JP3681715B2 - 植生ブロックの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面や護岸等に設置され植物が成育可能な植生ブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の植生ブロックとしては、例えば、特開平11−241352号公報に掲載されたものが知られている。
図10に示すように、この植生ブロックBaは、ポーラスコンクリートで成形されるブロック本体1を備えている。ブロック本体1には、上開放の凹所2が形成されており、この凹所2内に、培養土3が充填されている。
この植生ブロックBaを用いて、例えば、これを法面に構築するときは、現場において、ブロック本体1の凹所2に培養土3を充填し、それから、このブロック本体1を積み上げて行なう。また、積み上げた植生ブロックBaの表面に植物の種を含ませた植生マット4を敷設する。
これにより、植物の種が発芽すると、根が植生マット4内に伸びていくとともに、更には、ブロック本体1の微細空間を通って培養土3内に伸びて定着していく。このため、植物の根が深く植生ブロックBa内に伸びるので、植物が離脱しにくく安定して定着するとともに、根が培養土3を土壌とするので植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の植生ブロックBaにあっては、植生ブロックBaを積み上げる施工時に、現場においてブロック本体1の凹所2に培養土3等の内容物を逐一収容するので、それだけ、作業が煩雑で作業効率が悪いという問題があった。
また、凹所2は大きく開放しているので、雨が降ったとき等に培養土3が外部へ流出し易く、植物の安定を損ねることがあるという問題があった。
【0004】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、ブロック本体の内容物を逐一現場で内部に収容する作業をなくして作業効率の向上を図るとともに、内容物を流出しにくくして植物の定着の安定の向上を図った植生ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の植生ブロックの製造方法により製造される植生ブロックは、コンクリートで成形されるブロック本体を備えた植生ブロックにおいて、上記ブロック本体に、生分解可能な細状物の集合体を該ブロック本体の成形時に封入した構成としている。
この場合、コンクリートとしては、セメントを主にしたものに限定されず、有機樹脂も利用できる。また、骨材も、石等の天然のものに限定されず、人工骨材,プラスチックも利用できる。
【0006】
この植生ブロックを、例えば、法面に沿って構築するときは、植生ブロックを順次積み上げる。この場合、ブロック本体には予め生分解可能な細状物の集合体が封入されているので、従来のように、植生ブロックを積み上げる施工時に、現場においてブロック本体に培養土等の内容物を逐一収容しなくても良く、そのため、作業が容易になり、作業効率が大幅に向上させられる。
【0007】
この状態で、植生ブロックの表面に植物の種を従来の植生マットを用いる等して人工的に付着させ、あるいは、自然に任せて付着させる。この植物の種子が発芽すると、根がブロック本体の微細空間を通って集合体内に伸びて定着していく。このため、植物の根が深く植生ブロック内に伸びるので、植物が離脱しにくく安定して定着する。
また、集合体は、生分解可能な細状物の集合なので、腐食し易く、土壌として機能するので、根が集合体に定着していき、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
更に、この際、細状物の集合体はブロック本体内に封入されているので、雨が降ったとき等でも、外部に流出していくことが抑制され、そのため、根が集合体に確実に定着していき、植物の定着の安定の向上が図られ、この点でも、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
【0008】
そして、必要に応じ、上記ブロック本体に、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともに上記ブロック本体の外部から上記集合体に至り該集合体より大きさの小さい柱状集合体を設けた構成としている。
【0009】
これによれば、この植生ブロックを、川や湖等の水際の法面等に使用する際、水面付近から下の部分において用いると、上記の作用,効果に加えて、水面下にあるが、集合体は、柱状集合体で栓をされている状態なので、植物が根を張るころまでは、流出が抑制される。そして、植物が定着してくるころになると、柱状集合体も、生分解可能な細状物の集合なので腐食していくが、この柱状集合体のところから、水に一気に流出するのではなく、水に徐々に流出していき、ついには、集合体の腐食したものも流出していき、内部が空洞になって水に満たされるようになる。そのため、水生生物の魚巣等の居住空間として機能できるようになる。この場合、入口が狭く内部が広くなっているので、水生生物にとって住み易いものになる。また、内部には、地上の植物の根が成育していることもあり、この点でも水生生物の居住性が向上させられる。
