JP3679501B2 - 液晶充填システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶をコネクタを介してセルに充填するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
セルに液晶を充填するために、セルには、導入ポートと吸引ポートが形成されている。特開平1−37529号公報に開示されている液晶充填システムは、導入ポートと吸引ポートにそれぞれ接続される供給コネクタと吸引コネクタを有している。吸引コネクタは吸引通路を介して真空ポンプに接続される。供給コネクタは、液晶供給通路を介して液晶加圧手段に接続されている。上記吸引コネクタと吸引通路を介してセルの内部空間が真空吸引され、供給コネクタと液晶供給通路を介して加圧状態の液晶がセルの内部空間に導入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の液晶充填システムでは、液晶の供給圧力をどのように設定するかが課題であった。すなわち、液晶の圧力が低いと、セルへの液晶充填を完了するまでに時間がかかり生産効率が低下する。これとは逆に、液晶の圧力が高いと、セルを構成する2枚の基板が膨らんでそのギャップが過度に広がるため、セル内に収容されているスペーサビーズが液晶によって流されてセル内に不均一に散らばる状態になってしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、液晶充填システムにおいて、(イ)セルの導入ポートに接続されるコネクタと、(ロ)上記コネクタに液晶供給通路を介して接続された液晶加圧手段と、(ハ)上記セル内の液晶の層厚を検出する検出手段と、(ニ)上記検出手段で検出された液晶層厚に基づき、上記液晶加圧手段を制御して液晶の供給圧力を調節する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶充填システムにおいて、上記検出手段は、セルの導入ポートの近傍位置に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の液晶充填システムにおいて、液晶の層厚を検出する検出手段が、セルの導入ポートの近傍位置と、この導入ポートから離れた位置に配置されており、これら複数の検出手段からの液晶層厚情報に基づいて、上記制御手段が液晶の供給圧力を調節することを特徴とする。
【0006】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶充填システムにおいて、上記検出手段は、セルの一方の面に対峙して配置された光源と、セルの他方の面に対峙して配置された受光器と、光源とセルとの間に配置された第一偏光フィルタと、受光器とセルとの間に配置された第二偏光フィルタとを備え、上記受光器は、受ける光の波長に関する検出情報を上記液晶層厚の検出情報として出力することを特徴とする。
【0007】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶充填システムにおいて、上記液晶加圧手段は、一対の型とこれら型間に形成される内部空間を第一室と第二室とに仕切るダイヤフラムと、この第二室に連なるガス圧調節手段とを備え、上記第一室が上記液晶供給通路を介して上記コネクタに連なり、上記制御手段が、上記ガス圧調節手段を制御して上記第二室のガス圧を調節することにより、第一室内の液晶の供給圧力を調節することを特徴とする。
【0008】
請求項6の発明は、請求項5に記載の液晶充填システムにおいて、さらに、液晶貯留手段を備え、この液晶貯留手段は、液晶を収容するベローズと、このベローズを伸縮させるための駆動手段と、ベローズ内の液晶を撹拌する撹拌手段とを備えており、ベローズの上部空間が、液晶補充通路を介して液晶加圧手段の第一室に連なるとともに、吸引通路を介して吸引手段に連なっていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態をなす液晶充填システムを図面に基づき説明する。このシステムを説明する前に、セルについて説明しておく。図1に示すように、このセル1は、透明材料例えばガラスからなる矩形の基板2,3を有している。これら基板2,3の周縁部が接着層4により貼り付けられている。これら基板2,3と接着層4によって、微小厚さ(5μm程度)の内部空間5が形成されている。セル1の一方の縁部1aでは接着層4が途切れており、この部位が導入ポート6となっている。セル1の反対側の縁部1bでも例えば2ケ所で接着剤層3が途切れており、この部位が吸引ポート7となっている。
