JP6413040B1 - プラント機器情報管理システム - Google Patents
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Abstract
Description
なお、ここでは、BOMの各階層に、上方から下方に向けて、BOMレベル1、BOMレベル2、BOMレベル3などと順次付番し、特定の階層(特定のBOMレベル)を示す。同様に、WBSの各階層に、上方から下方に向けて、WBSレベル1、WBSレベル2、WBSレベル3などと順次付番し、特定の階層(特定のWBSレベル)を示す。
そして、特許文献1の管理装置と同様に、複数のBOMレベルの装置コード及びWBSレベルの作業コードに基づいて設定した検索コードを用いてプラント情報を管理することができる。このような検索コードを設定すれば、複数のプラントのプラント情報から、所望のプラント情報を検索・抽出し、比較することができる。
しかし、地理的、機能的に異なる複数のプラントのプラント情報を一律に管理する場合、ある1つのプラント(以下、「プラント1」という)のBOM及びWBSの階層数と、他のプラント(以下、「プラント2」)のBOM及びWBSの階層数が異なる場合がありうる。例えば、プラント1のBOMは5階層であるのに対し、プラント2のBOMは3階層である場合がありうる。WBSレベルも同様である。この場合、全てのプラントのプラント情報を一律に管理し、所望のプラント情報を検索・抽出するためには、従来においては、あるプラントでは不要な階層であっても、一番階層の多いプラントの階層の数に合わせて、プラント情報を入力する必要がある。例えば、全てのプラントの中で最も多いBOMの階層がプラント1と同じ5階層である場合、プラント2のBOMは3階層であるので、プラント2についても、残る2階層に相当する本来無用な装置コード(例えば、「該当無し」を意味するコードなど)を設定しなければ、プラント1とプラント2のプラント情報を同時に検索・抽出することができなかった。このため、当該2階層分に相当する本来無用な装置コードを設定すべく、作業者は、それに対応するなんらかの情報をプラント情報として入力しなければならない。すなわち、BOM及びWBSで一番階層の多いプラントに合わせて本来不要な階層を見立て、当該不要な階層を含む全ての階層の機器情報または作業情報に対応した装置コードまたは作業コードを設定する必要があるため、これら全ての階層になんらかのプラント情報を入力しなければならないという情報入力過多の状態であった。このため、作業者による入力作業に長時間を要し、コストが高くなりがちであった。従って、BOM及びWBSの階層数が異なる複数のプラントがある場合においても、作業者の入力の負荷を低減し、所望のプラント情報を検索・抽出・比較できる管理システムの開発が求められてきた。
また、このように情報入力過多の状態である場合、作業者が機器情報や作業情報の入力を誤る危険性が高く、結果としてプラント情報の検索・抽出・比較に支障が生じる可能性が高かった。例えば、上述のように、複数のBOMレベルに対応した複数の装置コード及び複数のWBSレベルに対応した複数の作業コードに基づいて検索コードを設定した場合、あるBOMレベルの機器情報またはあるWBSレベルの作業情報を作業者が誤って入力されると、本来の検索コードとは異なる検索コードが設定されるので、所望のプラント情報を全て抽出して比較することはできない。従って、作業者の誤入力によるプラント情報の検索・抽出・比較に支障が生じる可能性をできるだけ低減した管理システムの開発が求められてきた。
この構成によれば、プラント情報を抽出するためのメンテナンスコードが、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力されるBOMの階層の中で最下層の機器情報に対応する装置コード、及び、当該機器情報に直接的に紐づくWBSの階層の作業情報に対応する作業コードの2つのみに対応して生成されるので、上記課題で述べたような情報入力過多の状況を回避できる。例えばあるプラントのBOMは5階層であり、他のプラントのBOMは3階層である場合、メンテナンスコードは、BOMレベル3の機器情報に対応する装置コードと当該機器情報に直接的に紐づくWBSレベルの作業情報(例えば、WBSレベル1の作業情報)に対応する作業コードのみに対応して生成されるので、作業者は、当該他のプラントにおいては、5階層分ではなく、3階層分の機器情報を入力するだけでよい。
