JP6519901B1 - プラント機器情報管理システム - Google Patents
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Abstract
Description
なお、ここでは、BOMの各階層に、上方から下方に向けて、BOMレベル1、BOMレベル2、BOMレベル3などと順次付番し、特定の階層(特定のBOMレベル)を示す。同様に、WBSの各階層に、上方から下方に向けて、WBSレベル1、WBSレベル2、WBSレベル3などと順次付番し、特定の階層(特定のWBSレベル)を示す。
そして、特許文献1の管理装置と同様に、複数のBOMレベルの装置コード及びWBSレベルの作業コードに基づいて設定した検索コードを用いてプラント情報を管理することができる。このような検索コードを設定すれば、複数のプラントのプラント情報から、所望のプラント情報を検索・抽出し、比較することができる。
すなわち、複数のプラントがある場合において、作業者によるプラント情報の入力の負荷を低減し、プラント情報の誤入力があっても、高い確度で所望のプラント情報を検索・抽出・比較できるプラント機器情報管理システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態によるプラント機器情報管理システムを図1〜図10を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態におけるプラント機器情報管理システムのブロック図である。
プラント機器情報管理システム10(以下、「管理システム10」という)は、ごみ焼却炉などのプラント情報(機器情報、作業情報、またはそれらに関連するその他の情報(以下、「関連情報」という))を電子的に管理するシステムである。管理システム10は、1台または複数台のパソコン(パーソナルコンピュータまたはPC(personal computer)という)やサーバ装置等のコンピュータによって構成される。管理システム10は、管理対象となる複数のプラントの機器情報をBOMにより管理し、作業情報をWBSにより管理する。また、管理システム10は、BOMとWBSを互いに紐づけて管理する。さらに、管理システム10は、地理的、機能的に異なる複数のプラントのプラント情報を一律に管理する。このため、ある1つのプラントのBOM及びWBSの階層数と、他のプラントのBOM及びWBSの階層数が異なる場合がありうる。
本実施形態では、例として、取扱う全てのプラントの中で、BOMの階層が最大であるのはBOMレベル5(BOM Lv.5)まで機器情報が存在するプラントであり、また、WBSの階層が最大であるのはWBSレベル3(WBS Lv.3)まで作業情報が存在するプラントであるとして、管理システム10の説明を行う。後述の図4の一覧表で、BOMはBOMレベル5まで、WBSはWBSレベル3までの記載となっているのは、この理由による。
入出力部11は、作業者がプラント情報を入力するキーボードと、プラント情報を出力・表示するモニタを少なくとも備えている。入出力部11はタッチパネルによってモニタと一体化しても良い。入出力部11は、プラント情報を出力・印刷するプリンタを備えていてもよい。
なお、メンテナンスコード生成部120が生成するメンテナンスコードCOM(COMは、Code Of Maintenanceの略)と、グループコード生成部12Aが生成するグループコードPAREは、検索コードの一種であり、本発明の重要な構成要素の一つである。後述のように、グループコードPAREは、特定のメンテナンスコードCOMに紐づけられた複数のプラント情報のうち、その一部のプラント情報に紐づけられる。従って、これら2つのコードの一方または両方を適宜用いることで、複数のプラントが管理対象である場合において、作業者によるプラント情報の入力の負荷を低減し、高い確度で所望のプラント情報を検索・抽出・比較することができる。
グループコードを“PARE”と名付けたのは、次の理由による。まず、“PARE”は英語で「余分なところを削る」意味を持ち、検索コードの一種として不要な情報を削り取り、必要な情報のみ抽出する点で、複数のプラント情報の比較を行う管理システム10において、名前として適切であると発明者は考えたからである。また、グループコードPAREは、メンテナンスコードCOMと高い相関を持ち、“COM”と“PARE”を合わせれば“COMPARE”(英語で「比較」を意味)となり、複数のプラント情報の比較を行う管理システム10において、やはり名前として適切であると発明者は考えたからである。
