JP3679639B2 - リサイクル処理支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電品、OA(Office Automation)機器等の製品が廃棄される場合に、製品に含まれる、適正な処理を必要とする部品等の回収やリサイクルを支援する方法と、該方法を用いた支援システムとに関する。
【0002】
【従来の技術】
家電品などが不要になった場合、その多くは分解等の事前処理をほとんど行うことなく破砕処理され、鉄および一部の非鉄金属のみ回収され、残りは埋立等の方法で最終処分されているのが現状である。しかし、家電品などには、電子回路基板に含まれる鉛や、冷蔵庫、エアーコンデショナーなどの冷媒のように、そのまま廃棄されると環境に悪影響を及ぼす物質も含有されており、それらの物質がシュレッダーダストに含まれたまま最終処分されると、地下水への溶出などによって環境汚染の原因となる可能性もある。また、この方法による処理では製品のリサイクル率は低く、特に金属の割合が年々減少傾向にある家電製品においては、リサイクル率も年々低下する可能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現在、家電品等の廃棄処分は、自治体や処理業者によって行われているが、製品を構成する部品や部組品(本明細書では、これらを単に「部品」と呼ぶ)に含有される適正処理物や有価物に関する情報、すなわち、「製品を構成する部品に、適正処理を要する物質等が含有されているか」、「製品を構成する部品に、希少金属等の価値のある物質が含有されているか」、「含有されている場合、その物質名は何か」、「どの部品に含有されているのか」などの情報が不明な場合、破砕処理前に適正処理を要する物や、回収価値の高い物質を含有した部品を分解して回収することが困難となり、適正処理の障害となるとともに、処理費用が増大する原因にもなっていた。
【0004】
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、適正処理の必要な物質を含有する部品を、製品の処分作業時に確実に回収した上で、さらに目標とするリサイクル率を確保しながら、回収価値の高い物質を含有する部品を効率良く回収することにより処理費用が小さくすることのできる処分方法を提示するリサイクルの支援方法および支援システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、複数の部品を備える製品を分解するリサイクル処理を、分解対象の部品の情報を出力することにより支援するリサイクル処理支援システムであって、分解対象の部品を決定する処分方法設定部と、処分方法設定部の決定した分解対象の部品の情報を出力するデータ出力部とを備えるシステムが提供される。
【0006】
本発明の処分方法設定部は、分解対象とされた部品を分解するものとして算出された製品のリサイクル率が、目標とするリサイクル率以上になるまで、あらかじめ定められた優先順位の高い部品から順に分解対象に追加する分解対象追加手段を備える。ここで、製品のリサイクル率とは、当該製品全体に対する、回収する物質の質量比である。また、目標とするリサイクル率は、あらかじめ定められていてもよく、外部からの入力を受け付けて定めるようにしてもよい。
【0007】
なお、優先順位は、部品ごとのリサイクル費用に応じて定められることが望ましい。ただし、部品ごとのリサイクル費用とは、当該部品を処分するための費用(すなわち、当該部品の分解やその後の処理に要する費用。以下、「分解費用」と呼ぶ)から、当該処分により得られる回収物の売価を引いて求められる値である。このようにすれば、処分方法設定部は、分解対象とされた部品を分解するものとして算出された上記製品のリサイクル率が、目標とするリサイクル率以上であり、かつ、分解対象とされた部品を分解するものとして算出された製品のリサイクル費用が最少になるように、当該分解対象とされる部品を決定することになる。ただし、製品のリサイクル費用とは、分解対象とされた全部品の分解費用の総和から、当該部品から得られる回収物の売価の総和を引いて求められる値である。また、分解費用は、部品の分解やその後の処理に要する費用であるが、必要に応じて、分解のみの費用としてもよく、分解以外の処理のみの費用としてもよい。
【0008】
また、本発明では、分解対象追加手段が、複数の基準に応じてそれぞれ部品の優先順位付けを行い、それぞれの優先順位に応じて分解対象候補を求め、あらかじめ定められた選択基準に応じていずれかの分解対象候補を選択するようにしてもよい。
【0009】
このようにするには、分解対象追加手段が、上記部品の優先順位を、複数の基準に応じてそれぞれ定める手段と、優先順位の基準ごとに、該基準に応じて定められた優先順位の高い部品から順に、分解対象とされた部品を分解するものとして算出された上記製品のリサイクル率が目標とするリサイクル率以上になるまで分解対象とし、当該分解対象とされた部品群を上記基準ごとの分解候補とする手段と、これら分解候補のうちのいずれか一つを選択し、該選択された分解候補に含まれる部品を分解対象として決定する分解候補選択手段とを備えればよい。なお、分解候補の選択は、例えば、製品のリサイクル費用が最少になるように行うことができる。
【0010】
また、あらかじめ定められた一つの基準に基づいて付けられた優先順位にしたがって、分解対象の部品を決定し、この分解対象部品を分解するものとして算出されたリサイクル率が、目標のリサイクル率を達成していない場合には、別の優先順位基準に基づて再度分解対象部品を決定するという処理を、目標が達成されるまで繰り返すようにしてもよい。
【0011】
本発明のリサイクル支援システムでは、処分方法設定部は、製品を構成する部品のうち、分解費用が回収物の売価以下である部品を分解対象とする優先分解対象決定手段を、さらに備えることが望ましい。上述の分解対象追加手段による分解対象の追加の前に、分解費用が回収物の売価以下である部品を優先的に分解対象としておけば、このような分解対象とすべき部品が分解対象からもれることを回避することができる。
【0012】
さらに、本発明では、上述した本発明のリサイクル支援システムで用いられるリサイクル支援方法と、該方法を実現するためのプログラムを保持する記憶媒体とが提供される。
【0013】
なお、本発明のリサイクル支援システムは、製品およびそれを構成する部品に関する一般的な情報や、処理に必要な方法を示す情報を一つ以上保持するための製品情報データベースと、各処理工場または処理業者における処理設備の能力(単位時間当たりの処理可能量や、処理時に回収可能な物質量等)、運転費用等の情報を保持する処理設備データベースと、物質ごとに売却時や処分時の価格を保持する物質価格データベースとを備えることが望ましい。しかし、リサイクル支援処理に必要となるこれらの情報の入力を受け付ける手段を設け、これらのデータベースを省略してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
<実施例1>
A.システム構成
(1)ハードウエア構成
本実施例のリサイクル支援システム10は、図2に示すように、パーソナルコンピュータなどの演算装置16と、キーボードやバーコードリーダ、マウスなどの一般的な入力機器、画像処理等を用いて寸法を計測する装置、ならびに、重量および重量配分(重心)を計測する装置などを含めた入力装置17と、ディスプレイやプリンタといった一般的な出力装置18と、演算装置16に接続された外部記憶装置23とを備える。演算装置16は、ハードディスク等の補助記憶装置22と、半導体メモリなどの主記憶装置21と、中央演算処理装置(CPU)20とを有する情報処理装置である。
【0015】
(2)システム構成
本実施例のリサイクル支援システム10のシステム構成を、図1に示す。本システム10は、記憶部11と、各種の演算を実行する計算部12と、データベースの検索・読み取りを行うデータベース検索・読み取り部13と、データ出力部14とを備え、計算部12は処分方法設定部15を含む。処分方法設定部15は、優先分解対象決定手段15aと、分解対象追加手段15bとを備える。
【0016】
記憶部11は、主記憶装置21および補助記憶装置22により実現される記憶領域である。また、残りの各部12〜14は、補助記憶装置22または外部記憶装置23にあらかじめ保持され、主記憶装置21に読み込まれたプログラムをCPU20が実行することにより実現される。
【0017】
