JP3683123B2 - プレス成形用ガラスおよび情報記録媒体用基板ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱軟化ガラスをプレス成形し、更にアルカリイオン交換により化学強化して、レンズ等の光学用ガラス、小型基板ガラスなどのガラス成形体を得るうえで好適なプレス成形用ガラスに係り、特に磁気記録媒体などとして好適に採用し得る情報記録媒体用基板ガラスに関する。
【0002】
【従来技術】
例えば情報記録媒体用基板ガラスとしては、ソーダ石灰シリカ系ガラス並、またはそれより低い温度で容易に溶融でき、またソーダ石灰シリカ系ガラスより低い軟化温度を有し、プレス成形が容易でプレス型に倣った精緻な面を形成でき、かつプレス成形型とも熱膨張係数が近似していて型くずれし難く、更にアルカリイオン交換によるいわゆる化学強化度合いの高いことが要求される。
【0003】
なお、従来一旦プレス成形したガラスを、面平滑性を得るために研磨する方法を採るのが一般的であったが、研磨に時間、手間を要し、コストも高騰するので好ましくない。別にフロート成形法により滑らかな面を形成する提唱例もあるが、フロート成形法は窓ガラス等の比較的大サイズのガラスを大量生産するうえでは好適であるが、情報記録媒体用基板等の小型で精密な基板を製造するうえには適さない。
【0004】
公知の例では、例えば米国特許第4156755号公報には、SiO2−Al2O3−Li2O−Na2O系において更にZrO2を含むガラスであって、イオン交換によるところの強化ガラスが開示されているが、このガラスはSiO2およびAl2O3+ZrO2の量が比較的多く、溶融、成型温度も高くなり、易溶性、プレス成形をはじめとする成形性に課題を残す。
【0005】
特開平10−1329号公報には、SiO2−Al2O3−Li2O−Na2O−CaO系(ZrO2非含有)であって、フロート法成形に適した化学強化用ガラス組成物および化学強化ガラス物品が開示されている。一般に、化学強化ガラスは水分(湿分)による劣化が懸念されるところであり、特に、情報記録媒体などの精密電子機器用に供する場合は、厳しい耐候、耐湿性が要求される。ZrO2成分の含有が耐候、耐湿性に優れることは知られているが、本公知例においてはZrO2を含まない分、前記特性を満足し難いと思われる。
【0006】
特開平5−32431号公報には、SiO2−Al2O3−Li2O−Na2O−ZrO2系からなる化学強化用ガラス、およびそれを用いた化学強化ガラスが開示されている。該公知例の化学強化用ガラスは、上記とは逆にZrO2分を過量に含むが、過量の含有はガラスの溶融温度を高くし、成形、特にプレス成形を困難とする。
【0007】
特開平10−158028号公報には、SiO2−Al2O3−Na2O−K2O−RO−ZrO2系ガラス(前記ROは、MgO、CaO、SrO、BaOである)からなり、傷がつき難く、フロート成形にも適した磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクが開示されている。該公知例のガラスは、Na2O分に比べK2O分を多量に含有するが、溶融カリウム塩によりガラス中のナトリウム分をイオン交換するという観点からすれば、効率的なイオン交換をし難いと思われる。また、溶融温度、成形温度も高い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来易溶性、プレス成形をはじめとする成形性に難点があったり、耐候、耐湿性が不充分であったり、イオン交換による化学強化性を満足し得なかったりするケースがあったが、本発明は容易に溶融でき、プレス成形が容易でプレス型に倣った精緻な面を形成でき、かつプレス成形型とも熱膨張係数を近似させることができて型くずれし難く、更にアルカリイオン交換によるいわゆる化学強化度合いの高いプレス成形用ガラスを提供すること、特に磁気記録媒体などとして好適に採用し得る情報記録媒体用基板ガラスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガラスを熱軟化状態でプレス成形し、更に該成形物をアルカリイオン交換によるところの化学強化を施すための前記プレス成形体を得るためのガラスにおいて、ガラスの成分組成が、wt%で、SiO2 51〜58、Al2O3 10〜15、Li2O 0〜3、Na2O 15〜25、K2O 0〜4、MgO 0〜4、CaO 0〜3、SrO 0〜3、BaO 1〜10、TiO2 0〜5、ZrO2 0.5〜4の範囲としたプレス成形用ガラスである。