【0010】
液晶充填システムは、図1に示すように、吸引コネクタ10と、供給コネクタ20とを備えている。これらコネクタ10,20は、エアシリンダ11,21の駆動でセル1の導入ポート6,吸引ポート7に接続されたり外されたりする。
【0011】
上記吸引コネクタ10には、吸引通路12の一端が接続されている。吸引通路12の中途部には液晶トラップ(図示せず)が設けられており、その他端には真空度調節タンク13が接続されている。この真空度調節タンク13には他の吸引通路14の一端が接続されている。この吸引通路14の中途部には電磁開閉弁V1,フィルタ15が設けられ、その他端には真空ポンプ16(吸引手段)が接続されている。さらに上記真空度調節タンク13には、大気解放通路16が接続されており、この大気解放通路16には2つの電磁開閉弁V2,V3が設けられている。
【0012】
上記システムは、さらに、液晶貯留装置30(液晶貯留手段)と液晶加圧装置40(液晶加圧手段)を備えている。この液晶貯留装置30は、容器31と、この容器31の上端開口を塞ぐ蓋32と、蓋32に取り付けられ液晶LCを貯留するベローズ33と、このベローズ33を伸縮させるための駆動手段34と、このベローズ33内の液晶を撹拌する撹拌手段35とを備えている。
【0013】
上記蓋32は、容器31に螺合される取付リング36により、気密をなして着脱可能に容器31に取り付けられている。蓋32の中央には継手37が気密をなして着脱可能に螺合されている。
上記撹拌手段35は、ベローズ33に収容された撹拌子35aと、容器31の下方に配置された回転子35bと、この回転子35bを回転させるモータ35cとを備えている。撹拌子35aと回転子35bは、それぞれ永久磁石を含む。
上記ベローズ33のための駆動手段34は、一端が上記容器31とベローズ33との間の空間に接続され他端がエアコンプレッサ等の加圧エア源50(加圧ガス源)に連なるエア供給通路51と、一端が上記容器31とベローズ33との間の空間に接続され他端が真空ポンプ16に接続される吸引通路52とを備えている。エア供給通路51および吸引通路52には、それぞれ電磁開閉弁V4,V5が設けられている。
【0014】
上記ベローズ33の上部空間は、継手37,吸引通路53を介して真空ポンプ16に接続されている。この吸引通路53には、上流側から順に液晶トラップ,(図示せず),電磁開閉弁V6が設けられている。
【0015】
上記液晶加圧装置40は、互いに連結される一対の型41,42と、これら型41,42に挟まれたダイヤフラム43とを備えている。型41,42間に形成された内部空間40aは、ダイヤフラム43により第一室44と第二室45に仕切られている。
【0016】
上記液晶加圧装置40の第二室45は、第一大気解放通路54を介して大気に連なり、第一エア供給通路55を介してエア圧調節タンク56に接続されている。これら第一大気解放通路54,第一エア供給通路55には、それぞれ電磁開閉弁V7,V8が設けられている。エア圧調節タンク56は、第二大気解放通路57を介して大気に連なるとともに、第二エア供給通路58を介して上記加圧エア源50に接続されている。第二大気解放通路57,第二エア供給通路58には、それぞれ電磁開閉弁V9,V10が設けられている。なお、これらエア圧調節タンク56,電磁開閉弁V9,V10により、エア圧調節手段59(ガス圧調節手段)が構成されている。
【0017】
上記液晶加圧装置40の第一室44は、液晶供給通路61を介して上記供給コネクタ20に連なっている。この液晶供給通路61には、電磁開閉弁V11が設けられている。この電磁開閉弁V11は、供給コネクタ20の近傍に配置されている。さらに、この第一室44は、液晶補充通路62および上記継手37を介して上記ベローズ33の上部空間に連なっている。この液晶補充通路62には、電磁開閉弁V12が設けられている。この電磁開閉弁V12は液晶貯留装置30の近傍に配置されている。
【0018】