なお、本実施例では、このように各部が汎用コンピュータによるソフトウエアの実行により実現されるが、本発明はこれには限られず、以下に説明する各ステップを実行するハードワイヤードロジックを含むハードウエア装置や、ハードウエア装置と汎用コンピュータとの組み合わせによって実現してもよい。
【0018】
B.処理の流れ
つぎに、本実施例のリサイクル支援システム10における処理の流れの概略について説明する。
【0019】
まず、計算部12は、入力装置17を介して、目標とするリサイクル率の入力を受け付ける(ステップ101)。ただし、この作業は毎回行う必要はなく、記憶部11に目標とするリサイクル率があらかじめ保持されていれば、省略することも可能である。また、法令等で定められる値を使う場合には、ネットワークを通して、情報を自動的に獲得するような方法を用いることで、この入力自体を省略することも可能である。ここで、ネットワークを通じて自動的に目標値を設定する方法としては、例えばインターネットを通してリサイクル率の法定値を記録した場所に接続し、そこから情報を引き出してくるなどの方法が考えられる。なお、この場合には、図1に示した構成の他に、演算装置16につながるネットワーク機構も必要となる。
【0020】
次に、計算部12が、入力装置17を介して、製品の型式の入力を受け付け(ステップ102)、データベース検索・読み取り部13が、入力された型式の示す製品の製品情報を製品情報データベース24から読み込み、記憶部11に格納する(ステップ103)。
【0021】
さらに、計算部12は、読み取った製品情報をもとに、必要となる処理に関する情報を判断し(ステップ104)、データベース検索・読み取り部13により処理設備データベース25に対して検索・読み取りを行ない、読み出されたデータを記憶部11に格納する(ステップ105)。
【0022】
続いて、計算部12は、読み取った製品情報および処理設備情報をもとに、必要となる回収物質に関する情報を判断し(ステップ106)、データベース検索・読み取り部13により物質価格データベース26に対して検索・読み取りを行ない、読み出されたデータを記憶部11に格納する(ステップ107)。
【0023】
次に、記憶部11に記憶されたデータを用いて、計算部12に含まれる処分方法設定部15が、処分方法の設定を行ない(ステップ108)、記憶部11に格納する。続いて、計算部12が、記憶部11に記憶された処分方法に従い、リサイクル費用やリサイクル率を算出し(ステップ109)、その結果を記憶部11に記録する。これらの手順(ステップ108,109)は最適な処分方法が選定されるまで繰り返され(ステップ110)、最適な処分方法が選定された段階で、データ出力部14が出力装置18に選定結果を出力する(ステップ111)。
【0024】
C.データ構造
(1)製品情報データベース24
製品情報データベース24は、入力された型式から検索される種々の情報を記憶したものであり、本実施例では、図4に示すように、部品情報データベース41、分解制約データベース42、および、部品親子情報データベース43、および、製品型式データベース44を備える。
【0025】
ここで製品型式データベース44には、第1列に製品ID(識別子)、第2列にメーカ、第3列に種類、第4列に年式、第5列に型式、第6列に製品全体質量が、それぞれ保持されている。このデータベース44は、製品IDとその製品の型式情報とを関連付けるものである。なお、本実施例では、製品の質量に関する情報がいずれかの記憶領域に保持されていれば、この製品型式データベース44はなくてもよい。
【0026】
部品情報データベース41は、製品を構成する個々の部品に関する情報を記憶するもので、第1列に製品ID、第2列に部品ID、第3列に名称、第4列に分解方法、第5列に分解時間、第6列に適正処理の要否、第7列に分解によって得られる回収物の一覧を、それぞれ保持している。このデータにより製品を構成する個々の部品について、分解方法、分解時間、適正処理の要否を判断することが可能であり、併せて分解した場合の回収物も特定することができる。
【0027】
分解制約データベース42は、ある部品を分解する際に、事前に分解を要する部品を特定するための情報を記憶したもので、第1列に分解部品ID、第2列に制約部品IDが、それぞれ保持されている。
【0028】
部品親子情報データベース43は、部品の親子関係を記録したもので、第1列に親部品ID、第2列に子部品IDが、それぞれ保持されている。
【0029】
本実施例のシステム10では、部品情報データベース41、分解制約データベース42、部品親子情報データベース43の3つのデータベースを用いることで、製品を分解した際の製品および部品の親子関係を、各枝葉に属性を備えるツリー形状で表現し、管理するため、計算部12における計算が容易になる。
【0030】
製品情報データベース24は、製品を設計・製造したメーカにより作成され、処理工場・処理業者に提供されることが望ましい。なお、提供の方法としては、CD-ROMなどの記憶媒体を用いる方法や、インターネットなどのネットワークを用いる方法等が考えられる。前者の場合には記憶媒体を読み出すためのドライブが、後者の方法の場合にはネットワークの機能を提供する装置が、それぞれ演算装置16に必要となる。なお両データベースとも複数のメーカが作成したものを統合できる仕組みを組み込むか、メーカごとに作成した複数のデータベースをメーカ名などをキーとして検索可能な仕組みが必要であるが、これらは既存の検索システムを援用することで構築が可能である。
【0031】
図4に示したように、製品情報データベース24には、製品を構成する部品の分解時の親子関係や各部品の分解に要する時間、また各部品が適正処理物質を含むか否か、また分解・回収した場合に得られる回収物質量などが記憶されている。
【0032】
これらの製品情報データベース24に記憶された情報を用いると、製品を構成する部品の関係をツリー状の部品構成図(図7)に表すことができる。なお、図7において、各矩形71は製品を構成する部品を示し、矩形71どうしを結んでいる線72が親子関係を示す。この親子関係を示す線72で結ばれた2つの矩形70のうち、紙面上で上に配置されている矩形が親を、下に配置されている矩形が子を示す。
【0033】
なお、図7では、適正処理物質を含む部品については、各辺が二重線になっている矩形73により表記した。また、ある部品と、その部品を分解する際に、事前に分解が必要となる制約部品との関係は、分解対象部品の矩形から制約部品の矩形へ向けて矢印74を付すことにより表した。なお、本実施例の分解制約データベースには掲載していないが、子部品を分解する場合には、親部品の分解は必須であり、これも併せて制約条件となる。
【0034】
図7に図示した部品構成図は、部品2と部品3は適正処理が必要であって分解が必須なことを示している。また、この部品構成図からは、これら分解必須な部品2や部品3を分解するためには、制約条件である部品1の分解も必要なこと、それ以外には分解が必須な部品は存在しないことがわかる。
【0035】
(2)処理設備データベース25
処理設備データベース25は、処理工場・処理業者の持つ設備に関する情報を記憶したものであり、本実施例では、図5に示すように、第1列に装置名、第2列に対象物、第3列に非対象物(投入できない対象物)、第4列に処理能力、第5列に運転費用、第6列に回収物が、それぞれ保持されている。
【0036】
処理設備データベース25は、各処理工場や処理業者が、自らの処理作業に用いる設備や人員に関する情報を基に作成し、演算装置16と接続可能な状態で提供する。例えば、演算装置16と接続されたハードディスクドライブなどの補助記憶装置22内に設けることで実現が可能である。
【0037】
(3)物質価格データベース26
物質価格データベース26は、回収される物質の種類、質ごとにその価格(単価)を記憶したものであり、本実施例では、図6に示すように、第1列に物質名、第2列に物質の質、第3列に単価、第4列に回収割合を記憶したものである。
【0038】
物質価格データベース26は、例えば、各処理工場・処理業者が、売却・処分を委託している業者との契約に沿った情報を用いて作成し、演算装置16と接続可能な状態で提供する。提供方法については、処理設備データベース25の場合と同様である。
【0039】
また、物質価格データベース26については、世間の一般的相場の値を一括管理して提供するものを利用することも可能である。この場合には、例えば新聞等に公開されている各物質の取引価格等の情報に基づいてデータベースを作成し、フロッピーディスクなどの記憶媒体やネットワークを用いて提供する方法等が考えれられる。この場合には、記憶媒体を読み出すためのドライブや、ネットワークの機能を提供する装置が、それぞれ演算装置16に必要となる。