【0010】
上記において、ガラスの102ポイズ相当温度が1450℃以下、104ポイズ相当温度が1000℃以下、軟化点が700℃以下であることが好ましい。
【0011】
加えて、ガラスの1010ポイズ相当温度が600℃以下であることが望ましい。
【0012】
更に加えて、ガラスの熱膨張係数(室温〜転移点)が110〜140×10-7/℃であることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、上記プレス成形用ガラスを、その軟化点以下の温度でプレス成形し、更に該成形物をカリウム塩を含む溶融塩中でアルカリイオン交換し、化学強化を施した情報記録媒体用基板ガラスである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のプレス成形用ガラスは、ガラス原料を溶融し、清澄、均質化して得られた溶融ガラスより、例えば鋳込み成形により、一旦目的形状に類似したかたちの予備成形体を製造し、これを改めて加熱してプレス成形に供して二段階で製造するものである。または、前記予備成形形状としたうえで、そのまま保熱状態で、若干の加熱調整のうえでプレス成形に供して連続的操作で製造することもできる。
【0015】
ガラスの溶融に際しては、ガラス粘度102ポイズにおいて、ガラスがきわめて流動性に富み、溶融、均質化させるうえで効果を奏する。従って102ポイズ相当温度は溶融温度とも称される。溶融が容易とされる一般のソーダ石灰シリカ系ガラスにおける粘度102ポイズ相当温度は1400〜1450℃の範囲であるが、本発明のガラスにおいてもそれと同等以下、すなわち1450℃以下とするものである。
【0016】
前記予備成形するための温度、すなわち作業温度は、一般的にガラスの粘度104ポイズが、ガラスを板状、容器状等に熱加工するうえで指標となる粘度であり、本発明における予備成形にもあてはまるものである。前記104ポイズ相当温度は一般のソーダ石灰シリカ系ガラスにおいては1000℃程度であり、本発明のガラスもそれと同等以下、すなわち1000℃以下とする。
【0017】
本発明におけるプレス成形に際するプレス型母材は、耐熱性で耐摩耗性に優れる材料、すなわち合金鋼(例えばオーステナイト鋼)、サーメット(例えばTiC-Mo-Ni系)、セラミック(例えばアルミナ、ジルコニア)等が採用される。プレス型母材は所望の形状および光学面に加工、研磨され、更にその上に、熱軟化した被成形用のガラス(プレス成形用ガラス)がよく密接でき、被成形用のガラスにより侵食され難い熱的、化学的に安定な薄膜、すなわち、貴金属膜、タングステン膜、タンタル膜、それら金属の合金膜を、例えばスパッタ法等により形成することにより、成形面が形成される。従来、一旦ガラスを成形しても、光学面を得るうえで成形ガラスの表面を研磨加工していたが、上記処置を施すことにより、研磨加工をすることなく、所望の光学面を得ることができる。
【0018】
勿論被成形用のガラスにおいても、上記光学面を得るうえで、熱物性その他においてプレス成形に適した特性を必要とし、また、更にイオン交換、化学強化を施すうえでも適した特性を必要とするものである。
【0019】
プレス成形におけるガラス粘度は、ガラス軟化点相当の107.6ポイズないし1012ポイズ、より好適には1010ポイズ付近とするのがよい。107.6ポイズ未満の低い粘度では、被成形用ガラスがプレス型の面に被着し易く、剥離が容易ではなくなり、また剥離の際ガラスが型崩れを生じ易い。またプレス型の損耗が激しくなる。1012ポイズ超過の高い粘度では、被成形用ガラスがプレス型の面と密接し難く(馴染み難く)なり、プレス型の面に精緻に倣った光学面を得難くなる。
