JP2901909B2 - 生態系の積ブロックとその製造方法 - Google Patents
生態系の積ブロックとその製造方法Info
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Description
河川、あるいは山の法面に使用される生態系の積ブロッ
クとその製造方法に関する。本明細書において「積ブロ
ック」は、擁壁ブロックや法面保護に使用される積ブロ
ックを含む広い意味に使用する。さらに、本明細書にお
いて「生態系の積ブロック」とは、積層した状態で擁壁
等の表面に表出する表出面に、凹凸や無数の空隙のある
積ブロックを意味する。表出面に凹凸や空隙のある積ブ
ロックは、ここに微生物や小動物が棲息し、さらに、土
砂が堆積する。これに対して、表面をコンクリートで平
滑面に成形した積ブロックは、図1に示すように表出面
が平面となり、表面を微生物の棲息に適した環境、さら
に植物の生育に快適な環境にできない。微生物の棲息に
快適な環境とならない積ブロックは、自然環境と著しく
相違して生物や植物と共存できない。生態系の積ブロッ
クは、自然に近い環境を実現して、生物が共存できる状
態を実現する積ブロックである。
のものが開発されている。 表出面をはつりによって凹凸面としたもの この積ブロックは、コンクリートで成形した後、その表
面を削って凹凸面としたものである。 半割して表出面を凹凸面としたもの この積ブロックは、二つの積ブロックを互いの表出面で
結合した形状に成形し、コンクリートが硬化した後、表
出面で二つに半割することで、それぞれの表出面を割跡
で凹凸面としたものである。 型枠で表出面に凹凸を成形したもの この構造の積ブロックは、工夫した型枠で製造される。
積ブロックを成形する型枠は、積ブロックの表出面を成
形する型枠面を凹凸面とする。この型枠で成形された積
ブロックは、表出面が凹凸面に形成される。 未硬化のときに表出面を凹凸面とするもの この積ブロックは、コンクリートが未硬化のときに、表
出面を叩いたり、引っ掻いたりして、凹凸とするもので
ある。 積ブロックの表面に石等の骨材を埋設したもの この積ブロックの製造方法は、特開平1−275483
号公報に記載されている。この積ブロックは、表出面を
成形するコンクリートに凝固遅延剤を塗布し、モルタル
と骨材を投入して成形した後、未硬化の表出面のコンク
リートを水スプレー等で洗い流して、骨材を表出させて
凹凸面とするものである。
る従来の積ブロックは、表出面を凹凸面にできるので、
コンクリートの平滑面に比べると、自然環境に近い形状
にできる。しかしながら、表面に無数の空隙を設けるこ
とはできない。表面に凹凸のある積ブロックと、表面に
空隙のある積ブロックでは、小動物の生息環境と生物の
生育環境が著しく相違する。空隙のある生態系の積ブロ
ックは、小動物の生育に極めて快適な環境となり、ま
た、植物の生育にも極めて快適な環境を実現する。空隙
は、小動物が快適な生育環境となる。また、土砂が堆積
して水分が保持され、植物の種子や胞子が生育する。こ
のため、生態系の積ブロックでは、凹凸よりもむしろ無
数の空隙を作ることが極めて大切なことである。
の間に無数の空隙があるので、ここに微生物や小動物が
棲息し、さらに植物が繁殖して自然に近い環境を実現で
きる。ただ、石垣は、自然環境には優れているが、崩れ
ないように積むために相当の熟練が必要である。このた
め、高度な施工技術と膨大な手間がかかり、積ブロック
のように能率よく安価に施工できない欠点がある。
て、多数の天然石を金網等の網袋に入れた、通称「蛇
籠」と呼ばれる布団籠を敷き詰めた工法も採用される。
この工法で施工された擁壁は、天然石の間に無数の空隙
ができるので、自然に近い環境を実現できる。しかしな
がら、この工法は、積ブロックのように急勾配の擁壁と
することができず、勾配を緩やかにするために、設置面
積が著しく増大する欠点がある。設置面積が増大するこ
とは、用地買収等の点で施工コストを著しく増大させる
