係止用穴6側へ向けて弾性的に、ピン21を設けた本体10を付勢する付勢部材であって係合用付勢手段を構成する。
【0019】
前記本体10はケーシング5の内部スペースで少なくともピン21と板ばね22とを結ぶ方向へその板ばね22の付勢力を受けながら移動できるように設置されている。
【0020】
また、内針2は前記係止用突起としてのピン21がこれの係止用穴6に入った係合状態で、前記送気孔14が前記穿刺針4のエッジ部3より先に位置して露出するように突出する全長を有している。
【0021】
前記ケーシング5内には前記軸線Lに沿って内針2を前方へ弾性的に付勢するばね部材23が設置されている。ここでのばね部材23は前記本体10の基端側部分18の外周に緩く巻装するコイルばねからなり、そのばね部材23の基端は前記カバー部材8の基端内壁面に当接しており、ばね部材23の先端は前記突当て部19の端面に当接している。そして、このばね部材23は前記外套管1の先端より突出する位置に向けて前記内針2を付勢する内針付勢手段を構成する付勢部材である。
【0022】
(作用)
使用前において気腹針は通常、図1(a)で示す状態にある。つまり、内針2はその先端部が外套管1の先端から突き出し、穿刺針4のエッジ部3よりも先にチップ13と送気孔14が位置している。また、板ばね22の弾性付勢力を受けて前記内針2の本体10にあるピン21は前記ケーシング5の係止用穴6に嵌り込んで係止している。そして、外套管1に対して内針2はその突出位置に保持されている。
【0023】
次に気腹針を体壁25に穿刺する際、術者は図2で示すように板ばね22の付勢力に逆い、口金15を径方向に押す。すると、ピン21は係止用穴6から抜けて外れる結果、内針2は外套管1のケーシング5内で軸方向に移動可能となる。
【0024】
この状態で、術者は体壁25へ外套管1を押し付ける。内針2は体壁25からの圧力によりばね部材23を縮めながら手元方向へ移動していく。この際、内針2はピン21がケーシング5内のスリット11内に嵌り込んで軸方向へガイドされるため、内針2は回転することなく移動していく。そして、図3で示すように外套管1のエッジ部3が内針2の先端のチップ13よりも先に突き出す状態となり、このエッジ部3によって外套管1を体壁25に穿刺していく。
【0025】
外套管1が体壁25を貫通すると、内針2はその体壁25からの押圧力から解放されるため、ばね部材23の付勢力により再び先端側へ移動し、チップ13はエッジ部3より先に突出するとともに、内針2の本体10は板ばね22の弾性付勢力を受けているため、内針2の先端のチップ13が図1(a)のように外套管1のエッジ部3より先に突き出した位置になると、本体10のピン21はケーシング5の穴6に入り、それに係止する。このため、内針2は外套管1に再び係止・固定される。
【0026】
このとき、内針2に設けられたピン21は相対する位置での板ばね22の付勢力を受け、ケーシング5の係止用穴6に係止しているため、内針2は外套管1に対し先端のチップ11が突出したままに維持されている。
この後は通常の気腹針と同様の操作で気腹を行う。そして、気腹針の使用が不要となったらその気腹針を引く抜く。
【0027】
術後、使用した気腹針を洗浄するが、この際、ケーシング5に螺合しているカバー部材8を取り外すことで、外套管1と内針2を分解し、ケーシング5の内部やばね部材23も含め、各部品を洗浄する。
【0028】
(効果)
気腹針を穿刺する際、外套管1が体壁25を貫通すると、先端が鈍の内針2が外套管1よりも突出した状態で確実に固定されるため、穿刺時の勢いで気腹針の先端が臓器に当たっても、穿刺針4のエッジ部3が臓器に直接当たることがない。従って、臓器を必要以上に傷つけることを防ぐことができ、術者が安心して手技に集中することができる。
また、気腹針の構造が簡単であると共に、その気腹針を構成する部品点数も少なくて済む。また、気腹針を簡単に分解できるため、隅々まで容易かつ確実に洗浄でき、その結果、気腹針を通じての感染症の危険から患者を防ぐことができる。
【0029】
<第2実施形態>
図4及び図5を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
(構成)
図4は第2実施形態に係る気腹針を示す縦断面図である。この気腹針は前述した第1の実施形態の気腹針と同様、外套管1と内針2を備える。これらは第1実施形態のものと同様な構成を備えるが、次の点で相違するものである。すなわち、外套管1の穿刺針4は内針2をその長手方向に移動でき、かつ内針2の外径に極めて近い内径を有する。このため、内針2は穿刺針4の中心軸Lに沿って略直線的に移動するようにガイドされる。
【0030】
内針2は超弾性合金もしくは弾性を有する樹脂から成り、強制的に湾曲させることができるようになっている。また、板ばね22は備えていない。
(作用)
第1実施形態同様、穿刺する時、図5で示すように口金15を径方向に押す。このとき、外套管1と内針2との隙間は小さいため、その内針2はケーシング5に近い基端側部分を支点に曲がり、ピン21は係止用穴6から外れ、外套管1から内針2の係止が解除される。
【0031】
体壁25に外套管1を穿刺し、外套管1の先端が体壁25を貫通したときは、内針2の弾性によりピン21が穴6に入り込み、再び内針2は外套管1と係止状態となり、その状態が維持される。