【0020】
前記プレス成形する際の温度に関し、前記プレス型母材および薄膜が耐熱性、耐摩耗性で、対侵食性に優れるとはいえ、高温で繰返しプレスすると、摩耗により光学面を損じ易い。従って107.6ポイズ相当温度(軟化点)は、一般のソーダ石灰シリカ系ガラスが720〜740℃程度であるのに対し、700℃以下とするのが好ましく、より好適粘度、すなわち1010ポイズにおいては600℃以下とするのがよい。
【0021】
またプレス成形圧を1× 10 3 k Paないし5× 10 3 kPaの範囲とするのがよい。プレス成形圧を5× 10 3 kPaを越えた高圧力とすると、ガラスにひび割れ、破損を生じ易くなり、またプレス型自体も損耗する。プレス成形圧を1× 10 3 k Pa未満の低圧力とすると、プレス型の面に倣った光学面を得難くなる。
【0022】
上記ガラス粘度(温度)−成形圧力範囲において、被成形ガラスは前記プレス型(薄膜)ともよく密接し、従って微細にわたり前記母材の光学面に一致した光学面を得ることができる。
【0023】
ガラスの熱膨張係数はプレス型のそれと近似させる。熱膨張係数は室温〜転移点間の平均値として110〜140×10-7/℃の間で適宜設定するもので、例えばプレス型がオーステナイト鋼に代表される耐熱鋼の場合は110〜120×10-7/℃程度とする。
【0024】
本発明のプレス成形用ガラスにおいて、アルカリイオン交換による化学強化は、その条件を特定するものではなく、ガラスが熱変形し難い歪点以下、かつ硝酸カリウム塩或いは更に硝酸ナトリウム混合塩の融点以上の温度の溶融塩中にガラスを浸漬し、数時間のオーダーでイオン交換処理を行う。なお、情報記録媒体用基板ガラスとしては、化学強化後、JIS R 1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に則り、3点曲げ試験による曲げ強度試験において、2.5 × 10 5 kPa以上が好適とされる。
【0025】
プレス成形用ガラスは、以下の成分組成よりなる。
【0026】
SiO2はガラスを形成する主要成分であり、ガラス中51〜58wt%の範囲で含有させる。51wt%未満では、ガラス形成が容易ではなくなり、失透が生じ易くなり、ガラス自体の耐候、耐水性を悪化する。58wt%を越えるとガラス溶融温度を高くし、また予備成形を含めた成形、特にプレス成形するうえで、成形温度を上昇する。
【0027】
Al2O3は、SiO2に伴わせてガラスを形成する成分でもあるが、化学強化に際するイオン交換速度を速めるうえで必須の成分であり、ガラス中10〜15wt%の範囲で含有させる。10wt%未満では前記作用効果が不十分であり、15wt%を越えるとガラス粘度を高くし、予備成形、プレス成形の温度を上昇する。
【0028】
Na2Oはイオン交換による化学強化を行うため必須の成分であり、またガラス溶解性、成形性を容易とする成分である。更に、他のアルカリ金属成分原料より容易、安価に入手できるという利点がある。Na2Oはガラス中15〜25wt%の範囲で含有させるもので、15wt%未満ではガラスの粘度が高くなり、前記溶融、成形温度を上昇する。25wt%超過ではガラス粘度を必要以上に低め、またガラスの耐候、耐水性を悪化する。より好ましくは20〜25wt%の範囲とする。
【0029】
K2Oはガラスの溶融性を高めるうえで、またガラスの粘度や熱膨張係数を調整するうえで、必要に応じ適宜導入するものである。なお、ガラス中4wt%を越えると熱膨張係数を過大としたり、ガラス粘度を必要以上に低めるので4wt%以下とするのがよい。
【0030】
Li2O(Li+)は、K+やNa+などとのイオン交換により化学強化に携わる成分ではあるが、本発明の成分系においては、前記Na2O(Na+)をK+でイオン交換することにより充分な強化を可能とするので必須とするものではない。ただし、Li2Oはガラス溶融を低下させ、また成形を容易にする作用があるので、適宜3wt%以下の範囲で含有させることができる。3wt%超過ではガラス粘度を必要以上に低め、また原料コストを高騰する。