さらに、上記システムは、セット状態のセル1の導入ポート6近傍位置(後述するように液晶層厚が最大になる位置)に配置される光学検出装置70(液晶層厚検出手段)と、吸引ポート7の近傍に配置された光学検出装置80(液晶検出手段)とを備えている。
上記光学検出装置70は、セル1の基板2に対峙して配置された光源71と、基板3に対峙して配置された受光器72と、光源71とセル1との間に配置された第一偏光フィルタ73と、受光器72とセル1との間に配置された第二偏光フィルタ74とを備えている。なお、この受光器72は、赤,緑,青の3つのフィルタと、これらフィルタを通過する光の光量を検出する3つの光センサとを有している。
上記第二偏光フィルタ74の偏光軸(偏光方位)は、第一偏光フィルタ73の偏光軸に対して所定の関係を有している。例えば、液晶が正常に充填されたマスターセルをセットした状態で、後述の液晶による複屈折により受光器72で受ける光の波長が460nmになるように、両偏光フィルタ73,74の偏光軸の交差角度を決定する。本実施例では、交差角度がゼロに近いが、液晶の種類によっては交差角度がより大きくなる。
光学検出装置80も基本構成は上記光学検出装置70と同じであるが、その受光器は、赤,緑,青のフィルタを備えておらず、両偏光フィルタの偏光軸は互いに直交している。
【0019】
さらに、上記システムは、マイクロコンピュータを含む制御装置を備えている。この制御装置のうち、排気側の弁V1,V2,V3を制御するバルブコントローラ91(制御手段)と、液晶供給側の弁V4〜V12を制御するバルブコントローラ92(制御手段)が図示されている。この制御装置は、操作ボタンやタイマ等に応答して、コネクタ10,20のためのエアシリンダ11,21,真空ポンプ16,モータ35cやその他の構成要素を制御する手段も含む。
【0020】
上記構成のシステムにおいて、まず、液晶貯留装置30の作用について説明する。液晶貯留装置30では、液晶LCの撹拌,脱泡と液晶加圧装置40への液晶の補充が交互に行われる。まず、撹拌,脱泡作用について説明する。電磁開閉弁V4を閉じ、電磁開閉弁V5を開くことにより、容器31とベローズ33との間の空間を真空吸引し、ベローズ33を伸ばし状態にする。この状態で、電磁開閉弁V6を開いてベローズ33の内部空間を真空吸引しながら、モータ35cを駆動する。モータ35cの駆動により、回転子35bが回転し、これに追随して撹拌子35aが回転する。この撹拌子35aの回転により、液晶が撹拌され、液晶内の空気が抜ける。この抜けた空気が吸引通路53から吸引される。
【0021】
液晶貯留装置30から液晶加圧装置40への液晶補充は次のようにして行われる。電磁開閉弁V6,V11を閉じるとともに、電磁開閉弁V12を開くことにより、液晶補充通路62を流通可能な状態にし、他の通路53,61を流通遮断状態にする。この状態で、電磁開閉弁V5を閉じ、電磁開閉弁V4を開く。すると、容器31とベローズ33との間の空間に、加圧エア源50からの加圧エアがエア供給通路51を介して供給され、これにより、ベローズ33が縮み、ベローズ33内の液晶LCが液晶加圧装置40の第一室44に供給される。
【0022】
上記液晶加圧装置40では、上記液晶貯留装置30からの液晶の補充と、供給コネクタ20を介してのセル1への加圧液晶供給とが交互に行われる。上記液晶貯留装置30からの液晶補充の際には、電磁開閉弁V8が閉じ電磁開閉弁V7が開いていて、第二室45が大気に解放された状態にあり、第一室44への液晶供給は、ダイヤフラム43が下側の型42の内面に接し、第二室45が容積ゼロ,第一室44が最大限の容積になるまで行われる。
液晶加圧装置40によるセル1への加圧液晶供給については、後述する。
【0023】
上記制御装置は、上記の撹拌脱泡,液晶補充制御の外に以下の制御を実行する。セル1をセットした後、エアシリンダ11,21を駆動させてコネクタ10,20をセル1に接続する。
次に、真空ポンプ16を駆動させ、電磁開閉弁V1を開き,電磁開閉弁V2,V3を閉じることにより、セル1の内部空間5を真空吸引する。
上記セル1の内部空間5が所定の真空度(例えば1Torr)に達するに十分な設定時間が経過した時点、または、吸引通路12に設けた圧力計によりセル1の内部空間5が所定の真空度に達したことを検出した時点で、セル1の真空吸引を続けながら、セル1への加圧液晶の供給を開始する。
【0024】