【0010】
そしてまた、必要に応じ、上記ブロック本体をポーラスコンクリートで形成した構成としている。ポーラスなので、この微細空間を植物の根が通り易く集合体に繁殖しやすくすることができる。
また、必要に応じ、上記細状物を、植物繊維,木材チップ,木材屑,紙屑,布屑,生分解プラスチック,保水剤,肥料及び種子の一種または二種以上から構成している。細状物が腐食し易く、土壌として機能し易くなる。保水剤としては、保水ポリマー等がある。この保水ポリマーは添加量としては少なくて良く、添加により保水性が向上させられる。また、植物の種子の場合には、自らが発芽して成長することができる。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明の植生ブロックの製造方法は、コンクリートで成形されブロック本体を備えた植生ブロックを製造する植生ブロックの製造方法において、鉄筋に生分解可能な細状物を付帯させて該細状物の集合体を形成し、上開放の開口を有した成形型に該集合体を入れ、それから該成形型にコンクリートを流し込んで該集合体をコンクリート内に封入し、その後、コンクリート上面を押し型で押圧してコンクリートを所定厚さにし、所要時間養生して製造する構成としている。
【0012】
更に、必要に応じ、上記集合体を形成する際、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともに上記ブロック本体の外部から上記集合体に至り該集合体より大きさの小さい柱状集合体を該集合体に付帯した構成としている。
【0013】
このように製造された植生ブロックによれば、上記と同様の作用,効果を奏するとともに、製造時には、押し型で押圧するので、従来のブロックの成形のように押圧をしない成形方法に比較して、ブロック本体が所定厚さになるので、製品の寸法精度が高く、品質が向上させられる。
詳しくは、従来プレス成形工法で、例えばポーラスコンクリート製品を製造する際には、目標の空隙率を保つために、コンクリート材料を精密に計量して投入し、一定の圧力をかけて成形する。しかし、多少の計量誤差で、製品の寸法、空隙率を保持できない場合がある。即ち、投入量が多くなると、コンクリート材料を圧縮できないため、予定された位置まで圧縮できず、製品の高さが高くなる。このときもし、圧力が高すぎると、骨材が潰れてしまって、空隙率が小さくなる。一方、投入量が少ないと、プレスが不十分で、ポーラスコンクリートの密度が不足し、圧縮強度が弱くなったり、成形不良を生じる。
本発明では、集合体があるので、集合体のクッション性を利用して、多少多めに材料を投入しても、予定された位置まで圧縮でき、製品の寸法及び強度を確保できるのである。
そのため、植生ブロックを順次積み上げて構築するときは、ブロック本体が所定厚さになって製品の寸法精度が高くなっており、そのため、積み上げや連結が確実に行なわれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法について詳細に説明する。
図1には、本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックB1 を示している。この植生ブロックB1 は、コンクリートで成形されるブロック本体10を備えている。ブロック本体10は、上下面11,12が平面で、前面13が後面14より面積が広くなるように、横断面が台形状に形成されている。即ち、ブロック本体10は、上面11,下面12,前面13,後面14,右側面15,左側面16とを備えた略六面体状に形成されている。前面13は緩い略円弧状に突出形成されている。後面14は、前面13よりも小さく形成されている。上面11と下面12は平行で、略台形状に形成されている。右側面15と左側面16は、上面11と下面12の台形に合わせて後面14方向に収束するように勾配が付けられている。
【0015】
ブロック本体10は、コンクリートの結合材と骨材とを混合したもので構成されている。結合材としては、無機系結合材と有機系結合材があり、夫々単独でまたは混合して用いられる。
無機系結合材としては、水と反応することにより硬化する水硬性の無機化合物であればよく、例えば、無機セメント類,エトリンジャイト,石膏等が好ましく、断熱性,靭性,耐久性が得られやすい無機セメント類がより好ましい。
無機セメント類としては、ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメント,アルミナセメント,焼き石膏などの水硬性セメント類,シリカセメント,フライアッシュセメント等の混合セメント類等を挙げることができる。
有機系結合材としては、反応硬化型,熱可塑型等の状態から固化するものであればよく、エポキシ系樹脂が好ましい。