また、作業者が機器情報や作業情報を入力する際、メンテナンスコードの生成に必要な上記最下層のBOMレベルとそれに直接的に紐づく1つのWBSレベルへの入力にのみ十分な注意を払えばよく、仮に他のBOMレベルやWBSレベルに対する情報の入力に誤りがあっても、所望のプラント情報を抽出することができる。なお、ここで抽出されたプラント情報は、一部に誤情報が含まれているが、大部分は正しいプラント情報であるので、作業者は業務アプリケーションを用いたプラントの管理作業を効率的に行うことができる。
すなわち、複数のプラントがある場合において、作業者によるプラント情報の入力の負荷を低減し、プラント情報の誤入力があっても、高い確度で所望のプラント情報を検索・抽出・比較できるプラント機器情報管理システムを提供することができる。
この構成によれば、第一業務アプリケーションと第二業務アプリケーションとでそれぞれ個別のデータベース(第一データベース、第二データベース)を設けており、第二業務アプリケーションは、第一データベースの内容を第二データベースにコピーして第二作業を実行する。従って、例えば、第一データベースにつき定期点検など保守作業を実施する場合であっても、第二データベースを用いて第二業務アプリケーションの処理を実行できるので、プラント機器情報管理システムの利便性を向上することができる。
この構成であれば、あるプラントに同型の複数の装置や機器が配置される場合、それらを区別して検索・抽出・比較を行うことができる。
以下、本発明の実施形態によるプラント機器情報管理システムを図1〜図8を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態におけるプラント機器情報管理システムのブロック図である。
プラント機器情報管理システム10(以下、「管理システム10」という)は、ごみ焼却炉などのプラント情報(機器情報、作業情報、またはそれらに関連するその他の情報(以下、「関連情報」という))を電子的に管理するシステムである。管理システム10は、1台または複数台のパソコン(パーソナルコンピュータまたはPC(personal computer)という)やサーバ装置等のコンピュータによって構成される。
管理システム10は、管理対象となる複数のプラントの機器情報をBOMにより管理し、作業情報をWBSにより管理する。また、管理システム10は、BOMとWBSを互いに紐づけて管理する。
さらに、管理システム10は、地理的、機能的に異なる複数のプラントのプラント情報を一律に管理する。このため、ある1つのプラントのBOM及びWBSの階層数と、他のプラントのBOM及びWBSの階層数が異なる場合がありうる。
本実施形態では、例として、取扱う全てのプラントの中で、BOMの階層が最大であるのはBOMレベル5まで機器情報が存在するプラントであり、また、WBSの階層が最大であるのはWBSレベル3まで作業情報が存在するプラントであるとして、管理システム10の説明を行う。後述の図4の一覧表で、BOMはBOMレベル5まで、WBSはWBSレベル3までの記載となっているのは、この理由による。
入出力部11は、作業者がプラント情報を入力するキーボードと、プラント情報を出力・表示するモニタを少なくとも備えている。入出力部11はタッチパネルによってモニタと一体化しても良い。入出力部11は、プラント情報を出力・印刷するプリンタを備えていてもよい。
なお、「DB」はデータベースを意味する。これらDB131〜138は、各々が別箇の記憶装置であってもよいし、1つの記憶装置内の異なる記憶領域であってもよい。また、DB131〜138は、有線または無線で、インターネット等を介して業務アプリケーション部12及び入出力部11に接続されるのであれば、互いに地理的・空間的に分かれて存在してもよい。
なお、図4で「-」が記載された項目は、それに対応する処理部では使用されない項目であるので、その項目及びその項目を入力するための入力欄は、入出力部11のモニタに表示されない。しかし、各処理部に個別に対応して設けられたDBには、その上流の業務プロセスでプラント情報等の入力がなされていれば、「-」が記載された項目のプラント情報等も当該DBに記憶・保存されているので、作業者が当該項目の表示を希望する場合、適宜選択すれば、当該項目を表示することができる。
まず、客先機器台帳作成部121は、入出力部11のモニタに「客先機器台帳画面」を表示する。客先機器台帳作成部121は、記憶部13にプラント情報が記憶・保存されていない新規のプラントについて、客先機器台帳の作成処理S11を実行する。「客先機器台帳画面」には、客先機器台帳の作成処理S11で入力される複数の項目の入力欄が表示される。