欠点がある。
れた生態系の積ブロックの製造方法を開発した(特願平
7−145498号)。この方法は、次のようにして生
態系の積ブロックを製造する。 骨材と、この骨材の接点を結合するバインダーと混
練りした空隙骨材ペーストを型枠に所定の厚さに注入す
る。空隙骨材ペーストは、骨材をバインダーで結合し
て、骨材の間に空隙を設けるものであるから、バインダ
ーの添加量は、骨材の隙間を閉塞しない量に調整する。
ただ、バインダーの添加量が少なすぎると、骨材を充分
な強度で結合できない。バインダーの添加量が多すぎる
と、骨材の間の空隙が少なくなる。バインダーの添加量
は、バインダーの種類によって最適値に調整される。
骨材ペーストの上に、即時脱型コンクリートを注入して
プレス成形し、成形された積ブロックを型枠から脱型し
て生態系の積ブロックを製造する。即時脱型コンクリー
トには、即時脱型工法に使用されている流動性の少ない
硬練りのコンクリートが使用される。
けることができる。積ブロックの表出面を成形する空隙
骨材ペーストに、骨材の接点をバインダーで結合して、
骨材の間に空隙を設けることができるものを使用するか
らである。さらにこの製法は、空隙骨材ペーストで形成
される空隙を、その後に打設される生コンクリートで閉
塞しない。空隙骨材ペーストを打設した後、その上に生
コンクリートを打設すると、生コンクリートが骨材の空
隙に侵入して空隙を閉塞してしまい、生態系の積ブロッ
クを製造できなくなるが、前記の製法はこのようなこと
がない。
って、水溶性の糊を使用して、表面に空隙を設ける積ブ
ロックを試作した。この方法は、空隙骨材ペーストで骨
材の間にできた無数の空隙が、続いて打設される生コン
クリートで閉塞されるのを防止するために、空隙骨材ペ
ーストを打設した後、骨材の間に水溶性の糊を注入し
た。糊を注入した後、空隙骨材ペーストの上に生コンク
リートを打設した。生コンクリートが硬化して脱型した
後、糊を水洗いして除去し、表出面に無数の空隙を設け
ることを試みた。
材の間に空隙を設けて、しかも、表出面の骨材を充分な
強度で、生コンクリートで成形された本体に強固に結合
することができなかった。骨材の間の空隙が閉塞されな
いようにするためには、糊を硬化させた後、生コンクリ
ートを打設する必要がある。このようにすると、糊が骨
材と生コンクリートの境界に介在して、骨材と生コンク
リートの結合を阻害した。糊が未硬化の状態で生コンク
リートを打設すると、骨材の間に充填された糊が生コン
クリートに押し出されて、骨材の空隙が著しく少なくな
った。糊が生コンクリートで押し出されるのは、生コン
クリートの比重が糊に比較して相当に大きく、重い生コ
ンクリートが型枠の底に沈んで糊が押し出されるからで
ある。この状態になると、骨材と生コンクリートとは充
分に結合されるが、骨材の空隙がなくなってしまう弊害
が発生した。このため、この方法によっては、表出面に
無数の空隙のある生態系の積ブロックを製造することが
できない。
れる空隙を、その後に注入する生コンクリートで閉塞し
ないために、即時脱型コンクリートを使用してこの弊害
を解消することに成功した。即時脱型コンクリートは、
通常の生コンクリートのように自由に流動する性質がな
いので、骨材の間に侵入しない。このため、空隙骨材ペ
ーストのあとから打設される即時脱型コンクリートは、
骨材の空隙を閉塞することがなく、骨材に直接に接触し
て、強固に骨材に結合される。
の積ブロックの製造方法は、製造後に糊を除去する等の
余分の手間がかからず、極めて能率よく安価に多量生産
して、表面に無数の空隙のある生態系の積ブロックを製
造できる特長が実現された。
を平滑面とする積ブロックに比らべると、生態系の積ブ
ロックとして極めて快適な自然に近い環境を実現する。
本発明者等はさらに生態系の積ブロックとして優れた特
性を実現することを目的に、骨材にゼオライト粒を使用
したブロックを開発した。骨材として使用されるゼオラ
イト粒は、苔や植物の繁殖を活性にする鉄、コバルト、