【0040】
なお、本実施例では、物質価格データベース26を演算装置16内部ではなく外部記憶装置23に設けることにより、日々変動する物質の価格への対応ができる。このため、本実施例では、例えばある物質の価格が変動したために、それに対応してより効率的な処理工程に臨機応変に変更することができ、処理工場や処理業者の運営をより効率的に行うことができる。
【0041】
また、物質価格データベース26には、鉄や銅といった有価物と見なされる材料だけでなく、例えば処分に費用の掛かるダストの処理費などの情報も同様に記憶し、また例えばフロッピーディスクドライブやハードディスクドライブ、電源装置等のように部品として再利用するような部品については、部品として記憶することで、種々のリサイクル処理形態に対応が可能である。
【0042】
D.処分方法設定部15
次に、図7に示した構成の製品1を分解が必須な部品のみ分解した場合を例にとって、処分方法設定部15における処理の流れについて説明する。なお、以下の処理では、各データベース保持する情報の参照は、当該データベースからステップ102〜107において読み込まれ、記憶部11に格納された情報を参照することにより行われる。
【0043】
(1)処分方法の設定(ステップ108)
処分方法設定部15は、製品情報データベース24に保持されている情報を基に、分解が必須な部品を判定し、分解対象とする。すなわち、処分方法設定部15は、部品情報データベース41の保持する適正処理の要否情報(第6列)から、製品1を構成する部品のうち適正処理が必要なのは部品1,2,3であることを検出し、分解制約データベース42が保持する制約部品情報から部品1が部品2,3の制約部品であることを検出して、これらの部品を分解対象とする。
【0044】
(2)リサイクル費用の算出(ステップ109の一部)
つぎに、図8を使ってリサイクル費用を求める方法を説明する。
【0045】
まず、処分方法設定部15は、分解の対象となる部品を判定する(ステップ301)。図7に示した例では、製品1を構成する部品のうち、適正処理物質を含む部品は、矩形73で表された部品2と部品3の2つであるが、これらのみならず、これらの部品2,3の分解制約となっている(すなわち、これらの部品を表す矩形73から出た矢印74の先にある)部品1もまた、分解の対象となる。
【0046】
次に、処分方法設定部15は、これら分解対象の部品ごとに、製品情報データベース24内の部品情報データベース41の第5列から、その分解に要する分解時間を抽出し(ステップ302)、それらの値を合計して分解時間の合計値を求め(ステップ303)、この合計値に作業者の単価(時間当たりの費用)を掛けて、分解費用(ステップ304)を算出する。なお、作業者の単価は、本実施例では記憶部11にあらかじめ保持されているが、入力装置17を介して入力を受け付けるようにしてもよい。その場合、値の設定方法は、通常のアプリケーションの初期設定やオプション設定と同様にすることができる。
【0047】
次に、処分方法設定部15は、分解して得られた回収物の処理に要する費用を算出する。すなわち、処分方法設定部15は、製品情報データベース24内の部品情報データベースの第7列より回収物を抽出し(ステップ305)、さらに物質価格データベース26の第1列、第2列のいずれにこれら回収物が該当するかを判断して(ステップ306)、第3列よりそれぞれの回収物の単価を抽出し(ステップ307)、ステップ305で抽出したそれぞれの回収物の量とステップ307で抽出した回収物単価を掛け合わせることで、回収物価格を算出する(ステップ308)。
【0048】
さらに、処分方法設定部15は、分解の対象とならなかった残りの部品の処理費用を算出する。残りの部品は複数の材質の混ざった混合物であり、かつ適正処理が必要となる部品は取り外されたものである。この条件をもとに、処分方法設定部15は、処理設備データベース25の第2列、第3列を検索することで「破砕機」が適切であることを検出し(ステップ309)、その処理単価を第5列から、また処理後の回収物は第6列から抽出する(ステップ310)。
【0049】
このステップ310と並行して、処分方法設定部15は、製品情報データベース24の製品型式データベース44の第6列に保持された製品全体質量情報を抽出し(ステップ311)、併せてステップ305までに分解するとされた部品の質量の合計値を求めて(ステップ312)、これらの差を算出して分解対象外部品の質量とする。
【0050】
そして、処分方法設定部15は、この質量に処理単価を掛けて処理費用を算出し(ステップ313)、また、各材質ごとの回収物情報を用いて、処理後の物質ごとの回収量を求め(ステップ314)、さらに物質価格データベース26の第1列、第2列のいずれにこれら回収物が該当するかを判断し(ステップ315)、第3列よりそれぞれの回収物の単価を抽出し(ステップ316)、ステップ314で算出したそれぞれの回収物の量とステップ316で抽出したそれぞれの回収物単価を掛け合わせて、それらの合計値を求めることで回収物価格を算出する(ステップ317)。なお、ここでは「破砕機」のみの処理を想定しているが、複数の処理設備に投入する必要がある場合には、それぞれの設備に投入された質量の合計値とそれぞれの設備の運転費用や回収物質量と回収物単価等から求めたそれぞれの設備の処理費用、回収物価格を合計すればよい。
【0051】
ステップ304で求めた分解費用、ステップ313で求めた処理費用、ステップ308ならびにステップ317で求めた回収物価格を合計したもの(ただし回収物価格は売却して得た利益を正にとっているため、実際には減算となる)が、この事例におけるリサイクル費用となる(ステップ318)。なお、これらのステップは必ずしも上述の順序で行う必要はなく、費用算出処理などが前後しても問題はない。
【0052】
(3)リサイクル率の算出(ステップ109の一部)
次に、同じ例を用い、図9を使ってリサイクル率を求める方法を説明する(図3のステップ109の一部)。ここで、リサイクル率とは製品の全体質量に対するリサイクルされる質量の割合である。なお、製品の全体質量は、製品情報データベース24の製品型式データベース44の第6列に記憶されており、データベース検索・読み出し部13により読み出され、記憶部11に記憶されている。なお、このデータが存在しない場合には、該製品を構成する部品ごとの質量の総和を用いるようにしてもよい。
【0053】
処分方法設定部15は、まず、図7において分解の対象となる部品が、適正処理を必要とする部品2,3、および、これら部品2,3の分解制約となっている部品1であることを判断し(ステップ501)、これら分解の対象となる個々の部品による回収物を製品情報データベース24内の部品情報データベースの第7列から抽出し(ステップ502)、これらの回収物情報を用いて、処理設備データベース25を検索し(ステップ503)、その回収可能割合を抽出して(ステップ504)、回収物の量と割合とを掛け合わせることで、処理を行う回収物に関する回収可能質量を算出する(ステップ505)。
【0054】
このステップ503〜505の処理と並行して、処分方法設定部15は、回収物情報を基に物質価格データベース26を検索し(ステップ506)、その回収可能割合を抽出し(ステップ507)、回収物の量と割合とを掛け合わせることで、そのまま物質として処理する回収物に関する回収可能質量を算出する(ステップ508)。
【0055】
続いて、処分方法設定部15は、分解の対象とならなかった残りの部品の回収可能量を算出する。残りの部品は複数の材質の混ざった混合物であり、かつ適正処理が必要となる部品は取り外されたものである。この条件をもとに、処分方法設定部15は、処理設備データベース25の第2列、第3列を検索することで「破砕機」が適切であることを検出し(ステップ509)、処理設備データベース25の第6列から、処理対象物に対する回収物の割合を抽出する(ステップ510)。
【0056】
このステップ509〜510の処理と並行して、処分方法設定部15は、ステップ502までに分解するとされた部品の質量の合計値を求めて(ステップ511)、記憶部11に記憶されている製品の全体質量との差を持って分解対象外部品の質量とする(ステップ512)。そして、処分方法設定部15は、この質量に対して、回収割合を掛けることで各材質ごとの回収量を算出し、それらを合計したものを分解対象外部品からの回収量とする(ステップ513)。なおここでは「破砕機」のみの処理を想定しているが、複数の処理設備に投入する必要がある場合には、それぞれの設備に投入された質量の合計値とそれぞれの設備の回収割合から求めたそれぞれの設備からの回収量を合計すればよい。