上記セル1への加圧液晶供給の際には、電磁開閉弁V12を閉じ、電磁開閉弁V11を開くことにより、液晶補充通路62を流通遮断状態にし液晶供給通路61を流通可能な状態にする。この状態で、電磁開閉弁V7を閉じ、電磁開閉弁V8を開くことにより、エア圧調節タンク63からの加圧エアを第二室45に導入し、ダイヤフラム43を介して液晶を加圧する。その結果、加圧液晶を、供給コネクタ20,セル1の導入ポート6を介して、セル1の内部空間5へ供給することができる。
【0025】
上記液晶供給に際して、液晶加圧装置40の第二室45に供給される加圧エアの圧力調節を、バルブコントローラ92で実行する。すなわち、電磁開閉弁V9を短時間開くことにより、エア圧調節タンク56の圧力を若干下げ、電磁開閉弁V10を短時間開くことにより、エア圧調節タンク56の圧力を若干上げ、これにより、第二室45でのエア圧(液晶の供給圧力)を調節することができる。
【0026】
液晶供給の初期においては、導入ポート6からの液晶は、光学検出装置70の設置位置に至らず、光学検出装置70からの液晶検出情報は得られない。すなわち、光源71からの白色光が一対の偏光フィルタ73,74を通って、受光器72に達するため、受光された光は、特定の波長に偏っていない。そのため、この液晶供給の初期には、図4に示すように、エア圧調節タンク56に接続された圧力センサからの検出圧力をフィードバックして、第二室45のエア圧を所定レベル例えば0.5Kg/cm2に維持する。
【0027】
液晶LCが光学検出装置70の位置に達すると、光源71からの光は一方の偏光フィルタ73を通過した後に液晶LCを通過する過程で複屈折され、その一部の特定波長の光が他方の偏光フィルタ74を通って受光器72に達する。これにより、液晶が検出される。この液晶検出時点で、バルブコントローラ92は、液晶層厚のフィードバック情報に基づき第二室45のエア圧制御を開始する。
【0028】
ここで、液晶層厚の検出の原理について説明しておく。図3に示すように、上記受光器72で受光される光の波長は、液晶の層厚によって変化し、層厚が小さいと、波長が短く、層厚が大きくなるにしたがって波長が長くなる。受光器72の3つの光センサは、赤,青,緑のフィルタを通過した光の光量に関する情報を出力する。バルブコントローラ92では、これら3つの光センサからの検出光量の比に基づいて、受光された光の波長を演算し、液晶層厚の情報を得る。
【0029】
そして、バルブコントローラ92は、この検出された液晶層厚が、設定層厚になるように、上記電磁開閉弁V9,V10の開閉制御を行う。この設定層厚は、セル1の内部空間に収容されているスペーサビーズが流されることがない層厚範囲における最大値または最大値に近い値に設定される。この設定層厚は、前述したマスターセル内の液晶層厚より厚く、例えば570nm程度の受光波長に対応する。なお、ハンチングを避けるために、この設定層厚は、上限値と下限値の比較的狭い範囲を有しており、上限値を越えた時に電磁開閉弁V9を短時間だけ間欠的に開いてエア圧を下げ、下限値を下回った時に電磁開閉弁V10を短時間だけ間欠的に開いてエア圧を上げる。この上限値,下限値に基づいてヒステリシス制御を行ってもよい。
【0030】
図4から明らかなように、初期の設定エア圧は、液晶が光学検出装置70に達した時に上記設定層厚を得るのに必要とするエア圧(液晶の供給圧力)より十分に低く設定されている。これは、液晶の導入初期に、勢いよく浸透する液晶でスペーサビーズが流されるのを防ぐためである。
【0031】
なお、上記液晶検出時点でも液晶の浸透に勢いがあるため、通常のフィードバック制御のように、設定層厚と検出層厚の偏差に基づいて比例制御や比例,微分制御を行うと、第二室45のエア圧すなわち液晶の供給圧力が急激に上昇し、スペーサビーズが流される可能性がある。そこで、バルブコントローラ92は、液晶検出時点から過渡的制御を行う。すなわち、検出時点から検出層厚が設定層厚に達する時点までは、図3に示すように、時間の経過に比例して徐々にエア圧を上げるようにしている。なお、この時期、通常よりも定数を小さくして鈍い応答のフィードバック制御を実行することにより、エア圧の急激な上昇を抑えるようにしてもよい。
【0032】