マンガン等の微量要素を担持し、しかも、長期間にわた
って微量要素を放出する性質がある。このため、植物に
極めて優れた生育環境を実現し、植物を充分に繁殖させ
て、小動物に快適な生息環境を実現する。しかしなが
ら、骨材にゼオライト粒を使用する積ブロックは、ゼオ
ライトの優れた特性を充分に生かすことができない。そ
れは、ゼオライト粒の表面が、バインダーであるセメン
トに被覆されるからである。バインダーの使用量を少な
くすることによって、この弊害を少なくできる。ただ、
バインダーを少なくすると、骨材であるゼオライト粒を
強固に結合できなくなって、強度が著しく低下して使用
できなくなる。骨材であるゼオライト粒を強固に結合す
るバインダーは、骨材の表面のほぼ全面を被覆する。バ
インダーのセメントに被覆されるゼオライト粒は、ゼオ
ライトとしての優れた性質が失われる。さらに、ゼオラ
イト粒を被覆するセメントは、骨材表面を強アルカリと
して、植物と小動物の生活環境を低下させる。
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、表
出面に無数の空隙を設けると共に、ゼオライトの物性を
有効に生かすことによって、自然環境に極めて快適な生
態系の積ブロックとその製造方法を提供することにあ
る。
ックの製造方法は、前述の目的を達成するために下記の
ようにして積ブロックを製造する。本発明の方法は、積
層した状態で表面に表出する表出面に骨材1が埋設され
ており、この骨材1で表面に凹凸面が成形されている生
態系の積ブロックの製造方法を改良したものである。
ト粉末とセメントとを混練りしたバインダーを添加して
空隙骨材ペースト2とする。この空隙骨材ペースト2を
型枠3に所定の厚さに注入して、骨材1の間に空隙がで
きるようにバインダーで結合する。空隙骨材ペースト2
は、骨材1をバインダーで結合して、骨材1の間に空隙
を設けるものであるから、バインダーの添加量は、骨材
1の隙間を閉塞しない量に調整される。ただ、バインダ
ーの添加量が少なすぎると、骨材1を充分な強度で結合
できない。バインダーの添加量が多すぎると、骨材1の
間の空隙が少なくなる。バインダーの添加量は、バイン
ダーの種類によって最適値に調整される。バインダー
は、骨材1の表面を被覆して接点を強固に接着する。
添加量は、たとえば、5〜50重量%、好ましくは5〜
30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
ゼオライト粉末の添加量を多くすることは、生態系の積
ブロックとしての環境をより快適にする。ただ、ゼオラ
イト粉末の添加量を多くするとバインダーの原料コスト
が高くなる。さらに、ゼオライト粉末の添加量が多すぎ
ると、骨材1の接合強度が低下する。ゼオライト粉末の
添加量は、積ブロック5の使用環境と、原料コストと、
強度とを考慮して、前記の範囲で最適値に設定する。
ゼオライトのいずれかまたは両方を混合して使用する。
天然ゼオライトには、フッ石を粉砕したゼオライト粉
末、珪藻土、泥炭等が使用できる。天然ゼオライトは人
工ゼオライトよりも安いので、添加量を多くして低コス
トにできる。人工ゼオライト粉末は、天然ゼオライトよ
りも高価ではあるが、ゼオライトとしてより優れた物性
を示す。とくに、人工ゼオライト粉末は、マイナスにチ
ャージする部分に、鉄、コバルト、マンガン等の微量要
素を金属イオンとして担持させることができる。微量要
素を担体する人工ゼオライトは、長期間に渡って担持す
る金属イオンを放出して、植物の繁殖を促進する。
材ペースト2の上に、即時脱型コンクリート4を注入し
てプレス成形し、成形された積ブロック5を型枠3から
脱型して生態系の積ブロックを製造する。即時脱型コン
クリート4には、即時脱型工法に使用されている流動性
の少ない硬練りのコンクリートが使用される。
態系の積ブロックは、骨材1の接点をバインダーで結合
して、骨材1の間に無数の隙間を設けている。さらに、
積ブロック5は、骨材1を結合するバインダーに、セメ