【0057】
つぎに、処分方法設定部15は、ステップ505で求めた処理設備からの回収量、ステップ508で求めた物質としての回収量、および、ステップ513で求めた分解対象外部品からの回収量を合計して、この事例における合計回収量とし(ステップ514)、これを記憶部11に記憶された製品全体質量で割ってリサイクル率を求める(ステップ515)。
【0058】
なお、これらのステップは必ずしも上述の順序で行う必要はなく、回収可能質量の算出の順番が前後しても問題はない。
【0059】
(4)最適方法の判断(ステップ110)
次に、上記の方法で算出したリサイクル費用とリサイクル率を基に、目標リサイクル率を達成した上で、より小さいリサイクル費用により処理が可能な方法を判断する手順を、図10を用いて説明する。なお、本実施例によれば、上述の各ステップ(ステップ108,109)により適正処理のために分解することが必須である部品は必ず分解するものとしてリサイクル費用とリサイクル率とがあらかじめ求められている状態で、この最適方法判定処理(ステップ110)を開始することで、製品の適性なリサイクル処理を担保する。
【0060】
まず、分解の対象とならなかった部品の一つを処理対象とし、その部品を分解した場合に要する分解費用と、それによって得られる回収物の量ならびに価格を算出する(ステップ401)。ここで、処分方法設定部15の優先分解対象決定手段15aは、ステップ109におけるリサイクル費用の算出方法と同様にして、1部品を対象に分解した場合の値を計算する。
【0061】
次に、優先分解対象決定手段15aは、分解費用と回収物費用(すなわち、回収物の売価)を比較し(ステップ402)、回収物費用が分解費用以上であれば、その部品を分解・回収するものとして、製品全体のリサイクル費用、リサイクル率を再計算するとともに、その部品の部品IDを記憶部11に記憶する(ステップ403)。
【0062】
また、回収物費用が分解費用を下回る場合、優先分解対象決定手段15aは、その部品の部品IDと分解費用、回収物費用および回収物量とを、記憶部11に格納する(ステップ404)。
【0063】
優先分解対象決定手段15aは、以上のステップ401〜404を、製品を構成する部品のうちステップ109において分解対象とならなかったすべての部品について繰り返す(ステップ405、406)。
【0064】
一般に、回収物が高価である等の理由で、回収費用(回収物質単価×回収物質量)が分解費用を上回る部品が存在している場合、この部品を分解すると、リサイクル率は向上し、リサイクル費用は下がる。したがって、この条件に該当する部品は分解した方がよりよいリサイクル方法になる。そこで、本実施例の処分方法設定部15は、このステップ401〜406の処理により、このような優先的に分解すべき部品をあらかじめ分解対象として定めておくのである。
【0065】
ここまでの処理により、リサイクル率が目標リサイクル率を上回っている場合(ステップ407)、処分方法設定部15は、その時点で分解対象として定められた部品を、最適な分解対象として、処理をステップ111に進める。
【0066】
ステップ407において、リサイクル率が目標リサイクル率を下回っている場合には、さらに部品を分解する必要がある。そこで、処分方法設定部15は、つぎの分解対象追加ステップ(ステップ404〜412)によって、分解する部品を追加する。なお、ここに示すアルゴリズムは一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
まず、処分方法設定部15の分解対象追加手段15bは、ステップ404で記憶した各部品ごとの回収量とリサイクル費用(分解費用と回収物費用との差)から、単位回収量当たりのリサイクル費用を算出し、この数値が小さい順に部品に優先順位を付ける(ステップ408)。ここで単位回収量当たりのリサイクル費用は、リサイクル費用を回収量で割り算したものでよく、また優先順位付けは、通常行われるソート方法に基づく部品データの並べ替えにより行うことができる。
【0068】
次に、分解対象追加手段15bは、この優先順位の高い順に、当該部品を分解するものとして、その部品を分解した場合のリサイクル費用とリサイクル率を再算出するとともに該部品の部品IDを記憶部11に格納する(ステップ409)。このステップの処理方法は、前述のステップ403と同様である。
【0069】
続いて、分解対象追加手段15bは、各部品について再算出するたびに、リサイクル率が目標リサイクル率以上となっているかを判断し(ステップ410)、リサイクル率が目標リサイクル率以上であれば、それまでに分解するものとされたすべての部品を最適な分解対象として、処理を処分方法出力処理(ステップ111)のステップ413に進める。
【0070】
一方、ステップ410において、算出されたリサイクル率が目標リサイクル率に達しない場合、分解対象追加手段15bは、処理対象が最後の部品(すなわち、最も優先順位の低い部品)でなければ(ステップ411)、次の優先順位の部品について(ステップ412)、同様にリサイクル費用とリサイクル率の算出、部品IDの記憶、目標リサイクル率との比較を繰り返す(ステップ409〜410)。
【0071】
また、ステップ411において処理対象が最後の部品であれば、処分方法設定部15は、それまでに分解するものとされたすべての部品を分解対象として、処理を処分方法出力処理(ステップ111)のステップ414に進める。
【0072】
なお、最適方法判定処理(ステップ110)は、必ずしも上述の通りに実行する必要はなく、同様の結果を生む方法であれば、実際のアルゴリズムは問わない。例えばステップ402、403の処理を、ステップ401、404、405、406の繰返しが終わった後に、各部品について実施するようにしてもよい。参考までに、このようにする場合の手段を図18に示す。
【0073】
この場合、優先分解対象決定ステップとして、ステップ402〜404に代えて、ステップ602〜606を実行すればよい。すなわち、優先分解対象決定手段15aは、まず、処理対象部品の分解費用、回収物費用、回収物量算出した後(ステップ401)、ステップ404と同様にして部品IDと、当該部品の分解費用、回収物費用および回収物量とを、記憶部11に格納する(ステップ602)という処理を、ステップ109において分解対象とならなかったすべての部品について繰り返す(ステップ603,604)。次に、優先分解対象決定手段15aは、求められた分解費用と回収物費用を比較し(ステップ605)、回収物費用が分解費用以上であれば、その部品を分解・回収するものとし、ステップ403と同様にして製品全体のリサイクル費用、リサイクル率を再計算するとともに、その部品の部品IDを記憶部11に記憶する(ステップ606)。なお、残りのステップ401,405〜414の処理は、上述のものと同様である。
【0074】
(5)処分方法の出力(ステップ111)
上述の最適方法判定処理(ステップ110)におけるステップ407または410において、算出されたリサイクル率が目標リサイクル率以上であれば、処分方法設定部15は、その時点で分解対象として定められた部品を、最適な分解対象として決定する。この決定された分解対象を基に、データ出力部14は、最適分解対象とされた部品とその関係とを、最適なリサイクル方法として、出力装置18の表示画面に出力する(ステップ413)。ここで出力される表示画面の例を図11(a)に示す。
【0075】
このステップ413では、処理の手順(すなわち、分解すべき部品とその階層の表示)、この処理に要するリサイクル費用、この処理で実現可能なリサイクル率などが表示される。
【0076】
ここで、データ出力部14は、分解の対象となる部品を、ステップ403またはステップ409で記憶された部品IDにより抽出する。例えば、データ出力部14は、記憶された部品IDが「部品1」「部品2」「部品3」「部品4」が対象となっていた場合には、これらの部品が分解の対象になることを示す表示を行う。
【0077】
なお、ここで、製品情報データベース24の部品親子情報データベース43を併せて用いることで、図11(a)に例した例のように、ツリー構造で分解対象部品の表示を行うと作業者にわかり易い。