具体的には、図4で示すように、機器情報である客先設備名(BOMレベル1)、客先機器名または機器仕様(BOMレベル2)、機器仕様分類、客先機器詳細名、機器詳細仕様、または系列(BOMレベル3)、客先機器部分名または部分仕様(BOMレベル4)、客先機器部品名または部品仕様(BOMレベル5)、並びに、作業情報である作業属性または客先実施項目名(WBSレベル1)及び客先作業詳細名(WBSレベル2)を入力するための入力欄を、客先機器台帳作成部121が入出力部11のモニタに表示する。作業者は、入出力部11のキーボードを用いてこれらの入力欄に適宜入力を行い、新規プラントのプラント情報の台帳(マスタデータ)を電子的に作成する。当該台帳においては、後述するように、メンテナンスコード、BOMの機器情報、WBSの作業情報、及び関連情報が互いに紐づいている。
ここで、「客先機器台帳画面」には、客先機器台帳の作成処理S11で入力される項目として、BOMレベル1からBOMレベル5の機器情報、WBSレベル1、2の作業情報に対応する入力欄が表示されるが、取扱う全てのプラントにおいて必ず機器情報が入力されるのはBOMレベル1からBOMレベル3までであり、取扱う全てのプラントで必ず作業情報が入力されるのはWBSレベル1までであるとして説明を進める。すなわち、取扱う全てのプラントの中には、BOMレベル4、BOMレベル5の機器情報を入力する必要のないプラントや、WBSレベル2の作業情報を入力する必要のないプラントが存在しうる。
そして、客先機器台帳作成部121は、作業者が「客先機器台帳画面」で入力したプラント情報を、客先BOM・WBSDB131へ記憶・保存する。
そして、生成されたメンテナンスコードは、上記モニタ上の「客先機器台帳画面」に表示されるとともに、客先機器台帳作成部121が、「客先機器台帳画面」で入力したプラント情報に紐づけて、客先BOM・WBSDB131へ記憶・保存する。
以下に詳細を述べる。
例えば、プラントαは、BOMレベル1の機器情報である「設備1」および「設備2」で構成される。設備1は、BOMレベル2の機器情報である「機器A」と「機器B」にそれぞれ紐づく。設備2は、BOMレベル2の機器情報である「機器C」に紐づく。
機器Aは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細1」と「機器詳細2」にそれぞれ紐づく。機器Bは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細3」に紐づく。機器Cは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細4」に紐づく。
機器詳細1は、BOMレベル4の機器情報である「部位1」に紐づき、さらに部位1は、BOMレベル5の機器情報である「部品1」に紐づく。
なお、機器詳細2、機器詳細3、及び機器詳細4に紐づくBOMレベル4またはそれより深い階層の機器情報は存在しない。
ここで、BOMレベル1〜3の機器情報は、管理システム10で管理するいずれのプラントにおいても必ず入力される情報である。BOMレベル4〜5の機器情報は、BOMレベル1〜3に入力される機器情報の種類やプラントの特性によって、入力の要否が分かれる情報である。なお、作業者による入力が必須であるBOMの階層は、ここではBOMレベル1〜3としたが、これは一例であり、管理システム10の仕様によって、入力を必須とする階層の数を適宜設定してよい。例えば、BOMレベル1、2の2階層を、入力が必須の階層に設定してもよい。また、BOMは、BOMレベル5よりも深い階層(例えば、BOMレベル6、BOMレベル7、…など)を有していてもよい。
ここで、WBSレベル1の作業情報は、管理システム10で管理するいずれのプラントにおいても必ず入力する情報である。WBSレベル2〜3の作業情報は、WBSレベル1に入力される作業情報の種類やプラントの特性によって、入力の要否が分かれる情報である。なお、作業者による入力が必須であるWBSの階層は、ここではWBSレベル1としたが、これは一例であり、管理システム10の仕様によって、入力を必須とする階層の数を適宜設定してよい。例えば、WBSレベル1、2の2階層を、入力が必須の階層に設定してもよい。また、WBSは、WBSレベル3よりも深い階層(例えば、WBSレベル4、WBSレベル5、…など)を有していてもよい。
なお、WBSの階層の中で、BOMレベル3の機器情報に「直接的に紐づく」階層の作業情報とは、上記最下層であるBOMレベル3の機器情報に対して実施されうる作業情報が複数存在するWBSの階層の中で、最上層の作業情報を意味する。従って、BOM3レベルの複数の機器情報に対して、WBSレベル1の作業情報が複数存在せず、ただ一つの作業情報しかない場合、WBSレベル1は上記「直接的に紐づく」階層とはならない。例えば、図3(b)でWBSレベル1の作業情報が唯一「作業1」だけで「作業2」が存在しない場合、WBSの階層の中で、BOMレベル3の機器情報に直接的に紐づく階層は、WBSレベル1ではなくWBSレベル2になりうる。