ントに加えてゼオライト粉末を添加し、ゼオライト粉末
を含むバインダーが骨材1の接点を結合すると共に、骨
材1の表面を被覆する。骨材1の間に設けられる空隙
が、ゼオライト粉末の添加されたバインダーで囲まれて
いる。
の空隙があり、しかも、骨材1の表面はゼオライト粉末
のバインダーで被覆されている。いいかえると、空隙の
周囲が、ゼオライト粉末の添加されたバインダーで囲ま
れた状態となる。空隙の周囲にあるバインダーに含まれ
るゼオライト粉末は、担持する微量要素を経時的に放出
する。本発明の生態系の積ブロックは、骨材1をゼオラ
イトとするのではない。骨材1を被覆するバインダーに
ゼオライト粉末を添加している。したがって、ゼオライ
ト粉末から放出される微量要素は、直接に空隙に堆積し
ている土砂に効率よく補給される。この状態は、生態系
の積ブロックとして極めて優れた環境を実現する。表面
に設けられた無数の空隙は、小動物の快適な生息環境
と、土砂等の堆積しやすい環境を実現し、さらに、ここ
に堆積する土砂には、生物の育成環境を活発にする微量
要素が長期間に渡って補給されるからである。
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための生態系の積ブロックとそ
の製造方法を例示するものであって、本発明を下記のも
のと特定するものでない。
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
の積ブロックの一例を示す斜視図である。この図に示す
積ブロック5は、「間知ブロック」と呼ばれる積ブロッ
クである。この積ブロック5は、ブロック本体の前面の
表出面に、骨材1の空隙層6を設けている。この形状の
積ブロック5は、図3の断面図で示すように積層されて
擁壁を構築する。図3に示す擁壁は、基礎コンクリート
7の上に積ブロック5を複数段に積み重ね、積ブロック
5の間に胴込めコンクリート8を入れて、上下左右の積
ブロック5を連結固定している。
は、積ブロックを間知ブロックに特定しない。積ブロッ
クには、図示しないが、たとえば擁壁ブロックや法面を
保護する大きなブロックとすることもできる。
インダーにゼオライト粉末を添加する。ゼオライト粉末
として最適なものは、下記の工程で製造する人工ゼオラ
イトである。ただ、人工ゼオライトに代わって、あるい
は人工ゼオライトに添加して、天然ゼオライトも使用で
きる。 シリカとアルミナからなる無機粉体からNa型の人
工ゼオライトを製造する工程 無機粉体には、石炭火力発電所から廃棄物として多量に
発生している石炭灰であるフライアッシュが使用でき
る。フライアッシュから、陽イオン吸着力の吸着担体で
ある人工ゼオライトを製造する。フライアッシュを人工
ゼオライトとするには、フライアッシュを、1Nの苛性
ソーダ水溶液に数時間浸漬して攪拌する。苛性ソーダ水
溶液の濃度は1N〜3Nである。その後、水洗、乾燥し
て、粉末状の人工ゼオライトとする。苛性ソーダ水溶液
に浸漬されたフライアッシュは、SiとAlとがOを介
して結合されたNa型の人工ゼオライトとなる。このよ
うにして製造される人工ゼオライトは、SiとAlに4
個のOが結合される。Siはプラスの4価、Alはプラ
スの3価であるので、Alの部分で電子が1個余剰にな
ってこの部分がマイナスにチャージする吸着担体とな
る。Na型の人工ゼオライトは、Alのマイナスにチャ
ージする部分に、プラスイオンである鉄、コバルト、マ
グネシウム等の金属イオンが結合できる。このようにし
て製造された人工ゼオライトは、陽イオン交換容量が約
200meq/100gとなる。
を吸着させる工程 フライアッシュから得た吸着担体である人工ゼオライト
を、金属イオンを含む水溶液に浸漬して、人工ゼオライ
トに金属イオンを吸着させる。金属イオンを担持する人
工ゼオライトは、金属イオンの種類によらずほぼ同じよ
うにして製造できる。以下、鉄を担持するFe型人工ゼ
オライトの製造方法を述べる。人工ゼオライトを、鉄イ