【0078】
また併せて、データ出力部14は、ステップ409で求めたリサイクル費用やリサイクル率も表示する。さらに、本実施例では、ステップ101で入力または記憶部11に記憶した目標リサイクル率についても併記することにより、ユーザの利便を図っている。
【0079】
一方、ステップ110において、最も優先順位の低い部品まで調べても目標とするリサイクル率を達成できない場合(ステップ411)、処分方法設定部15は、それまでに分解対象として定められた部品を分解対象として決定し、処理をステップ414へ進める。
【0080】
ステップ414において、データ出力部14は、決定された分解対象を基に、分解対象とされた部品とその関係とを、推奨されるリサイクル方法として、ステップ413と同様に出力装置18の表示画面に出力し、さらに、目標リサイクル率が達成できないことを表示画面に出力する(ステップ414)。ここでに出力される表示画面の例を図11(b)に示す。
【0081】
本実施例では、この図11(b)に例示したように、目標未達成の警告表示414aを付した画面を出力することで、リサイクル率が達成できているかが明確になり便利である。この際、警告表示414aは赤い文字を用いたり、点滅させるなど目立つように強調表示すると、さらに便利である。
【0082】
なお、ここに示した図11(a)および図11(b)の画面例では、分解の対象とすべき部品のみを提示するに留まっているが、分解すべき部品について、その分解順序や各部品を分解する際の分解手順を示すとさらに便利である。
【0083】
分解順序を導出する方法としては、分解の順序は一般に分解レベル(部品データが親、子、孫、ひ孫、・・・と続く中で、親が一番高く、親から遠ざかるにつれて低くなる指標)の高い部品から行われることから、ステップ403ならびにステップ409で記憶した分解の対象となる部品IDと、製品情報データベース24内の部品親子情報データベース43を用いて、分解レベルがより高い部品が優先されるように分解順序設定するという方法を用いることができる。
【0084】
また、分解手順は製品情報データベース24に含まれる部品情報データベース41の、第4列「分解方法」の項目に保持された情報を用いて表示すればよい。なお、この部品情報データベース41の第4列により詳しい分解方法を記憶しておけば、より詳しい分解手順の表示を行うことができる。このようにして、分解順序211、分解方法212を併せて表示した場合のステップ413における出力画面(分解作業指示画面)210を図21に例示する。
【0085】
なお、この分解作業指示画面210に、図22に示すように、分解チェックのための欄213、および、分解しなかった理由を入力する欄214を設け、入力装置17を介してこれらの欄213,214への入力を受け付けるようにしてもよい。このようにすれば、実際の分解時に作業者がこれらの情報を入力するようにすることによって、作業が正しく行われたかどうかを確認することができるため、望ましい。
【0086】
また、図23にデータ構造を例示するように、記憶部11に、この分解作業指示内容、分解の有無、および、分解しない理由を、それぞれ保持するための作業実績データベース230を設け、計算部12に、分解作業指示表示領域215の表示内容、分解チェック入力領域213への入力内容、および、不分解理由入力領域214への入力内容を、それぞれこの作業実績データベース230へ格納する手段と、この作業実績データベース230に保持されたこれらの情報を出力装置18の表示画面に表示する手段とを設けるようにしてもよい。このようにすれば、これらの情報を作業後に確認し、正しい処理がされたか否かを確認することができるため、望ましい。
【0087】
なお、図23に示した作業実績データベース230は、第1列に作業日時、第2列に作業ショップID、第3列に製品ID、第4列に対象部品ID、第5列に分解動作内容、第6列に分解チェック内容、第7列に不分解理由を保存する。このデータベースに関し、作業チェック欄にチェックがある場合には正しい作業が行なわれたことになり、チェックがない場合には、第7列に記憶された不分解理由により、なぜ分解が行なわれなかったことがわかるようになる。
【0088】
さらに、本実施例で用いた部品情報データベース41では、部品ごとの分解手順が自然言語で表現されていたが、より電子計算機に処理し易く、データの入力が容易な形態として、分解手順を記号等で表す方法もある。この方法を用いる場合の部品情報データベース41のデータ構造例を図24に例示する。
【0089】
この例では、部品情報データベース41の第4列に、自然言語によるデータに代えて、第4列前半241には対象部品(第3列に記録されている部品が対象の場合には空欄)を、第4列後半242には対象部品に対する分解の動作を、それぞれ記号または符号で記録する。この際、第4列前半には例に示した対象部品の表現方法の他に、製品内に存在する部品であれば、その部品の部品IDを保持するようにしてもよい。
【0090】
このようにする場合、記憶部11に、さらに図25に示すような、動作記号分解方法変換データベース250を設ければ、部品情報データベースの動作記号から、分解方法を生成することができる。図24に示したバックカバーを例にとって具体的に説明すると、第4列前半に記憶された情報から「ねじ6本」を導出し、第4列後半に記憶された情報から「分解」と「(横・水平・手前に)移動」を導出し、これらを組み合わせることで、部品1(バックカバー)の「ねじ6本を分解し、(横・水平・手前に)移動する」という分解作業を生成することができる。したがって、データ出力部14は、作業内容情報をこのようにして生成し、分解作業指示画面210に表示することができる。
【0091】
なお、動作記号にアルファベットや簡単な記号等を用いれば、入力や管理が容易になる。この動作記号の例としては、特開平9−147023号公報などに挙げられている方法が考えられる。
【0092】
E.本実施例の効果
これまで説明したように、本実施例では、あらかじめ製品情報として記憶された製品の処分方法や処理に要する費用、リサイクル可能な回収量に関する情報をもとに、適正処理を必要とする部品の確実な処理の実現の支援と併せて、目標とするリサイクル率を達成可能な方法の中で、より小さい費用で処理が行なえる方法を提示することで、処理工場、処理業者のより効率的な運用を支援できる。
【0093】
<実施例2>
実施例1では、回収量当たりのリサイクル費用の小さい順に分解の対象とする部品を決めていったが、この他に、例えば希少金属が含まれるもの、部品の質量が大きいもの、回収物の単価が高いもの、回収物単価×回収量(回収物費用)が高いもの、分解時間が短いものなどを優先して分解するように計算する方法も考えられる。このようにするには、上述のステップ408における回収量当たりのリサイクル費用に基づいた優先順位付け(ソート処理)に代えて、回収物に希少金属がより多く含まれる順になるような優先順位付け、部品の質量が大きい順になるような優先順位付け、回収物の単価が高い順になるような優先順位付け、または、回収物費用が高い順になるような優先順位付けを行えばよい。
【0094】
さらに、ステップ408における優先順位付け(ソート処理)を、一つの方法で行うだけでなく、図19に示すように、複数の方法でソートを行った上で、その中から最適な(目標とするリサイクル率を達成し、かつ、リサイクル費用が最も低い方法)処分方法を導き出すことで、より正確な最適処分方法を見つけるようにしてもよい。
【0095】
このようにする場合は、ステップ408〜413の代わりに、異なる複数の基準を用いてそれぞれソートを行って部品の優先順位付けを行い、それぞれの優先順位に基づいて処分方法(すなわち処分する部品群)を決定して、最後に、決定された処分方法ごとのリサイクル費用を比較して、最も費用の低いものについて処分方法出力処理(ステップ111)を行うようにすればよい。
【0096】
すなわち、図19に示した例では、処分方法設定部15は、ステップ401〜407を実行した後、まず、上述の場合と同様に回収量当たりのリサイクル費用に応じて部品データに優先順位を付け(ステップ408)、この優先順位に応じて処分方法を抽出した後(ステップ701)、さらに他の基準(図19に示した例では質量)を用いて部品データに優先順位を付けて(ステップ702)、この優先順位に応じて処分方法を抽出し(ステップ703)、ステップ701とステップ702とで抽出した処分方法のうち、リサイクル費用が最小の方法について(ステップ704)、処分方法出力処理(ステップ111)を行う。