【0032】
(効果)
この実施形態によれば、前記第1実施形態のものに比べ、ばね部材22が不要であるため、より部品点数が少なく構成がより簡略化し、分解後の洗浄、組み立てがさらに楽になる。
【0033】
<第3実施形態>
図6乃至図8を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。
(構成)
図6は前述したような構造の気腹針31にシース32を組み合わせた状態を示し、図7はその気腹針31を示し、図8はシース32を示したものである。
この気腹針31は外套管33と内針34とからなる針部35、把持部36、送気口金37を備えて成る。送気口金37から針部35の先端部にかけてその内部には前述したような通気用管路が設けられており、送気口金37から送り込まれた気腹ガスは針部35の先端開口38から腹腔内に送り込まれるようになっている。把持部36の先端側部分にはシース32を着脱自在に係止固定するためのピン39が設けられている。
【0034】
前記シース32はパイプ状の挿入部41と口金42とから成る。挿入部41の内径は前記針部35の外径よりわずかに大きく設けられている。また、口金42の側面には送気口金43が設けられ、シース32に処置具等を挿通した状態でも気腹ガスを補充できるようになっている。さらに、口金42の内周面には、ピン39を掛合して着脱自在に固定するための溝44を設けている。
【0035】
図6で示すように、前記気腹針31とシース32を組み合わせた状態で、気腹針31の先端と、シース32の先端との距離lが、一般的な腹壁の厚さより若干長い程度(通常5〜10cm程度)になるように針部35と挿入部41の長さがそれぞれ設定されている。
【0036】
(作用)
気腹針31とシース32を組み合わせた図6で示す状態で、腹腔に穿刺する。このとき、気腹針31の先端をシース32の先端との距離lは腹壁の厚さよりわずかに長いので、気腹針31の先端が腹腔内に貫通しても、シース32は体外に残った状態となる。
【0037】
次に、気腹針31とシース32の固定を解除し、気腹針31を腹腔内に残したままシース32をスライドさせて腹腔内へ押し込む。
シース32が腹腔内に達した後、気腹針31を抜去する。
【0038】
(効果)
これによれば、気腹針31が完全に腹腔内に穿刺されるまでシース32は体外にあるため、穿刺時の抵抗が普通の気腹針と同じであり、安全に穿刺できる。
気腹針31をガイドとして安全にシース32を挿入できる。
気腹針31を抜去した後、トラカールを穿刺するという従来の方法に比べて、迅速に内視鏡下手術を施行することができる。
【0039】
<第4実施形態>
図9及び図10を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態は前述したような気腹針51にシース52を付設したシース付気腹針の例であり、図9はその全体を示している。
前記気腹針51はその挿入部が外套管(外針)53と、その外套管53の中にスライド自在に挿入された内針(内管)54とより構成されている。気腹針51の手元操作部55にはガス注入口金56を設けてあり、ここに気腹ガスを送るチューブ(図示しない)を接続するようになっている。
【0040】
前記内針54は先端にガス吹出し孔(開口部)57を設けてあり、前記ガス注入口金56から注入した気腹ガスを腹腔内に吹出すようになっている。
また、内針54には図示されていないが、外套管53内に設けた付勢手段により先端側に向けて突き出すように弾性的に付勢されており、内針54の先端に押す力が加わると、その内針54は外套管53の中に引っ込むようになっている。
【0041】
前記シース52は気腹針51に対して着脱自在に装着されるものである。そして、シース52の手元側には照明光入射面をもつライトガイド口金58が設けられてあり、シース52の先端側にはそのシース先端周縁に沿ってリング状に配置した照明光出射面59を設けてある。
【0042】
さらに、ライトガイド口金58の照明光入射面から照明光出射面59の間にはライトガイドファイバーを配置してなり、ライトガイド口金58から照明光出射面59に照明光を伝達するようになっている。
【0043】
(作用)
気腹針51にシース52を装着した状態で、その気腹針51を腹壁を貫通させる。このとき、内針54の先端は組織に押されて、外套管53の中に引っ込んだ状態となる。
そして、気腹針51の先端が腹腔内に達すると、内針54を押すものが無くなるので、内針54は外套管53の先端から突き出して、図9で示す状態となる。この状態で気腹ガスを送り込まれる。腹腔内では外套管53の先端より内針54が突き出す保護状態にあるので、外套管53で臓器を傷付けることがない。
【0044】
シース付き気腹針51を腹壁に穿刺し、気腹後、その気腹針51のみ抜去して、シース52を残し、そのシース52の中に内視鏡を装着して腹腔内を観察する。そして、腹腔内での照明光量が不足する状況の時にはシース52のライトガイド口金58に、図示しない照明光源装置から照明光を供給するライトガイド供給ケーブルを接続し、シース52の先端にある照明光出射面59から照明光を出射させる。
【0045】
(効果)