なお、「DB」はデータベースを意味する。これらDB131〜138は、各々が別箇の記憶装置であってもよいし、1つの記憶装置内の異なる記憶領域であってもよい。また、DB131〜138は、有線または無線で、インターネット等を介して業務アプリケーション部12及び入出力部11に接続されるのであれば、互いに地理的・空間的に分かれて存在してもよい。
また、図4は、各処理部でそれぞれ使用される機器情報及び作業情報を、対応するBOMレベルまたはWBSレベルごとに示した表である。図4には、各処理部でそれぞれ入力または使用される関連情報も示されている。なお、図4で「-」が記載された項目は、それに対応する処理部では使用されない項目であるので、その項目及びその項目を入力するための入力欄は、入出力部11のモニタに表示されない。しかし、各処理部に個別に対応して設けられたDBには、その上流の業務プロセスでプラント情報の入力がなされていれば、「-」が記載された項目のプラント情報も当該DBに記憶・保存されているので、作業者が当該項目の表示を希望する場合、適宜選択すれば、当該項目を表示することができる。
さらに、図9は、関連情報の分析結果の表示例を示す図である。図10は、グループコードPAREの一例を示す図である。
なお、グループコード生成部12Aと関連情報分析部129は、以下に説明する各処理のうち、客先機器台帳の作成処理S11を除く他の処理S12〜S18において、グループコードPAREを生成する場合に、適宜、工程表作成部122、見積作成部123、工事仕様書作成部124、工事報告書作成部125、工事日報作成部126、保全履歴作成部127、または保全計画作成部128が使用する処理部である。
まず、客先機器台帳作成部121は、入出力部11のモニタに「客先機器台帳画面」を表示する。客先機器台帳作成部121は、記憶部13にプラント情報が記憶・保存されていない新規のプラントについて、客先機器台帳の作成処理S11を実行する。「客先機器台帳画面」には、客先機器台帳の作成処理S11で入力される複数の項目の入力欄が表示される。
具体的には、図4で示すように、機器情報である客先設備名(BOMレベル1)、客先機器名または機器仕様(BOMレベル2)、機器仕様分類、客先機器詳細名、機器詳細仕様、または系列(BOMレベル3)、客先機器部分名または部分仕様(BOMレベル4)、客先機器部品名または部品仕様(BOMレベル5)、並びに、作業情報である作業属性または客先実施項目名(WBSレベル1)及び客先作業詳細名(WBSレベル2)を入力するための入力欄を、客先機器台帳作成部121が入出力部11のモニタに表示する。作業者は、入出力部11のキーボードを用いてこれらの入力欄に適宜入力を行い、新規プラントのプラント情報の台帳(マスタデータ)を電子的に作成する。当該台帳においては、後述するように、メンテナンスコードCOM、BOMの機器情報、WBSの作業情報、及び関連情報が互いに紐づいている。
そして、客先機器台帳作成部121は、作業者が「客先機器台帳画面」で入力したプラント情報を、客先BOM・WBSDB131へ記憶・保存する。
メンテナンスコード生成部120は、「客先機器台帳画面」で入力された機器情報及び作業情報に対応した装置コードおよび作業コードの特定の組み合わせに対応させて、上記検索コードの一種であるメンテナンスコードCOMを生成する。具体的には、BOMの複数の階層のうち、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力される階層の中で最下層の機器情報に対応する装置コード(本実施形態では、BOMレベル3の機器情報に対応する装置コード)と、WBSの複数の階層のうち、上記最下層の機器情報に直接的に紐づくWBSの階層の作業情報に対応する作業コード(本実施形態では、WBSレベル1の作業情報に対応する作業コード)とのみに対応して、メンテナンスコード生成部120が、メンテナンスコードCOMを生成する。
そして、生成されたメンテナンスコードCOMは、上記モニタ上の「客先機器台帳画面」に表示されるとともに、客先機器台帳作成部121が、「客先機器台帳画面」で入力したプラント情報に紐づけて、客先BOM・WBSDB131へ記憶・保存する。以下に詳細を述べる。
例えば、プラントαは、BOMレベル1の機器情報である「設備1」および「設備2」で構成される。設備1は、BOMレベル2の機器情報である「機器A」と「機器B」にそれぞれ紐づく。設備2は、BOMレベル2の機器情報である「機器C」に紐づく。
