JP3682317B2 - ディスクブレーキのキャリパの固定機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明はブレーキディスクを挾んで対向するブレーキピストンを一つのキャリパに設け、当該キャリパをナックル側ボスに固定した、いわゆる固定型キャリパの上記ナックルへの固定機構に関するものであり、固定機構の簡略化、軽量化を図ると共に、制動トルクによるキャリパの拗れを可及的に抑制して、キャリパの拗れによってブレーキパッドのブレーキディスクに対する当たり面積が減少し、制動トルクが小さくなり、またブレーキパッドの偏摩耗によってその耐久性が低下することを可及的に防止できるものである。
【0002】
【従来の技術】
前輪に適用されるディスクブレーキについては車輪が左右に転向し、これに伴ってブレーキディスクも転向するので、キャリパを車体構造物に支持させることはできず、したがって前輪ナックルに固定し、前輪と共に左右に転向させる構造を採用する外はない。そのためのいわゆる固定型ブレーキキャリパの前輪ナックルに対する固定機構として、実公昭46−24760号公報に記載されたものがある。以下このもの(以下これを「従来技術」という)の機構、構造の概略を図4および図5を参照しつつ説明する。
鋳物製のキャリパCはナックル41の軸線に直角な方向に二つ割りしたものを合わせて固定した単一のキャリパであり、その左右にブレーキシリンダを設け両ブレーキシリンダにピストン42、43をそれぞれ嵌合させてあり、両ピストン42、43によってアウタパッド44、インナーパッド45をそれぞれ加圧して両パッド44、45によってブレーキディスクDを挟持させてこれを制動するものである。
ナックル41にベアリング46、47を介して回転自在に支承されている前輪のハブ48に前輪のホイール49およびブレーキディスクDが固定されており、ナックル41のフランジ50にボルト51によってトルク伝達部材(アダプタ)52が固定されている。他方キャリバCは下方に延びた一対の取付脚53を有し、この取付脚53をトルク伝達部材52の内端の内側に重ねてボルト34によって固定している。これによってキャリバCはトルク伝達部材52を介してナックル41のフランジ50に取り付けられている。
この従来技術については、キャリパの取付脚53とナックル41のフランジ50との間にトルク伝達部材52が介在しているので、制動トルクによってトルク伝達部材が歪み、このために制動トルクによってキャリパCがブレーキディスクに対して微妙に拗れる。そしてこのキャリパの拗れによりパッド44、45の制動面に掛る面圧が不均一になって、パッドの偏摩耗を生じるという問題があることが解明された。
この問題を可及的に小さくするためにはトルク伝達部材52の剛性を上げて制動トルクによるその歪みを可及的に小さくすればよいが、この解決法はブレーキ装置全体の著しい重量増加を招くので、実際に採用し得ない解決法である。
さらに、ブレーキ装置については可及的に軽量化することが一般的な要請として存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術について、制動トルクによるキャリパのブレーキディスクに対する拗れを可及的に軽減すると共に、併せてブレーキ装置全体の重量を可及的に軽減できるように、キャリパのナックルに対する固定構造を工夫することをその課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のために講じた本発明の手段は、ブレーキディスクの周方向にパッドとの当接部を有する、固定型キャリパの取付脚をナックルのフランジに固定したディスクブレーキのブレーキキャリパの固定機構を前提として、次の(イ)乃至(ハ)によって構成されるものである。
(イ)キャリパ本体から一体に突設された取付脚をナックルのフランジの車体中心側側面に重ね、ボルトによって固定したこと、
(ロ)ナックルのフランジの車体中心側側面に座ぐり加工による多数の座ぐり凹所を設け、キャリパの取付脚に多数の環状ボスを突設し、当該環状ボスと上記座ぐり凹所とを組み合わせて制動トルク伝達部を形成していること、
(ハ)上記座ぐり凹所の底面に、上記環状ボスの頂面が当接していること。
【0005】
【作 用】
鋳物製の取付脚をナックルのフランジに直接重ねて固定するので、従来技術におけるトルク伝達部材(アダプタ)が省かれる。したがって、制動トルクによるトルク伝達部材の歪みに起因するキャリパ(固定型キャリパ)のブレーキディスクに対する拗れの増分は解消される。
また、上記取付脚は剛性を確保するために鋳物製とするが、そのために取付脚とナックルのフランジとの組み付け精度を確保するために上記フランジの車体中心側側面に当接させる取付脚の当接面を機械加工してその寸法精度を出すことが必要になる。そのために取付脚に環状ボスを突設し、その端面を切削加工する構造を採用し、さらにこの環状ボスの端面が当接する上記フランジの面を座ぐり加工した座ぐり凹所としたので、取付脚の取付面の機械加工面積を小さくすることができ、したがって、この機械加工のためのコストを低減できる。さらに従来技術のように上記フランジの側面を全面的に切削加工する場合に比して、当該機械加工によるフランジの平均肉厚の減少を可及的に少なくできるので、フランジの強度を可及的に保全することができ、当該フランジによる取付脚の支持が安定し、その分だけキャリパのブレーキディスクの制動面に対する拗れを抑制することができる。
また、上記フランジの車体中心側側面を座ぐり加工して、その座ぐり凹所に取付脚のボスの端面を当接させる構造としたことによって、座ぐり加工しない場合に比して、取付脚をナックルのフランジの車体中心側面に対して可及的に接近させることができる。したがって、上記フランジと取付脚との間の間隔が小さくなり、その結果、ブレーキディスクの制動面と取付脚の上記フランジとの取付面との間隔、すなわち、当該取付面のブレーキディスクの厚さ方向中心線に対するオフセット距離L(図2参照)を可及的に小さくすることができる。このオフセット距離が小さいほど制動トルクによる取付脚の上記フランジ取付面に対するモーメント(制動トルクにより取付脚を上記フランジに対してこじるモーメント)が小さくなるので、取付脚のフランジに対する固定部の固定強度が相対的に向上し、取付脚によるキャリパ本体に対する支持が安定し、それだけ制動トルクによる固定型キャリパのブレーキディスクの制動面に対する拗れを抑制することができる。