【0016】
この実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックB1 のブロック本体10は、ポーラスコンクリートで形成されている。ポーラスコンクリートは、例えば、図2に示すように、その配合や性状が定められる。ここで、ポーラスコンクリートの単位水量は、設計水量であり、実際には、練り混ぜ状態によって調整が行なわれる。
【0017】
このブロック本体10には、生分解可能な細状物の集合体20が、ブロック本体10の成形時に封入されている。21は集合体20が封入された結果できる収容空間である。収容空間21は、例えば、楕円球状に形成される。
細状物としては、植物繊維,木材チップ,木材屑,紙屑,布屑,生分解プラスチック,保水剤,肥料及び種子の一種または二種以上から構成されている。ここでは、椰子繊維屑が用いられる。椰子繊維屑は、椰子繊維を採集した後、残された屑であり、短い繊維(3cm以下)を含むが、約8割は、この短い繊維に付着している肉部分の粒径が約2mm以下程度の乾燥物(木質)である。これは、一般に、園芸用軽量土や土壌改良材等として利用されているものである。
【0018】
また、ブロック本体10には、集合体20を貫通する鉄筋30が埋設されている。鉄筋30は、ブロック本体10の左右側面方向に貫通する横鉄筋31と、横鉄筋31の中央からブロック本体10の後面14に至る後鉄筋32とからなる。各鉄筋31,32の端部はリング状に形成されていてブロック本体10の外部に突出しており、隣接するブロック本体10同士の連結のために針金等で結束される連結金具33として構成されている。
【0019】
次に、この植生ブロックB1 を製造する第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法について説明する。
図2に示すように、第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法は、以下の工程に従う。
(1)集合体形成工程
先ず、予め、横鉄筋31と後鉄筋32を連結した鉄筋30に生分解可能な細状物としての椰子の繊維屑を付帯させて細状物の集合体20を形成する。この場合、横鉄筋31と後鉄筋32の交差部に、必要に応じて、植物性の糊を用いて、付帯させる。
【0020】
(2)型入れ工程
次に、上開放の開口を有した成形型40にこの集合体20を入れる。この場合、型には連結金具33が通過する溝が形成されており、連結金具33は型の外に突出する。
(3)コンクリート流し込み工程
それから、この成形型40にコンクリートを流し込んで集合体20をコンクリート内に封入する。この場合、例えば、コンクリートが成形型40の開口から盛り上がるように入れる。
【0021】
(4)押圧工程
その後、コンクリート上面を押し型41で押圧し所定厚さにする。この場合、押し型41を成形型40の所定位置まで押し込む。この場合、コンクリートが押圧されるが、集合体20が細状物の集合なので、この集合体20が体積を縮小することから、コンクリートは所定厚さに成形される。この場合、押し型41で押圧するので、従来のブロックの成形のように押圧をしない成形方法に比較して、ブロック本体10が所定厚さになるので、製品の寸法精度が高く、品質が向上させられる。
即ち、従来プレス成形工法で、例えばポーラスコンクリート製品を製造する際には、目標の空隙率を保つために、コンクリート材料を精密に計量して投入し、一定の圧力をかけて成形する。しかし、多少の計量誤差で、製品の寸法、空隙率を保持できない場合がある。投入量が多くなると、コンクリート材料を圧縮できないため、予定された位置まで圧縮できず、製品の高さが高くなる。このときもし、圧力が高すぎると、骨材が潰れてしまって、空隙率が小さくなる。一方、投入量が少ないと、プレスが不十分で、ポーラスコンクリートの密度が不足し、圧縮強度が弱くなったり、成形不良を生じる。
本実施の形態では、集合体20があるので、集合体20のクッション性を利用して、多少多めに材料を投入しても、予定された位置まで圧縮でき、製品の寸法及び強度を確保できるのである。
【0022】
(5)養生工程
この状態で所定時間養生する。
(6)脱型
養生が終わったならば、ブロック本体10を脱型する。これにより、植生ブロックB1 の製品が完成する。
【0023】
このように製造された、植生ブロックB1 を、例えば、法面に沿って構築するときは、図4及び図5に示すように、植生ブロックB1 を順次積み上げるとともに、隣接する植生ブロックB1 の連結金具33を連結しながら行なう。植生ブロックB1 同士の横への連結は、左側面16の連結金具33と右側面15の連結金具33とを重ね合わせて針金等で結束して行ない、縦への連結は、後面14の連結金具33に鉄筋42を連通して行なう。
【0024】
この場合、図5に示すように、植生ブロックB1 は台形状に形成されているので、法面が湾曲しているような場合には、法面に合わせて湾曲させて布設できるので、法面への追従性が良いものになっている。