機器Aは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細1」と「機器詳細2」にそれぞれ紐づく。機器Bは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細3」に紐づく。機器Cは、BOMレベル3の機器情報である「機器詳細4」に紐づく。
機器詳細1は、BOMレベル4の機器情報である「部位1」に紐づき、さらに部位1は、BOMレベル5の機器情報である「部品1」に紐づく。
なお、機器詳細2、機器詳細3、及び機器詳細4に紐づくBOMレベル4またはそれより深い階層の機器情報は存在しない。
ここで、BOMレベル1〜3の機器情報は、管理システム10で管理するいずれのプラントにおいても必ず入力される情報である。BOMレベル4〜5の機器情報は、BOMレベル1〜3に入力される機器情報の種類やプラントの特性によって、入力の要否が分かれる情報である。なお、作業者による入力が必須であるBOMの階層は、ここではBOMレベル1〜3としたが、これは一例であり、管理システム10の仕様によって、入力を必須とする階層の数を適宜設定してよい。例えば、BOMレベル1、2の2階層を、入力が必須の階層に設定してもよい。また、BOMは、BOMレベル5よりも深い階層(例えば、BOMレベル6、BOMレベル7、・・・など)を有していてもよい。
ここで、WBSレベル1の作業情報は、管理システム10で管理するいずれのプラントにおいても必ず入力する情報である。WBSレベル2〜3の作業情報は、WBSレベル1に入力される作業情報の種類やプラントの特性によって、入力の要否が分かれる情報である。なお、作業者による入力が必須であるWBSの階層は、ここではWBSレベル1としたが、これは一例であり、管理システム10の仕様によって、入力を必須とする階層の数を適宜設定してよい。例えば、WBSレベル1、2の2階層を、入力が必須の階層に設定してもよい。また、WBSは、WBSレベル3よりも深い階層(例えば、WBSレベル4、WBSレベル5、…など)を有していてもよい。
なお、WBSの階層の中で、BOMレベル3の機器情報に「直接的に紐づく」階層の作業情報とは、上記最下層であるBOMレベル3の機器情報に対して実施されうる作業情報が複数存在するWBSの階層の中で、最上層の作業情報を意味する。従って、BOM3レベルの複数の機器情報に対して、WBSレベル1の作業情報が複数存在せず、ただ一つの作業情報しかない場合、WBSレベル1は上記「直接的に紐づく」階層とはならない。例えば、図3(b)でWBSレベル1の作業情報が唯一「作業1」だけで「作業2」が存在しない場合、WBSの階層の中で、BOMレベル3の機器情報に直接的に紐づく階層は、WBSレベル1ではなくWBSレベル2になりうる。
さらに、図3(c)に示すように、プラントαの機器情報である「機器詳細1」及びプラントαの作業情報である「作業1」にのみに対応するメンテナンスコードCOMが、メンテナンスコード生成部120により生成され、同様に紐づけられる。メンテナンスコードCOMは、例えば、「機器詳細1」を作業者が入力した場合にこれに対応して業務アプリケーション部12で自動的に設定される装置コードが「123XA」であり、「作業1」を作業者が入力した場合にこれに対応して業務アプリケーション部12で自動的に設定される作業コードが「089X」である場合に、これら2つのコードのみに対応して、「123XA089X」と生成される。
図1の説明に戻る。工程表作成部122は、まず、客先機器台帳作成部121が客先BOM・WBSDB131に記憶・保存したメンテナンスコードCOM及びそれに紐づくプラント情報を全て、工事予定DB132にコピーする。そして、工程表作成部122は、入出力部11のモニタに「工程表作成画面」を表示し、工事予定DB132を用いて工程表の作成処理S12を実行する。「工程表作成画面」には、工程表の作成処理S12で入力される複数の項目の入力欄が表示される。具体的には、図4で示すように、機器情報である客先設備名(BOMレベル1)、機器仕様分類、客先機器詳細名、機器詳細仕様、または系列(BOMレベル3)、並びに、作業情報である作業属性または客先実施項目名(WBSレベル1)、客先作業詳細名(WBSレベル2)、予定工程または予定工数(WBSレベル3)、さらには関連情報である休炉予定または検査予定等を入力するための入力欄を、工程表作成部122が入出力部11のモニタに表示する。なお、関連情報の入力欄には、文章で説明やコメントを入力することができる。例えば、予定されている休炉や検査に関する詳細な内容や、お客様への連絡事項等の種々の情報を入力することができる。従って、関連情報には、作業者の経験によるノウハウや、特定製品の型番、作業上の秘密情報が含まれうる。