オンを含む水溶液に浸漬する。鉄イオンを含む水溶液に
は、濃度を1Nとする塩化鉄の水溶液を使用する。人工
ゼオライトの浸漬時間は約3時間とする。人工ゼオライ
トを塩化鉄の水溶液に浸漬すると、マイナスにチャージ
している部分に鉄イオンが結合されて、鉄を担持するF
e型の人工ゼオライトとなる。鉄イオンを吸着させた
後、水洗、乾燥して粉末状の鉄吸着担体とする。
やマグネシウムを担持させるには、塩化鉄の水溶液に浸
漬するのに代わって、コバルトやマグネシウムの塩化物
の水溶液に人工ゼオライトを浸漬する。塩化物水溶液の
濃度や浸漬時間は、塩化鉄水溶液に浸漬するのと同じで
ある。このようにして、コバルトやマグネシウムが挟着
された人工ゼオライトが製造できる。
バルト、マグネシウム型の人工ゼオライトを3:3:
1:1の割合で混合して、バインダーに添加するゼオラ
イト粉末とする。鉄型の人工ゼオライトを多量に添加す
るのは、植物に鉄分を補給して、より効果的に生育でき
るからである。ナトリウム型の人工ゼオライトを混合す
るのは、このタイプの人工ゼオライトが最も製造コスト
を安価にできるからである。ゼオライト粉末には、鉄型
の人工ゼオライトのみを使用することもできる。
トを使用して、下記の工程で生態系の積ブロックを製造
する。 ゼオライト粉末をセメントに添加してバインダーを
混練りする工程 ゼオライト粉末がセメントに添加される。ゼオライト粉
末の添加量は、セメント100重量部に対して、5重量
部、10重量部、20重量部、30重量部と、40重量
部、50重量部とする。ゼオライト粉末とセメントに、
細骨材と水を混練りして骨材のバインダーとする。バイ
ンダーは、さらに合成樹脂を添加することもできる。
材ペーストとする工程 バインダーに骨材を混合して、空隙骨材ペーストとす
る。バインダーの添加量は、多すぎると骨材の空隙が閉
塞されて空隙率が低くなり、少なすぎると充分な強度で
骨材を結合できなくなる。バインダーの添加量は、骨材
を結合する強度と、要求される空隙率とを考慮して最適
値に調整される。バインダーの添加量は、100重量部
の骨材に対して、たとえば3〜50重量部、好ましくは
5〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部に設
定される。
石、天然石を粒状に破砕した砕骨材である。骨材1の大
きさは、空隙の大きさを決定する。骨材に大きいものを
使用すると空隙は大きくなる。反対に、骨材を小さくす
ると、小さい空隙が多数できるようになる。空隙の大き
さは、生態系の積ブロックの用途に最適な大きさに設計
される。微生物や苔の環境を良くするためには、微細な
空隙を多く設けるのが良いので、使用する骨材を小さく
する。微生物や苔よりも、魚等の小さい動物の棲息環境
を良くし、さらに植物の生育環境を良くするためには、
比較的大きな骨材を使用する。用途を考慮して、骨材1
の平均粒子径は、たとえば2〜30mm、好ましくは3
〜20mm、さらに好ましくは3〜15mm、最も一般
的には5〜10mmのものが使用される。
を型枠の底面に打設する。空隙骨材ペースト2を型枠3
に打設する厚さは、生態系の積ブロックの表出面に設け
られる空隙層6の厚さを決定する。空隙層6を厚くする
と表出面に多くの空隙を設けることができる。ただ、空
隙層6はブロック本体に比較して強度が弱いので、空隙
層6を厚くすると、積ブロック5として強度が低下す
る。積ブロック5は積層した状態で充分な強度が要求さ
れる。強度、空隙量、用途、外形、大きさ等を考慮し
て、空隙層6の厚さ、すなわち、空隙骨材ペースト2を
打設する厚さは、例えば1〜10cm、好ましくは1〜
8cm、さらに好ましくは1.5〜5cmに設計され
る。さらに、間知ブロックの空隙層6の厚さは、最適に
は1〜4cmの範囲に設計される。
ートを空隙骨材ペーストの上に打設する。即時脱型コン
クリート4は、空隙骨材ペースト2が未硬化の状態で、
あるいは空隙骨材ペースト2を硬化させた後、打設され
る。空隙骨材ペースト2を未硬化の状態で即時脱型コン