照明光が不足しているときにはシース52のライトガイド口金58にライトガイド供給ケーブルを接続するだけで、照明光の不足を補うことができる。また、このシース付き気腹針51で気腹し、シース52を残して、気腹針51を抜去し、シース52内に内視鏡を挿入して、腹腔内等を内視鏡で観察している場合において、照明光量が不足しても、腹壁の別の場所に穴を開けて、トラカールシースを穿刺して、あらたに別の照明手段を挿入する必要がなく、簡単に補助照明をすることができる。さらに、患者にとってみれば、追加の穴を開けて、追加のトラカールを穿刺されることもないというメリットがある。
【0046】
<第4実施形態の変形例>
第4実施形態におけるシース52の少なくとも挿入部分が、透明な部材で構成されており、シース52の手元側にはライトガイド口金58が設けられ、シース52の先端側には照明光出射面が設けてある。そして、シース52の中を照明光を伝送するようにしてもよい。
【0047】
<第5実施形態>
図11を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態では前述した第4の実施形態におけるシース52の内周面60が光学的な反射面で構成してある。そして、手元側には同じようにライトガイド口金58が設けられ、そのライトガイド口金58から入射した照明光をシース52の内周面60で反射させて伝送し、シース52の先端部分から出射させるようにしたものである。
【0048】
(作用・効果)
第4実施形態と同じような作用・効果が得られる。
[付記]
(A群)
1.先端に鋭利な穿刺部を有する外套管と、前記外套管に内挿され、先端が鈍(鋭利でない)でかつ先端側部分に送気用開口部を有すると共に前記開口部に通じる送気用管路を有する内針と、前記外套管と前記内針の軸周りの回転を規制する回転規制手段と、前記内針の前記開口部が、前記外套管の先端よりも突出する位置に前記内針を付勢する内針付勢手段とを有する気腹針において、
前記内針の前記開口部が、前記外套管先端よりも突出した状態で内針を係止する係止手段を設け、この係止手段は前記外套管の基端部と前記内針の基端部との一方に設けた穴と、他方に設けられ前記穴に係合する突起と、前記穴に係合する向きに前記突起を付勢する係合用付勢手段とを具備してなることを特徴とする気腹針。
【0049】
2.前記付勢手段としては、前記突起と前記穴が係合する位置で前記内針の基端部を付勢するばね部材を設けてなることを特徴とする第1項に記載の気腹針。
3.付勢手段としては、前記内針を超弾性合金により形成し、その内針自体の弾性を利用することを特徴とする第1項に記載の気腹針。
4.付勢手段としては、前記内針を弾性を有する樹脂により形成し、その内針自体の弾性を利用することを特徴とする第1項に記載の気腹針。
5.前記係止手段の穴と突起のどちらか一方を前記外套管の基端部に設けられたケーシング部に形成したことを特徴とする第1項に記載の気腹針。
【0050】
(B群)
1.内視鏡や処置具を体腔内へ導入するためのシースを着脱自在に一体的に設けたシース付き気腹針において、気腹針の先端からシースの先端までの長さを腹壁の厚みより若干長い程度としたことを特徴とする気腹針。
2.気腹針の先端からシースの先端までの長さを5〜10cmとしたことを特徴とする第1項の気腹針。
(B群の従来と課題)腹腔内の内視鏡下手術の手順として、まず気腹針を腹腔に穿刺し、その気腹針を通してCO2 ガス等の気腹ガスを腹腔内に送り込み、膨らました後、内視鏡や処置具を導入するためのトラカールを腹腔に穿刺するのが一般的である。しかし、緊急に腹腔内を観察する場合に上記手順を短縮するため、気腹針の上に内視鏡や処置具を導入するためのシースを一体的に設けたシース付き気腹針が考案されている。これを用いれば、気腹針とシースが同時に腹腔内へ穿刺可能となる。
【0051】
気腹針を腹腔内に穿刺する際には、内臓を傷付けないように、慎重に行う必要があるが、従来のシース付き気腹針では、気腹針の先端がシース先端からわずかに突出するように設けられており、この部分が大きな段差になっていたため、穿刺する際に大きな抵抗を生じて安全に穿刺することが困難であった。
そこで、B群は、安全かつ迅速に穿刺することのできるシース付き気腹針を提供することである。
【0052】
(C群)
1.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シースに照明光伝送ライトガイドを設け、シース先端側に出射面を設け、シース手元側に、照明光入射面を設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
2.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シース内に照明光伝送用ライトガイドファイバーをリング状に設け、シース先端側に出射面を設け、シース手元側に、照明出入射面を突出させて設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
3.気腹針の外周に、着脱自在なシースを設けたシース付き気腹針において、シースを透明部材で形成し、シース先端側に照明光出射面を設け、シース手元側に、照明光入射面を設けたことを特徴とするシース付き気腹針。
【0053】
(C群の従来と課題)