【0031】
MgOはガラスの溶解性を高めるうえで、またガラスの粘度や熱膨張係数を調整するうえで、必要に応じ適宜導入する成分である。MgOはCaO同様、アルカリ金属成分原料より安価に入手できる利点がある。但しガラス中4wt%を越えて含有させるとイオン交換速度を低下させるので4wt%以下が望ましい。
【0032】
CaOもガラスの溶融性を高め、ガラスの粘度や熱膨張係数を調整するうえで、必要に応じ適宜導入する成分である。なお、ガラス中3wt%を越えて含有させるとイオン交換速度を低下させるので4wt%以下が望ましい。
【0033】
BaOはガラスの溶融性を高め、またガラスの液相温度を下げるのに有効な成分である。また、Na2OやK2O等のアルカリ金属成分程ガラスの熱膨張係数を過大とすることなく成形温度を下げ、成形性を容易とする。BaOはガラス中1〜10wt%の範囲で含有させるもので、1wt%未満では前記作用効果が小さく、10wt%を越えて含有させる必要はなく、却ってガラスの熱膨張係数を過大とし易い。
【0034】
TiO2はガラスの粘度や熱膨張係数を調整し、またガラスの耐候、耐水性を向上させるうえで適宜含有させる成分である。但しガラス中5wt%を越えて含有させると、ガラスの粘度を高め、ガラスの溶融、成形性を悪化させるので5wt%以下とするのがよい。
【0035】
ZrO2はイオン交換速度を速め、またガラスの耐候、耐水性を向上させるうえで必須とするもので、ガラス中0.5〜4wt%の範囲で含有させる。0.5wt%未満ではそれら作用効果が不十分であり、4wt%を越えるとガラスの粘度を高め、溶融、成型温度を上昇するので好ましくない。
【0036】
【実施例】
〔ガラス溶融〕
シリカ源として光学珪砂、アルミナ源として酸化アルミニウム、酸化リチウム源として炭酸リチウム、酸化ナトリウム源として炭酸ソーダ、酸化カリウム源として炭酸カリウム、マグネシア源として酸化マグネシウム、カルシア源として炭酸カルシウム、酸化バリウム源として炭酸バリウム、チタニア源として二酸化チタン、ジルコニア源としてジルコン砂を採用し、表1に示すガラス組成に則って各原料を秤量、調合した。
【0037】
ガラス重量で3Kg相当の調合バッチを2Lの白金るつぼに充填し、電気炉内で、1300℃−5時間予備溶融の後、1480℃−5時間、スターラーで撹拌しつつ溶融し、その後温度を降下させ、1300℃−2時間かけて清澄化させ、るつぼを取り出し、カーボン製型枠内に流し込み、ガラスブロックを得た。ガラスブロックは、更に予め600℃に加熱調整した電気炉内にセットし、60分維持後、加熱を止めて炉内放冷することにより徐冷した。
【0038】
〔ガラスの粘度測定〕
得られたガラスの一部を切り出して、再度白金るつぼ内で加熱溶融し、公知の球引き上げ法により102ポイズ相当温度(溶融温度)、104ポイズ相当温度(作業温度)を測定した。また、ガラスの一部を切り出して所定の細線状に加熱成形し、公知のファイバーエロンゲーション法により軟化点(10 7.6 ポイズ相当温度)、徐冷点(1013ポイズ相当温度)を測定した。溶融温度において1450℃以下、作業温度において1000℃以下、軟化点において700℃以下を良好とする。
【0039】
なお、前記各特性温度(軟化点、徐冷点)から、公知のFulcherによる粘度−温度関係式、
logη=-A+B/(T-TO) [但しA、B、TOは定数、ηは粘度、Tは絶対温度]
により1010ポイズ相当温度(好ましいプレス成形温度)を求めた。前記プレス成形温度は600℃以下とするのが望ましい。
【0040】
〔ガラスの熱膨張係数、転移点の測定〕
また、ガラスブロックの一部を切り出して所定の棒状に成形し、示唆熱膨脹計により、転移点および室温〜転移点の平均熱膨張係数を求めた。
【0041】
〔イオン交換ガラスの作製および曲げ強度、耐候性の測定〕