次に、図3(c)に示すように、図3(a)及び図3(b)のBOM及びWBSは、プラント名「プラントα」のプラント情報に関するものであるので、プラントαが、これらBOM及びWBSに紐づけられる。
さらに、図3(c)に示すように、プラントαの機器情報である「機器詳細1」及びプラントαの作業情報である「作業1」にのみに対応するメンテナンスコードCOM(COMは、Code Of Maintenanceの略)が、メンテナンスコード生成部120により生成され、同様に紐づけられる。メンテナンスコードCOMは、例えば、「機器詳細1」を作業者が入力した場合にこれに対応して業務アプリケーション部12で自動的に設定される装置コードが「123XA」であり、「作業1」を作業者が入力した場合にこれに対応して業務アプリケーション部12で自動的に設定される作業コードが「089X」である場合に、これら2つのコードのみに対応して、「123XA089X」と生成される。
なお、当該装置コードが「123XA」、当該作業コードが「089X」の場合を例と説明したが、これらコードの桁数はこれに限らず、仕様等に応じてこれ以上またはこれ以下に設定されうる。さらに、メンテナンスコード生成部120は、自動で生成された当該装置コードと当該作業コードをそのまま利用してメンテナンスコードCOMを生成してもよいし、記憶部13に2入力1出力の変換表または変換テーブルを別途備え、メンテナンスコード生成部120がこれを利用してメンテナンスコードCOMを生成してもよい。例えば、メンテナンスコード生成部120は、当該装置コードが「123XA」、当該作業コードが「089X」の場合に、そのまま並べ、「123XA089X」や「089X123XA」のようにメンテナンスコードCOMを生成してもよいし、混在させて「102839XXA」(互い違いに配置)のようにメンテナンスコードCOMを生成してもよい。また、メンテナンスコード生成部120は、上記変換表に、当該装置コード「123XA」及び当該作業コード「089X」を入力し、当該変換表から出力されるコード(装置コードや作業コードと全く無関係の値や桁数であるが、これら2つのコードに唯一対応するコード)を、メンテナンスコードCOMとしてもよい。
このとき、工事予定DB132には、客先BOM・WBSDB131に記憶・保存されたメンテナンスコードCOM及びプラント情報がコピーされている。よって、工程表の作成処理S12の際、入力が必要となる項目であって、且つ、すでにコピーされたプラント情報等については、工程表作成部122は、当該入力欄の表示の際に、これら情報等を併せて表示させる。図4の例では、客先機器台帳作成部121と工程表作成部122で、入力が必要となるプラント情報等は、BOMレベル1、BOMレベル3、WBSレベル1、及びWBSレベル2において同一である。よって、これらのプラント情報は、「工程表作成画面」で作業者が改めて入力する必要はない。ただし、作業者は、「工程表作成画面」の入力欄でこれら情報を修正することができる。
従って、工程表の作成処理S12において作業者が新規に入力する必要があるのは、多くとも、予定工程または予定工数(WBSレベル3)と関連情報の2項目であり、このため、作業者の入力作業の時間及び労力を削減することができる。
また、特定のプラントについて工程表の作成処理S12を実行する際、工程表作成部122は、同一のメンテナンスコードCOMに紐づく複数のプラントのプラント情報等を検索・抽出し、他のプラントと比較できる形式で入出力部11のモニタに表示させることができる。これにより、作業者は、特定のプラントについて、他のプラント情報を参考に入力を行うことができるので、入力作業が効率的(時間短縮、労力低減)になり、また、実績に基づくプラント情報と比較した結果であるので信頼性の高い工程表を作成することができる。
そして、見積作成部123は、入出力部11のモニタに「見積作成画面」を表示し、見積DB133を用いて見積の作成処理S13を実行する。「見積作成画面」には、見積の作成処理S13で入力される複数の項目の入力欄が表示される。具体的には、図4で示すように、機器情報である客先設備名(BOMレベル1)、客先機器名(BOMレベル2)、機器仕様分類、客先機器詳細名、または系列(BOMレベル3)、客先機器部品名、部品仕様、数量、または見積単価(BOMレベル5)、並びに、作業情報である作業属性または客先実施項目名(WBSレベル1)、客先作業詳細名、見積工数、または見積単価(WBSレベル2)、さらには関連情報である経費を入力するための入力欄を、見積作成部123が入出力部11のモニタに表示する。