【0097】
ステップ701および703における処理の詳細を、図26に示す。これらのステップにおいて、処分方法設定部15の分解対象追加手段15bは、まず、直前のステップで付された優先順位の最も高い部品を処理対象とし、当該処理対象部品について、ステップ409と同様にしてリサイクル費用およびリサイクル率を算出し、部品IDとともに記憶部11に格納する(ステップ2601)。次に、分解対象追加手段15bは、算出されたリサイクル率と目標リサイクル率とを比較し、目標リサイクル率が達成されていれば、処理をステップ2605に進めてそのリサイクル率とリサイクル費用とを記憶部11に格納する。一方、目標リサイクル率が達成されていなければ、処理対象部品が最後の部品でなければ(ステップ2603)、次に優先順位の高い部品を処理対象として(ステップ2604)、処理をステップ2601に戻す。また、ステップ2603において処理対象部品が最後の部品であれば、分解対象追加手段15bは、すべての部品を処理対象として、算出されたリサイクル費用およびリサイクル率を記憶部11に格納する(ステップ2605)。
【0098】
このようにする場合も、ステップ111における処分方法の出力では(ステップ705)、表示する方法(すなわち処理対象部品群)によって目標リサイクル率が達成できない場合は、ステップ414と同様にしてその旨表示するようにすることが望ましい。
【0099】
なお、ここに示した例では、優先順位を付けるための基準を2種類用いたが、3種類以上用いてもよい。この場合は、優先順位を付し(ステップ408,702に相当)、処分方法を抽出する(ステップ701,703に相当)処理を、基準ごとに繰り返せばよい。
【0100】
<実施例3>
本実施例では、製品を特定する情報として、製品の型式以外の情報(メーカ、種類、寸法、質量など)を利用する。すなわち、本実施例のリサイクル支援システム120は、図12に示すように、外部記憶装置23に製品型式データベース27を設け、ステップ102の製品識別情報入力・読み取り処理(図3に図示)において、製品の型式だけでなく、製品の種類、メーカ、寸法、質量、重量配分、不十分な型式等の入力をも受け付け、製品型式データベース27に保持された情報を基に、入力された情報から製品の正確な型式を導き出することができるようになっている。このような手段を設けることにより、本実施例のシステム120によれば、正確な型式がわからない場合でも製品情報データベース24を活用することができる。
【0101】
本実施例によれば、例えば型式を示したシールが剥がれてしまって型式がわからない場合など、使用者によって型式が正確に入力できない場合にも、製品の特定が可能となり、本発明の使用範囲がより拡大する。
【0102】
本実施例における各部の構成および処理の流れは、外部記憶装置23に製品型式データベース27を備えることと、ステップ102における処理が異なること以外は、実施例1と同様である。つぎに、実施例1との相違点のみについて説明する。
【0103】
(1)製品型式データベース27
本実施例の製品型式データベース27は、図13に示すように、第1列に製品ID、第2列に型式、第3列にメーカ名、第4列に年式、第5列に種類、第6列に寸法(幅)、第7列に寸法(奥行)、第8列に寸法(高さ)、第9列に質量、第10列に重量配分(x方向)、第11列に重量配分(y方向)をあらかじめ保持する。
【0104】
製品型式データベース27は、製品情報データベース24と同様に、製品を設計・製造したメーカが作成し、処理工場・処理業者など本実施例のシステム120の使用者に提供するようにしてもよい。なお、提供の方法としては、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)などの記憶媒体を用いる方法や、インターネットなどのネットワークを用いる方法等が考えられる。前者の場合には記憶媒体から情報を読み出すための読取装置を、後者の方法の場合にはネットワークとの間で情報の授受を行う手段を、それぞれ演算装置16に設ければよい。なお、複数のメーカが作成した複数のデータベース24,27をそれぞれ統合する手段を設けるか、または、各データベース24,27がメーカごとに複数設けられている場合には、それらをメーカ名などをキーとして検索する手段を備えることが望ましい。
【0105】
なお、本実施例では、製品型式データベース27を製品情報データベース24とは独立して外部記憶装置23に設けているが、このデータベース27を設けることなく、製品情報データベース24の製品型式データベース44を用いて同様に処理するようにしてもよい。このようにする場合は、製品型式データベース44の保持する情報を、本実施例の製品型式データベース27と同様のデータ構造にし、以下のステップ102の処理において製品型式データベース27を参照する代わりに製品型式データベース44を参照するようにすればよい。
【0106】
(2)製品識別情報入力・読み取り処理(ステップ102)
つぎに、本実施例におけるステップ102の手順を、図14に示す。本実施例の計算部12は、ステップ102において、まず、出力装置18の表示画面に、図15に示す入力受け付け画面150を表示し、入力装置17を介して、いずれかの入力欄への入力を受け付ける(ステップ200)。
【0107】
なお、本実施例における入力受け付け画面150は、型式入力欄151、メーカ名入力欄152、種類入力欄153、寸法入力欄154〜156、および、重量入力欄157を備える。メーカ名入力欄152および種類入力欄153は、あらかじめ製品情報データベース24に登録されている情報が、プルダウンにより選択肢として表示されるようになっている。型式についても一覧表示は有効であるが、数が多くなる傾向があるため、選択肢を表示する場合には、アルファベット順に分類するなどの工夫をすることが望ましい。寸法や質量、重量配分などについては、例えば画像処理を用いた寸法計測装置、歪みゲージを用いた質量や重量配分計測装置などを用い、測定装置から直接入力されるようにすると便利である。
【0108】
この入力画面150の少なくとも何れかの入力欄151〜157に入力が行われると、計算部12は、入力された情報が型式であれば(ステップ201)、入力された型式を製品情報データベース24中で検索する(ステップ202)。なお、本実施例では、完全に一致する項目の他に、例えば1文字異なるだけの項目も検出する。このように完全一致以外の条件を加えて検索することで、より効率的な処理が可能となる。なお、製品情報データベース24の検索処理は、データベース検索・読み取り部13を介して行われる。
【0109】
型式による検索の結果、該当する製品が製品情報データベース24に登録されている場合(ステップ203)で、かつそれが一つに特定できた場合(ステップ204)、計算部12は、確認画面を出力装置18の表示画面に表示して特定された型式で正しいか否かの入力を、入力装置17を介して受け付け、正しくないことが入力されると(ステップ214)、再度処理をステップ200に戻して、検索条件の再入力を受け付ける。
【0110】
確認画面において正しいことが入力されると(ステップ214)、計算部12は、ステップ202において検出された型式を、処理対象製品の型式とする(ステップ219)。
【0111】
なお、ステップ214において表示される確認画面には、例えばメーカ名、製品種類、型式、年式、寸法、質量、特徴などの他に、製品の外観図などを示すことが、検索された製品が実製品と一致しているかの使用者による判断が容易になるため望ましい。
【0112】
型式が入力されていなかったとき(ステップ201)、または、入力されていても型式による検索(ステップ202)の結果、一致するものがなかったとき(ステップ203)や、一致するものが複数あり特定ができなかったとき(ステップ204)は、さらに入力されている他の検索条件(例えばメーカ名、製品種類、寸法、質量、重量配分)を基に、製品型式データベース27を検索し、条件に合致する製品を検出する(ステップ205〜212)。
【0113】
すなわち、計算部12は、まず、検索対象を製品型式データベース27に登録された全製品として、メーカ名の入力があれば(ステップ205)、当該メーカ名に合致するレコードを検索し、検出された製品レコードのみを検索対象とする(ステップ206)。さらに、計算部12は、このメーカ名の処理(ステップ205,206)と同様の処理を、種類(ステップ207,208)、寸法・重量(ステップ209,210)、重量配分(ステップ211,212)について行い、すべての入力データに合致する製品を絞り込む。