更に、ガラスブロックを切断し、研磨して、サイズ50×10×3mm(厚み)としたものについて、以下の条件でアルカリイオン交換処理し、その後、JIS R 1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に則り、3点曲げ試験による曲げ強度を測定した。強度2.5 × 10 5 kPa以上において良好とされる。
【0042】
また、同様なアルカリイオン交換処理したガラスについて、サンシャインウエザーメーターによる連続100時間の耐候性試験を行った。試験後ガラスを表面軽く払拭したうえで観察し、くもり、異物の析出(主としてガラス表面のアルカリイオンと雰囲気中の炭酸ガス、亜硫酸ガス等の酸性ガスとの水分を介しての反応による)がないのが良好であり、合格(○で表示)と評価し、それ以外は不合格(×で表示)とした。
【0043】
なお、アルカリイオン交換は、いずれの試料とも硝酸カリウム100wt%の溶融塩中でガラス試料を430℃−4時間浸漬処理して行った。
【0044】
〔ガラスの成形性〕
ガラスブロックをノズル付白金ルツボに投入し、再加熱、脱泡した後、ノズルを成形温度以上に上げ、ノズルより、上部自由表面のガラス滴下サンプル(約6g)の予備成形体を作製した。これを、オーステナイト鋼よりなり、成形光学面をPt−Rh膜で膜付けした上、下平型の一対の成形型に挟み込み、600℃−10分、プレス圧30Kg/cm2の条件で熱間プレスしたまま、400℃まで冷却し、その後圧力を開放して放冷し、取出して評価した。
【0045】
評価基準として、触針法によるところの表面粗さが4nm以下であり、皺、ヒビ割れ等のないものを合格(○で表示)、表面粗さが4nm以上であり、または皺、ヒビ割れがある等、いずれか欠陥があるものを不合格(×で表示)とした。
【0046】
ガラスの成分組成を表1に、上記各測定結果を表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
〔結果〕
実施例試料NO.1〜10において、ガラスの熱特性、成形性、イオン交換処理したガラスの曲げ強度(本実施例範囲において2.7 × 10 5 kPa以上であり、良好とされる2.5 × 10 5 kPaを越える)、耐候性のいずれについても良好であり、比較例試料NO.1〜6においては、上記いずれか、または複数の項目において劣る。
【0050】
【発明の効果】
本発明においては、ガラスを容易に溶融でき、プレス成形が容易でプレス型に倣った精緻な面を形成でき、かつプレス成形型とも熱膨張係数を近似させることができて型くずれし難く、更にアルカリイオン交換によるいわゆる化学強化度合いの高いガラスであり、特に磁気記録媒体などとして好適に採用し得る情報記録媒体用基板ガラスである。
Claims (5)
- ガラスを熱軟化状態でプレス成形し、更に該成形物をアルカリイオン交換によるところの化学強化を施すための前記プレス成形体を得るためのガラスにおいて、ガラスの成分組成が、wt%で、SiO2 51〜58、Al2O3 10〜15、Li2O 0〜3、Na2O 15〜25、K2O 0〜4、MgO 0〜4、CaO 0〜3、SrO 0〜3、BaO 1〜10、TiO2 0〜5、ZrO2 0.5〜4の範囲であることを特徴とするプレス成形用ガラス。
- ガラスの102ポイズ相当温度が1450℃以下、104ポイズ相当温度が1000℃以下、軟化点が700℃以下であることを特徴とする請求項1記載のプレス成形用ガラス。
- ガラスの1010ポイズ相当温度が600℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のプレス成形用ガラス。
- ガラスの熱膨張係数(室温〜転移点)が110〜140×10-7/℃であることを特徴とする請求項1、2または3記載のプレス成形用ガラス。
- 請求項1、2、3または4記載のプレス成形用ガラスを、その軟化点以下の温度でプレス成形し、更に該成形物をカリウム塩を含む溶融塩中でアルカリイオン交換し、化学強化を施したことを特徴とする情報記録媒体用基板ガラス。
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