このとき、見積DB133には、工事予定DB132に記憶・保存されたメンテナンスコードCOM及びプラント情報等がコピーされている。よって、見積の作成処理S13の際、入力が必要となる項目であって、且つ、すでにコピーされたプラント情報等については、見積作成部123は、当該入力欄の表示の際に、これら情報等を併せて表示させる。
ここで、図4において、客先機器台帳作成部121で入力が必要なBOMレベル2の情報は、客先機器名または機器仕様であるのに対し、見積作成部123で入力が必要なBOMレベル2の情報は、客先機器名であって、機器仕様の入力は不要となっている。この場合、見積作成部123は、「見積作成画面」の入力欄に、工事予定DB132から見積DB133にコピーされた客先機器名を表示し、必要に応じて作業者による修正を可能とするが、同様にコピーされた機器仕様を表示する必要はない。また、図4において、客先機器台帳作成部121で入力が必要なBOMレベル5の情報は、客先機器部品名または部品仕様であるのに対し、見積作成部123で入力が必要なBOMレベル5の情報は、客先機器部品名、部品仕様、数量、または見積単価であり、情報量が増加している。この場合、見積作成部123は、「見積作成画面」の入力欄に、工事予定DB132から見積DB133にコピーされた客先機器部品名または部品仕様を表示し、必要に応じて作業者による修正を可能とするが、さらに、同じBOMレベル内で増加した情報(ここでは、数量または見積単価)に対応する入力欄を新たに「見積作成画面」に表示して、作業者の入力を促す。
なお、工程表作成部122と同様、特定のプラントについて見積の作成処理S13を実行する際、見積作成部123は、同一のメンテナンスコードCOMに紐づく複数のプラントのプラント情報等を検索・抽出し、他のプラントと比較できる形式で入出力部11のモニタに表示させることができる。これにより、作業者は、特定のプラントについて、他のプラント情報を参考に入力を行うことができるので、入力作業が効率的(時間短縮、労力低減)になり、また、実績に基づくプラント情報と比較した結果であるので信頼性の高い見積を作成することができる。
工事仕様書作成部124は、まず、見積作成部122が見積DB133に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、発注コストDB134にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事仕様書作成画面」を表示し、発注コストDB134を用いて工事仕様書の作成処理S14を実行する。
工事報告書作成部125は、まず、工事仕様書作成部124が発注コストDB134に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、機器点検・計測記録DB135にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事報告書作成画面」を表示し、機器点検・計測記録DB135を用いて工事報告書の作成処理S15を実行する。
工事日報作成部126は、まず、工事報告書作成部125が機器点検・計測記録DB135に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、工事実績DB136にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事日報作成画面」を表示し、工事実績DB136を用いて工事日報の作成処理S16を実行する。
保全履歴作成部127は、まず、工事日報作成部126が工事実績DB136に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、工事履歴DB137にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「保全履歴画面」を表示し、工事履歴DB137を用いて保全履歴の作成処理S17を実行する。
保全計画作成部128は、まず、保全履歴作成部127が工事履歴DB137に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、将来工事計画DB138にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「保全計画作成画面」を表示し、将来工事計画DB138を用いて保全計画の作成処理S18を実行する。