また、ブロック本体10が所定厚さになって製品の寸法精度が高くなっており、そのため、積み上げや連結が確実に行なわれる。
更に、ブロック本体10には予め生分解可能な細状物の集合体20が封入されているので、従来のように、植生ブロックB1 を積み上げる施工時に、現場においてブロック本体10に培養土等の内容物を逐一収容しなくても良く、そのため、作業が容易になり、作業効率が大幅に向上させられる。
【0025】
この状態で、植生ブロックB1 の表面に植物の種を従来の植生マットを用いる等して人工的に付着させ、あるいは、自然に任せて付着させる。この植物の種子が発芽すると、根がブロック本体10の微細空間を通って集合体20内に伸びて定着していく。このため、植物の根が深く植生ブロックB1 内に伸びるので、植物が離脱しにくく安定して定着する。
また、集合体20は、生分解可能な細状物の集合なので、腐食し易く、土壌として機能するので、根が集合体20に定着していき、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
更に、この際、細状物の集合体20はブロック本体10内に封入されているので、雨が降ったとき等でも、外部に流出していくことが抑制され、そのため、根が集合体20に確実に定着していき、植物の定着の安定の向上が図られ、この点でも、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
【0026】
次に、図6に示す本発明の第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックB2 について詳細に説明する。
この植生ブロックB2 は、上記植生ブロックB1 と同様に構成されるブロック本体10を備えており、ポーラスコンクリートで形成されている。
【0027】
このブロック本体10には、生分解可能な細状物の集合体20が、ブロック本体10の成形時に封入されている。21は集合体20が封入された結果できる収容空間である。収容空間21は、例えば、楕円球状に形成される。
また、ブロック本体10には、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともにブロック本体10の外部から集合体20に至り集合体20より大きさの小さい円柱状の柱状集合体50が設けられている。細状物としては、上記第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックB1 の細状物と同様のものが用いられる。
この柱状集合体50は、集合体20からブロック本体10の前面13に向けて放射状に3本設けられている。51は柱状集合体50が封入された結果できる通路である。通路51の最大幅R(直径)は収容空間21の最大幅Dの1/5以下に設定され、即ち、R≦0.2Dに設定されている。
更に、ブロック本体10には、集合体20を貫通する上記と同様の鉄筋30が埋設されている。
【0028】
次に、この植生ブロックB2 を製造する第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法について説明する。
第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法も、上記と同様の工程に従う(図2参照)。
【0029】
(1)集合体形成工程
先ず、予め、横鉄筋31と後鉄筋32を連結した鉄筋30に生分解可能な細状物としての椰子の繊維屑を付帯させて細状物の集合体20を形成する。この場合、横鉄筋31と後鉄筋32の交差部に、必要に応じて、植物性の糊等を用いて、付帯させる。
更に、この集合体20を形成する際、生分解可能な細状物としての椰子の繊維屑を集合させて形成された柱状集合体50を集合体20に付帯する。柱状集合体50は予め植物性の糊等を用いて形成されており、同様の糊や木製の軸等を用いて集合体20に接続する。
【0030】
この後の工程は、上記と同様である。即ち、
(2)型入れ工程
(3)コンクリート流し込み工程
(4)押圧工程
(5)養生工程
(6)脱型
の順に行なわれる。
【0031】
このように製造された、植生ブロックB2 を、使用するときは、例えば、図7及び図8に示すように、川や湖等の水際の法面等に使用する。この場合、上記第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックB1 も用いる。
詳しくは、水面付近から下の部分において、先ず、植生ブロックB2 を、順次積み上げるとともに、隣接する植生ブロックB2 の連結金具33を連結しながら行なう。
次に、水面付近から上の部分においては、植生ブロックB1 を順次積み上げるとともに、隣接する植生ブロックB1 の連結金具33を連結しながら行なう。植生ブロックB1 同士の横への連結は、左側面16の連結金具33と右側面15の連結金具33とを重ね合わせて針金等で結束して行ない、縦への連結は、後面14の連結金具33に鉄筋42を連通して行なう。