【0114】
なお、この他に、例えば製造年などの別の項目も絞り込みの対象として用いることもできる。この場合、ステップ212とステップ213との間に、追加する項目に対応した処理を追加すればよい。
【0115】
ここで、製品の寸法や質量、重量配分などは、正確な数値ではなく、入力された数値に対して、例えば±10%といった範囲で検索することが望ましい。このようにすれば、測定の誤差などを吸収することができるからである。
【0116】
また、ステップ205からステップ211までの間に製品型式が特定できた場合には、以降の絞り込み処理を行うことなく、直接ステップ213に処理を進めることにより、高速化を図ってもよい。
【0117】
以上の絞り込み処理(ステップ205〜212)により、候補となる製品(すなわち入力データに合致する製品)が一つに特定できた場合(ステップ213)、計算部12は、処理を上述のステップ214へ進める。
【0118】
また、ステップ213において、候補となる製品が2つ以上存在する場合、計算部12は、データ出力部14を介して出力装置18の表示画面にそれらを一覧表示し、いずれかの選択を受け付ける(ステップ216)。
【0119】
ステップ216において、一覧表示した製品のいずれかが選択されれば(ステップ217)、処理を上述のステップ219へ進めて選択された型式を処理対象製品の型式とし、処理を終了する。一方、ステップ216において製品が選択されなかった場合、計算部12は、処理をステップ200へ戻す。
【0120】
<実施例4>
実施例1では、製品情報データベース24に適正処理の要否の情報を保持していたが、本実施例のリサイクル支援システム160は、この情報をあらかじめ保持することなく、図16に示すように、外部記憶装置23に適正処理必要物データベース28を備え、これに保持された適正処理必要物の情報と、製品情報データベース24に保持された材質情報とを基に、各部品が適正処理を必要とするか否かを判断する。
【0121】
本実施例のシステム160によれば、例えば法律の改正などで新たに適正処理対象物が追加されたり、技術の進歩等によって従来適正処理対象物だったものが対象から除外された場合や、処理工場や処理業者によって異なる基準に対しても、適正処理必要物データベース28を書き換えるだけで本発明への適用が可能となり、早期に、かつ小さい手間で適正処理対象物の変更に対応することができる。
【0122】
なお、本実施例のリサイクル支援システム160の構成は、適正処理必要物データベース28を備えることと、製品情報データベース24のデータ構造と、ステップ108より前に適正処理必要物データベース28を読み込むステップを備えることと、ステップ108における処分方法設定部15の手順とを除いて、実施例1のシステム10と同様である。そこで、ここでは実施例1との相違点についてのみ説明する。
【0123】
(1)製品情報データベース24
実施例1の製品情報データベース24では、部品情報データベース41の第6列に、適正処理要否の情報が保持されていたが、本実施例の製品情報データベース24では、部品情報データベース41の第6列に、当該部品に使われている材質があらかじめ保持されている。
【0124】
(2)適正処理必要物データベース28
本実施例の適正処理必要物データベース28のデータ構造を図17に示す。適正処理必要物データベース28は、適正な処理が必要な物質を判断するに用いる情報を記憶したデータベースで、第1列には適正処理が必要な物質名、第2列に適正処理が必要な理由(ただしこの項目は必須ではない)があらかじめ保持されている。
【0125】
また、本実施例のデータベース検索・読み取り部13は、ステップ108より前に、適正処理必要物データベース28を読み取り、読み出されたデータを記憶部11に格納する処理を行う。つぎのステップ108における適正処理必要物データベース28の参照は、この記憶部11に読み込まれた情報を参照することにより行われる。
【0126】
(3)処分方法設定処理(ステップ108)
処分方法設定部15は、ステップ108における分解必須部品の判定に際して、製品情報データベース24の部品情報データベース41の第6列に保持された材質情報の示す材質が、適正処理必要物データベース28に登録されているか否かにより、その部品が適正処理を要するか否かを判断する。なお、分解制約データベース42の保持する制約部品情報から制約部品を検出し、これも分解対象とすることは、実施例1と同様である。
【0127】
<実施例5>
実施例1では、製品情報データベース24にあらかじめ保持された情報を基に、製品の処分方法を決定したが、本実施例のリサイクル支援システム270は、必要な情報の入力を受け付けて、入力された情報を製品情報データベースに登録する手段としてデータベース更新部271を備え、この入力され、登録された情報を基に処分方法を決定する。
【0128】
本実施例のシステム270によれば、製品情報データベース24にあらかじめ情報が登録されていない製品や、登録が不十分な製品についても、リサイクル支援処理を行うことができる。なお、本実施例では製品情報データベース24を外部記憶装置23に備えているが、本発明はこれには限られず、入力された製品情報を記憶部11に保持し、ステップ102において製品情報データベース24から読み込む代わりに、この入力され、記憶部11に保持された情報を直接参照するようにしてもよい。
【0129】
なお、本実施例のリサイクル支援システム270の構成は、図27に示すように、演算装置16にデータベース更新部13aを備える以外は、実施例1のシステム10と同様である。ただし、本実施例のシステム270では、実施例1の場合とは異なり、図28に示すように、ステップ103とステップ104の間で、設計部12が、リサイクル支援処理に必要な製品情報がすべてあるか否か検査し(ステップ2801)、必要な情報が不足していれば、その情報を取得するための製品情報取得処理(ステップ2802)を行う。
【0130】
そこで、ここでは実施例1との相違点である製品情報取得処理についてのみ説明する。なお、製品情報データベース24を設けない場合は、ステップ103,2801,2802の代わりに、ステップ2802のみを実行し、また、ステップ2802におけるデータベースへの格納処理を省略するようにすればよい。このようにする場合は、データベース更新部13aを省略することができる。
【0131】
(1)製品情報入力画面例
まず、製品情報取得処理において表示される製品情報入力画面200について、図20を用いて説明しておく。
【0132】
本実施例において、リサイクル支援処理に必要な製品情報とは、製品ID、製品重量、部品ID、部品名称、分解方法、分解時間、適正処理の要否情報、回収物情報、制約部品情報、および、部品の親子関係情報である。これらの入力を受け付けるための製品情報入力画面200は、本実施例では、製品構成の表示・編集領域200aと、部品属性の表示・入力領域200bとを備える。
【0133】
製品構成の表示・編集領域200aは、製品構成(部品間の親子関係を含む)をツリー状に表示し、その編集指示を受け付ける領域である。
【0134】
一方、部品属性の表示・入力領域200bは、製品IDの表示領域201および製品重量の入力領域202と、製品構成の表示・編集領域200aにおいて選択された部品に関する情報の入力領域200cとを備える。入力領域200cは、当該選択された部品の部品ID、部品名称、分解方法、分解時間、適正処理の要否情報、回収物情報、および、制約部品情報の入力領域203〜209を備える。
【0135】
なお、製品情報入力画面200の構成は、必ずしも本実施例と同じである必要はなく、例えば制約関係をツリー状に表示したり、製品構成の表示・編集領域200aを設けることなく、部品属性の表示・入力領域200bで当該部品の親部品IDの入力を受け付けるようにしてもよい。また、製品情報入力画面200において入力を受け付ける情報は、上述の例に限られるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
【0136】
(2)製品情報取得処理
ステップ2802において、まず、計算部12は、データ出力部14を介して出力装置18の表示画面に図20に示す製品情報入力画面200を表示し、入力装置17を介して各入力領域200a,202〜209への入力を受け付ける。
【0137】