そして、保全計画の作成処理S18の後、管理システム10における業務プロセスは、工程表の作成処理S12へ戻り、業務プロセスを順次継続してゆく。なお、業務プロセスが工程表の作成処理S12へ戻った際には、工程表作成部122は、まず、保全計画作成部128が将来工事計画DB138に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報等を全て、工事予定DB132にコピーするとともに、客先機器台帳作成部121が客先BOM・WBSDB131に新たに記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報を全て、工事予定DB132にコピーする。
以上に説明したように、管理システム10では、業務アプリケーション部12の各処理部にそれぞれ個別に対応したDBが設けられている。従って、直前の業務プロセスに対応したDBにつき、例えば定期点検などの保守作業が実施される場合、現時点において実行しようとする業務プロセスに対応した処理部は、自己に個別に対応したDBを用いて自己の処理を実行することができる。従って、管理システム10の利便性を向上することができる。
なお、ここでは、BOMの複数の階層のうち、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力される階層の中で最下層であるBOMレベル3の機器情報として「1号ボイラチューブ」が入力され、WBSの複数の階層のうち、上記最下層の機器情報に直接的に紐づくWBSの階層であるWBSレベル1の作業情報として「ボイラチューブ清掃」が入力される例を示す。また、「1号ボイラチューブ」に対応する製品コードは「103AA01」であり、「ボイラチューブ清掃」に対応する作業コードは「0201」であり、メンテナンスコードCOMは、これらをそのまま用いた「103AA010201」とした例である。
先述のように、製品コード等の桁数は仕様等に応じて適宜設定されうるが、ここでは図3で説明した製品コードの桁数より多い桁数を製品コードとしている。製品コードは「103AA01」であるが、製品コードの中に号炉コード「01」(1号炉を意味する)を特に入れ込んだ例である。
また、図5から図7では、関連情報として、実績がある場合は「レ」、実績がない場合は「-」として、実績の有無も表示している。
ここでは、工事日報作成部126で工事日報の作成処理S16を実行する際の例を示すが、業務アプリケーション部12の他の処理部においても同様に、作業者が表示形式を選択することができる。
列挙された複数のプラント情報のBOMレベル3は、全て「1号ボイラチューブ」であり、WBSレベル1は、全て「ボイラチューブ清掃」であることがわかる。また、BOMレベル4には、「1号ボイラチューブ火炉左側壁管」と「1号ボイラチューブ火炉右側壁管」の2つの異なる機器情報があり、WBSレベル2には、「清掃」、「肉厚計測箇所磨き」、及び「肉厚計測」の3つの異なる作業情報があることがわかる。さらに、WBSレベル3には、「1パス清掃」、「2パス清掃」、「清掃灰搬出」、「計測箇所マーキング」、「計測箇所磨き」、「肉厚計測A」及び「肉厚計測B」の7つの異なる作業情報があることがわかる。
また、実績工数、実績(有無)の欄を見ると、「1号ボイラチューブ火炉左側壁管」には作業の実績があり、その工数も表示されている。一方、「1号ボイラチューブ火炉右側壁管」には作業の実績がないので、その工数も表示されていないことがわかる。
図5のように表示されたプラント情報等は、WBSレベル2の「清掃」だけで実績工数がいくつあるのか、一見しただけでは理解が容易でない。そこで、WBSレベル2の「清掃」、「肉厚計測箇所磨き」、及び「肉厚計測」の3つの異なる作業情報で、実績工数を加算し、まとめて表示したのが図6の表示例である。「清掃」の実績工数は「4」、「肉厚計測箇所磨き」の実績工数は「4」、「肉厚計測」の実績工数は「2」であることを、容易に理解することができる。
さらに、実績工数の現時点における総計を知りたい場合には、図7のように表示させることもできる。ここでは、実績のあるのは、「1号ボイラチューブ火炉左側壁管」の「清掃」(実績工数:4)、「肉厚計測箇所磨き」(実績工数:4)、「肉厚計測」(実績工数:2)であるので、これらの数字が加算されて、実績工数の現時点の総計「10」が表示されている。
図7をより簡略化して、「ボイラチューブ清掃」の実績工数の現時点における総計「10」を、図8のように表示させることもできる。