【0032】
この場合、植生ブロックB1 ,B2 は台形状に形成されているので、法面が湾曲しているような場合には、法面に合わせて湾曲させて布設できるので、法面への追従性が良いものになっている。
また、ブロック本体10が所定厚さになって製品の寸法精度が高くなっており、そのため、積み上げや連結が確実に行なわれる。
更に、ブロック本体10には予め生分解可能な細状物の集合体20が封入されているので、従来のように、植生ブロックB1 ,B2 を積み上げる施工時に、現場においてブロック本体10に培養土等の内容物を逐一収容しなくても良く、そのため、作業が容易になり、作業効率が大幅に向上させられる。
【0033】
この状態で、植生ブロックB1 ,B2 の表面に植物の種を従来の植生マットを用いる等して人工的に付着させ、あるいは、自然に任せて付着させる。この植物の種子が発芽すると、根がブロック本体10の微細空間を通って集合体20内に伸びて定着していく。このため、植物の根が深く植生ブロックB1 ,B2 内に伸びるので、植物が離脱しにくく安定して定着する。
また、集合体20は、生分解可能な細状物の集合なので、腐食し易く、土壌として機能するので、根が集合体20に定着していき、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
更に、この際、細状物の集合体20はブロック本体10内に封入されているので、雨が降ったとき等でも、外部に流出していくことが抑制され、そのため、根が集合体20に確実に定着していき、植物の定着の安定の向上が図られ、この点でも、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化が図られる。
この場合、植生ブロックB2 においては、水面下にあるが、集合体20は、柱状集合体50で栓をされている状態なので、植物が根を張るころまでは、流出が抑制される。
【0034】
そしてまた、植生ブロックB2 においては、水面下にあるものでは、植物が定着してくるころになると、柱状集合体50も、生分解可能な細状物の集合なので腐食していくが、この柱状集合体50のところから水に徐々に流出していき、ついには、集合体20の腐食したものも流出していき、通路51及び収容空間21が空洞になって水に満たされるようになる。そのため、水生生物の魚巣等の居住空間として機能できるようになる。この場合、通路51が狭く収容空間21が広くなっているので、水生生物にとって住み易いものになる。また、収容空間21には、地上の植物の根が成育していることもあり、この点でも水生生物の居住性が向上させられる。
【0035】
尚、上記植生ブロックB2 は、水面下に構築するだけでなく、水のないところにおいても、植生ブロックB1 と同様に積み上げて使用しても良く、この場合も、上記と同様の作用,効果を奏する。
【0036】
図9には、第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックB2 の変形例に係る植生ブロックB3 を示している。これは、ポーラスコンクリートでブロック本体10が球状に形成されている。このブロック本体10には、生分解可能な細状物の集合体20が、ブロック本体10の成形時に封入されている。21は集合体20が封入された結果できる収容空間である。収容空間21は、例えば、球状に形成される。
また、ブロック本体10には、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともにブロック本体10の外部から集合体20に至り集合体20より大きさの小さい円柱状の柱状集合体50が設けられている。この柱状集合体50は、集合体20からブロック本体10の表面に向けて放射状に多数本設けられている。51は柱状集合体50が封入された結果できる通路である。
更に、ブロック本体10には、集合体20を貫通する上記と同様の鉄筋30が埋設されている。
従って、この変形例においても、上記と同様に製造されるとともに、使用においては、護岸等で比較的ランダムに積み上げられる。作用,効果は上記と略同様である。
【0037】
尚、上記実施の形態では、細状物を、椰子の繊維屑で構成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、種々の植物繊維,木材チップ,木材屑,紙屑,布屑,生分解プラスチック,保水剤,肥料及び種子の一種または二種以上から構成してよい。種子を使用するときは、他の細状物と混合させるのが良い。要するに、生分解可能な細状物であれば、どのようなものでも良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の植生ブロックの製造方法によれば、ブロック本体に、生分解可能な細状物の集合体をブロック本体の成形時に封入したので、従来のように、植生ブロックを積み上げる施工時に、現場においてブロック本体に培養土等の内容物を逐一収容しなくても良く、そのため、作業が容易になり、作業効率を大幅に向上させることができる。