クリート4を打設すると、即時脱型コンクリート4と空
隙骨材ペースト2とを強固に結合できる。空隙骨材ペー
スト2を硬化させた後に、即時脱型コンクリート4を打
設すると、即時脱型コンクリート4を打設する圧力で、
空隙骨材ペースト2で形成される空隙が押し潰されるこ
とがなく、空隙率を高くできる。
ントに水を混練りしたものである。即時脱型コンクリー
ト4は、空隙骨材ペースト2の上に打設して、空隙骨材
ペースト2の骨材1の間に流入しないように、スランプ
値を0〜2に調整される。即時脱型コンクリート4は、
現在すでに即時脱型工法で積ブロックを製造しているも
のをそのまま使用することもできる。即時脱型コンクリ
ート4は流動性がないので、加圧して型枠3に打設す
る。さらに、打設するときに振動を与えることもでき
る。
る。即時脱型コンクリート4は、打設した後直ちに脱型
できる。空隙骨材ペースト2のバインダーに少量の水を
添加したセメントを使用する場合、空隙骨材ペースト2
も打設して成形した後、直ちに脱型が可能である。空隙
骨材ペースト2と即時脱型コンクリート4の両方に、成
形後に直ちに脱型できる材料を使用すると、能率よく積
ブロック5が多量生産できる。ただ、空隙骨材ペースト
2のバインダーに合成樹脂接着剤を添加する場合は、バ
インダーが硬化するのを待って成形された積ブロック5
を脱型する。
ブロックは、骨材を空隙ができるように結合するバイン
ダーにゼオライト粉末を添加している。このため、骨材
の間にできる空隙は、ゼオライト粉末の添加されたバイ
ンダーで囲まれた状態となる。バインダーに含まれるゼ
オライト粉末は、マイナスにチャージしている部分があ
つて陽イオンの吸着能力に優れている。このため、ゼオ
ライト粉末には、植物の生育を活発にする、鉄、コバル
ト、マンガン等の微量要素を、イオン結合する状態で担
持させることができる。ゼオライト粉末に吸着して担持
される微量要素は、急激に放出されることがなく、長期
間に渡って経時的に放出される。微量要素が、ゼオライ
ト粉末に単に混合して含まれるのではないからである。
このため、本発明の生態系の積ブロックは、ゼオライト
粉末を含むバインダーで囲まれる空隙に、植物の生育を
活発にする微量要素を、長期間に渡って放出できる特長
がある。この特長は、骨材の間に無数の空隙を有するこ
とと相乗して、生態系の積ブロックとして理想的な特性
を実現する。空隙が、小動物の快適な生息環境を実現す
ると共に、ここに土砂等の堆積しやすい環境を実現し、
さらに、土砂に生育する植物や苔の生育を活性にする微
量要素を補給するからである。
無数の空隙を、生物環境として理想的な状態にできる生
態系の積ブロックを、安価に能率よく多量生産できる特
長もある。それは、本発明の製造方法が、骨材と、骨材
を接点で結合するバインダーにゼオライト粉末を混合し
ている空隙骨材ペーストを型枠に注入し、その後、即時
脱型コンクリートを注入して、表出面に無数の空隙を形
成するものだからである。特に、本発明の請求項1に記
載される製造方法は、ゼオライト粉末を添加するバイン
ダーを混練りした空隙骨材ペーストを型に注入した後、
即時脱型コンクリートを注入するので、骨材の間に即時
脱型コンクリートが注入されることがなく、ゼオライト
粉末を含むバインダーで囲まれた空隙を作ることができ
る。即時脱型コンクリートは、通常の生コンクリートの
ように流動性がないので、骨材表面を覆うゼオライト粉
末を添加しているバインダーの表面を被覆することがな
く、骨材の表面がゼオライト粉末を添加しているバイン
ダーで被覆されるからである。型枠に後から注入される
即時脱型コンクリートは、先に注入された空隙骨材ペー
ストの裏面に直接に接触して、これに強固に結合される
が、骨材の間に侵入することはなく、骨材の空隙を閉塞
せず、また、骨材表面のバインダーを被覆することもな
い。さらに、表出面を成形する空隙骨材ペーストは、骨
材と、骨材の接点を結合するバインダーとの混合体であ