上記過渡的制御の後、本格的フィードバック制御を行う。すなわち、設定層厚と検出層厚の偏差に基づいて比例制御や比例,微分制御を行って、第二室45のエア圧を制御する。これにより、光学検出装置70の位置での液晶層厚、換言すれば基板2,3間のギャップが設定値に維持されるので、スペーサビーズが流されることなく、しかも最大限またはそれに近い圧力で液晶を供給できるので液晶の充填時間を短くすることができる。
【0033】
なお、上記液晶供給の際に、液晶の圧力は導入ポート6で最も高い。接着剤4で接着された縁部1aでは、液晶の圧力によるギャップの拡大は生じないが、この縁部1aから短い距離離れた導入ポート6の近傍位置で、最もギャップが大きくなる。そこで、この位置に光学検出装置70を配置してギャップを上記フィードバック制御することにより、スペーサビーズが流れるのをセル1の全域で防止できるのである。
【0034】
図5の(A)〜(D)に示すように、液晶LCの先端縁が導入ポート6から遠ざかるにしたがって、液晶LCの広がり角度が小さくなるとともに、セル内の液晶LCの抵抗が増大し、その結果、液晶の導入抵抗が徐々に増大する。そのため、第二室45でのエア圧が一定であると仮定すると、セル1において導入ポート6の近傍での液晶圧力が徐々に上昇し、液晶層厚を増大させる傾向にある。しかし、本願発明では、上記液晶層厚の検出情報に基づくフィードバック制御により、図4に示すように第二室45でのエア圧を徐々に低下させ、液晶層厚を設定値に維持することができる。
【0035】
やがて、液晶がセル1の吸引ポート7近傍に達すると、光学検出装置80でこの液晶を検出する。この液晶検出から所定時間経過した時点で、電磁開閉弁V1を閉じ、電磁開閉弁V11を閉じることにより、真空吸引,加圧液晶供給を停止する。
【0036】
上記液晶供給の後に真空度調節を実行する。すなわち、吸引コネクタ10の圧力を時間をかけて(例えば10数分かけて)大気圧に戻す。詳述すると、液晶供給終了直後に、吸引通路12の負圧の程度を1Torrからー750mmHgまで緩和する。以後、−750mmHgから徐々に大気圧まで戻す。この真空度調節は、バルブコントローラ91により、電磁開閉弁V2,V3を交互に開くことによって行う。
【0037】
吸引コネクタ10が大気圧に戻った後、コネクタ10,20をセル1から後退させて導入ポート6,吸引ポート7から取り外し、それからセル1を所定位置から取り外す。セル1の取り外し前または取り外し後に、セル1の導入ポート6と吸引ポート7を速やかに接着剤で封止し、紫外線で硬化させる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に制約されず、種々の態様が可能である。例えば、図1において、想像線で示すように、上記光学検出装置70と同一構成の光学検出装置70’を、セル1の中央に配置してもよい。そして、2つの光学検出装置70,70’からの検出層厚が両方とも設定層厚の上限以下となり、少なくとも1つが設定層厚の範囲に入るように、バルブコントローラ92が電磁開閉弁V9,V10を制御することにより、より一層確実にスペーサビーズが流れるのを防止できる。
【0039】
液晶貯留装置30は、加圧液晶供給手段を兼ねてもよい。この場合、ベローズ33の上部空間は、液晶供給通路を介して供給コネクタ20の受けポート24aに直接接続される。そして、ベローズ33の縮み動作により加圧液晶をセル1に供給する。この場合、容器31とベローズ33の間の空間に供給されるエア圧が液晶層厚情報によってフィードバック制御される。
セル1は真空槽内にセットしてもよい。この場合、吸引コネクタは不要となる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、液晶層厚の検出情報に基づき液晶の供給圧力をフィードバック制御することにより、セル内のスペーサビーズを流すことなく、短時間で液晶充填を行うことができる。
請求項2の発明によれば、液晶層厚検出手段がセルの導入ポート近傍すなわち、セルのうち液晶層厚が最も大きくなる位置に配置されているので、ここでの液晶層厚に基づくフィードバック制御により、確実にスペーサビーズが流れるのを防止できる。
請求項3の発明によれば、異なる位置での複数の液晶層厚検出情報に基づいてフィードバック制御を行うことにより、より一層確実にスペーサビーズが流れるのを防止できる。
請求項4の発明によれば、液晶の複屈折を利用して、液晶の層厚と相関関係にある透過光の波長を検出することにより、液晶の層厚を正確に検出することができる。