また、植物の種子が発芽すると、根がブロック本体の微細空間を通って集合体内に伸びて定着していく。このため、植物の根が深く植生ブロック内に伸びるので、植物が離脱しにくく安定して定着する。この際、細状物の集合体はブロック本体内に封入されているので、雨が降ったとき等でも、外部に流出していくことが抑制され、そのため、根が集合体に確実に定着していき、植物の定着の安定の向上を図ることができ、植物が良く成育することができ、確実に法面の緑化を図ることができる。
【0039】
そして、ブロック本体に、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともにブロック本体の外部から集合体に至りこの集合体より大きさの小さい柱状集合体を設けた場合には、川や湖等の水際に使用した際、水面下にあっても、集合体は、柱状集合体で栓をされている状態なので、植物が根を張るころまでは、流出が抑制される。そして、植物が定着してくるころになると、柱状集合体も、生分解可能な細状物の集合なので腐食していくが、この柱状集合体のところから水に徐々に流出していき、ついには、集合体の腐食したものも流出していき、内部が空洞になって水に満たされるようになる。そのため、水生生物の魚巣等の居住空間として機能させることができるようになる。この場合、入口が狭く内部が広くなっているので、水生生物にとって住み易いものにすることができる。また、内部には、地上の植物の根が成育していることもあり、この点でも水生生物の居住性を向上させることができる。
【0040】
そしてまた、ブロック本体をポーラスコンクリートで形成した場合には、ポーラスなので、この微細空間を植物の根が通り易く、植物を集合体に繁殖しやすくすることができる。
また、細状物を、植物繊維,木材チップ,木材屑,紙屑,布屑,生分解プラスチック,保水剤,肥料及び種子の一種または二種以上から構成した場合には、細状物が腐食し易く、土壌として機能し易くすることができる。また、植物の種子の場合には、自らが発芽して成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックを示し、(a)は正面図、(b)は平面断面図、(c)は側面断面図である。
【図2】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックのブロック本体の成分や性状の一例を示す表図である。
【図3】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法を示す工程図である。
【図4】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックの構築例を示す横断面図である。
【図5】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックの構築例を示す平面図である。
【図6】 本発明の第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックを示し、(a)は正面図、(b)は平面断面図、(c)は側面断面図である。
【図7】 本発明の第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックの構築例を示す横断面図である。
【図8】 本発明の第一の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造された植生ブロックの構築例を示す正面図である。
【図9】 本発明の第二の実施の形態に係る植生ブロックの製造方法で製造される植生ブロックの変形例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図10】 従来の植生ブロックの一例をその構築状態で示す断面図である。
Claims (2)
- コンクリートで成形されブロック本体を備えた植生ブロックを製造する植生ブロックの製造方法において、
鉄筋に生分解可能な細状物を付帯させて該細状物の集合体を形成し、上開放の開口を有した成形型に該集合体を入れ、それから該成形型にコンクリートを流し込んで該集合体をコンクリート内に封入し、その後、コンクリート上面を押し型で押圧してコンクリートを所定厚さにし、所要時間養生して製造することを特徴とする植生ブロックの製造方法。 - 上記集合体を形成する際、生分解可能な細状物の集合で形成されるとともに上記ブロック本体の外部から上記集合体に至り該集合体より大きさの小さい柱状集合体を該集合体に付帯したことを特徴とする請求項1記載の植生ブロックの製造方法。
Priority Applications (1)
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