このとき、工事予定DB132には、客先BOM・WBSDB131に記憶・保存されたメンテナンスコードCOM及びプラント情報がコピーされている。よって、工程表の作成処理S12の際、入力が必要となる項目であって、且つ、すでにコピーされたプラント情報等については、工程表作成部122は、当該入力欄の表示の際に、これら情報等を併せて表示させる。図4の例では、客先機器台帳作成部121と工程表作成部122で、入力が必要となるプラント情報等は、BOMレベル1、BOMレベル3、WBSレベル1、及びWBSレベル2において同一である。よって、これらのプラント情報は、「工程表作成画面」で作業者が改めて入力する必要はない。ただし、作業者は、「工程表作成画面」の入力欄でこれら情報を修正することができる。
従って、工程表の作成処理S12において作業者が新規に入力する必要があるのは、多くとも、予定工程または予定工数(WBSレベル3)と関連情報の2項目であり、このため、作業者の入力作業の時間及び労力を削減することができる。
ところで、本発明においては、上述のように、同一のメンテナンスコードCOMに紐づく複数のプラントのプラント情報等をモニタに表示させた際、表示された複数のプラント情報等が多数である場合、作業者は、表示されたプラント情報をグループコードPAREでさらに絞り込み、表示させることができる。グループコードPAREの生成及びプラント情報への紐づけ方法は、以下のとおりである。
まず、作業者は、「工程表作成画面」を介して工程表作成部122に指示することで、工程表作成部122が関連情報分析部129を起動させる。関連情報分析部129は、表示された複数のプラント情報の関連情報として工事予定DB132に記憶・保存されている膨大なテキストから、特定の単語、数字などの文字列を分析(例えば、テキストマイニング分析)し、図9の上図に示すように、特定の文字列を数の多い順に所定数だけ当該モニタに表示する。
詳細は後述するが、作業者が表示された特定の文字列をモニタ上で選択すると、図9の下図に示すように、選択した特定の文字列に関連性の高い文字列のみが表示される。ここで、作業者が当該選択した特定の文字列で上記絞り込みを希望する場合、作業者は、当該モニタを介して工程表作成部122に指示することで、工程表作成部122がグループコード作成部12Aを起動させる。グループコード作成部12Aは、当該選択した特定の文字列に一対一に対応する特定のグループコードPAREを作成し、すでにモニタに表示させている「同一のメンテナンスコードCOMに紐づく複数のプラントのプラント情報」のうち、当該選択した特定の文字列を関連情報に含むプラント情報に紐づける。例えば、グループコードPAREが「X425A00A1」と生成された場合、図3(c)のプラント情報に当該グループコードPAREが紐づけられた状態を、図10に示す。
なお、グループコードPAREは、例として「X425A00A1」を示したが、コードの桁数はこれに限らず、仕様等に応じてこれ以上またはこれ以下に設定されうる。
これにより、作業者は、グループコードPAREを用いて上記絞り込みを実行し、モニタに表示される複数のプラント情報の数を減数させ、作業に関連性の高い情報のみを表示させることができるので、他のプラントと比較しながらさらに効率よく作業を行うことができる。よって、作業者の入力作業の時間及び労力を削減することができる。
なお、以下の業務プロセスの各処理S13〜S18においても、各処理部123〜129は、工程表作成部122と同様に、グループコードPAREを生成し、対応するプラント情報に紐づけることができる。
見積作成部123は、まず、工程表作成部122が工事予定DB132に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれに紐づくプラント情報を全て、見積DB133にコピーする。工事予定DB132に記憶・保存されたプラント情報等を全てコピーするので、工程表作成部122における工程表の作成処理S12で使用されず、モニタに表示もされなかったBOMレベル2、BOMレベル4、及びBOMレベル5のプラント情報も見積DB133にコピーされる。これらBOMレベル2、BOMレベル4、及びBOMレベル5のプラント情報は、客先BOM・WBSDB131に記憶・保存されたプラント情報と同一である。