請求項5の発明によれば、液晶加圧手段がダイヤフラムで第一室と第二室に仕切ることにより構成され、第二室に導入されるガス圧により、ダイヤフラムを介して第一室の液晶を加圧するため、ガス圧制御に基づいて液晶の供給圧力を正確に制御することができる。
請求項6の発明によれば、ベローズを用いたことにより液晶加圧手段への液晶の補充を容易に行うことができ、しかも、撹拌により空気を抜いた液晶を補充することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態をなす液晶充填システムを示す概略図である。
【図2】同装置に用いられる光学検出装置の概略斜視図である
【図3】液晶の層厚と受光器で受光される光の波長との関係を示す図である。
【図4】液晶供給の際の経過時間とエア圧すなわち液晶の供給圧力との関係を示す図である。
【図5】液晶供給の際の液晶の先端縁の位置と液晶の広がり角度との関係を、(A)〜(D)の順序で示すセルの平面図である。
【符号の説明】
1 セル
5 内部空間
6 導入ポート
17 真空ポンプ(吸引手段)
20 供給コネクタ
30 液晶貯留装置(液晶貯留手段)
33 ベローズ
34 駆動手段
35 撹拌手段
40 液晶加圧装置(液晶加圧手段)
41,42 型
43 ダイヤフラム
44 第1室
45 第2室
53 吸引通路
59 エア圧調節手段(ガス圧調節手段)
61 液晶供給通路
62 液晶補充通路
70 光学検出装置(液晶層厚検出手段)
71 光源
72 受光器
73,74 偏光フィルタ
92 バルブコントローラ(制御手段)
Claims (6)
- (イ)セルの導入ポートに接続されるコネクタと、
(ロ)上記コネクタに液晶供給通路を介して接続された液晶加圧手段と、
(ハ)上記セル内の液晶の層厚を検出する検出手段と、
(ニ)上記検出手段で検出された液晶層厚に基づき、上記液晶加圧手段を制御して液晶の供給圧力を調節する制御手段と、
を備えたことを特徴とする液晶充填システム。 - 上記検出手段は、セルの導入ポートの近傍位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶充填システム。
- 液晶の層厚を検出する検出手段が、セルの導入ポートの近傍位置と、この導入ポートから離れた位置に配置されており、これら複数の検出手段からの液晶層厚情報に基づいて、上記制御手段が液晶の供給圧力を調節することを特徴とする請求項1に記載の液晶充填システム。
- 上記検出手段は、セルの一方の面に対峙して配置された光源と、セルの他方の面に対峙して配置された受光器と、光源とセルとの間に配置された第一偏光フィルタと、受光器とセルとの間に配置された第二偏光フィルタとを備え、上記受光器は、受ける光の波長に関する検出情報を上記液晶層厚の検出情報として出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶充填システム。
- 上記液晶加圧手段は、一対の型とこれら型間に形成される内部空間を第一室と第二室とに仕切るダイヤフラムと、この第二室に連なるガス圧調節手段とを備え、上記第一室が上記液晶供給通路を介して上記コネクタに連なり、上記制御手段が、上記ガス圧調節手段を制御して上記第二室のガス圧を調節することにより、第一室内の液晶の供給圧力を調節することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶充填システム。
- さらに、液晶貯留手段を備え、この液晶貯留手段は、液晶を収容するベローズと、このベローズを伸縮させるための駆動手段と、ベローズ内の液晶を撹拌する撹拌手段とを備えており、ベローズの上部空間が、液晶補充通路を介して液晶加圧手段の第一室に連なるとともに、吸引通路を介して吸引手段に連なっていることを特徴とする請求項5に記載の液晶充填システム。
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1996
- 1996-04-03 JP JP10616696A patent/JP3679501B2/ja not_active Expired - Lifetime
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