上述のように、特定のBOMレベル(BOMの複数の階層のうち、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力される階層の中で最下層)の機器情報に対応する製品コード及び特定のWBSレベル(WBSの複数の階層のうち、上記最下層の機器情報に直接的に紐づくWBSの階層)の作業情報に対応する作業コードに対応したメンテナンスコードCOMが、管理システム10で管理する全てのプラント情報に紐づけられている。このため、メンテナンスコードCOMを用いて管理システム10にて作業者が検索を行えば、入力作業の際の参考のために比較する他のプラント情報等を抽出でき、さらに作業者が当該他のプラント情報等の表示形式を適宜選択して比較することで、作業者の入力作業の時間及び労力を削減することができる。
メンテナンスコードCOMは、このように特定のBOMレベルと特定のWBSレベルの両方のプラント情報に対応するコードであるので、特定のBOMレベルのみ、または特定のWBSレベルのみに対応したコードを用いて検索する場合に比べ、抽出される情報を格段に絞り込むことができる。さらに、特定のBOMレベルは、BOMの複数の階層のうち、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力される階層の中の最下層であり、特定のWBSレベルは、WBSの複数の階層のうち、上記最下層の機器情報に直接的に紐づくWBSの階層であるので、作業者がプラント情報等を入力する際、他の階層へ誤入力したとしても、比較対象とすべき全ての他のプラント情報等を高い確度で的確に検索・抽出することができる。
11・・・入出力部
12・・・業務アプリケーション部
120・・・メンテナンスコード生成部
121・・・客先機器台帳作成部
122・・・工程表作成部
123・・・見積作成部
124・・・工事仕様書作成部
125・・・工事報告書作成部
126・・・工事日報作成部
127・・・保全履歴作成部
128・・・保全計画作成部
13・・・記憶部
131・・・客先BOM・WBSDB
132・・・工事予定DB
133・・・見積DB
134・・・発注コストDB
135・・・機器点検・計測記録DB
136・・・工事実績DB
137・・・工事履歴DB
138・・・将来工事計画DB
Claims (4)
- 複数のプラントの機器情報をBOMにより管理し、前記BOMの複数の階層に対応して入力された前記機器情報にそれぞれ対応する装置コードが設定され、前記プラントに対して行う作業情報をWBSにより管理し、前記WBSの複数の階層に対応して入力された前記作業情報にそれぞれ対応する作業コードが設定されるプラント機器情報管理システムであって、
前記BOMの複数の階層のうち、前記複数のプラントの全てにおいて前記機器情報が必ず入力される前記階層の中で最下層の前記機器情報に対応する装置コードと、前記WBSの複数の階層のうち、前記最下層の前記機器情報に直接的に紐づく前記WBSの階層の前記作業情報に対応する作業コードとのみに対応したメンテナンスコードを生成するメンテナンスコード生成部と、
前記メンテナンスコードと、前記メンテナンスコードに対応する前記機器情報および前記作業情報とを用いて、前記プラントの管理作業に関する処理を実行する業務アプリケーションとを有し、
前記業務アプリケーションは、同一の前記メンテナンスコードに対応する前記複数のプラントの前記機器情報および前記作業情報を抽出して表示することを特徴とするプラント機器情報管理システム。 - 前記メンテナンスコードと、前記メンテナンスコードに対応する前記機器情報および前記作業情報とを格納するデータベースをさらに有し、
前記データベースは、第一データベースと第二データベースとを備え、
前記業務アプリケーションは、第一作業に関する処理を実行して第一作業情報を得る第一業務アプリケーションと、第一作業と異なる第二作業に関する処理を実行して第二作業情報を得る第二業務アプリケーションとを備え、
前記第一業務アプリケーションは、前記第一作業情報を前記機器情報および前記作業情報に追加して前記第一データベースに格納し、
前記第二業務アプリケーションは、前記第一データベースに格納された前記メンテナンスコード、前記機器情報、前記作業情報及び前記第一作業情報を前記第二データベースにコピーして前記第二作業に関する処理を実行し、前記第二作業情報を前記メンテナンスコードに対応づけて前記第二データベースに格納すること
を特徴とする請求項1に記載のプラント機器情報管理システム。 - 前記装置コードは、号炉コードを包含することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント機器情報管理システム。
- 前記最下層は、BOMレベル3であることを特徴とする請求項3に記載のプラント機器情報管理システム。
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