このとき、見積DB133には、工事予定DB132に記憶・保存されたメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びプラント情報がコピーされている。よって、見積の作成処理S13の際、入力が必要となる項目であって、且つ、すでにコピーされたプラント情報等については、見積作成部123は、当該入力欄の表示の際に、これら情報等を併せて表示させる。
工事仕様書作成部124は、まず、見積作成部122が見積DB133に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれらに紐づくプラント情報を全て、発注コストDB134にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事仕様書作成画面」を表示し、発注コストDB134を用いて工事仕様書の作成処理S14を実行する。
工事報告書作成部125は、まず、工事仕様書作成部124が発注コストDB134に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれらに紐づくプラント情報を全て、機器点検・計測記録DB135にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事報告書作成画面」を表示し、機器点検・計測記録DB135を用いて工事報告書の作成処理S15を実行する。
工事日報作成部126は、まず、工事報告書作成部125が機器点検・計測記録DB135に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれらに紐づくプラント情報を全て、工事実績DB136にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「工事日報作成画面」を表示し、工事実績DB136を用いて工事日報の作成処理S16を実行する。
保全履歴作成部127は、まず、工事日報作成部126が工事実績DB136に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれらに紐づくプラント情報を全て、工事履歴DB137にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「保全履歴画面」を表示し、工事履歴DB137を用いて保全履歴の作成処理S17を実行する。
保全計画作成部128は、まず、保全履歴作成部127が工事履歴DB137に記憶・保存したメンテナンスコードCOM、グループコードPARE及びそれらに紐づくプラント情報を全て、将来工事計画DB138にコピーする。そして、入出力部11のモニタに「保全計画作成画面」を表示し、将来工事計画DB138を用いて保全計画の作成処理S18を実行する。
以上に説明したように、管理システム10では、業務アプリケーション部12の各処理部120〜128にそれぞれ個別に対応したDBが設けられている。従って、直前の業務プロセスに対応したDBにつき、例えば定期点検などの保守作業が実施される場合、現時点において実行しようとする業務プロセスに対応した処理部は、自己に個別に対応したDBを用いて自己の処理を実行することができる。従って、管理システム10の利便性を向上することができる。
次に、図5から図8を用いて、同一のメンテナンスコードCOMで複数のプラント情報を検索・抽出した際のモニタへの表示例を示す。同一のグループコードPAREで複数のプラント情報を検索・抽出した際のモニタへの表示例は、COMの場合と同様であるので省略する。
工事日報作成部126で工事日報の作成処理S16を実行する際に、実績工数(WBSレベル2の作業情報)を「工事日報作成画面」で入力するが、これらの表示例は、この際に、参考とする他のプラント情報を同一のメンテナンスコードCOMで検索・抽出してモニタに表示させた例である。同一のプラント情報であっても、管理システム10において、作業者は、例えば図5から図8のいずれかの表示形式を選択することができることを示す。
なお、ここでは、BOMの複数の階層のうち、複数のプラントの全てにおいて機器情報が必ず入力される階層の中で最下層であるBOMレベル3の機器情報として「1号ボイラチューブ」が入力され、WBSの複数の階層のうち、上記最下層の機器情報に直接的に紐づくWBSの階層であるWBSレベル1の作業情報として「ボイラチューブ清掃」が入力される例を示す。また、「1号ボイラチューブ」に対応する製品コードは「103AA01」であり、「ボイラチューブ清掃」に対応する作業コードは「0201」であり、メンテナンスコードCOMは、これらをそのまま用いた「103AA010201」とした例である。