腹腔内の鏡視下手術の際に、最初、気腹を行うために、シース付き気腹針を使用し、この気腹針を腹壁に穿刺して、腹腔内に、気腹ガスを送り込む。気腹終了後、シースのみ残して、気腹針を抜去する。その後で、残されたシースに内視鏡(腹腔鏡)等を挿入して体腔内の観察を行う。
この従来技術ではシースから挿入した内視鏡によって観察している時に、照明光が不足して、補助照明手段が必要になることがある。この場合には、(腹腔内は広いので、光量が不足することあり。)別の場所にトラカールシースを穿刺して、新たに別の照明手段を挿入しなくてはいけないと言う不具合が発生してしまう。そこで、C群は上記不具合点を解消することを目的とする。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の気腹針によれば、構造が簡単であると共に、その気腹針を構成する部品点数も少なくて済み、気腹針を隅々まで容易かつ確実に洗浄できる。その結果、洗浄メンテナンスが確実かつ容易で、気腹針を通じての感染症の危険から患者を防ぐことができる。また、体壁に穿刺貫通した後、内針は外套管の先端より突き出した状態で係止されるため、内蔵を傷つけることなく穿刺する手技を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態に係る気腹針を示す縦断面図、(b)は(a)で示すA−A線に沿ってのケーシングの部分の断面図。
【図2】第1実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の係止解除の操作を説明する断面図。
【図3】第1実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の状態の説明図。
【図4】第2実施形態に係る気腹針を示す縦断面図。
【図5】第2実施形態に係る気腹針を体壁に穿刺する際の係止解除の操作を説明する断面図。
【図6】第3実施形態の気腹針にシースを組み合わせた状態を示す側面図。
【図7】第3実施形態の気腹針の側面図。
【図8】第3実施形態のシースの側面図。
【図9】第4実施形態の気腹針にシースを付設したシース付気腹針の組み立て状態の側面図。
【図10】
第4実施形態のシースの斜視図。
【図11】
第5実施形態のシース付気腹針のシースの斜視図。
【符号の説明】
1…外套管、2…内針、3…穿刺用エッジ部、4…穿刺針、5…ケーシング、L…外套管の中心軸、6…係止用穴、10…本体、11…規制用スリット、12…ばね受け部、13…チップ、14…送気孔(開口部)、16…送気用管路、21…ピン(突起)、22…板ばね、23…ばね部材。
Claims (2)
- 先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、
端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿される内針と、
前記内針の基端側に接続され、前記内針よりも太径に形成された手元本体部と、
前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突出した凸部と、
前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、
前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させる第1の付勢手段と、
前記ケース体に前記溝部に位置して設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、
前記凸部と前記穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、
前記手元本体部に設けられ、前記凸部と前記穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、
を具備することを特徴とする気腹針。 - 先端に鋭利な穿刺部を備え、中空体からなる細長の外套管と、
端部を鈍状に形成した先端部を備え、前記外套管に内挿され、前記外套管から取り外し可能な内針と、
前記内針の基端側に接続され、前記内針と一緒に前記外套管から取り外し可能な手元本体部と、
前記手元本体部の外周面に設けられ、径方向に突き出した凸部と、
前記外套管の基端側に接続され、前記凸部を長手方向にガイドするスリット状の溝部を内周面に備えるとともに、前記手元本体部を遊嵌する筒状のケース体と、
前記先端部を前記穿刺部よりも先端側に突出させるように、前記凸部と前記溝部によるガイドに沿って前記手元本体部を先端側に付勢させると共に、前記手元本体部と前記ケース体の間に装着され、かつ、前記手元本体部と前記ケース体から単独で取り外し可能な第1の付勢手段と、
前記ケース体に前記溝部に位置して設けられ、前記第1の付勢手段によって付勢された前記手元本体部の前記凸部と係合するための穴部と、
前記凸部と前記穴部とが係合可能となるように前記手元本体部を前記穴部側に向かって径方向に付勢させる第2の付勢手段と、
前記手元本体部に設けられ、前記凸部と前記穴部との係合を解除可能となるように前記第2の付勢手段の付勢に逆らって前記手元本体部を押圧するための押圧部と、
を具備することを特徴とする気腹針。
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