ここで、計算部は、処理対象製品の製品IDをその表示領域201に表示し、当該製品に関する製品情報がすでに製品情報データベースに登録されていれば、登録されている情報を該当する入力領域にあらかじめ表示しておく。また、各領域200a,202〜209への入力の受け付けは、CAD(Computer Assisted Design)システムなどにおいて慣用されている方法により行うことができる。
【0138】
入力が行われると、計算部12は、入力された情報をステップ103において記憶部11に確保された当該製品に関する製品情報の記憶領域(図示せず)に格納し、さらに、データベース格納部13aを介して当該情報を製品情報データベース24に格納する。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用済み製品のリサイクル処理において、製品情報データに基づいて、製品の中で適正処理を必要とする物質を含有している部品の確実な回収を指示できるとともに、例えば希少金属などの価値のある物質を優先的・効果的に分解・回収することで、目標とするリサイクル率を達成しながら、より少ない費用での処理が可能となり、処理業者や処理工場にとって効率的な処分を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるリサイクル支援システムの機能構成図である。
【図2】 実施例1におけるリサイクル支援システムのハードウエア構成図である。
【図3】 実施例1のリサイクル支援システムにおける処理を示す流れ図である。
【図4】 実施例1における製品情報データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図5】 実施例1における処理設備データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図6】 実施例1における物質価格データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図7】 製品の部品構成を示す説明図である。
【図8】 実施例1におけるリサイクル費用算出処理を示す流れ図である。
【図9】 実施例1におけるリサイクル率算出処理を示す流れ図である。
【図10】 実施例1における最適方法判定処理を示す流れ図である。
【図11】 処分方法出力画面例を示す説明図である。
【図12】 実施例2におけるリサイクル支援システムの機能構成図である。
【図13】 実施例2における製品型式データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図14】 実施例3における製品識別情報入力・読み取り処理を示す流れ図である。
【図15】 実施例3における製品識別情報の入力受け付け画面の例を示す説明図である。
【図16】 実施例4におけるリサイクル支援システムの機能構成図である。
【図17】 実施例4における適正処理必要物データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図18】 実施例1における最適方法判定処理の別の態様を示す流れ図である。
【図19】 実施例2における最適方法判定処理を示す流れ図である。
【図20】 実施例5における製品情報入力画面の例を示す説明図である。
【図21】 実施例1における分解作業指示画面の例を示す説明図である。
【図22】 実施例1における分解作業指示画面の別の態様を示す説明図である。
【図23】 実施例1における作業実績データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図24】 実施例1における部品情報データベースの別の態様を示す模式図である。
【図25】 実施例1における動作記号分解方法変換データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図26】 実施例2における処分方法抽出処理を示す流れ図である。
【図27】 実施例5におけるリサイクル支援システムの機能構成図である。
【図28】 実施例5のリサイクル支援システムにおける処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
10…リサイクル支援システム、11…記憶部、12…計算部、13…データベース検索・読み取り部、13a…データベース更新部、14…データ出力部、15…処分方法設定部、15a…優先分解対象決定手段、15b…分解対象追加手段、16…演算装置、17…入力装置、18…出力装置、20…中央演算処理装置(CPU)、21…主記憶装置、22…補助記憶装置、23…外部記憶装置、24…製品情報データベース、25…処理設備データベース、26…物質価格データベース、27…製品型式データベース、28…適正処理必要物データベース、41…部品情報データベース、42…分解制約データベース、43…部品親子情報データベース、44…製品型式データベース、120…リサイクル支援システム、150…製品識別情報入力受け付け画面、160…リサイクル支援システム、200…製品情報入力画面、200a〜c,201〜209…入力領域、210…分解作業指示画面、211…分解順序表示領域、212…分解動作表示領域、213…分解チェック欄、214…不分解理由入力領域、215…分解作業指示表示領域、230…作業実績データベース、241,242…分解方法記憶領域、250…動作記号分解方法変換データベース、270…リサイクル支援システム、414a…目標未達成警告表示。
Claims (5)
- 複数の部品からなる製品を分解及び回収するリサイクル処理を、分解対象の候補部品を抽出し、設定された目標値を満足する最適なリサイクル処理方法の決定又は決定の支援を行うリサイクル処理支援システムにおいて、
少なくとも各製品を構成する部品の識別情報に対応させた分解方法、分解によって得られる回収物情報及び部品の親子関係情報と、各製品の質量情報と、ある部品を分解する際に事前に分解を要する部品を特定するための制約部品情報とを備える製品情報データベースを保持する記憶部、
分解対象の部品を決定する処分方法設定部、及び、
上記処分方法設定部の決定した上記分解対象の部品とその関係とをリサイクル方法として出力するデータ出力部を備え、
上記処分方法設定部は、
上記製品情報データベースを参照してリサイクル対象の製品を構成する部品からすでに分解対象とされている部品以外の候補部品を抽出し、該抽出された候補部品に関する上記親子関係情報及び上記制約部品情報を上記製品情報データベースより読み出し、該抽出された候補部品及びすでに分解対象とされている候補部品と、それらの候補部品と親子関係にある部品と、それらの候補部品の前に分解を要する制約部品とを分解するものとして、製品情報データベースに保持された質量情報を基に上記製品のリサイクル率を算出する処理を、上記製品のリサイクル率があらかじめ定められた目標値以上になるまで繰り返すことにより、リサイクル率が目標値を満たすように分解対象の部品を決定することを特徴とするリサイクル処理支援システム。 - 上記リサイクル処理支援システムは、
少なくとも処理施設の処理能力情報及び運転費用情報を保持する処理設備データベースと、
回収物質ごとの価格情報を保持する物質価格データベースとをさらに備え、
上記処分方法設定部は、
上記処理設備データベース及び上記物質価格データベースを参照して、上記処理能力情報、上記運転費用情報及び上記価格情報を基に、理対象の候補部品を処分する費用及び回収物の売価を算出し、該処分の費用が該処分により得られる回収物の売価以下である部品を、分解対象の部品とする優先分解対象決定手段を、さらに備えることを特徴とする、請求項1記載のリサイクル処理支援システム。 - 上記分解対象の候補部品は、部品ごとのリサイクル費用に応じて優先順位が定められており、
上記処分方法設定部は、
上記リサイクル率を算出する上記候補部品を、上記優先順位に応じて決定することを特徴とする、請求項1記載のリサイクル処理支援システム。 - 上記処分方法設定部は、
上記分解対象の候補部品の優先順位を、複数の基準に応じてそれぞれ定めることを特徴とする、請求項1記載のリサイクル処理支援システム。 - 上記処分方法設定部は、
上記分解対象の候補部品のうち、該候補に含まれる部品を分解するものとして算出された、製品のリサイクル費用が最少のものを選択する手段を備えることを特徴とする、請求項4記載のリサイクル処理支援システム。
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