先述のように、製品コード等の桁数は仕様等に応じて適宜設定されうるが、ここでは図3で説明した製品コードの桁数より多い桁数を製品コードとしている。製品コードは「103AA01」であるが、製品コードの中に号炉コード「01」(1号炉を意味する)を特に入れ込んだ例である。
また、図5から図7では、関連情報として、実績がある場合は「レ」、実績がない場合は「-」として、実績の有無も表示している。
ここでは、工事日報作成部126で工事日報の作成処理S16を実行する際の例を示すが、業務アプリケーション部12の他の処理部においても同様に、作業者が表示形式を選択することができる。
列挙された複数のプラント情報のBOMレベル3は、全て「1号ボイラチューブ」であり、WBSレベル1は、全て「ボイラチューブ清掃」であることがわかる。また、BOMレベル4には、「1号ボイラチューブ火炉左側壁管」と「1号ボイラチューブ火炉右側壁管」の2つの異なる機器情報があり、WBSレベル2には、「清掃」、「肉厚計測箇所磨き」、及び「肉厚計測」の3つの異なる作業情報があることがわかる。さらに、WBSレベル3には、「1パス清掃」、「2パス清掃」、「清掃灰搬出」、「計測箇所マーキング」、「計測箇所磨き」、「肉厚計測A」及び「肉厚計測B」の7つの異なる作業情報があることがわかる。
図5のように表示されたプラント情報は、WBSレベル2の「清掃」だけで実績工数がいくつあるのか、一見しただけでは理解が容易でない。そこで、WBSレベル2の「清掃」、「肉厚計測箇所磨き」、及び「肉厚計測」の3つの異なる作業情報で、実績工数を加算し、まとめて表示したのが図6の表示例である。「清掃」の実績工数は「4」、「肉厚計測箇所磨き」の実績工数は「4」、「肉厚計測」の実績工数は「2」であることを、容易に理解することができる。
さらに、実績工数の現時点における総計を知りたい場合には、図7のように表示させることもできる。ここでは、実績のあるのは、「1号ボイラチューブ火炉左側壁管」の「清掃」(実績工数:4)、「肉厚計測箇所磨き」(実績工数:4)、「肉厚計測」(実績工数:2)であるので、これらの数字が加算されて、実績工数の現時点の総計「10」が表示されている。
図7をより簡略化して、「ボイラチューブ清掃」の実績工数の現時点における総計「10」を、図8のように表示させることもできる。
図9は、関連情報分析部129による関連情報の分析結果の表示例を示す図である。図9の上図に関連情報分析部129が、DB131〜138(例えば、工事実績DB136)の記憶する同一のメンテナンスコードCOMに紐づけられた関連情報についてテキストマイニング分析を行った分析結果の表示例である。図9の上図に例示するのは、ボイラチューブ点検整備に関する関連情報についての分析結果である。分析結果には、関連情報を構成する意味ある文字列(単語、数字、文節等の特定の文字列)毎の出現回数や文字列間の関連性が含まれる。さらに分析結果には、例えば、機器情報や作業情報に分類され得る文字列の出現回数や相関関係がモニタに表示される。ここで、作業者が、一見、「ボイラチューブ点検整備」に関係のない文字列である「抜管」に注目して「抜管」を選択する操作を行う。すると、図9の下図の表示に切り替わる。図9の下図は、図9の上図で対象となった関連情報のうち「抜管」を含む関連情報のみを対象として、関連情報分析部129がテキストマイニング分析を行った分析結果である。図9の下図には「抜管」を含む複数の関連情報を構成する文字列毎の出現回数や文字列間の関連性が表示されている。
作業者は、「抜管」の出現回数101回、「抜管」と相関関係がある「足場」とその出現回数201回を参照して、例えば、これらの出現回数が比較的多いことから「抜管」が重要な情報であると判断することができる。この判断に基づき、作業者が「抜管」を関連情報に含むプラント情報だけを抽出して比較可能にしたいと考える場合、作業者は「抜管」に基づくグループコードPAREの生成及び対応するプラント情報への紐づけを各処理部122〜128へ指示する操作を行う。すると、グループコード生成部12Aは、現在表示されているプラント情報と同じメンテナンスコードCOMに紐づけられたプラント情報の中から、特定の文字列「抜管」を関連情報に含むプラント情報だけを抽出し、抽出したプラント情報に同一のグループコードPAREを付す。図10にグループコードPAREの一例を示す。