るから、骨材が無数の空隙のある状態にバインダーで強
固に結合される。したがって、空隙骨材ペーストによっ
て、生態系の積ブロックの表出面には、立体的に無数の
空隙が設けられる。特に、本発明の生態系の積ブロック
の製造方法は、必要ならば、空隙骨材ペーストを充填す
る厚さを調整して、生態系の積ブロックの表出面の厚い
空隙層を形成することができる。
斜視図
を構築する状態を示す断面図
断面図
断面図
Claims (2)
- 【請求項1】 積層した状態で表面に表出される表出面
に骨材(1)が埋設されており、この骨材(1)で表面に凹凸
面が成形されている生態系の積ブロックの製造方法にお
いて、 骨材(1)に、ゼオライト粉末とセメントとを混練りした
バインダーを添加して空隙骨材ペースト(2)とし、この
空隙骨材ペースト(2)を型枠(3)に所定の厚さに注入し
て、骨材(1)の間に隙間ができるようにバインダーで結
合し、空隙が設けられている骨材(1)の上に、即時脱型
コンクリート(4)を注入してプレス成形し、成形された
積ブロック(5)を型枠(3)から脱型することを特徴とする
生態系の積ブロック製造方法。 - 【請求項2】 積層した状態で表面に表出される表出面
に骨材(1)が埋設されており、この骨材(1)の接点がバイ
ンダーで結合されて、骨材(1)の間に隙間が設けられて
なる生態系の積ブロックにおいて、 骨材(1)を結合するバインダーが、セメントとゼオライ
ト粉末とを含み、バインダーが骨材(1)の表面を被覆す
ると共に、骨材(1)の接点を結合しており、骨材(1)の間
に設けられる空隙が、ゼオライト粉末の添加されたバイ
ンダーで囲まれてなることを特徴とする生態系の積ブロ
ック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8024596A JP2901909B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 生態系の積ブロックとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8024596A JP2901909B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 生態系の積ブロックとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09194267A JPH09194267A (ja) | 1997-07-29 |
JP2901909B2 true JP2901909B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=12142544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8024596A Expired - Lifetime JP2901909B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 生態系の積ブロックとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2901909B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002210863A (ja) * | 2001-01-19 | 2002-07-31 | Motoharu Tamai | 複合セメント硬化体の製造方法 |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP8024596A patent/JP2901909B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09194267A (ja) | 1997-07-29 |
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