【0006】
【実 施 例】
次いで、図1、図2および図3を参照しつつ実施例を説明する。
キャリパ本体の構造、ブレーキディスクの構造、ナックルの構造等ブレーキ装置の基本的な構造は図4および図5に示す従来技術と同じであるから、これらについての説明は省略する。
ナックル1のフランジ2はほぼ四角形のフランジであり、その上辺に沿って四つのネジ孔3が設けられている。
他方、キャリパから一体に突設した左右の取付脚4、4にそれぞれ二つのボルト孔5、5を設けている。この取付脚は図5に示す従来の固定型のキャリパの取付脚53に比して長く、上記フランジ2の取付面に直接重なる形状になっている。
ナックルのフランジ2の車体中心側側面に上記ボルト孔5と同心の座ぐり凹所6を設けてあり、この座ぐり凹所6に対応して取付脚4の外側側面に環状ボス7を突設し、その端面を切削加工している。この環状ボス7の端面を上記座ぐり凹所6の底面に当接させた状態で取付ボルト8をボルト孔5と、ナックル1のフランジ2のネジ孔3に螺合させて取付脚4を上記フランジ2に固定する。これによって取付脚4が直接ナックル1のフランジ2に固定され、キャリパは他のアダプタ(例えば従来技術のトルク部材)52を介することなく、上記フランジ2に直接固定、支持される。
取付脚4の環状ボス7の端面をフランジ2の車体中心側側面に設けた座ぐり凹所6の底面に当接させて固定したので、座ぐり凹所6を設けないで環状ボス7の端面をフランジ2の車体中心側側面に当接させる場合に比して、取付脚4のフランジ2に対する取付面とブレーキディスクDの厚さ方向中心線Sとの間隔、すなわち取付脚4のフランジ2に対する取付面のブレーキディスクDの厚さ方向中心線Sに対するオフセット距離Lを可及的に縮小される。なお、キャリパとナックルとの材質違いによる電蝕を防ぐため、座ぐり凹所6内へ電蝕防止用シムを入れた後に環状ボス7を入れて、ボルト8にて共締めしても良い。
【0007】
【効 果】
本発明は、従来技術に内在する前記問題を可及的に解消するとともに、次の特有の効果を生じたものである。
すなわち、本発明は固定型キャリパをその取付脚を介してナックルのフランジに直接固定するものであるから、アダプタを介して取り付ける構造に比して制動トルクによる、固定型キャリパのブレーキディスクの制動面に対する拗れを可及的に抑制し、当該拗れによるパッドのブレーキディスクの制動面に対する片当たり、偏摩耗を防止することができる。
さらに、ナックルのフランジの取付面の機械加工を座ぐり加工としたことによって当該フランジの平均肉厚の減少を可及的に少なくして、その強度を保全でき、また、フランジの座ぐり凹所の底面にキャリパ本体と一体の取付脚の環状ボスの端面を当接させて取付脚をナックルのフランジの車体中心側側面に当接させて固定したことによって、当該取付面のブレーキディスクの厚さ方向中心に対するオフセット距離を可及的に小さくできるので、キャリパに対する支持強度が相対的に向上し、これによってキャリパのブレーキディスクの制動面に対する制動トルクによる拗れを一層抑制することができる。
上記のように片当たりを防止できたことによって片当たりによる制動力の低下、ブレーキの鳴きを防止でき、また、偏摩耗を防止できることによりパッドの耐久性を向上させることができる。
また、キャリパをナックルのフランジに固定するためのアダプタを省く構造を採用できたことにより、ブレーキ装置全体の重量を著しく軽減することができ、また部品数の低減に伴いブレーキ装置製作コストを著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の要部の正面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】実施例全体の断面図である。
【図4】従来技術の全体の断面図である。
【図5】従来技術のキャリパの斜視図である。
【符号の説明】
1、41・・・ナックル
2・・・ナックルのフランジ
3・・・ネジ孔
4、53・・・取付脚
6・・・座ぐり凹所
7・・・環状ボス
8・・・取付ボルト
34、51・・・ボルト
42、43・・・ピストン
44・・・アウタパッド
45・・・インナパッド
46、47・・・ベアリング
48・・・ハブ
49・・・ホイール
50・・・フランジ
52・・・アダプタ
C・・・固定型のキャリパ
D・・・ブレーキディスク
L・・・オフセット距離
S・・・ブレーキディスクDの厚さ方向中心線
Claims (1)
- ブレーキディスクの周方向にパッドとの当接部を有する、固定型キャリパの取付脚をナックルのフランジに固定したディスクブレーキのブレーキキャリパの固定機構において、
上記キャリパ本体から一体に突設された取付脚をナックルのフランジの車体中心側側面に重ね、ボルトによって固定し、
ナックルのフランジの車体中心側側面に座ぐり加工による多数の座ぐり凹所を設け、キャリパの取付脚に多数の環状ボスを突設し、当該環状ボスと上記座ぐり凹所とを組み合わせて制動トルク伝達部を形成し、
上記座ぐり凹所の底面に、上記環状ボスの頂面が当接されているディスクブレーキのキャリパの固定機構。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10712995A JP3682317B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | ディスクブレーキのキャリパの固定機構 |
Publications (2)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10712995A Expired - Fee Related JP3682317B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | ディスクブレーキのキャリパの固定機構 |
Country Status (1)
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1995
- 1995-04-07 JP JP10712995A patent/JP3682317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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