ところで、記憶部13の各DBには、予め複数のグループコードPAREを格納するための所定容量が用意されている。関連性の深いプラント情報を、グループコードPAREによって紐づけることで、作業者は、図2のS12〜S18の各処理において、メンテナンスコードCOMのみならず、グループコードPAREによってもプラント情報の検索、抽出、比較が可能となる。
11・・・入出力部
12・・・業務アプリケーション部
120・・・メンテナンスコード生成部
121・・・客先機器台帳作成部
122・・・工程表作成部
123・・・見積作成部
124・・・工事仕様書作成部
125・・・工事報告書作成部
126・・・工事日報作成部
127・・・保全履歴作成部
128・・・保全計画作成部
129・・・関連情報分析部
12A・・・グループコード生成部
13・・・記憶部
131・・・客先BOM・WBSDB
132・・・工事予定DB
133・・・見積DB
134・・・発注コストDB
135・・・機器点検・計測記録DB
136・・・工事実績DB
137・・・工事履歴DB
138・・・将来工事計画DB
Claims (4)
- 複数のプラントの機器情報をBOMにより管理し、前記BOMの複数の階層に対応して入力された前記機器情報にそれぞれ対応する装置コードが設定され、前記プラントに対して行う作業情報をWBSにより管理し、前記WBSの複数の階層に対応して入力された前記作業情報にそれぞれ対応する作業コードが設定されるプラント機器情報管理システムであって、
前記BOMの複数の階層のうち、前記複数のプラントの全てにおいて前記機器情報が必ず入力される前記階層の中で最下層の前記機器情報に対応する前記装置コードと、前記WBSの複数の階層のうち、前記最下層の前記機器情報に直接的に紐づく前記WBSの階層の前記作業情報に対応する前記作業コードとのみに対応したメンテナンスコードを生成するメンテナンスコード生成部と、
前記メンテナンスコードと、前記メンテナンスコードに対応する前記機器情報および前記作業情報とを用いて、前記プラントの管理作業に関する処理を実行する業務アプリケーションと、
前記機器情報および前記作業情報に対応する関連情報の文字列を分析する関連情報分析部と、
前記文字列のうち、特定の文字列に対応したグループコードを生成するグループコード生成部と
を有し、
前記業務アプリケーションは、同一の前記メンテナンスコードまたは同一の前記グループコードに対応する前記複数のプラントの前記機器情報および前記作業情報を抽出して表示することを特徴とするプラント機器情報管理システム。 - 前記業務アプリケーションが、前記同一のメンテナンスコードに対応する前記複数のプラントの前記機器情報及び前記作業情報を表示した後、
前記グループコード生成部は、前記表示された前記機器情報および前記作業情報に対応する前記関連情報に含まれる前記特定の文字列に基づいて前記グループコードを生成すること
を特徴とする請求項1に記載のプラント機器情報管理システム。 - 前記分析は、テキストマイニング分析であることを特徴とする請求項2に記載のプラント機器情報管理システム。
- 前記メンテナンスコードと、前記グループコードと、前記メンテナンスコードに対応する前記機器情報および前記作業情報とを格納するデータベースをさらに有し、
前記データベースは、第一データベースと第二データベースとを備え、
前記業務アプリケーションは、第一作業に関する処理を実行して第一作業情報を得る第一業務アプリケーションと、第一作業と異なる第二作業に関する処理を実行して第二作業情報を得る第二業務アプリケーションとを備え、
前記第一業務アプリケーションは、前記第一作業情報を前記機器情報および前記作業情報に追加して前記第一データベースに格納し、
前記第二業務アプリケーションは、前記第一データベースに格納された前記メンテナンスコード、前記グループコード、前記機器情報、前記作業情報及び前記第一作業情報を前記第二データベースにコピーして前記第二作業に関する処理を実行し、前記第二作業情報を前記メンテナンスコードに対応づけて前記第二データベースに格納すること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプラント機器情報管理システム。
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